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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61B
管理番号 1171765
審判番号 不服2005-22070  
総通号数 99 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-11-17 
確定日 2008-01-24 
事件の表示 平成 8年特許願第301495号「超音波診断装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 5月26日出願公開、特開平10-137241〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成8年11月13日の出願であって、平成15年11月12日付けで手続補正がなされ、平成17年6月3日付けで拒絶理由が通知され(発送日:同年6月14日)、その指定期間内である同年8月12日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年10月7日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年10月18日)、これに対し、同年11月17日に拒絶査定不服審判が請求されたものであり、これに対し当審において平成19年9月5日付けで拒絶理由が通知され(発送日:同年9月11日)、その指定期間内である同年10月31日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?3に係る発明は、平成19年10月31日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1の記載は次のとおりである(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)。

「被検体内に超音波を送受信する探触子と、この探触子を駆動して超音波を送信すると共に受信した反射エコー信号を処理する超音波送受信部と、この超音波送受信部からの反射エコー信号を時系列に記憶するラスタメモリと、このラスタメモリから出力されたラスタデータを補間するデータ補間手段と、上記ラスタメモリから出力されたラスタデータを上記データ補間手段で補間するのに必要なビームパターンデータを保存し出力するビームパターン記憶手段と、上記データ補間手段で補間されたデータを書き込んで画像データを構成するフレームメモリと、このフレームメモリから出力される画像データを画像として表示する画像表示手段と、上記各構成要素を制御する制御手段と、を備えて成る超音波診断装置において、
上記データ補間手段のラスタメモリ側の入力部に該ラスタメモリからのラスタデータを記憶する第一の記憶手段を設けると共に、上記データ補間手段のビームパターン記憶手段側の入力部に該ビームパターン記憶手段からのビームパターンデータを記憶する第二の記憶手段を設け、上記データ補間手段が上記第一の記憶手段のラスタデータをもとに補間を行う際に上記第二の記憶手段に記憶されたビームパターンデータを参照可能としたことを特徴とする超音波診断装置。」

3.引用刊行物の記載事項
当審の拒絶理由に引用した、本願出願日前に頒布された刊行物である引用刊行物1?4は、いずれも「超音波診断装置」に関するものであり、各刊行物には、図面とともに次の事項が記載されている。

3-1.引用刊行物1(特開昭64-76839号公報)

(ア)「(産業上の利用分野)
本発明は超音波診断装置、特に画像補間技術に秀れた超音波診断装置に関するものである。」(第1頁右下欄第15?17行)
(イ)「(従来の技術)
第4図に従来の超音波診断装置の一例を概略ブロック図で示す。この図において、符号1は超音波検出用のプローブによって検出され且つA/D変換器によりデジタル化された超音波データを格納する超音波メモリ、2は各テレビ画素(以下、TV画素と言う)について、そのTV画素の位置データを作成するに必要な重みデータを4点分格納する読出し専用メモリ(以下、ROMという)である。符号3は超音波メモリ1からの出力とROM2からの重みデータに基づいて各画素についての位置データを作成する演算部、4は演算部3における演算結果に基づく位置データを格納するTVメモリ、5は超音波メモリ1、ROM2、TVメモリ4の各記憶部材に対してアドレス指定を行なうアドレス変換器である。
かかる回路構成を有する超音波診断装置によって超音波診断を行なう動作を第5図及び第6図に示す。第5図はTV画素と超音波のサンプリングの位置の関係を示す。この図面中、格子の交わった部分がTV画素の位置、点0がTV画面上における超音波検出用プローブの設置位置、点0から斜めに延びる線の点の部分が超音波のサンプリング位置である。この図から明らかなように、TVの画素の位置(格子点)と超音波のサンプリングの位置とは一致しない。そこで、従来では、TVの画素の位置のデータを作るために第6図に示すような処理を行なう。この第6図は第5図に示す斜め線及びサンプリング点の一部を切り取って示す図である。この図に示されているように、TV画素である点Pの位置のデータを作るために、近傍のA,B,C,Dの位置の超音波データをPとの位置関係により重み付けを行なう。即ち、A/D変換され、且つ走査線順に超音波メモリ1に書き込まれた超音波データから第6図に示した様にTVメモリ4の画素に対応した近傍の4点A,B,C,Dが読み出され、あらかじめTVメモリ4の画素の位置に対応した各点の重みデータのテーブル化を行なっているROM2から、その位置の重みデータを読み出し、演算部3で乗算・加算を行なう。そしてこの演算によってPの位置データを作成しTVメモリ4に書き込む。Pの位置データを求めるために、演算部3では次の式に基づく演算が行なわれる。

