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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G11B
管理番号 1168377
審判番号 不服2005-766  
総通号数 97 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-01-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-01-13 
確定日 2007-11-21 
事件の表示 特願2002-236942「磁気記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成16年3月11日出願公開、特開2004-79062〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成14年8月15日の出願であって、拒絶理由通知に対し、平成16年11月15日付けで手続補正がされたものの、拒絶査定がされ、これに対して拒絶査定不服審判が請求され、平成17年2月10日付けで手続補正がされたものであり、平成19年5月7日付けで、平成17年2月10日付け手続補正が当審において補正却下の決定がされるとともに、最後の拒絶理由が通知されたものである。

2.当審が通知した拒絶理由の概要

当審が通知した拒絶理由の概要は、以下のとおりである。

(1)平成16年11月15日付け手続補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。(理由1)

(2)平成16年11月15日付け手続補正により補正された請求項1?4に係る発明について、発明の詳細な説明には、発明の解決すべき課題と解決のための手段の関係について、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有するものが発明の技術上の意義を理解するために必要な事項が記載されていないから、本願は特許法第36条第4項に規定する要件を満たしておらず、請求項1?4に係る発明が発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件も満たしておらず、また、請求項に記載された発明が明確であるということはできないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。(理由2)

3.当審の判断

(1)理由1について

ア.補正事項
平成16年11月15日付け手続補正のうち、請求項1についての補正は、補正前の
「【請求項1】 第1飽和磁束密度を有する第1磁性層と、第1磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2磁性層とを備えることを特徴とする磁気記録媒体。」を
「【請求項1】 第1飽和磁束密度を有する第1記録磁性層と、第1記録磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2記録磁性層とを備え、第1記録磁性層は、第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成されることを特徴とする磁気記録媒体。」と補正するものである。(以下、補正後の請求項1に係る発明を「本願発明」という。)

上記補正事項のうち、「第1記録磁性層は、第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成される」(以下、「本件補正事項」という。)が願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内であるか、以下検討する。

イ.願書に最初に添付された明細書及び図面(以下、「当初明細書等」という。)の記載事項

当初明細書等には、第1(記録)磁性層について、以下の事項が記載されている。 (下線は、当審で付加した。)

