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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1176418
審判番号 不服2004-25495  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-14 
確定日 2008-04-18 
事件の表示 平成11年特許願第 14116号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 9月14日出願公開、特開平11-244478〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年5月15日に出願した特願平9-143238号の一部を平成11年1月22日に新たな特許出願としたものであって、平成16年6月23日付で拒絶理由通知がなされ、平成16年8月26日付で手続補正がなされ、平成16年11月12日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年12月14日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正がなされたものである。

2.平成16年12月14日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成16年12月14日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「複数の図柄を可変表示可能であり、規格化された特別図柄表示部を有する特別図柄表示器を遊技盤に配置する遊技機であって、
前記特別図柄表示部の可視領域を隠蔽手段で隠蔽することにより、可視領域を表示領域より小さくし、
隠蔽手段で隠蔽された特別図柄表示部の可視領域は、元の可視領域の矩形状と異なる非矩形とし、且つ、その可視領域を隠蔽された特別図柄表示部は遊技盤に描いた装飾画の一部であることを特徴とする遊技機。」

と補正された。

上記補正は、平成16年8月26日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記可視領域を隠蔽された特別図柄表示部は遊技盤に描いた装飾画の一部である」を「隠蔽手段で隠蔽された特別図柄表示部の可視領域は、元の可視領域の矩形状と異なる非矩形とし、且つ、その可視領域を隠蔽された特別図柄表示部は遊技盤に描いた装飾画の一部である」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平3-247373号公報(以下、引用例という。)には、図面とともに、
▽記載事項1:「遊技盤の表面に・・・遊技部を形成し、遊技部内に表示を変換可能な表示部を有する可変表示装置を設けたパチンコ機において、
・・・始動口と、
表示部の表示を遊技者にとって見易い状態と、見難い状態に変更可能な隠蔽部材と、
・・・判定手段と、
・・・、隠蔽部材を作動させて表示部の表示を遊技者にとって見難い状態から見易い状態に変更する作動手段とを設けた・・・パチンコ機。」(【特許請求の範囲】)、
▽記載事項2:「パチンコ機lは、第1図に示すように、・・・遊技盤3を設けるとともに、・・・発射操作部5等を配設してある。
遊技盤3には、・・・可変表示装置8を設け、可変表示装置8の左右には球貯留装置9を設け、・・・始動口12を設けるとともに、・・・、当り表示ランプ15・・・等を配設してある。
可変表示装置8は第2図から第5図に示すように、遊技盤3に取り付ける取付基盤16に開口部17を開設し、取付基盤16の表面の開口部17上半に沿って入賞口18を有する鎧部19を突設し、鎧部19の前面に装飾板材20を取り付け、取付基盤16の裏側には開口部17に沿って枠部21を突設するとともに、・・・第1隠蔽部材取付軸23、第2隠蔽部材取付軸24が設けてある。・・・取付ボス部27には、可変表示器28、等を有する表示基盤31を取り付けてある。」(第2頁右欄上段第5行?同頁左欄下段第10行)、
▽記載事項3:「可変表示器28は、逆T字形に並んだ合計5個の7セグメント表示器からなる表示部により構成され、表示基盤31のほぼ中心線上に第1表示部32、第2表示部33、第3表示部34を上下に並設し、第3表示部34の左右にそれぞれ第4表示部35と第5表示部36を設けてある。表示基盤31の後面には、ソレノイド取付板37を取り付け、ソレノイド取付板37に作動手段である第1ソレノイド38及び第2ソレノイド39を取り付けてある。この第1ソレノイド38は第4表示部35を隠蔽する第1隠蔽部材40を作動するためのもので、第2ソレノイド39は第5表示部36を隠蔽する第2隠蔽部材41を作動するためのものである。第1隠蔽部材取付軸23には、記憶表示部カバー25と保護カバー26の間に位置するように第1隠蔽部材40が回動可能に取り付けてあり、第1作動杆42を介して第1ソレノイド38の第1プランジヤ38aに取り付けた第1作動部材43に連結してある。同様に、第2隠蔽部材取付軸24には、記憶表示部カバー25と保護カバー26の間に位置するように第2隠蔽部材41が回動可能に取り付けてあり、第2作動杆44を介して第2ソレノイド39の第2プランジヤ39aに取り付けた第2作動部材45に連結してある。この第1隠蔽部材40および第2隠蔽部材41は、扇形をした隠蔽板46と、・・・回動軸受47と、連結部材48とからなり、隠蔽板46には、表面に文字等を描き表示部の表示を見難い状態とした隠蔽窓49と、透光性のある透過窓49を設けてある。・・・。この第1隠蔽部材40は、常には第4表示部35を隠蔽窓49により隠蔽するように位置し、また、第2隠蔽部材41は、常には第5表示部36を隠蔽窓49により隠蔽するように位置している。」(第2頁左欄下段第11行?第3頁左欄上段第14行)、
▽記載事項4:「第1表示部32と第2表示部33は、「0」から「9」までの数字と、英文字「J」とを赤色で表示することができ、第3表示部34は「0」から「9」までの数字と、英文字「J」とを赤色で、また「3」、「5」、「7」の数字を緑色で表示することができ、第4表示部35と第5表示部36は「3」、「5」、「7」の数字と英文字「J」とを緑色で表示することができる。」(第5頁左欄上段第5?12行)、
▽記載事項5:「可変表示装置8は、始動口12、80に打球が入賞し、始動スイッチ11、106がオンとなった場合に可変表示器28の表示変換を開始し、第1表示部32、第2表示部33、第3表示部34、第4表示部35、第5表示部36の順に表示変換を停止する。」(第5頁左欄下段第14?19行)、

