• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  C08J
審判 全部無効 2項進歩性  C08J
管理番号 1170287
審判番号 無効2004-80153  
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2004-09-16 
確定日 2008-01-24 
事件の表示 上記当事者間の特許第3489267号「ガス遮断性に優れた包装材」の特許無効審判事件についてされた平成17年10月11日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の決定(平成17年(行ケ)第10804号平成18年3月8日決定言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 特許第3489267号の請求項1?9に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 I.手続きの経緯
本件特許第3489267号の請求項1?9に係る発明は、平成7年4月21日に特許出願され、平成15年11月7日にその発明について特許権の設定登録がなされ、平成16年9月16日付けで請求項1?9に係る特許について、審判請求人 株式会社大協精工により本件無効審判請求がなされ、無効審判における答弁書の提出期間内である平成16年12月17日付けで答弁書及び訂正請求書が提出され、平成17年3月10日付けで弁駁書が提出され、平成17年5月26日に口頭審理が行われ、その後双方から上申書(請求人は第2弁駁書)が提出され、平成17年10月11日付けで、「訂正を認める。特許第3489267号の請求項1?9に係る発明についての特許を無効とする。」との審決がなされた。これに対し、知的財産高等裁判所に平成17年11月18日付けで審決取消の訴え(平成17年(行ケ)10804号)がなされ、その後の平成18年2月16日付けで訂正審判(訂正2006-39024号、当該訂正審判は、法定期間を経過した後の不適法な請求であり、特許法第135条の規定によって却下された。)が請求されたところ、知的財産高等裁判所において平成18年3月8日付けで審決差戻しの為の審決取消の決定がなされ、その後、平成18年4月12日付けで審理を開始する旨の通知がなされ、平成18年4月26日付けで訂正請求がなされ、訂正拒絶理由が通知され、これに対し、意見書が提出されたものである。
II.訂正請求について
平成18年4月26日付けで訂正請求がなされた結果、先にした平成16年12月17日付け訂正請求は、特許法第134条の2第4項の規定により、取り下げられたものとみなされる。
1.訂正の内容
本件訂正請求の内容は、願書に添付した明細書について、訂正請求書に記載された訂正事項a?tの訂正を求めるものである。
訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1に記載の「環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体」を、
「テトラシクロドデセンである環状オレフィンを30モル%以上含有する該環状オレフィンとエチレンとの環状オレフィン共重合体」と訂正する。
訂正事項b
特許請求の範囲の請求項1に記載の「ガス遮断性に優れた」を、「水蒸気透過量が0.1g/m^(2)day以下の水蒸気遮断性に優れた」と訂正する。
訂正事項c
特許請求の範囲の請求項2?5に記載の「ガス遮断性に優れた」を、「水蒸気遮断性に優れた」と訂正する。
訂正事項d
請求項6?9を削除する。
訂正事項e
明細書の「発明の名称」、明細書段落【0001】、【0002】、【0003】、【0004】、【0005】、【0008】、【0011】、【0013】、【0016】、【0018】、【0041】に記載の「ガス」を、「水蒸気」と訂正する。
訂正事項f
明細書段落【0006】の記載を
「【課題を解決した手段】
本発明は、
「1.プラスチック材に無機薄膜を被覆した包装材において、該プラスチック材がテトラシクロドデセンである環状オレフィンを30モル%以上含有する該環状オレフィンとエチレンとの環状オレフィン共重合体で形成されており、プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマCVD法により形成された薄膜であることを特徴とする、水蒸気透過量が0.1g/m^(2)day以下の水蒸気遮断性に優れた包装材。
2.プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物である、1項に記載された水蒸気遮断性に優れた包装材。
3.プラスチック材に被覆した無機薄膜が、低温プラズマ法により有機シリコン化合物モノマーをプラズマとなし、このプラズマでプラスチックス材を処理して表面に有機シリコン化合物重合体の被膜を形成し、ついでこの有機シリコン化合物重合体の被膜上にシリコン酸化物膜を被覆した無機薄膜である、1項または2項に記載された水蒸気遮断性に優れた包装材。
4.有機シリコン化合物モノマーがビニルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ポリメチルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロキサンから選んだ1または2以上である、3項に記載された水蒸気遮断性に優れた包装材。
5.シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコン化合物をプラスチックス材上で酸素ガスと反応させて被覆した膜である、3項または4項に記載された水蒸気遮断性に優れた包装材。」に関する。」と訂正する。
訂正事項g
明細書段落【0007】及び【0010】の記載である「環状オレフィン共重合体」を「上記環状オレフィン共重合体」と訂正する。
訂正事項h
明細書段落【0008】に記載の「共重合体」を「上記共重合体」と訂正する。
訂正事項i
明細書段落【0009】を「本発明者は、この相乗効果について環状オレフィンを30モル%以上含有する上記共重合体はガラス転移温度が著しく高くなり無機質被膜の製膜時の基材の形状変動が小さく、しかもこの製膜時にフイルム表面に異物がブリードしないので異物のない状態で無機被膜が形成されるので均一な欠陥のない被膜が形成されるためであると考えている。上記環状オレフィン共重合としては、三井石油化学株式会社製のアペルがあげられる。」と訂正する。
訂正事項j
明細書段落【0010】に記載の「プラスチックス材にシリコン酸化物SiOxを被覆する方法にはa.SiO、SiO2を原料とした真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD法、b.モノシラン(SiH4)と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、c.テトラエトキシシラン等の有機シリコン化合物と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、等がある。」を「プラスチックス材にシリコン酸化物SiOxを被覆する方法としては、モノシラン(SiH_(4))と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法やテトラエトキシシラン等の有機シリコン化合物と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、等がある。」と訂正する。
訂正事項k
明細書段落【0011】及び【0013】に記載の「PVD法や」を削除する。
訂正事項l
明細書段落【0012】に記載の「PVD法または」を削除する。
訂正事項m
明細書段落【0012】に記載の「垂合膜」を「重合体膜」と訂正する。
訂正事項n
明細書段落【0013】に記載の「SiO_(2)などのシリコン酸化物を真空蒸着等のPVD法によって薄膜状に被覆してもよく」を削除する。
訂正事項o
明細書段落【0015】に記載の「円盤状高周波電極6」を「円盤状高周波電極3」と訂正する。
訂正事項p
明細書段落【0017】に記載の「実施例3、4では環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モル%の円筒状プラスチックボトルを、また比較例3、4では25モル%の同形状のボトルを使用した。」を「実施例3、4では環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モル%の円筒状プラスチックボトルを使用した。」と訂正する。
訂正事項q
明細書段落【0020】に記載の「真空度8.0×10^(-33)torr導入し」を「真空度8.0×10^(-3)torr導入し」と訂正する。
訂正事項r
明細書段落【0018】及び【0028】?【0040】の記載を削除する。
訂正事項s
明細書の図面の簡単な説明における「【図3】本発明で使用する高周波プラズマPVD装置の説明図である。」を削除する。
訂正事項t
「図3」を削除する。
2.訂正拒絶理由について
訂正拒絶理由の概要は、上記訂正において、訂正事項aは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内においてする訂正とはいえず、この訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成6年法律第116号による改正前の特許法第134条第2項ただし書の規定に適合しないので、当該訂正は認められない、というものである。
3.訂正の適否についての判断
訂正事項aが、願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)に記載した事項の範囲内においてする訂正であるかどうか検討する。
(1)特許明細書には、以下の記載がされている。
特許請求の範囲【請求項1】「該プラスチック材が環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体で形成されており、」
明細書段落【0006】「該プラスチック材が環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体で形成されている」
明細書段落【0007】「【作用】本発明の第1の特徴は包装材料の基体として環状オレフィン共重合体を使用することである。」
明細書段落【0008】「共重合体の環状オレフィンの含有量を30モル%以上とすると、」
明細書段落【0009】「環状オレフィンを30モル%以上含有する共重合体はガラス転移温度が著しく高くなり・・・。環状オレフィン共重合としては、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体、または前記重合体に炭化水素系重合体、塩素含有重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、不飽和酸、不飽和アルコール誘導重合体、アミン誘導重合体などの重合体を混合したものを含む。」
明細書段落【0011】「実施例の項で具体的に説明するが、環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体基材に」
明細書段落【0016】「実施例1、2では環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モル%のプラスチックシートを、また比較例1、2では25モル%のシートを使用した。」
明細書段落【0017】「実施例3、4では環状ポリオレフィン含有量が30、32、33モル%の円筒状プラスチックボトルを、また比較例3、4では25モル%の同形状のボトルを使用した。」
明細書段落【0019】「実施例1
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0020】「実施例2
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0022】「比較例1
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0023】「比較例2
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0025】、【0026】 には、「プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し」
明細書段落【0028】、【0029】 には、「プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し」
