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審決分類 |
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1177136 |
審判番号 | 不服2005-15631 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-08-15 |
確定日 | 2008-04-28 |
事件の表示 | 特願2002- 77084「セル記述子」拒絶査定不服審判事件〔平成14年10月11日出願公開、特開2002-297680〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年3月19日の出願(パリ条約による優先権主張 アメリカ合衆国(US) 2001年3月23日)であって、平成17年5月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月15日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同年9月14日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成17年9月14日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成17年9月14日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。 「【請求項1】 CADシステムと共に使用され、言語のみの構文をスクリプトすることによってモデルを設定し、修正することができるように、該モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供するコンピュータシステムオペレーション方法であって、 前記モデルの1つ又は複数のセルを含む幾何情報に関連する1つ又は複数の制約を含む入力情報を受け取るステップと、 前記受け取った1つ又は複数の制約を含む入力情報をセル記述子スクリプト中に宣言し、少なくとも1つの制約を指定するためのセル記述子の構文を生成するステップと、 前記生成されたセル記述子の構文を処理し、該処理された構文中の制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップと、 前記制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルに対応したリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項2】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を含むグループから選択された制約であることを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項3】 入力装置と、 中央処理装置と、 ディスプレイ装置と を具えたCAD/CAM装置であって、 ここで、前記中央処理装置は、 CAD/CAMシステムと共に使用され、言語のみの構文をスクリプトすることによってモデルを設定し、修正することができるように、該モデルの複数の幾何セルを識別するための手段であって、 前記モデルの1つ又は複数のセルを含む幾何情報に関連する1つ又は複数の制約を含む入力情報を受け取る手段と、 前記受け取った1つ又は複数の制約を含む入力情報をセル記述子スクリプト中に宣言し、少なくとも1つの制約を指定するためのセル記述子の構文を生成する手段と、 前記生成されたセル記述子の構文を処理し、該処理された構文中の制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定する手段と、 前記制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルに対応したリストを作成する手段と を実行することを特徴とするCAD/CAM装置。 【請求項4】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択された制約であることを特徴とする請求項3記載のCAD/CAM装置。 【請求項5】 CADシステムと共に使用され、言語のみの構文をスクリプトすることによってモデルを設定し、修正することができるように、該モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供するコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体であって、コンピュータに、 前記モデルの1つ又は複数のセルを含む幾何情報に関連する1つ又は複数の制約を含む入力情報を受け取る手段と、 前記受け取った1つ又は複数の制約を含む入力情報をセル記述子スクリプト中に宣言し、少なくとも1つの制約を指定するためのセル記述子の構文を生成する手段と、 前記生成されたセル記述子の構文を処理し、該処理された構文中の制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定する手段と、 前記制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルに対応したリストを作成する手段と を実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項6】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択された制約であることを特徴とする請求項5記載のコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項7】 CADシステムと共に使用され、言語のみの構文をスクリプトすることによってモデルを設定し、修正することができるように、該モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供するコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ読取り可能なプログラムであって、コンピュータに、 前記モデルの1つ又は複数のセルを含む幾何情報に関連する1つ又は複数の制約を含む入力情報を受け取る手段と、 前記受け取った1つ又は複数の制約を含む入力情報をセル記述子スクリプト中に宣言し、少なくとも1つの制約を指定するためのセル記述子の構文を生成する手段と、 前記生成されたセル記述子の構文を処理し、該処理された構文中の制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定する手段と、 前記制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルに対応したリストを作成する手段と を実行させることを特徴とするコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ読取り可能なプログラム。 