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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1174742
審判番号 不服2004-22015  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-10-25 
確定日 2008-03-10 
事件の表示 平成 6年特許願第 44515号「雀球遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年10月 3日出願公開、特開平 7-250938〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成6年3月16日の出願であって、平成16年6月8日付で拒絶理由通知がなされ、平成16年9月17日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年10月25日に審判請求がなされるとともに、平成16年11月12日付で手続補正がなされたものである。

2.平成16年11月12日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年11月12日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「遊技機の表面に設けた遊技部内に、複数種類の麻雀牌にそれぞれ対応した入球口と、打球が入球した各入球口に対応する麻雀牌を表示する表示装置とを有し、前記表示装置に表示された複数種類の麻雀牌の組み合わせに基づいた遊技の結果、予め定めた特定和了役で和了した場合に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる雀球遊技機において、
各遊技単位毎に、予め定めた複数の特定和了役の中から、当該遊技単位で使用する特定和了役を抽選する特定和了役抽選手段と、
遊技者の和了指示に基づいて、表示装置に表示された手牌の組み合わせが、予め定めた所定の和了役であるかどうかを判断する和了役判断手段と、
該和了役判断手段の和了役判断において、上記特定和了役抽選手段で抽選した特定和了役であると判断された場合に、該特定和了役の種類毎に予め定めた所定ゲーム数を上限として、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる特別遊技手段と
からなることを特徴とする雀球遊技機。」

と補正された。

上記補正は、出願当初の明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「予め定めた特定和了役で和了した場合に」を「前記表示装置に表示された複数種類の麻雀牌の組み合わせに基づいた遊技の結果、予め定めた特定和了役で和了した場合に」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-189180公報(以下、引用例という。)には、図面とともに、
▽記載事項1:「一定球数の弾球によって1ゲームを構成し、1ゲーム終了時に得点があった場合に、その得点に対応したメダルを払い出すと共に、特定条件が得られた場合には得点確率の向上が図れるようにしたメダル式パチンコ機において、
ゲームを通常ゲームと得点確率の向上が容易なゲームとから形成し、
通常ゲームにおいて、特定条件が得られた場合には、次のゲームから一定ゲーム数の間は、特定役物が有効となり、この特定役物への入賞により、入賞した球数に一致した回数だけ入賞位置の選択が行なえるように形成したことを特徴とする得点確率向上維持装置付きゲーム機。」(特許請求の範囲)、
▽記載事項2:「従来からパチンコ機を含めた種々の遊技機械に関しては、コンピュータ技術の進歩に伴なって、種々のコンピュータ制御が行なわれている。・・・フィーバ-機は、ゲーム中に特定な状態となった時に、得点確率が著しく向上するように役物が作動するものであり、このように役物が作動することによって、短時間で数多くの賞球が得られるようになっている。・・・具体的には、盤面に複数の絵柄が記載された複数のリールを設け、この各リールが回転を停止した時に、例えば数字の7が3つ並んで見えた場合に、極めて入賞し易い特定入賞孔が一定時間だけ開いて、短時間で数多くの入賞が可能なようにしたものである。」(第1頁右欄下段第10行?第2頁左欄上段第6行)、
