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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1175648
審判番号 不服2004-24701  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-02 
確定日 2008-04-04 
事件の表示 平成11年特許願第363908号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月23日出願公開、特開2000-140271〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成10年8月31日に出願した特願平10-245447号の一部を平成11年12月22日に新たな特許出願としたものであって、平成16年3月26日付で拒絶理由通知がなされ、平成16年6月4日付で手続補正がなされ、平成16年10月26日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年12月2日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成16年12月27日付で手続補正がなされたものである。

2.平成16年12月27日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年12月27日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を設け、制御フローに基づいて、図柄変動開始信号によって図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、図柄が確定表示する可変表示ゲームが行われる遊技機であって、
前記図柄表示部には複数の図柄で構成する副図柄と、その副図柄に僅かに相違する付属部を付記する主図柄が表示可能であり、
主図柄と副図柄で第1図柄群を構成し、副図柄で第2図柄群を構成し、
前記図柄変動開始信号によって、前記図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始し、その後の短時間後に、前記図柄表示部に第2図柄群の図柄を変動停止することを特徴とする遊技機。」

と補正された。
上記補正は、平成16年6月4日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「図柄変動開始信号によって図柄表示部の図柄が変動を開始し」を「制御フローに基づいて、図柄変動開始信号によって図柄表示部の図柄が変動を開始し」と限定し、同じく「副図柄に付属部を付記する主図柄」を「副図柄に僅かに相違する付属部を付記する主図柄」と限定し、同じく「図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始し」を「前記図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始し」と限定し、同じく「その後、短時間後に」を「その後の短時間後に」と限定するものであって、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-332264号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数種の図柄を可変表示した後、停止表示させる表示領域を複数個備えた図柄合わせゲーム機において、
前記可変表示の2種以上の可変表示態様を前記各表示領域で実現するための制御手順を記憶させる記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された複数種の可変表示態様のうち、いずれかの可変表示態様を表示領域毎に選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された可変表示態様を実現する制御手順を実行して表示領域毎に複数種の図柄を可変表示させる表示制御手段とを備えて成る図柄合わせゲーム機。
【請求項2】 前記記憶手段には、スクロール表示の可変表示態様を実現するためのスクロール表示の制御手順と、アニメーション表示の可変表示態様を実現するためのアニメーション表示の制御手順とが記憶されており、
前記選択手段は、各表示領域について、スクロール表示の制御手順とアニメーション表示の制御手順とのいずれかを選択するようにした・・・図柄合わせゲーム機。
【請求項3】 前記記憶手段には、スクロール表示の可変表示態様を実現するためのスクロール表示の制御手順と、アニメーション表示の2種以上の可変表示態様を実現するためのアニメーション表示の制御手順とが記憶されており、
前記選択手段は、各表示領域について、スクロール表示の制御手順と、いずれかのアニメーション表示の制御手順とを組み合わせて選択するようにした・・・図柄合わせゲーム機。
【請求項4】 前記選択手段は、前記記憶手段に記憶された複数種の可変表示態様のうち、いずれかの可変表示態様を・・・選択するようにした・・・図柄合わせゲーム機。
【0001】
【産業上の利用分野】・・・、スロットマシンや図柄の可変表示器付きのパチンコ機など、複数個の図柄の組み合わせによりゲームの勝敗を決定する図柄合わせゲーム機に関する。
【0003】・・・近年のゲーム機では、・・・液晶表示板などから成る表示器を設け、この表示画面上に複数個のリールが回転または停止する画像を表示するようにしている。この場合、機体内部のメモリには、各リールの画像上に重ね表示するための複数種の図柄が所定の順序で記憶されており、リールの回転表示と合わせてこれら図柄が順次可変表示される。
【0010】
【作用】複数種の図柄を可変表示するための可変表示態様が2種以上設定され、記憶手段にこれらの可変表示態様を各表示領域で実現するための制御手順が記憶される。可変表示時には、選択手段により、これら可変表示態様のうちのいずれかが選択され、表示制御手段によりその制御手順が実行されるので、各表示領域毎に異なる態様の可変表示を行うことが可能となる。
【0011】・・・、スクロール表示またはアニメーション表示のいずれかの可変表示態様を表示領域毎に選択して実行するようにしたから、各表示領域とも従来型のスクロール表示のみが行われるか、スクロール表示とアニメーション表示とが並列して行われるか、各表示領域ともアニメーション表示のみが行われるかのいずれかの表示が行われる。
【0012】・・・、表示領域毎に、スクロール表示の可変表示態様と、いずれかのアニメーション表示の可変表示態様とを組み合わせた表示を実現できる。
【0014】
【実施例】図1は、・・・パチンコ遊戯機の外観を示す。このパチンコ遊戯機1は、機体の前面に遊戯盤2,・・・などを備えた構成のものである。
【0015】・・・遊戯盤2には、・・・,チューリップ役物11などが、それぞれ所定の位置に配備されている。また遊戯盤2・・・には、イメージ表示部12が配備される・・・。