【請求項8】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を含むグループから選択された制約であることを特徴とする請求項7記載のコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ読取り可能なプログラム。 【請求項9】 a)前記入力情報の第1の制約を選択し、該入力情報の該第1の制約の要件に合致するセルの第1のリストを作成するステップと、 b)前記入力情報の次の制約を選択するステップと、 c)前記セルの第1のリストを検索し、前記入力情報の前記次の制約に合致するセルのみを該第1のリストに保有するステップと、 d)前記入力情報中の残りの制約のそれぞれに対して、ステップb)およびc)を繰り返すステップと をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項10】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択された制約であることを特徴とする請求項9記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項11】 入力装置と、 中央処理装置と を具えたCAD装置であって、 前記中央処理装置は、 CADシステムと共に使用され、言語のみの構文をスクリプトすることによってモデルを設定し、修正することができるように、該モデルの複数の幾何セルを識別するための手段であって、 前記モデルの1つ又は複数のセルを含む幾何情報に関連する1つ又は複数の制約を含む入力情報を受け取る手段と、 前記受け取った1つ又は複数の制約を含む入力情報をセル記述子スクリプト中に宣言し、少なくとも1つの制約を指定するためのセル記述子の構文を生成する手段と、 前記生成されたセル記述子の構文を処理し、該処理された構文中の制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定する手段と、 前記制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルに対応したリストを作成する手段と を実行することを特徴とするCAD装置。 【請求項12】 前記入力情報の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択された制約であることを特徴とする請求項11記載のCAD装置。 【請求項13】 前記作成されたセルのリストに基づいて、前記モデルの幾何特徴を選択するステップと、 前記選択された幾何特徴の各々について変化を実行するために、ユーザから前記入力を受取るステップと をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項14】 前記セル記述子の構文は、CADシステムのユーザから前記入力として受取られたスクリプト言語プログラムからなることを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前である拒絶査定時の特許請求の範囲(平成17年2月24日付け手続補正書)に記載された発明は次のとおりである。 「【請求項1】 モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供し、オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 前記モデルの複数の幾何セルの各々は、特定の関連する幾何特徴を定義するデータからなり、 幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップと、 前記制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項2】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項3】 入力装置と、 中央処理装置と、 ディスプレイ装置と を具えたCAD/CAM装置であって、 ここで、前記中央処理装置は、 モデルの描写を表示するためのコードと、 該モデルは、複数の幾何セルからなり、該複数の幾何セルの各々は、幾何セル識別データと、該幾何セルに関連するモデルの幾何特徴を定義するデータとからなり、 幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るためのコードと、 前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルを決定するためのコードと、 前記制約の要件のすべてに合致する幾何セルのリストを作成するためのコードと を具えたアプリケーションプログラムを実行することを特徴とするCAD/CAM装置。 【請求項4】 前記アプリケーションプログラムは、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択される前記入力の少なくとも1つの制約を処理することを特徴とする請求項3記載のCAD/CAM装置。 