• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1177207
審判番号 不服2004-26312  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-12-24 
確定日 2008-05-08 
事件の表示 特願2001- 12169「帯電防止性能を有するパチンコ機」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月30日出願公開、特開2002-210193〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年1月19日の出願であって、平成16年2月6日付で拒絶理由通知がなされ、平成16年4月7日付で手続補正がなされ、平成16年11月17日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年12月24日に審判請求がなされるとともに、平成17年1月19日付で手続補正がなされたものである。

2.平成17年1月19日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年1月19日付の手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

「導電性材料によって形成されたミドル枠が、外枠に対して開閉自在に設置されており、そのミドル枠の前面に、非導電性材料によって形成された遊技盤が取り付けられており、その遊技盤の盤面上に、導電性材料によって形成されたレール部材が、導電性材料によって形成されたピンによって、略円周状に立設されたパチンコ機であって、
前記レール部材を、円弧状に折り曲げ形成された外側のレール部材と、円弧状に折り曲げ形成されるとともに一体的にアウト口部を設けられた内側のレール部材とで構成するとともに、
先端が二股状に形成された前記ピンを各レール部材と一体的に形成し、そのピンの先端をミドル枠に直接接触させた状態で前記レール部材を立設させたことを特徴とするパチンコ機。」

と補正された。
上記補正は、平成16年4月7日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「レール部材」を「レール部材を、円弧状に折り曲げ形成された外側のレール部材と、円弧状に折り曲げ形成されるとともに一体的にアウト口部を設けられた内側のレール部材とで構成する」と限定し、同じく「前記ピンを、前記レール部材と一体的に、且つその先端を二股状に形成するとともに、そのピンの先端がミドル枠に直接接触している」を「先端が二股状に形成された前記ピンを各レール部材と一体的に形成し、そのピンの先端をミドル枠に直接接触させた状態で前記レール部材を立設させた」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平4-361774号公報(以下、引用例という。)には、図面とともに、
【特許請求の範囲】
【請求項1】 遊技基板と化粧板とで構成される遊技盤に於て、前記遊技基板に金属材を貼着・・・し、該金属材にアース線を設けた・・・遊技盤。
【0001】
【産業上の利用分野】・・・、パチンコ機の遊技盤に関し、特に遊技盤に発生する静電気や電磁波の防止に関する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】遊技盤において、パチンコ球が入賞口や障害釘等と接触することにより静電気が発生する・・・。係る静電気・・・はパチンコ機の裏面に配設されている、電子機器を装着している制御ボックスに影響を与えて誤動作の原因となる。・・・。
【0005】
【作用】遊技盤は図柄等が描かれている化粧板と一般に複数枚のベニヤ板が貼着してある遊技基板とを貼着して構成されている。そこで金属材を係る貼着部、例えば・・・遊技基板の裏面(化粧板の貼着と反対面)に張ったりする。この様に金属材を遊技基板に貼着・・・し、該金属材にアース線を設けることによって、化粧板等に発生した静電気・・・はアース線を介して解消される。
【0006】
・・・。図1・・・。1はパチンコ機の機枠、2は機枠1の前面一側に開閉自在に装着された前面枠で、その前面枠2の裏側には遊技盤3が窓孔に臨むように着脱自在に設置される。・・・。図2はパチンコ機の裏面を示し、・・・左下部には鎖線で示す電子回路を装着した樹脂製の直方体形状の制御ボックス18が取り付けられて・・・いる。・・・。図3は遊技盤3を示し、ガイドレール28で囲まれた表面に障害釘や球通路に入賞球を検出するスイッチ19を臨ませた入賞チャッカー20等が設けられ・・・る。又、中央下部にはアウト球の通路23・・・が穿設されている。・・・端部には金属板32からのアース線40が取り出されている。
【0007】・・・。(第1実施例)本実施例は図4に示し、遊技盤5は化粧盤30と複数枚のベニヤ板31a(8枚)で構成されている遊技基板31との間に金属板32を挟着した構成であり、該金属板32の端部にはアース線40に接続されている。尚、金属板32として銅、鉄、アルミニウム、ステンレス、パーマロイ等の金属板であって、静電気容量や電磁波の種類等によって適宜選択することはいうまでもない。又、特に従来の遊技盤の厚みに影響を与えない金属箔を使用することが望ましい。尚、金属板の形状は遊技基板31と同じ長方形状の大きさであってもよいが、格子状、同心円状等に形成してもよい。又、図4から明らかなように、ガイドレール28はレール釘33で固着され、該レール釘33は金属板32と・・・接触する長さのものを使用する。遊技盤5を前記した様に金属板を貼着或は挟着することによって、化粧板30上でパチンコ球等の接触によって生じた静電気・・・は該金属板32を介してアース線40で除去される。その結果、遊技盤5裏面にセットされている電子回路を装着した制御ボックス18に与える影響を減少できるため誤動作を減ずることができる。
【0009】(第3実施例)・・・。図6から明らかなように、金属板32を遊技基板31の裏面(ガイドレール28の反対面)に貼着した構成である。尚、ガイドレール28等に発生した静電気を除去するため、レール釘33・・・は金属板32と接触する長さのものを使用する。この様に構成しても、前記第1実施例等で記載した作用効果等は同じである・・・。尚、前記した様に遊技基板はベニヤ板の複数枚で構成しているが合成樹脂板であってもよい。又、前記は金属板(箔をも含む)を使用しているが、・・・、格子状や同心円状等に金属材を形成してもよい。
【0010】
【発明の効果】本発明のパチンコ機の遊技盤によれば、前記遊技基板に金属材を貼着・・・して構成し、アース線で除去するものである。従って、簡便な構成で静電気・・・を除去でき、パチンコ機裏面に設置されている電子回路を装着した制御ボックスに与える影響を減少できて誤動作を減ずることができる。

