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審判番号(事件番号) データベース 権利
判定2008600023 審決 特許
判定2008600021 審決 特許

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審決分類 審判 判定 同一 属する(申立て不成立) A45B
管理番号 1179074
判定請求番号 判定2008-600014  
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2008-07-25 
種別 判定 
判定請求日 2008-03-03 
確定日 2008-06-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第3514748号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面に示す「発光うちわ」は、特許第3514748号発明の技術的範囲に属する。 
理由 1.請求の趣旨
本件判定請求の趣旨は、イ号図面に示す「光るうちわ」(以下「イ号物件」という)は、特許第3514748号発明の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。

2.本件特許発明
特許第3514748号の特許請求の範囲の記載をみると、請求項1のみが独立形式であり、その他の請求項は請求項1を引用し、請求項1を限定するものであるから、イ号物件が特許第3514748号発明の技術的範囲に属するか否かは、イ号物件が特許第3514748号の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という)に属するか否かによって判断することとする。
本件特許発明は、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり、その構成要件を符号(A)?(E)を付して分説すると次のようになる。
「(A)内部に電源を収納した柄と、該柄の一方の端部に接合された透明な材質より成る扇体の骨格と、該骨格の内部に光束を入射させるように前記柄の一方の端部付近に配置した少なくとも1個のLED光源と、前記骨格の表面に貼着した扇面板より成り、
(B)前記骨格は前記柄と結合された骨格基部と、該骨格基部上端から放射状に突出した多数の放射骨を有し、
(C)前記光束は前記骨格基部の下方から骨格の上方に向かって放射状に広がるように入射し、
(D)前記骨格基部上端から前記放射骨に移る個々の断面減少部位より、光の一部を前記骨格基部上端に沿って配列された多数の発光点として外部に放射すること
(E)を特徴とする発光うちわ。」

3.イ号物件
請求人が提出したイ号図面の4の【Z-Z断面図】には、イ号物件は、放射骨1gは骨格基部上端1より厚さが薄く、放射骨1gと骨格基部上端1との接続部分には段差部を有することが記載されていると認められる。
請求人が提出したイ号図面の1?4、判定請求書中の「[4] イ号物件」、及び、イ号図面の4の【Z-Z断面図】における上記記載事項を参考にし、本件特許発明の分説に対応するように分説すると、イ号物件の構成は次のとおりである。
「(a)内部に電源3eを収納した柄4と、柄4の一方の端部に接合された透明な材質より成る扇体の骨格1と、骨格1の内部に光束を入射させるように柄4の一方の端部付近に配置した少なくとも1個のLED光源3aと、骨格1の表面に貼着した扇面板2より成り、
(b)骨格1は、柄4と結合された骨格基部1aと、骨格基部上端1cから放射状に突出した多数の放射骨1gを有し、
(c)光源3aからの光束は、骨格基部1aの下方から骨格1の上方に向かって放射状に広がるように入射し、
(d)骨格基部上端1cにおいて隣り合う放射骨1gと放射骨1gの間は交点Pとなっており、交点Pは骨格基部1aから放射骨1gに移る断面減少部位となっており、交点Pと光源を結ぶ直線上において骨格基部1aに貫通孔Qがあり、光源から直進した光束の一部は貫通孔Qの周壁面に当たって発光し、貫通孔Qに遮られて交点Pに達成せず、交点Pは闇点(非発光点)となっているとともに、
放射骨1gは骨格基部上端1より厚さが薄く、放射骨1gと骨格基部上端1との接続部分には段差部を有する
(e)光るうちわ。」

4.当事者の主張
イ号物件の構成(d)が本件特許発明の構成要件(D)を充足するかどうかの点を除いて、イ号物件の構成(a)?(c)、(e)が本件特許発明の構成要件(A)?(C)、(E)を充足することについては、両当事者間に争いはない。構成要件(D)に関する両当事者の主張は、以下のとおりである。

(1)請求人の主張
本件特許の図1には、輝点6bの部位として、骨格基部上端1cにおいて隣り合う放射骨1gと放射骨1gの間の部分が引出線によって示されており、この部分(隙間G)が本件特許発明の構成要件(D)の断面減少部位に該当する。
それに対して、イ号物件の構成(d)については、骨格基部上端1cにおいて隣り合う放射骨1gと放射骨1gの間は交点Pとなっており、交点Pは骨格基部上端1cから放射骨1gに移る断面減少部位となっており、交点Pと光源3eを結ぶ直線上において骨格基部に貫通孔Qがあり、光源から直進した光束の一部は貫通孔Qの周壁面に当たって発光し、貫通孔Qに遮られて交点Pに達成せず、交点Pは闇点(非発光点)となっており、断面減少部位が発光点である本件特許発明の構成要件(D)とは、明らかに相違する。