【請求項5】 モデルの1つまたは複数の幾何セルの識別を表すデータからなるディジタルデータストリームとして表されるデータ信号をコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体であって、 前記幾何セルの各々は、幾何セル識別データと、該幾何セルに関連するモデルの幾何特徴を定義するデータとからなり、 ここで、前記ディジタルデータストリームは、 幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルを決定するステップと、 前記制約の前記要件のすべてに合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えた方法に従って動作するシステムによって生成されることを特徴とするコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項6】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項5記載のディジタルデータストリームとして表されるデータ信号をコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項7】 コンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コードであって、 該コードは、モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供する方法をCADコンピュータシステムに実行させるための手段を具え、 前記複数の幾何セルの各々は、幾何セル識別データと、該幾何セルに関連するモデルの幾何特徴を定義するデータとからなり、 前記方法は、 幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に合致する前記モデルの幾何セルを決定するステップと、 前記制約の要件のすべてに合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータ実行可能コード。 【請求項8】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を含むグループから選択されることを特徴とする請求項7記載のコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コード。 【請求項9】 モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供し、オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 前記複数の幾何セルの各々は、幾何セル識別データと、該幾何セルに関連するモデルの幾何特徴を定義するデータとからなり、 a)幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 b)前記入力の第1の制約を選択し、かつ、前記制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 c)前記モデルの前記幾何セルを探索し、かつ、前記入力の第1の制約の前記要件に合致する幾何セルのみをサブセットとして保有するステップと、 d)前記入力の次の制約を選択し、かつ、該次の制約の前記要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 e)前記幾何セルのサブセットを探索し、かつ、前記入力の前記次の制約の前記要件に合致する幾何セルのみを前記サブセット中に保有するステップと、 f)前記入力中の残りの制約のそれぞれに対して、ステップd)およびe)を繰り返すステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項10】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項9記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項11】 入力装置と、 中央処理装置と を具えたCAD装置であって、 ここで、前記中央処理装置は、 a)モデルの幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 b)前記入力の第1の制約を選択し、かつ、前記制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 c)前記モデルの幾何セルを探索し、かつ、前記入力の第1の制約の前記要件に合致する前記セルのみをサブセットとして保有するステップと、 d)前記入力の次の制約を選択し、かつ、該次の制約の前記要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 e)前記幾何セルのサブセットを探索し、かつ、前記入力の前記次の制約の前記要件に合致する幾何セルのみを前記サブセット中に保有するステップと、 f)前記入力中の残りの制約のそれぞれに対して、ステップd)およびe)を繰り返すステップと のためのコードを具えたアプリケーションプログラムを実行することを特徴とするCAD装置。 【請求項12】 前記幾何セルを探索するステップは、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択される前記入力の少なくとも1つの制約に基づいて、前記アプリケーションプログラムによって検索されることを特徴とする請求項11記載のCAD装置。 【請求項13】 モデルの1つまたは複数の幾何セルの識別を表すデータからなるディジタルデータストリームとして表されるデータ信号をコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体であって、 ここで、前記ディジタルデータストリームは、 a)幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記複数の幾何セルの各々は、幾何セル識別データと、該幾何セルに関連するモデルの幾何特徴を定義するデータとからなり、 b)前記入力の第1の制約を選択し、かつ、前記制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 c)前記モデルの幾何セルを探索し、かつ、前記入力の第1の制約の要件に合致する幾何セルのみをサブセットとして保有するステップと、 d)前記入力の次の制約を選択し、かつ、該次の制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 e)前記幾何セルのサブセットを探索し、かつ、前記入力の前記次の制約の要件に合致する幾何セルのみを前記サブセット中に保有するステップと、 f)前記入力中の残りの制約のそれぞれに対して、ステップd)およびe)を繰り返すステップと を具えた方法に従って動作するシステムによって生成されることを特徴とするコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項14】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項13記載のディジタルデータストリームとして表されるデータ信号をコンピュータで読取り可能なコンピュータ可読媒体。 