との記載が認められる。

また、上記摘記事項および第3・12・15図等より、表示部の表示を遊技者にとって見難い状態に変更可能な隠蔽部材を設けたパチンコ機であること(記載事項1)、可変表示器28は、5個の7セグメント表示器からなる表示部により構成され第1表示部32、第2表示部33、第3表示部34、第4表示部35と第5表示部36を設けてあり、第1隠蔽部材40は、常には第4表示部35を隠蔽窓49により隠蔽するように位置し、また、第2隠蔽部材41は、常には第5表示部36を隠蔽窓49により隠蔽するように位置していること(記載事項3)等から、パチンコ機1は、「可変表示器28の可視領域を隠蔽部材で見難い状態にすることにより、可視領域を表示領域より小さくした」ものと解され、
また、上記摘記事項および第3・12・15図等より、遊技部内に表示を変換可能な表示部を有する可変表示装置を設けたパチンコ機において、表示部の表示を遊技者にとって見難い状態に変更可能な隠蔽部材を設けたこと(記載事項1)、可変表示装置8は、遊技盤3に取り付ける取付基盤16に開口部17を開設し、取付基盤16の表面の開口部17上半に沿って入賞口18を有する鎧部19を突設し、鎧部19の前面に装飾板材20を取り付け、取付基盤16の裏側には開口部17に沿って枠部21を突設し取付ボス部27には、可変表示器28を有する表示基盤31を取り付けてあること(記載事項2)、可変表示器28は、逆T字形に並んだ合計5個の7セグメント表示器からなる表示部により構成され、表示基盤31のほぼ中心線上に第1表示部32、第2表示部33、第3表示部34を上下に並設し、第3表示部34の左右にそれぞれ第4表示部35と第5表示部36を設けてあり、第1隠蔽部材40および第2隠蔽部材41は、扇形をした隠蔽板46と回動軸受47と、連結部材48とからなり、隠蔽板46には、表面に文字等を描き表示部の表示を見難い状態とした隠蔽窓49を設けてあり、この第1隠蔽部材40は、常には第4表示部35を隠蔽窓49により隠蔽するように位置し、また、第2隠蔽部材41は、常には第5表示部36を隠蔽窓49により隠蔽するように位置していること(記載事項3)等から、パチンコ機1は、「隠蔽部材で見難い状態にされた可変表示器28の可視領域は、元の可視領域の逆T字形と異なるI字形とし、且つ、その可視領域を見難い状態にされた可変表示器28は鎧部19の前面に取り付けられた装飾板材20で上部から囲われている」と解される。以上を踏まえれば、引用例には、

『「0」から「9」までの数字と英文字「J」を表示変換することができ、可変表示器28を有する可変表示装置8を遊技盤3に設けるパチンコ機lであって、
前記可変表示器28の可視領域を隠蔽部材で見難い状態にすることにより、可視領域を表示領域より小さくし、
隠蔽部材で見難い状態にされた可変表示器28の可視領域は、元の可視領域の逆T字形と異なるI字形とし、且つ、その可視領域を見難い状態にされた可変表示器28は鎧部19の前面に取り付けられた装飾板材20で上部から囲われているパチンコ機l。』

との発明(以下「引用例発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明の『「0」から「9」までの数字と英文字「J」』は本願補正発明の「複数の図柄」に相当し、以下同様に、「表示変換することができ」は「可変表示可能であり」に、「可変表示装置8」は「特別図柄表示器」に、「遊技盤3」は「遊技盤」に、「設ける」は「配置する」に、「パチンコ機l」は「遊技機」に、「隠蔽部材」は「隠蔽手段」に、「見難い状態にする」は「隠蔽する」に、「I字形」は「非矩形」にそれぞれ相当している。