▽記載事項3:「第1図に示した麻雀式パチンコ機は、全体が、箱体50と、その箱体50全(「前」、以下の括弧内のものは当審で訂正した。)部の前板51とから形成されている。そしてこの前板51の中央上部には盤面52が固定され、中央下部には弾球用のハンドル53及びメダルの払い出し口54が設けてある。・・・。また盤面52には弾球された球を案内するためのレール59が固定されていると共に、盤面52中央には配牌あるいは牌の途中経過、ドラ牌、風牌等を表示するためにCRT等で形成された表示部60、得点確立が向上した状態で使用するための役物62及び特定チャツカー63が設けである。また表示部は、その一部に得点確率向上装置としての回転リール61が映し出されている。更に盤面52の下部には、牌の選択スイッチ64が設けである。」(第2頁左欄下段第17行?同頁右欄下段第14行)、
▽記載事項4:「第3図は、通常ゲームと判断された場合に使用される制御フローチャートであって、スタートした後に、通常ゲームが開始される(ステップ5)。
この開始されたゲーム中に、得点確率向上装置の作動が判断される(ステップ6)。
ここで得点確率向上装置とは、例えば第1図に示したような、複数の絵柄、数字あるいは色等が映し出された3本のリール61がCRTへの映写上で回転を停止した時の、絵柄の組み合わせによって得点確率を向上させるようなものが考えられる。
またこの得点確率向上装置は、特定入賞孔への入賞あるいは特定チャツカー63通過によって、作動を開始させ、一定時間の経過あるいはストップスイッチの投入等によって停止させる。従って、特定入賞孔あるいは特定チャツカーの通過がない場合には、得点確率向上装置の作動が行なわれない場合もある。
そこでこの得点確率向上装置が、ゲーム中に全く作動しない場合もあるが、・・・。その場合は所定数の球を打ち終った時に、表示部60に表示されたゲーム結果によって得点の有無を判断し(ステップ7)、・・・得点がある場合には、その得点に応じた払い出しメダル枚数Aを・・・払い出し口54に払い出されるものである(ステップ9)。・・・。
払い出しが終了すると、・・・、1ゲームが終了する。
一方得点確率向上装置が作動した場合には、この状態がステップ6で判別されるので、次にあらかじめ定めた組み合わせが成立したか否かが判断される(ステップ13)。・・・組み合わせが成立した場合には、その組み合わせがそのゲームのみ有効な組み合わせなのか、あるいは複数ゲームにわたって得点確率の向上が容易とされる組み合わせなのかが判断される(ステップ14)。
その判断の結果組み合わせがそのゲームのみ有効な場合には、ステップ7以降の処理ステップに移行する。
これに対し、組み合わせが複数のゲームに渡るように得点確率の向上を容易とするようなものである場合には、その旨の表示ライトを点灯させ(ステップ15)、次ゲームからは特定役物62の使用を可能とした(ステップ16)後、再びステップ7以降の処理が実行される。
即ち、所定数の球を弾球し終ると、組み合わせの有無、更には次ゲームから得点確率の向上を容易とするか否かに関わらず、そのゲームで得た得点に対応するメダルの払い出しが行なわれて、1ゲームが終了することとなる。
またここでステップ13の組み合わせ成立の具体例としては、例えば、・・・複数の回転リール61が回転を停止した時に、各リール61が[7--]、[-7-]、[--7]のいずれかであった場合が考えられ、この時には、入賞し易く構成された特定得点確立が向上した状態で使用するための特定役物62が1秒間開き、かつその特定役物62に入賞すると、後に選択スイッチ64によって入賞位置を選択できるようにすることで得点確率の向上を図ることが考えられる。従って、麻雀式パチンコ機で考えると、この選択スイッチ64の投入によって、上がり易く、かつ役の多い牌を選択することが可能となる。」(第3頁左欄上段第16行?第4頁左欄上段第2行)、
▽記載事項5:「ステップ13による他の組み合わせ成立の具体例としては、停止したリール61が[77-]、[-77]、[7-7]のいずれかであった場合があり、この時には、入賞し易く構成された特定役物62が10秒間開き、かつその特定役物62に入賞すると、その入賞個数に一致した球数だけ、後に選択スイッチ64によって入賞位置を選択できるようにすることで得点確率の向上を図ることもできる。