【0017】・・・イメージ表示部12は、液晶表示板を配備して成る。・・・、表示画面上に設定された3つの表示エリア13a?13c(図2に示す)で、3個のシンボルのスクロール表示およびアニメーション表示(・・・)が行われた後、各表示エリア13a?13cの中央位置(図2中点線で示す)に、それぞれ・・・基本パターンのいずれかが停止表示される。
【0019】図3は、前記イメージ表示部12に表示される各シンボルの基本パターンを示す。この基本パターンBP1?BP15は、「0」?「9」の各数字と5つの図形から成る15種類のシンボルを立体的なイメージにデザイン化して成るものである。・・・。
【0020】・・・、各基本パターンが回転したり、回転しながら隣の基本パターンに変化させてゆくイメージを形成するために、各シンボルについてそれぞれ29個の変動パターンを設定している。これら変動パターンは、それぞれ対応する基本パターンをその垂直方向の中心軸のまわりに所定角度回転させたときに観測されるイメージにより形成されるもので、これらのパターンを所定の順序で表示していくことにより、シンボルが回転していく様子が表現される。
【0021】図4は、第1のシンボルについての変動パターンの設定例を示すもので、基本パターンBP1を所定角度ずつ回転させたイメージを有する29個の変動パターンV1 ?V29が設定されている。
【0022】・・・基本パターンBP1と変動パターンV1 ?V29とを、所定の位置で順次表示していけば、文字「0」のシンボルが回転する様子を表すアニメーション画像が生成される。また図5に示す如く、表示する変動パターンをある時点で文字「1」の変動パターンに切り換えると、文字「0」のシンボルが回転しながらしだいに文字「1」のシンボルへと変化してゆくアニメーション画像を生成することができる。
【0023】・・・玉ゲートをパチンコ玉が通過したとき、イメージ表示部12の画像上の各表示エリア13a?13cでは、それぞれ基本パターンBP1?BP15が順に下から上へとスクロールされる表示が開始される。なお、このスクロール表示は、表示エリア13a,13c,13bの順に開始され、それぞれ機械式のリールのイメージが連想されるように、低速表示からしだいに高速表示へと変化する。
【0024】前記のスクロール表示から所定時間が経過すると、各表示エリアのスクロール表示は、開始したと同じ順に終了する。この終了動作は、各表示エリアの中央にいずれかの基本パターンが停止するタイミングで行われるもので、つぎにこの表示エリアでは、停止した基本パターンを起点として、これに続く変動パターンや基本パターンを所定の順序で表示することにより、表示エリア内のシンボルが変化していく様子を示すアニメーション画像が表示される。なお、このアニメーション表示は、遊戯者がシンボルの変化する様子を十分に認識できる速度で行われる。
【0025】このパチンコ遊戯機では、上記のアニメーション表示の態様として、複数種の表示態様を設定しており、・・・制御部20内に各表示態様を実施するための制御プログラムを記憶している。またこれらの制御プログラムは、アニメーション表示の度にいずれかの表示態様による画像がランダムに出現するように制御部20の内部で行われる抽選の結果に応じて選択される。
【0026】・・・、表示エリア内のシンボルが他のシンボルへ順次変化してゆく画像の表示を「回転変動表示」と定義し、また同じシンボルが表示エリア内で回転し続ける画像の表示を「回転固定表示」と定義することにする。
【0027】図6(1)?(7)は、まず左の表示エリア13a内で所定の基本パターンの回転固定表示を行いながら、右の表示エリア13cで回転変動表示を行う表示態様を示す。・・・、便宜上、各表示エリア13a?13cのうちの中央部分のみを取り出して表しており、スクロール表示中の表示エリアは「-」により表現している。
【0028】各表示エリア13a?13cがスクロール表示をしている状態(図6(1))から、はじめに左の表示エリア13aのスクロール表示が停止し、表示エリア13aに、所定の基本パターン(図示例ではBP6)が停止表示される。
【0029】この停止表示はすぐに回転固定表示へと切り換えられ、しばらくの時間、表示エリア13a内では、文字「5」のシンボルが回転し続ける画像が表示される(図6(2)?(4))。
【0030】つぎに右側の表示エリア13cのスクロール表示が終了して、エリア内に左の基本パターンBP6とは異なる基本パターン(図示例では基本パターンBP4)が停止し(図6(5))、回転変動表示へと移行する。これにより表示エリア13cでは、文字「3」のシンボルが回転しながらしだいに変化して、文字「5」のシンボルに近づいていく画像が表示される(図6(6))。
【0031】このとき機体内部の制御部では、左右の表示エリア13a,13cに同じシンボルを表示しつづける状態(以下この状態を「リーチ状態」という)を成立させるか否かを決定するための抽選が行われており、この抽選が当たりになると、図6(7)に示す如く、表示エリア13cでは、基本パターンBP6が表示されると同時にその表示が回転固定表示に切り換えられ、以後各表示エリア13a,13cでは、ともに文字「5」のシンボルが回転し続ける画像が表示される。一方、抽選が外れた場合、両者の基本パターンが合致した後もなお表示エリア13cの回転変動表示が続き、表示エリア13aとは異なる基本パターンが表示された時点で、その表示が回転固定表示に切り換えられる。
【0032】図7(1)?(8)は、左右の表示エリア13a,13cでともに回転変動表示が行われる表示態様を示す。この場合も、上記図6と同様、まず表示エリア13aのスクロール表示が終了して所定の基本パターン(図示例ではBP3)が一旦停止表示される(図7(2))。
【0033】この停止表示はすぐに回転変動表示へと切り換えられ、シンボルが文字「2」から文字「4」「5」・・・へと変化してゆく画像が表示される(図7(3)(4))。この間に右側の表示エリア13cのスクロール表示が終了し、表示エリア13aに表示中のシンボルとは異なるシンボルの基本パターン(図示例ではBP3)が停止表示される(図7(5))。
【0034】つぎに表示エリア13cの表示制御も回転変動表示に切り換えられるが、その変動表示の速度は表示エリア13aで行われているものより早くなるよう制御される。この結果、表示エリア13c内で表示されるシンボルはしだいに表示エリア13a内で表示中のシンボルに近づいていく(図7(6)(7))。
【0035】このとき制御部20は、前記と同様、抽選作業を行っており、この抽選が当たりのとき、両表示エリアに同じ基本パターンが表示された時点で、各エリアの表示を回転固定表示に切り換え、リーチ状態を成立させる(図7(8))。一方、抽選が外れた場合は、両エリアに異なる基本パターンになるタイミングで、各エリアの表示動作が回転固定表示に切り換えられる。
