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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01Q
管理番号 1179515
審判番号 不服2006-1336  
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-01-19 
確定日 2008-06-09 
事件の表示 特願2003- 69797「地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナ」拒絶査定不服審判事件〔平成16年10月 7日出願公開、特開2004-282319〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯と本願発明
本願は、平成15年3月14日の出願であって、平成17年3月7日付けで拒絶理由が通知され、同年12月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成18年1月19日に拒絶査定不服の審判が請求されたものである。

特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成15年4月4日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。

「地上波のテレビ放送で発射されているFM、VHF、UHF帯の信号波を受信し、前記テレビの視聴を可能とするテレビアンテナにおいて、
所定の幅寸法と厚さと所定の形状を有する短冊状の平板金属体よりなるアンテナの本体部材と、
該アンテナ本体部材を所定の形状を有して台座上に支承する非金属よりなる支承手段と、
該アンテナ本体部材に接続され、受信した電流を取り出す電線ケ-ブルと、
該アンテナ本体部材と電線ケ-ブルとを接続する給電点における接続手段と、
アンテナ本体部材等を格納する外装ケ-スとにより構成されたことを特徴とする地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナ。」

2.引用発明
(1)原審の拒絶理由に引用された特開2001-85928号公報(以下、引用例1」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は地上波を用いてVHF、UHFバンドにて電波が送出されるTV放送等の受信に係るアナログ、デジタル両用の受信用アンテナに関するものである。」(2頁1欄39?43行、段落1)

ロ.「【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。図1は本発明の受信用アンテナの構成を示す説明用斜視図である。図2は図1の平面図、図3は図1の概略正面図である。1はアンテナエレメント、2は給電点、3は給電箱、4はエンド導電板、5はエンド導電板結束箱、6はポール、7は絶縁支柱、8は絶縁支柱7、7と取付部材と共にアンテナエレメント1を横に支持する横材で図の様に構成される。
【0020】アンテナエレメント1は前記のフォールデツドダイポールアンテナエレメント全体を方形ベルト状に折り曲げ、図2に示す様に方形ベルト状を形成するコ状の2片の一方に給電点2、2と他方に絶縁材を介して保持したエンド導電板4、4を有して構成されている。該アンテナエレメント1は軽金属材料で厚みは1mm以上所定の厚み寸法のもの、及び同じ幅、例えば、25mmの部材が用いられる。該アンテナエレメント1の方形の形状は同一寸法で形成されているが、例えば、260mm×260mmに形成されている。又、平行に方形ベルト状のアンテナエレメント1、1を上下に所定の間隔で形成したアンテナエレメント1、1の上下の間隔は、例えば、25mmに形成されている。給電点2、2は、給電点2、2より発生する微弱の高周波電流を給電箱3を介してケーブル(図示せず)より出力をとりだす様に構成されている。エンド導電板4、4は、図3に示す様に、上下のアンテナエレメント1、1を結束するエンド導電板結束箱5を設けて最小間隔で絶縁保持している。
【0021】図1に示すように、アンテナエレメント1、1は絶縁支柱7、7で支承され、該絶縁支柱7、7を接続する横材8と取り付け部材9によりポール8に支承されるように形成されている。
【0022】図4は本発明の被覆を設けたアンテナエレメントの正面図である。アンテナエレメントを外部に露出させない様に保護カバーを設けてアンテナエレメントの固定と寿命の拡大を図り、海上等厳しい環境でも使用できる様にしたもので、又、後から図5に説明する、コーナーにアンテナエレメントに一片に半径rを有するR形状を形成したので、厳しい風速を受ける高層建築物等の屋上に設けることに適する。本発明の受信用アンテナは全方向性能とVHF、UHFバンド共用性能を具備するものである。
【0023】図5は本発明のアンテナエレメントのコーナーに半径rの円弧を設けた平面図である。この様に構成したので、前記の作用、効果が期待される。
【0024】図6は本発明の実施例の室内卓上受信用アンテナの正面図である。保護カバーを有するプラスチツクケース13の内部に点線で示したアンテナエレメント1及び保護回路12が内蔵され支持台16の底部内側にはノイズシールド板11が設けられている。このように構成されたので、、例えば、TV受像器のうえにおいた場合、該TV受像器自体から生じる不要電磁ノイズをシールドする効果がある。」(3頁4欄26行?4頁5欄27行、段落19?24)