【請求項15】 コンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コードであって、 該コードは、モデルの幾何セルを識別するための手段を提供する方法をCADコンピュータシステムに実行させるための手段を具え、 前記方法は、 a)幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約からなるスクリプトを含む入力をユーザから受け取るステップと、 b)前記入力の第1の制約を選択し、かつ、前記制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 c)前記受取ったスクリプトに基づいて、前記モデルの幾何セルを探索し、かつ、前記入力の第1の制約の要件に合致する前記セルのみをサブセットとして保有するステップと、 d)前記入力の次の制約を選択し、かつ、該次の制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを識別するステップと、 e)前記幾何セルのサブセットを探索し、かつ、前記入力の前記次の制約の要件に合致する幾何セルのみを前記サブセット中に保有するステップと、 f)前記入力中の残りの制約のそれぞれに対して、ステップd)およびe)を繰り返すステップと を具えたことを特徴とするコンピュータ実行可能コード。 【請求項16】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項15記載のコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コード。 【請求項17】 オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 該方法は、修正または操作の目標にすることをユーザが希望するモデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供し、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を有するグループから選択される少なくとも1つの制約を指定するステップと、 前記指定された少なくとも1つの制約に基づいて、複数の幾何セルを選択するステップと、 前記選択された複数の幾何セルに基づいて、修正または操作の目標としてモデルの特徴を識別するステップと、 前記選択されたモデルの特徴の修正または操作を達成するために、ユーザから幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受取るステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項18】 オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 該方法は、セル記述子の1つまたは複数の制約の要件に合致するモデルの幾何セルを識別するための手段を提供し、 前記セル記述子の各制約に対して、前記制約の要件に合致する幾何セルを見出すためにアクセスすべき前記CADシステムのコンポーネントを決定するステップと、 入力に含まれるすべての制約の要件に合致する幾何セルのリストを識別するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項19】 オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 該方法は、文字記述子を使用して三次元オブジェクトを定義するための手段を提供し、 1つまたは複数の定義済幾何部品、および該部品の位置および大きさを指定する文字入力を受け取るステップと、 前記部品の幾何セル情報を作成するステップと、 前記部品の前記幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約に対して、前記部品の前記幾何セルが該入力の制約の要件に合致するか否かを決定するステップと、 前記制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項20】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項19記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項21】 コンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コードであって、 該コードは、文字記述子を使用して三次元オブジェクトを定義するための手段を提供する方法をCADコンピュータシステムに実行させるための手段を具え、 該方法は、 1つまたは複数の定義済幾何部品、および該部品の位置および大きさを指定する文字入力を受け取るステップと、 前記部品の幾何セル情報を作成するステップと、 前記部品の幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約に対して、前記部品の幾何セルが前記制約の要件に合致するか否かを決定するステップと、 前記制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータ実行可能コード。 【請求項22】 前記入力の少なくとも1つの制約は、 a)セルの次元に関する制約 b)セルのトポロジーに関する制約 c)モデル展開の履歴に関する制約 d)セルの特定の属性に関する制約 e)セルの幾何形状表示に関する制約 を具えたグループから選択されることを特徴とする請求項21記載のコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ実行可能コード。 