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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1176347
審判番号 不服2005-15798  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-08-18 
確定日 2008-04-10 
事件の表示 特願2002-202147「半導体装置及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 5月 9日出願公開、特開2003-133550〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成14年7月11日(優先権主張平成13年7月18日)の出願であって、平成17年7月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年9月15日付けで手続補正がなされ、その後、当審において、平成18年8月22日付けで審尋がなされ、同年10月17日に回答書が提出されたものである。


第2 平成17年9月15日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年9月15日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、以下のとおりである。
補正事項a
補正前の請求項1ないし5を削除したこと。
補正事項b
補正前の請求項6の「【請求項6】
半導体基板を第1の領域及び第2の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上及び前記第2の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域に含まれる部分を除去する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記半導体基板における前記第2の領域上に、膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁用膜を形成する第4の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜及び前記第2のゲート絶縁用膜を窒素プラズマに暴露して、前記第1のゲート絶縁用膜及び前記第2のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入することにより、前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート絶縁用膜から第2のゲート絶縁膜を形成する第5の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項1に繰り上げ、
「【請求項1】
半導体基板を第1の領域及び第2の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上及び前記第2の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域に含まれる部分を除去する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記半導体基板における前記第2の領域上に、膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁用膜を形成する第4の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜及び前記第2のゲート絶縁用膜を窒素プラズマに暴露して、前記第1のゲート絶縁用膜及び前記第2のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入することにより、前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第2のゲート絶縁用膜から第2のゲート絶縁膜を形成する第5の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項c
補正前の請求項7の「【請求項7】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して酸化性雰囲気で熱処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項2に繰り上げ、
「【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して酸化性雰囲気で熱処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項d
補正前の請求項8の「【請求項8】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して水素を含まない酸窒化性雰囲気で熱処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸窒化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項3に繰り上げ、
「【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して水素を含まない酸窒化性雰囲気で熱処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸窒化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項e
補正前の請求項9の「【請求項9】
請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記酸窒化性雰囲気は、一酸化窒素と酸素とを含む雰囲気、又は一酸化二窒素からなる雰囲気であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項4に繰り上げ、
「【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、
前記酸窒化性雰囲気は、一酸化窒素と酸素とを含む雰囲気、又は一酸化二窒素からなる
雰囲気であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項f
補正前の請求項10の「【請求項10】
請求項7?9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程の前に、前記半導体基板に増速酸化効果を生じさせる不純物イオンを注入する工程をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項5に繰り上げ、
「【請求項5】
請求項1?4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程の前に、前記半導体基板に増速酸化効果を生じさせる不純物イオンを注入する工程をさらに備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項g
補正前の請求項11の「【請求項11】
請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して一酸化二窒素から生成された窒素プラズマ及び酸素プラズマを含む酸窒化性雰囲気で処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸窒化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項6に繰り上げ、
「【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第4の工程では、前記半導体基板に対して一酸化二窒素から生成された窒素プラズマ及び酸素プラズマを含む酸窒化性雰囲気で処理を行なうことにより、前記半導体基板上に酸窒化膜からなる前記第2のゲート絶縁用膜を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項h
補正前の請求項12の「【請求項12】
請求項6?11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は3.5nm以上で且つ9nm以下であり、その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面部分及び前記半導体基板との界面部分にそれぞれピークを持ち、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つことを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項7に繰り上げ、
「【請求項7】
請求項1?6のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は3.5nm以上で且つ9nm以下であり、その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にそれぞれピークを持ち、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つことを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項i
補正前の請求項13の「【請求項13】
半導体基板を第1の領域、第2の領域及び第3の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上、前記第2の領域上及び前記第3の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記半導体基板の前記第2の領域に増速酸化効果を生じさせる不純物イオンを注入する第3の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域及び前記第3の領域に含まれる部分を除去する第4の工程と、