なお回転を停止したリール61の組み合わせが[777]の時には、ステップ13における得点確率の向上に相当して、入賞し易く構成された特定役物62が30秒間開き、かつその特定役物62に入賞すると、その入賞個数に一致した球数だけ後に選択スイッチ64によって入賞位置を選択できるようにすると共に、ステップ14における次ゲームから入賞確率の向上が容易なゲームの組み合わせともなることとなる。」(第4頁左欄上段第3行?同頁右欄上段第14行)、
▽記載事項6:「第4図は、・・・ステップ4での判断によって入賞確率の向上が容易なゲームと判断された場合の処理ルーチンであり、ゲームが開始される(ステップ17)と、カウンタCがインクリメントされる(ステップ18)。
この状態でゲームが行なわれ、そのゲーム中に、作動が可能となった特定チャツカー63に球が入賞あるいは通過したかどうかが判断される(ステップ19)。・・・特定チャツカー63に球が入賞あるいは通過した場合に役物62が開き、この役物62の開放によって得点確率が向上するので、ステップ19によっ(て)特定チャツカー63を球が通過しなかったと判断されると、前述した通常ゲームの得点の有無を判断するステップ7と同様にステップ20において得点の有無が判断される。
ステップ20によって得点があると判断されると、・・・、払い出し口54にメダルの払い出しを行なう。
このようにメダルの払い出しが終了すると、後述する特定チャツカー63の使用可能終了信号の有無が判断され(ステップ26)、終了信号があった場合にはカウンタCをクリアした(ステップ27)後、ゲームが終了する。
ステッレプ26で使用可能終了信号がないと判断された場合には、次にステップ18のカウンタのカウント値Cが、この例では20を越えているか否かが判断される(ステップ28)。 。
総ゲーム数が20ゲームに達していないときには(20-C>0)、そのゲームは終了するものの、次のゲームも入賞確率の向上が容易となるように特定チャツカー63が使用可能な条件下でのゲームとなる。
またここでカウンタのカウント値Cが20に達する、即ちトータル20ゲームにわたって特定チャツカーが使用可能な条件下でのゲームが行なわれたと判断されると(20-C=0)、カウンタC及び・・・得点確率向上状態でのトータルゲーム数をカウントするカウンタDをクリアした(ステップ29)後、この条件が解除され(ステップ30)、入賞確率の向上を容易となる特定チャツカー63が使用可能なゲームが終了し、次のゲームからは通常のゲームに戻ることとなる。・・・。
一方、特定チャツカー63を球が通過したと判断された場合には(ステップ19)、得点確率を向上させるように役物62が開き(ステップ31)、確率向上回数計数用のカウンタDをインクリメントする(ステップ32)。
次いでこの確率向上回数カウンタDの値が、この例では10よりも多いか否かが判断される(ステップ33)。
このカウンタDが10よりも少ない時には(10-D>0)、ステップ20に移行し、得点判断、メダルの払い出し等の処理が行なわれる。
また10に等しい場合には(10-D=0)、カウンタDをクリアし(ステップ34)、特定チャツカーの使用終了信号を出した(ステップ35)後、同様にステップ20に移行する。
即ちこのプログラムで組み合わせ式パチンコ機を制御すると、一旦得点確率向上を容易としたゲーム状態になると、その後20ゲーム間はその状態が維持されることとなる(ステップ28)ものの、その20ゲーム中に10回の得点確率の向上を容易とした状態でのゲームを行なった後は、トータルゲーム数の20ゲームに関わりなく得点確率向上が容易なゲームが終了し(ステップ33)、新たに通常のゲーム状態となるものである。」(第4頁右欄上段第15行?第5頁右欄上段第10行)、
▽記載事項7:「10ゲームあるいは20ゲームというのは、単なる例示であって、他のゲーム数でも良い。
また得点確率向上装置の作動は、ステップ5のゲーム開始にて開始させ、いずれかの入賞孔への入賞によってリール61の回転を停止させたり、特定入賞孔への入賞によってリール61の回転を停止させたりすることもできる。このような他の実施例中、前者の場合にあっては、lゲーム中で必ず得点確率向上装置が作動することとなるので、第3図のステップ6がなくなり、ステップ5が直接ステップ13に連続することとなる。
