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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C08F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C08F
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C08F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C08F
管理番号 1168002
審判番号 不服2005-8094  
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-05-02 
確定日 2007-11-15 
事件の表示 平成 8年特許願第 56398号「カラーフィルター用アクリレート樹脂の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年 9月16日出願公開、特開平 9-241340〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成8年3月13日の特許出願であって、平成16年9月30日付けで拒絶理由通知がなされ、平成16年12月6日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成17年3月30日付けで拒絶査定され、これに対し、平成17年5月2日に拒絶査定不服審判が請求され、平成17年6月6日に審判請求書の手続補正書が提出され、平成19年5月30日付けで拒絶理由通知がなされ、平成19年8月6日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2 本願発明について
本願の請求項1に係る発明は、平成19年8月6日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。(以下「本願発明」という。)
「【請求項1】 色相APHAが200以下の下記一般式(2)
【化1】

(但し、式中nは0?20の整数である)で表されるジグリシジルエーテルを用意すること、このジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とを、ジグリシジルエーテル100当量に対し(メタ)アクリル酸が90?110当量となる割合で使用し、反応温度が90?130℃の範囲で、かつ、反応時間が3?24時間である条件で反応させて、下記一般式(1)
【化2】

(但し、式中Rは水素原子又はメチル基の何れかを示し、nは0?20の整数である)で表される色相APHAが300以下のアクリレート樹脂とすることを特徴とするカラーフィルター用アクリレート樹脂の製造方法。」

3 拒絶の理由
平成19年5月30日付け拒絶理由通知の理由1(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は以下のとおりである。
本願の請求項1?4に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記1,2,4の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
(引用文献一覧)
1.特開平5-32807号公報
2.特開平3-106918号公報
4.特開平4-345608号公報

4 引用例に記載された発明
当審拒絶理由に引用された引用例4(特開平4-345608号公報)には次の事項が記載されている。
ア「【請求項1】式(1)で示される化合物(A)、【化1】

(式中、Rは、H又はCH3である。)3官能以上のエチレン性不飽和基含有化合物(B)及び光重合開始剤(C)を含むことを特徴とするカラ-フィルター用材料。」(請求項1)
イ「【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記アクリル系樹脂及びウレタン樹脂は耐熱性が小さく更に耐薬品性が劣るため膜を形成させた後の加工工程で制約を受ける。一方、エポキシ系樹脂或はポリイミド系樹脂は耐熱性、耐薬品性等には優れているが、熱硬化性のため保護膜の微細パターン形成には適していないという問題がある。本発明の目的は、微細パターンの形成が容易で耐熱性、密着性が良好でITO(インジウムチンオキサイド)膜作製の時のシワの発生がない良好な保護膜(硬化膜)を与えるカラ-フィルター保護膜に適する紫外線硬化性のカラーフィルター用材料及びその硬化物を提供することにある。」(段落【0003】)
ウ「【0017】
【実施例】以下本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1?3
表1に示す配合組成(数値は重量部で表示)に従って各配合成分を混合することにより本発明のカラーフィルター用材料を得た。これをガラス板上にスピンコートにより1?3μmの膜厚で塗布後、塗膜を70℃で10分間乾燥し、ネガフィルムを塗膜の上に置き、次いで5kw超過圧水銀灯を使用して紫外線を照射し、次いで塩化メチレンで塗膜の未照射部分を溶解除去し、現像性について評価した。(溶解速度の速いものは○、溶解しないか又はきわめて溶解速度の遅いものは×として表した。)次に未照射部分を溶解除去したものを180℃で1時間乾燥器中に放置した後、ガラス板上に形成された硬化物(硬化膜)の耐熱性、ITO膜の作製の時のシワの発生、密着性(初期)について評価し、又更に100℃の熱水中に1時間放置した後の密着性(熱水処理後)について評価した。
【0018】耐熱性
硬化物を250℃で1時間放置後の硬化物の着色について評価した。
○─────硬化膜の着色なし外観異常なし
△─────硬化膜の着色がややみられる
×─────硬化膜の着色が強い
・・・
【0021】

」(段落【0017】?【0021】)
エ「【0023】
【発明の効果】本発明のカラーフィルター用材料を用いると微細パタ-ン化が可能で、その硬化膜は高温に放置しても着色が少なく、ITO膜の作製の時のシワの発生がなく密着性に優れカラーフィルター保護膜用に適する。」(段落【0023】)

