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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L |
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管理番号 | 1176902 |
審判番号 | 不服2006-22458 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-10-05 |
確定日 | 2008-05-01 |
事件の表示 | 特願2001-344285「半導体ウエハ保護用シート」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 5月23日出願公開、特開2003-151930〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件出願は、平成13年11月9日の出願であって、同18年5月17日付で拒絶の理由が通知され、同年7月14日に意見書とともに手続補正書が提出されたが、同年8月31日付で拒絶をすべき旨の査定がされ、同年10月5日に拒絶査定に対する審判の請求がなされるとともに、同年11月6日に手続補正(以下、「本件補正」という。)がされたものである。 第2 本件補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容の概要 本件補正は特許請求の範囲を含む明細書について補正をするものであって、特許請求の範囲の請求項1について補正前後の記載を補正箇所に下線を付して示すと以下のとおりである。 1-1 補正前の請求項1 「【請求項1】 シート状の支持体、該支持体上に積層された基材粘着剤層と、該基材粘着剤層上に積層された基材と、該基材上に積層されたウエハ粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、ウエハ粘着剤層が2,4-トルイレンジイソシアナートを含有し、該支持体の引張弾性率が0.05?10GPaで、その厚みが50?300μmであり、ウエハ研磨後における前記支持体を前記基材から剥離する際の剥離強度又は該基材をウエハから剥離する際の剥離強度の少なくとも一方が1.0×10^(-3)?2.0N/20mmであることを特徴とする半導体ウエハ保護用シート。」 1-2 補正後の請求項1 「【請求項1】 シート状の支持体、該支持体上に積層された紫外線硬化型基材粘着剤層と、該紫外線硬化型基材粘着剤層上に積層された基材と、該基材上に積層されたウエハ粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、ウエハ粘着剤層が2,4-トルイレンジイソシアナートを含有し、該支持体の引張弾性率が0.05?10GPaで、その厚みが50?300μmであり、ウエハ研磨後における前記支持体を前記基材から剥離する際の剥離強度又は該基材をウエハから剥離する際の剥離強度の少なくとも一方が1.0×10^(-3)?2.0N/20mmであることを特徴とする半導体ウエハ保護用シート。」 2.補正の適否 上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である基材粘着剤層について、「紫外線硬化型」と限定するものであって、平成18年法律第55号による改正前特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2-1 本件補正発明 本件補正発明は、本件補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、前記1-2に示す特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの「半導体ウエハ保護用シート」であると認められる。 2-2 引用刊行物記載の発明(事項) これに対し、原査定の拒絶の理由に引用され、本件出願前に日本国内で頒布された刊行物である特開平11-87282号公報(以下、「刊行物1」という。)及び特開2000-212524号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の事項が記載されている。 (1)刊行物1 (1-ア)段落【0001】 「【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハをバックグラインド工程からスピンエッチング工程の間、半導体ウェハデバイス面(以下デバイス面と略す)を研磨屑及びエッチング液から保護する半導体ウェハデバイス面保護用フィルム及びこれを用いた半導体ウェハのバックグラインド及びスピンエッチング方法に関する。」 (1-イ)段落【0005】?【0006】 「【発明の実施の形態】次に、本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明にかかる半導体ウェハデバイス面保護用フィルムの構造を示したもので、粘着剤層を有する補強層11と同じく粘着剤層を有する保護層12の2層構成からなる。