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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08G 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C08G 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08G 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 C08G |
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管理番号 | 1178592 |
審判番号 | 不服2005-1929 |
総通号数 | 103 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-07-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-02-04 |
確定日 | 2008-05-26 |
事件の表示 | 特願2000- 71456「ポリオキシアルキレンポリオール及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 9月26日出願公開、特開2001-261813〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
[1].手続の経緯 本願は、平成12年3月15日にした特許出願であり、平成16年1月19日付けで拒絶理由通知がなされ、同年3月17日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月29日付けで更に拒絶理由通知がなされ、同年9月6日に面接が行われ、同年9月7日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月8日に手続補足書が提出されたが、同年12月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成17年2月4日に審判請求がなされ、同年3月4日に手続補正書が提出され、同年4月13日に審判請求書の手続補正書(方式)が提出され、同年6月21日付けで前置報告がなされたものである。 [2].補正却下の決定 [結 論] 平成17年3月4日付けの手続補正を却下する。 [理 由] (1)補正の内容 平成17年3月4日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、審判請求の日から30日以内にされた補正であり、その内容は、平成16年9月7日付け手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1を以下のように補正し、対応する発明の詳細な説明の説明をこれに整合させるものである。 「【請求項1】分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールであって、水酸基価が10?58mgKOH/g、オキシエチレン基の含有量が2?30重量%、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(a:モル%)と水酸基当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数(ν:モル)から、数式(1) 〔数1〕 (但し、aが100である場合を除く) で表される関係式により算出される分布定数(C:単位なし)が1?4.3の範囲であるポリオキシアルキレンポリオール。」を 「【請求項1】活性水素化合物にプロピレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールに、更にエチレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールであり、且つ、分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールであって、水酸基価が10?58mgKOH/g、オキシエチレン基の含有量が2?30重量%、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(a:モル%)と水酸基当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数(ν :モル)から、数式(1) 〔数1〕 (但し、aが100である場合を除く) で表される関係式により算出される分布定数(C:単位なし)が1?4.3の範囲であるポリオキシアルキレンポリオール。」と補正する。 (2)補正の適否についての判断 (2-1)新規事項の追加の有無及び補正の目的の検討 請求項1についての上記補正は、補正前の明細書の段落【0039】、【0047】及び【0088】?【0093】の記載事項(当審註:これらは願書に最初に添付した明細書(以下、「当初明細書」という。)にも記載されていた。)に基いて、「分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール」を「活性水素化合物にプロピレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールに、更にエチレンオキサイドを付加重合したポリオールであり、且つ、分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール」とする補正であり、これにより、発明を特定するために必要な事項である「分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール」が特定の製法によるものに限定されることとなるから、本件補正は当初明細書に記載した事項の範囲内でしたものであり、また、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。 (2-2)独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて、以下に検討する。 (i)本件補正発明 本件補正発明は、本件補正後の明細書(以下、「本件補正明細書」という。)の請求項1に記載された以下の事項により特定されるとおりのものである。 「活性水素化合物にプロピレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールに、更にエチレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールであり、且つ、分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールであって、水酸基価が10?58mgKOH/g、オキシエチレン基の含有量が2?30重量%、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(a:モル%)と水酸基当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数(ν:モル)から、数式(1) 〔数1〕 (但し、aが100である場合を除く) で表される関係式により算出される分布定数(C:単位なし)が1?4.3の範囲であるポリオキシアルキレンポリオール。」 (ii)引用文献の記載事項 原審の拒絶査定の理由1(特許法第29条第1項第3号違反)に引用された英国特許第1,120,223号明細書(以下、「引用文献」という。)には、以下の事項が記載されている。 (ア) 「この発明は、水酸基末端のポリエーテルとそれから得られるポリウレタンに関する。」 (第1頁左欄16?18行) (イ) 「分子量が1000?6000であり、本質的にエチレンオキサイド残基と1:2プロピレンオキサイド残基及び3以上の水酸基を有する多価アルコールの残基からなり、エチレンオキサイド残基がアルキレンオキサイド残基の4?20重量%であり、アルキレンオキサイド残基の少なくとも2重量%のエチレンオキサイド残基が末端隣接のプロピレンオキサイドから分離された非末端の位置にあり、水酸基の15?50%が一級水酸基である、ポリヒドロキシポリエーテルの混合物。」(第12頁 請求項1) (ウ) 「好ましい第1級アルコールの含有量は、実存するアルコールグループの20?50%、より好ましくは20?40%である。このことの例証として、(この発明とは)無関係な対照、即ち、一連の平均分子量3500のポリオールのシリーズがグリセロールから作られた。下表に示されるその結果は、雲り点、第1級アルコール含量や水に溶解する能力が、その構造によって如何に変わるかを示している。 対照ポリオールは、参照番号1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.8,1.9及び1.11は、在来品のポリオールの代表的なものであり、比較する目的で含まれている。」(第5頁右欄第42?55行) (エ) 「 」(第5頁 表1) (オ) 「 実施例1 低分子量のグリセロール/1:2プロピレンオキサイド重合物・・・が、30.7 lbs.のグリセロールと162 lbs.の1:2プロピレンオキサイドを・・・反応させることにより製造された。この未中和材料の30 lbs.が・・・オートクレーブにチャージされた。-中略- 攪拌された混合物は真空下で加熱され、約115℃で2時間保持された。エチレンオキサイド7.5 lbs.が・・・注入された。添加完了後、反応圧がゼロになるまで容器が攪拌された。生成物がプロピレンオキサイド152 lbs.と・・・更に反応させられた。圧力が2 lbs./aq.in.に低下したとき、・・・生成物はエチレンオキサイド7.5 lbs.と・・・更に反応させられた。-中略-生成物の水酸基価は47.5で、分子量3540に相当する。」(第9頁右欄74?108行) (カ) 「 実施例2 この実施例に示す生成物は全て約3500の分子量を有し、実施例1の方法で製造されたものである。ブロックの位置とサイズが異なるように条件が変更された。物理的性質は表2に示されており、・・・。」(第10頁左欄1行?同頁右欄2行) (キ) 「 」(第10-11頁 表2) (iii)対比、判断 (iii-1)引用発明 引用文献には、ポリウレタンの製造に用いるポリエーテル〔摘示記載(ア)〕について記載されており、その請求項1には、「分子量が1000?6000であり、実質的にエチレンオキサイド残基と1:2プロピレンオキサイド残基及び3以上の水酸基を有する多価アルコールの残基からなり、エチレンオキサイド残基がアルキレンオキサイド残基の4?20重量%であり、アルキレンオキサイド残基の少なくとも2重量%のエチレンオキサイド残基が末端隣接のプロピレンオキサイドから分離された非末端の位置にあり、水酸基の15?50%が一級水酸基である、ポリヒドロキシポリエーテルの混合物」〔摘示記載(イ)〕が記載されている。 更に、引用文献の表1には、比較のためにグリセロールから作られた平均分子量3500のポリオールのシリーズ〔摘示記載(ウ)〕が記載されており、表1には、参照番号1.4のポリオール(以下、「参照ポリオール」という。)について、「アルキレンオキサイド残基に対するエチレンオキサイド残基の重量%」について「Total」:4、「末端ブロック」:4、「分子中」:0、及び、「% 第1級水酸基」について45とのデータが示されている。 この表1には、参照ポリオールにおける、エチレンオキサイド残基以外のアルキレンオキサイド残基について明示されていないが、引用文献の請求項1には、エチレンオキサイド残基と「1:2プロピレンオキサイド残基」(以下、「プロピレンオキサイド残基」という。)の存在の仕方に特徴がある発明〔摘示記載(イ)〕が記載されており、参照ポリオールはその比較例として位置づけられていることを勘案すれば、他のアルキレンオキサイド残基がプロピレンオキサイド残基であることは自明である。 