また当審拒絶理由に引用された引用例1(特開平5-32807号公報)には次の事項が記載されている。
オ「【請求項1】 芳香族ポリカーボネート成形品の表面に、以下の多価アクリレート組成物の紫外線硬化膜を設けたことを特徴とする表面特性に優れた複合化ポリカーボネート成形品。式Iの構造を有するエポキシアクリレート樹脂
【化1】

(ただし、RはH又は低級アルキル基を示し、R′はH又はCH3を示す。n=0?20の整数である。)を多価アクリレート化合物全体の1?60重量%含有する多価アクリレート組成物。」(請求項1)
カ「【0051】
【実施例】
合成例
エポキシ樹脂(エポキシ当量231/eqiv,n=0,R=H)231gとエチルセロソルブアセテート100gを500ml四つ口フラスコ中で120℃に加熱して完全溶解させ、次にトリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mg、2,6ジ?tert?ブチルフェノール100mg、アクリル酸72.0gを加え、8時間攪拌する。
【0052】この酸価を測定し、2.0mgKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続ける。酸価が目標に達した後、室温で放冷し、式Iで示されるエポキシアクリレート樹脂(n=0?2)(試料1)を得た。さらにこれを、30℃にて一昼夜減圧乾燥し目的物を得た。」(段落【0051】?【0052】)

当審拒絶理由に引用された引用例2(特開平3-106918号公報)には次の事項が記載されている。
キ「【特許請求の範囲】
(1)下記の(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有していることを特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物。
(A)下記の一般式(I)で表されるエポキシ樹脂に、アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方を、前者のエポキシ基(X)と後者のカルボキシル基(Y)との当量比(X/Y)を1/1?1/0.55の範囲に設定し反応させてなるエポキシアクリレート。

〔式中、Rは炭素数1?4のアルキル基または水素、mは0?20の整数である。〕
(B)アクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類の少なくとも一方からなるアクリルモノマー。
(C)光硬化剤。」(特許請求の範囲第1項)
ク「〔実施例〕
冷却器,撹拌機および温度調節機つき500ml四ツロフラスコに、フルオレンエポキシ樹脂249g,アクリル酸39.6g,ハイドロキノン4mg,トルエン72g,トルエチルアミン0.2gを仕込んだ。つぎに、トルエン環流下、110℃×4時間の反応を行った後、120℃でl5分間減圧を行いトルエンを除去した。その結果、エポキシアクリレートが得られた。このものの酸価は0.7であった。」(3頁右下欄11?20行)
ケ「なお、上記実施例では、エポキシアクリレートの製造に際し、エポキシ樹脂のエポキシ基(X)とアクリル酸のカルボキシ基(Y)との比(X/Y)を1/1でしているが、」(4頁右上欄2?6行)

5 対比・判断
引用例4の摘示事項アには、式(1)で示される化合物(A)【化1】

(式中、Rは、H又はCH3である。)を含むカラーフィルター用材料が記載されており、それは、微細パターンの形成が容易で耐熱性、密着性が良好でITO(インジウムチンオキサイド)膜作製の時のシワの発生がない良好な保護膜(硬化膜)を与えるカラ-フィルター保護膜に適すること(摘示事項イ、エ)や、その硬化膜を250℃で1時間放置後の着色性はないこと(摘示事項ウ)が記載されている。
してみれば、これらの事項を化合物Aに着目してまとめると、引用例4には「250℃で1時間の耐熱性試験後も着色がないカラーフィルター保護膜を製造するためのカラーフィルター用化合物であって、式(1)

(式中、Rは、H又はCH3である。)で表される化合物(A)。」(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

本願発明と引用発明とを対比すると、カラーフィルター用化合物としての前者の「一般式(1)(式省略)で表されるアクリレート樹脂」は後者のカラーフィルター用化合物としての「式(1)(式省略)で表される化合物(A)」に相当するので、両者は「一般式(1)(式省略)で表されるカラーフィルター用アクリレート樹脂(以下、単に「アクリレート樹脂」という。)」に関する発明である点で共通するが、前者のアクリレート樹脂は「色相APHA300以下」と規定されているのに対し、後者はそのような規定はされていない点(相違点1)、及び、前者ではアクリレート樹脂の製造法が、「色相がAPHA200以下の下記一般式(2)(式省略)で表されるジグリシジルエーテル(以下、一般式(2)で表されるジグリシジルエーテルを「エポキシ化合物」という。)を用意すること、このジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とを、ジグリシジルエーテル100当量に対し(メタ)アクリル酸が90?110当量となる割合で使用し、反応温度が90?130℃の範囲で、かつ、反応時間が3?24時間である条件で反応させて」と規定されているのに対し、後者は化合物の発明であって製造法について特に規定されていない点(相違点2)で相違する。

