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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B31B
管理番号 1176376
審判番号 不服2006-3192  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-02-22 
確定日 2008-04-10 
事件の表示 特願2002-107134「紙箱の製造方法及び紙箱」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月21日出願公開、特開2003-300261〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1. 手続の経緯
本願は、平成14年4月9日の出願であって、平成18年1月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成18年2月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成18年3月22日付けで手続補正がなされたものである。
そして、当審において、当該平成18年3月22日付け手続補正は平成19年8月8日付けの補正の却下の決定により却下されるとともに、同日付けで拒絶理由通知が通知され、これに対して同年10月2日に意見書が提出されたものである。

2. 本願発明
本願の請求項1?3に係る発明は、平成17年3月28日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項2は、次のとおり記載されている。
「【請求項2】蓋本体を箱体に被せた状態で、蓋本体の後板に折り曲げ部を介して該後板と面一をなすように連設されるヒンジ片の内側面を、箱体の背面に貼り付けてなる紙箱であって、
蓋本体を箱体に被せた際に、蓋本体が容易に閉蓋状態となる位置に折り曲げ部を形成し、蓋本体を折り曲げ部を介して閉蓋方向側に折り曲げる予備折りによって、蓋本体をヒンジ片に対し閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を、蓋本体とヒンジ片の折り曲げ部に付与してなる粉体洗剤用紙箱。」(以下請求項2に係る発明を「本願発明」という。)

3. 刊行物の記載事項
(3-1)刊行物1
当審の拒絶の理由に引用した、実願平3-31635号(実開平4-121234号)のマイクロフィルム(以下「刊行物1」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。

(a)【請求項1】 容器本体と蓋体とから構成される容器において、上記蓋体が、天面部と、該天面部の周縁から立ち上げられた側面部と、該側面部からヒンジ部を介して突出せしめられた連結片とを有し、上記容器本体の側面部に上記蓋体の上記連結片を接着したことを特徴とする容器。
(b)【請求項2】 前記蓋体が、前記連結片が設けられた側面部に相対する側面部から突出せしめられた封緘片を有し、前記容器本体において上記蓋体の上記連結片が接着された側面部に相対する側面部に上記蓋体の上記封緘片を接着した請求項1記載の容器。
(c)【請求項3】 前記容器本体の開口周縁部に、該開口の全域を密封し得るシール材の周縁部を接着した請求項1又は2記載の容器。
(d) 【0023】
容器10は、図1に示す如く、粉末洗剤等が充填される直方体状の容器本体11と蓋体12とから構成される。そして、容器本体11の開口周縁部の上端面には、接着剤を介して、該開口の全域を密封し得るシール材13の周縁部が接着される。
(e)【0024】
容器本体11とシール材13は、例えば実公平2-32567 号公報に記載のものと同一の構成を採用できる。
(f)【0027】
更に、蓋体12は、左右の横張出部24、24間で、一方の横側面部22からヒンジ部28を介して突出せしめられた連結片29を有する。尚、ヒンジ部28は罫線内に断続的に切刃を設けることにて構成されている。また、蓋体12は、横張出部25の輪郭内で打ち抜き形成され、他方の横側面部22からミシン目31を介して突出せしめられた封緘片32を有する。
(g)【0036】
(2)蓋体12の横側面部22、22から突出している連結片29、封緘片32が、不図示のガイド装置により、蓋外方側への折りぐせを付けられた後、蓋体12が容器本体11の開口周縁部回りに被着される。
(h)【0039】
(5)左右一対の圧着ローラ44により、蓋体12の連結片29、封緘片32を容器本体11の側面部に押圧して接着する。

以上の記載及び第1,2図の記載から、刊行物1には、次の発明が記載されているものと認められる。
「蓋体12を容器本体11に被せた状態で、蓋体12の側面部にヒンジ部28を介して該側面部と面一をなすように連設される連結片29の内側面を、容器本体11の背面に貼り付けてなる容器であって、
蓋体12を容器本体11に被せた際に、蓋体12が容易に閉蓋状態となる位置にヒンジ部28を形成し、連結片29に蓋外方側への折りぐせを付けた粉末洗剤容器。」

(3-2)刊行物2
同じく、当審の拒絶の理由に引用した、実願平5-58631号(実開平7-28016号)のCD-ROM(以下「刊行物2」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。