前記第4の工程の後に、前記半導体基板における前記第2の領域上に、膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁用膜を形成し、且つ、前記第3の領域上に膜厚が前記第2のゲート絶縁用膜よりも小さい第3のゲート絶縁用膜を形成する第5の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜、前記第2のゲート絶縁用膜及び前記第3のゲート絶縁用膜を窒素プラズマに暴露して、前記第1のゲート絶縁用膜、前記第2のゲート絶縁用膜及び前記第3のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入することにより、前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成し、前記第2のゲート絶縁用膜から第2のゲート絶縁膜を形成し、前記第3のゲート絶縁用膜から第3のゲート絶縁膜を形成する第6の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項8に繰り上げ、
「【請求項8】
半導体基板を第1の領域、第2の領域及び第3の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上、前記第2の領域上及び前記第3の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記半導体基板の前記第2の領域に増速酸化効果を生じさせる不純物イオンを注入する第3の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域及び前記第3の領域に含まれる部分を除去する第4の工程と、
前記第4の工程の後に、前記半導体基板における前記第2の領域上に、膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁用膜を形成し、且つ、前記第3の領域上に膜厚が前記第2のゲート絶縁用膜よりも小さい第3のゲート絶縁用膜を形成する第5の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜、前記第2のゲート絶縁用膜及び前記第3のゲート絶縁用膜を窒素プラズマに暴露して、前記第1のゲート絶縁用膜、前記第2のゲート絶縁用膜及び前記第3のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入することにより、前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成し、前記第2のゲート絶縁用膜から第2のゲート絶縁膜を形成し、前記第3のゲート絶縁用膜から第3のゲート絶縁膜を形成する第6の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項j
補正前の請求項14の「【請求項14】
請求項10又は13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物イオンはフッ素又はシリコンであり、前記フッ素又はシリコンを前記半導体基板の表面近傍に1×10^(14)cm^(-2)以上で且つ5×10^(15)cm^(-2)以下のドーズ量で注入することを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項9に繰り上げ、
「【請求項9】
請求項5又は8に記載の半導体装置の製造方法において、
前記不純物イオンはフッ素又はシリコンであり、前記フッ素又はシリコンを前記半導体基板の表面近傍に1×10^(14)cm^(-2)以上で且つ5×10^(15)cm^(-2)以下のドーズ量で注入することを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項k
補正前の請求項15の「【請求項15】
請求項6?14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマは、温度が室温から500℃までの高密度プラズマであることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項10に繰り上げ、
「【請求項10】
請求項1?9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマは、温度が室温から500℃までの高密度プラズマであることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項l
補正前の請求項16の「【請求項16】
請求項6?15のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜における窒素濃度のピーク値は、10atm%以上で且つ40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項11に繰り上げ、
「【請求項11】
請求項1?10のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜における窒素濃度のピーク値は、10atm%以上で且つ40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項m
補正前の請求項17の「【請求項17】
請求項6?16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマに酸素プラズマを加えることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項12に繰り上げ、
「【請求項12】
請求項1?11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマに酸素プラズマを加えることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項n
補正前の請求項18の「【請求項18】
半導体基板を第1の領域及び第2の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上及び前記第2の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域に含まれる部分を除去する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記第1のゲート絶縁用膜を含む前記半導体基板の全面を窒素プラズマ及び酸素プラズマに暴露することにより、前記第2の領域上に膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第1のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入して前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成する第4の工程と、
前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜上にゲート電極を選択的に形成する第5の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項13に繰り上げ、
「【請求項13】
半導体基板を第1の領域及び第2の領域に区画する第1の工程と、
前記第1の領域上及び前記第2の領域上に、熱酸化膜からなる第1のゲート絶縁用膜を形成する第2の工程と、
前記第1のゲート絶縁用膜における前記第2の領域に含まれる部分を除去する第3の工程と、
前記第3の工程の後に、前記第1のゲート絶縁用膜を含む前記半導体基板の全面を窒素プラズマ及び酸素プラズマに暴露することにより、前記第2の領域上に膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第1のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入して前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成する第4の工程と、
前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜上にゲート電極を選択的に形成する第5の工程とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で且つ窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項o
補正前の請求項19の「【請求項19】
請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は3.5nm以上で且つ9nm以下であり、その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面部分にピークを持ち、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つことを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項14に繰り上げ、
「【請求項14】
請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1のゲート絶縁膜の膜厚は3.5nm以上で且つ9nm以下であり、その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にピークを持ち、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つことを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。
補正事項p
補正前の請求項20の「【請求項20】