そこで、これらの相違点について以下に検討する。
(相違点1について)
引用発明のカラーフィルター保護膜は250℃で1時間の耐熱性試験後にも着色しないものであるが、着色しないということは、無色・透明であることにほかならず、一般に無色・透明の物を得るためには、その主な材料も無色・透明の物が所望されるのが当然であるから、引用発明のカラーフィルター用材料であるアクリレート樹脂においても、無色・透明性を担保することで、その硬化物であるカラーフィルター保護膜の高温放置後の着色性をさらに改善しようとすることは、当業者が容易になし得る事項にすぎず、無色・透明性の指標として色相APHAを用い、許容しうる範囲としてAPHA300以下と設定することに格別の困難性を見い出せない。
請求人は当審の拒絶理由に対する意見書において次のように主張している。
「刊行物4においては、本願発明の効果として明示し、実施例によって立証されている耐候性試験時における黄変の有無については記載がないのであるから、刊行物4の記載をしてAPHA300以下とすることに困難性が無いと認定できるものではないと信じます。」(2頁16?19行)
しかしながら、引用例4(刊行物4)に記載されている耐熱性試験は本願発明の耐熱性試験(段落【0060】、【0061】表7)と同じ250℃で1時間放置したものであり、その着色性の有無について記載されており、これは黄変の有無も含めての評価であるものと認められるし、耐候性については、本願発明もカラーフィルター用保護膜について評価をしていない。また、高分子の技術分野において色相の指標としてAPHAは周知であるから、引用例4に記載のアクリレート樹脂の無色・透明性を担保するための指標としてAPHAを用いることに格別の困難性は見当たらない。そして、当該アクリレート樹脂のAPHAを300以下と設定することは当業者が実験により適宜なし得る事項であり、そうすることにより格別予想外の効果が奏されるものではない。

請求人は上記と同じ意見書において、効果について次のように主張している。
「請求人が審判請求書において主張している本願発明の目的及び効果は以下のとおりです。すなわち、従来のアクリレート樹脂は、その製造段階から色相AHPAについては何ら制御されていなかったため使用する添加剤の種類が制限され、かつ、使用できる添加剤に量的な制限があったため、本願発明においては通常カラーフィルター用として用いられる添加剤の種類によらず、また、添加する量的自由度が増し、耐熱性試験後あるいは耐候性試験後において黄変が無いという効果を奏するものであるので、特定の添加剤との組合せにおいてのみに限定されるものではありません。」(3頁14?21行)
しかしながら、発明の詳細な説明の【発明の効果】の欄には「本発明の光学材料用アクリレート樹脂組成物は、耐候性試験時や耐熱性試験時における黄変が少なく、これによって安定剤等の添加剤を添加する量的自由度が増し、また、同じ添加量であれば硬化膜の黄変の程度を低減でき、しかも、クラックの発生も可及的に防止できる。このため、透明プラスチック保護用コーティング材料、カラーフィルター用材料、光学材料用接着剤等の光学材料の用途に好適に用いることができる。」(段落【0062】)と記載されているのであるから、本願発明のアクリレート樹脂や添加剤を含有する光学材料用アクリレート樹脂組成物の耐熱性、耐候性試験時における黄変が少ないことが、本願発明の直接的な効果であり、添加剤を添加する量的自由度が増すという効果は、直接的効果から派生する副次的効果にすぎない。そして、審判請求書において「現実にはカラーフィルター用樹脂においては、(アクリレート樹脂が)APHA300超であっても何ら差し支えなく使用できることが多いことは、従来それが使用されてきたことからもうなづける。しかし、安定剤等の種類によってはAPHAが黄変性に結びつくことがあることが本発明者によって初めて見出されたのである。(註:( )内の記載及びアンダーラインは合議体が理解しやすいように補ったものである。)」と記載されていること、及び、特開昭64-65111号公報(当審拒絶理由における刊行物3)には、エポキシジアクリレート樹脂を含む光学部品の材料の光開始剤を、特定の物にすることにより、その硬化物の着色性が改善されることが記載されている(特許請求の範囲、第1頁左下欄下から4行?右下欄1行、第2頁左上欄7行?右上欄8行)ことからすると、本願発明において、アクリレート樹脂をAPHA300以下として本願の実施例(カラーフィルター用材料としての実施例は実施例18?23)で用いられた3種類の添加剤以外の任意の添加剤を用いた場合にも、実施例と同等の効果が得られるか否かは、明らかでないというべきである。
そして副次的効果である「添加剤を添加する量的自由度が増す」という効果も、どの程度量的自由度が増すかについて何ら具体的に開示されているわけではない。
以上のとおりであるから、本願発明においてアクリレート樹脂をAPHA300以下とすることによる効果は格別のものではない。