【請求項23】 CAD/CAMシステムにおける幾何セルを識別する方法であって、 前記CAD/CAMシステムにおける幾何セルの1つまたは複数の特徴を記述するための、一組のスクリプト規則を作成するステップと、 識別すべき前記幾何セルの1つまたは複数の特徴を記述する、ユーザスクリプト入力を受け取るステップであって、該ユーザ入力は前記一組のスクリプト規則を使用し、 前記記述された特徴を、1つまたは複数のセル選択コマンドに翻訳するために、前記ユーザ入力を解釈するステップと、 前記セル選択コマンドを使用して、前記記述されたすべての特徴に合致する幾何セルを選択するステップと を具えたことを特徴とする幾何セルを識別する方法。 【請求項24】 前記作成されたセルのリストに基づいて、前記モデルの幾何特徴を選択するステップと、 前記選択された幾何特徴の各々について変化を実行するために、ユーザから前記入力を受取るステップと をさらに具えたことを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。 【請求項25】 前記宣言構文は、CADシステムのユーザから前記入力として受取られたスクリプト言語プログラムからなることを特徴とする請求項1記載のコンピュータシステムオペレーション方法。」 (3)本件補正の適否についての判断 本件補正の根拠について、請求人は、本件補正と同日付けで提出された手続補正書(方式)において 「2.補正の根拠の明示 今回の補正では、前回提出しました手続補正書(平成17年2月24日付け提出)の旧請求項13?23を削除しました。これに伴いまして、請求項13が旧請求項24に、請求項14が旧請求項25に、それぞれ対応します。 また、今回の補正では、主に、請求項1、3、5、7、9、11について補正しましたが、同様な構成であるため、以下、請求項1を用いて、その対応箇所を括弧()内に記述する形式で説明します。」 と説明している。 したがって、本件補正後の請求項1は、本件補正前の請求項1-12のいずれかに対応するものと認められる。そこで、本件補正後の請求項1と本件補正前の請求項1-12とを対比すると、本件補正後の請求項1は本件補正前の請求項1に対応するものと認められる。 そこで、請求項1について、本件補正が、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げる事項である、特許請求の範囲の減縮(同法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものであるか否かについて検討する。 本件補正前の請求項1には、発明特定事項として「前記モデルの複数の幾何セルの各々は、特定の関連する幾何特徴を定義するデータからなり」と記載されているが、本件補正後の請求項1には、上記発明特定事項は記載されていない。 すなわち、本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明から、「前記モデルの複数の幾何セルの各々は、特定の関連する幾何特徴を定義するデータからなり」という発明特定事項を削除する補正であると認められる。 したがって、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の発明特定事項の一部を削除する補正であって、同補正前発明の発明特定事項を限定するものではないのであるから、特許請求の範囲の限定的減縮であるとは認められない。 また、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号(請求項の削除)、第3号(誤記の訂正)、第4号(明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的とするものでないことは明らかである。 (4)むすび 上記のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について 平成17年9月14日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年2月24日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、前述のとおりのものであるが再掲すると以下のとおりである。 「【請求項1】 モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供し、オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 前記モデルの複数の幾何セルの各々は、特定の関連する幾何特徴を定義するデータからなり、 幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、 前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップと、 前記制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップと を具えたことを特徴とするコンピュータシステムオペレーション方法。」 (1)引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-126219号公報(以下「引用例」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 ア 「【0045】この発明は、係る問題点を解決するためになされたもので、例えばCAD図面に加工条件が注記されている場合に注記から3次元図形編集情報を認識し3次元図形編集を行う等、オペレータ自らが加工条件を判断して3次元図形編集条件を図面内に逐次指定する等の従来要していた手間を排除し、オペレータの指定ミスを排除して操作性の良い図面作成装置及び図面作成方法を得ることを目的とする。 【0046】 【課題を解決するための手段】この発明にかかる図面作成装置は、2次元図形データに対して定められた加工条件に基づいて対象とする面を囲む輪郭辺を検索する検索手段と、検索手段の検索結果に基づいて輪郭辺で互いに交わる2面間に輪郭辺が除去された新たな面を生成する面生成手段を備えたものである。」 