請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマ及び酸素プラズマは、プラズマガスに窒素と酸素の混合ガス、又は一酸化窒素ガスを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。」を、請求項15に繰り上げ、
「【請求項15】
請求項13又は14に記載の半導体装置の製造方法において、
前記窒素プラズマ及び酸素プラズマは、プラズマガスに窒素と酸素の混合ガス、又は一酸化窒素ガスを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。」と補正したこと。

2 本件補正についての検討
2-1 補正事項の整理
補正事項bないしpを整理すると、以下のとおりである。
2-1-1 補正事項b
補正事項bについての補正は、本件補正前の請求項6を請求項1に繰り上げ、本件補正前の請求項6の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」を、
「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」と補正したものである。
2-1-2 補正事項c
補正事項cについての補正は、本件補正前の請求項7を請求項2に繰り上げ、本件補正前の請求項7の「請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-3 補正事項d
補正事項dについての補正は、本件補正前の請求項8を請求項3に繰り上げ、本件補正前の請求項8の「請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-4 補正事項e
補正事項eについての補正は、本件補正前の請求項9を請求項4に繰り上げ、本件補正前の請求項9の「請求項8に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項3に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-5 補正事項f
補正事項fについての補正は、本件補正前の請求項10を請求項5に繰り上げ、本件補正前の請求項10の「請求項7?9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1?4のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-6 補正事項g
補正事項gについての補正は、本件補正前の請求項11を請求項6に繰り上げ、本件補正前の請求項11の「請求項6に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-7 補正事項h
補正事項hについての補正は、本件補正前の請求項12を請求項7に繰り上げ、本件補正前の請求項12の「請求項6?11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1?6のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正(以下、「補正事項h-1」という。)し、
「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面部分及び前記半導体基板との界面部分にそれぞれピークを持ち、」を、
「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にそれぞれピークを持ち、」と補正(以下、「補正事項h-2」という。)し、
「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」を、
「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つ」と補正(以下、「補正事項h-3」という。)したものである。
2-1-8 補正事項i
補正事項iについての補正は、本件補正前の請求項13を請求項8に繰り上げ、本件補正前の請求項13の「前記第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」を、
「前記第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」と補正したものである。
2-1-9 補正事項j
補正事項jについての補正は、本件補正前の請求項14を請求項9に繰り上げ、本件補正前の請求項14の「請求項10又は13に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項5又は8に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-10 補正事項k
補正事項kについての補正は、本件補正前の請求項15を請求項10に繰り上げ、本件補正前の請求項15の「請求項6?14のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1?9のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-11 補正事項l
補正事項lについての補正は、本件補正前の請求項16を請求項11に繰り上げ、本件補正前の請求項16の「請求項6?15のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1?10のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-12 補正事項m
補正事項mについての補正は、本件補正前の請求項17を請求項12に繰り上げ、本件補正前の請求項17の「請求項6?16のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項1?11のうちのいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。
2-1-13 補正事項n
補正事項nについての補正は、本件補正前の請求項18を請求項13に繰り上げ、本件補正前の請求項18の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」を、
「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」と補正したものである。
2-1-14 補正事項o
補正事項oについての補正は、本件補正前の請求項19を請求項14に繰り上げ、本件補正前の請求項19の「請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、
」と補正(以下、「補正事項o-1」という。)し、
「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面部分にピークを持ち、」を、
「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にピークを持ち、」と補正(以下、「補正事項o-2」という。)し、
「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」を、
「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つ」と補正(以下、「補正事項o-3」という。)したものである。
2-1-15 補正事項p
補正事項pについての補正は、本件補正前の請求項20を請求項15に繰り上げ、本件補正前の請求項20の「請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法において、」を、
「請求項13又は14に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものである。

2-2 補正の目的の適否及び新規事項の追加の有無についての検討
以下、補正事項aないしpについて検討する。
2-2-1 補正事項aについて
補正事項aについての補正は、補正前の請求項1ないし5を削除したものであり、請求項の削除を目的とするものに該当するので、補正事項aについての補正は、特許法第17条の2第4項第1号の規定に適合する。
2-2-2 補正事項bについて
補正事項bについての補正は、本件補正前の請求項6の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」の途中に、「、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的に」を加えて限定する補正であり、補正事項bについての補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、補正事項bについての補正は、特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合する。
そして、補正後の請求項1の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」については、本願の願書に最初に添付した明細書の【0065】段落に、「ここで、第2のゲート絶縁膜15Cはその膜厚が約1.8nmと、第1のゲート絶縁膜13Cの膜厚の約3分の1であるため、窒素分布は膜中で相対的にブロードな分布を持つ。」と記載されている。
してみると、補正事項bについての補正は、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるので、補正事項bについての補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
2-2-3 補正事項c?e、g、j?m、pについて
補正事項cについての補正は、本件補正前の請求項7を請求項2に繰り上げたことにより、請求項の引用について、本件補正前の「請求項6に記載の」を「請求項1に記載の」と補正したものである。
したがって、補正事項cについての補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するので、補正事項cについての補正は、特許法第17条の2第4項第4号の規定に適合する。
