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審決分類 |
審判 査定不服 特29条特許要件(新規) 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1178184 |
審判番号 | 不服2005-15896 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-08-18 |
確定日 | 2008-05-15 |
事件の表示 | 特願2002-243830「知識共有システムおよび共有文書の条件検索方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 3月18日出願公開、特開2004- 86332〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年8月23日の出願であって、平成17年7月11日付(発送日:7月19日)で拒絶査定がされ、これに対し、平成17年8月18日に拒絶査定不服審判が請求され、平成17年9月16日付で手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の特許請求の範囲は、平成17年9月16日付の手続補正により補正されたが、当該補正は、実質的に、平成17年4月22日付け手続補正書で補正された特許請求の範囲のうち、請求項1、請求項5ないし請求項12、請求項16、請求項17を削除し、請求項2ないし請求項4、請求項13ないし請求項15を、新たな請求項1ないし請求項6としたものと認められ、特許法第17条の2第4項の規定を満たしているから、本願の請求項に係る発明は、平成17年9月17日付の手続補正により補正された請求項1ないし請求項6に記載されたとおりのものと認める。 そして、本願の請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、以下のとおりである。 「【請求項1】 文書情報を蓄積した知識データベースと、 前記知識データベースをアクセスして参照した文書情報に対して設定した評価を登録する第1の処理手段と、 前記第1の処理手段により登録された評価の内容を該当する文書情報に付随して保存し管理する第2の処理手段と、 前記評価を条件に検索が指示された際に、前記第2の処理手段により保存された評価の内容を参照して前記指示された評価を検索条件に、前記知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する第3の処理手段と を具備したことを特徴とする知識共有システム。」 3.引用文献 原査定の拒絶理由に引用文献1として引用された、特開2002-215638号公報(以下、引用文献1という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 ノウハウに関する情報を処理するノウハウ情報処理装置と、情報提供者と情報利用者の少なくとも一方の情報端末装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたノウハウ情報処理システムであって、 上記ノウハウ情報処理装置は、 上記情報提供者のノウハウに関するノウハウ情報を格納するノウハウ情報格納手段と、 上記ノウハウ情報格納手段にて格納された上記ノウハウ情報に対する評価に関する評価情報を格納する評価情報格納手段と、 を備えたことを特徴とするノウハウ情報処理システム。」 (イ)「【請求項3】 上記評価情報格納手段にて格納された上記評価情報に基づいて、上記ノウハウ情報格納手段にて格納された上記ノウハウ情報の中から、所定の基準に合致する上記ノウハウ情報を抽出する抽出手段、 をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のノウハウ情報処理システム。 【請求項4】 ノウハウに関する情報の情報提供者と情報利用者の少なくとも一方の情報端末装置に対して、ネットワークを介して通信可能に接続して構成されたノウハウ情報処理装置であって、 上記情報提供者のノウハウに関するノウハウ情報を格納するノウハウ情報格納手段と、 上記ノウハウ情報格納手段にて格納された上記ノウハウ情報に対する評価に関する評価情報を格納する評価情報格納手段と、 を備えたことを特徴とするノウハウ情報処理装置。 【請求項5】 上記ノウハウ情報の上記情報提供者の上記情報端末装置に対して、上記ノウハウ情報に対する上記評価情報を送信する評価情報送信手段、 をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載のノウハウ情報処理装置。」 (ウ)「【0010】 また、請求項3に記載のノウハウ情報処理システムは、請求項1または2に記載のノウハウ情報処理システムにおいて、上記評価情報格納手段にて格納された上記評価情報に基づいて、上記ノウハウ情報格納手段にて格納された上記ノウハウ情報の中から、所定の基準に合致する上記ノウハウ情報を抽出する抽出手段をさらに備えたことを特徴とする。 【0011】 このシステムによれば、格納された評価情報に基づいて、格納されたノウハウ情報の中から、所定の基準に合致するノウハウ情報を抽出するので、評価の内容や利用頻度に基づいて一定レベル以上のノウハウ情報を自動的に抽出することができる。また、これにより、抽出されたノウハウ情報を社内用または商品化用に利用することができる。」 (エ)「【0014】 また、請求項5に記載のノウハウ情報処理装置は、請求項4に記載のノウハウ情報処理装置において、上記ノウハウ情報の上記情報提供者の上記情報端末装置に対して、上記ノウハウ情報に対する上記評価情報を送信する評価情報送信手段、をさらに備えたことを特徴とする。 【0015】 この装置によれば、ノウハウ情報の情報提供者の情報端末装置に対して、ノウハウ情報に対する評価情報を送信するので、情報提供者はノウハウ情報に対する第三者の評価を入手することができ、評価情報をノウハウ情報にフィードバックすることが可能になる。」 (オ)「【0024】 また、請求項10に記載のノウハウ情報処理装置は、請求項4?9のいずれか一つに記載のノウハウ情報処理装置において、上記評価情報格納手段にて格納された上記評価情報に基づいて、上記ノウハウ情報格納手段にて格納された上記ノウハウ情報の中から、所定の基準に合致する上記ノウハウ情報を抽出する抽出手段をさらに備えたことを特徴とする。 【0025】 この装置によれば、格納された評価情報に基づいて、格納されたノウハウ情報の中から、所定の基準に合致するノウハウ情報を抽出するので、評価の内容や利用頻度に基づいて一定レベル以上のノウハウ情報を自動的に抽出することができる。また、これにより、抽出されたノウハウ情報を社内用または商品化用に利用することができる。」 (カ)「【0058】 このシステムは、概略的に、以下の基本的特徴を有する。すわわち、サーバ装置100からクライアント装置200に対して、または、クライアント装置200からサーバ装置100に対して、ノウハウに関するノウハウ情報がネットワーク300を介して提供される。 このうち、「ノウハウ情報」は、個人または法人が所有する各種のノウハウに関する情報であり、サーバ装置100、クライアント装置200または他の装置(図示せず)により生成され、サーバ装置100に蓄積される。また、ノウハウに関する情報としては、例えば、サンプルプログラムやトラブル対処法や画像素材や英会話等の各種のノウハウに関するノウハウ情報や、ノウハウ情報に対する評価に関する評価情報等を挙げることができる。 【0059】 上述のように構成された本システムでは、まず、サーバ装置100がクライアント装置200等から様々な方法によりノウハウ情報を収集して、ノウハウデータベース106cに蓄積する。また、所定の条件に合致する情報提供者および情報利用者からなる「コミュニティ」を作成しコミュニティデータベース106dにて管理することにより、利用者間の情報収集や更新等の便宜を図る。 そして、収集したノウハウ情報について情報利用者が評価を行い、評価情報をノウハウデータベース106cに蓄積していく。また、蓄積されたノウハウ情報は適宜標準化され、情報利用者にとって利用しやすいように加工されていく。また、評価情報は随時情報提供者にフィードバックされ、ノウハウ情報のアップデートに役立てられる。」 (キ)「【0065】 また、ノウハウデータベース106cは、ノウハウ情報に関する情報等を格納するノウハウ情報格納手段である。このノウハウデータベース106cに格納される情報は、ノウハウ情報を一意に識別するためのノウハウ情報ID、情報提供者を一意に識別するための情報提供者ID、ノウハウ情報の登録者氏名、登録日、URL等のアドレス、ノウハウ情報の分類に関する分類情報、ノウハウ情報の項目に関する項目情報、ノウハウの内容に関する内容情報、ノウハウ情報の更新日、ノウハウ情報の公開可否、削除した履歴に関する削除情報、社内教材としての利用可否、および、ノウハウ情報の評価に関する評価情報(例えば、評価対象者ID、ノウハウ情報の用途、評価内容、ランク、評価日、ノウハウ情報の利用回数等に関する利用頻度、追加情報等に関する情報を含む)等の情報を相互に関連付けて構成されている。」 (ク)「【0110】 (社内利用処理) 次に、社内利用処理の詳細について図7を参照して説明する。図7は、本実施形態における本システムの社内利用処理の一例を示すフローチャートである。 まず、上述した図3のステップSA-8、または、図5のステップSC-18において、社内利用処理が要求されると(ステップSE-1)、サーバ装置100の社内利用処理部102eは、クライアント装置200に対して、ノウハウ情報を検索するための特定の検索条件(例えば、キーワードやカテゴリー等)を指定させる(ステップSE-2)。 【0111】 そして、情報収集処理部102cは、クライアント装置200において指定された検索条件を受信し、該検索条件に基づいてノウハウデータベース106c等にアクセスして、該検索条件に合致するノウハウ情報の検索を行う(ステップSE-3)。ここで、検索されたノウハウ情報については、ノウハウデータベース106cにアクセスして、利用回数等を示す利用頻度に1を加算する(ステップSE-4)。 【0112】 そして、社内利用処理部102eは、検索したノウハウ情報について評価を行うための評価用ウェブページを作成してクライアント装置200に対して送信する。これによりクライアント装置200は、評価用ウェブページをモニタに出力する。クライアント装置200の利用者は、評価用ウェブページに従って評価情報を入力する(ステップSE-5)。 【0113】 図10は、クライアント装置200のモニタに表示される評価用ウェブページの表示の一例を示す図である。この図に示すように評価用ウェブページは、例えば、利用者を入力するための入力ボックスMB-1、用途を入力するための入力ボックスMB-2、評価を入力するための入力ボックスMB-3、ランクを入力するための入力ボックスMB-4、評価日を入力するための入力ボックスMB-5、および、追加情報を入力するための入力ボックスMB-6を含んで構成されている。 【0114】 また、図12は、クライアント装置200のモニタに表示される別の評価用ウェブページの一例を示す図である。この図に示すように評価用ウェブページは、例えば、利用者を入力するための入力ボックスMD-1、用途を入力するための入力ボックスMD-2、評価を入力するための入力ボックスMD-3、ランクを入力するための入力ボックスMD-4、評価日を入力するための入力ボックスMD-5、および、追加情報を入力するための入力ボックスMD-6を含んで構成されている。 【0115】 社内利用処理部102eは、クライアント装置200から入力された情報情報を受信すると、ノウハウデータベース106cに該評価情報を格納する(ステップSE-6)。ついで、社内利用処理部102eは、該評価情報を該ノウハウ情報の情報提供者のクライアント装置200に対して送信する(ステップSE-7)。 【0116】 また、クライアント装置200の利用者は、同様にノウハウ情報の登録内容等について加工、編集等を行うと(ステップSE-8)、当該情報を社内利用処理部102eが受信して十分であるか判断する(ステップSE-9)。十分でない場合には、ステップSE-8に戻り、十分である場合には、ノウハウデータベース106cに登録する(ステップSE-10)。 【0117】 このように、一つのノウハウ情報に対して、複数の評価対象者が利用し評価や情報追加を行うことができる。また、最初に情報提供者が登録したノウハウ情報だけではなく、後から他の利用者が追加した付加情報や、該付加情報に対するコメント、訂正、追加情報等の評価情報も参照することができる。これにて、社内利用処理が終了する。」 (ケ)「【0140】 また、本発明によれば、情報端末装置から検索条件を受信し、受信した検索条件に基づいて、格納されたノウハウ情報、および、格納された評価情報のうちの少なくとも一つから、検索条件に合致するノウハウ情報、および、評価情報のうちの少なくとも1つを検索するので、利用者は所望のノウハウ情報、または、評価情報を効率的に検索することが可能になる。 【0141】 また、本発明によれば、評価情報は、ノウハウ情報が情報利用者により利用された頻度に関する利用頻度情報を含み、ノウハウ情報が検索された場合には、ノウハウ情報に対する利用頻度情報を更新するので、利用者の使用頻度をノウハウ情報の評価情報として記録することができる。これにより、一定の利用頻度を有するノウハウ情報を抽出して、社内利用または商品化することができる。 【0142】 また、本発明によれば、検索されたノウハウ情報を、情報端末装置からの指示により更新するので、情報利用者はノウハウ情報に対する追加の情報等を登録することができる。これにより、登録されたノウハウ情報の付加価値をさらに高めることが可能になる。 