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審決分類 |
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G01T 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 G01T 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G01T 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G01T 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G01T |
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管理番号 | 1177330 |
審判番号 | 不服2007-11037 |
総通号数 | 102 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-06-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-04-17 |
確定日 | 2008-05-09 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第 82444号「画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する方法及びその装置」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 9月29日出願公開、特開平10-260260〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成9年3月17日に出願された特願平9-82444号であって、平成18年3月30日付けで拒絶理由通知がされ、同年6月5日付けで手続補正がされ、平成19年3月9日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年4月17日付けで審判請求がされるとともに手続補正がされたものである。 第2 平成19年4月17日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成19年4月17日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲について、補正前(平成18年6月5日付け手続補正書参照)に 「【請求項1】X線発生装置から発生する平行X線ビームをCCDの直前に配置する小さな孔を有する金属メッシュを介してCCDカメラにより撮像するとともに、前記金属メッシュの孔の間隔がCCD画素の間隔と等しくなるように配置することにより、画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する方法。 【請求項2】 (a)平行X線ビームを得るX線発生装置と、 (b)前記平行X線ビームを受けるとともに、CCDの直前に配置する小さな孔を有する金属メッシュとを備え、 (c)前記金属メッシュの孔の間隔がCCD画素の間隔と等しくなるように配置し、前記CCDで撮像するCCDカメラを具備することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項3】 請求項2記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュはX線を遮断するに十分な厚さを有することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項4】 請求項3記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記孔は12μm間隔で4μm径、平行X線ビームラインの長さが21m、前記CCD表面の前方約10mm位置に、メッシュ面とCCD受光面とは平行に配置することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項5】 請求項2、3又は4記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュは銅製であることを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項6】 請求項2、3又は4記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュは金製であることを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項7】 請求項2、3、4、5又は6記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュとCCDとの間のアラインメントは0.37°に傾き、モアレパターンを作り出すように配置してなることを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。」 とあったものを、 「【請求項1】 X線発生装置から発生する平行X線ビームをCCDの直前に配置する小さな孔を有し、かつ前記X線ビームの光軸に対して0.37°傾けた金属メッシュを介してCCDカメラにより撮像するとともに、前記金属メッシュの孔の間隔がCCD画素の間隔と等しくなるように配置することにより、画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する方法。 