ここで
A,B,C,D・・・超音波データ(輝度情報)
a,b,c,d・・・画素Pから、各サンプリング点をつないだ辺までの距離
TVメモリ4に書き込まれたデータはTV方式で読み出され、D/Aコンバータによりアナログ信号にされTVに表示される。」(第1頁右下欄第19行?第2頁左下欄第10行)
(ウ)図6には、TV画素(P)とその近傍のA,B,C,Dの位置の超音波データ(A,B,C,D)との関係が図示されている。

これらの記載によると、刊行物1には従来の超音波診断装置として、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。

「超音波検出用のプローブと、該プローブによって検出されA/D変換器によりデジタル化された超音波データを走査線順に格納する超音波メモリ1と、各TV画素について、そのTV画素の位置データを作成するのに必要な重みデータを4点分格納するROM2と、超音波メモリ1からの出力データとROM2からの重みデータに基づいて各TV画素についての位置データを作成する演算部3と、該演算部3における演算結果に基づく位置データを格納するTVメモリ4と、超音波メモリ1,ROM2、TVメモリ4の各記憶部材に対してアドレス指定を行うアドレス変換器5と、TVメモリ4から読み出されたデータをアナログ信号にするD/Aコンバータと、該アナログ信号を表示するTVとを備えた超音波診断装置であって、
超音波のサンプリング位置と一致しないTV画素である点Pの位置データを作るために、点P近傍の2本の走査線上のA,B,C,Dの4点のサンプリング点のデータを超音波メモリ1から読み出すとともに、TV画素Pの位置に対応した重みデータをROM2から読み出し、演算部3でこれらの乗算・加算を行いTV画素Pの位置データを作成し、これをTVメモリ4のTV画素Pに対応する位置に書き込むようにした、超音波診断装置。」

3-2.引用刊行物2(特開平8-38470号公報)

(ア)「【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明による超音波診断装置の一実施例を示すブロック図である。この図1において、10は被検体11へ超音波を送信し、かつこれによる、被検体11内の音響インピーダンスの異なる境界にて反射されるエコー信号を受信する超音波探触子である。
【0008】20は超音波送受信回路で、前記探触子10に設けられた超音波振動子から被検体11へ送信する超音波ビームを形成するためのパルサ、送信遅延回路、及び被検体11内よりの受信エコー信号を探触子10で受信し変換して得られた電気信号を増幅する増幅器等を備えてなる。
【0009】30a,30bは一対をなす整相回路で、それぞれ独立に受信ビーム方向を設定可能であり、探触子10で受信した各エコー信号の位相を揃えて加算し、受信超音波ビームを形成する受信遅延回路及び加算器等よりなる。40a,40bは一対をなす検波回路で、整相回路30a,30bで位相合成された受信エコー信号を検波するためのゲインコントロール回路、LOGアンプ回路、ダイナミックレンジ設定回路、全波整流回路及びエンベロープ検波回路等を備えてなる。以上の超音波送受信回路20、整相回路30a,30b及び検波回路40a,40bは断層走査手段100を構成している。
【0010】51はA/D変換器で、前記検波回路40a,40bから出力されたエコー信号をディジタル信号に変換する。52はA/D変換器51の出力信号を超音波ビームの1走査線毎に(又は複数の走査線ずつ)書込み・読出しを繰り返し、後述する画像メモリへ出力するラインメモリである。」

3-3.引用刊行物3(特開平8-38479号公報)

(ア)「【0010】
【実施例】以下本発明を実施例に基づいて、より詳しく述べる。図1は、本発明の超音波断層像診断装置実施例を示すブロック図である。図の矢印は、信号の流れを示す。図において、1は探触子、2は超音波送受信制御回路、3はディジタル・スキャン・コンバータ、4は表示装置、5は前段画像メモリ、6は後段画像メモリ、7は表示画像作成回路である。
【0011】探触子1は、たとえばアレイ型であり、その構造は指示台の上に短冊状圧セラミクス振動子(圧電トランスデューサ)を多数ならべて設置し、下部電極下には1/4波長整合層と音響レンズを配置している。各圧電トランスデューサに遅延回路を接続して、適当な遅延時間を経て各圧電トランスデューサをパルス駆動すると、特定角度方向に位相の揃った超音波ビームを放射することができる(セクター走査)。また、前記特定角度方向に強い受波指向性を有し、エコー信号の効率的補集が可能となる。アレイ型トランスデューサは、電子スイッチと組み合わせることによって高速リニア走査させることも可能である。
【0012】超音波送受信制御回路2は、超音波発生用のインパルス圧電発信器とエコー信号の受信器、更にスキャナーや位置検出器を装備し、またエコー信号(電気信号に変更後)の高周波増幅、検波(整流)などを行う機能を有する。ディスプレイスキャン・コンバータ3は、超音波送受信制御回路2から出力したアナログエコー信号をディジタル化して画像データとして取り込み、かつ取り込んだ画像データを表示形態にして出力する。
【0013】表示装置4は、ディジタル・スキャン・コンバータ3からの出力信号を入力して超音波断層像を、画面にディスプレイするものである。ディジタル・スキャン・コンバータ3は、前段画像メモリ5、後段画像メモリ6および表示画像作成回路7から成る。前段画像メモリ5は、超音波送受信制御回路2からエコー信号を等間隔でサンプリングし、内蔵するA/D変換器を通してディジタル化して一画像分ずつデータファイルする機能を有する。」