また、参照ポリオールは、アルキレンオキサイド残基に対する全エチレンオキサイド残基量が4重量%であり、かつ、末端エチレンオキサイド残基量も4重量%であるから、エチレンオキサイド残基は分子末端にのみ存在することとなり、このように末端のみにエチレンオキサイド残基が存在し、その余はプロピレンオキサイド残基であるポリオールは、グリセロールに対してまずプロピレンオキサイドを付加重合させ、次いでエチレンオキサイドを付加重合させて製造されたものと解される。 そして、この製法により得られた参照ポリオールにおいて「45」とされる「% 第1級水酸基」即ち第1級水酸基化率は、分子末端のエチレンオキサイド残基によるものと解するのが自然である。 そうすると、引用文献には、参照ポリオールとして「グリセロールにプロピレンオキサイドを付加重合した生成物に、更にエチレンオキサイドを付加重合した生成物であって、分子末端のみにエチレンオキサイド残基を有し、アルキレンオキサイド残基に対する全エチレンオキサイド残基量が4重量%であり、ポリオールの分子末端のエチレンオキサイド残基による1級水酸基化率が45%であり、分子量が3500であるポリオール」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものということができる。 (iii-2)本件補正発明と引用発明との対比 本願補正後の請求項1に係る発明と刊行物1記載の発明を対比する。 引用発明における「グリセロール」は本件補正発明でいう「活性水素化合物」に外ならず、本件補正明細書中においても活性水素化合物としてグリセリンが用いられている(段落【0088】実施例1)。また、引用発明における「エチレンオキサイド残基」は本件補正発明における「オキシエチレン基」と同義であり、引用発明における「ポリオール」が「ポリオキシアルキレンポリオール」を意味することは自明である。 そうすると、本件補正発明と引用発明とは、ともに、「活性水素化合物にプロピレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールに、更にエチレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレンポリオールであり、分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオール」である点で一致しているが、本件補正発明の発明特定事項である以下の<あ>?<う>の点について引用発明が具備していることが明らかではない点で、両者は一応相違する。 <あ> 「オキシエチレン基の含有量が2?30重量%」である点、 <い> 「水酸基価が10?58mgKOH/g」及び <う> 「ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(a:モル%)と水酸基当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数(ν:モル)から、数式(1) 〔数1〕 (但し、aが100である場合を除く) で表される関係式により算出される分布定数(C:単位なし)が1?4.3の範囲である」点 そこで、これらの点について以下に検討する。 (i)引用発明におけるエチレンオキサイド残基(オキシエチレン基)のポリアルキレンポリオール中の含有量を計算すると、 (3500-92(グリセロールの分子量))×0.04(アルキレンオキサイド中のオキシエチレン基の割合)÷3500×100=3.9(%)となり、<あ>の「2?30重量%」の範囲に包含されるから、<あ>の点は実質的な相違点ではない。 (ii)引用文献には、実施例1で製造されたポリオールについて「生成物の水酸基価は47.5で、分子量3540に相当する」〔摘示記載(オ)〕と記載されており、本件補正明細書に記載された数式6(段落【0027】) Mn=56100×f/OHV に代入してf(平均官能基数)を求めるとf=2.98となるところから、実施例1におけるポリオールの水酸基価と分子量の値は、f=3として一方の実測値から他方を計算した値であると推認され、このことは、実施例2に示された水酸基価と分子量のデータから数式6によって得られるfの値が2.997、3.001、3.000、2.997、・・・であることによっても裏付けられている。 そして、ポリウレタン原料のポリアルキレンポリオールについては、通常イソシアネートとの反応に先立って水酸基価が測定されるものであるから、引用文献の実施例1、2に記載された水酸基価と分子量についても、実測した水酸基価に基いて分子量を算出したものと解されるのであり、このことは、実施例1の「生成物の水酸基価は47.5で、分子量3540に相当する」との記載からも窺うことができる。 これらの点からみて、参照ポリオールにおいて「分子量3500」とされているのは、実測した水酸基価とグリセロールの官能基数3から算出した、即ち、末端基定量法による数平均分子量が約3500である、ということを意味するものと理解され、そのようなポリオールの水酸基価が約48.1mgKOH/gであることは、OHV=(56100×f)/Mn=56100×3/3500=48.1の計算式から直ちに求められる。 したがって、<い>の点も実質的相違点ではない。 (iii)本件補正明細書に記載された数式5(段落【0025】) ν=(Mn×EOcont./44.05×100)/f 及び数式6(段落【0027】) Mn=56100×f/OHV より、fを消去すると、 ν=(EOcont./(44.05×100))/(OHV/56100)(以下、「数式X」という。) となり、これに引用発明における、EOcont.=3.9%及びOHV=48.1の各数値を代入すると、 ν=(3.9/(44.05×100))/(48.1/56100) =1.03 となる。 