また得点確率向上装置も、回転リール61以外のものとして形成することもできる。またこの回転リール61の回転停止時に、[7]が1つでもあった場合には役物62が1秒間開き、[7]が2つあった場合には役物62が10秒間開くとして説明したが、通常ゲーム中には役物62が開かず、入賞確率を向上させたゲーム中に特定チャツカー62(63)を通過した時のみ開くようにしても良い。
更に役物62に関しても、図示例の形状に限定されるものでなく、得点確率さえ向上するものであれば、形状の限定はない。
また更に特定チャツカー63として通過チャツカーを例として説明したが、この特定チャツカー63は、他にも盤面下部の特定の数字を表示した入賞孔を特定チャツカーとして用いても良いし、他の役物を用いても良い。また得点確率の向上を容易としたゲームの開始と共に開くチューリップ等の役物を設け、この役物への入賞によって役物62を開かせることもできる。
また特定チャツカー63を通過した際には(ステップ19)、以上の説明が麻雀式パチンコ機を例としたために、入賞し易く構成された特定役物62が一定時間開き、かつその特定役物62に入賞すると、選択スイッチ64を押すことによって、各選択スイッチ64に対応した牌の位置に入賞したと同様に扱われるようにするとして説明したが、組み合わせ式パチンコ機の場合も同様に、一番有利な位置に入賞したと同様に選択スイッチ64を押すことによって、得点の可能性が著しく向上することとなる」(第5頁右欄上段第13行?同頁右欄下段第15行)、
▽記載事項8:「一度得点確率の向上が容易なゲームとなった場合には、一定のゲーム数の間は単に球が特定チャッカーを通過あるいは入賞することによって得点確率の向上が容易となるように形成して、ゲーム性の向上を図ったものである。」(第5頁右欄下段第20行?第6頁左欄上段第5行)、
との記載が認められる。
また、上記摘記事項および第1図より、CRT等で形成された表示部60が配牌あるいは牌の途中経過、ドラ牌、風牌等を表示すること(記載事項3)特定役物62に入賞すると、選択スイッチ64を押すことによって、各選択スイッチ64に対応した牌の位置に入賞したと同様に扱われるようにすること(記載事項7)等から、表示部60は、「複数種類の牌にそれぞれ対応した入賞孔と、弾球された球が入賞した各入賞口に対応する牌を表示する」ものと認められ、
また、上記摘記事項および第1図より、表示部の一部に得点確率向上装置としての回転リール61が映し出されていること(記載事項3)、通常ゲームの開始されたゲーム中に、得点確率向上装置の作動が判断されることと、得点確率向上装置とは、複数の絵柄、数字あるいは色等が映し出された3本のリール61がCRTへの映写上で回転を停止した時の、絵柄の組み合わせによって得点確率を向上させるようなものが考えられることと、得点確率向上装置が作動した場合には、あらかじめ定めた組み合わせが成立したか否かが判断され、組み合わせが成立した場合には、その組み合わせがそのゲームのみ有効な組み合わせなのか、あるいは複数ゲームにわたって得点確率の向上が容易とされる組み合わせなのかが判断されることと、組み合わせ成立の具体例として、複数の回転リール61が回転を停止した時に、各リール61が[7--]、[-7-]、[--7]のいずれかであった場合が考えられること(記載事項4)、他の組み合わせ成立の具体例としては、停止したリール61が[77-]、[-77]、[7-7]のいずれかであった場合や[777]があること(記載事項5)、得点確率向上装置の作動は、ゲーム開始にて開始させ、いずれかの入賞孔への入賞によってリール61の回転を停止させたり、特定入賞孔への入賞によってリール61の回転を停止させたりすることもでき、lゲーム中で必ず得点確率向上装置が作動することや、通常ゲーム中には役物62が開かず、入賞確率を向上させたゲーム中に特定チャツカー63を通過した時のみ開くようにしても良いこと(記載事項7)等および遊技機分野において絵柄組み合わせ抽選手段は例をあげるまでもなく周知であることから、麻雀式パチンコ機は、「1ゲーム毎に、予め定めた複数の絵柄の組み合わせの中から、当該ゲームで使用する絵柄の組み合わせを抽選する絵柄組み合わせ抽選手段」を備えるものと解され、