3-4.引用刊行物4(特開平8-252253号公報)

(ア)「【0016】制御・グラフィック部8は、上記各構成要素の動作を制御すると共に、各種図形等のグラフィックデータを作成するもので、例えばCPUから成り、入力部19から操作者の操作により任意に入力される指令を得て、所要の制御信号を各構成要素へ送出するようになっている。」

3-5.引用刊行物5(特開昭61-131734号公報)

(ア)「超音波診断装置においては、超音波送受信部,信号処理部,画像処理部,表示部等を備えており、これらの各部をマイクロコンピュータ等を用いた中央処理制御部(CPU)によって制御している。」(第1頁右下欄第17?20行)
(イ)「CPUは中央処理制御部であり制御データを記憶するRAM(ランダムアクセスメモリ)やシーケンスデータ等を記憶するROM(リードオンリメモリ)更にはグラフィクメモリ等を含んでおり、前記各回路の制御を司どるようになっている。」(第2頁左下欄第17行?同頁右下欄第2行)

4.対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
まず、引用発明1の、(a)「超音波検出用のプローブ」、(b)「該プローブによって検出され・・・超音波データを走査線順に格納する超音波メモリ1」、(c)「超音波メモリ1からの出力データ」、(d)「TVメモリ4」、(e)「TVメモリ4から読み出されたデータをアナログ信号にするD/Aコンバータと、該アナログ信号を表示するTV」が、それぞれ本願発明の、(a')「被検体内に超音波を送受信する探触子」、(b')「反射エコー信号を時系列に記憶するラスタメモリ」、(c')「ラスタメモリから出力されたラスタデータ」、(d')「フレームメモリ」、(e')「フレームメモリから出力される画像データを画像として表示する画像表示手段」に相当することは明らかである。
ここで、当審の拒絶理由において、その意味が不明であると記載不備を指摘した特許請求の範囲の請求項1及び2に記載されていた「方位及び深度方向の二次元ビームパターンデータ」という記載は、平成19年10月31日付け手続補正書による明細書の補正によって、特許請求の範囲ないし発明の詳細な説明全てに渡って「ビームパターンデータ」に補正されており、請求人はこの補正によって記載不備が解消した旨主張していることからみて、本願発明の「ビームパターンデータ」に、ラスタデータをデータ補間手段で補間するのに必要なデータ以上の特別な技術的意味があるものと解することはできない。
そうすると、引用発明1における「重みデータ」は本願発明の「ビームパターンデータ」と変わるものではなく、引用発明1の(f)「各TV画素について、そのTV画素の位置データを作成するのに必要な重みデータを4点分格納するROM2」は、本願発明の(f')「ラスタメモリから出力されたラスタデータを上記補間手段で補間するのに必要なビームパターンデータを保存し出力するビームパターン記憶手段」に相当し、引用発明1の(g)「超音波メモリ1からの出力データとROM2からの重みデータに基づいて各TV画素についての位置データを作成する演算部3」と「超音波メモリ1,ROM2、TVメモリ4の各記憶部材に対してアドレス指定を行うアドレス変換器5」は、本願発明の(g')「ラスタメモリから出力されたラスタデータを補間するデータ補間手段」に相当する。
そして、引用発明1において「超音波のサンプリング位置と一致しないTV画素である点Pの補間位置データを作るために、点P近傍の2本の走査線上のA,B,C,Dの4点のサンプリング点のデータを超音波メモリ1から読み出すとともに、TV画素Pの位置に対応した重みデータをROM2から読み出し、演算部3でこれらの乗算・加算を行いTV画素Pの補間位置データを作成し、これをTVメモリ4のTV画素Pに対応する位置に書き込むようにした」ことと、本願発明において「上記データ補間手段のラスタメモリ側の入力部に該ラスタメモリからのラスタデータを記憶する第一の記憶手段を設けると共に、上記データ補間手段のビームパターン記憶手段側の入力部に該ビームパターン記憶手段からのビームパターンデータを記憶する第二の記憶手段を設け、上記データ補間手段が上記第一の記憶手段のラスタデータをもとに補間を行う際に上記第二の記憶手段に記憶されたビームパターンデータを参照可能とした」こととは、「上記データ補間手段が、上記ラスタメモリからのラスタデータをもとに補間を行う際に、上記ビームパターン記憶手段からのビームパターンデータを参照可能とした」点で共通する。
したがって、本願発明と引用発明1とは、