との記載が認められる。

また、上記摘記事項および図1・3・6より、ガイドレール28はレール釘33で固着され、該レール釘33は金属板32と接触する長さのものを使用し、化粧板30上で生じた静電気は該金属板32を介してアース線40で除去されること(段落【0007】)、ガイドレール28に発生した静電気を除去するため、レール釘33は金属板32と接触する長さのものを使用すること(段落【0009】)等から、パチンコ機は、遊技盤3の盤面上に「導電性材料によって形成されたガイドレール28が、導電性材料によって形成されたレール釘33によって、略円周状に立設された」ものと認められ、
また、上記摘記事項および図3より、遊技盤3に、ガイドレール28で囲まれた表面に障害釘や入賞チャッカー20等が設けられる(段落【0006】)こと等から、ガイドレール28は、「円弧状に折り曲げ形成された外側のガイドレールと、円弧状に折り曲げ形成される内側のガイドレールとで構成する」ものと解される。
以上を踏まえれば、引用例には、

「前面枠2が、機枠1に対して開閉自在に装着されており、その前面枠2の裏側に、化粧盤30と遊技基板31と金属板32とで構成される遊技盤3が設置されており、その遊技盤3の盤面上に、導電性材料によって形成されたガイドレール28が、導電性材料によって形成されたレール釘33によって、略円周状に立設されたパチンコ機であって、
前記ガイドレール28を、円弧状に折り曲げ形成された外側のガイドレールと、円弧状に折り曲げ形成される内側のガイドレールとで構成するとともに、
前記レール釘33を各ガイドレール28と別体的に形成し、そのレール釘33の先端を金属板32に直接接触させた状態で前記ガイドレール28を立設させたパチンコ機。」

との発明(以下「引用例発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
そこで、本願補正発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明の「機枠1」は本願補正発明の「外枠」に相当し、以下同様に、「装着」は「設置」に、「遊技盤3」は「遊技盤」に、「設置されており」は「取り付けられており」に、「ガイドレール28」は「レール部材」に、「レール釘33」は「ピン」にそれぞれ相当している。
また、引用例発明の「前面枠2」と本願補正発明の「ミドル枠」は「可動枠」で共通し、以下同様に、「裏側」と「前面」は「特定の場所」で、「別体的」と「一体的」は「別体的または一体的」で、「金属板32」と「ミドル枠」は「特定部材」でそれぞれ共通する。したがって、両者は、

「可動枠が、外枠に対して開閉自在に設置されており、その可動枠の特定の場所に、遊技盤が取り付けられており、その遊技盤の盤面上に、導電性材料によって形成されたレール部材が、導電性材料によって形成されたピンによって、略円周状に立設されたパチンコ機であって、
前記レール部材を、円弧状に折り曲げ形成された外側のレール部材と、円弧状に折り曲げ形成される内側のレール部材とで構成するとともに、
前記ピンを各レール部材と別体的または一体的に形成し、そのピンの先端を特定部材に直接接触させた状態で前記レール部材を立設させたパチンコ機。」

の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1、可動枠の構成において、本願補正発明では、「導電性材料によって形成されたミドル枠の前面に遊技盤が取り付けられている」のに対して、引用例発明では「前面枠2の裏側に遊技盤3が設置されている」ものであり、本願補正発明のような構成になっていない点。

相違点2、遊技盤において、本願補正発明では、「非導電性材料によって形成された」ものであるのに対して、引用例発明では「化粧盤30と遊技基板31と金属板32とで構成される」ものであり、本願補正発明のような構成になっていない点。

相違点3、内側のレール部材において、本願補正発明では、内側のレール部材が「一体的にアウト口部を設けられた」ものであるのに対して、引用例発明の内側のガイドレールでは、そのような構成になっているか明らかでない点。