【0036】つぎに左右の表示エリア13a,13cのシンボルが確定した後の表示態様の例を示す。図8は、左右の表示エリア13a,13c内のシンボルを維持したまま中央の表示エリア13bのシンボルを変動させていくもので、リーチ状態の成立後、表示エリア13a,13cでは回転固定表示が同一速度で行われて、ともに文字「5」のシンボルが回転する画像が表示される(図8(1))。
【0037】この状態から所定の時間が経過すると、中央列のスクロール表示が終了し、表示エリア13bに所定の基本パターン(図示例ではBP8)が停止表示される(図8(2))。この後、表示エリア13bの表示動作は、回転変動表示に切り換えられ、エリア内のシンボルがしだいに変化してゆく画像が表示される(図8(3))。なおこの表示変動動作は、表示されるシンボルが左右のシンボルに近づくと低速になり、左右のシンボルから遠ざかると高速になるよう制御されており、シンボルの変動は複数廻り行われる。
【0038】制御部20は、この回転変動表示中に、再度抽選を行っており、その結果が当たりであれば、表示エリア13bに左右と同じ基本パターンが表示された時点で、その表示動作が回転固定表示に切り換えられる(図8(4))。
【0039】図9は、リーチ状態の成立後、表示エリア13a,13cで再び回転変動表示を行って、左右のシンボルを変動させる表示態様を示す。この回転変動表示は同じ速度で行われるように制御されるので、各表示エリア13a,13cではシンボルが同じタイミングで変動してゆく(図9(1))。
【0040】所定の時間が経過すると中央列のスクロール表示が停止し、表示エリア13bに所定の基本パターン(図示例ではBP2)が停止表示された後、その表示動作が回転変動表示に切り換えられる(図9(2)(3))。この回転変動表示動作は、左右のエリアの表示動作よりも高速で行われるように制御されるので、画面上では、中央のシンボルが左右のシンボルを追いかけて変化してゆくようなイメージが表示される(図9(4))。なおこの例でも、前記図8と同様、表示エリア13bの表示動作は、表示されるシンボルが左右のシンボルに近づくと低速になり、左右のシンボルから遠ざかると高速になるよう制御されている。
【0041】上記のような表示制御により、中央のシンボルが左右のシンボルに追いつき、追い越す状態が表示されるもので、最終的に制御部20内の抽選結果に基づく基本パターンが表示された時点で、各表示エリア13a?13cの表示動作は回転固定表示に切り換えられる。
【0042】上記の2例に示したような表示動作の後、そのまま各表示エリア13a?13cの回転固定表示を終了して、回転表示されていた基本パターンをエリア内に停止表示させてもよいが、さらにいずれかの表示エリアの表示動作を再び回転変動表示に切り換えて、一旦確定したシンボルの組み合わせが変化するように設定してもよい。
【0046】・・・左右の表示エリア13a,13cのシンボルが同じ方向に回転するようにしているが、左右のシンボルが対象方向に回転するように制御することも可能である。また・・・、回転固定表示や回転変動表示の際には、各基本パターンや変動パターンを表示エリア内の中央位置に表示するようにしているが、表示するパターンの切換え時に表示位置を左右,上下に変動させて、より動きのある画像を生成するようにしてもよい。
【0047】図12は、・・・パチンコ遊戯機の電気的構成を示すもので、CPU16,ROM17,音声ROM18,RAM19から成る制御部20にバス21を介して各入出力部が接続されている。
【0048】前記ROM17には、ゲーム実行のためのプログラムを記憶するためのプログラム記憶部22,前記各シンボルの基本パターンや変動パターンを記憶するパターン記憶部23,・・・などの複数種の記憶領域を有する。またRAM19は、プログラム実行時の作業エリアとして用いられ、・・・る。CPU16は、ROM17に格納されたプログラムやデータに従ってRAM18に対するデータの読み書きを行いつつ、入出力各部の動作を一連に制御する。
【0051】・・・。イメージ表示回路29は、前記イメージ表示部12の液晶表示板の表示動作を制御・・・する。・・・。
【0053】図13は、前記ROM17のプログラム記憶部22のデータ構成を示すもので、ゲーム全体を制御するためのメインプログラムを記憶するための領域R1と各種のサブルーチンプログラムを記憶するための領域R2とが設定されている。
【0054】イメージ表示部12に各種のアニメーション画像を表示させるための制御プログラムDP1,DP2,DP3・・・は、図5?図10に例示したような各表示態様毎にルーチン化されており、前記領域R2内に順次格納される。またこの領域R2には、特別ゲーム時のゲーム動作や特別の表示態様を制御するためのプログラムSPが記憶される。
【0059】図15は、・・・パチンコ遊戯機における制御動作を示す。・・・。
【0062】・・・、盤面に打ち出されたパチンコ玉がいずれかの玉ゲート15a,15bを通過すると、該当する通過玉検知センサ26a,26bから検知信号が出力される。これによりステップ5が「YES」となり、CPU16は、前記ROM17内のパターン記憶部22から各基本パターンを読み出して、イメージ表示部12の表示エリア13a?13cにスクロール表示を開始する(ステップ6)。
【0063】・・・CPU16は、・・・制御プログラムを・・・領域R2より読み出して実行する。これにより、前記図6,7に示したように、左右の表示エリア13a,13cの表示動作が順次スクロール表示からアニメーション表示へと切り換えられる(ステップ8)。
【0065】・・・CPU16は、・・・乱数値に対応する制御プログラムを実行する(ステップ11,12)。これにより、各表示エリア13a?13cでは、前記図8?図11に示したようなアニメーション表示が行われた後、いずれかの基本パターンが停止表示される。
【0067】・・・実施例では、はじめに各表示エリアのスクロール表示を行った後、各表示エリア13a?13cの表示動作を左,右,中央の順にアニメーション表示に切り換えるようにしているが、表示制御の方法はこれに限らず、例えば、各表示エリアのアニメーション表示を一斉にスタートさせても良い。またスクロール表示とアニメーション表示とを繰り返し行うようにしたり、ある表示エリアではスクロール表示のみを行う一方、別の表示エリアではアニメーション表示のみを行うようにするなど、スクロール表示の実行も選択的に行うようにしても良い。
【0068】・・・ここでは立体的なイメージのシンボルが回転する画像を表示するようにしたが、シンボルの形が徐々に変化して他のシンボルに変わってゆくような画像を表示しても良い。なおここで設定できる表示態様は、上記の例に限らず多岐にわたって設定出来る上、前記抽選テーブル部24をRAMに組み込むことにより、各表示態様の出現確率を自由に変更することが可能となる。これを利用して、特定の表示態様の出現確率を低く設定すると共に、その表示態様が実行されるときにパチンコ玉の払出しをおこなったり、最終的に各表示エリア13a?13cにそれぞれ特定の基本パターン(例えばBP15)が停止表示されたとき、特別ゲームの回数を倍増するなど、表示に連動させてゲーム性を拡大することもできる。

