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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1177430
審判番号 不服2004-3049  
総通号数 102 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-02-16 
確定日 2008-05-07 
事件の表示 特願2000-149182「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成13年11月27日出願公開、特開2001-327658〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年5月22日の出願であり、平成16年1月7日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年2月16日に拒絶査定不服の審判が請求されたものであって、その請求項1に係る発明は、平成15年11月18日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。)
「周囲に複数の図柄を表示した回転リールと、
前記回転リールの回転を制御すると共に、一定確率で入賞図柄の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機において、
前記制御装置は、
複数の演出内容の所定回数の実施予定の順列を記憶するための演出内容記憶手段と、前記演出内容記憶手段における複数の演出内容の所定回数の実施予定の順列を記憶するための演出順列記憶手段とを備え、
所定の契機に、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により、並べ替えるための演出選択抽選手段が設けられ、
前記演出順列記憶手段における実施予定の演出内容の順列に基づいて、当該順列の途中まで実施した後、残りの順列の演出内容を実施することなく、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の実施予定の全ての順列を、抽選により、新たに並べ替えて、次の実施予定の順列としていると共に、
前回実施の演出内容を記憶するための演出履歴記憶手段を備え、前記演出選択抽選手段は、前記演出順列記憶手段に記憶した順列のうち、最後の回に実施した演出内容を除いた複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により、並べ替えて、次の演出内容の実施予定の順列としていることを特徴とする遊技機。」

2.引用発明
引用刊行物
1.特開2000-24172号公報
2.特開2000-126365号公報
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された上記の各刊行物には、それぞれ次の発明が記載されている。

引用刊行物1(特開2000-24172号公報)
引用刊行物1には、次の記載がある。
1-a「【請求項1】 複数種の図柄が所定数配列され順次繰り返し表示する図柄表示部と、該図柄表示部の繰り返し表示を開始させる操作開始部と、前記図柄表示部の繰り返し表示を停止させる停止操作部と、内部抽選処理を行うと共に該停止操作部の停止操作により入賞ライン上に並んで表示された図柄組合せ遊技装置において、前記図柄表示部に表示される図柄の組み合わせ結果に応じた複数の音が記憶された記憶手段と、所定の組み合わせとなった場合、前記記憶手段に記憶された複数の音の中から一の音を選択する選択手段と、を備えることを特徴とする図柄組合せ遊技装置。
【請求項3】 前記請求項1記載の図柄組合せ遊技装置であって、前記選択手段は、前記図柄表示部に表示される図柄が所定の組合せとなった場合、前回と異なる音を選択することを特徴とする図柄組合せ遊技装置。」(特許請求の範囲の請求項1、請求項3)
1-b「回胴6A?6Cは、偏平円筒状をなし外周面に複数種の図柄7が一周に亘って配列されたものであり、かかる回胴6A?6Cが3個左右水平方向に指向した回転申心軸を中心に回転自在に支持され、それぞれステップモータ18により同一方向に回転され、各図柄表示窓5には対応する回胴6A?6Cの前面に位置した3個の図柄7が表示される。」(段落【0021】)
1-c「・・・図柄組合せ遊技装置1は、内蔵されたマイクロコンピュータ20により制御され、CPU21の演算処理によりゲームを進行させる。また、CPU21は、ROM22に書き込まれた制御プログラムに従いRAM23を利用して信号処理・駆動制御・抽選作業などを行う。また、ROM22には、予め決められた入賞の図柄組合せ、各入賞の当選確率、払出し枚数等のテーブルが書き込まれている。さらに、ROM(記憶媒体)22には、レギュラーボーナスやビッグボーナス等の入賞ランク及びテンパイに応じたメロディ(音、入賞音)が夫々複数種ずつ登録されている。そのため、CPU21は、後述するようにレギュラーボーナスやビッグボーナス等の入賞あるいはテンパイとなったとき、停止操作から回胴6A?6Cが停止するまでの時間に基づいて異なるメロディ(入賞音)が発音されるように選択処理を行う。」(段落【0027】)
1-d「本実施の形態では、テンパイとなったときはテンパイ音(音、メロディ)1としての「即止まりテンパイ音」又はテンパイ音2としての「スベリテンパイ音」がスピーカ17から流れる。また、レギュラーボーナスやビッグボーナス等の入賞となったときは、入賞音1としての「即止まり入賞音」又は入賞音2としての「スベリ入賞音」がスピーカ17から流れる。」(段落【0028】)
1-e「一方CPU21からは、出力ポート25を介してモータ駆動回路35に指示信号が出力される。そして、同モータ駆動回路35は3個のステッピングモータ18を駆動して前記3個の回胴6をそれぞれ回転制御する。・・・」(段落【0030】)
1-f「・・・CPU21による制御手順を図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6に示されるように、ステップS1(以下「ステップ」を省略する)でメダルを投入し、S2でスタートレバー12を引くと、S3で3個の回胴6A?6Cが一斉に回転を開姶してゲームが開姶されると共に、内部抽選処理が行われる。
この内部抽選処理により、図柄組合せが所定の確率で選定され、その図柄組合せから当選(内部当選)か外れかが決定される。」(段落【0036】【0037】)
1-g「また、S34では、前回ビッグボーナスのときに入賞音2が選択されたかどうかをチェックする。前回入賞のとき入賞音2が選択された場合には、S35に進み、入賞音1を選択する。また、S34で前回入賞のときに入賞音1が選択された場合には、S30に進み、入賞音2を選択する。このように、入賞音1と入賞音2とが交互に選択されるので、毎回同じメロディでマンネリ化することを防止できる。
尚、上述のテンパイ音及び入賞音は、2種類に限らず、複数あっても同様の処理で前回の入賞音又はテンパイ音とは別の音が選択されるように構成される。」(段落【0048】【0049】)