相違点4、ピンとレールの構成において、本願補正発明では、「ピンを各レール部材と一体的に形成し」ているのに対して、引用例発明では、「レール釘33を各ガイドレール28と別体的に形成し」ており、本願補正発明のような構成になっていない点。

相違点5、ピンの先端を直接接触させる特定部材が、本願補正発明では、「先端が二股状に形成されたピンの先端をミドル枠」に直接接触させているのに対して、引用例発明では、「レール釘33の先端を金属板32」に直接接触させており、本願補正発明のような構成になっていない点。

(4)判断
上記相違点について検討する。

相違点1について、遊技機分野において、一般的に、クロームメッキが施してあるミドルプレートの前面に遊技盤を取り付けることが周知(一例として、特開2000-197752号公報参照。)である(以下、「周知例A」という。)から、引用例発明の「前面枠2の裏側に遊技盤3が設置されている」構成に代えて、前記周知例Aを適用して本願補正発明の相違点1に係る導電性材料によって形成されたミドル枠の前面に遊技盤を取り付ける構成とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項であるといえる。

相違点2について、遊技機分野において、一般的に、遊技盤を非導電性材料である木製合板等で形成することが周知(例えば、特開平11-333098号公報、特開平11-216231号公報参照。)である(以下、「周知例B」という。)から、引用例発明の「化粧盤30と遊技基板31と金属板32とで構成される遊技盤3」に代えて、前記周知例Bを適用して本願補正発明の相違点2に係る「非導電性材料によって形成された遊技盤」とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項であるといえる。

相違点3について、遊技機分野において、一般的に、内レールにアウト口部を一体的に設けることが周知(例えば、、特開2000-325573号公報、特開平8-168553号公報参照。)である(以下、「周知例C」という。)から、引用例発明の「内側のガイドレール」に、前記周知例Cを適用して本願補正発明の相違点3に係る「内側のレール部材が一体的にアウト口部を設けた構成」とした点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項であるといえる。

相違点4について、遊技機分野において、一般的に、誘導レールに取り付け用突起部材を一体的に設けることが周知{例えば、特開平6-261974号公報、実願平1-145783号(実開平3-83588号)のマイクロフィルム参照。}である(以下、「周知例D」という。)から、引用例発明の「レール釘33を各ガイドレール28と別体的に形成すること」に代え、前記周知例Dを適用して本願補正発明の相違点4に係る「ピンを各レール部材と一体的に形成した」点に格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項であるといえる。

相違点5について、静電気を逃すためには導電材に接触させればよいのであって、その導電材の形状や設置場所に格別の意義を見い出せないので、金属製導通部材の先端を直接接触させる対象部材を、本願補正発明の「ミドル枠」とするか引用例発明の金属板32とするかは 遊技盤上の静電気を逃す場所を何処にするかの違いにすぎず、引用例発明の金属板32に代えて、本願補正発明のミドル枠とすることに格別の創意工夫を要したとはいえず、当業者が必要に応じて容易に想到し得るものといえる。
またその際に、ピンの先端を二股状に形成することにおいて、一般的に、導通部材の接触面積を増加してアース機能を高めることが周知{例えば、実願平2-87946号(実開平4-46365号)のマイクロフィルム、実願平1-97259号(実開平3-37800号)のマイクロフィルム参照。}である(以下、「周知例E」という。)から、引用例発明のレール釘33に代え、前記周知例Eを適用して本願補正発明のピンの先端を二股状に形成した点も格別の発明力を要したとはいえず、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項であるといえる。

そして、本願補正発明が奏する効果は、引用例発明および周知例A?Eから当業者が予測し得るものであって格別のものとは認められない。
したがって、本願補正発明は、引用例発明および周知例A?Eに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成17年1月19日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年4月7日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「導電性材料によって形成されたミドル枠が、外枠に対して開閉自在に設置されており、そのミドル枠の前面に、非導電性材料によって形成された遊技盤が取り付けられており、その遊技盤の盤面上に、導電性材料によって形成されたレール部材が、導電性材料によって形成されたピンによって、略円周状に立設されたパチンコ機であって、
前記ピンを、前記レール部材と一体的に、且つその先端を二股状に形成するとともに、そのピンの先端がミドル枠に直接接触していることを特徴とするパチンコ機。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、および、その記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(4)」に記載したとおり、引用例発明および周知例A?Eに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例発明および周知例A?Eに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例発明および周知例A?Eに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願請求項2については検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-06 
結審通知日 2008-03-11 
審決日 2008-03-25 
出願番号 特願2001-12169(P2001-12169)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 太田 恒明  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 土屋 保光
林 晴男
発明の名称 帯電防止性能を有するパチンコ機  
代理人 石田 喜樹  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