との記載が認められる。
また、上記摘記事項および図1・5等より、複数種の図柄を可変表示した後、停止表示させる表示領域を複数個備えた図柄合わせゲーム機であること(【請求項1】)、イメージ表示部12は、液晶表示板を配備して成り、表示画面上に設定された3つの表示エリア13a?13cで、3個のシンボルのスクロール表示およびアニメーション表示が行われた後、各表示エリア13a?13cの中央位置に、それぞれ基本パターンのいずれかが停止表示されること(段落【0017】)、実施例では、はじめに各表示エリアのスクロール表示を行った後、各表示エリア13a?13cの表示動作を左,右,中央の順にアニメーション表示に切り換えるようにしているが、表示制御の方法はこれに限らず、例えば、各表示エリアのアニメーション表示を一斉にスタートさせても良いこと、またスクロール表示とアニメーション表示とを繰り返し行うようにしたり、ある表示エリアではスクロール表示のみを行う一方、別の表示エリアではアニメーション表示のみを行うようにするなど、スクロール表示の実行も選択的に行うようにしても良いこと(段落【0067】)等が把握できるので、イメージ表示部12は、「複数種の図柄をアニメーション表示する」ものと認められ、
また、上記摘記事項および図1・15等より、可変表示態様を実現する制御手順を実行して表示領域毎に複数種の図柄を可変表示させる表示制御手段とを備えて成る図柄合わせゲーム機であること(【請求項1】)、玉ゲートをパチンコ玉が通過したとき、イメージ表示部12の画像上の各表示エリア13a?13cでは、それぞれ基本パターンBP1?BP15が順に下から上へとスクロールされる表示が開始されること(段落【0023】)、盤面に打ち出されたパチンコ玉がいずれかの玉ゲート15a,15bを通過すると、該当する通過玉検知センサ26a,26bから検知信号が出力され、ステップ5が「YES」となり、CPU16は、ROM17内のパターン記憶部22から各基本パターンを読み出して、イメージ表示部12の表示エリア13a?13cにスクロール表示を開始すること(段落【0062】)、スクロール表示とアニメーション表示とを繰り返し行うようにしたり、ある表示エリアではスクロール表示のみを行う一方、別の表示エリアではアニメーション表示のみを行うようにするなど、スクロール表示の実行も選択的に行うようにしても良いこと(段落【0067】)等が把握できるので、パチンコ遊戯機1は、「制御手順に基づいて、アニメーション表示開始信号図柄変動開始信号によってイメージ表示部12の図柄が変動を開始する」ものと認められる。
したがって、引用例には、