(2)被請求人の主張
明細書の段落【0015】、【0007】、【0021】及び請求項2の記載から、本件特許発明の構成要件(D)の断面減少部位は、骨格1に断面変化のある部分であって、骨格基部上端1cにおいて隣り合う放射骨1gと放射骨1gの間に空隙(間隙G)が存在する場合や骨格基部上端1cにおいて放射骨1gの厚みが減少する場合は明確に含まれる。
それに対して、イ号物件の構成(d)については、イ号図面の4の【Z-Z断面図】によると、骨格基部上端1cの厚さ(X-X断面)と放射骨1gの厚さ(Y-Y断面)とは明らかに異なり、骨格基部上端1cと放射骨1gとには段差部が存在することが記載されており、この段差部すなわち厚みが減少する部分の断面減少部位からの発光は必須であるから、イ号図面の1?3の放射骨の根元からの発光は、この断面減少部位から生じているものである。また、イ号物件では貫通孔Qの周壁面からも発光する。
以上より、イ号物件の段差部及び貫通孔Qの周壁面は、いずれも本件特許発明の構成要件(D)の断面減少部位に相当する。
したがって、イ号物件の構成(d)は、本件特許発明の構成要件(D)を充足する。

5.対比・判断
次に、イ号物件の各構成(a)?(e)が、それぞれ本件特許発明の各構成要件(A)?(E)を充足するものであるか否かについて検討する。

(1)構成要件(A)?(C)について
イ号物件の「電源3e」は本件特許発明の「電源」に相当し、以下同様に、「柄4」は「柄」に、「骨格1」は「骨格」に、「LED光源3a」は「LED光源」に、「扇面板2」は「扇面板」に、「骨格基部1a」は「骨格基部」に、「骨格基部上端1c」は「骨格基部上端」に、それぞれ相当する。
したがって、イ号物件の構成(a)?(c)は、それぞれ本件特許発明の構成要件(A)?(C)を充足する。

(2)構成要件(D)について
本件特許の図1では、輝点6bの引出線は、放射骨1gと放射骨1gの間を示しているが、明細書の「図1および図2において1はうちわの骨格であり、アクリル樹脂等の透明な材質から成形され、その主要部は厚さの大きい骨格基部1a(平面図の該形は左右が尖った楕円形をなす)、その上方の基部上端1cから、それよりもやや厚さの薄い多数の放射骨1g(それらの中間は部材のない窓部1hである)、その先端を結ぶほぼ円形の縁部材1fより成っている。」(段落【0011】)なる記載及び「光源LED3aの発光部は光入射部1b部で骨格基部1aの厚みの中央に位置し、光束は骨格1の内部に入射し、放射状に扇面全体に広がる。その過程で骨格1に断面変化のある部分、特に急激に断面が縮小変化している部分があると、そこから外部に放射されて輝く。図1の各輝点は主な発光点となる断面減少部位を示す。輝点6aは凹部1jの下端、輝点6bは基部上端1cから放射骨1gに移る部分、輝点6cは光が縁部材1fの外端に達した部分である。」(段落【0015】)なる記載を参酌すると、放射骨1gは骨格基部上端1cより厚さが薄いため、両者の間には段差があり、該段差は、骨格基部上端1cから放射骨1gに移る部分に含まれ、該段差からは光が放射されるものと認められるから、本件特許発明の構成要件(D)の「断面減少部位」には、放射骨1gと放射骨1gの間(隙間G)だけでなく、少なくとも上記段差が含まれるといえる。
そして、イ号物件の構成(d)の「段差部」は、放射骨1gと骨格基部上端1cの接続部分にあって、断面が減少しており、光源LED3aからの光の一部を放射するものと認められるから、上記段差に相当し、よって、本件特許発明の構成要件(D)の「断面減少部位」に相当するといえる。
したがって、イ号物件の構成(d)は、本件特許発明の構成要件(D)を充足する。

(3)構成要件(E)について
イ号物件の構成(e)の「光るうちわ」が本件特許発明の構成要件(E)の「発光うちわ」に相当することは明らかである。
したがって、イ号物件の構成(e)は、本件特許発明の構成要件(E)を充足する。

6.むすび
以上のとおりであるから、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2008-06-05 
出願番号 特願2002-82066(P2002-82066)
審決分類 P 1 2・ 1- YB (A45B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大山 広人冨岡 和人  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 八木 誠
増沢 誠一
登録日 2004-01-23 
登録番号 特許第3514748号(P3514748)
発明の名称 発光うちわ  
代理人 高宗 寛暁  
代理人 千葉 茂雄  
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