明細書段落【0031】、【0032】には、「プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を25モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0034】、【0035】には、「プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を25モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
明細書段落【0037】、【0039】には、「プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、」
(2)特許明細書の【請求項1】、明細書段落【0006】、【0007】、【0008】、【0011】の記載を参酌すると、無機薄膜を被覆した包装材のプラスチック材が、「環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体」からなるものであることは記載がされているが、「環状オレフィン共重合体」を構成する環状オレフィンが如何なる構造のものであるのか、また、環状オレフィン以外の他の共重合成分(単量体)が如何なるものであるのかも何ら具体的に記載がされていない。
また、特許明細書段落【0009】には、「環状オレフィン共重合としては、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体、又は前記重合体に炭化水素系重合体、塩素含有重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、不飽和酸、不飽和アルコール誘導重合体、アミン誘導重合体などの重合体を混合したものを含む」と記載され、環状オレフィン共重合体が、「環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体」から成るものや、「環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体に、炭化水素系重合体、塩素含有重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、不飽和酸、不飽和アルコール誘導重合体、アミン誘導重合体などの重合体を混合したもの」であることが記載されている。
しかしながら、環状オレフィン共重合体について「環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体」と記載されているが、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物がどのようなものであるのか具体的に記載がされているものではないし、さらに、共重合成分についても「エチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体」と記載されているのみで、具体的に共重合成分が特定されているものではない。
また、特許明細書段落【0019】、【0020】、【0025】、【0026】の実施例には、「プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し」と記載され、明細書段落【0028】、【0029】の実施例には、「プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し」と記載され、明細書段落【0037】の実施例には、「プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し」と記載されているが、アペルであるプラスチック材及びプラスチック基板を構成する環状ポリオレフィンが如何なる環状オレフィンと如何なる共重合成分(単量体)からなるものであるかは一切記載がされていない。
そして、環状オレフィン系化合物としては、環を構成する炭素の数により多数の化合物が存在し、また架橋多環式炭化水素系化合物としては、環を構成する炭素の数並びに架橋位置により多数の化合物が存在するのであるから(例えば請求人提出の甲第4、8号証参照。)、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物が特定の化合物として把握できるということはできない。
そうであれば、明細書段落【0009】の記載の「環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物」が、テトラシクロドデセンについて記載しているということはできない。
また、明細書段落【0019】、【0020】、【0025】、【0026】、【0028】、【0029】、【0037】の実施例において「アペル」との記載がされているが、「アペル」については、被請求人が訂正請求書とともに提出した参考資料1を参酌しなければその重合体を構成する成分が把握できない上に、その構成成分の割合については参考資料1に何ら明確に記載がされているものではないから、前記「アペル」との記載から、アペルが「テトラシクロドデセンである環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィンとエチレンとの環状オレフィン共重合体」であると直ちにいえるものではない。
したがって、特許明細書全体をみても「テトラシクロドデセンである環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィンとエチレンとの環状オレフィン共重合体」が、特許明細書に記載されているということはできない。
(3)被請求人は、訂正の原因(i)において「上記訂正事項aは、明細書段落【0009】の記載及び【0019】の実施例1などで使用されている三井石油化学株式会社製のアペルを根拠とし、かつアペル(APEL)は本件出願日である1995年4月21日以前である1995年1月12日に発行された高分子分析ハンドブックの第627頁(参考資料1)の表2.5.1及びその下に記載の環状オレフィンがテトラシクロドデセンであり、これとエチレンの共重合体であることにより支持されており、」と主張する。
しかしながら、そもそも被請求人が参考資料1として提出した「日本分析化学会編 新版高分子分析ハンドブック 株式会社紀伊國屋書店 1995年1月12日発行 第627頁表2.5.1」なる文献については、本願明細書中には何ら記載されておらず、その文献名さえも示されていないのであるから、上記主張は本願明細書に記載された事項に基づく主張ではない。
また、例え前記「日本分析化学会編 新版高分子分析ハンドブック 株式会社紀伊國屋書店 1995年1月12日発行 第627頁表2.5.1」の「商品名(メーカー)」の欄において、「APO、APEL(三井石油化学)」と記載され、「製法及び構造」の欄にその化学構造式

が記載されていたとしても、該記載から直ちにアペル(APEL)が「テトラシクロドデセンとエチレンとからなる環状オレフィン共重合体」であることが本出願前技術常識であったといえるものではない。ましてや、この化学構造式において、構造の繰り返し単位x、yについて具体的に数値が示されているものではないし、環状オレフィンを何モル%含むかについても何ら記載がされていないのである。
(4)したがって、本件出願前における技術常識を勘案したとしても、前記訂正事項aは、特許明細書に記載されていたとすることはできず、特許明細書に記載した事項の範囲内においてするものとはいえず、訂正拒絶理由は妥当なものであって、撤回することはできない。
4.訂正拒絶理由に対する意見書について
(1)意見書3頁において「三井石油化学株式会社のアペルの構造は、既に参考資料1として提出した高分子分析ハンドブックの第627頁に環状オレフィンがテトラシクロドデセンであり、これとエチレンの共重合体であるとしてその構造が掲載されている。」と述べている。
しかしながら、参考資料1として提出した高分子分析ハンドブックの第627頁に、テトラシクロドデセンとエチレンからなる共重合体の構造式が掲載されているとしても、先にも述べたとおり、テトラシクロドデセンとエチレンの共重合割合については何ら記載がされているものではなく、技術常識を持ってしても、この記載からアペルが環状オレフインの含有量が30モル%以上のものであるとは直ちにいうことができない。
(2)意見書4頁において「参考資料1に記載の構造式中に示された繰り返し単位x、yについて具体的数値が示されていず、環状オレフィンを何モル%含むかについても何らの記載がされていないと認定しているが、これはポリマーについての技術的な誤解に基づくものであって失当である。なんとなれば、アペルには、繰り返し単位x、yの比率を変化させることにより、環状オレフィンの含有量(モル%)の異なるグレードのものを調製でき、本発明はそのうち、環状オレフインの含有量が30モル%以上のものを対象とするからである。」と述べている。
しかしながら、本願明細書の実施例及び比較例で示されたアペルは、環状オレフィンの含有量が25モル%、30モル%、32モル%、33モル%である重合体として記載されているものであって、繰り返し単位x、yの比率を変化させること(明細書にはx、yの比率に関して何ら記載がされていない。)により、環状オレフィンの含有量(モル%)の異なるグレードのアペルが記載されているということはできない。
したがって、実施例に記載されたアペルからは、環状オレフインの含有量が25モル%、30モル%、32モル%、33モル%である重合体が把握できるとしても、実施例、比較例にあるアペルとの記載から、環状オレフインの含有量が30モル%以上であるアペルのすべてが把握できるということはできない。
さらに、被請求人は意見書とともに甲第4号証(三井化学株式会社機能性ポリマー事業部 荒木信太郎作成の証明書並びに添付書類である製品安全データシート;被請求人が提出する証拠は乙号証とすべきである)を提出しているが、これを参酌しても、環状オレフインの含有量が30モル%以上であるアペルのすべてが把握できるということはできない。
5.むすび
以上のとおりであるから、訂正事項aは、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるものとされた同法第1条の規定による改正前の特許法第134条第2項ただし書きの規定に適合しないから本件訂正は認められない。
III.本件発明
前記II.に記載のとおり、平成18年4月26日付け訂正請求による本件特許明細書の訂正は認められない。
したがって、特許第3489267号の請求項1?9に係る発明(以下、順次これらを「本件発明1」?「本件発明9」という。)は、特許請求の範囲の請求項1?9に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】プラスチック材に無機薄膜を被覆した包装材において、該プラスチック材が環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体で形成されており、プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマCVD法により形成された薄膜であることを特徴とする、ガス遮断性に優れた包装材。
【請求項2】プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物の薄膜である、請求項1に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項3】プラスチック材に被覆した無機薄膜が、低温プラズマ法により有機シリコン化合物モノマーをプラズマとなし、このプラズマでプラスチックス材を処理して表面に有機シリコン化合物重合体の被膜を形成し、ついでこの有機シリコン化合物重合体の被膜上にシリコン酸化物膜を被覆した無機薄膜である、請求項1または請求項2に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項4】有機シリコン化合物モノマーがビニルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ポリメチルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロキサンから選んだ1または2以上である、請求項3に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項5】シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコン化合物をプラスチックス材上で酸素ガスと反応させて被覆した膜である、請求項3または請求項4に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項6】シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をPVD法又はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形成した膜である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項7】シリコン酸化物膜がモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を真空蒸着により被覆した膜である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項8】シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他の金属の化合物の混合物である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。