「複数種の図柄をアニメーション表示するイメージ表示部12を設け、制御手順に基づいて、アニメーション表示開始信号によってイメージ表示部12の図柄が変動を開始し、所定時間が経過すると、図柄が確定表示する図柄合わせゲームが行われるパチンコ遊戯機1であって、
前記イメージ表示部12には複数個の図柄で構成する基本パターン用の図柄と、その基本パターン用の図柄をその垂直方向の中心軸のまわりに所定角度回転させたときに観測されるイメージにより形成される変動パターン用の図柄が表示可能であり、
変動パターン用の図柄と基本パターン用の図柄でアニメーション画像の図柄群を構成し、基本パターン用の図柄でシンボルの図柄群を構成し、
前記アニメーション表示開始信号によって、前記イメージ表示部12にアニメーション画像の図柄群の図柄を変動開始し、その後のアニメーション表示が行われた後に、前記イメージ表示部12にシンボルの図柄群の図柄を停止表示するパチンコ遊戯機1。」

の発明(以下「引用例発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明の「複数種の図柄」は本願補正発明の「複数の図柄」に相当し、以下同様に、「アニメーション表示する」は「可変表示可能な」に、「イメージ表示部12」は「図柄表示部」に、「制御手順」は「制御フロー」に、「アニメーション表示開始信号」は「図柄変動開始信号」に、「所定時間が経過すると」は「所定時間後に」に、「図柄合わせゲーム」は「可変表示ゲーム」に、「パチンコ遊戯機1」は「遊技機」に、「複数個の図柄」は「複数の図柄」に、「基本パターン用の図柄」は「副図柄」に、「アニメーション画像の図柄群」は「第1図柄群」に、「シンボルの図柄群」は「第2図柄群」に、「停止表示する」は「変動停止する」にそれぞれ相当すると認められる。