また、補正事項d、e、g、j?m、pについての補正は、上記補正事項cについての補正と同様に、請求項の引用について、補正したものである。
したがって、補正事項d、e、g、j?m、pについての補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するので、補正事項d、e、g、j?m、pについての補正は、特許法第17条の2第4項第4号の規定に適合する。
2-2-4 補正事項fについて
補正事項fについての補正は、本件補正前の請求項10を請求項5に繰り上げたことにより、請求項の引用について、本件補正前の「請求項7?9のうちのいずれか1項に記載の」を「請求項1?4のうちのいずれか1項に記載の」と補正したものであり、請求項の引用を「請求項1・・・に記載の」とした部分については、請求項の数が増加されている。
したがって、補正事項fについての補正は、引用する請求項の数を増加させるものであって、択一的記載の要素の付加に該当するから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものではない。また、「請求項の削除」、「誤記の訂正」、「明りょうでない記載の釈明」のいずれを目的とするものにも該当しないことは明らかであるので、補正事項fについての補正は、特許法第17条の2第4項第1号から第4号の規定に適合しない。
2-2-5 補正事項hについて
補正事項hについての補正は、補正事項h-1、補正事項h-2、補正事項h-3とからなるので、それぞれ検討する。
・補正事項h-1について
補正事項h-1についての補正は、本件補正前の請求項12を請求項7に繰り上げたことにより、請求項の引用について、本件補正前の「請求項6?11のうちのいずれか1項に記載の」を「請求項1?6のうちのいずれか1項に記載の」と補正したものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
・補正事項h-2について
補正事項h-2についての補正は、「表面部分」を「表面側」と、「界面部分」を「界面側」と補正したものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
・補正事項h-3について
補正事項h-3についての補正は、「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」のうちの「その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」部分を「その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つ」と補正したものであり、この補正により、「前記第2のゲート絶縁膜における」という記載が削除されており、また、「中央部分」を「中央」としているが、「その窒素濃度は」の「その」が、「前記第2のゲート絶縁膜」を指し示しているので、「前記第2のゲート絶縁膜における」という記載が削除されても、記載が不明りょうになるものではない。また、「中央部分」を「中央」と補正したことも、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
したがって、補正事項h-3についての補正は、全体として、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
以上のように、補正事項h-1、補正事項h-2、補正事項h-3からなる補正事項hについての補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当するので、補正事項hについての補正は、特許法第17条の2第4項第4号の規定に適合する。
2-2-6 補正事項iについて
補正事項iについての補正は、本件補正前の請求項13の「前記第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」の途中に、「、該第2のゲート絶縁膜及び前記第3のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的に」を加えて限定する補正であり、補正事項iについての補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、補正事項iについての補正は、特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合する。
そして、補正後の請求項1の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」については、本願の願書に最初に添付した明細書の【0105】段落に、「このように、第3の実施形態によると、膜厚が約5.5nmの第1のゲート絶縁膜33C、膜厚が約2.2nmの第2のゲート絶縁膜35C及び膜厚が約1.8nmの第3のゲート絶縁膜36Cと、それぞれ膜厚が異なる3種類のゲート絶縁膜を1つの半導体基板31上に同時に形成できる。その上、相対的に膜厚が小さいシリコン酸窒化膜からなる第2及び第3のゲート絶縁膜35C、36Cは、その窒素の濃度プロファイルがブロードとなり、窒素濃度のピークが膜厚方向のほぼ中央付近に位置し且つそのピーク値が約15atm%と高濃度とすることができる。」と記載されている。
してみると、補正事項iについての補正は、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるので、補正事項iについての補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
2-2-7 補正事項nについて
補正事項nについての補正は、本件補正前の請求項18の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で」の途中に、「、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的に」を加えて限定する補正であり、補正事項nについての補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、補正事項nについての補正は、特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合する。
そして、補正後の請求項1の「前記第2のゲート絶縁膜の窒素濃度は、該第2のゲート絶縁膜の膜厚が前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいことにより、膜中で相対的にブロードな窒素分布で」については、本願の願書に最初に添付した明細書の【0087】段落に、「この酸素プラズマ及び窒素プラズマによって、半導体基板21には酸化と窒化とが同時に起こり、第2の素子形成領域52に膜厚が約1.6nmのプラズマ酸窒化膜である第2のゲート絶縁膜25Cが形成される。このとき、第1のゲート絶縁膜23Aは窒素プラズマ及び酸素プラズマによる酸窒化により改質されて、第1のゲート絶縁膜23Cとなり、その膜厚は7.5nmとなる。」と記載され、また、【0092】段落に、「図9(a)に示すように、第1のゲート絶縁膜23Cにおける窒素分布は、膜の表面付近に約15atm%の濃度ピークを持つ。一方、図9(b)に示す第2のゲート絶縁膜25Cの窒素分布は膜中でブロードな分布を持ち、その濃度ピークは膜厚方向のほぼ中央付近に約15atm%の濃度を持つ。」と記載されている。
してみると、補正事項nについての補正は、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであるので、補正事項nについての補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
2-2-8 補正事項oについて
補正事項oについての補正は、補正事項o-1、補正事項o-2、補正事項o-3とからなるので、それぞれ検討する。
・補正事項o-1について
補正事項o-1についての補正は、本件補正前の請求項19を請求項14に繰り上げたことにより、請求項の引用について、本件補正前の「請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、」を「請求項13に記載の半導体装置の製造方法において、」と補正したものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
・補正事項o-2について
補正事項o-2についての補正は、「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面部分にピークを持ち、」を「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にピークを持ち、」と補正したものであり、「表面部」を「表面側」とする補正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
しかしながら、「及び前記半導体基板との界面側」を追加する補正については、補正事項oに関する本件補正後の請求項14が、本件補正後の請求項13を引用する発明であり、本件補正後の請求項13には、「前記第3の工程の後に、前記第1のゲート絶縁用膜を含む前記半導体基板の全面を窒素プラズマ及び酸素プラズマに暴露することにより、前記第2の領域上に膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第1のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入して前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成する第4の工程」が記載されており、この記載の根拠は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0087】段落に「次に、図8(c)に示すように、第2の素子形成領域52を露出した半導体基板21を、誘導結合プラズマによる窒素プラズマ及び酸素プラズマに暴露する。ここでは、プラズマガスに窒素が約95%で酸素が約5%の混合ガスを用いると共に、周波数は約13.56MHz、高周波電力は約500W、チャンバの圧力は約1.33Pa、基板温度は約30℃としている。この酸素プラズマ及び窒素プラズマによって、半導体基板21には酸化と窒化とが同時に起こり、第2の素子形成領域52に膜厚が約1.6nmのプラズマ酸窒化膜である第2のゲート絶縁膜25Cが形成される。このとき、第1のゲート絶縁膜23Aは窒素プラズマ及び酸素プラズマによる酸窒化により改質されて、第1のゲート絶縁膜23Cとなり、その膜厚は7.5nmとなる。」と記載されていることからわかるように、本件補正後の請求項14は、本願の願書に最初に添付した明細書の【0083】段落?【0094】段落、及び、図8、図9に記載されている第2の実施形態に対応する請求項である。そして、本願の第2の実施形態では、図9(a)の記載を参照すると、「第1のゲート絶縁膜」の「窒素濃度」は、「第1のゲート絶縁膜の表面側」に「ピークを持」っているが、「第1のゲート絶縁膜」の「窒素濃度」は、「前記半導体基板との界面側」に「ピークを持」っていない。