【請求項2】 (a)平行X線ビームを得るX線発生装置と、 (b)前記平行X線ビームを受けるとともに、CCDの直前に配置する小さな孔を有し、かつ前記X線ビームの光軸に対して0.37°傾けた金属メッシュとを備え、 (c)前記金属メッシュの孔の間隔がCCD画素の間隔と等しくなるように配置し、前記CCDで撮像するCCDカメラを具備することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項3】 請求項2記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュはX線を遮断するに十分な厚さを有することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項4】 請求項3記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュの孔は12μm間隔で4μm径、平行X線ビームラインの長さが21m、前記CCD表面の前方約10mm位置に、メッシュ面とCCD受光面とを平行に配置することを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項5】 請求項2、3又は4記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュは銅製であることを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。 【請求項6】 請求項2、3又は4記載の画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置において、前記金属メッシュは金製であることを特徴とする画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する装置。」 とする補正を含むものであるところ、その内容は、以下の(1)乃至(4)に示すとおりである。 (1)補正1 補正前の請求項1における「小さな孔を有する金属メッシュ」を、補正後の請求項1において「小さな孔を有し、かつ前記X線ビームの光軸に対して0.37°傾けた金属メッシュ」と補正する。 (2)補正2 補正前の請求項2における「小さな孔を有する金属メッシュ」を、補正後の請求項2において「小さな孔を有し、かつ前記X線ビームの光軸に対して0.37°傾けた金属メッシュ」と補正する。 (3)補正3 補正前の請求項4における「前記孔」という記載を、補正後の請求項4において「前記金属メッシュの孔」と補正する。 (4)補正4 補正前の請求項7を削除する。 2.新規事項の有無についての判断 (1)補正1,2について 本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書」という)には、補正1,2に係る「0.37°傾けた金属メッシュ」に関連して、段落【0034】に「シミュレーションと同じような解析を行った。算出したパラメータは、θ=0.37°、D=12.2mmである。」と記載されており、また、図1を参照すると、「金属メッシュ」をCCD表面と平行な面内において傾けたことは読み取れる。 しかし、「金属メッシュ」を、「X線ビームの光軸に対して0.37°傾け」ることは、当初明細書には記載されておらず、その記載からも自明の事項とも認めることができない。 したがって、当該補正1,2は、当初明細書に記載されていた事項の範囲内でなされたものとは認められない。 3.補正の目的の適否についての判断 (1)補正1について 仮に、「X線ビームの光軸に対して」傾けたことが、当初明細書の記載から自明である場合、補正前の請求項1には、「金属メッシュを介してCCDカメラにより撮像する」ことが記載されているのみであって、「金属メッシュを傾けた」という発明特定事項が記載されていないので、当該補正1は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項を限定する補正とはいえない。 したがって、補正1は、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当しない。さらに、補正1は、請求項の削除、誤記の訂正、明りようでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反してなされたものであり、また、仮に、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす場合、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号(特許請求の範囲の限定的減縮)を目的とするものに該当せず、同第1号(請求項の削除)、第3号(誤記の訂正)及び第4号(明りようでない記載の釈明)に掲げるのいずれの事項を目的とするものにも該当しないので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 4.独立特許要件についての検討 本件補正が、仮に、当初明細書の記載の範囲内でなされ、かつ、特許請求の範囲の減縮を目的とする場合、本件補正後における特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かを以下に検討する。 4-1.明細書の記載について 平成18年6月5日付けの手続補正により補正された明細書の発明の詳細な説明は、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明について、当業者がその発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものか否かについて検討する。 請求項1に係る発明に関して、発明の詳細な説明には、以下の記載がある。 (1)「【0009】 本発明は、上記した状況に鑑みて、如何なるタイプのCCDにも簡単に適用することができ、画素内部の場所毎のX線検出効率を測定可能な画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する方法及びその装置を提供することを目的とする。」 (2)「【0017】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 【0018】 CCDは、各画素における積分型センサであり、得られる空間的分解能は、画素サイズで決まり、画素内の細かい構造による検出効率の差はわからない。 