イ 「【0060】また、3次元形状データのデータ構造は、図2に示すような階層化された樹形構造となってこのシステムでは扱われている。3次元形状データは、再下層から、「点(VERTEX)」、「辺(輪郭辺)(EDGE)」、向きのある辺である「コエッジ(COEDGE)」、面の輪郭とこの輪郭に辿る向き情報を与えた「ループ(LOOP)」、ループの集まりである「面(FACE)」、面の集まりである「皮(SHELL)」、皮で囲まれた範囲である「固まり(LUMP)」、そして最上位に固まりの集合である「形状(BODY)」から構成される。 【0061】従って、3次元形状において、後述する辺や面等の検索は、後述するように検索手段がこのような樹形構造の中から対象とする辺や面等を検索することで実現されている。」 ウ 「【0081】フィレット設定(又は面取り設定)の方法としては、ここでは以下の3つの方法を用意している。従って、本実施の形態ではフィレット設定(又は面取り設定)の方法について、注記情報には以下に詳述する3つの方法のどの方法を採るかを予め明確にしておく必要がある。 【0082】第1の方法は、表示装置6に出力表示された3次元形状において、処理対象形状の外形面同士が、フィレット設定面や面取り設定面(即ち、面属性のid番号が設定された面)を介して接続していない場合にそれら外形面間の輪郭辺を全て一括して処理対象とする方法である(ステップ203に分岐する方法)。 【0083】第2の方法は、表示装置6に出力表示された3次元形状において、その形状での面をいくつかが注記情報で代表として指定されることで、それら指定されたいくつかの面から形成される連続した外形面の輪郭辺全てを一括して処理対象形状とする方法である(ステップ204に分岐する方法)。この場合は複数種の面属性のid番号に対応する輪郭線が一括処理の対象になる。このように面の指定は隣りあった面など複数の面の指定が可能である。」 エ 「【0096】一方、第2の方法によりステップ204に分岐した場合について説明する。オペレータにより表示装置6に出力表示された3次元形状の中から面がいくつか指定されると(ステップ204)、検索手段31hにより指定されたいくつかの面から形成される連続した面の輪郭の辺の検索が行われる(ステップ206)。それら検索された輪郭辺の関係はポインタを用いて要素リスト32gに記憶される。 【0097】このように、この第2の方法の場合は、面の指定は互いに隣接する面等、複数の面の指定を行うことができる。 【0098】検索は、面がいくつか指定されると、検索手段31hが、それらいくつか指定された面で形成される面群の外辺となる輪郭辺を検索することで実行される。」 これらの記載事項及び図面から、引用例には、次の発明が記載されているものと認められる。 「CAD図面に加工条件が注記されている場合に注記から3次元図形編集情報を認識し3次元図形編集を行う等、オペレータ自らが加工条件を判断して3次元図形編集条件を図面内に逐次指定する等の従来要していた手間を排除した操作性の良い図面作成装置及び図面作成方法であって、2次元図形データに対して定められた加工条件に基づいて対象とする面を囲む輪郭辺を検索する検索手段を備え、3次元形状データが「点(VERTEX)」、「辺(輪郭辺)(EDGE)」、向きのある辺である「コエッジ(COEDGE)」、面の輪郭とこの輪郭に辿る向き情報を与えた「ループ(LOOP)」、ループの集まりである「面(FACE)」、面の集まりである「皮(SHELL)」、皮で囲まれた範囲である「固まり(LUMP)」、固まりの集合である「形状(BODY)」とから構成され、前記3次元形状における辺や面等の検索は、検索手段が前記3次元形状データから対象とする辺や面等を検索することで実現し、さらに、フィレット設定(又は面取り設定)のための第2の方法は、表示装置に出力表示された3次元形状の面をいくつかが注記情報で代表として指定されることで、それら指定されたいくつかの面から形成される連続した外形面の輪郭辺全てを一括して処理対象形状とする方法であって、オペレータにより表示装置に出力表示された3次元形状の中から面がいくつか指定されると、検索手段により指定されたいくつかの面から形成される連続した面の輪郭の辺の検索が行われ、それら検索された輪郭辺の関係はポインタを用いて要素リストに記憶される図面作成装置及び図面作成方法。」(以下、「引用発明」という。) また、特開平5-233735号公報には、図面と共に次の事項が記載されている。 オ 「【0006】 【作用】本発明によれば、図面データ記憶手段に記憶された図面データに対し、マスクデータを設定するようにしている。マスクデータには、上記図面データからどのような要素データを選択するかの選択条件を記憶する。この選択条件としては、例えば直線、円、自由曲線等の要素データの種類を特定したり、寸法線、引出線、注釈文字等を除外する等の要素データの特性を指定したり、図面が複数レイヤーから構成されている場合にはレイヤーを指定したり、XY座標等によって抽出すべき位置を指定すること等が考えられる。このようなマスクデータをマスクデータ記憶手段に記憶しておくと、要素データ選択手段は、既に作成された図面データから指定されたマスクデータの選択条件を満たす要素データを選択する。」 カ 「【0010】図面データベース4及びマスクデータベース5は、図2に示すような内容になっている。図面データベース4の各図面ファイルF1、F2、…は、要素データの集合から構成されている。各要素データは、直線、円、曲線等の種類を示す要素種と、配置位置、端点位置及びその他の数値からなるデータ部と、図面の実体線、寸法線、引出線、注釈等を区別する要素特性等から構成されている。各図面ファイルに対しては、複数のマスクデータが設定できるようになっている。図2のマスクM1では、要素データの選択条件として、X座標がX1よりも大きく、X2よりも小さく、Y座標がY1よりも大きく、Y2よりも小さい範囲内の要素データを設定している。また、マスクM2では、要素データの選択条件として、寸法線、引出線、文字、…を除いた要素データを設定している。」 キ 「【0023】最後にマスクデータのより具体的な記述例とその意味を図9に示す。ここで、フィルタとは一連のスイッチ群で、各要素の種類(例えば、線、円等)と1対1で対応し、要素の数だけ用意されたスイッチから構成されている。“FILTER LINE”は線に対応するスイッチのみを“1”、それ以外を“0”にセットすることを意味している。