したがって、「及び前記半導体基板との界面側」を追加する補正事項o-2についての補正は、本件補正後の請求項13の「前記第3の工程の後に、前記第1のゲート絶縁用膜を含む前記半導体基板の全面を窒素プラズマ及び酸素プラズマに暴露することにより、前記第2の領域上に膜厚が前記第1のゲート絶縁用膜よりも小さい第2のゲート絶縁膜を形成すると共に、前記第1のゲート絶縁用膜に窒素原子を導入して前記第1のゲート絶縁用膜から第1のゲート絶縁膜を形成する第4の工程」を有する半導体装置の製造方法において、「その窒素濃度は前記第1のゲート絶縁膜の表面側及び前記半導体基板との界面側にピークを持」つ補正であるので、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されているものとは認められず、また、自明な事項でもない。
・補正事項o-3について
補正事項o-3についての補正は、「前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は1.0nm以上で且つ3.0nm以下であり、その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」のうちの「その窒素濃度は前記第2のゲート絶縁膜における膜厚方向の中央部分にピークを持つ」部分を「その窒素濃度は膜厚方向の中央にピークを持つ」と補正したものであり、この補正により、「前記第2のゲート絶縁膜における」という記載が削除されており、また、「中央部分」を「中央」としているが、「その窒素濃度は」の「その」が、「前記第2のゲート絶縁膜」を指し示しているので、「前記第2のゲート絶縁膜における」という記載が削除されても、記載が不明りょうになるものではない。また、「中央部分」を「中央」と補正したことも、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
したがって、補正事項o-3についての補正は、全体として、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
以上のように、補正事項o-2を含む補正事項oについての補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものではないので、補正事項oについての補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない。

3 むすび
以上のとおり、前記補正事項fとoについての補正を含む本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合せず、また、同法第17条の2第4項第1号から第4号の規定にも適合しない。
よって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下されるべきものである。


第3 本願発明について
平成17年9月15日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし20に係る発明は、平成17年4月26日付けの手続補正書に記載された事項により特定されるものであるところ、本願の請求項1に係る発明は、次のとおりのものである。
「【請求項1】
半導体基板の主面を少なくとも第1の領域及び第2の領域に区画する素子分離領域と、
前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜と、
前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜の上にそれぞれ形成されたゲート電極とを備え、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さく、
前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜は窒素が導入され、該第1のゲート絶縁膜の窒素濃度は膜厚方向の表面部分に第1のピークを持ち、該第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ膜厚方向の中央部分にピークを持ち、窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下であることを特徴とする半導体装置。」

1 引用刊行物及び該引用刊行物記載の発明
刊行物1.特開平10-173187号公報

本願の優先権主張日前日本国内において頒布された刊行物1(特開平10-173187号公報)には、図1?図8とともに、
「薄膜窒化珪素または酸化窒化珪素ゲート誘電体の形成方法」(発明の名称)に関して、
「【請求項1】 誘電体層を形成するための方法であって、該方法が:半導体基板を用意し、該基板は1つの表面を有し;前記半導体基板の上に酸素含有層を形成し;そして前記酸素含有層を窒素を含むプラズマに曝して、前記窒素が前記酸素含有層の中に混入されるかまたは前記基板の前記表面部に窒化物層を形成させる、以上のステップを含む前記方法。」(特許請求の範囲)
「【0002】
【従来の技術】現在、半導体デバイスを小型化する要望が強く存在しており、それによってより高速で電力消費の少ない半導体チップの上に高い密度のデバイスを提供しようとしている。デバイスの横方向の寸法が大きくなると、十分なデバイス性能を確保するために同様に垂直方向の大きさも必要となる。このように垂直方向の寸法が大きくなると、要求されるデバイス性能を実現するためにゲート誘電体の厚さを薄くする必要が生じる。しかしながらゲート誘電体を薄くすると、多結晶シリコンゲート構造からのドーパント拡散または金属ゲート構造からの金属拡散に対する障壁が小さくなり、結果としてデバイスの電気的性能および信頼性を減じかねない。
【0003】これらの問題を解消する1つの手段は、窒化珪素をゲート誘電体層として使用するとである。窒化珪素は典型的な熱成長酸化珪素膜よりも高誘電率を有し、また不純物拡散に対してより高い抵抗を具備している。しかしながら標準的に蒸着された窒化珪素の電気的特性は熱酸化物よりも遥かに劣っている。従ってゲート絶縁体として有効な従来式窒化珪素膜を製造するためには、窒化物層と基板との間に酸化物層を形成しなければならない。」
「【0007】したがって本発明の1つの目的は、窒化物膜の障壁特性の利点を生かしつつ、また酸化物膜の電気的特性の利点をも有する膜を提供することである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の1つの実施例は誘電体層を形成するための方法であって、この方法は次のステップを含む:半導体基板を用意する、この基板は1つの表面を有する;この半導体基板上に酸素含有層を形成する;そしてこの酸素含有層を窒素を含むプラズマに曝し、この窒素が酸素含有層に混入されるかまたは基板の上に窒化物層を形成するようにする。本発明のこの実施例を使用することにより、誘電体層がほとんど水素を含まないように出来る。好適にこの酸素含有層はSiO_(2 )層であるかまたは酸素および窒素で構成される(好適に酸化窒化物層)。プラズマは好適に高密度プラズマである。好適に窒素源がプラズマの中に導入されて、窒素を含むプラズマを形成する。窒素源は好適に下記を含む物質で構成される:N_(2),NH_(3) ,NO,N_(2 )Oまたはこれらの混合物。
【0009】本発明の別の実施例はゲート誘電体層の上に蒸着された導電性ゲート構造を有するトランジスタを形成するための方法であり、この方法は下記のステップを含む:半導体基板を用意する、この基板は1つの表面を有する;この半導体基板上に誘電体層を用意する、この誘電体層は酸素を含む;この誘電体層を窒素を含むプラズマに曝し、窒素がゲート絶縁層に混入されるかまたは窒化物層を基板の表面上に形成するようにする;そして此処において、ゲート誘電体は窒素を混入された誘電体層で構成されるかまたは基板の表面上に形成された窒化物層である。好適に導電性ゲート構造はドーピングされた多結晶シリコンまたは金属で構成される。本発明のこの実施例を使用することで、ゲート誘電体層はほぼ水素を含まないように出来る。好適にこの誘電体層はSiO_(2 )層であるかまたは酸化窒化物層である。」
「【0012】図1、2、および3a並びに図4aの発明を参照すると、絶縁層14が半導体構造12(これは好適にシリコン基板またはシリコン基板上に形成されたエピタキシャルシリコン層)の上に形成される。好適に絶縁層14は10から150厚さの酸素含有層[好適に酸化物層、酸化窒化層のいずれか、またはその他の絶縁層](更に好適には、10から80厚さの酸化物層--もっと好適には10から45厚さの酸化物層)であり、これは熱成長、蒸着、またはそれらの組み合わせのいずれかである。このステップは図4aのブロック502に対応する。図2および図4aのステップ504を参照すると、絶縁層14がプラズマに曝されており、これには窒素含有物質が混入されている。好適に窒素含有物質は、N_(2) ,NH_(3) ,NO,N_(2 )Oまたはこれらの混合物であり、プラズマは好適に高密度プラズマである。ウェファにバイアスをかけないようにすることも可能であり、その場合イオン化された物質はプラズマ電位(これは典型的には20ボルト程度)で加速されて絶縁表面の中に打ち込まれる。バイアス電圧をウェファに引加してプラズマからのイオンを更に加速して、これらを絶縁表面の中により深く打ち込むことも可能である。DCまたはRFバイアス電圧のいずれもウェファにバイアスをかけるために使用できる。最も好適には、ステップ504は以下の処理条件で実行される:開始酸化物厚さは10から150厚さである;プラズマ密度はおよそ1x10^(10)から1x10^(12)cm^(-3)である;窒素は1から100sccm程度である;処理圧力は好適に1から50mTorr程度である;温度は好適に70から900Kの範囲である;基板(ウェファ)バイアスは0から50ボルト程度である;また露出の期間は1から60秒の間である。