【0019】 そこで、この点を改善するため、本発明は、CCD画素と直線に並べた小さな孔で構成される金属メッシュをCCDの前方に配置する。この金属メッシュの孔を通過したX線は、一定の間隔を置いてCCD上に到達する。ここでは、金属メッシュの孔の間隔がCCD画素の間隔と等しくなるように設計した。しかしながら、メッシュとCCDとの間のアラインメントは僅かに傾き、モアレパターンを作り出す。モアレパターンを見れば、メッシュとCCDとの正確なアラインメントが分り、このことにより、画素内部におけるX線の入射位置を決定することができる。」 (3)「【0030】 Dn はCCD3のn番目の画素の出力、M(x)はメッシュの透過率、E(X)はCCDの検出効率、H(x)はメッシュ孔の典型的な形状、L(x)はメッシュの孔の位置、sは孔の間隔、XはCCD上の座標、aはビームラインの長さが有限であることによるメッシュの影の拡大率であり、R(θ)はメッシュ座標xとCCD座標Xとの回転行列、X_(off) はメッシュ座標xとCCD座標X間のオフセットである。 【0031】 それゆえ、以下の式を得る。 【0032】 【数6】 」 (4)「【0034】 最初に、電荷の転送方向にのみ変化する画素内の検出効率の変化を仮定することにより、シミュレーションを行った。 【0035】 図2はそのモアレパターンを示すシミュレーションである。このシミュレーションでは、検出効率が電荷の転送方向に沿って0から1へ直線的に変化すると仮定した。実際には、測定するエネルギー範囲では画素内の相対的検出効率の変化は0.95?1である。シミュレートしたデータをつくった後、そのデータからパラメータの決定を試みた。一旦全てのパラメータを仮定すると、Dn が表す画素内部の位置を算出することができる。これにより、Dn を再配置して画素内の正確な応答を得ることができる。」 (5)「【0036】 画素を各々が画素内部の位置を表す12×12の要素に分割する。次に、D_(n )に相当する要素を計算する。この方法で、すべての画素データを特定の要素に配分していくことができる。最後に、各要素に対して平均X線強度を決定する。ごく特殊な条件においては、すべての要素に対するX線強度を決定できないことがある。例えば、θ=0、a=1において、すべての画素データは、画素内部の特定した要素に対応する。しかし、実際的観点から見れば、前述したように、画素データがほぼ一様に12×12の要素に散らばるために、すべての要素に対して常に強度を決定することができる。 【0037】 次に、パラメータを様々に組み合わせて、12×12要素に対するデータ分散を算出する。 【0038】 図3はθに対するデータ分散の例を示す。この図において、横軸はθ(角度)、縦軸はデータ分散を示している。 【0039】 大きなピークはθの真の値である。約(1/1000)radずつの間隔をあけて、数個の小さなピークが見られる。これらのピークは、メッシュが有限であるということにより生じる。このシミュレーションから、(1/1000)radよりはるかに小さい正確さでθを決定しなければならないことが分かった。 【0040】 データ解析において、aもまた重要な役割を持つ。X線の発光点はメッシュから21m離れており、CCD上のメッシュの影はある程度拡大し、メッシュの穴の間隔も拡大する。もし完全に平行なX線ビームを用いたとしても、aに影響するような要因がいくつか存在する。CCDは-50℃に冷却される一方、メッシュはそのままの状態にしておくために、メッシュとCCDの熱膨張の差が要因となり得る。メッシュとCCDの製造プロセスに起因するエラーも要因となる。 【0041】 ここでは、aが、単にDの影響を受けるのみであると仮定するが、測定したa値は、上記の影響を全て含む。そこで、12×12の要素のデータ分散を最大にすることによりDを決定する。 【0042】 また、X_(off )は12×12の要素のデータ分散の値に影響しないことを確かめた。X_(off )は結果を単にずらせるだけである。 【0043】 それゆえ、データ分散を最大にすることにより、θとaを決定することができるが、X_(off )の決定方法は後の章で記述する。」 4-2.当審の判断 (1)モアレパターンからメッシュとCCDとの正確なアラインメントが求められるか 発明の詳細な説明には、モアレパターンから金属メッシュとCCDとの間の傾きθ、メッシュの影の拡大率a、メッシュ座標xとCCD座標X間のオフセットX_(off)というパラメータを決定することにより、メッシュとCCDとの正確なアラインメントを求めることが記載されている。 しかし、発明の詳細な説明の記載を検討したが、画素データの、画素内部の位置を表す要素への配分をどのようにするのかが不明であるために、金属メッシュとCCDとの間の傾きθ、メッシュの影の拡大率a、メッシュ座標xとCCD座標X間のオフセットX_(off)をどのようにして決定するのか不明である。 したがって、金属メッシュとCCDとの間の傾きθ、メッシュの影の拡大率a、メッシュ座標xとCCD座標X間のオフセットX_(off)を決定することがどのようにすれば可能であるのか不明であるために、発明の詳細な説明には、モアレパターンからメッシュとCCDとの正確なアラインメントを求めることについて、当業者が容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものとはいえない。 (2)画素内部の場所毎のX線検出効率を測定可能な画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定することは可能か 発明の詳細な説明には、メッシュとCCDとの正確なアラインメントが分り、このことにより、画素内部におけるX線の入射位置を決定することができるということが記載されている。 