また、上記摘記事項および第3図より、CRT等で形成された表示部60は配牌等を表示すること(記載事項3)、所定数の球を打ち終った時に、表示部60に表示されたゲーム結果によって得点の有無を判断し、その得点に応じた払い出しメダル枚数Aを払い出される、即ち、所定数の球を弾球し終ると、そのゲームで得た得点に対応するメダルの払い出しが行なわれて、1ゲームが終了することとなることと、選択スイッチ64によって入賞位置を選択できるようにすることで得点確率の向上を図ることが考えられて、麻雀式パチンコ機で考えると、この選択スイッチ64の投入によって、上がり易く、かつ役の多い牌を選択することが可能となること(記載事項4)、通常ゲームの得点の有無を判断するステップ7と同様にステップ20において得点の有無が判断され、得点があると判断されると、払い出し口54にメダルの払い出しを行なうこと(記載事項6)、麻雀式パチンコ機を例として、選択スイッチ64を押すことによって、各選択スイッチ64に対応した牌の位置に入賞したと同様に扱われるようにするとしたが、組み合わせ式パチンコ機の場合も同様に、一番有利な位置に入賞したと同様に選択スイッチ64を押すことによって、得点の可能性が著しく向上することとなること(記載事項7)等から、麻雀式パチンコ機は、「遊技者の上がり指示に基づいて、表示部60に表示された手牌の組み合わせが、予め定めた所定の上がり役であるかどうかを判断する上がり役判断手段」を備えるものと解され、
また、上記摘記事項および第3・4図より、表示部60に表示されたゲーム結果によって得点の有無を判断し、得点がある場合には、その得点に応じた払い出しメダル枚数Aを払い出し口54に払い出されること(記載事項4)等から、麻雀式パチンコ機は、「所定の上がり役であると判断された場合に、表示部60に表示されたゲーム結果による得点に応じた払い出しメダル枚数Aを払い出す払い出し手段」を備えるものと解され、
また、上記摘記事項および第3・4図より、麻雀式パチンコ機は、配牌あるいは牌の途中経過、ドラ牌、風牌等を表示するためにCRT等で形成された表示部60設け、その一部に得点確率向上装置としての回転リール61が映し出されていること(記載事項3)、得点確率向上装置は、例えば、複数の絵柄、数字あるいは色等が映し出された3本のリール61がCRTへの映写上で回転を停止した時の、絵柄の組み合わせによって得点確率を向上させるようなものが考えられ、得点確率向上装置が作動した場合には、あらかじめ定めた組み合わせが成立したか否かが判断されること(記載事項4)等から、麻雀式パチンコ機は、「回転リール61に映し出された絵柄組み合わせが、予め定めた特定の絵柄の組み合わせであるかどうかを判断する絵柄組み合わせ判断手段」を備えるものと解され、
また、上記摘記事項および第3・4図より、得点確率向上装置が作動した場合には、次にあらかじめ定めた組み合わせが成立したか否かが判断され、組み合わせが成立した場合には、その組み合わせが複数ゲームにわたって得点確率の向上が容易とされる組み合わせなのかが判断され、組み合わせが複数のゲームに渡るように得点確率の向上を容易とするようなものである場合には、次ゲームからは特定役物62の使用を可能とする処理が実行されること(記載事項4)、回転を停止したリール61の組み合わせが[777]の時には、ステップ14における次ゲームから入賞確率の向上が容易なゲームの組み合わせとなること(記載事項5)、ステップ4での判断によって入賞確率の向上が容易なゲームと判断された場合の処理ルーチンで、ゲームが開始される(ステップ17)と、カウンタCがインクリメントされ(ステップ18)、この状態でゲームが行なわれ、そのゲーム中に、作動が可能となった特定チャツカー63に球が入賞あるいは通過したかどうかが判断され(ステップ19)、特定チャツカー63に球が入賞あるいは通過した場合に役物62が開き、この役物62の開放によって得点確率が向上することと、総ゲーム数が20ゲームに達していないときには、そのゲームは終了するものの、次のゲームも入賞確率の向上が容易となるように特定チャツカー63が使用可能な条件下でのゲームとなり、一方、特定チャツカー63を球が通過したと判断された場合には(ステップ19)、確率向上回数カウンタDの値が、10よりも多いか否かが判断され、10よりも少ない時には、ステップ20に移行し、得点判断、メダルの払い出し等の処理が行なわれること、即ちこのプログラムで組み合わせ式パチンコ機を制御すると、一旦得点確率向上を容易としたゲーム状態になると、その後20ゲーム間はその状態が維持されることとなるものの、その20ゲーム中に10回の得点確率の向