【請求項9】ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が60%以上であり、その組成がSiOx(x=1.5?2.0)である、請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材。」
IV.請求人の主張及び証拠方法
1.請求人の主張の概要
請求人は、「特許第3489267号の請求項1?9に係る特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と主張し、その証拠方法として下記の甲第1?6号証を提出しているところ、その理由の概略は以下のとおりである。
(1)無効理由1
本件特許明細書の請求項1?9に係る発明は、甲第2号証ないし甲第4号証を参酌し、甲第1号証に記載された発明であるから、請求項1?9に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。(第1回口頭審理調書 請求人2.の項参照)
(2)無効理由2
本件特許明細書の請求項1?9に係る発明は、甲第1?4号証及び甲第6号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?9に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。(第1回口頭審理調書 請求人3.の項参照)
(3)無効理由3
本件特許明細書の請求項1?9に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開された甲第5号証(特開平8-142263号公報)に係る特願平6-279603号の願書に最初に添付した明細書(特開平8-142263号公報参照)に記載された発明と同一であるから、請求項1?9に係る発明の特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである。
(4)無効理由4
本件特許明細書の請求項1?9に係る発明の特許は、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。(第1回口頭審理調書 請求人4.の項参照)
2.証拠方法
甲第1号証:特開平5-287103号公報
甲第2号証:特開平7-32531号公報
甲第3号証:特開平5-293159号公報
甲第4号証:特開平5-261875号公報
甲第5号証:特開平8-142263号公報
甲第6号証:「化学便覧 応用化学編I 第5版」丸善株式会社 平成7
年3月15日発行 第I-277頁、第I-556頁
甲第7号証:三井化学株式会社のホームページの一部を印字出力したもの
(2005.3.10付け)
甲第8号証:特開平7-53795号公報
甲第9号証:「化学便覧 応用化学編I 第5版」丸善株式会社 平成7
年3月15日発行 第I-557頁
甲第10号証:特開平8-332701号公報(本件出願後の公知特許文
献)
甲第11号証:株式会社日立ハイテクノロジーズのホームページの一部を
印字出力したもの(2005.5.10付け)
甲第7’号証:カタログ「アペル」三井石油化学工業株式会社(1993
.9)
なお、甲第7号証は参考資料1、甲第11号証は参考資料2とする(第1回口頭審理調書 請求人1.の項参照)。
甲第12号証:「第十二改正 日本薬局方 -条文と注釈-」株式会社廣
川書店 平成3年4月17日発行 第119-127頁
V.被請求人の主張及び証拠方法
1.被請求人の主張の概要
被請求人は、平成16年12月17日付けで答弁書を提出し、本件特許明細書の請求項1?9に係る発明について「本件無効審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と主張している。
2.証拠方法
乙第1号証:田畑三郎、黄 燕清編著「真空技術による高機能コーティ
ング」日刊工業新聞社 昭和62年12月22日初版1刷
発行 第32-33頁
参考資料1:(社)日本分析学会編「新版 高分子分析ハンドブック」
(株)紀伊國屋書店、1995年1月12日発行、第62
7頁
甲第4号証(被請求人が提出する証拠は乙号証とすべきである):三井
化学株式会社機能性ポリマー事業部 荒木信太郎作成の証
明書並びに添付書類である製品安全データシート
VI.各証拠の記載事項
請求人が提出した甲第1?6号証、甲8?10号証、及び参考資料1(甲第7号証)、参考資料2(甲第11号証)、甲第7’号証、甲第12号証には、以下のことが記載されている。
1)甲第1号証(特開平5-287103号公報)
「【請求項1】α-オレフィンと非共役ジエンとの共重合体であって、該共重合体中の非共役ジエンに基づく構成単位濃度が0.05?20モル%である結晶性オレフィン共重合体の成形品の表面に無機酸化物薄膜を形成したガスバリアー性の付与されたオレフィン系樹脂成形品。」
「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、食品、電子部品等を保護する為に用いられるガスバリアー性の優れた包装用樹脂成形品に関する。」
「【0008】結晶性オレフィン共重合体
基材の結晶性オレフィン共重合体は、エチレンまたは炭素数が3?12のα-オレフィンと炭素数4?20のジエンとの共重合体であって、ジエンに基づく構成単位濃度が0.05?20モル%、好ましくは1?10モル%のものである。この不飽和共重合体は、それを樹脂といいうるのに十分な分子量および/または融点、ガラス転移温度をもつべきである。分子量は数平均分子量で表して3000以上であり、あるいは融点またはガラス転移温度の少なくとも一方は40℃以上、好ましくは80?187℃、さらに好ましくは120?174℃である。」
「【0011】・・・α-オレフィンと共重合させるべきジエン化合物としては、炭素数が4?20の共役ジエン、鎖状または環状の非共役ジエンまたはこれらの混合物が使用できる。・・・」
「【0018】環状非共役ジエンとしては、(1)シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン類、(2)5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンのようなアルキリデンノルボルネン類、(3)6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、ノルボナジエン、4-ビニルシクロヘキセンのようなアルケニルシクロヘキセン類。」
「【0021】オレフィン共重合体樹脂中のジエン化合物に基づく単位濃度は0.05?20モル%、好ましくは1?10、特に好ましくは0.5?15モル%である。0.05モル%未満では、結晶性オレフィン共重合体樹脂中の不飽和基(二重結合)が少ないため、無機酸化物の薄膜との密着性が小さいという欠点がある。一方、20モル%超過では、生成した不飽和結合を有する結晶性オレフィン共重合体の曲げ強度が低く、また透明性が損われるなどの欠点がある。」
「【0031】無機酸化物の蒸着
無機酸化物の薄膜としては、SiOx、SnOx、ZnOx、IrOx等の200?4,000オングストローム、好ましくは300?3,000オングストロームのものが利用される。
【0032】蒸着膜の厚み200?4,000オングストロームは、透明性、蒸着速度、ガスバリアー性、フィルムの巻取性等から制約される。蒸着法としては、高周波誘導加熱方式の蒸着機内で成形品を真空下(1×10^(-3)?1×10^(6)トール)で無機酸化物を蒸着する方法(特公昭53-12953号);予め排気し、真空下した蒸着機内で揮発した有機シリコン化合物、酸素及び不活性ガスを含むガス流をマグネトロングロー放電によってプラズマを発生させてSiOxを該蒸着機内で成形品に蒸着させる方法(特開昭64-87772号、USP4,557,946号、USP4,599,678号)等がある。又、1990年11月発刊の工業材料、第38巻、第14号の第104?105頁で、イオンプレーティング法、高周波プラズマCVD法、電子ビーム(EB)蒸着法、スパッタリング法として分類され、その原理が紹介されている。」
「【0042】このコロナ放電された二軸延伸フィルムをプラズマ蒸着装置内に置き、装置内を1×10^(-6)トールの減圧下にしたのち、ヘキサメチルジシロキサン35容量部、酸素35容量部、ヘリウム46容量部、アルゴン35容量部の混合気体を導き、不平衡型マグネトロンよりグロー放電を行ってプラズマを発生させSiO_(2)の薄膜を二軸延伸フィルム上に蒸着させた。SiO_(2)の膜厚は1,000オングストロームであり、放電の条件は、得られるSiO_(2)蒸着二軸延伸フィルムの酸素透過率が5.0cc/m^(2)・atm・day(JIS 1707-75)となるように設定した。」
2)甲第2号証(特開平7-32531号公報)
「【請求項1】 プラスチックス材と、その上に設けた屈折率2.0?2.3の珪素化合物の薄膜である第一層と、第一層の上に配設した屈折率1.4?1.6の珪素酸化物の第二層とからなる透明な珪素化合物の薄膜を設けたガス遮断性プラスチックス材。
【請求項2】 第一層の珪素化合物が少くとも珪素、酸素、炭素を含む有機珪素化合物をプラズマCVD法により3×10^(-3)から3×10^(-2)torrのガス圧で重合した重合体で形成された膜である、請求項1に記載された透明な珪素化合物の薄膜を設けたガス遮断性プラスチックス材。
・・・・・
【請求項5】 第二層の酸化珪素化合物が60%以上であり、その組成がSiOx(x=1.5?2.0)である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された透明な珪素化合物の薄膜を設けたガス遮断性プラスチックス材。
・・・・・
【請求項9】 低温プラズマ法により、少くとも珪素、酸素、炭素からなる有機シリコン化合物モノマーをプラズマとなし、該プラズマをプラスチックス材表面に供給し、ガス圧3×10^(-3)から3×10^(-2)torrで重合して屈折率2.0?2.3の珪素化合物薄膜を成形し、ついでPVD法及びまたはCVD法により、屈折率1.4?1.6の珪素酸化物膜を被覆することを特徴とする、透明な珪素化合物の薄膜を設けたガス遮断性プラスチックス材の製造方法。」
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は包装用等に使用される透明な珪素化合物の薄膜を設けたガスの透過遮断性プラスチックス材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】包装材は内容物の保護と保存のためガスの透過を防ぐ必要があり、従来種々の試みがなされている。例えば、珪素酸化物やアルミニウム酸化物等の無機の被覆層を設けたり、ポリ塩化ビニリデン等のガス遮断性樹脂層を積層したり、アルミ箔の金属フイルムを積層することが試みられて来た。この他特開平3-183759号公報にはプラスチックスフイルムにそのプラスチックスと同じ合成樹脂を真空蒸着や、スパッタリングによって薄膜状で被覆して有機物層を形成し、その上に無機物を蒸着して有機物と無機物の混合層を形成し、その上に無機物層を形成した積層フイルムが示されている。・・・」
「【0011】このような第一層の特殊な有機珪素化合物重合体被覆は例えば、ヘキサメチルジシラン等の有機珪素化合物モノマーをプラズマ化し、プラスチックス基体上で重合することによって形成することが出来る。この重合時のガス圧を3×10^(-3)から3×10^(-2)torrに調節することによって形成される被膜の屈折率を2.0?2.3にすることが出来る。従来、他の用途ではあるが知られているプラズマCVD法は0.数torrから数+torrの範囲であるから本発明で用いるプラズマCVD法が特殊であることがわかる。
【0012】本発明で使用する有機シリコン化合物モノマーとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、1133-テトラメチルジシロキサン、ヘキサンメチルジシロキサン等である。