<一致点>
「被検体内に超音波を送受信する探触子と、反射エコー信号を時系列に記憶するラスタメモリと、このラスタメモリから出力されたラスタデータを補間するデータ補間手段と、上記ラスタメモリから出力されたラスタデータを上記データ補間手段で補間するのに必要なビームパターンデータを保存し出力するビームパターン記憶手段と、上記データ補間手段で補間されたデータを書き込んで画像データを構成するフレームメモリと、このフレームメモリから出力される画像データを画像として表示する画像表示手段と、を備えて成る超音波診断装置において、
上記データ補間手段が、上記ラスタメモリからのラスタデータをもとに補間を行う際に、上記ビームパターン記憶手段からのビームパターンデータを参照可能とした超音波診断装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。

<相違点1>
本願発明は、「探触子を駆動して超音波を送信すると共に受信した反射エコー信号を処理する超音波送受信部」を備えるのに対し、引用刊行物1には、このような超音波送受信部の明記がない点。
<相違点2>
本願発明は、「各構成要素を制御する制御手段」を備えるのに対し、引用刊行物1には、このような制御手段の明記がない点。
<相違点3>
本願発明は、「上記データ補間手段のラスタメモリ側の入力部に該ラスタメモリからのラスタデータを記憶する第一の記憶手段を設けると共に、上記データ補間手段のビームパターン記憶手段側の入力部に該ビームパターン記憶手段からのビームパターンデータを記憶する第二の記憶手段を設け、上記データ補間手段が上記第一の記憶手段のラスタデータをもとに補間を行う際に上記第二の記憶手段に記憶されたビームパターンデータを参照可能とした」のに対し、引用発明1は、このような「第一の記憶手段」、「第二の記憶手段」を備えておらず、データ補間手段が、ラスタメモリからの直接のラスタデータをもとに補間を行う際に、ビームパターン記憶手段からの直接のビームパターンデータを参照可能とする点。

5.判断
上記相違点について検討する。
<相違点1,2について>
超音波診断装置が、探触子を駆動して超音波を送信すると共に受信した反射エコー信号を処理する超音波送受信部を具備すること(例えば、引用刊行物2(上記3-2.(ア)参照。)、引用刊行物3(上記3-3.(ア)参照。))、各構成要素を制御する制御手段を具備すること(例えば、引用刊行物4(上記3-4.(ア)参照。)、引用刊行物5(上記3-5.(ア)(イ)参照。))は、一般的な事項であるので、引用発明1の超音波診断装置が、「探触子を駆動して超音波を送信すると共に受信した反射エコー信号を処理する超音波送受信部」と、「各構成要素を制御する制御手段」を具備することは明らかであって、相違点1,2は実質的な相違点ではない。
<相違点3について>
演算手段の入力部に、演算に使用するデータの記憶手段を設けることは、以下の周知例にも記載されたとおり周知である。
よって、引用発明1において、該周知技術に倣って、演算手段である「データ補間手段」の入力部に、ラスタデータとビームパターンデータそれぞれを記憶する手段を設け、記憶手段に記憶されたラスタデータをもとに補間を行う際に、記憶手段に記憶されたビームパターンデータを参照可能とすることは、当業者が適宜なし得ることである。
(周知例)
・特表平4-500421号公報(第4頁右上欄第25行?同頁左下欄第8行、第10図参照。演算手段である「列ALU84」のピクセル値Pと補間係数の入力部に、それぞれ記憶手段である「入力レジスタ86」、「係数レジスタ92」が設けられている。)
・特開平5-293097号公報(段落【0018】-【0019】、第1図参照。演算手段である「補間データ作成装置10」の投影データの入力部に、記憶手段である「第1メモリ9a」、「第2メモリ9b」が設けられている。)
・特開昭63-138468号公報(第4頁右上欄第15行?同頁左下欄第14行、第2図参照。演算手段である「演算器24」の入力部に、記憶手段である「バッファメモリ23」が設けられている。)
・特開平8-287037号公報(段落【0003】?【0004】、第3図参照。演算手段である「DSP」の入力部に、係数データと信号データの記憶手段である「係数データRAM」と「信号データRAM」が設けられている。)

そして、本願発明の作用効果も、引用発明1及び上記周知技術から当業者であれば予想できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明1及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、請求項2,3について論及するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-11-22 
結審通知日 2007-11-27 
審決日 2007-12-10 
出願番号 特願平8-301495
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 順也  
特許庁審判長 村田 尚英
特許庁審判官 田邉 英治
門田 宏
発明の名称 超音波診断装置  
代理人 西山 春之  

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