このνの値(1.03)と引用発明における1級水酸基化率(a)の値(45)を本件補正発明の数式1に代入すると、 1.03=Cln100/(100-45)-(C-1)45/100 1.03=Cln100/55-(45C-45)/100 ここで、ln100/55=ln1.818=0.598とすると、 1.03=C×0.598-0.45C+0.45 0.58=0.148C C=3.9 となり、引用発明における分布定数Cの値は<う>の「1?4.3」の範囲に含まれるから、相違点<う>も実質的な相違点ではない。 なお、この点について審判請求人は審判請求書(平成17年4月13日付け手続補正書(方式))において、参考資料1及び2(原審において平成16年9月8日付け手続補足書に添付して提出)を提示して、引用文献のように、「グリセリン(官能基数3)を開始剤として用い、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒の存在下で、プロピレンオキシドを付加重合し、分子量が3000程度のポリオールを製造した場合、モノオールに由来する総不飽和度が0.04?0.05meq./g程度存在し、ポリオールの平均官能基数は2.7?2.8程度に低下します。」(第5頁第29?32行)及び「ポリオキシアルキレンポリオールの平均官能基数(f)は、数式(5)を数式(6)に代入することにより消去されます。そのため、水酸基当たりの平均エチレンオキサイドの付加モル数(ν:モル)は、EOcont.とOHVを実測することにより数式(5)及び(6)から求められます。」(第8頁下から第32?29行)と主張している。また、大久保和彦による実験報告書を提示して、引用文献の参照ポリオールと同一のポリアルキレンポリオールを作成してC値を測定したところ4.9であった(第8頁下から23?11行)、と述べている。 しかしながら、参考資料1及び2のいずれも、引用文献に記載された分子量3000程度のポリオールをアルカリ触媒によって製造する際に、常に平均官能基数が2.7?2.8程度に低下することを客観的に示すものではない。また、引用文献の参照ポリオールにおける上記の48.1という水酸基価は実測に基くものと解されるのであり、審判請求人が主張する本願補正発明の場合と同様に、数式5及び6からfを消去した上記数式Xから、実測値のみによりνが求められるのである。更に、実験報告書に記載されたポリアルキレンポリオールは水酸基価が43.9mgKOH/g、1級水酸基化率が42.5モル%であり、それぞれ48.1mgKOH/g及び45モル%である引用文献の参照ポリオールとは全く異なるものである。 よって、審判請求人の主張は採用できない。 (iv)小括 したがって、本件補正発明は引用文献に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (2-3)まとめ 以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 [3].本願発明 上記のとおり、平成17年3月4日付けの手続補正が却下された。 当該補正に先立つ平成16年9月7日付けの手続補正によって補正された明細書(以下、「本願明細書」という。)の記載からみて、本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)はその特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】分子末端にオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレンポリオールであって、水酸基価が10?58mgKOH/g、オキシエチレン基の含有量が2?30重量%、ポリオキシアルキレンポリオールの分子末端のオキシエチレン基による1級水酸基化率(a:モル%)と水酸基当たりのエチレンオキサイドの平均付加モル数(ν:モル)から、数式(1)〔数1〕 (但し、aが100である場合を除く) で表される関係式により算出される分布定数(C:単位なし)が1?4.3の範囲であるポリオキシアルキレンポリオール。」 [4].原査定の理由 原査定の理由とされた平成16年6月29日付け拒絶理由通知書に記載した理由1の概要は以下のとおりである。 「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 記 請求項 :1?3 引用文献1:英国特許第1,120,223号明細書 [5].引用文献の記載事項 引用文献1(以下、「引用文献」という。)には、上記[2].(2).(2-2).(ii)で摘示した点が記載されている。 [6].対比、判断 [2].(2).(2-1)で述べたように、審判請求後の補正(平成17年3月4日付け補正書による補正)は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 してみれば、本願発明は当然に本件補正発明を包含するものであるといえる。 そして、本件補正発明が引用文献に記載された発明である以上、当然に本願発明も引用文献に記載された発明である。 [7].むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、請求項2及び3に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。 よって結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-03-31 |
結審通知日 | 2008-04-01 |
審決日 | 2008-04-15 |
出願番号 | 特願2000-71456(P2000-71456) |
審決分類 |
P
1
8・
113-
Z
(C08G)
P 1 8・ 536- Z (C08G) P 1 8・ 121- Z (C08G) P 1 8・ 575- Z (C08G) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 中川 淳子、松岡 弘子、松浦 新司 |
特許庁審判長 |
井出 隆一 |
特許庁審判官 |
渡辺 陽子 野村 康秀 |
発明の名称 | ポリオキシアルキレンポリオール及びその製造方法 |
代理人 | 苗村 新一 |