【0013】第二層は珪素酸化物からなる層であるが、この層は珪素酸化物以外の金属化合物例えばMgOやMgF_(2)やCuCO_(3)などを含むことも出来る。しかしながら、この第二層は珪素酸化物が主成分であり、珪素酸化物は好ましくは60%以上より好適には65%以上存在しなければならない。第二層の珪素酸化物被覆は例えば二酸化珪素などの珪素酸化物と他の金属化合物を用いてPVD法でもプラズマCVD法でも形成することが出来る。」
「【0014】本発明の第3の特徴はこのようなガス遮断層が設けられたプラスチックス材は廃棄上全く問題はなく、リサイクルも出来る。本発明のガス遮断層を配設するプラスチックス材としてはポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。本発明のガス遮断層を設けたプラスチックス材は成形性が良くないので、ガス遮断性は成形したボトル、袋、箱等の包装容器に被覆するのが好ましい。ガス遮断層を配設したプラスチックスフイルムはガス遮断層の上に保護層をラミネートすることにより袋に加工することが出来る。本発明のガス遮断性ブラスチックスはガス遮断層の定着性が良好であり熱湯殺菌に耐えるのでレトルト用に使用することが出来る。」
「【0016】実施例1
ヘキサメチルジシロキサンとエチレン及び酸素ガスを混合し、8×10^(-3)torrの圧力で、低温プラズマCVD法により、厚み100μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートの表面にSi16%、O36%、C48%の組成比の一層の重合体被膜を形成した。この被覆の膜厚は0.005μmで屈折率が2.1あった。この薄膜の上にヘキサメチルジシロキサンと酸素を混合し、2×10^(-3)torrの圧力で、低温プラズマ法により珪素、酸素、炭素の組成比が3:6:1で膜厚が0.069μm、屈折率1.5の薄膜の第二層を被覆した。」
3)甲第3号証(特開平5-293159号公報)
「【請求項1】 環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物を重合体成分とする樹脂を含有する材料からなる衛生品用容器」
「【0005】プラスチック類は軽いという大きな特徴を有する反面、いろいろの問題を持っている。その概要を述べると、PVCは軟化点60?100℃、吸水、透湿性を有する。加工に際しての添加剤例えば可塑剤(DOP,DOAなど)、安定剤(重金属又は軽金属塩類など)やPVCモノマーが浮遊して溶出してくるので、衛生上に問題が大きい。PEは軟化点115?125℃で、高温殺菌に耐える素材としては疑問を有する。また酸素、空気、不活性ガス(窒素など)、炭酸ガスの吸収透過性が極めて大きいことは、内容物を酸化させることに繋がり、長期保存用容器の素材としては不適当である。なお、このものは不透明樹脂である。PPはPEと同様に酸素、空気、不活性ガスの吸収、透過性が極めて大きいので、内容物を酸化、変質異臭発生させやすい素材である。不透明性で柔軟性がない。特に蒸気殺菌、高圧蒸気殺菌では硬化し、破断し易くなり、容器用素材としては問題が多い。従って、近年はこれに他のモノマーと共重合させたり、あるいは混合して組成物としたものが多用されつつあるが、やはり多くの問題点を持っている。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、近年医薬品、食品用容器として多用される樹脂である。この樹脂は水蒸気透湿が高いのみでなく、酸素その他のガスの透過が大きく、酸、アルカリに弱く、容器の成形後に固定が困難で変形し易い容器である。エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)は、老化即ち熱、酸素により酸化し易く、容易に臭いを放出し、内容物・薬を吸着する性質が大きい。ポリ塩化ビニリデン又は塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体(PVDC)は純品の樹脂は熱分解と着色し易く、加工性が悪い。またモノマーを発現し易いので可塑剤、安定剤を加えている。従って、可塑剤、安定剤の溶出がある。以上の樹脂の性質の比較、その他市販品について、表1にまとめて示す。表1中、PSはポリスチレン、PCはポリカーボネート、ナイロンはポリカプロラクタム、LDPEは低密度ポリエチレン、MDPEは中密度ポリエチレン、HDPEは高密度ポリエチレンを示す。」
「【0008】従って2種類以上のプラスチックを組み合わせ複合・積層容器、包装材とする技術が検討され、酸素、空気、光などの透過を防止ししかも軽い容器が商品化されている。また、熱に弱いPE、PVCも耐熱性素材と組み合わせると除菌程度の加熱には耐え得る容器となる。現在知られているプラスチックの組み合わせ例で比較的衛生性の高いものを表2に示す。」
表2の中に、プラスチックの組合せ例として、「PET/AL/PE」の組合せ(積層)材料が記載されている。
「【0023】本発明の環状樹脂中の環状オレフィンモノマーの含有量は30重量%以上が好ましい。また、該環状樹脂の分子量は5000?100000000であり、低分子量樹脂は高粘稠体であるが、高分子樹脂になると粉末樹脂になる。樹脂の加工、即ち樹脂製品の成形については、加工操作上困難が生じる場合には、加工助剤を用いることが好ましい。該加工助剤としては、高級脂肪酸又は高級脂肪酸エステル、シリコン油、フッ素油などの1種以上を、環状樹脂100重量部に対し0?10重量%添加することができる。
【0024】本発明の環状樹脂の性質は以下のとおりである。・・・・・
本発明の環状樹脂は上記のごとく、軟化点、物理的性質(引張強度など)、強靱性が高く、酸やアルカリなどに対しても不活性で、水分の吸湿、透湿、酸素、空気に対して難透過性で、耐寒性及び耐熱性を有し、非結晶性で透明性を有する超高分子樹脂体である。」
「【0032】本発明の衛生品容器は以上説明したような本発明の環状樹脂又は樹脂組成物そのものから成形されたものでもよいし、これに更に他の材料を積層したものでもよい。また、他の材質の容器例えば、ガラス、金属類、プラスチック等の表面に本発明の環状樹脂を積層したものでもよい。この積層には、塗布等によるもの、接着や溶着したもの、本発明の環状樹脂フィルムをコーティングしたもの等、種々の公知の積層手段によることができる。」
4)甲第4号証(特開平5-261875号公報)
「【請求項1】 α-オレフィンに由来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有しガラス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン系共重合体を含有する層を少なくとも一層有することを特徴とする多層材料。
【請求項2】 請求項1記載の環状オレフィン系共重合体を含有する層と、合成高分子、天然高分子、金属、金属酸化物及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも一種の材料からなる層又は成形体とからなることを特徴とする多層材料。」
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の環状オレフィン系共重合体を含有する層を有し、食品用包装材、医療用材料、容器、コンテナ、電子材料、自動車部材、建築材料、土木材料等として有効に使用することができる多層材料に関する。」
「【0014】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体は、α-オレフィン単位の含有率[x]及び環状オレフィン単位の含有率[y]が、[x]が80?99.9モル%に対し[y]が20?0.1モル%、特に[x]が82?99.5モル%に対し[y]が18?0.5モル%、中でも[x]が85?98モル%に対し[y]が15?2モル%であることが好ましい。α-オレフィン単位の含有率[x]が80モル%未満であると、共重合体のガラス転移温度(Tg)、引張弾性率が高くなり、得られる多層材料において環状オレフィン系共重合体含有層の接着性、ヒートシール性などが不十分になることがある。一方、環状オレフィン単位の含有率[y]が0.1モル%未満であると、共重合体の結晶性が高くなり、接着性等の環状オレフィン成分の導入効果が不十分となる。」
「【0056】本発明の多層材料は、前述した環状オレフィン系共重合体を含有する層を少なくとも一層有するもので、通常は一以上の上記環状オレフィン系共重合体含有層と他の材料からなる一以上の層又は成形体とを積層あるいは接合したものである。
【0057】上記他の材料としては、特に制限はないが、合成高分子、天然高分子、金属、金属酸化物及びこれらの混合物から選ばれる材料であることが好ましい。・・・
【0058】また、天然高分子としては紙、繊維、布、木等の有機物、金属としてはアルミニウム、銅、鉄、ニッケル、スズ、クロム、銀、ステンレス鋼、ジュラルミン、真鍮、金属酸化物としてはセラミックス、ガラス、アルミナ、シリカなどが挙げられる。前述した他の材料は、多層材料の使用目的によって、一種あるいは複数の材料の組合せにより適宜決定することができる。
【0059】本発明の多層材料を構成する各層あるいは部分の形状や状態としては、限定はされないが、例えば、フィルム状、シート状、繊維(繊布、不繊布)状をはじめ、各種成形体、焼結体、単結晶、発泡体、多孔質体等が挙げられる。したがって、粉粒体の表面被覆層のような多層の場合であってもよい。また、各材料を多層化する方法は、特に制限はなく、公知の方法を採用することができるが、具体的には、例えば前記他の材料が熱可塑性樹脂の場合には、共押出法、ラミネーション法、プレス法などがある。また他の材料が金属の場合、特に積層すべき金属が比較的薄いものである場合には、ラミネーション法、金属蒸着法、静電塗装法などがある。さらに、成形体や厚物材料に積層する場合には、フィルム、シートの加熱融着や含浸、塗布などにより表面を被覆するような方法がある。さらに、環状オレフィン系共重合体を溶解した有機溶媒溶液を流延又は塗布した後、この溶媒を揮散させることにより得ることもできる。
【0060】本発明の多層材料においては、少なくとも一層が前述した環状オレフィン系共重合体を少なくとも一部に含有する層である。すなわち、この層は、環状オレフィン系共重合体のみからなるものであってもよく、環状オレフィン系共重合体と他の材料(熱可塑性樹脂、充填剤等)との組成物からなるものであってもよい。ここで、環状オレフィン系共重合体と熱可塑性樹脂とからなる樹脂組成物を多層材料に用いる場合において、環状オレフィン系共重合体と熱可塑性樹脂との配合割合は、状況により異なり一義的に定めることはできないが、通常は環状オレフィン系共重合体0.5?99.5重量%であり、熱可塑性樹脂99.5?0.5重量%である。」
5)甲第5号証(特開平8-142263号公報)
「【請求項1】下記[A]、[B]および[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂層と、金属または金属酸化物層とからなる金属・環状オレフィン系樹脂積層体;
[A](a)エチレンと、(b)下記式[I]または[II]で表される環状オレフィンとの共重合体であり、かつ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン系ランダム共重合体;
[B](b)下記式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環(共)重合体であり、かつ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環(共)重合体;
[C]該開環(共)重合体の水添物であり、かつ軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン開環重合体水添物;
【化1】(化学構造式記載省略)
[上記式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R^(1)?R^(18)ならびにR^(a)およびR^(b)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基であり、R^(15)?R^(18)は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR^(15)とR^(16)とで、またはR^(17)とR^(18)とでアルキリデン基を形成していてもよい]、
【化2】(化学構造式記載省略)