このような記述を行うことにより、かなり複雑な指定も少ないデータ量でかつ簡単なオペレーション処理で行うことが可能になる。」 また、特開平11-85826号公報には、図面と共に次の事項が記載されている。 ク 「【0036】本発明の第2の発明は、ソフトウェアの機能追加や改良に対処する第2の問題には次のように対処する。すなわち、第2の発明ではデータ処理において、一致条件と変更条件を指定し、一致条件に該当するLSIパターンデータを選択し、選択されたデータを変更条件のように変更する機能を持たせることによって、ソフトウェアの機能追加や改良に対処するようにした。このような方法によりLSIパターンデータ処理の種類だけ必要となったいたソフトウェアを作成する必要をなくし、従来からあるデータに一致条件と変更条件を記述するだけで所望のLSIパターンデータ処理を可能にするのが、本発明のねらいである。 【0037】具体的には、 1 GDSII STREAM等のLSIパターンデータファイルをソフトウェアが読み込む、あるいは出力する際に、個々の転送過程の図形、セル、セル引用、及びプロパティに対する選択条件と、変更条件を設定しておくことで条件にあったデータの選択や変更を行なう。 2 このとき、選択条件と変更条件はASCII文字列で表現し、条件毎に文字列が決まっており、それらを決まられた規則に従って羅列することで、条件を自由に設定及び変更できるようにする。 3 また、選択条件を複数指定することにより、論理積及び論理和条件指定かできるようにする。 4 また、変更条件を複数指定することにより、1 度に複数のデータ変更かできるようにする。 5 このような上記データ変更は単体で実行するほかに、LSIパターンデータを入出力とするソフトウェアの前処理や後処理に組み込んで使うことができるようにする。 【0038】以上に述べたような、選択条件と変更条件をから成る条件をフィルター的な機能として用意し、そのフィルターを通してLSIパターンデータを読み込み、あるいは出力するだけで、所望のデータの選択や変更を簡単に、且つ効率的に実行するようにした。」 (2)対比 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「図面作成装置」は、CAD図面を作成するものであるから、本願発明の「CADシステム」に相当する。 また、引用発明の「3次元形状」は、3次元物体の形状を示すことは明らかであるから、本願発明の「モデル」に相当する。 また、引用発明の「点(VERTEX)」、「辺(輪郭辺)(EDGE)」、「コエッジ(COEDGE)」、「ループ(LOOP)」、「面(FACE)」、「皮(SHELL)」、「固まり(LUMP)」は、上記「3次元形状」、すなわち「モデル」を構成するものであるから、本願発明の「モデルの複数の幾何セル」に相当する。 そして、引用発明において、複数の幾何セルである「点(VERTEX)」、「辺(輪郭辺)(EDGE)」、「コエッジ(COEDGE)」、「ループ(LOOP)」、「面(FACE)」、「皮(SHELL)」、「固まり(LUMP)」は、それぞれ、点、辺、面等の特定の幾何学的形状の特徴が定義されていることは明らかであるから、引用発明の複数の幾何セルの各々は、「特定の関連する幾何特徴を定義するデータからな」っているといえる。 また、引用発明の「第2の方法」は、オペレータが上記「図面作成装置」、すなわち「CADシステム」を用いてモデルを作成する際にCADシステムと共に使用する方法に関するものであり、CADシステムと共に使用する方法はCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であることは明らかであるから、引用発明の「第2の方法」は、本願発明の「オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法」に相当する。 さらに、引用発明の「第2の方法」は、オペレータにより3次元形状、すなわち、モデルの中から面がいくつか指定されると、検索手段により指定されたいくつかの面から形成される連続した面の輪郭の辺、すなわち、幾何セルの検索を行う方法であり、幾何セルの検索を行うことと幾何セルの識別を行うことは技術的に同じ事項といえるから、引用発明の「検索手段」は、本願発明の「モデルの複数の幾何セルを識別するための手段」に相当するといえる。 以上を踏まえると、本願補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「モデルの複数の幾何セルを識別するための手段を提供し、オブジェクトをモデル化する際にCADシステムと共に使用するためのコンピュータシステムオペレーション方法であって、 前記モデルの複数の幾何セルの各々は、特定の関連する幾何特徴を定義するデータからなるコンピュータシステムオペレーション方法。」 (相違点) 本願発明は、「前記モデルの複数の幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップと、前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップと、前記制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップ」を備えているのに対して、引用発明は、そのようなステップを備えているのか明らかでない点。 (3)当審の判断 上記相違点について検討する。 はじめに、本願発明の「幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップ」が示す技術事項について検討する。 請求人は、平成17年2月24日付けの意見書において、上記ステップに関して「構成要件「幾何セル情報?入力を受け取るステップ」は、【0038】の記載内容、図4のステップ40を根拠とします。 「入力」とは、図3、【0027】に記載された「セル記述子30」に相当します。」と説明している。 上記説明で引用された本願明細書【0038】には「本発明によるプロセスは、システムがセル記述子を受け取ることによって開始される」と記載されており、図4のステップ40には、「システムがセル記述子を受け取る」と記載されている。 上記【0038】と図4のステップ40の両記載を参酌すると、本願発明の「幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップ」とは、CADシステムが「セル記述子」を受け取るステップを示していることは明らかである。 