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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1174972
審判番号 不服2005-1887  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-03 
確定日 2008-03-21 
事件の表示 特願2002- 63963「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 9月 9日出願公開、特開2003-251012〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯・本願発明の認定
本願は、平成14年3月5日に出願された特願2002-58830号の一部を特許法44条1項の規定により新たな特許出願としたものであって、平成16年12月22日付けで拒絶の査定がされたため、これを不服として平成17年2月3日付けで本件審判請求がされたものである。
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成16年10月8日付けで補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。
「所定の始動信号の入力に基づいて、大当りかはずれかの抽選を行う大当り抽選手段と、
該大当り抽選手段による抽選の結果を表す大当り図柄またははずれ図柄を表示する表示手段と、
該表示手段によって大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程においてリーチ表示を行わせる場合において如何なる態様でリーチ表示を行わせるかを選択するリーチ表示態様選択手段と、
該リーチ表示態様選択手段により選択された態様で前記表示手段にリーチ表示を行わせるリーチ表示指令手段と、
前記表示手段によって大当り図柄やはずれ図柄が表示される過程において如何なる態様でリーチ表示が行われたかを記憶するリーチ表示態様記憶手段と、
該リーチ表示態様記憶手段に記憶されたリーチ表示が特定のリーチ表示の場合に、キャラクタの表示を前記表示手段に行わせることによって、特定のリーチ表示が行われたことを報知する特定リーチ表示態様報知手段と、を備える遊技機であって、
前記大当り抽選手段による抽選ではずれが選ばれる毎に、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該はずれに係るはずれ図柄が表示される前に、前記はずれが選ばれる前における表示態様と異なるはずれ用の表示態様に必ず変更させるはずれ変更手段と、
前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を変更させるか否かの抽選を行う表示態様変更抽選手段と、
前記大当り抽選手段による抽選で大当りが選ばれた場合、前記表示態様変更抽選手段によりキャラクタの表示態様を変更させる旨が抽選されていれば、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該大当りに係る大当り図柄が表示される前に、大当り用の表示態様に変更させる大当り変更手段と、を備えている
ことを特徴とする遊技機。」

第2 当審の判断
1.引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-70551号公報(以下「引用例1」という。)には、以下のア?オの記載が図示とともにある。
ア.「大当り抽選の結果を表す大当り図柄やはずれ図柄を表示するための表示手段と、
パチンコ球が所定入賞口へ入賞したこと又は所定ゲートを通過したことに基づいて前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程においてリーチ表示を行わせるか否かの抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選の結果、前記表示手段にリーチ表示を行わせることとなった場合に、前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程において如何なる態様でリーチ表示を行わせるかを選択するリーチ態様選択手段と、
前記リーチ態様選択手段により選択された態様で前記表示手段にリーチ表示を行わせるリーチ表示指令手段と、
前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄が表示される過程において如何なる態様でリーチ表示が行われたかを記憶するリーチ表示態様記憶手段と、
該リーチ表示態様記憶手段の記憶内容を報知するリーチ表示態様報知手段と、
を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。」(【請求項1】)
イ.「従来、パチンコ遊技機は、パチンコ球が所定入賞口へ入賞すると(又はパチンコ球が所定ゲートを通過すると)、入賞(通過)タイミング等に基づいて大当りの抽選を行い、回転ドラムや液晶ディスプレイ等の表示手段に、大当り抽選の結果を表す大当り図柄やはずれ図柄を表示する様に構成されている。」(段落【0002】)
ウ.「本発明にかかるパチンコ遊技機では、従来のパチンコ遊技機と同様に、抽選手段が、パチンコ球の入賞タイミング等に基づいて、表示手段に大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程においてリーチ表示を行わせるか否かの抽選を行う。」(段落【0007】)
エ.「報知の方法は、遊技者やパチンコ遊技場の店員が確認し易い方法であれば特に限定されるものではないが、・・・例えば、表示手段(液晶ディスプレイ)にパチンコ遊技機のマスコットキャラクタ等を表示させることである。」(段落【0010】)
オ.「リーチ表示態様記憶手段は、前記表示手段が予め定められた特定態様のリーチ表示を行った場合にのみその旨を記憶する様に構成されていても良い。」(段落【0012】)