しかしながら、上記(1)で述べたように、金属メッシュとCCDとの間の傾きθ、メッシュの影の拡大率a、メッシュ座標xとCCD座標X間のオフセットX_(off)を決定することがどのようにすれば可能であるのか不明であるので、メッシュとCCDとの正確なアラインメントを求めることがどのようにすれば可能であるのか不明であるから、D_(n)が表す画素内部の位置を算出することがどのようにすれば可能となるのかが不明である。また、D_(n)をどのように再配置すれば画素内の正確な応答を得ることが可能であるのかが不明である。 したがって、発明の詳細な説明は、請求項1に係る発明の、画素内部の場所毎のX線検出効率を測定可能な画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定することがどのようにすれば可能となるのかが不明であり、当業者が、容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものとはいえない。 なお、本願明細書の発明の詳細な説明が、明確かつ十分に記載されていない旨は、原審の審査官が平成18年3月30日付け拒絶理由通知で指摘している。 (3)小括 したがって、依然として、本願明細書の発明の詳細な説明は、請求項1に係る発明について当業者が容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものということができない。 4-3.特許請求の範囲の記載について 平成19年4月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明が明確であるか否かについて検討する。 方法の発明を記載した請求項1には、「画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する」という事項が記載されているが、前記事項は、機能により方法の発明を特定する事項を含むために、その発明の範囲が不明確である。また、上記3-2.で述べたように、画素内部の場所毎のX線検出効率を測定可能な画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定することがどのようにすれば可能となるのかが不明であるので、請求項1に係る発明は明確ではない。 なお、請求項1に係る発明が明確でない点については、原審の審査官が平成18年3月30日付け拒絶理由通知で指摘している。 したがって、依然として、本願の特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明は明確ではない。 4-4.独立特許要件の検討についての結び 本件補正は、仮に、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たし、かつ、特許請求の範囲の減縮を目的とする場合であっても、以上のとおり、本願は、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、請求項1に係る発明は特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たさないものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願明細書について 1.本願明細書 平成19年4月17日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願明細書は、平成18年6月5日付けの手続補正により補正された明細書となる。 2.本願明細書の記載について 本願明細書の発明の詳細な説明は、特許請求の範囲の請求項1に係る発明について、当業者がその発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものか否かについて検討する。 請求項1に係る発明に関して、発明の詳細な説明には、「第2[理由]3-1.」に記載したとおりの記載がある。 すると、本願明細書の発明の詳細な説明は、「第2[理由]3-2.」に記載したとおり、請求項1に係る発明について当業者が容易にその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものということができない。 3.特許請求の範囲の記載について 平成18年6月5日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明が明確であるか否かについて検討する。 方法の発明を記載した請求項1には、「画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する」という事項が記載されているが、前記事項は、機能により方法の発明を特定する事項を含むために、その発明の範囲が不明確である。また、上記「第2[理由]3-2.」で述べたたように、画素内部の場所毎のX線検出効率を測定可能な画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定することがどのようにすれば可能となるのかが不明であるので、請求項1に係る発明は明確ではない。 4.むすび 以上のとおり、本願は、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結審のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-02-29 |
結審通知日 | 2008-03-11 |
審決日 | 2008-03-25 |
出願番号 | 特願平9-82444 |
審決分類 |
P
1
8・
537-
Z
(G01T)
P 1 8・ 561- Z (G01T) P 1 8・ 536- Z (G01T) P 1 8・ 57- Z (G01T) P 1 8・ 575- Z (G01T) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 青木 洋平、村田 尚英 |
特許庁審判長 |
末政 清滋 |
特許庁審判官 |
安田 明央 江塚 政弘 |
発明の名称 | 画素よりも細い分解能でCCDのX線検出効率を測定する方法及びその装置 |
代理人 | 清水 守 |