【0143】 また、本発明によれば、格納された評価情報に基づいて、格納されたノウハウ情報の中から、所定の基準に合致するノウハウ情報を抽出するので、評価の内容や利用頻度に基づいて一定レベル以上のノウハウ情報を自動的に抽出することができる。また、これにより、抽出されたノウハウ情報を社内用または商品化用に利用することができる。」 以上、(ア)ないし(ケ)、および図面の記載を総合すると、引用文献1には、 「ノウハウに関する情報を格納するノウハウデータベース(106c)と、 ノウハウに関する情報に対して情報利用者が評価を行い、当該評価情報をノウハウに関する情報に関連付けて上記ノウハウデータベースに格納する手段と、 上記ノウハウデータベースに格納された上記評価情報に基づいて、上記ノウハウデータベースに格納された上記ノウハウ情報の中から、所定の基準に合致する上記ノウハウ情報を抽出する抽出手段、 を備えたノウハウ情報処理システム」 (以下、引用文献1発明という。) が記載されている。 5.対比 引用文献1発明の「ノウハウに関する情報」、「ノウハウデータベース」、「評価情報」は、本願発明の「文書情報」、「知識データベース」、「評価」に相当することは明らかである。 そして、引用文献1発明において「ノウハウに関する情報に対して情報利用者が評価を行い、当該評価情報をノウハウに関する情報に関連付けて上記ノウハウデータベースに格納する」ということは、本願発明の「知識データベースをアクセスして参照した文書情報に対して設定した評価を登録する第1の処理手段と、前記第1の処理手段により登録された評価の内容を該当する文書情報に付随して保存し管理する第2の処理手段」に対応しているということができる。 また、引用文献1発明において「ノウハウデータベースに格納された評価情報に基づいて、ノウハウデータベースに格納されたノウハウ情報の中から、所定の基準に合致するノウハウ情報を抽出する手段」とは、素直に解釈すれば「評価情報を条件に、ノウハウデータベースに蓄積されたノウハウ情報に対して登録された評価情報の検索を実行する手段」ということであり、明細書の全記載からみれば、前記検索のための評価情報は外部から指示されると考えられるから、上記事項は、本願発明の「前記評価を条件に検索が指示された際に、前記第2の処理手段により保存された評価の内容を参照して前記指示された評価を検索条件に、前記知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する第3の処理手段」に対応しているといえる。 してみると、本願発明と引用文献1発明を比較した場合、両者に実質的な相違はないと言わざるを得ない。 一方、意見書、審判請求時に提出した手続補正書(方式)、あるいは審尋に対する回答書等をみると、審判請求人は、一貫して、 『本願発明は、「登録した評価を条件に、知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を行う」技術を特徴としている。 これに対し、引用文献1は、「ノウハウ情報に対する利用者の利用頻度をノウハウ情報の評価情報としてノウハウ情報に対応付けて管理する」技術である。 本願発明は、「評価を条件に検索が指示された際に、保存された評価の内容を参照して、指示された評価を検索条件に、知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する」ものである。 本願発明は、例えば、評価の内容として、「役に立つ」を“A”、「古い」を“B”としたとき、“A”を条件に、知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価“A”の情報のみが検索されるものである。このように、本願発明は、評価を条件に、評価の検索を行うことを特徴としている。 引用文献1は、「キーワードやカテゴリ等を検索条件に、この検索条件に合致するノウハウ情報および評価情報のうちの少なくとも1つを検索する」ものであるのに対して、本願発明は、評価を条件に、評価の検索を行うものであり、検索機能が全く異なる。』 旨を主張している。 すなわち、審判請求人は、引用文献1に記載された発明は、ノウハウデータベースを検索する際、キーワードやカテゴリ等を検索条件とするものであって、評価情報を検索条件にしてノウハウ情報や評価情報を取り出すことは記載されていないと主張しているものと理解される。 上記審判請求人の主張は、引用文献1の請求項3および項目【0010】,【0011】の記載や、項目【0024】,【0025】の記載等から見て不自然であって、理解し難い点が残るものの、引用文献1の上記事項に関する記載に曖昧な部分があることも確かであるから、審判請求人の主張が誤りであると断ずることは躊躇せざるを得ない。 