上記の記載より、引用刊行物1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「外周面に複数種の図柄7が一周に亘って配列された回胴6A?6Cと、CPU21から出力される指示信号により、3個のステッピングモータ18を駆動して前記回胴6A?6Cをそれぞれ回転制御するモータ駆動回路35とを備え、ゲームが開始されると、CPU21において、図柄組合せが所定の確率で選定され、その図柄組合せから当選か外れかが決定される内部抽選処理を行い、CPU21はレギュラーボーナスやビッグボーナスの入賞ランクに応じたメロディ(音、入賞音)が複数種ずつ記憶された記憶手段を備え、ビッグボーナスの入賞となったとき、前回入賞のときに選択された入賞音をチェックし、前回入賞のとき入賞音2が選択された場合には、入賞音1を選択し、また、前回入賞のときに入賞音1が選択された場合には、入賞音2を選択することで、入賞音1と入賞音2とが交互に選択され、さらに入賞音は2種類に限らず、複数あっても同様の処理で前回の入賞音とは別の音が選択されるように構成される図柄組合せ遊技装置。」

引用刊行物2(特開2000-126365号公報) 引用刊行物2には、次の記載がある。
2-a「【請求項1】 遊技媒体の投入を条件に遊技を行わせるとともに、所定の条件が達成された場合に、通常遊技と比較して遊技者に有利な特別遊技を行わせる遊技機において、複数の効果音パターンを記憶した効果音パターン記憶手段と、所定の条件に基づいて、前記効果音パターン記憶手段に記憶された複数の効果音パターンの中からいずれか一つの効果音パターンを選択するための効果音パターン選択手段と、前記特別遊技が発生した場合に、前記効果音パターン選択手段により選択された効果音パターンに基づく効果音を発生させることにより、遊技者に対して前記特別遊技の発生を報知するための報知手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】 前記効果音パターン選択手段は、所定の数値範囲内で乱数を発生させるための乱数発生手段を備え、前記乱数発生手段により発生させた乱数値に基づいて、効果音パターンを選択することを特徴とする請求項1記載の遊技機。」(特許請求の範囲の請求項1、請求項2)
2-b「すなわち、図4に示すように、ビッグボーナス・ゲームの発生を報知する入賞音は、入賞音1?入賞音3の3種類となっており、抽選した乱数値が「0」の場合には、入賞音1を選択し、抽選した乱数値が「1」「4」「5」の場合には、入賞音2を選択し、抽選した乱数値が「2」「3」「6」「7」の場合には、入賞音3を選択する。したがって、入賞音1が発生する確率は1/8であり、入賞音2が発生する確率は3/8であり、入賞音3が発生する確率は、4/8である。」(段落【0061】)