上を容易とした状態でのゲームを行なった後は、トータルゲーム数の20ゲームに関わりなく得点確率向上が容易なゲームが、つまり、20ゲームを上限として終了し、新たに通常のゲーム状態となること(記載事項6)、得点確率向上装置の作動は、ステップ5のゲーム開始にて開始させ、いずれかの入賞孔への入賞によってリール61の回転を停止させ、lゲーム中で必ず得点確率向上装置が作動することもできること(記載事項7)、一度得点確率の向上が容易なゲームとなった場合には、一定のゲーム数の間は単に球が特定チャッカーを通過あるいは入賞することによって得点確率の向上が容易となるように形成したこと(記載事項8)等から、麻雀式パチンコ機は、「絵柄組み合わせ判断手段の絵柄組み合わせ判断において、上記絵柄組み合わせ抽選手段で抽選した特定の絵柄の組み合わせであると判断された場合に、該絵柄の組み合わせの種類に20ゲームを上限として、通常ゲームよりも特定役物62の使用を可能とした得点確率の向上が容易なゲームを行わせる得点確率向上ゲーム制御手段」を備えるものと解される。以上を踏まえれば、引用例には、
「ゲーム機の盤面52に設けた遊技部内に、複数種類の牌にそれぞれ対応した入賞孔と、弾球された球が入賞した各入賞口に対応する牌を表示する表示部60とを有し、前記表示部60に表示された複数種類の牌の組み合わせに基づいたゲームの結果、予め定めた特定の絵柄の組み合わせが得られた場合には、通常ゲームよりも特定役物62の使用を可能とした得点確率の向上が容易なゲームを行わせる麻雀式パチンコ機において、
1ゲーム毎に、予め定めた複数の絵柄の組み合わせの中から、当該ゲームで使用する絵柄の組み合わせを抽選する絵柄組み合わせ抽選手段と、
遊技者の上がり指示に基づいて、表示部60に表示された手牌の組み合わせが、予め定めた所定の上がり役であるかどうかを判断する上がり役判断手段と、
該上がり役判断手段の上がり役判断において、所定の上がり役であると判断された場合に、表示部60に表示されたゲーム結果による得点に応じた払い出しメダル枚数Aを払い出す払い出し手段と、
回転リール61に映し出された絵柄組み合わせが、予め定めた特定の絵柄の組み合わせであるかどうかを判断する絵柄組み合わせ判断手段と、
該絵柄組み合わせ判断手段の絵柄組み合わせ判断において、上記絵柄組み合わせ抽選手段で抽選した特定の絵柄の組み合わせであると判断された場合に、該特定の絵柄の組み合わせの種類に20ゲームを上限として、通常ゲームよりも特定役物62の使用を可能とした得点確率の向上が容易なゲームを行わせる得点確率向上ゲーム制御手段と
からなる麻雀式パチンコ機。」

との発明(以下「引用例発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明の「ゲーム機」は本願補正発明の「遊技機」に相当し、以下同様に、「盤面52」は「表面」に、「牌」は「麻雀牌」に、「入賞孔」は「入球口」に、「弾球された球」は「打球」に、「入賞した」は「入球した」に、「表示部60」は「表示装置」に、「ゲーム」は「遊技」に、「通常ゲーム」は「通常遊技」に、「特定役物62の使用を可能とした」は「遊技者にとって有利な」に、「得点確率の向上が容易なゲーム」は「特別遊技」に、「麻雀式パチンコ機」は「雀球遊技機」に、「1ゲーム毎」は「各遊技単位毎」に、「上がり」は「和了」に、「20ゲーム」は「予め定めた所定ゲーム数」に、「得点確率向上ゲーム制御手段」は「特別遊技手段」にそれぞれ相当している。
また、引用例発明の「特定の絵柄の組み合わせが得られた場合には」と本願補正発明の「予め定めた特定和了役で和了した場合に」は「特別表示結果となった場合に」で共通し、以下同様に、「特定の絵柄の組み合わせ」と「特定和了役」は「特定組み合わせ」で、「絵柄組み合わせ判断手段の絵柄組み合わせ判断において」と「和了役判断手段の和了役判断において」は「特定組み合わせ判断手段の特定組み合わせ判断において」で、「特定の絵柄の組み合わせの種類に」と「特定和了役の種類毎に」は「特定組み合わせの種類に応じて」でそれぞれ共通する。したがって、両者は、

「遊技機の表面に設けた遊技部内に、複数種類の麻雀牌にそれぞれ対応した入球口と、打球が入球した各入球口に対応する麻雀牌を表示する表示装置とを有し、前記表示装置に表示された複数種類の麻雀牌の組み合わせに基づいた遊技の結果、特別表示結果となった場合に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる雀球遊技機において、