2.引用例1記載の発明の認定
記載ア?オを含む引用例1の全記載及び図示によれば、引用例1には次のような発明が記載されていると認めることができる。
「パチンコ球が所定入賞口へ入賞すると、入賞タイミングに基づいて大当りの抽選を行う手段と、
大当り抽選の結果を表す大当り図柄やはずれ図柄を表示するための表示手段と、
前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程においてリーチ表示を行わせるか否かの抽選を行う抽選手段と、
該抽選手段による抽選の結果、前記表示手段にリーチ表示を行わせることとなった場合に、前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程において如何なる態様でリーチ表示を行わせるかを選択するリーチ態様選択手段と、
前記リーチ態様選択手段により選択された態様で前記表示手段にリーチ表示を行わせるリーチ表示指令手段と、
前記表示手段に大当り図柄やはずれ図柄が表示される過程において、特定態様のリーチ表示を行った場合にのみ如何なる態様でリーチ表示が行われたかを記憶するリーチ表示態様記憶手段と、
該リーチ表示態様記憶手段の記憶内容をマスコットキャラクタを表示させることにより報知するリーチ表示態様報知手段と、
を備えるパチンコ遊技機。」(以下「引用発明1」という。)

3.本願発明と引用発明1の一致点及び相違点の認定
引用発明1の「大当りの抽選を行う手段」、「表示手段」、「リーチ表示を行わせるか否かの抽選を行う抽選手段」、「リーチ態様選択手段」、「リーチ表示指令手段」、「リーチ表示態様記憶手段」及び「リーチ表示態様報知手段」と、本願発明の「大当り抽選手段」、「表示手段」、「リーチ表示を行わせるか否かの抽選を行うリーチ表示抽選手段」、「リーチ表示態様選択手段」、「リーチ表示指令手段」、「リーチ表示態様記憶手段」及び「リーチ表示態様報知手段」には、寸分の相違もない(引用発明1の「入賞タイミング」、「特定態様のリーチ表示」及び「マスコットキャラクタ」が本願発明の「所定の始動信号の入力」、「特定のリーチ表示」及び「キャラクタ」にそれぞれ相当する。)。
したがって、本願発明と引用発明1は、
「所定の始動信号の入力に基づいて、大当りかはずれかの抽選を行う大当り抽選手段と、
該大当り抽選手段による抽選の結果を表す大当り図柄またははずれ図柄を表示する表示手段と、
該表示手段によって大当り図柄やはずれ図柄を表示させる過程においてリーチ表示を行わせる場合において如何なる態様でリーチ表示を行わせるかを選択するリーチ表示態様選択手段と、
該リーチ表示態様選択手段により選択された態様で前記表示手段にリーチ表示を行わせるリーチ表示指令手段と、
前記表示手段によって大当り図柄やはずれ図柄が表示される過程において如何なる態様でリーチ表示が行われたかを記憶するリーチ表示態様記憶手段と、
該リーチ表示態様記憶手段に記憶されたリーチ表示が特定のリーチ表示の場合に、キャラクタの表示を前記表示手段に行わせることによって、特定のリーチ表示が行われたことを報知する特定リーチ表示態様報知手段と、を備える遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。
〈相違点〉本願発明が「前記大当り抽選手段による抽選ではずれが選ばれる毎に、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該はずれに係るはずれ図柄が表示される前に、前記はずれが選ばれる前における表示態様と異なるはずれ用の表示態様に必ず変更させるはずれ変更手段」、「前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を変更させるか否かの抽選を行う表示態様変更抽選手段」及び「前記大当り抽選手段による抽選で大当りが選ばれた場合、前記表示態様変更抽選手段によりキャラクタの表示態様を変更させる旨が抽選されていれば、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該大当りに係る大当り図柄が表示される前に、大当り用の表示態様に変更させる大当り変更手段」を備えるのに対し、引用発明1はこれら手段を備えない点。