3.対比・判断
本願発明と引用発明1とを対比すると、引用発明1における「外周面に複数種の図柄7が一周に亘って配列された」は本願発明における「周囲に複数の図柄を表示した」に相当し、同様に、「回胴6A?6C」は「回転リール」に、「所定の確率」は「一定確率」に、「CPU21」は「制御装置」に、「遊技装置」は「遊技機」に、それぞれ相当しており、さらに引用発明1について次のことがいえる。

(i) 引用発明1は、「外周面に複数種の図柄7が一周に亘って配列された回胴6A?6C」を備えており、上記「回胴6A?6C」は、「CPU21から出力される指示信号」により「回転制御」され、「ゲームが開始されると、CPU21において、図柄組合せが所定の確率で選定され、その図柄組合せから当選か外れかが決定され」る「遊技装置」であり、同引用発明1は、本願発明を特定する「周囲に複数の図柄を表示した回転リールと、前記回転リールの回転を制御すると共に、一定確率で入賞図柄の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機」の事項に相当する構成を備えている。

(ii) 引用発明1において、「CPU21は、レギュラーボーナスやビッグボーナス等の入賞ランクに応じたメロディ(音、入賞音)が複数種ずつ記憶された記憶手段」を備えており、(複数の)「メロディ(音、入賞音)」(以下、「入賞音」という。)は、「レギュラーボーナスやビッグボーナス等の入賞ランクに応じ」て演出される「演出内容」であるということができるとともに、「CPU21」が備える上記「記憶手段」は、「演出内容」を記憶する「演出内容記憶手段」であるということができる。
以上をまとめると、引用発明1において、「CPU21(制御装置)は、複数の演出内容を記憶するための演出内容記憶手段を備え」ている、と表現することができる。
一方、本願発明において、「前記制御装置は、複数の演出内容の所定回数の実施予定の順列を記憶するための演出内容記憶手段」を備えており、上記「演出内容記憶手段」を、「複数の演出内容を記憶するための」もの、と包括的に表現することができる。
そうすると、本願発明と引用発明1とは、「制御装置は、複数の演出内容を記憶するための演出内容記憶手段を備え」ている点で共通しているといえる。

(iii) 引用発明1は、「ビッグボーナスの入賞となったとき、記憶手段に記憶された複数の音の中から前回の入賞音とは別の音が選択される」ものであり、上記(ii)に記載したように、「入賞音」を「演出内容」と表現することができる。また、上記した「選択」が行われる、「ビッグボーナスの入賞となったとき」を、「所定の契機」と表現することができる。
以上をまとめると、引用発明1には、「所定の契機に、演出内容を選択する選択手段が設けられ」ているということができる。
一方、本願発明は、「所定の契機に、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により、並べ替えるための演出選択抽選手段が設けられ」るものであり、「演出選択抽選手段」が行う、「所定の契機に、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により、並べ替える」ことを、「所定の契機に、演出内容を選択する」ことと包括して表現することができるとともに、「演出選択抽選手段」を「選択手段」と包括して表現することができる。
そうすると、本願発明と引用発明1とは、「所定の契機に、演出内容を選択する選択手段が設けられ」ている点で共通しているといえる。

(iv) 引用発明1が備える、「記憶手段に記憶された複数の音(入賞音)の中から一の音(入賞音)を選択する選択手段」は、「図柄表示部に表示される図柄が所定の組合せとなった場合、前回と異なる音(入賞音)を選択する」よう構成されており、同引用発明1は、前回実施の「入賞音」(「演出内容」)を記憶するための記憶手段を実質的に備えているということができ、当該「記憶手段」は、実質上、本願発明における「演出履歴記憶手段」に相当するものといえる。
そうすると、引用発明1は、本願発明を特定する「前回実施の演出内容を記憶するための演出履歴記憶手段を備え」の事項に相当する構成を備えているといえる。