そして、「セル記述子」に関して、本願明細書【0029】、【0030】には、「辺を選択すると、次にユーザは、セル記述子スクリプトを作成することにより、システムにすみ肉を施させる辺を指定することができる。この例では、ユーザは、そのために指定されたディスプレイ25の領域にセル記述子をタイプすることになる。この例では、ユーザは、以下に示す代表的なスクリプトを作成することになる。 ″{body=<^^P>dim=1neighbor={dim=2attribute=″UP″}}″ 【0030】このスクリプトは、部分(body=<^^P>)から、「UP」属性(attribute=″UP″)を実行する(neighbor)面(dim=2)に接続された辺(dim=1)を選択することを意味している。」と記載されており、さらに、本願明細書【0036】には、「ユーザは、セルまたは一組のセルを目標にしたい場合、上で説明したように、目標を定義する制約あるいは制約列を、セル記述子スクリプト30中で宣言することになる。」と記載されている。 上記【0029】、【0030】、【0036】の記載を参酌すると、「セル記述子」は、部分から「UP」属性を実行する(neighbor)面に接続された辺を選択するという制約あるいは制約列、すなわち、セルまたは一組のセルを目標にしたい場合、目標を定義する制約あるいは制約列を示すものであることは明らかであるから、本願発明の、「幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップ」とは、目標とするセルまたは一組のセルを定義する制約あるいは制約列を受け取るステップであると解される。 一方、引用発明は、表示装置に出力表示された3次元形状において、面のいくつかが指定されると、それら指定されたいくつかの面から形成される連続した外形面の輪郭辺全てを一括して処理対象形状とするものであるから、引用発明は、いくつかの面から形成される連続した外形面の輪郭辺を処理対象としたい場合、すなわち、一組の幾何セルを処理対象の目標にしたい場合、当該一組の幾何セルを識別するための制約となるいくつかの面を指定するものである。 してみると、引用発明のいくつかの面を指定することは、当該面の輪郭辺という一組の幾何セルを識別するための制約を指定していることと同等であるといえる。 したがって、引用発明の一組の幾何セルを識別するためにいくつかの面を指定することは、目標とするセルまたは一組のセルを定義する制約あるいは制約列を入力している点で、本願発明の「幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力」に実質的に相当するといえるから、引用発明は本願発明の「幾何セル情報に関する1つまたは複数の制約を含む入力を受け取るステップ」を実質的に備えているといえる。 そして、引用発明において、モデルを構成する複数の幾何セルから、指定されたいくつかの面を制約として当該面の輪郭辺となっている幾何セルを識別することは、モデルを構成する複数の幾何セルの各々に対して、当該面の輪郭辺という要件に合致しているか否かを決定することであり、入力の各制約およびモデルの複数の幾何セルの各々に対して、入力の少なくとも1つの制約の要件に前記モデルが合致するか否かを決定することに他ならないから、引用発明は「前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップ」を備えているといえる。 一方、前記特開平5-233735号公報の前掲オ、カ、キの記載において、「マスクデータ」は要素データを選択するための制約といえ、当該「マスクデータ」は宣言構文の形式で記述されて処理されていることは明らかであり、また、前記特開平11-85826号公報の前掲クの記載において、「選択条件」はLSIパターンデータを選択するための制約といえ、当該「選択条件」は「ASCII文字列」を用いて宣言構文の形式で記述されて処理されていることは明らかである。したがって、複数の図形から制約を用いて目標とする図形を識別する際に、制約を宣言構文で記述し、当該宣言構文を処理することによって目標とする図形を識別することは、本願出願時における周知技術といえ、このような周知技術を、引用発明の上記「前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップ」に付加して、「前記入力の各制約および前記モデルの複数の幾何セルの各々に対して、該入力の少なくとも1つの制約を指定する宣言構文を処理し、該制約の要件に前記モデルの幾何セルが合致するか否かを決定するステップ」とすることは、当業者であれば容易になし得る事項である。 また、引用発明は、前述したように、制約の要件にモデルの幾何セルが合致するか否かを決定するものであり、さらに、合致した幾何セルの関係をポインタを用いて要素リストに記憶するものである。このような制約の要件に合致した幾何セルの関係をポインタを用いて要素リストに記憶することに代えてリストを作成するステップとすること、すなわち、「制約の要件に合致する幾何セルのリストを作成するステップ」とすることは、当業者であれば適宜なし得る事項である。 そして、これら相違点を総合的に考慮しても当業者が想到し難い格別のものであるとすることはできず、また本願発明の効果についてみても、上記構成の採用に伴って当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるともいえない。 (4)むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-11-16 |
結審通知日 | 2007-11-30 |
審決日 | 2007-12-12 |
出願番号 | 特願2002-77084(P2002-77084) |
審決分類 |
P
1
8・
572-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 加舎 理紅子、木方 庸輔 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
月野 洋一郎 松永 稔 |
発明の名称 | セル記述子 |
代理人 | 谷 義一 |
復代理人 | 柿沼 健一 |
代理人 | 阿部 和夫 |