本発明に用いる補強層の基材11aとしてはプラスチックフィルムが好ましくもちいられ、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン又はこれらの共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、単一層でも、2層以上の積層体でもよい。プラスチックフィルムの種類及び構造については制限はないが、あまり、フィルムが硬いとデバイス面の凹凸を吸収できないため、ある程度の柔軟性が必要である。また、プラスチックフィルムの厚さは25?200μmが好ましい。これは、これより薄いとバックグラインドの際、デバイス面の凹凸の吸収性が悪くなり、それに起因する半導体ウェハの割れ研磨ムラが発生する。また、これより厚いと剥離しづらいという不具合が生じる。・・・。 補強層11に塗布される粘着剤11bとしては汎用の粘着剤、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、天然ゴム、合成ゴム等を使用できる。常温で粘着性を有するものであればよい。これらの中でよく用いられるものとしては、アクリル樹脂系粘着剤がある。これは、比較的扱い易く変性も容易であることから使用される。更に、その凝集力を向上させる目的から架橋剤によって架橋することも可能である。この架橋剤を例示すると、イソシアネート、エポキシ、アミン、イミド、メラミン樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。その他、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる。この粘着剤の接着力については、室温では以下に説明する保護層の粘着剤12bの接着力よりも低く、その半分以下であれば更に好ましい。これは、バックグラインド後、補強層のフィルム11を選択的に剥離するためである。・・・」 (1-ウ)段落【0007】 「・・・上述の保護層に塗布する粘着剤12bには、汎用の粘着剤を使用してもよいが、何らかの処理により接着力が低下するものが好ましい。これは、スピンエッチング後の半導体ウェハの厚みが、かなり薄くなっているため、剥離時に大きな応力がかかるとウェハが破損する恐れがあるためである。何らかの処理としては、加熱、冷却、UVや電子線等の放射線等の照射等が挙げられるが、これに限定するものではない。特に、半導体の製造工程においては、水分、電子線等は半導体のデバイスに悪影響を与えるため好ましくない。よって、熱を加えることにより接着力が下がる粘着剤が好ましい。」 (1-エ)段落【0009】?【0010】 「この粘着剤12bのポリマーには、接着力等の制御のために汎用のアクリル酸(メタクリル酸)誘導体を用いることもできる。汎用のアクリルモノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸アミド、アクリル酸グリシジル、アクリル酸-2-シアノエチル、アクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。・・・この粘着剤12bも、その凝集力を向上させる目的から架橋剤によって架橋する必要がある。その架橋剤としては、前述のものを使用してもよいが、これに限定されるものではない。また、粘着剤にはその他、架橋剤の反応を促進させる触媒、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる。・・・ この保護層12の接着力は、粘着剤の融点付近ではある程度高く、加熱剥離する高温で低くなるのが好ましい。具体的には、シリコンウェハに対する接着力が、粘着剤の融点付近で50gf/25mm以上あり且つ、60℃で20gf/25mm以下になるのが好ましい。融点付近で50gf/25mm以下であると半導体ウェハ裏面研磨処理時に保護層12が剥がれてしまう恐れがある。また、60℃で20gf/25mm以上あると保護層の剥離時の応力が大きくなり、半導体ウェハに負荷がかかり破損する恐れがある。このようにして得られた2つの粘着フィルムをラミネートして、半導体ウェハデバイス面保護用フィルム10とする。・・・」 (1-オ)段落【0013】 「【実施例】・・・保護層12には、基材12aにPETフィルム(厚み188μm)を使い、粘着剤12bには前述した高温低剥離型粘着剤を用い、融点を15℃に設定した。この粘着剤の接着力は、25℃付近では、100?200gf/25mmで、60℃に加熱すると5?20gf/25mmになった。・・・」 (1-カ)段落【0014】?【0015】 「次に、本実施例に係る半導体ウェハデバイス面保護用フィルム10の使用方法について、図2?図5を用いて説明する。・・・(貼付け工程)・・・(バックグラインド工程)・・・(補強層剥離工程)・・・最後に、スピンエッチングが終了した保護層12付き半導体ウェハ21を加熱し、保護層12の接着力を下げた後、バックグラインド剥離用テープ等で剥離した。・・・」 上記摘記事項(1-エ)?(1-カ)において、保護層12付き半導体ウェハ21を加熱し、保護層12の接着力を下げた後、保護層12を剥離することから、粘着剤の接着力は、ウェハ研磨後における保護層12をウェハから剥離する際の剥離強度が5?20gf/25mmということができる。 