(v) 上記(iv)に記載したように、引用発明1が備える「選択手段」は、「図柄表示部に表示される図柄が所定の組合せとなった場合、前回と異なる音(入賞音)を選択する」よう構成されており、同引用発明1は、前回(すなわち、「最後の回」と表現することができる。)に実施した「入賞音」(「演出内容」)を除いた「入賞音」(「演出内容」)を選択して、次の実施予定の「入賞音」(「演出内容」)としている「遊技装置」(「遊技機」)であるといえる。
一方、本願発明は、「前記演出選択抽選手段は、前記演出順列記憶手段に記憶した順列のうち、最後の回に実施した演出内容を除いた複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により、並べ替えて、次の演出内容の実施予定の順列としていることを特徴とする遊技機」であり、上記(iii)に記載したように、「演出選択抽選手段」を「選択手段」と包括して表現することができるとともに、本願発明が備える上記の発明特定事項を「前記選択手段は、最後の回に実施した演出内容を除いた演出内容を選択して、次の演出内容としている遊技機」と包括して表現することができる。
そうすると、本願発明と引用発明1とは、「前記選択手段は、最後の回に実施した演出内容を除いた演出内容を選択して、次の演出内容としている遊技機」である点で共通しているといえる。

上記の事項により、本願発明と引用発明1とは、以下の点で一致し、また相違していると認められる。
一致点;
周囲に複数の図柄を表示した回転リールと、前記回転リールの回転を制御すると共に、一定確率で入賞図柄の抽選を行うための制御装置とを備えた遊技機において、前記制御装置は、複数の演出内容を記憶するための演出内容記憶手段を備え、所定の契機に、演出内容を選択する選択手段が設けられ、前回実施の演出内容を記憶するための演出履歴記憶手段を備え、前記選択手段は、最後の回に実施した演出内容を除いた演出内容を選択して、次の実施予定の演出内容としている遊技機、である点。

相違点;
(A)(A-1) 演出内容記憶手段が、本願発明では、所定回数の実施予定の順列 を記憶するためのものであるのに対して、引用発明1では、所定回数の 実施予定の順列を記憶するためのものでなく、
(A-2) 本願発明は、前記演出内容記憶手段における複数の演出内容の所 定回数の実施予定の順列を記憶するための演出順列記憶手段を備えてい るのに対して、引用発明1は、複数の演出内容の所定回数の実施予定の 順列を記憶するための記憶手段を備えていない点。
(B)(B-1) 本願発明には、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の 実施予定の順列を、抽選により、並べ替えるための演出選択抽選手段が 設けられているのに対して、引用発明1には、複数の演出内容の実施予 定の順列を、抽選により、並べ替えるための手段が設けられておらず、
(B-2) 最後の回に実施した演出内容を除いた演出内容の選択が、本願発 明では、前記演出順列記憶手段に記憶した順列のうち、最後の回に実施 した演出内容を除いた複数の演出内容の実施予定の順列を、抽選により 、並べ替えて、次の演出内容の実施予定の順列としているのに対して、 引用発明1では、前回入賞のときの入賞音をチェックすることで前回の 入賞音とは別の入賞音が発音されるように記憶手段に記憶された複数の 入賞音の中から一の入賞音を選択するものである点。

(C) 演出内容の実施が、本願発明では、前記演出順列記憶手段における実施予定の演出内容の順列に基づいて、当該順列の途中まで実施した後、残りの順列の演出内容を実施することなく、前記演出順列記憶手段における複数の演出内容の実施予定の全ての順列を、抽選により、新たに並べ替えて、次の実施予定の順列としているのに対して、引用発明1では、実施予定の入賞音の順列に基づいて、当該順列の途中まで実施するものでなく、残りの順列の入賞音を実施することなく、記憶手段における複数の入賞音の実施予定の全ての順列を、抽選により、新たに並べ替えて、次の実施予定の順列を選択するものでない点。