(相違点2について)
引用発明には、アクリレート樹脂の製造法について記載されていないが、引用例1、2に記載されているように、アクリレート樹脂を、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて製造することは公知である(摘示事項オ?キ)し、本願発明における温度、時間、反応割合等の反応条件も公知である(摘示事項カ?ク参照。摘示記載カでは、エポキシ樹脂(エポキシ当量231/eqiv,n=0,R=H)231gとアクリル酸72.0g(分子量72)を反応させることが記載されており、この記載からグリシジルエーテル100当量に対しアクリル酸が100当量となる割合で使用していると解される)から、引用発明において使用されるアクリレート樹脂を引用例1,2に記載された製造法により製造することは当業者が容易になし得る事項である。
また、色相の悪い原料を用いると通常色相の悪い反応生成物が得られることは自明であることからすると、引用発明におけるカラーフィルター保護膜の着色性を改善するために、カラーフィルター用材料であるアクリレート樹脂の原料化合物であるエポキシ化合物の色相を、通常の精製手段によって純度を高めることによりできるだけ良くしておくことは当業者が容易に想到しうる事項であるし、その際許容しうる色相の程度を規定することは当業者が実験により適宜なし得る事項にすぎず、本願エポキシ化合物の色相をAPHA200以下にすることに格別の困難性を見い出せない。
請求人は当審拒絶理由に対する意見書中で次のように主張している。
「本願発明は、耐熱性試験後及び耐候性試験後の黄変の原因について探求を重ね、出発原料のフルオレノンまで遡ってつきとめ、それまで全く知られていなかった方法、すなわち、エポキシ化合物の色相をAPHAで特定の水準以下に管理することで解消されること見出したものであり、その産業的意義は極めて大きく、当業者が容易になしうる程度の発明ではないと信じます。」(2頁37?41行)
しかしながら、カラーフィルター用材料の評価が、それを用いてカラーフィルターを製造した直後の品質はもとより、耐熱性試験及び耐候性試験後の品質によりなされることは自明であること(例えば引用例4の摘示事項ウ参照)、及び請求人も認めているとおり「製造業者としてより良い品質の製品を提供することは当然であり、顧客より色相の改善の要求があれば原料に遡って、原料の色相改善も検討対象とすることはあり得ることである」(当審拒絶理由に対する意見書の2頁30?32行)ことからすると、カラーフィルター用材料を用いて製造したカラーフィルターの耐熱性試験後の着色性を改善するために、カラーフィルター用材料の原料であるエポキシ化合物の色相APHAも低減させておくことは、格別の想到困難性を有するものとはいえない。

また請求人は当審拒絶理由に対する意見書中で次のようにも主張している。
「なお、刊行物1の実施例で使用されたASF-400は本願出願人の製品であり、これが従来技術であり、この樹脂は、比較製造例1及び2に示した樹脂と同等品となります。また、刊行物1の実施例では耐熱性試験で着色の程度を測定しているが、本願発明では600hrにも及ぶ長時間での耐候性試験によって測定しており、着色の機構、原因物質等が異なり、刊行物1の実施例で着色がないからといって、本願発明の試験方法でも着色がないとはいえず、比較例1?6に示したように着色が生じるものであります。」(2頁最下行?3頁5行)
しかしながら、本願発明の実施例は実施例18?23のみであり、ここでは耐熱性試験のみであり、耐候性試験はなされていない。なお、600時間の耐候性試験はハードコート剤について行ったもので、当該ハードコート剤はカラーフィルター用保護膜剤と組成等の条件や被覆基材が全く異なるものなので、ここから本願発明の実施例におけるカラーフィルター用保護剤も、600時間の耐候性試験の結果同様の効果が得られると推測することはできない。

6 むすび
したがって、本願発明は、引用例1,2,4に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-08-24 
結審通知日 2007-09-04 
審決日 2007-09-27 
出願番号 特願平8-56398
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (C08F)
P 1 8・ 537- WZ (C08F)
P 1 8・ 536- WZ (C08F)
P 1 8・ 113- WZ (C08F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野寺 務  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 渡辺 陽子
福井 美穂
発明の名称 カラーフィルター用アクリレート樹脂の製造方法  
代理人 佐野 英一  
代理人 成瀬 勝夫  
代理人 成瀬 勝夫  
代理人 佐野 英一  

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