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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61F |
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管理番号 | 1173392 |
審判番号 | 不服2005-21589 |
総通号数 | 100 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-04-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-11-09 |
確定日 | 2008-02-21 |
事件の表示 | 特願2001- 98111号「アイマスク及びアイマスク本体とアイマスクのマスク部材のセット、並びに目のトレーニング方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月 8日出願公開、特開2002-291793号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成13年3月30日の出願であって、平成17年9月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成17年11月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年4月4日付けの手続補正書で補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「装着された際の使用者の目の視野に入るいずれかの位置に小孔が形成されているアイマスクにおいて、前記小孔は、水平方向に一列に複数形成されており、右目の視野に入る小孔の左端と左眼の視野に入る小孔の右端を両目の間の部分の視界を十分に確保できるように連続的に間隔を空けずに設けていることを特徴とするアイマスク。」 2.引用刊行物 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である実用新案登録第3027039号公報(以下、「引用刊行物」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (ア)「中央下面に鼻あてを具えた窓孔及びその背面に遮光板と側壁とを具えたメガネ枠と、一端がメガネ枠の端部に軸着されているメガネ弦と、適宜の数の小孔が穿設され窓枠への着脱を自在とした複数のマスク板とから成る視力回復用具。」(実用新案登録請求の範囲請求項1) (イ)「本考案は、小孔を通して外を見ることにより眼の疲れを癒したり,視力回復を図るための視力回復用具に関する。」(段落【0001】) (ウ)「本考案においては、合成樹脂製の一体成形により遮光板及び側壁を具えたメガネ本体と,通常はこれと別体となっている複数枚のマスク板を用意し、使用者が選択したマスク板をメガネ枠に着脱自在に取りつけ得るようにしたものである。」(段落【0006】) (エ)「本実施例の視力回復用具は、合成樹脂製で一体に成形されたメガネ枠1と,これに軸着されたメガネ弦2とから成る本体と、メガネ枠1に取り付けられる複数のマスク板3とから成る。」(段落【0008】) (オ)「このマスク板3には、配置が種々の複数の小孔10が(図2では十字形に交差する縦5個,横5個のもの、図4では3個が横1列のもの)それぞれ穿設されている。小孔9の大きさは、直径0.5?1.0mm程度、小孔間の間隔は、4.0?5.0mm程度である。また、小孔10の数や配置は、マスク使用者の年齢や視力その他使用目的に応じて複数のものを用意する。左右の小孔群の間隔は、平均的には,中心位置において61?70mm程度であるが、小児や顔面の狭い者のためにはこれより間隔を狭め、広い者のためには広げる等各種のもの用意すると良い。小孔の数は、視力トレーニング用であれば1?7個程度のものとし、視野を広げ眼を動き易くするためには9?24個程度とするのが望ましい。また、小孔の形状は円に限らない。」(段落【0012】) (カ)「本考案にかかる視力回復用具を用いて小孔を通して物を見ると、対象物がはっきり見え,眼の疲れが取れたり視力を向上するトレーニングが可能である。これは,従来公知のものと異なるところは無い。ただ本考案の場合,その過程で、マスク板3を適宜交換することにより,小孔の配置,数,形状,大きさ等の異なるのを使用することができるので、使用者の年齢,視力,用途等に応じた多様な視力回復用具を得ることができる。」(段落【0014】) (キ)図4には、マスク板3に小孔10を水平方向に一列に複数形成した点が図示されている。 したがって、引用刊行物には、 「メガネ枠と、一端がメガネ枠の端部に軸着されているメガネ弦と、小孔10を通して物を見る位置に適宜の数の小孔10が穿設されたマスク板とから成る視力回復用具において、マスク板に小孔10を水平方向に一列に複数形成し、視野を広げ眼を動き易くするためには小孔10の数を9?24個程度とし、左右の小孔群に間隔を有する視力回復用具」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 3.対比及び判断 そこで、本願発明と引用発明とを対比すると、各文言の意味、機能又は作用からみて、後者における「視力回復用具」は前者における「アイマスク」に相当し、以下同様に、「小孔10」は「小孔」に、「小孔10を通して物を見る位置に適宜の数の小孔10が穿設された」は「装着された際の使用者の目の視野に入るいずれかの位置に小孔が形成されている」に、及び「小孔10を水平方向に一列に複数形成し」は「小孔は、水平方向に一列に複数形成されており」に、それぞれ相当すると認められる。 また、後者の「視野を広げ眼を動き易くするためには小孔10の数を9?24個程度とする」と前者の「右目の視野に入る小孔の左端と左眼の視野に入る小孔の右端を両目の間の部分の視界を十分に確保できるように連続的に間隔を空けずに設けている」とは、「視界を十分に確保できるように十分な数の小孔を設けている」点で共通するものである。 したがって、両者は、 「装着された際の使用者の目の視野に入るいずれかの位置に小孔が形成されているアイマスクにおいて、前記小孔は、水平方向に一列に複数形成されており、視界を十分に確保できるように十分な数の小孔を設けているアイマスク。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 相違点:本願発明においては、右目の視野に入る小孔の左端と左眼の視野に入る小孔の右端を両目の間の部分の視界を十分に確保できるように連続的に間隔を空けずに設けているのに対して、、引用発明においては、左右の小孔群に間隔を有する点。 そこで、上記相違点について検討する。 引用発明においても、(キ)に記載されているように、小孔の数として、視野を広げ眼を動き易くするためには9?24個程度とするものであり、視野を広げるためになるべく多くの小孔を設ければよいことは示唆されており、かつ左右の眼の視界が連続する方が視野が広がることは自明だから、引用発明の小孔群の配置に代えて上記相違点に係る本願発明の発明特定事項を採用することは、当業者であれば容易に想到し得ることである。 また、本願発明の効果は、引用発明から当業者が予測し得る範囲内のものというべきであって,格別のものということはできない。 4.むすび したがって、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-12-11 |
結審通知日 | 2007-12-18 |
審決日 | 2008-01-04 |
出願番号 | 特願2001-98111(P2001-98111) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A61F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 瀬戸 康平 |
特許庁審判長 |
山崎 豊 |
特許庁審判官 |
八木 誠 蓮井 雅之 |
発明の名称 | アイマスク及びアイマスク本体とアイマスクのマスク部材のセット、並びに目のトレーニング方法 |
代理人 | 千且 和也 |
代理人 | 右田 登志男 |