【0013】図3aはステップ504の結果を図示する。ウェファのバイアスおよびプラズマ密度に応じて、窒素は絶縁層14の中に組み込まれる。この結果が層14のSi/N/O部20および層14のSi/O/N部18である。好適に部分20の中では窒素量が酸素量を上回る。実際、部分20の中では酸素(おそらく非常に少ないか無酸素)より多くの窒素が存在することが好適である。部分18は部分20とほぼ同じであっても構わないし、またはこれら2つの部分が異なる量の珪素、窒素、および酸素を含むようにしても構わない。実際、部分18は比較的純粋なSiO_(2 )膜を残していても構わないし、またほとんど珪素と窒素とで構成されていても構わないし、またはこれら両極端の間の珪素、窒素および酸素がある割合で構成されていても構わない。添加される窒素の量は処理工程条件に依存するので、これらの処理工程条件はどんなトランジスタの設計にも最適となるように操作される。
【0014】更に、部分18と20の間の遷移ははっきりしておらず、窒素濃度に関して傾斜がついている。・・・」
「【0017】本実施例は下記のいずれかを形成するために使用される:均質珪素酸化窒化物層、均質珪素窒化物層、ゲート絶縁層の最上表面部の酸化窒化珪素または窒化珪素インタフェース層、ゲート絶縁層の最上表面部そして/または最下表面部の酸化窒化珪素または窒化珪素インタフェース層。好適に本発明の実施例を使用して形成されたゲート絶縁体は0.1から57の原子百分率の窒素成分を有する。
【0018】図5から図8は本発明の方法を使用して形成されたゲート誘電体膜内の酸素および窒素のレベルを図示するグラフである。図5は以下の条件で窒化された60酸化膜の二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである:プラズマ電力は2000W(高密度ヘリコン方式プラズマ);基板バイアスは0ワット;ガス流量は100sccmの窒素;周辺圧力は4mTorr;そしてプラズマ露出時間は11秒。図5は最上表面/インタフェース部の窒素混入を示す。図6は以下の条件で窒化された60酸化膜の飛行時間型二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである:プラズマ電力は2000W(高密度ヘリコン方式プラズマ);基板バイアスは0ワット;ガス流量は100sccmの窒素;周辺圧力は4mTorr;そしてプラズマ露出時間は30秒。図6は最上部および底部インタフェース部の窒素混入を示す。図7は以下の条件で窒化された35酸化膜の二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである:プラズマ電力は2000W(高密度ヘリコン方式プラズマ);基板バイアスは100ワット(13.56MHz);ガス流量は100sccmの窒素;周辺圧力は4mTorr;そしてプラズマ露出時間は60秒。図7は膜の後方に微少量の酸素を残した窒化珪素がほぼ完全に形成されていることを示す。図8は以下の条件で窒化された7酸化膜の飛行時間型二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである:プラズマ電力は2000W(高密度ヘリコン方式プラズマ);基板バイアスは450ワット;ガス流量は100sccmの窒素;周辺圧力は4mTorr;そしてプラズマ露出時間は10秒。」
「【0035】(16)本発明の1つの実施例は誘電体層を形成するための方法であり、この方法は以下のステップを含む:半導体基板(基板12)を用意する、この基板は1つの表面を有する;酸素含有層(層14)を半導体基板上に形成する;そして酸素含有層を窒素を含むプラズマ(プラズマ16)に曝し、窒素が酸素含有層に混入されるか(領域18、19、および20参照)または窒化物層を基板の表面部(領域22)に形成する。本発明のこの実施例を使用して誘電体はほとんど水素を含まないように出来る。好適に酸素含有層はSiO_(2 )層であるか、または酸素および窒素を含む(好適に酸化窒化物層)。プラズマは好適に高密度プラズマである。好適に窒素源がプラズマに導入されて窒素を含むプラズマが形成される。窒素源は好適に、N_(2 ),NH_(3 ),NO,N_(2 )Oまたはこれらの混合物から成る物質を含む。」
「【図面の簡単な説明】
【図1】図1は製造された半導体デバイスの断面図。
【図2】図2は製造された半導体デバイスの断面図。
【図3】図3は本発明の1つの実施例の方法を図示し、aは本発明の1つの実施例の方法、bは本発明の別の実施例、そしてcは本発明の別の実施例。
【図4】図4は本発明の2つの実施例の方法を図示する流れ図であり、aは1つの実施例の流れ図、そしてbは別の実施例の流れ図。
【図5】図5は本発明の方法を用いて形成されたゲート誘電体層内の酸素と窒素の量を図示するグラフ。
【図6】図6は本発明の方法を用いて形成されたゲート誘電体層内の酸素と窒素の量を図示するグラフ。
【図7】図7は本発明の方法を用いて形成されたゲート誘電体層内の酸素と窒素の量を図示するグラフ。
【図8】図8は本発明の方法を用いて形成されたゲート誘電体層内の酸素と窒素の量を図示するグラフ。」
が、記載されている。
ここで、「図5は以下の条件で窒化された60酸化膜の二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである」(【0018】段落)と図5の横軸「深さ(オングストローム)」の記載、及び「図6は以下の条件で窒化された60酸化膜の飛行時間型二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである」(【0018】段落)と図6の横軸「深さ(オングストローム)」の記載とから、「60酸化膜」の「60」とは、60オングストローム、すなわち、6nmのことであると理解でき、また、「図7は以下の条件で窒化された35酸化膜の二次イオン質量分析計(SIMS)分析で得られたデータを図示したものである」(【0018】段落)と図7の横軸「深さ(オングストローム)」の記載から、「35酸化膜」の「35」とは、35オングストローム、すなわち、3.5nmのことであると理解できるので、「好適に絶縁層14は10から150厚さの酸素含有層[好適に酸化物層、酸化窒化層のいずれか、またはその他の絶縁層](更に好適には、10から80厚さの酸化物層--もっと好適には10から45厚さの酸化物層)」(【0012】段落)の「10から150厚さの酸素含有層」、「10から80厚さの酸化物層」、「10から45厚さの酸化物層」の各数値は、その単位が、オングストロームであることが、理解できる。
すると、「10から150厚さの酸素含有層」は、1から15nm厚さの酸素含有層に相当しており、この酸素含有層の膜厚は、本願の願書に最初に添付した明細書の、例えば、第1の実施形態の「第1のゲート絶縁膜13C及び第2のゲート絶縁膜15Cは同時に形成され、その膜厚はそれぞれ約5.5nmと約1.8nmとなる。」(明細書【0056】段落)という記載における、第1のゲート絶縁膜13C及び第2のゲート絶縁膜15Cの膜厚を包含する膜厚であることが理解できる。
また、刊行物1に記載された発明は、ゲート誘電体の形成方法に関する発明であるが、「【図2】図2は製造された半導体デバイスの断面図。」(図面の簡単な説明)という記載もあることから、刊行物1には、製造された半導体デバイスの発明についても、示唆されている。
また、「図5は最上表面/インタフェース部の窒素混入を示す。」(【0018】段落)グラフであり、「窒化された60酸化膜」(膜厚6nm)の窒素が、60酸化膜表面から深さ方向約5オングストローム(約0.5nm)あたりの位置に、約17原子百分率(原文(図5の縦軸部分を参照)では、「atomic percent」であり、本願の願書に最初に添付した明細書の「atm%」に相当する。)のピークを有することが、示されている。
また、「図3aはステップ504の結果を図示する。ウェファのバイアスおよびプラズマ密度に応じて、窒素は絶縁層14の中に組み込まれる。この結果が層14のSi/N/O部20および層14のSi/O/N部18である。好適に部分20の中では窒素量が酸素量を上回る。実際、部分20の中では酸素(おそらく非常に少ないか無酸素)より多くの窒素が存在することが好適である。部分18は部分20とほぼ同じであっても構わないし、またはこれら2つの部分が異なる量の珪素、窒素、および酸素を含むようにしても構わない。実際、部分18は比較的純粋なSiO_(2 )膜を残していても構わないし、またほとんど珪素と窒素とで構成されていても構わないし、またはこれら両極端の間の珪素、窒素および酸素がある割合で構成されていても構わない。添加される窒素の量は処理工程条件に依存するので、これらの処理工程条件はどんなトランジスタの設計にも最適となるように操作される。」(【0013】段落)と記載されているように、図3aに示される、絶縁層14の中に組み込まれる窒素は、図3aに示される絶縁層14のSi/N/O部20および層14のSi/O/N部18からなり、「好適に部分20の中では窒素量が酸素量を上回る。実際、部分20の中では酸素(おそらく非常に少ないか無酸素)より多くの窒素が存在することが好適である」としてもよく、「部分18は部分20とほぼ同じであっても構わない」のであるから、この「部分18は部分20とほぼ同じ」場合には、絶縁層14の中に組み込まれる窒素は、深さ方向にほぼ均一であり、「均質珪素酸化窒化物層」(【0017】段落)という記載もある。