[上記式[II]中、pおよびqは0または1以上の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R^(1)?R^(19)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R^(9)またはR^(10)が結合している炭素原子と、R^(13)が結合している炭素原子またはR^(11)が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1?3のアルキレン基を介して結合していてもよく、さらに、n=m=0のとき、R^(15)とR^(12)またはR^(15)とR^(19)とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい]。」
「【0001】
【発明の技術分野】本発明は、金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、金属に近い電気磁気特性ならび外観を有し、防湿性、ガスバリヤー性、光線遮断性、透明性、ひねり性(デッドホールド性)、引裂性等の特性に優れているような金属・環状オレフィン系樹脂積層体およびその製造方法に関する。」
「【0051】上記式[IV]中、n、m、p、qおよびR^(1)?R^(19)は前記式[II]におけるのと同じ意味である。環状オレフィン系ランダム共重合体[A]には、エチレン(a)から誘導される繰り返し単位を、通常は40?90モル%、好ましくは50?85モル%の範囲内の量で含有されており、また環状オレフィン(b)から誘導される繰り返し単位は、通常は10?60モル%、好ましくは15?50モル%の範囲内の量で含有されている。そして、エチレン(a)から誘導される繰り返し単位と環状オレフィン(b)から誘導される繰り返し単位とは、ランダムに配列されており、しかもこれらの繰り返し単位は実質上線状に配列されている。」
「【0077】金属酸化物としては、In_(2)O_(3)、SnO_(2)、Si_(X)O_(Y)などが挙げられる。金属酸化物が前記環状オレフィン系樹脂上に積層された金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、例えば透明電極あるいは、透明高ガスバリヤー材として好適に用いられる。」
「【0079】本発明に係る金属・環状オレフィン系樹脂積層体の第1の製造方法では、上記[A]、[B]および[C]よりなる群から選ばれる環状オレフィン系樹脂を溶融してフィルムあるいはシート状に成形した後、該フィルムあるいはシートの表面に、金属または金属酸化物を蒸着している。」
「【0081】該フィルムあるいはシートの表面に、金属または金属酸化物を蒸着するには、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などが挙げられるが、真空蒸着法が安価であり、好ましい。また、この真空蒸着法を実施する上で、本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、吸湿性が低く、揮発分が少ないので、真空蒸着装置内の真空度を向上させやすく、効率よく金属・環状オレフィン系樹脂積層体を生産できる。なお、本発明においては、このような樹脂フィルムあるいは樹脂シートの表面に、アンカーコート、ラミネート、コロナ処理等を施してもよく、このような処理を施すことにより、上記樹脂と蒸着金属あるいは金属酸化物との密着性を一層向上させることができる。」
「【0088】[用途]このような本発明に係る金属・環状オレフィン系樹脂積層体は、防湿性、ガスバリヤー性、ひねり性(デッドホールド性)、遮光性、引裂性に優れ、金属光沢を有しているため、薬品、食品、タバコなどの日用・雑貨品等の包装用材料として好適に用いることができる。特に錠剤、カプセル剤などの薬剤、米菓、スナック、クッキー、ポテトチップなどの食品、タバコ、ティーバッグなど吸湿しやすく光により変質しやすい被包装物の包装材料として好適に使用することができる。包装形態としては、上記のバッグの他、パック、PTP(press through pack)、ブリスターパック、手ひねり、ラッピング、イージーピールなどのフィルム・シートが挙げられる。」
6)甲第6号証(「化学便覧 応用化学編I 第5版」丸善株式会社 平
成7年3月15日発行、第I-277頁、第I-556頁)
「(i)プラズマCVD法 現在,もっとも広く行われている方法であり,比較的簡便に高性能のa-Si:H薄膜が得られる方法である。図4.107に示すような成膜装置を用い,シランSiH_(4),ジシランSi_(2)H_(6)などの原料ガスを減圧下(10^(-1)?100Pa)のチャンバーに導入し,直流またはさまざまな周波数(高周波13.56MHz,マイクロ波2.45GHz,VHF?200MHz)の電界を印加して,プラズマを発生させる。減圧下で発生したグロー放電プラズマにより,原料ガスは分解され,a-Si:Hとして堆積する。200?300℃前後の基板温度で作製したa-Si:Hがもっとも優れた光導電率を示す。この条件下では,薄膜中に数?数十%の結合水素が存在しており,フレキシブルなアモルファスのネットワークを形成している。
原料ガスとしてジシランSi_(2)H_(6) トリシランSi_(3)H_(8)などの高次シランを用いると堆積速度が増加するため,高速成膜に適している。また,a-Si:Hを作製する条件よりやや高周波電力密度,高水素希釈率にすると,微結晶シリコンμc-Si:Hの堆積が起こる。μc-Si:H薄膜は一般に、アモルファス相と微結晶相の混相となっており、結晶相の有する高い電気伝導性とアモルファス相の有するワイドバンドギャップをともに兼ね備えた材料である。」(I-277頁右欄4行-24行)
「(i)CVD CVDの中で熱CVDは工具や超硬合金などのコーティングに用いられることが多い。・・・・・
プラズマCVDは、減圧下プラズマ相での化学反応を低温で生じさせ、成膜させる方法である。アモルファスSi、Si_(3)N_(4)パッシベーション膜の作成によく用いられる。・・・・・プラズマCVDなどでは、基板上に析出した膜にプラズマが損傷を与えがちなのに対し、MOCVDではこのようなおそれがない。」(I-556頁(i)CVDの項)
7)参考資料1(当初の甲第7号証:三井化学株式会社のホームページの一部を印字出力したもの(2005.3.10付け)には、三井化学の製品である「アペル」について、環状オレフィン含有モル量(モル%)とガラス転移点との関係のグラフ及びアペルの物性表が記載されている。
8)甲第8号証(特開平7-53795号公報)
「【請求項1】[A] サーマルメカニカルアナライザーで測定した軟化点温度が10?120℃である下記[A-1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂;95?50重量部と、
[B] 23℃における密度が0.92?0.98g/cm^(3)のエチレン系重合体5?50重量部とからなる環状オレフィン系樹脂組成物よりなることを特徴とするシート状体;
[A-1] エチレンと下記式[I]または[II]で表される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体;
【化1】(化学構造式記載省略)
…[I]
[ただし、上記式[I]において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R^(1)?R^(18)ならびにR^(a)およびR^(b)は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、この炭化水素基はハロゲンで置換されていてもよく、R^(15)?R^(18)は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよく、またR^(15)とR^(16)とで、またはR^(17)とR^(18)とでアルキリデン基を形成していてもよい。];
【化2】(化学構造式記載省略)
…[II]
[ただし上記式[II]において、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R^(1)?R^(19)はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、この炭化水素基はハロゲンで置換されていてもよく、R^(9)またはR^(10)が結合している炭素原子と、R^(13)が結合している炭素原子またはR^(11)が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1?3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR^(15)とR^(12)またはR^(15)とR^(19)とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。];
[A-2] 上記式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重合体、
[A-3] 上記[A-2]開環重合体または共重合体の水素化物、および
[A-4] 上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト変性物。」
「【0064】これらの環状オレフィンは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような式[I]または[II]で表される環状オレフィンを用いて、たとえば特開昭60-168708号、同61-120816号、同61-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-272216号、同62-252406号および同62-252407号などの公報において本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択することにより製造することができる。
[A-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体
[A-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体は、エチレンから誘導される構成単位を通常は52?90モル%、好ましくは55?80モル%の量で、環状オレフィンから誘導される構成単位を通常は10?48モル%、好ましくは20?45モル%の量で含有している。なお、エチレン組成および環状オレフィン組成は、^(13)C-NMRによって測定される。」
「【0115】
【発明の効果】本発明のシート状体は、上述のように環状オレフィン系樹脂組成物で形成されるので、ガスバリアー性、特に水蒸気バリアー性に優れ、PTP包装、SP包装、医薬品包装や食品などの包装材料とした場合には、内容物の変質を防ぐ効果が高く、内容物の長期にわたる保存が可能となる。」
9)甲第9号証(「化学便覧 応用化学編I 第5版」丸善株式会社 平成7年3月15日発行、第I-557頁)
表6.31には、各種気相表面処理技術の特徴について記載され、図6.92には、粒子のもつ運動エネルギーと作成膜厚からみた気相表面処理技術の位置付けが記載され、それぞれにプラズマCVDに関して記載されている。
10)甲第10号証(特開平8-332701号公報)
「【請求項1】少なくとも一層が、下記の[A-1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]から選ばれる環状オレフィン系樹脂[A]層からなる積層体から形成された保香性包装材および容器;
[A-1]エチレンと下記式[I]または[II]で表される環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・環状オレフィンランダム共重合体;
【化1】(化学構造式記載省略)
(式[I]中、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R^(1)?R^(18)ならびにR^(a)およびR^(b)は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基であり、R^(15)?R^(18)は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR^(15)とR^(16)とで、またはR^(17)とR^(18)とでアルキリデン基を形成していてもよい。)、
【化2】(化学構造式記載省略)
(式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R^(1) ?R^(19)はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、R^(9)またはR^(10)が結合している炭素原子と、R^(13)が結合している炭素原子またはR^(11)が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素数1?3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のときR^(15)とR^(12)またはR^(15)とR^(19)とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。)、