「 【0003】
【発明が解決しようとする課題】
記録密度の向上にあたって磁性層内では磁性結晶粒の微小化が要求される。一般に、磁性層の膜厚が十分に薄膜化されれば磁性結晶粒の微小化は実現されることが広く知られる。しかしながら、磁性層の膜厚が減少すると、tBr(膜厚と残留磁化との積)の減少に伴い磁性層から漏れ出る磁界の強さは弱まる。したがって、十分な大きさの再生出力は確保されることができない。しかも、磁性層の膜厚の減少は保磁力Hcの低下を引き起こす。保磁力Hcが過度に低下すると、磁性層に記録された磁気情報は熱攪乱などに起因して容易に破壊されてしまう。
【0004】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、これまで以上に高い周波数の書き込み信号に十分に対応することができ、かつ、保磁力の低下を伴わずに十分に磁性層の薄膜化を実現することができる磁気記録媒体を提供することを目的とする。」
「 【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、第1飽和磁束密度を有する第1磁性層と、第1磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2磁性層とを備えることを特徴とする磁気記録媒体が提供される。
【0006】
こういった磁気記録媒体では、第1磁性層および第2磁性層の積層体で磁気記録層は形成される。第2磁性層は第1磁性層に比べて大きな飽和磁束密度を有することから、第1磁性層単独で磁気記録層が提供される場合に比べて大きな残留磁化が積層体の磁気記録層には確保されることができる。したがって、積層体全体の膜厚が縮小されても、十分な大きさのtBr(膜厚と残留磁化との積)は確保されることができる。十分な大きさの再生出力は確保されることができる。
【0007】
しかも、こういった第1および第2磁性層の積層体では十分な保磁力が確保されることができる。膜厚の減少にも拘わらず保磁力の低下は回避されることができる。その結果、第1および第2磁性層に記録された磁気情報は確実に記録磁性層内に保持されることができる。
【0008】
第1磁性層には、例えば、Co原子に基づき形成される磁性結晶粒と、磁性結晶粒同士の間に形成されるCr非磁性壁とが含まれればよい。同様に、第2磁性層には、Co原子に基づき形成される磁性結晶粒と、磁性結晶粒同士の間に形成されるCr非磁性壁とが含まれればよい。このとき、第2磁性層に含まれるCr原子の含有量は第1磁性層に含まれるCr原子のそれよりも小さく設定されればよい。ただし、第2磁性層の飽和磁束密度は0.5[T]以上に確保されることが要求される。
【0009】
前述のように十分な大きさのtBrが確保されつつ第1および第2磁性層の膜厚が縮小されると、第1および第2磁性層では磁性結晶粒の微小化は実現されることができる。記録再生分解能特性は高められる。第1および第2磁性層には十分に高い周波数で磁気情報は書き込まれることができる。こうして書き込み信号の周波数が高められれば、磁気記録媒体の記録密度は高められることができる。」
「 【0024】
下地磁性層28の表面には第1磁性層29が広がる。この第1磁性層29は例えばCoCrPtB合金の積層体29a、29bから構成されればよい。このとき、例えば下側のCoCrPtB層29aでは上側のCoCrPtB層29bよりも大きな含有量でPtが含まれればよく、上側のCoCrPtB層29bでは下側のCoCrPtB層29aよりも小さな含有量でCrが含まれればよい。第1磁性層29ではCo原子に基づき磁性結晶粒は形成される。磁性結晶粒同士の間にはCr非磁性壁が形成される。Cr非磁性壁は磁性結晶粒同士の磁気的相互作用を断ち切ることができる。その他、第1磁性層29は単層のCo系合金から構成されてもよい。」
「 【0025】
第1磁性層29の表面には第2磁性層31が広がる。この第2磁性層31は例えばCoCrTa合金といったhcp構造のCo系合金から構成されればよい。第2磁性層31ではCo原子に基づき磁性結晶粒は形成される。磁性結晶粒同士の間にはCr非磁性壁が形成される。Cr非磁性壁は磁性結晶粒同士の磁気的相互作用を断ち切ることができる。第2磁性層31の膜厚は例えば0.5?3.0nmの範囲で設定されればよい。ここで、第2磁性層31には、前述の第1磁性層29に比べて大きな飽和磁束密度Bsが与えられる。こういった飽和磁束密度Bsの実現にあたって第2磁性層31には第1磁性層29に比べて小さい含有量(原子%)でCr原子が含まれればよい。第2磁性層31には0.5[T]以上の飽和磁束密度Bsが確保されればよい。
【0026】
以上のような多結晶構造膜22では、第1および第2磁性層29、31の積層体で磁気記録層は形成される。第2磁性層31は第1磁性層29に比べて大きな飽和磁束密度Bsを有することから、第1磁性層29単独で磁気記録層が提供される場合に比べて大きな残留磁化Brが積層体の磁気記録層には確保されることができる。したがって、積層体全体の膜厚が縮小されても、十分な大きさのtBr(膜厚と残留磁化との積)は確保されることができる。十分な大きさの再生出力は確保されることができる。
【0027】
こうして十分な大きさのtBrが確保されつつ第1および第2磁性層29、31の膜厚が縮小されると、第1および第2磁性層29、31では磁性結晶粒の微小化は実現されることができる。記録再生分解能特性は高められる。第1および第2磁性層29、31には十分に高い周波数で磁気情報は書き込まれることができる。こうして書き込み信号の周波数が高められれば、磁気ディスク13の記録密度は高められることができる。記録再生分解能Resは次式で表現される。」
「 【0036】
続いて図6に示されるように、CoCrTa合金層36の表面には第1磁性層29および第2磁性層31が相次いで成膜される。第1磁性層29の成膜にあたってCoCrPtBターゲットが用いられる。同様に、第2磁性層31の成膜にあたってCoCrTaターゲットは用いられる。このとき、CoCrTaターゲットでは、CoCrPtBターゲットに比べてCrの含有量(原子%)は抑制される。CoCrTa合金層36の表面にはCoCrPtB合金層37、38が相次いで形成される。各CoCrPtB合金層37、38ではエピタキシャル成長に基づき磁性結晶粒が確立される。前述のCr層34の働きでCoCrPtB合金層37、38では面内方向に良好に磁化容易軸が確立される。基板21が高温に維持されることから、磁性結晶粒同士の間にはCr原子39が偏析する。Cr原子39は非磁性壁を作り出す。CoCrPtB合金層38の表面にはCoCrTa合金層41が形成される。CoCrTa合金層41では0.5[T]程度の飽和磁束密度Bsが確保されればよい。第1および第2磁性層29、31の積層体の膜厚tはtBr=5.5[nTm]程度を目安に設定されればよい。」