各遊技単位毎に、予め定めた複数の特定組み合わせの中から、当該遊技単位で使用する特定組み合わせを抽選する特定組み合わせ抽選手段と、
遊技者の和了指示に基づいて、表示装置に表示された手牌の組み合わせが、予め定めた所定の和了役であるかどうかを判断する和了役判断手段と、
特定組み合わせ判断手段の特定組み合わせ判断において、上記特定組み合わせ抽選手段で抽選した特定組み合わせであると判断された場合に、該特定組み合わせの種類に応じて予め定めた所定ゲーム数を上限として、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる特別遊技手段と
からなる雀球遊技機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、特別表示結果により、特別遊技を行わせる条件が、本願補正発明では、「予め定めた特定和了役で和了した場合」であるのに対して、引用例発明では「予め定めた特定の絵柄の組み合わせが得られた場合」である点。

相違点2、特定組み合わせ抽選手段において、本願補正発明では、特定和了役抽選手段が、「予め定めた複数の特定和了役の中から、遊技単位で使用する特定和了役を抽選する」のに対して、引用例発明では、絵柄組み合わせ抽選手段が、「予め定めた複数の絵柄の組み合わせの中から、当該ゲームで使用する絵柄の組み合わせを抽選する」ようにしており、本願補正発明のように必ず遊技者に有利となる情報から抽選をしていない点。

相違点3、特別遊技手段が特別遊技を行う条件として、特定組み合わせ判断手段の特定組み合わせ判断に際し、本願補正発明では、「和了役判断手段の和了役判断において、特定和了役抽選手段で抽選した特定和了役であると判断された場合」であるのに対して、引用例発明では、「絵柄組み合わせ判断手段の絵柄組み合わせ判断において、絵柄組み合わせ抽選手段で抽選した特定の絵柄の組み合わせであると判断された場合」であり、本願補正発明のような特別遊技を行う条件となっていない点、さらに、特定組み合わせの種類に応じて特別遊技手段が予め定めた所定ゲーム数を上限として特別遊技を行うに際し、本願補正発明では、「特定和了役の種類毎」であるのに対して、引用例発明では、「特定の絵柄の組み合わせの種類」であり、本願補正発明のように複数の種類に対応していない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。

相違点1について、麻雀遊技機分野において、手牌が予め定めた上がり役を形成している場合に上がり役に見合う利益を遊技者に与えることが周知{例えば、特開昭59-101174号公報(第4頁右欄上段第9?15行、第4頁左欄下段第10?16行等)、特開昭54-26142号公報(第5頁左欄下段第7?15行等)参照}である(以下、「周知技術A」という。)から、遊技者に与える利益としての特別遊技を行わせる条件を、引用例発明の「特定の絵柄の組み合わせが得られた場合」に代えて、周知技術Aを適用して本願補正発明の相違点1に係る「特定和了役で和了した場合」とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものといえる。

相違点2について、麻雀遊技機分野において、予め定めた複数のドラ役の中から、ゲーム毎に使用するドラ役を決定することが周知{例えば、特開昭54-26142号公報(第3頁左欄下段第19行?同頁右欄上段第3行等)、特開昭54-12937号公報(第4頁右欄上段第1?7行等)参照}である(以下、「周知技術B」という。)から、特定和了役やドラ役等の麻雀役の選択にあたり、特定組み合わせ抽選手段において、引用例発明の「絵柄の組み合わせ」の抽選に代えて、周知技術Bを適用して本願補正発明の相違点2に係る「特定和了役」の抽選とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものといえる。