[A-2]上記式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環重合体または共重合体、
[A-3]上記開環重合体または共重合体[A-2]の水素化物、および
[A-4]上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト変性物。」
「【0001】
【発明の技術分野】本発明は、食品、化粧品などの香気性を損なうことなく、優れた保香性でこれら香気性内容物を保存することができる保香性包装材および容器に関する。」
「【0097】保香性包装材および容器
本発明に係る保香性包装材および容器は、上記のような環状オレフィン系樹脂[A]層を少なくとも1層有する積層体から形成されている。
【0098】この積層体の他の層を形成する樹脂としては、上記の環状オレフィン系樹脂[A]とともに積層体を形成することができれば公知の樹脂が特に限定されることなく用いられる。」
11)参考資料2(当初の甲第11号証:日立ハイテクノロジーズのホームページの一部を印字出力したもの(2005.5.10付け))
MOCON^((R))水蒸気透過率測定装置について、その特徴、仕様が記載され、仕様において、測定レンジ(cc/m^(2)・day)が、0.1?100であることが記載されている。
12)甲第7’号証(三井石油化学工業株式会社発行の「アペル」に関するカタログ)
透明銘柄「アペル」について、チーグラー重合技術をもとに、開発した環状オレフィンコポリマーであること、主骨格に嵩だかい脂環構造を有するため、非晶性でかつ高いガラス転移温度(Tg)を示すこと、従って、ポリオレフィン樹脂としての性質と非晶性樹脂としての性質を合せ持つと言うユニークな特徴があること、特に光学特性、ガスバリアー性は他に類を見ないすぐれた性質を示すことが記載されている。また、ガスバリヤー性についても記載されている。
13)甲第12号証(「第十二改正 日本薬局方 -条文と注釈-」株式会社廣川書店 平成3年4月17日発行 第119-127頁)
49.輸液用プラスチック容器試験法 ポリエチレン製又はポリプロピレン製容器 の(7)溶出物試験の項には、輸液用プラスチック容器(ポリエチレン製又はポリプロピレン製容器)の切片を121℃の熱水中で処理した際に、処理液が各試験項目を満足することが必要であること、即ち、輸液用プラスチック容器(ポリエチレン製又はポリプロピレン製容器)は121℃の熱水に耐えることが必須とされている点が示されている。
VII.当審の判断
1.無効理由2について検討する。
(1)本件発明1について
甲第1号証には、ガスバリアー性の優れた包装用樹脂成形品に関し、α-オレフィンと非共役ジエンとの共重合体であって、該共重合体中の非共役ジエンに基づく構成単位濃度が0.05?20モル%である結晶性オレフィン共重合体の成形品の表面に無機酸化物薄膜を形成したガスバリアー性の付与されたオレフィン系樹脂成形品について記載され、非共役ジエンとして、鎖状または環状の非共役ジエンが使用できること、更には環状の非共役ジエンとしては、(1)シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニル-2-ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン類、(2)5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネンのようなアルキリデンノルボルネン類、(3)6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、ノルボナジエン、4-ビニルシクロヘキセンのようなアルケニルシクロヘキセン類が具体的に記載されている。
そこで、本件発明1と甲第1号証に記載された発明とを対比すると、両者は、
「プラスチック材に無機薄膜を被覆した包装材において、該プラスチック材が環状オレフィンを含有する環状オレフィン共重合体で形成されており、ガス遮断性に優れた包装材」で一致するものの、次の点で相違している。
イ.環状オレフィンの含有量について、本件発明1が「30モル%以上」としているのに対し、甲第1号証に記載された発明では「0.05?20モル%」としている点
ロ.無機薄膜の形成について、本件発明が「プラズマCVD法により形成された薄膜である」としているのに対し、甲第1号証に記載された発明ではそのような記載がない点
これらの相違点について検討する。
相違点イ.について
甲第3号証には、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物を重合体成分とする樹脂を含有する材料からなる、ガスバリアー性を有する衛生品用容器が記載され、環状樹脂中の環状オレフィンモノマーの含有量は30重量%以上(7モル%以上に相当する;第1回口頭審理調書 両当事者の合意事項1.の項参照)が好ましいことが記載され、環状樹脂の合成例においては、合成例1、3?5において、環状オレフィンモノマーの含有量を100%とした合成例が示されていることからみると、前記記載の環状樹脂中の環状オレフィンモノマーの含有量は30重量%以上(7モル%以上)が好ましい例とされているが、実際には、環状オレフィンモノマーの含有量が100重量%であるものが最も好ましい例(代表例)として記載されているといえる。そして、環状オレフィンモノマーの含有量が100重量%であるものは、環状オレフィンモノマーの含有量は当然100モル%であり、含有量が30重量%以上(7モル%以上)のものである。
しかも、環状オレフィン共重合体で形成される包装材は、例えば特開昭53-17700号公報(9頁右下欄)、特開昭53-9900号公報(9頁左上欄)に記載され、更には、医薬包装材としては、特開平3-726号公報(18頁左上欄)、特開平7-53795号公報(甲第8号証;35頁67欄)に記載されているように周知の事項である。
そうすると、環状オレフィン重合体から形成された医薬包装材は周知といえ、しかも、ガスバリアー性を必要とする環状オレフィン重合体から形成された医薬包装材については、環状オレフィンモノマーの含有量が7モル%以上、特に100モル%からなるものが好ましいことは、甲第3号証に記載された技術からみて容易に理解できるところである。
被請求人は、甲第1号証について、「本件特許発明の構成要件(b)に規定される『環状オレフィンを30モル%以上含有する環状オレフィン共重合体』については記載も示唆もしていないばかりか、環状オレフィン含有量が20モル%を超えると好ましくないことを明確に示している。」と主張するが、甲第1号証には「20モル%超過では、生成した不飽和結合を有する結晶性オレフィン共重合体の曲げ強度が低く、また透明性が損われるなどの欠点がある」と記載され、生成した不飽和結合を有する結晶性オレフィン共重合体は曲げ強度が低く、また透明性が損われるというものであり、ガス遮断性についての欠点を述べているものではないし、本件発明1においても、何ら曲げ強度や透明性については構成要件としていないのである。しかも、医薬等の薬剤の包装材などに採用する場合には、光を遮断する必要があるものが多く、また、包装薬剤の服用に際しても容易に包装材が破れることが必要なものもあることを勘案すると、包装薬剤の包装材においては、全て曲げ強度や透明性を特に問題としなければならないというものでもない。
そうであれば、曲げ強度や、透明性を特に問題にする必要のない医薬等の包装材においては、ガスバリアー性を付与するに当たり、前記甲第1号証の記載があるからといって、直ちにガスバリアー性の付与を必要とする医薬等の包装材において「環状オレフィン含有量が20モル%を超える」ものの使用が排除されていると言うことはできない。
しかも、本件発明1は、明細書段落【0009】によれば、「環状オレフィン共重合としては、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物とエチレンなどのアルキル誘導体やアクリレート誘導体を付加重合してなる共重合体、または前記重合体に炭化水素系重合体、塩素含有重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、不飽和酸、不飽和アルコール誘導重合体、アミン誘導重合体などの重合体を混合したものを含む」とするものであるが、実施例によれば、実際に採用されている樹脂は、三井石油化学株式会社製の「アペル」のみであって、「アペル」が如何なる重合体から成るものであるのか本件明細書中には一切説明がされていないのであるから、重合体として明確であるとは必ずしもいえないし、本件発明1によって奏される効果(環状オレフィン共重合体によって奏される効果)が、実施例の「アペル」で得られた効果をもって、それ以外のすべての環状オレフィン共重合体についても同様の効果が得られるとの裏付けがされている、ということまではいえない。
そうすると、甲第1号証に記載されているガスバリアー性の付与された包装用樹脂成形品において、ガスバリアー性をより向上させるべく甲第3号証に記載のように環状オレフィン共重合体の環状オレフィンの含有量を7モル%?100モル%の範囲内で調整し、本件発明1のような環状オレフィン共重合体とすることは、当業者であれば格別困難なく想到し得たものであるというべきである。
なお、本件発明1は、環状オレフィンの含有量について「環状オレフィンを30モル%以上含有する」としており、環状オレフィンの含有量の下限は規定しているものの上限については規定していないから、該記載には当然に「環状オレフィンを100モル%含有する」場合も含まれることになる。
相違点ロ.について
甲第1号証には、無機酸化物を蒸着する点について、明細書段落【0032】に、蒸着法として、高周波誘導加熱方式の蒸着機内で成形品を真空下(1×10^(-3)?1×10^(6)トール)で無機酸化物を蒸着する方法;予め排気し、真空下した蒸着機内で揮発した有機シリコン化合物、酸素及び不活性ガスを含むガス流をマグネトロングロー放電によってプラズマを発生させてSiOxを該蒸着機内で成形品に蒸着させる方法、等があること、又、イオンプレーティング法、高周波プラズマCVD法、電子ビーム(EB)蒸着法、スパッタリング法として分類されるものがあることが記載されている。
そして、明細書段落【0042】には、具体的な方法として、「二軸延伸フィルムをプラズマ蒸着装置内に置き、装置内を1×10^(-6)トールの減圧下にしたのち、ヘキサメチルジシロキサン35容量部、酸素35容量部、ヘリウム46容量部、アルゴン35容量部の混合気体を導き、不平衡型マグネトロンよりグロー放電を行ってプラズマを発生させSiO_(2)の薄膜を二軸延伸フィルム上に蒸着させた。SiO_(2)の膜厚は1,000オングストロームであり、放電の条件は、得られるSiO_(2)蒸着二軸延伸フィルムの酸素透過率が5.0cc/m^(2)・atm・day(JIS 1707-75)となるように設定した」と記載している。
これら記載から、甲第1号証に記載された無機酸化物薄膜形成技術は、ヘキサメチルジシロキサンを原料とし、酸素ガスを用い、プラズマを発生させ、SiO^(2)の薄膜を形成していることから、無機酸化物薄膜はプラズマCVD法を採用して形成しているといえる。このことは、本出願前周知技術といえる甲第6号証の記載からみても明らかである。
一方、本件発明1は、明細書段落【0012】において、「低温プラズマ法としては高周波プラズマ法、交流プラズマ法、直流プラズマ法、マイクロ波プラズマ法のいずれも使用出来る」と記載している。そして、明細書段落【0016】の実施例において、「常温液体モノマーとしては、ヘキサメチルジシロキサン(以下HMDSという)、反応ガスとしては、酸素ガスを使用した。」と記載し、明細書段落【0019】の実施例1において、「真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10^(-3)torr、と酸素ガスを真空度2.0×10^(-3)torrを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、アース電極と向い合う基板表面に約700Åのシリコン酸化物膜を作製した。」と記載しており、無機薄膜の蒸着には、ヘキサメチルジシロキサンを原料とし、酸素ガスを用いているものである。
そうすると、本件発明1の無機薄膜と甲第1号証に記載されている発明の無機薄膜は共にプラズマCVD法によるものであり、無機薄膜の製造に採用する原料や酸素ガスも異なるものではないから、この点に格別の相違があるということはできない。
そして、本件発明1によって奏される効果についても、格別予想外のことということもできない。