また、引用例発明の「可変表示器28」と本願補正発明の「規格化された特別図柄表示部」は「図柄可変表示部」で共通し、以下同様に、「逆T字形」と「矩形状」は「所定の形状」で、「鎧部19の前面に取り付けられた装飾板材20で上部から囲われている」と「遊技盤に描いた装飾画の一部である」は「装飾作用を持たせている」でそれぞれ共通する。したがって、両者は、

「複数の図柄を可変表示可能であり、図柄可変表示部を有する特別図柄表示器を遊技盤に配置する遊技機であって、
前記図柄可変表示部の可視領域を隠蔽手段で隠蔽することにより、可視領域を表示領域より小さくし、
隠蔽手段で隠蔽された図柄可変表示部の可視領域は、元の可視領域の所定の形状と異なる非矩形とし、且つ、その可視領域を隠蔽された図柄可変表示部は装飾作用を持たせている遊技機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、図柄可変表示部において、本願補正発明では、「規格化された特別図柄表示部」であるのに対して、引用例発明では「可変表示器28」であるが、本願補正発明のように規格化されたものかどうか不明である点、および、図柄可変表示部の所定の形状の可視領域が、本願補正発明では、「矩形状」であるのに対して、引用例発明では「逆T字形」であり、本願補正発明のような形状となっていない点。

相違点2、隠蔽された図柄可変表示部が装飾作用を持たせていることにおいて、本願補正発明では、「遊技盤に描いた装飾画の一部である」のに対して、引用例発明では「鎧部19の前面に取り付けられた装飾板材20で上部から囲われている」ものであり、本願補正発明のように構成となっていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
相違点1について、遊技機分野において、従来、図柄可変表示部をセグメント表示器にしたり液晶表示器にしたりすること{例えば、特開平5-31233号公報(段落【0021】等)、特開平3-261493号公報(第9頁左欄上段第3?7行等)参照。}が普通に行われており(以下、「周知例A」と言う。)、さらに、規格化された3インチのカラーTV用液晶ディスプレイを図柄可変表示部として用いること、および、図柄可変表示部の可視領域が、矩形状であることも周知{例えば、特開平6-296739号公報(段落【0015】等、図2・4等)、特開平6-54950号公報(段落【0011】等、図2・4等)参照}である(以下、「周知例B」と言う。)から、引用例発明の「可変表示器28」に、前記周知例A・Bを適用して本願補正発明の相違点1に係る「規格化された特別図柄表示部」とした点に格別の発明力を要したとはいえず、またその際に、図柄可変表示部の可視領域を引用例発明の「逆T字形」に代え、前記周知例Bを適用して本願補正発明の「矩形状」としたことに格別の創意工夫を要したとはいえず、いずれの構成も当業者が適宜なし得た程度の設計的事項であるといえる。

相違点2について、遊技機分野において、特別図柄表示部が液晶表示部である場合に、特別図柄表示部を全体構成の一部であるようにすることが周知{例えば、特開平8-131621号公報(段落【0031】、【0177】等)、特開平6-304310号公報(段落【0006】等)参照。}であり(以下、「周知例C」と言う。)、特別図柄表示器を遊技盤に描いた装飾画の一部とすることも一般的に行われているから、引用例発明の可変表示器28が「鎧部19の前面に取り付けられた装飾板材20で上部から囲われている」構成に、前記周知例Cを適用して、本願補正発明の相違点2に係る特別図柄表示部が「遊技盤に描いた装飾画の一部である」構成とした点に格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得たものといえる。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例発明および周知例A?Cから当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用例発明および周知例A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成16年12月14日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年8月26日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「複数の図柄を可変表示可能であり、規格化された特別図柄表示部を有する特別図柄表示器を遊技盤に配置する遊技機であって、
前記特別図柄表示部の可視領域を隠蔽手段で隠蔽することにより、可視領域を表示領域より小さくし、
前記可視領域を隠蔽された特別図柄表示部は遊技盤に描いた装飾画の一部であることを特徴とする遊技機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例発明および周知例A?Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例発明および周知例Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例発明および周知例Cに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願請求項2については検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-02-04 
結審通知日 2008-02-12 
審決日 2008-02-27 
出願番号 特願平11-14116
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 太田 恒明
林 晴男
発明の名称 遊技機  
代理人 犬飼 達彦  
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