相違点3について、特別遊技手段が特別遊技を行う条件として、引用例発明では、絵柄の組み合わせの表示態様に着目し、本願補正発明では、和了役の表示態様に着目している。そこで二つの表示態様について検討すると、どちらも表示装置に表示される特定の情報であり、その情報を絵柄の組み合わせである数字や絵柄とするか、和了役を意味する文字とするかは、遊技者の期待する情報を表示装置に表示して、特別遊技を行うことに変わりはなく、遊技の種類に応じて、その遊技関連の有意義情報を表示することに格別の創意工夫を要したとはいえない。してみると、引用例発明の「絵柄組み合わせ判断手段の絵柄組み合わせ判断において、絵柄組み合わせ抽選手段で抽選した特定の絵柄の組み合わせであると判断された場合」に特別遊技を行うこと代えて、本願補正発明の相違点3に係る「和了役判断手段の和了役判断において、特定和了役抽選手段で抽選した特定和了役であると判断された場合」に特別遊技を行うこととした点に格別の発明力を要したとはいえない。さらに、特定組み合わせの種類に応じて特別遊技を行うことについて検討すると、一般に、遊技機分野において、特定の組み合わせの種類毎に遊技内容に変化を持たせることが周知{例えば、特開平6-39112号公報(段落【0042】等)、特開平2-246992号公報(第9頁左欄下段第18行?同頁右欄下段第6行等)参照}である(以下、「周知技術C」という。)から、引用例発明の「特定の絵柄の組み合わせの種類」に代えて、周知技術Cを適用して本願補正発明の相違点3に係る「特定和了役の種類毎」とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものといえる。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例発明および周知技術A?Cから当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用例発明および周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年11月12日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、出願当初の明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「遊技機の表面に設けた遊技部内に、複数種類の麻雀牌にそれぞれ対応した入球口と、打球が入球した各入球口に対応する麻雀牌を表示する表示装置とを有し、予め定めた特定和了役で和了した場合に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる雀球遊技機において、
各遊技単位毎に、予め定めた複数の特定和了役の中から、当該遊技単位で使用する特定和了役を抽選する特定和了役抽選手段と、
遊技者の和了指示に基づいて、表示装置に表示された手牌の組み合わせが、予め定めた所定の和了役であるかどうかを判断する和了役判断手段と、
該和了役判断手段の和了役判断において、上記特定和了役抽選手段で抽選した特定和了役であると判断された場合に、該特定和了役の種類毎に予め定めた所定ゲーム数を上限として、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技を行わせる特別遊技手段とからなることを特徴とする雀球遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例発明および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例発明および周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例発明および周知技術A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項については検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-04 
結審通知日 2008-01-10 
審決日 2008-01-22 
出願番号 特願平6-44515
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池谷 香次郎  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 土屋 保光
林 晴男
発明の名称 雀球遊技機  
代理人 米山 淑幸  
代理人 竹山 宏明  
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