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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 B29C 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B29C |
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管理番号 | 1173145 |
審判番号 | 不服2005-11349 |
総通号数 | 100 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-04-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-06-16 |
確定日 | 2008-03-04 |
事件の表示 | 平成10年特許願第357657号「フィルムの製造装置及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年11月 2日出願公開、特開平11-300768、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成10年12月16日の特許出願であり、平成17年2月16日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である同年4月19日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月11日に拒絶査定がされたものであるところ、同年6月16日に審判が請求され、同年7月12日に、手続補正書及び手続補正書(方式)が提出され、その後、当審において、平成19年7月11日付けで審尋がされ、同年9月18日に回答書が提出されたものである。 2.平成17年7月12日付け手続補正書により行った手続補正についての補正の却下の決定 [結論] 平成17年7月12日付け手続補正書により行った手続補正についての補正を却下する。 [理由] (1)補正の内容 平成17年7月12日付け手続補正書により行った手続補正(以下、「本件補正」という。)は、明細書の特許請求の範囲の請求項1についての以下の補正事項Aを含むものである。 補正事項A: 補正前の「樹脂を成形すべき所望の形状が表面に刻まれた型ロールと、前記樹脂を前記型ロールに押圧するために、前記型ロールに対向する位置に配置された押しロールと、前記型ロールと押しロールとの間に前記基材フィルムを供給する供給機構と、前記供給機構によって供給される前記基材フィルム上に前記樹脂の層を塗布する塗布機構とを有し、 前記塗布機構は、前記樹脂を吐出する吐出口を有し、前記吐出口の大きさは、前記樹脂層の幅および厚さが、それぞれ、前記型ロールの幅よりも狭い予め定めた幅および予め定めた厚さとなる大きさに設定され、 前記型ロールと前記押しロールとの間隔は、前記塗布機構の塗布した前記樹脂層の樹脂を滞留させながら幅方向に押し広げる滞留部を形成するために、前記樹脂層の厚さと前記基材フィルムの厚さの合計よりも狭く設定されていることを特徴とするフィルムの製造装置。」を、 「樹脂を成形すべき所望の形状が表面に刻まれた型ロールと、前記樹脂を前記型ロールに押圧するために、前記型ロールに対向する位置に配置された押しロールと、前記型ロールと押しロールとの間に前記基材フィルムを供給する供給機構と、前記供給機構によって供給される前記基材フィルム上に前記樹脂の層を塗布する塗布機構とを有し、 前記塗布機構は、前記樹脂を吐出する吐出口を有し、前記吐出口の大きさは、前記樹脂層の幅および厚さが、それぞれ、前記型ロールの幅よりも狭い予め定めた幅および予め定めた厚さとなる大きさに設定され、 前記型ロールと前記押しロールとの間隔は、前記塗布機構の塗布した前記樹脂層の樹脂を滞留させながら幅方向に押し広げる滞留部を形成するために、前記樹脂層の厚さと前記基材フィルムの厚さの合計よりも狭く設定され、前記滞留部において前記型ロールはその円周方向に沿って下向きに回転していることを特徴とするフィルムの製造装置。」に補正する。 (2)補正事項Aの補正の目的についての検討 補正事項Aは、補正前のフィルムの製造装置に係る発明について、「前記滞留部において前記型ロールはその円周方向に沿って下向きに回転している」こと(以下、「回転方向事項」という。)を、発明を特定するために必要な事項(以下、「発明特定事項」という。)として追加するものであるから、論理上、特許請求の範囲の減縮に当たるものである。 しかしながら、補正前の請求項1には、型ロールの「回転」や「回転方向」についての記載はないから、前記「回転方向事項」は、補正前の請求項1に記載した発明特定事項を限定するものには当たらない。 したがって、補正事項Aは、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮(いわゆる限定的減縮)を目的とするものであるとは認められない。 また、補正事項Aは、明らかに、請求項の削除、誤記の訂正又は明りょうでない記載の釈明のいずれかを目的とするものであるとも認めることができない。 (3)まとめ 以上のとおりであるから、補正事項Aは、特許法第17条の2第4項各号に掲げるいずれの事項をも目的とするものではない。 したがって、補正事項Aを含む本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、第159条第1項において読み替えて準用する第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 3.本願発明 2.のとおり、平成17年7月12日付け手続補正書により行った手続補正は、決定をもって却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、それぞれ、同年4月19日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載される事項を発明特定事項に備えるものと認められる。 4.原査定の理由についての判断 本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2008-02-20 |
出願番号 | 特願平10-357657 |
審決分類 |
P
1
8・
572-
WY
(B29C)
P 1 8・ 121- WY (B29C) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 高田 和孝、杉江 渉 |
特許庁審判長 |
一色 由美子 |
特許庁審判官 |
福井 美穂 野村 康秀 |
発明の名称 | フィルムの製造装置及びその製造方法 |
代理人 | 三品 岩男 |
代理人 | 三好 秀和 |