上記の相違点について検討する。
相違点(A)について
「相違点(B)について」において後記するように、実質的に3種類以上からなる複数の「入賞音」(「演出内容」)を備えた引用発明1における「記憶手段」に、所定回数の実施予定の「入賞音」(「演出内容」)を順列として記憶させておくことは、当業者にとって容易想到というべきである。
そうすると、引用発明1における上記「記憶手段」は、実質的に、
(A-1) 複数の「入賞音」(「演出内容」)の所定回数の実施予定の順列を記憶するためのものとなり、
(A-2) 複数の「入賞音」(「演出内容」)の所定回数の実施予定の順列を記憶するための記憶手段(本願発明における「演出順列記憶手段」に相当するもの。)を備えることとなる。

相違点(B)について
引用発明1における「入賞音」は、「2種類に限らず、複数あって」も「前回の入賞音とは別の音が選択されるように構成される」ものであり、同引用発明1は、実質的に3種類以上からなる複数の「入賞音」を備える「遊技装置」(「遊技機」)を含むものである。
また、引用発明1は、上記した3種類以上からなる複数の「入賞音」の中から「一の入賞音を選択する」に際して、「前回入賞のとき」の「入賞音」を「チェック」し、当該「入賞音」を除いた複数種類からなる残りの「入賞音」の中から「異な」る「入賞音」を「選択」することで「毎回同じメロディでマンネリ化することを防止」(摘示1-g)している。
引用発明1が、複数種類からなる残りの「入賞音」の中から、「前回」に実施した「入賞音」とは「異な」る「入賞音」を、どのように「選択」するかについて、引用刊行物1には具体的な記載はないが、複数種類を時系列にしたがって出現させる場合の、出現順の決定においては、
一般に、(1)出現順を固定して輪番とする
(2)複数種類の出現順を予め抽選で決めてその順番で回す
(3)次に出現する種類のみを抽選で決め、これを繰り返し行う、
の3通りのいずれかが適宜選択されているのが通例であり、遊技機においても、上記(1)及び(3)はもちろんのこと、(2)についても、例えば、複数種類の出現予定の順番を抽選により予め順列として決めておき、当該順列にしたがって出現させるとともに、さらに前記順列を抽選により新たに並べ替えて次の出現予定の順列とすることで、出現内容に多様性を持たせることが、下記の周知例1及び2に示されるように周知である。
以上を総合勘案すると、引用発明1において、「前回」に出現した「入賞音」とは「異な」る「入賞音」を「選択」する際に、複数種類からなる残りの「入賞音」の出現予定の順番を抽選により予め順列として決めておき、当該順列にしたがって出現させるとともに、さらに前記順列を抽選により新たに並べ替えて次の出現予定の順列とすることは、当業者が容易に想到することができたものであり、抽選により予め決められる順列は、引用発明1が備える「記憶手段」に記憶されることは明らかである。
そうすると、引用発明1が行う「入賞音」(「演出内容」)の選択手段は(B-1)「記憶手段」に記憶された複数の「入賞音」(「演出内容」)の出現(実施)予定の順列を、抽選により、並べ替えるための選択手段(本願発明における「演出選択抽選手段」に相当するもの。)となり、
(B-2)「記憶手段」に記憶された複数の「入賞音」(「演出内容」)の順列のうち、「前回」(「最後の回」)に出現(実施)した「入賞音」(「演出内容」)を除いた複数の「入賞音」(「演出内容」)の出現(実施)予定の順列を、抽選により、並べ替えて、次の「入賞音」(「演出内容」)の出現(実施)予定の順列とすることとなる。