図2には、第1磁性層29について、下側の層29aと上側の層29bからなることが図示され、図6には、第1磁性層について、CoCrPtB合金層37,38の上下の層からなることが図示されている。

ウ.新規事項の有無

本件補正事項である「第1記録磁性層は、第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成される」について、段落【0024】には、「この第1磁性層29は例えばCoCrPtB合金の積層体29a、29bから構成されればよい。このとき、例えば下側のCoCrPtB層29aでは上側のCoCrPtB層29bよりも大きな含有量でPtが含まれればよく」と記載されている。

ところで、当初明細書等には、「第1飽和磁束密度を有する第1磁性層と、第1磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2磁性層とを備える」ことにより(段落【0005】)、「高い周波数の書き込み信号に十分に対応することができ、かつ、保磁力の低下を伴わずに十分に磁性層の薄膜化を実現する」という課題(段落【0003】【0004】)を解決するものであることが記載されている。
そして、第1(記録)磁性層については「第1磁性層には、例えば、Co原子に基づき形成される磁性結晶粒と、磁性結晶粒同士の間に形成されるCr非磁性壁とが含まれればよい。」(段落【0008】)「CoCrTa合金層36の表面には第1磁性層29および第2磁性層31が相次いで成膜される。第1磁性層29の成膜にあたってCoCrPtBターゲットが用いられる。……CoCrTa合金層36の表面にはCoCrPtB合金層37、38が相次いで形成される。各CoCrPtB合金層37、38ではエピタキシャル成長に基づき磁性結晶粒が確立される。前述のCr層34の働きでCoCrPtB合金層37、38では面内方向に良好に磁化容易軸が確立される。基板21が高温に維持されることから、磁性結晶粒同士の間にはCr原子39が偏析する。」(段落【0036】)と記載されている。

しかし、当初明細書等には、本件補正事項によって、いかなる課題を解決するのか、本願補正事項の構成によってどのような効果が奏されるのか、そのためには、上側の層と下側の層とでPtの含有量がどの程度のものを用いるのか、どのような方法によって上側と下側の層のPtの含有量を変えるのか、等については、何ら記載されていない。

上記(イ)の記載事項からみて、段落【0024】の記載事項は、第1(記録)磁性層について、「第1飽和磁束密度を有する第1磁性層と、第1磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2磁性層とを備える磁気媒体」における第1磁性層について単に例示したにすぎず、本件補正事項について、その技術的意義が記載されているとすることはできない。

この点について、請求人は意見書において、本件補正事項(第2の構成要件)により、「磁性結晶粒同士の間にCr非磁性壁が形成されることにより、磁性結晶粒同士の磁気的相互作用を断ち切ることができる」という作用効果が得られることが当初明細書に記載されている旨主張している。
しかし、Crによる非磁性壁は、第1磁性層ばかりでなく、下地磁性層(段落【0011】)や第2磁性層においても形成されるものであって(段落【0008】、【0025】)、第1磁性層におけるCoCrPtB合金によって奏される特有の効果ではない。本願明細書等には第1磁性層におけるPtの含有量によって、Cr非磁性壁の形成がどのように影響されるのかについて、何ら記載されておらず、また本願出願当時、そのような技術常識があったものとも認められないから、請求人の主張を採用することはできない。

そうすると、本件補正事項は、当初明細書の段落【0024】に文言上の記載があるとしても、その発明としての技術的意義については何ら記載されていないから、本件補正事項は、当初明細書等に実質的に記載されていた事項とすることはできない。
そして、補正後の発明について、「保磁力Hcおよび信号対雑音比SNRは著しく向上する」と原審における拒絶理由通知に対する意見書において請求人が主張するごとく、本件補正事項について新たな技術上の意義が追加されたことは明らかである。