そこで、一応審判請求人の意を酌んで、仮に「評価を条件に検索が指示された際に、前記第2の処理手段により保存された評価の内容を参照して前記指示された評価を検索条件に、前記知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する第3の処理手段」が引用文献1に明確には記載されていないものとして以下検討を続けることとする。 以上のことから、本願発明と引用文献1発明とは、 <一致点> 「文書情報を蓄積した知識データベースと、 前記知識データベースをアクセスして参照した文書情報に対して設定した評価を登録する第1の処理手段と、 前記第1の処理手段により登録された評価の内容を該当する文書情報に付随して保存し管理する第2の処理手段と、 前記知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する第3の処理手段と を具備したことを特徴とする知識共有システム。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> 本願発明は、「評価を条件に検索が指示された際に、保存された評価の内容を参照して指示された評価を検索条件に、知識データベースに蓄積された文書情報に対して登録された評価の検索を実行する」ものであるのに対し、引用文献1に、上記事項が明確には記載されていない点 6.判断 <相違点>について 引用文献1発明のノウハウデータベースには、ノウハウ情報と、それに関連付けられた評価情報が格納されている。 つまり、引用文献1発明に記載されたノウハウデータベースに格納されるデータは、上記(キ)の記載から明らかなように、ノウハウ情報を一意に識別するためのノウハウ情報ID、情報提供者を一意に識別するための情報提供者ID、ノウハウ情報の登録者氏名、登録日、URL等のアドレス、ノウハウ情報の分類に関する分類情報、ノウハウ情報の項目に関する項目情報、ノウハウの内容に関する内容情報、ノウハウ情報の更新日、ノウハウ情報の公開可否、削除した履歴に関する削除情報、社内教材としての利用可否、および、ノウハウ情報の評価に関する評価情報(例えば、評価対象者ID、ノウハウ情報の用途、評価内容、ランク、評価日、ノウハウ情報の利用回数等に関する利用頻度、追加情報等に関する情報を含む)等の情報を相互に関連付けて構成されている。 しかして、データベースに格納されたデータを検索するシステムを構築する場合、該データを構成するデータ項目(例えば、引用文献1でいえば、情報提供者ID、分類情報、評価内容、ランク、利用頻度等)のうちどのデータ項目を検索キーに設定するかは、適宜選択する事項にすぎない。 そうすると、引用文献1発明において、ノウハウデータベースに格納されたデータ(ノウハウ情報や評価情報)における評価内容やランク等の評価情報を検索キーに設定すること、そして、指示された評価情報を検索条件として、ノウハウデータベースを検索することは、当業者が容易に想到し得ることといえる。 したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明できたものである。 7.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用文献1発明と実質的に同一であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、あるいは引用文献1に上記<相違点>に係る事項が記載されていないとしても、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-03-12 |
結審通知日 | 2008-03-18 |
審決日 | 2008-03-31 |
出願番号 | 特願2002-243830(P2002-243830) |
審決分類 |
P
1
8・
1-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) P 1 8・ 537- Z (G06F) P 1 8・ 113- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 上嶋 裕樹、鶴谷 裕二、紀田 馨、野崎 大進 |
特許庁審判長 |
立川 功 |
特許庁審判官 |
手島 聖治 長 由紀子 |
発明の名称 | 知識共有システムおよび共有文書の条件検索方法 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 中村 誠 |
代理人 | 橋本 良郎 |
代理人 | 河野 哲 |
代理人 | 村松 貞男 |