上記引用例1の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記摘記事項イ.における、「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は地上波を用いてVHF、UHFバンドにて電波が送出されるTV放送等の受信に係るアナログ、デジタル両用の受信用アンテナに関するものである。」との記載において、アナログ、デジタル両用の受信用アンテナは、地上波のテレビ放送で発射されているVHF、UHF帯の電波を受信し、テレビの視聴を可能としている。
また、上記摘記事項ロ.における、「【0020】アンテナエレメント1は前記のフォールデツドダイポールアンテナエレメント全体を方形ベルト状に折り曲げ、図2に示す様に方形ベルト状を形成するコ状の2片の一方に給電点2、2と他方に絶縁材を介して保持したエンド導電板4、4を有して構成されている。該アンテナエレメント1は軽金属材料で厚みは1mm以上所定の厚み寸法のもの、及び同じ幅、例えば、25mmの部材が用いられる。」との記載において、アンテナエレメント1は、25mmの幅寸法と1mm以上所定の厚さと方形ベルト状を形成するコ状の形状を有する軽金属材料の部材よりなる。
また、上記摘記事項ロ.における、「給電点2、2は、給電点2、2より発生する微弱の高周波電流を給電箱3を介してケーブル(図示せず)より出力をとりだす様に構成されている。」との記載において、ケーブルは、アンテナエレメント1に接続され、受信した電流を取り出している。

したがって、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。

「地上波のテレビ放送で発射されているVHF、UHF帯の電波を受信し、テレビの視聴を可能としているアナログ、デジタル両用の受信用アンテナにおいて、
25mmの幅寸法と1mm以上所定の厚さと方形ベルト状を形成するコ状の形状を有する軽金属材料の部材よりなるアンテナエレメント1と、
該アンテナエレメント1に接続され、受信した電流を取り出しているケーブルと、
を有する地上波アナログ、デジタル両用の受信用アンテナ。」

(2)原審の拒絶理由に引用された特開2001-257519号公報(以下、「引用例2」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。

ハ.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両等に搭載され、地上波TV放送受信用等として用いられるアンテナに関する。」(2頁1欄28?31行、段落1)

ニ.「【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明すると、図1は本発明の第1の実施形態例に係るアンテナの分解斜視図、図2は図1に示す放射導体部の位置ずれ防止構造を示す説明図、図3は本発明の第2の実施形態例に係るアンテナの放射導体素子の取付構造を示す説明図、図4は本発明の第3の実施形態例に係るアンテナの分解斜視図である。
【0013】図1に示す第1の実施形態例に係るアンテナ10は、第1のケース11aおよび第2のケース11bを一体化してなりアンテナ10の外殻を構成するケーシングと、このケーシングの内部に設置された放射導体素子12および接地導体素子14とを備えており、ケーシングから導出される同軸ケーブル15によって放射導体素子12と接地導体素子14とに給電されるようになっている。
【0014】ケーシングを構成している第1および第2のケース11a,11bは、例えばABS樹脂等の耐熱性に優れた絶縁性材料からなり、本実施形態例では、上面を開口した有底箱形の第1のケース11aが本体ケースとして機能し、下面を開口した有底箱形の第2のケース11bがカバーとして機能する。第1のケース11aの内底面には5本の固定突起17a?17eと一対の保持突部18が立設されていて、各保持突部18上には規制突起19が立設されており、各規制突起19には図2(b)に示すように凹部19aが形成されている。また、第1のケース11aの一側面の上端には半円筒状部11cが設けられ、第2のケース11bの一側面の下端には半円筒状部11dが設けられている。
【0015】放射導体素子12は、並列配置された長さの異なる第1の放射導体部12aおよび第2の放射導体部12bと、これら放射導体部12a,12bの長手方向の同一側の一端において各放射導体部12a,12bに接続された給電導体部13とを有し、これらはCuやAl等の良導電性金属板を折り曲げ加工することによって一体形成されている。第1の放射導体部12aと第2の放射導体部12bとの間にはスリット20が形成されており、このスリット20に沿って第1の放射導体部12aは平板状に延びている。一方、第2の放射導体部12bは、第1の放射導体部12aよりも長く平板状に延びて先端部がコ字形状に折り返されており、このコ字形状部分の底板部が挿入孔16bを有する設置部12cとなっている。給電導体部13の下端には、同軸ケーブル15の内導体15aと電気的に接続される受け部13aと、挿入孔16aを有する設置部13bとが、階段状に折り曲げ形成されている。設置部13bは前記設置部12cと同一平面内に設けられていて、これらの設置部13b,12cは第1のケース11aの内底面に載置され、挿入孔16a,16bにそれぞれ前記固定突起17a,17bを挿入して固定される。
【0016】接地導体素子14は、各放射導体部12a,12bに所定間隔を存して略平行に対向配置され、一端部に受け部14aと保持部14bとを有している。この接地導体素子14もCuやAl等の良導電性金属板を折り曲げ加工することによって一体形成されており、接地導体素子14の一端部と他端部には計3個の挿入孔16c,16d,16eが設けられている。受け部14aは同軸ケーブル15の外導体15bと電気的に接続される部位で、外導体15bを挿入できるように側面視コ字形状に形成されている。保持部14bは同軸ケーブル15の絶縁体15cを保持するための部位で、絶縁体15cを挿入できるように側面視コ字形状に形成されている。この接地導体素子14は第1のケース11aの内底面に載置され、挿入孔16c?16eにそれぞれ前記固定突起17c?17eを挿入して固定される。」(3頁3欄10行?4欄24行、段落12?16)