4.相違点の判断及び本願発明の進歩性の判断
以下、本審決では「発明を特定するための事項」という意味で「構成」との用語を用いる。
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-126384号公報(以下「引用例2」という。)には、「C_HYOKは、C_HITの抽出値により可変表示結果を大当りとすることが決定されていることを条件として、大当りの予告をするか否かを決定するために用いられる予告2実行用ランダムカウンタである。」(段落【0064】)、「C_HYOKの抽出値が複数種類の予告パターンのそれぞれに対応して予め定められた判定値と一致すれば、対応する予告パターンで大当り予告をすることが決定される。」(段落【0065】)及び「可変表示結果を非確変大当りとすることが決定されている場合において、C_HYOKの抽出値が「0?5」の場合にはパターンXによる大当り予告をすることが決定され、「6?9」の場合にはパターンYの大当り予告をすることが決定され、「10?15」の場合には大当り予告を行なわないことが決定される。一方、可変表示結果を確変大当りとすることが決定されている場合において、C_HYOKの抽出値が「0?3」の場合には、パターンXにより大当り予告をすることが決定され、「4?14」の場合にはパターンYにより大当り予告をすることが決定され、「15」の場合には大当り予告を行なわないことが決定される。そして、その予告パターンに応じて可変表示の開始時に画像表示部5に表示されている所定のキャラクタの瞳が変化する。パターンXの場合には、図16(a)に示すようにキャラクタの瞳が光るような表示がなされる。一方、パターンYの場合には、図16(b)に示すようにキャラクタの瞳が燃えるような表示がなされる。なお、大当り予告をしないことが決定された場合には、キャラクタの瞳は変化しない。」(段落【0068】)との各記載がある。
これら引用例2の記載によれば、「可変表示結果」(本願発明の「大当り抽選手段による抽選の結果」に等しい。)には、確変大当り、非確変大当り及びはずれの3通りがあり、確変大当り又は非確変大当りを、確率的にではあるがキャラクタの表示態様の変化により予告することが記載されている。
他方、大当りかどうかを確率的にではなく、確定的に予告することは周知技術である(請求人も、原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-286631号公報に大当り確定を報知する技術思想が開示されていることを認めている。)ばかりか、引用例2の段落【0088】にも「可変表示結果を非確変大当りとすることが決定されている場合には、・・・キャラクタ500の瞳が図16(a)に示すような表示態様で光る。これにより、非確変大当りの予告がなされる。一方、可変表示結果を確変大当りとすることが決定されている場合には、キャラクタ500の瞳が図16(b)に示すような表示態様で燃える。これにより、確変大当りの予告がなされる。」との記載があり、同段落の記載をそのまま読めば、確変大当り又は非確変大当りをキャラクタの表示態様の変化により確定的に予告することになる。
上記引用例2記載の技術を引用発明1に適用して、非確変大当り又は確変大当りをマスコットキャラクタの表示態様の変化により予告することは当業者にとって想到容易であり、その際その予告を確定的に行うことは設計事項というべきである。ここで、キャラクタの表示態様としては、「瞳が燃えるような表示」、「瞳が光るような表示」及び「瞳は変化しない」表示があり、引用例2段落【0088】によれば、上記表示態様をその順に確変大当り、非確変大当り及びはずれ対応させることが普通に想定される。
しかし、キャラクタの変化(変化しない場合も含む)により、3通りの「可変表示結果」を報知するのであれば、上記態様にこだわる必要はなく、例えば最も不利な結果であるはずれに対して「涙をながす」表示態様を採用(そのようすれば、本願発明の「前記大当り抽選手段による抽選ではずれが選ばれる毎に、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該はずれに係るはずれ図柄が表示される前に、前記はずれが選ばれる前における表示態様と異なるはずれ用の表示態様に必ず変更させるはずれ変更手段」の構成に至る。)し、3つの結果のうち中間的とみなされる「非確変大当り」に「瞳は変化しない」表示を割り当てることは軽微な設計変更というよりない。
さらに、引用例2には「C_KHITの抽出値が、「1」,「3」,「5」,「7」,「9」のうちのいずれかである場合には、第1停止図柄が確変図柄に設定される。一方、C_KHITの抽出値が、「0」,「2」,「4」,「6」,「8」のうちのいずれかである場合には、第1停止図柄が確変図柄以外の大当り図柄に設定される。先に説明したC_HITの抽出値に基づいて大当りとすることが決定された場合には、右図柄(第2停止図柄)および中図柄(第3停止図柄)がC_KHITの抽出値に基づいて定められた図柄と同一種類の図柄に設定される。」(段落【0061】)との記載があり、抽選結果が大当りである場合に、非確変大当りであるか確変大当りであるかは「C_KHITの抽出値」により定まるから、引用例2には非確変大当りであるか確変大当りであるかの抽選を行う抽選手段が記載されていると認めることができる。
そして、非確変大当りであればキャラクタの表示態様を変化せず、確変大当りであればキャラクタの表示態様を変化する場合には、確変大当りであるかの抽選を行う抽選手段は「キャラクタの表示態様を変更させるか否かの抽選を行う表示態様変更抽選手段」でもある。同手段を採用すれば、本願発明の「大当り抽選手段による抽選で大当りが選ばれた場合、前記表示態様変更抽選手段によりキャラクタの表示態様を変更させる旨が抽選されていれば、前記特定リーチ表示態様報知手段により前記表示手段に表示されたキャラクタの表示態様を、当該大当りに係る大当り図柄が表示される前に、大当り用の表示態様に変更させる大当り変更手段」との構成に至る。
以上のとおりであるから、相違点に係る本願発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易であり、同構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって、本願発明は引用発明1、引用例2記載の技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

第3 むすび
本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-09 
結審通知日 2008-01-15 
審決日 2008-02-06 
出願番号 特願2002-63963(P2002-63963)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 津田 俊明
特許庁審判官 小林 俊久
渡部 葉子
発明の名称 遊技機  
代理人 足立 勉  
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