そうすると、これらの記載事項からみて、技術常識を勘案して本件補正発明に照らして整理すると、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「補強層の基材11a、該補強層の基材11a上に積層された補強層の粘着剤11b層と、該補強層の粘着剤11b上に積層された保護層の基材12aと、該保護層の基材12a上に積層された保護層の粘着剤12b層を有する半導体ウェハデバイス面保護用フィルムであって、 該補強層の基材11aの厚みが25?200μmであり、ウェハ研磨後における該保護層12をウェハから剥離する際の剥離強度が5?20gf/25mmである半導体ウェハデバイス面保護用フィルム。」 (2)刊行物2 (2-ア)段落【0001】 「【発明の属する技術分野】本発明は、各種半導体の製造工程のうち半導体ウエハの裏面を研削するバックグラインド工程において用いる半導体ウエハ保護用粘着シート、及び半導体ウエハの研削方法に関する。」 (2-イ)段落【0004】 「【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、バックグラインド工程でのウエハの反りを抑制できる半導体ウエハ保護用粘着シート、及び半導体ウエハの研削方法を提供することにある。」 (2-ウ)段落【0012】?【0013】 「・・・本発明は、基材フィルムと粘着剤層とで構成された半導体ウエハ保護用粘着シートであって、基材フィルムの引張り弾性率が0.6GPa以上であることを特徴とする半導体ウエハ保護用粘着シート(以下、「粘着シート1」と略称する場合がある)を提供する。 本発明は、また、基材フィルムと粘着剤層とで構成された半導体ウエハ保護用粘着シートであって、基材フィルムが引張り弾性率0.6GPa以上のフィルム層を少なくとも1層含む多層フィルムで構成されていることを特徴とする半導体ウエハ保護用粘着シート(以下、「粘着シート2」と略称する場合がある)を提供する。」 (2-エ)段落【0017】?【0019】 「本発明の粘着シート1における基材フィルムの引張り弾性率、及び粘着シート2において基材フィルムを構成する複数のフィルム層のうち少なくとも1つのフィルム層の引張り弾性率は0.6GPa以上であり、好ましくは1.5GPa以上である。前記引張り弾性率は、大きすぎるとウエハより剥離する際に不具合の原因となるため、10GPa以下であるのが好ましい。なお、本明細書において、引張り弾性率とは、幅10mm、厚み10μm?100μmの短冊状の試料を23℃において1分間に100%の割合で引張った時に得られるS-S曲線から求められる初期弾性率を意味する。 基材フィルムの厚みは大きいほど同じ応力に対しては小さい変形ですむので好ましいとも考えられるが、一方で厚みが大きくなると反りに対する中心軸が外側に偏向するために必ずしも反り量は小さくならない。また、逆に基材の厚みが薄くなりすぎると変形量が大きくなるので反りは大きくなる。よって、基材フィルムの厚みは20μm?300μm程度が望ましい。 本発明の粘着シート3において、基材フィルムの引張り弾性率(GPa)と基材フィルムの厚み(mm)との積は0.02(GPa・mm)以上であり、好ましくは0.03(GPa・mm)以上である。なお、基材フィルムの引張り弾性率(GPa)と厚み(mm)との積は、3(GPa・mm)程度以下であるのが好ましい。」 上記記載事項の記載からみて、技術常識を勘案して本件補正発明に照らして整理すると、刊行物2には次の事項(以下、「刊行物2記載の事項」という。)が記載されていると認められる。 「複数の基材フィルムが積層された半導体ウエハ保護用粘着シートにおいて、研磨不良を生じないために基材フィルムを構成する複数のフィルム層のうち少なくとも1つのフィルム層の引張り弾性率が0.6?10GPaで、その厚みが10?100μmとすること。」 2-3 対比 本件補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「補強層の基材11a」は前者の「シート状の支持体」に、以下同様に、「補強層の粘着剤11b層」は「基材粘着剤層」に、「保護層の基材12a」は「基材」に、「保護層の粘着剤12b層」は「ウエハ粘着剤層」に、「半導体ウェハデバイス面保護用フィルム」は「半導体ウエハ保護用シート」に、それぞれ相当することは明らかである。 また、引用発明における保護層12のシリコンウェハに対する剥離強度5?20gf/25mmは、本件補正発明における基材をウエハから剥離する際の剥離強度1.0×10^(-3)?2.0N/20mmに含まれることは明らかである。 してみると、両者の一致点及び相違点は、以下のとおりである。 [一致点] 「シート状の支持体、該支持体上に積層された基材粘着剤層と、該基材粘着剤層上に積層された基材と、該基材上に積層されたウエハ粘着剤層を有する半導体ウエハ保護用シートであって、該支持体の厚みが50?200μmであり、ウエハ研磨後における該基材をウエハから剥離する際の剥離強度が1.0×10^(-3)?2.0N/20mmである半導体ウエハ保護用シート。」 [相違点1] 基材粘着剤層が、 本件補正発明では、紫外線硬化型であるのに対して、 引用発明では、紫外線硬化型でない点。 [相違点2] ウエハ粘着剤層が、 本件補正発明では、2,4-トルイレンジイソシアナートを含有しているのに対して、 引用発明では、2,4-トルイレンジイソシアナートを含有しているのか否か不明である点。 [相違点3] 支持体の引張弾性率と、その厚みに関して、 本件補正発明では、引張弾性率が0.05?10GPaで、その厚みが50?300μmあるのに対して、 引用発明では、引張弾性率が不明であり、その厚みが25?200μmである点。 2-4 相違点についての判断 [相違点1について] 半導体ウエハ保護用シートの粘着剤層として紫外線硬化型のものは、例えば、刊行物1の段落【0007】にも示唆されている(上記摘記事項(1-ウ)参照。)ように、当該技術分野で周知のものである。 してみると、引用発明の基材粘着剤層に上記周知のものを採用して、相違点1に係る本件補正発明の特定事項とすることは当業者が適宜なし得た設計変更にすぎない。 [相違点2について] 刊行物1には、ウェハ粘着剤層に架橋剤によって架橋する旨の記載があり(上記摘記事項(1-イ)参照。)、半導体ウエハ保護用シートのウエハ粘着剤層に架橋剤として2,4-トルイレンジイソシアナートを含有することは、例えば、特開平9-298173号公報の段落【0027】や特開平8-245932号公報の段落【0018】にも記載されているように、当該技術分野で周知の事項である。 してみると、引用発明のウエハ粘着剤層に上記周知の事項を採用して、相違点2に係る本件補正発明の特定事項とすることは当業者が適宜なし得た設計的事項にすぎない。 [相違点3について] 上記刊行物2記載の事項の「半導体ウエハ保護用粘着シート」、「基材フィルムを構成する複数のフィルム層のうち少なくとも1つのフィルム層」及び「引張り弾性率」は、「半導体ウエハ保護用シート」、「支持体」及び「引張弾性率」に、それぞれ相当することは明らかである。 そうすると上記刊行物2記載の事項は、「複数の基材フィルムが積層された半導体ウエハ保護用シートにおいて、研磨不良を生じないために複数の基材フィルムを構成する複数のフィルム層のうち1つのフィルム層である支持体の引張り弾性率が0.6?10GPaとすること。」とすることができる。 そして、引用発明と上記刊行物2記載の事項とは、半導体ウエハの裏面研磨に用いる半導体ウエハ保護用シートである点で技術分野が一致しており、適用を阻害する特段の事由もない。 そうすると、引用発明に上記刊行物2記載の事項を適用することに困難性はない。しかも、本件補正発明の支持体の引張弾性率及び厚みの数値範囲については、比較例は計4例あるものの実施例は1例にすぎず、その上下限近傍における実施例はなく格別な技術的意義を見出せない。 してみると、引用発明における支持体の引張弾性率を0.05?10GPaとし、その厚みを50?300μmとすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 そして、本件補正発明によってもたらされる効果も、引用発明、刊行物2記載の事項及び上記各周知の事項から当業者であれば十分予測できるものであって格別なものとはいえない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、刊行物2記載の事項及び周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3.むすび 以上のとおり、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、改正前特許法第159条第1項で読み替えて準用する改正前特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成18年7月14日付の手続補正書により補正がされた特許請求の範囲の請求項1記載された事項により特定される前記第2の1-1に示したとおりのものと認められる。 2.引用刊行物 これに対し、原査定の拒絶の理由に引用され、また、本件出願前に日本国内で頒布された刊行物及びその記載内容は、前記第2の2-2に示したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は、前記第2の2.で検討したように、本件補正発明の特定事項から前記限定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の2-4に記載したとおり、引用発明、刊行物2記載の事項及び周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、刊行物2記載の事項及び周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本件出願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-02-27 |
結審通知日 | 2008-03-04 |
審決日 | 2008-03-18 |
出願番号 | 特願2001-344285(P2001-344285) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H01L)
P 1 8・ 121- Z (H01L) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小野田 達志 |
特許庁審判長 |
野村 亨 |
特許庁審判官 |
福島 和幸 鈴木 孝幸 |
発明の名称 | 半導体ウエハ保護用シート |