したがって、本件発明1は、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(2)本件発明2について
前記(1)で記載したとおり、甲第1号証には、プラスチック材を被覆した無機薄膜が、プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物の薄膜であることが記載されている。
したがって、本件発明2は、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(3)本件発明3について
甲第2号証には、プラスチックス材と、その上に設けた屈折率2.0?2.3の珪素化合物の薄膜である第一層と、第一層の上に配設した屈折率1.4?1.6の珪素酸化物の第二層とからなる透明な珪素化合物の薄膜を設けたガス遮断性プラスチックス材について記載(請求項1)され、第一層の珪素化合物が少なくとも珪素、酸素、炭素を含む有機珪素化合物をプラズマCVD法により3×10^(-3)から3×10^(-2)torrのガス圧で重合した重合体で形成された膜であることが記載(請求項2)され、低温プラズマ法により、少くとも珪素、酸素、炭素からなる有機シリコン化合物モノマーをプラズマとなし、該プラズマをプラスチックス材表面に供給し、ガス圧3×10^(-3)から3×10^(-2)torrで重合して屈折率2.0?2.3の珪素化合物薄膜を成形し、ついでPVD法及びまたはCVD法により、屈折率1.4?1.6の珪素酸化物膜を被覆すること(請求項9)、第一層、二層はヘキサメチルジシロキサンと酸素を混合し低温プラズマ法により形成されることについて記載(実施例1、5)されている。
これらの記載からみると、甲第2号証には、プラスチック材に被覆した無機薄膜が、低温プラズマ法により有機シリコン化合物モノマーであるヘキサメチルジシロキサンをプラズマとなし、プラスチックス材の表面に有機シリコン化合物重合体の被膜を形成し、ついでこの有機シリコン化合物重合体の被膜上にヘキサメチルジシロキサンを原料としてシリコン酸化物膜を被覆した無機薄膜である、ガス遮断性に優れた包装材が記載されているといえる。
また、甲第2号証に記載されたガス遮断性プラスチック材の発明において、ガス遮断層を配設するプラスチックス材として、ポリオレフィン樹脂とともに、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が示されていることからみると、プラスチック材にガス遮断層を配設するに当たり、プラスチックス材の種類によりガス遮断層の配設に特に困難性があるということはできない。
そして、甲第3号証には、環状オレフィン系化合物(環状オレフィンモノマーの含有量が7モル%以上のもの、100モル%のもの)を重合体成分とする樹脂からなる衛生品用容器である包装容器が記載され、従来の包装容器が有するガスの透過性よりもさらに低いガスの透過性を有するものを得るために開発されたものであること、水分の透湿、酸素、空気に対して難透過性であることも記載されている。さらに、該衛生品容器は、環状樹脂組成物そのものから形成されたものでも、これに他の材料を積層したものでもよいことが示されている。
しかも、甲第3号証に記載されている衛生品用容器については、ガスの透過性が低いものが好ましいことは容易に理解できるところであるから、甲第3号証に記載されている包装容器においても、さらにガスの透過性を小さくする技術があれば採用してみることも、当業者であれば当然のことといえる。
そうすると、甲第3号証に記載された環状オレフィン化合物からなる包装材において、環状オレフィンの含有量を7モル%?100モル%の範囲内で調整し、本件発明1のような環状オレフィン共重合体とすること、甲第2号証に記載された技術を適用して、プラスチック材の表面に無機酸化物を積層して包装材のガスバリアー性を改善することは当業者であれば容易に想到し得たものというべきである。しかも、甲第2号証に記載されているガス遮断層を配設するプラスチックス材としてポリオレフィン樹脂やそれ以外の樹脂が挙げられていることからすれば、ポリオレフィン樹脂と類似した環状オレフィン共重合体においてもガス遮断層が配設できることは容易に理解できるところで、格別の困難を伴うということもできない。
したがって、本件発明3は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(4)本件発明4について
本件発明4は、本件発明3において、「有機シリコン化合物モノマーがビニルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラン、ポリメチルジシロキサン、ポリメチルシクロテトラシロキサンから選んだ1または2以上である」というものである。
しかしながら、甲第2号証には、有機シリコン化合物モノマーとして、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、1133-テトラメチルジシロキサン、ヘキサンメチルジシロキサンが記載されている。
したがって、本件発明4は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(5)本件発明5について
本件発明5は、本件発明3または4において、「シリコン酸化物膜は気体状の有機シリコン化合物をプラスチックス材上で酸素ガスと反応させて被覆した膜である」というものである。
しかしながら、甲第2号証には、有機シリコン化合物重合体被膜の形成されたプラスチックス材を、ヘキサメチルジシロキサンと酸素を混合し、2×10^(-3)torrの圧力で、低温プラズマ法により被覆する技術が記載されている。
したがって、本件発明5は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(6)本件発明6について
本件発明6は、本件発明3?5のいずれか1項において、「シリコン酸化物膜がシリコン酸化物をPVD法又はCVD法により有機シリコン化合物膜上に形成した膜である」というものである。
しかしながら、甲第2号証には、シリコン酸化物膜を形成するに当たり、シリコン酸化物をPVD法又はCVD法により、プラスチックス材上に形成された有機シリコン化合物膜上に形成することが記載さている。
したがって、本件発明6は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(7)本件発明8について
本件発明8は、本件発明3?5のいずれか1項において、「シリコン酸化物膜がケイ素の酸化物と他の金属の化合物の混合物である」というものである。
しかしながら、甲第2号証には、珪素酸化物からなる層について、珪素酸化物以外の金属化合物例えばMgOやMgF_(2)やCuCO_(3)などを含むことも出来る、と記載されている。
そうすると、本件発明8は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
(8)本件発明9について
本件発明9は、本件発明3?5のいずれか1項において、「ケイ素酸化物層が酸化ケイ素化合物が60%以上であり、その組成がSiOx(x=1.5?2.0)である」というものである。
しかしながら、甲第1号証には、珪素酸化物薄膜として、SiO_(2)からなる薄膜が記載され、この薄膜が酸化珪素以外の他の化合物を含有していることについては記載がされていないことから、SiO_(2)である酸化珪素化合物は60%以上の酸化ケイ素化合物を含んでいることは明らかである。また、甲第2号証には、第二層の酸化珪素化合物が60%以上であり、その組成がSiOx(x=1.5?2.0)であることが記載されている。
そうすると、本件発明9は、甲第1号証?甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものというべきである。
2.無効理由4について
(1)審判請求人の主張の概要は、「本件発明1?9は、その審査経緯より明らかなとおり、プラスチック材を被覆した無機薄膜がプラズマCVD法により形成された薄膜であることを最重要の発明特定事項として特許されるに至ったものであるが、プラズマCVD法自体が薄膜形成法として周知となっている(甲6参照)にも拘らず、該方法を本件発明1?9に適用したことによって得られる本件発明特有の効果は明細書に記載されていない。すなわち、本件明細書に記載されている実施例、比較例は全て高周波プラズマCVD装置を用いて行われており、当該装置を用いない場合と比較した結果は不明である。」というものである。
(2)判断
本件明細書には、
「【0010】本発明の第2の特徴は環状オレフィン重合体の表面に被覆する無機質の薄膜である。無機被膜としてはシリコン酸化物質が最も好ましい。プラスチックス材にシリコン酸化物SiOxを被覆する方法には
a. SiO、SiO_(2)を原料とした真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等のPVD法、
b. モノシラン(SiH_(4))と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、
c. テトラエトキシシラン等の有機シリコン化合物と酸素含有ガスを原料としたプラズマCVD法、
等がある。」
「【0013】有機シリコン化合物重合体被膜はガス遮断性を示さないが、この被膜の上にケイ素酸化物被膜が形成されるとガス遮断性が著しく向上する。ケイ素酸化物層はケイ素酸化物からなる層であるが、この層はケイ素酸化物以外の金属化合物例えばMgOやMgF_(2)やCuCO_(3)などを含むことも出来る。しかしながら、この第2層はケイ素酸化物が主成分であり、ケイ素酸化物は好ましくは60%以上、より好適には65%以上存在しなければならない。プラスチックス材の表面に有機シリコン化合物重合体被膜が存在するとその上にPVD法やCVD法により供給されたケイ素酸化物微粒子は良好に安定化するので均一な安定化したケイ素酸化物の被膜が形成されガス遮断性が向上する有機シリコン化合物重合体被膜の上に設けるケイ素酸化物被覆はSiO_(2)などのシリコン酸化物を真空蒸着等のPVD法によって薄膜状に被覆してもよく、有機シリコン化合物重合体被覆を形成する方法と同様なプラズマCVD法を用い酸素ガスを導入して酸化膜を形成してもよい。」
「【0014】本発明で使用する有機シリコン化合物モノマーとしてはビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、1133-テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン等である。本発明の包装材料はシート状、袋状、ボトル状等任意の形状のものを包含する。」
「【0019】実施例1
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極とアース電極に設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10^(-3)torr、と酸素ガスを真空度2.0×10^(-3)torrを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、アース電極と向い合う基板表面に約700Åのシリコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表1に示した」
「【0020】実施例2
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極とアース電極に設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10^(-33)torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、アース電極と向い合う基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。続いてヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10^(-3)torr、と酸素ガスを真空度2.0×10^(-3)torrを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、基板表面に約700Åのシリコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表1に示した。」
「【0025】実施例3