(i)【請求項2】蓋体(20)が、天板部(28)と、この天板部(28)の前側縁及び左右両側縁から下向きに連設された前側壁(26)及び左右両側壁(27)(25)とからなり、前記天板部(28)が、箱本体後側壁(5)の上縁から山折目(53)を介して連設されてなる請求項1に記載の蓋体付き包装用紙箱。
(j)【0007】
第2に、蓋体(60)を大きく開けようとして直立状態もしくはそれより後方に回動させると、蓋体(60)の自重は、前記折目(70)を軸として後方へのモーメントとして作用するために、閉蓋状態への復帰が遅くなったり、復帰そのものが不可能となったりすることがある。とくに、繰り返し開閉しているうちに、折目(70)にいわゆる折り癖が付いてしまった場合には、その傾向が顕著になる。
(k)【0010】
第2に、開蓋後、蓋体が、常に自動的に閉蓋状態に復帰しうる蓋体付き包装用紙箱を提供することを目的とする。
(l)【0018】
請求項2。無いし請求項4の考案においては、開蓋すると、蓋体の自重と弾性反発力とが効果的に作用して、常に閉蓋状態に復帰する。
(m)【0021】
図1は、この考案の第1実施例を示すもので、箱本体(1)の後壁上縁から折目(53)を介して蓋体(20)の天板部(28)を構成する上板部(22)が連設され、蓋体(20)が前記折目(53)を開閉軸として自在に開閉しうるものとなされ、開封後の箱本体(1)の前側壁(3)及び左右両側壁(4)(2)の上縁よりも上方に突出する内壁(30)が箱本体(1)の一側壁(5)から連設されている。
(n)【0024】
蓋体(20)は、天板部(28)と前記前側壁(26)、右側壁(25)及び左側壁(27)とからなり、天板部(28)は、蓋体(20)の左右両側壁(27)(25)の上縁から折目(52)(50)を介して連設された一対の下板部(23)(21)と、箱本体後壁(5)から折目(53)を介して連設された中板部(24)と、蓋体(20)の前側壁(3)の上縁から折目(51)を介して連設された上板部(22)とから構成され、組立状態において、下板部(21)(23)の上面に中板部(24)が重合貼着され、中板部(24)の上面に上板部(22)が重合貼着されるものである。
(o)【0032】
請求項2の考案によれば、蓋体(20)が、天板部(28)と、この天板部(28)の前側縁及び左右両側縁から下向きに連設された前側壁(26)及び左右両側壁(27)(25)とからなり、前記天板部(28)が、箱本体後壁(5)の上縁から山折目(53)を介して連設されているから、蓋体(20)は、その自重と弾性反発力により、常に自動的に閉蓋状態に復帰しうるので、蓋体(20)の開けっ放しの防止、ひいては洗剤の固形化の防止に寄与し、長期間に亙って洗剤の使用しやすい態様を保持できる。

以上の記載及び第1?4図の記載から、刊行物2には次の発明が記載されているものと認められる。
「天板部(28)と箱本体後側壁(5)の上縁の折目(53)を閉蓋方向側に折り曲げることによって、蓋体(20)が閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を天板部(28)と箱本体後側壁(5)の上縁に付与してなる包装用紙箱」

4. 対比
本願発明と上記刊行物1に記載された発明とを対比する。
刊行物1に記載された「蓋体12」、「容器本体11」、「側面部」、「ヒンジ部28」、「連結片29」及び「粉末洗剤容器」は、それぞれ、本願発明の「蓋本体」、「箱体」、「後板」、「折り曲げ部」、「ヒンジ片」及び「粉体洗剤用箱」に相当する。
なお、刊行物1に記載の発明の容器は紙製であることが明記されていないが、上記(e)の記載事項の実公平2-32567号公報には、容器本体を紙箱とする旨が記載されており、「例えば実公平2-32567号公報に記載のものと同一の構成を採用できる。」としていることから、結果的に、刊行物1に記載の容器は紙製であると認め得る。
以上のことから、本願発明と刊行物1に記載された発明とは、
「蓋本体を箱体に被せた状態で、蓋本体の後板に折り曲げ部を介して該後板と面一をなすように連設されるヒンジ片の内側面を、箱体の背面に貼り付けてなる紙箱であって、
蓋本体を箱体に被せた際に、蓋本体が容易に閉蓋状態となる位置に折り曲げ部を形成した粉体洗剤用紙箱。」である点で一致しており、以下の点で相違する。

(相違点)
本願発明は、折り曲げ部を閉蓋方向側に折り曲げる予備折りによって、閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を蓋本体とヒンジ片の折り曲げ部に付与しているのに対し、刊行物1に記載の発明は、連結片29に蓋外方側への折りぐせを付けた点。

5. 当審の判断
上記相違点について検討する。
刊行物2に記載の発明の「蓋体12」、「天板部(28)と箱本体後側壁(5)の上縁の折目(53)」は、それぞれ、本願発明の「蓋本体」、「折り曲げ部」に相当する。
刊行物2に記載の発明は、蓋体(20)の開けっ放しの防止、ひいては洗剤の固形化の防止に寄与し、長期間に亙って洗剤の使用しやすい態様を保持するいう、本願発明と同一の課題を解決するものであり、当該課題を解決するために、
天板部(28)が、箱本体後壁(5)の上縁から山折目(53)を介して連設させて、蓋体(20)を、その自重と弾性反発力により、常に自動的に閉蓋状態に復帰させるという技術を採用しているものである。
そして、刊行物1,2に記載の発明は共に粉末洗剤の紙箱という同一技術分野に属することから、刊行物1に記載の発明において、連結片29に蓋外方側への折りぐせを付ける構成に代えて、刊行物2に記載の発明の縁の折目を閉蓋方向側に折り曲げることによって、閉蓋方向に付勢する閉蓋習性を付与する構成を採用して、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。

そして、本願発明の効果も刊行物1,2に記載の発明から当業者が容易に予測し得たものであり、格別顕著なものとはいえない。

6. むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物1,2に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
それゆえ、本願出願は、特許請求の範囲の請求項1及び3に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-31 
結審通知日 2008-02-05 
審決日 2008-02-22 
出願番号 特願2002-107134(P2002-107134)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B31B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 勝司一ノ瀬 覚  
特許庁審判長 松縄 正登
特許庁審判官 田中 玲子
関口 勇
発明の名称 紙箱の製造方法及び紙箱  
代理人 塩川 修治  
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