相違点(C)について
「相違点(A)について」及び「相違点(B)について」に記載したように、引用発明1において、記憶手段(本願発明における「演出順列記憶手段」に相当するもの。)における複数の「入賞音」(「演出内容」)の実施予定の順列を、所定の契機に、抽選により、並べ替えて、次の「入賞音」(「演出内容」)の実施予定の順列とするように構成することは当業者が容易に想到することができたものである。
ところで、刊行物2には、遊技機において、複数の演出内容の中から抽選により単一の演出内容を選択して、抽選に当たった当該演出内容を実施し、抽選に外れた残りの演出内容については、これらを実施することなく、次の演出を行う契機が生ずる毎に全ての演出内容の中から抽選により新たに単一の演出内容を選択する選択手段が記載されており、当該選択手段は、上記した、複数種類を時系列にしたがって出現させる場合の一般的な出現順決定の手法のうちの(3)に該当するものである。
そして、上記した出現順決定の手法に照らすと、複数の演出内容の中から次に出現予定の演出内容を、複数の演出内容の順列として、抽選により、並べ替えた場合においても、実施予定の演出内容の順列について、必ずしもこれらの全てを実施しなければならないわけではなく、当該順列の途中まで実施すれば、すでに実施された順列に係る演出内容は、抽選に当たった演出内容とかわるところがなく、未だ実施されていない順列に係る演出内容は、抽選に外れた残りの演出内容とかわるところがないことは、当業者にとって自明であり、当該順列の途中まで実施した後、残りの順列の演出内容を実施することなく、複数の演出内容の実施予定の全ての順列を、抽選により、新たに並べ替えて次の実施予定の順列とすることも、上記した一般的な出現順決定の手法を熟知した当業者が適宜に行うことである。
そうすると、記憶手段(「演出順列記憶手段」)における複数の「入賞音」(「演出内容」)の実施予定の順列を、抽選により、並べ替えて、次の「入賞音」(「演出内容」)の実施予定の順列とするように構成するに到った引用発明1において、前記記憶手段(「演出順列記憶手段」)における実施予定の「入賞音」(「演出内容」)の順列に基づいて、当該順列の途中まで実施した後、残りの順列の「入賞音」(「演出内容」)を実施することなく、前記記憶手段(「演出順列記憶手段」)における複数の「入賞音」(「演出内容」)の実施予定の全ての順列を、抽選により、新たに並べ替えて、次の実施予定の順列とすることは、当業者が適宜に行う単なる設計事項にすぎない。

そして上記の各相違点に係る発明特定事項を備えた本願発明が奏する効果も、引用発明1及び周知技術が本来奏する効果の範囲内のものであって格別なものとはいえない。
したがって、本願発明は、引用発明1および周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

【周知例】
周知例1:特開2000-84170号公報 可変表示手段でのスクロール表示において、各表示領域に図柄が停止する順番は、順列として全部で6通りの図柄停止パターンが設定され、図柄変動遊技の開始前に予め抽選され、図柄停止通知手段37により、図柄停止順番を特定図形である三角形マークの色と向きとの組み合わせにより遊技者に識別可能に表示するようになっており、表示制御手段102は、CPU120を中心にROM121、RAM122から構成されており、RAM122には、上記図柄停止パターンの記憶領域が設けられている遊技機。(【0007】【0016】【0020】【0035】【0040】-【0042】【0050】【0053】-【0055】)

周知例2:特開平9-215829号公報
図柄の表示変化モードを複数パターン記憶した記憶手段(ROM40)を備え、第1の表示変化モードである図柄切り替え方式と、第2の表示変化モードであるスクロール方式と、第3の表示変化モードであるトランプめくり方式とを備え、外れリーチが終了する毎に表示変化モードを変更するように構成され、モード変更手段は、すでに設定されている表示変化モードを除いて次のモードを選択するようにし、例えば、第1の表示変化モードが終了したときに第2の表示変化モード又は第3の表示変化モードの何れか一方を選択し、選択したモードが終了したときに残ったモードを設定するパチンコ機。(特許請求の範囲の請求項1、請求項2、【0038】【0044】【0045】【0050】【0051】【0057】【0094】)

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-03 
結審通知日 2008-03-06 
審決日 2008-03-19 
出願番号 特願2000-149182(P2000-149182)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 澤田 真治  
特許庁審判長 小原 博生
特許庁審判官 渡部 葉子
太田 恒明
発明の名称 遊技機  
代理人 黒田 博道  
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