また、引用例発明の「基本パターン用の図柄をその垂直方向の中心軸のまわりに所定角度回転させたときに観測されるイメージにより形成される変動パターン用の図柄」と本願補正発明の「副図柄に僅かに相違する付属部を付記する主図柄」は「特定の条件で形成される図柄」で共通し、以下同様に、「アニメーション表示が行われた後」と「短時間後」は「所定時間後」でそれぞれ共通する。したがって、両者は、

「複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を設け、制御フローに基づいて、図柄変動開始信号によって図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、図柄が確定表示する可変表示ゲームが行われる遊技機であって、
前記図柄表示部には複数の図柄で構成する副図柄と、特定の条件で形成される図柄が表示可能であり、
特定の条件で形成される図柄と副図柄で第1図柄群を構成し、副図柄で第2図柄群を構成し、
前記図柄変動開始信号によって、前記図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始し、その後の所定時間後に、前記図柄表示部に第2図柄群の図柄を変動停止する遊技機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、特定の条件で形成される図柄が、本願補正発明では、「副図柄に僅かに相違する付属部を付記する主図柄」であるのに対して、引用例発明では「基本パターン用の図柄をその垂直方向の中心軸のまわりに所定角度回転させたときに観測されるイメージにより形成される変動パターン用の図柄」である点。

相違点2、図柄表示部に第2図柄群の図柄を変動停止することにおいて、図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始後の所定時間後が、本願補正発明では、「短時間後」であるのに対して、引用例発明では「アニメーション表示が行われた後」である点。

(4)判断
上記相違点について検討する。

相違点1について、遊技機分野において、一般的に、文字に図案化した足と耳および手を付加した図柄やハーフトーンで表示した図柄であって、元の文字に僅かに相違する図柄を用いることが例えば、特開平8-155099号公報(段落【0019】等)、特開平8-66532号公報(段落【0110】等、図32等)に記載されるように従来周知(以下、「周知例A」と言う。)であるから、図柄の作成に当たり、引用例発明の「基本パターン用の図柄をその垂直方向の中心軸のまわりに所定角度回転させたときに観測されるイメージにより形成される変動パターン用の図柄」に代え、前記周知例Aを適用して本願補正発明の「副図柄に僅かに相違する付属部を付記する主図柄」とした点に格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得たものである。

相違点2について、遊技機分野において、CPUにより図柄の可変表示を開始して、短時間後に可変動作を停止することが例えば、特開平6-238043号公報(段落【0013】等)、特開平5-15643号公報(段落【0037】等)に記載されるように従来周知(以下、「周知例B」と言う。)であるから、図柄の変動停止制御に当たり、引用例発明のアニメーション表示が行われた後の構成に代え、前記周知例Bを適用して本願補正発明の短時間後の構成とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項である。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例発明および周知例A・Bから当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用例発明および周知例A・Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年12月27日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年6月4日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「複数の図柄を可変表示可能な図柄表示部を設け、図柄変動開始信号によって図柄表示部の図柄が変動を開始し、所定時間後に、図柄が確定表示する可変表示ゲームが行われる遊技機であって、
前記図柄表示部には複数の図柄で構成する副図柄と、その副図柄に付属部を付記する主図柄が表示可能であり、
主図柄と副図柄で第1図柄群を構成し、副図柄で第2図柄群を構成し、
前記図柄変動開始信号によって図柄表示部に第1図柄群の図柄を変動開始し、その後、短時間後に、前記図柄表示部に第2図柄群の図柄を変動停止することを特徴とする遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例発明および周知例A・Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例発明および周知例A・Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例発明および周知例A・Bに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願請求項2については検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-24 
結審通知日 2008-01-29 
審決日 2008-02-13 
出願番号 特願平11-363908
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎池谷 香次郎  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 林 晴男
土屋 保光
発明の名称 遊技機  
代理人 犬飼 達彦  
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