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、直径3.5cm、高さ7cmの円筒状ボトルを作製した。ボトルは内測に高周波電極、外側にアース電極になるように設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10^(-3)torr、と酸素ガスを真空度2.0×10^(-3)torrを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、アース電極と向い合うボトル外表面に約700Åのシリコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表3に示した。」
「【0026】実施例4
プラスチック材に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、直径3.5cm、高さ7cmの円筒状ボトルを作製した。ボトルは内側に高周波電極、外側にアース電極になるように設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10^(-3)torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、アース電極と向い合う基板外表面に約100Åのケイ素化合物膜を作製した。続いてヘキサメチルジシロキサンを真空度1.0×10^(-3)torr、と酸素ガスを真空度2.0×10^(-3)torrを混入し、高周波出力を200Wで10分間反応させ、基板表面に約700Åのシリコン酸化物膜を作製した。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した得られた結果を表3に示した。」
「【0028】実施例5
プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極とアース電極間に設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10^(-3)torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波電源を停止し、大気によりチャンバー内を常圧にして基板を取り出し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れた対向位置に基板をセットした。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバー内の真空度を2?3×10^(-5)torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×10^(-4)torrにした。タングステンボードに入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行い、基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によりSiOx膜を900Å被覆した。このSiOx膜の元素組成はSi:O=1:1.8であった。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表5に示した。」
「【0029】実施例6
プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を30、32、33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極とアース電極間に設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10^(-3)torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波電源を停止し、大気によりチャンバー内を常圧にして基板を取り出し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れた対向位置に基板をセットした。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバー内の真空度を2?3×10^(-5)torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×10^(-4)torrにした。高周波電源より出力200Wをマッチングボックスを経由してチャンバー内に導入し、酸素プラズマを発生させた。タングステンボードに入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行い、基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によりSiOx膜を850Å被覆した。このSiOx膜の元素組成はSi:O=1:1.8であった。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表5に示した。」
「【0037】実施例7
プラスチック基板に環状ポリオレフィン含有量を33モル%に調整した三井石油化学株式会社製のアペルを使用し、射出成形したプレートに2軸延伸を行い厚み300μmのシートを作製した。各シートは図1の試料用治具を使用して、高周波プラズマCVD装置内の高周波電極とアース電極間に設置した。真空チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを真空度8.0×10^(-3)torr導入し、高周波出力を100Wで1分間反応させ、基板表面に約100Åの有機ケイ素化合物被膜を作製した。ヘキサメチルジシロキサンの導入と高周波電源を停止し、大気によりチャンバー内を常圧にして基板を取り出し、図3の真空蒸着装置の蒸発源から20cm離れた対向位置に基板をセットした。油回転ポンプと油拡散ポンプによりチャンバー内の真空度を2?3×10^(-5)torrまで真空に引き、酸素ガスを導入し3×10^(-4)torrにした。タングステンボードに入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物と、別のタングステンボードに入れたMgOを蒸発させるため、ボードの両端にそれぞれ異なる電圧をかけ蒸発速度を調整して、製膜される無機酸化膜のSiとMgの比がSi:Mg=70:30になるような条件で電気抵抗加熱を行い、基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法により無機酸化膜を1000Å被覆した。この無機酸化膜の組成は酸化ケイ素化合物が70%、MgOが30%であった。作製した被覆材の水蒸気透過量はPERMATRAN W3/30(モダンコントロール社製)で40℃、90%RHの条件で測定した。得られた結果を表7に示した。」
これらの実施例1?7をみると、実施例1においては、シリコン酸化物膜は「ヘキサメチルジシロキサン」を無機酸化物被膜の原料として採用しており、実施例2?4においても無機酸化物被膜の原料として「ヘキサメチルジシロキサン」を採用している。
また、実施例5においては、「モノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行い」、「基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によりSiOx膜を900Å被覆した」と記載している。実施例6においても、「タングステンボードに入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるため、ボードの両端に電圧をかけ電気抵抗加熱を行い」、「基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法によりSiOx膜を850Å被覆した」と記載し、実施例7では、「タングステンボードに入れたモノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物と」、「ボードの両端にそれぞれ異なる電圧をかけ蒸発速度を調整して、・・・電気抵抗加熱を行い」、「基板の表面に形成した有機ケイ素化合物被膜の上に真空蒸着法により無機酸化膜を1000Å被覆した。」と記載している。
そうすると、明細書段落【0010】、【0013】の記載を参酌すれば、実施例5?7に記載された方法においては、プラズマCVD法は単にプラスチック材上に有機ケイ素化合物被膜を形成するためのものだけに採用されるもので、無機酸化物膜の形成は、「モノ酸化ケイ素と二酸化ケイ素の混合物を蒸発させるため」電気抵抗加熱を行う「真空蒸着法」による技術が示されているといえる。
また、実施例1?4は、プラズマCVD法による無機酸化物被膜を形成する原料としては「ヘキサメチルジシロキサン」を採用しているものであり、「ヘキサメチルジシロキサン」は有機金属化合物と言うべきもので、無機金属化合物というものではない。
そこで、本件発明7?9について、前記明細書の記載を検討する。
本件発明7?9は、「請求項3ないし5のいずれか1項に記載されたガス遮断性に優れた包装材」と記載され、本件発明3?5のいずれかの発明を引用するものであるが、本件発明3は、「請求項1または2に記載されたガス遮断性に優れた包装材」と記載されており、本件発明4は、「請求項3に記載されたガス遮断性に優れた包装材」と記載されており、本件発明5は、「請求項3または4に記載されたガス遮断性に優れた包装材」と記載されている。
そうすると、本件発明7?9は、結局、本件発明1を引用するものであるから、無機薄膜は「プラズマCVD法により形成された薄膜」というものであり、本件発明2から「プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物の薄膜」というものである。
しかしながら、具体例に示された「プラズマCVD法により形成されたシリコンの酸化物の薄膜」の形成は、上記のように実施例1?4で示されているものであり、原料として「ヘキサメチルジシロキサン」を採用しているもののみである。また、本件発明7?9の実施例に相当すると認められる実施例5?7は、上記のように無機酸化物薄膜の形成はすべて「真空蒸着法」によるものであって、「プラズマCVD法」によるものではない。
そうであれば、本件発明7?9の「プラスチック材を被覆する無機薄膜が、プラズマCVD法により形成された薄膜」については、これに対応する実施例は何ら記載されていないこととなり、また、発明の詳細な説明中の記載においても、本件発明7?9を実施するについての具体的な説明が記載されているともいえない。
したがって、本件発明7?9については、その効果が確認できないから、結局、本件発明7?9については、発明の詳細な説明に当業者が容易にその実施をすることができる程度に発明の効果が記載されているということはできない。
また、本件発明1?9は、上記のとおり無機薄膜は「プラズマCVD法により形成された薄膜」とすることを特徴とするものであるが、プラズマCVD法以外の製法により形成された無機薄膜との比較(比較例)は一切されていないから、「プラズマCVD法により形成された薄膜」の効果が具体的に確認できない。
そうすると、本件発明1?9については、発明の詳細な説明に当業者が容易にその実施をすることができる程度に発明の効果が記載されているということはできない。
VIII.むすび
以上のとおりであるから、他の無効理由を検討するまでもなく、本件請求項1?6、8?9に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第123条第1項第2号の規定に該当し無効とすべきものであり、また、請求項1?9に係る発明の特許については、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、特許法第123条第1項第4号の規定に該当し無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-10-17 
結審通知日 2005-09-27 
審決日 2005-10-11 
出願番号 特願平7-130965
審決分類 P 1 113・ 536- ZB (C08J)
P 1 113・ 121- ZB (C08J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 森川 聡  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 船岡 嘉彦
石井 あき子
登録日 2003-11-07 
登録番号 特許第3489267号(P3489267)
発明の名称 ガス遮断性に優れた包装材  
代理人 箱田 篤  
代理人 石川 祐子  
代理人 久保田 千賀志  
代理人 平石 利子  
代理人 萩原 亮一  
代理人 小川 信夫  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 山崎 一夫  
代理人 平山 孝二  
代理人 浅井 賢治  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