また、「添加される窒素の量は処理工程条件に依存するので、これらの処理工程条件はどんなトランジスタの設計にも最適となるように操作される。」という記載から、刊行物1に記載された発明は、どんなトランジスタの設計にも適用可能であると認められる。

以上の記載から、刊行物1には、「ゲート絶縁層と、ゲート絶縁層の上に蒸着された導電性ゲート構造とを備え、ゲート絶縁層には、窒素が混入されており、そのゲート絶縁層は、ゲート絶縁層の最上表面部の酸化窒化珪素インタフェース層として窒素のピークを有しており、0.1から57の原子百分率の窒素成分を有し、窒素のピークは約17原子百分率である半導体デバイス。」が、示されている。

2 対比・判断
2-1 本願の請求項1に係る発明について
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と刊行物1に記載された発明(以下、「刊行物発明」という。)とを対比すると、刊行物発明の「ゲート絶縁層」は、本願発明の「ゲート絶縁膜」に相当するが、本願発明が、「第1のゲート絶縁膜」と「第2のゲート絶縁膜」を備えているのに対して、刊行物発明の「ゲート絶縁層」は、1つのみであるので、ここでは、刊行物発明の「ゲート絶縁層」は、本願発明の「第1のゲート絶縁膜」に相当するものとする。
また、刊行物発明の「ゲート絶縁層の上に蒸着された導電性ゲート構造」は、本願発明の「前記第1のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極」に相当し、刊行物発明の「ゲート絶縁層には、窒素が混入されて」いることは、本願発明の「前記第1のゲート絶縁膜は窒素が導入され」ることに相当し、刊行物発明の「そのゲート絶縁層は、ゲート絶縁層の最上表面部の酸化窒化珪素インタフェース層として窒素のピークを有して」いることは、本願発明の「該第1のゲート絶縁膜の窒素濃度は膜厚方向の表面部分に第1のピークを持」つことに相当する。
刊行物発明の「窒素のピークは約17原子百分率である」ことは、刊行物1の図5に記載されているが、刊行物発明の「窒素のピーク」は、本願発明の「窒素のピーク濃度」に相当し、「原子百分率」は、「atm%」のことであるので、刊行物発明の「窒素のピークは約17原子百分率である」ことは、本願発明の「窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下である」ことのうちの、約17atm%の場合に相当する。
刊行物発明の「半導体デバイス。」は、本願発明の「半導体装置。」に相当している。
してみると、本願発明と刊行物発明とは、
「第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とを備え、
前記第1のゲート絶縁膜は窒素が導入され、該第1のゲート絶縁膜の窒素濃度は膜厚方向の表面部分に第1のピークを持ち、
窒素のピーク濃度が約17atm%であることを特徴とする半導体装置。」の点で一致し、以下の点で相違している。
相違点1
本願発明は、「半導体基板の主面を少なくとも第1の領域及び第2の領域に区画する素子分離領域と、 前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜と、 前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜と、 前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜の上にそれぞれ形成されたゲート電極とを備え、 前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さく、 前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜は窒素が導入され」ているとの構成を備えているのに対して、刊行物発明は、本願発明の「第1のゲート絶縁膜」に相当する「ゲート絶縁膜」を1つのみ備えるものであり、刊行物発明は、「ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に蒸着されたゲート電極とを備え、ゲート絶縁膜には窒素が混入されて」いるとの構成を備えているが、本願発明の「第2のゲート絶縁膜」と、「前記第2のゲート絶縁膜の上に」「形成されたゲート電極とを備え、 前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さく」、「前記第2のゲート絶縁膜は窒素が導入され」ていることに関する記載がない点(以下、「相違点1」という。)。
相違点2
本願発明は、「該第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ膜厚方向の中央部分にピークを持」つのに対して、刊行物発明は、本願発明の「第1のゲート絶縁膜」に相当する「ゲート絶縁膜」を1つのみ備えるものの、本願発明の「第2のゲート絶縁膜」に相当する「ゲート絶縁膜」を備えていないので、刊行物発明は、本願発明の「該第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ膜厚方向の中央部分にピークを持」つとの構成を備えていない点(以下、「相違点2」という。)。
相違点3
本願発明は、「窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下である」「第2のゲート絶縁膜」を備えているのに対して、刊行物発明は、本願発明の「第1のゲート絶縁膜」に相当する「ゲート絶縁膜」における、「窒素のピーク」濃度が「約17原子百分率である」との構成を備えているが、本願発明の「第2のゲート絶縁膜」を備えているか否か明らかではなく、その窒素のピーク濃度も不明である点(以下、「相違点3」という。)。
そこで、上記相違点1?3について検討する。
[相違点1について]
(a)例えば、以下の周知文献1ないし4に記載されるように、半導体装置において、素子分離部が形成してあり、この素子分離部で分離された2種類のトランジスタ形成領域に、それぞれ膜厚が異なる2種類のゲート絶縁膜を有する2種類の絶縁ゲート型トランジスタを備えることは、従来周知である。
(a-1)周知文献1.特開平11-317458号公報(原審の引用刊行物4)(図3?図7、及び、【0006】、【0058】、【0060】、【0062】、【0065】段落参照)には、「【0006】・・・半導体基板上に、素子分離膜・・・を・・・形成し、・・・第1のゲート絶縁膜を形成する。続いて、・・・マスクに被覆されていない領域のゲート絶縁膜を除去する。その後、・・・第2のゲート酸化を行う。その際、上記マスクに被覆されていた領域においては第1のゲート酸化による絶縁膜が残存したまま更にゲート酸化が行われるので、マスクに被覆されていなかった領域よりも厚いゲート絶縁膜が形成される。その後は、・・・工程を経て半導体装置を完成する。・・・ゲート絶縁膜の厚さを2種類作り分ける一連の工程を2種ゲート絶縁膜プロセスと称することにする。」こと、「【0058】続いて、この素子形成基板1に浅溝型の分離部14を形成する。・・・
【0060】次いで、・・・図4に示すように、エピタキシャル層1e上にゲート絶縁膜16iを形成する。・・・
【0062】続いて、図5に示すように、・・・フォトレジストパターン24aから露出する領域ではゲート絶縁膜16iを除去し、フォトレジストパターン24aで覆われた領域ではゲート絶縁膜16iを残す。
【0065】次いで、素子形成基板1に対して、第2回目の酸化処理を施すことにより、図6に示すように、エピタキシャル層1e上に厚さの異なるゲート絶縁膜16i_(1),16i_(2 )を形成する。・・・この段階におけるゲート絶縁膜16i_(1),16i_(2 )の厚さは互いに異なり、相対的に厚いゲート絶縁膜16i_(1 )の厚さは、例えば8nm程度、相対的に薄いゲート絶縁膜16i_(2 )の厚さは、例えば4. 5nm程度である。」ことが、記載されている。
(a-2)周知文献2.特開平8-195441号公報(図3、図4、及び、【0003】段落参照)には、「【0003】従来の2種類の厚さのゲート酸化膜を有するMOSFETを含むICの製造工程の一例を図3 (a) 、 (b) および図4 (a) 、 (b) 、 (c) に示す。先ず、P基板1上に厚さ860nmの選択酸化膜21を形成する〔図3 (a) 〕。そのあと、厚さ100nmのゲート絶縁膜23を形成し、薄いゲート酸化膜を形成すべき領域全面の酸化膜をエッチングにより除去したのち、厚さ2.5nmのゲート絶縁膜22を形成する〔図3 (b) 〕。次いで、CVD法により多結晶Siを400nmの厚さに堆積し、パターニング・エッチングにより多結晶Siゲート3を形成・・・する〔図4 (a) 〕。・・・」ことが、記載されている。
(a-3)周知文献3.特開平2000-216257号公報(原審の引用刊行物5)(図6、及び、【0002】、【0003】段落参照)には、「【0002】
【従来の技術】・・・このように高圧系トランジスタおよび低圧系トランジスタを有する半導体装置では、同一半導体基板上に、膜厚の異なる2種類のゲート絶縁膜を形成する必要がある。
【0003】以下、図6を参照しながら従来の半導体装置の製造方法について説明する。図6は従来の半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図6において、601はシリコン基板、602はLOCOS酸化膜、603は酸化種、604はシリコン酸化膜、605はレジスト、606はシリコン酸化膜で形成された薄膜ゲート絶縁膜、607は積層されたシリコン酸化膜で形成された厚膜ゲート絶縁膜、608はゲート電極用のポリシリコン膜であり、Aは厚膜ゲート絶縁膜を有する高圧系トランジスタ形成領域、Bは薄膜ゲート絶縁膜を有する低圧系トランジスタ形成領域を示す。」ことが、記載されている。
(a-4)周知文献4.特開平2000-353753号公報(図1?図6、及び、【0016】、【0017】、【0019】、【0020】、【0022】段落参照)には、「【0016】図1はその製造工程中における半導体基板・・・1の要部断面図を示している。・・・その主面には、例えば溝型の分離部2が形成されている。・・・