また、本件補正事項においてはPtの量のみ特定しCrの量について特定していないが、段落【0024】には「このとき、例えば下側のCoCrPtB層29aでは上側のCoCrPtB層29bよりも大きな含有量でPtが含まれればよく、上側のCoCrPtB層29bでは下側のCoCrPtB層29aよりも小さな含有量でCrが含まれればよい。」と記載され、Ptの量とCrの量の大小関係が不可分であるとも解されることから、ことさらPtの量の大小関係のみを個別化して取りあげる本件補正事項は、当初明細書等の記載から自明な事項ではない。

したがって、本件補正は出願当初の明細書又は図面に記載された事項の範囲内でしたものではない。

(2) 理由2について

平成16年11月15日付け手続補正により補正された請求項1に係る発明は、
「第1飽和磁束密度を有する第1記録磁性層と、第1記録磁性層上に積層されて、第1飽和磁束密度よりも大きい第2飽和磁束密度を有する第2記録磁性層とを備え、第1記録磁性層は、第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成されることを特徴とする磁気記録媒体。」により特定されるものである。(以下、「本願発明」という。)

上記(1)で述べたように、「第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成される」ことにより、いかなる課題を解決するのか(言い換えると、この構成によってどのような効果が奏されるのか)、そのためには、上側の層と下側の層とでPtの含有量がどの程度であればいいのか、どのような方法によって上側と下側の層のPtの含有量を変えるのか、等については、何ら記載されていない。
すなわち、第1記録磁性層において上側と下側の磁性層とでPt含有量が異なることによってその発明が解決すべき課題やそれを解決するための手段等について、当業者が発明の技術的意義を理解するのに必要な事項が記載されているということはできない。

この点について、請求人は意見書において、「第1含有量でPt原子を含む下側のCoCrPtB層と、第1含有量よりも小さな第2含有量でPt原子を含む上側のCoCrPtB層とから構成される」ことにより、「磁性結晶粒同士の間にCr非磁性壁が形成されることにより、磁性結晶粒同士の磁気的相互作用を断ち切ることができる」という作用効果が得られ、また、CoCrPtBの4元合金の組成量の選択の幅は当業者にとっては常識的な事項である旨主張している。

しかし、上記(1)で述べたとおり、Cr非磁性壁の形成はCoCrPtB層による特有な効果、ましてや、Ptの量の大小関係と関連する効果であるとすることはできない。

また、CoCrPtBの4元合金の組成量の選択の幅が当業者にとって常識的な範囲であるとすれば、それによって奏される効果も当業者が予測しうる程度のものであるから、本願発明は原査定の拒絶の理由に引用された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるといわざるを得ない。
一方、請求人は「磁気記録媒体で一般的に使用され得る組成において、第1記録層の下側と上側のPt組成量の差をつけて実験を実施して効果を示したしたものであり、Pt組成量の差が、2at%と非常に小さな差(100分の2)でも効果が創出される」と主張しているとおり、Ptの組成がわずかに変動することによって、予想し得ない効果が奏されるのであれば、CoCrPtBの4元合金の組成量の選択の幅が当業者にとって常識的な範囲であるということはできないから、請求人の主張を採用することはできない。

したがって、本願明細書の発明の詳細な説明は、発明が解決しようとする課題及びその解決手段その他のその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が発明の技術上の意義を理解するために必要な事項を記載しているとは認めらず、経済産業省令で定める記載要件に適合しないので、当業者が発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえないから、本願は特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。
また、本願発明について、その解決すべき課題や具体的な解決手段が発明の詳細な説明に記載されているとはいえず、本願発明は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、本願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
さらに、明細書及び図面の記載、ならびに、本願出願時の技術常識を考慮しても、本願発明を特定するための事項がどのような技術的意義を有するのか、理解することはできず、特許請求の範囲に記載された本願発明は不明確であるから、本願は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願は当審が通知した拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-09-07 
結審通知日 2007-09-18 
審決日 2007-10-01 
出願番号 特願2002-236942(P2002-236942)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (G11B)
P 1 8・ 537- WZ (G11B)
P 1 8・ 55- WZ (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 橘 均憲  
特許庁審判長 小林 秀美
特許庁審判官 横尾 俊一
中野 浩昌
発明の名称 磁気記録媒体  
代理人 山▲崎▼ 薫  

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