【0017】・・・この半導体基板1において分離部2で囲まれた活性領域の主面(半導体基板1の主面)上には、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜5が形成されている。・・・
【0019】続いて、フォトレジスト膜6aをエッチングマスクとして、低電源電圧で駆動する素子の領域Lにおける絶縁膜5を除去することにより、図3に示すように、素子の領域Lにおける半導体基板1の主面を露出させる。なお、高電源電圧で駆動する素子の領域Hには絶縁膜5が残されている。
【0020】その後、フォトレジスト膜6aを除去した後、図4に示すように、半導体基板1に対してゲート酸化処理を施すことにより、半導体基板1の主面上(活性領域上)に厚さが異なるゲート絶縁膜7a、7bを形成する。・・・特に限定されないが、薄い方のゲート絶縁膜7aの厚さは、例えば3.5nm程度、厚い方のゲート絶縁膜7bの厚さは、例えば8.0nm程度である。・・・
【0022】次いで、図5に示すように、半導体基板1の主面上に、例えば低抵抗ポリシリコン膜8をCVD法等によって堆積した後、・・・図6に示すように、ゲート電極9を形成する。・・・」ことが、記載されている。
(b)上記の周知文献1ないし4に記載の「素子分離部」(周知文献1の「素子分離膜」と「浅溝型の分離部14」、周知文献2の「選択酸化膜21」、周知文献3の「LOCOS酸化膜602」、周知文献4の「溝型の分離部2」に注意のこと。)は、本願発明の「素子分離領域」に相当し、周知文献1ないし4に記載の「素子分離部」は、「2種類のトランジスタ形成領域」に分離するものであるので、周知文献1ないし4に記載の「素子分離部」は、本願発明の「半導体基板の主面を少なくとも第1の領域及び第2の領域に区画する素子分離領域」に相当する。
また、周知文献1ないし4に記載の「素子分離部で分離された2種類のトランジスタ形成領域に、それぞれ膜厚が異なる2種類のゲート絶縁膜を有する2種類の絶縁ゲート型トランジスタを備えること」は、「2種類の絶縁ゲート型トランジスタ」のうち、ゲート絶縁膜の膜厚が大きい絶縁ゲート型トランジスタのゲート絶縁膜が、本願発明の「第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜」に相当し、ゲート絶縁膜の膜厚が小さい絶縁ゲート型トランジスタのゲート絶縁膜が、本願発明の「第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜」に相当し、周知文献1ないし4に記載の「2種類の絶縁ゲート型トランジスタ」は、それぞれゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極を備えているので、周知文献1ないし4に記載の「素子分離部で分離された2種類のトランジスタ形成領域に、それぞれ膜厚が異なる2種類のゲート絶縁膜を有する2種類の絶縁ゲート型トランジスタを備えること」は、本願発明の「前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜の上にそれぞれ形成されたゲート電極とを備え、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さ」いことに相当する。
したがって、上記の周知文献1ないし4の記載から、本願発明の「半導体基板の主面を少なくとも第1の領域及び第2の領域に区画する素子分離領域と、前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜及び前記第2のゲート絶縁膜の上にそれぞれ形成されたゲート電極とを備え、前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さ」いことは、周知である。
(c)また、刊行物発明の「半導体デバイス」の窒素の混入において、「添加される窒素の量は処理工程条件に依存するので、これらの処理工程条件はどんなトランジスタの設計にも最適となるように操作される。」(【0013】段落)ものであり、「好適に絶縁層14は10から150」(オングストローム)「厚さの酸素含有層」(【0012】段落)、すなわち、1から15nmの厚さの酸素含有層であるので、刊行物発明は、1から15nmの範囲で、任意の膜厚の酸素含有層(絶縁層14)に適用できるものである。また、ちなみに、上記の周知文献1には、「ゲート絶縁膜16i_(1),16i_(2 )の厚さは互いに異なり、相対的に厚いゲート絶縁膜16i_(1 )の厚さは、例えば8nm程度、相対的に薄いゲート絶縁膜16i_(2 )の厚さは、例えば4. 5nm程度である。」(【0065】段落)と、上記の周知文献4には、「特に限定されないが、薄い方のゲート絶縁膜7aの厚さは、例えば3.5nm程度、厚い方のゲート絶縁膜7bの厚さは、例えば8.0nm程度である。」(【0020】段落)と、刊行物発明と同様の酸素含有層(絶縁層)の膜厚が、記載されている。その上、本願の明細書及び図面の第1?第3の実施形態には、1から15nmの厚さの範囲を超える第1及び第2のゲート絶縁膜については、記載されていない。
(d)したがって、刊行物発明の窒素が混入されているゲート絶縁層は、上記周知の「前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜」と「前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜」のいずれにも適用することができることは明らかであって、刊行物発明に上記(b)で検討した周知技術を用いることにより、本願発明のごとく、「第1のゲート絶縁膜」のみならず、「第2のゲート絶縁膜」にも窒素が導入されるようにすることは、当業者が半導体装置の設計上適宜なし得た程度のことと認められる。
[相違点2について]
刊行物1の図5を参照すると、この図は、ゲート絶縁層の最上表面部の酸化窒化珪素インタフェース層として窒素のピークを有している例であり、窒素のピーク位置は、ゲート絶縁層の表面にあるのではなく、ゲート絶縁層の表面から深さ約5オングストローム(約0.5nm)あたりの位置にあるので、「60酸化膜」(膜厚が6nmの酸化膜)の膜厚を、少しでも小さくすると、相対的に、窒素のピーク位置は、ゲート絶縁層の深さ方向の中央方向に移動することになって、窒素が膜厚方向のより中央部分にピークを有するようになり、また、窒素の分布は、膜厚が小さくなった分だけ、よりブロードになるものと認められる。
そして、上記「[相違点1について]」に記載したとおり、ゲート電極からのドーパントの拡散の防止等を目的として、上記周知の、膜厚が異なる「第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜」と「第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜」のそれぞれに、刊行物発明である図5の窒素の分布を適用することは容易であり、その際、膜厚がより小さい「第2のゲート絶縁膜」が、よりブロードな窒素の分布になり、窒素の分布のピーク位置は、膜厚方向のより中央部分になることは、明らかである。
したがって、本願発明の「第2のゲート絶縁膜の窒素濃度はブロードな窒素分布で且つ膜厚方向の中央部分にピークを持」つようにすることは、刊行物発明と周知技術から、当業者が適宜なし得た程度のことと認められる。
[相違点3について]
刊行物発明は、本願発明の「第1のゲート絶縁膜」に相当する「ゲート絶縁層」については、「窒素のピーク」濃度が「約17原子百分率であ」り、「窒素のピーク濃度が約17atm%である」限りにおいて、本願発明の、「窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下である」ものと一致している。
また、刊行物発明は、「ゲート絶縁層は」「0.1から57の原子百分率の窒素成分を有」するものであり、刊行物1の図5には、「窒素のピーク」が「約17原子百分率である」ゲート絶縁層も記載されており、さらに、本願発明の「第2のゲート絶縁膜」は、膜厚が第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも小さいが、その膜厚の小ささの程度についての特定がないことから、第1のゲート絶縁膜よりわずかに小さい膜厚のものも含まれるために、上記「[相違点1について]」で検討したように、上記周知の「前記第1の領域に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第2の領域に形成された第2のゲート絶縁膜」のうちの、膜厚が「第1のゲート絶縁膜」の膜厚よりも小さい「第2のゲート絶縁膜」においても、窒素のピーク濃度を、本願発明の、「窒素のピーク濃度が10atm%を越えて40atm%以下である」範囲内の、刊行物発明の「約17原子百分率」程度とすることは、当業者が必要により適宜設定できた程度のことと認められる。

したがって、本願発明は、その優先権主張日前に国内において頒布された刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明についての検討をするまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-02-07 
結審通知日 2008-02-12 
審決日 2008-02-25 
出願番号 特願2002-202147(P2002-202147)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 561- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川村 裕二井原 純  
特許庁審判長 松本 邦夫
特許庁審判官 棚田 一也
河合 章
発明の名称 半導体装置及びその製造方法  
代理人 関 啓  
代理人 杉浦 靖也  
代理人 竹内 祐二  
代理人 竹内 宏  
代理人 小山 廣毅  
代理人 前田 弘  
代理人 嶋田 高久  
代理人 二宮 克也  
代理人 今江 克実  
代理人 原田 智雄  
代理人 藤田 篤史  
代理人 井関 勝守  

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