ホ.「【0018】次に、このように構成されるアンテナ10の組立作業について説明すると、まず、放射導体素子12の挿入孔16a,16bと接地導体素子14の挿入孔16c?16eを第1のケース11aの対応する各固定突起17a?17eに嵌め込み、先端をかしめたり接着剤を用いる等の手段により、設置部12c,13bと接地導体素子14を第1のケース11aの内底面に載置固定する。このとき、図2(a)の要部平面図およびそのA-A’線に沿う断面図である図2(b)に示すように、放射導体素子12の各放射導体部12a,12bは一対の保持突部18上に載置されて、スリット20に規制突起19が嵌入し、その凹部19a内に各放射導体部12a,12bの一側部が係合した状態となる。したがって、放射導体素子12と接地導体素子14は、固定突起17a?17eにより位置決め固定されると共に、放射導体部12a,12bが保持突部18および規制突起19により位置決めされて、スリット20が一定の間隔に保たれ、かつ各放射導体部12a,12bと接地導体素子14との間隔も安定したものとなる。しかる後、第1のケース11aの上方から同軸ケーブル15を落とし込んで、外導体15bと絶縁体15cをそれぞれ受け部14a内と保持部14b内に挿入すると共に、先端の内導体15aを受け部13a上に載置し、同軸ケーブル15の外皮を半円筒状部11cに嵌め込む。この状態で、保持部14bをクランプして絶縁体15cを固定すると共に、受け部14aをクランプして外導体15bを接地導体素子14に電気的かつ機械的に固定する。また、内導体15aを受け部13aに半田付けして電気的に接続する。なお、外導体15bを受け部14aに半田付けして信頼性を高めたり、クランプ以外の圧入等の手法で外導体15bや絶縁体15cを固定してもよい。最後に、第1のケース11aの上部開口に第2のケース11bを被せて、重ね合わせた半円筒状部11c,11dから同軸ケーブル15を導出させた状態で、両ケース11a,11bをネジ止めやスナップ嵌合、接着等の手段で固定することにより、両ケース11a,11b内に放射導体素子12と接地導体素子14とを内包したアンテナ10の組立が完了する。」(3頁4欄36?4頁5欄23行、段落18)

上記引用例2の記載及び図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、上記摘記事項ニ.における、「【0014】ケーシングを構成している第1および第2のケース11a,11bは、例えばABS樹脂等の耐熱性に優れた絶縁性材料からなり、本実施形態例では、上面を開口した有底箱形の第1のケース11aが本体ケースとして機能し、下面を開口した有底箱形の第2のケース11bがカバーとして機能する。第1のケース11aの内底面には5本の固定突起17a?17eと一対の保持突部18が立設されていて、各保持突部18上には規制突起19が立設されており、各規制突起19には図2(b)に示すように凹部19aが形成されている。」との記載、及び上記摘記事項ホ.における、「このとき、図2(a)の要部平面図およびそのA-A’線に沿う断面図である図2(b)に示すように、放射導体素子12の各放射導体部12a,12bは一対の保持突部18上に載置されて、スリット20に規制突起19が嵌入し、その凹部19a内に各放射導体部12a,12bの一側部が係合した状態となる。したがって、放射導体素子12と接地導体素子14は、固定突起17a?17eにより位置決め固定されると共に、放射導体部12a,12bが保持突部18および規制突起19により位置決めされて、スリット20が一定の間隔に保たれ、かつ各放射導体部12a,12bと接地導体素子14との間隔も安定したものとなる。」との記載において、固定突起17a?17e、一対の保持突部18及び各規制突起19は、当然、絶縁材料からなり、放射導体素子12を有底箱形の第1のケース11a上に支承している。
また、上記摘記事項ニ.における、「【0013】図1に示す第1の実施形態例に係るアンテナ10は、第1のケース11aおよび第2のケース11bを一体化してなりアンテナ10の外殻を構成するケーシングと、このケーシングの内部に設置された放射導体素子12および接地導体素子14とを備えており、ケーシングから導出される同軸ケーブル15によって放射導体素子12と接地導体素子14とに給電されるようになっている。」との記載において、ケーシングは、放射導体素子12等を格納している。

したがって、引用例2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されている。

「放射導体素子12を有底箱形の第1のケース11a上に支承している絶縁材料からなる固定突起17a?17e、一対の保持突部18及び各規制突起19と、
放射導体素子12等を格納するケーシングとを有する地上波TV放送受信用アンテナ。」

3.対比
本願発明と引用発明1とを対比する。
a.引用発明1の「アンテナエレメント1」及び「ケーブル」は、本願発明の「アンテナの本体部材」及び「電線ケ-ブル」に、それぞれ対応する構成であり、これらの間に実質的な差異はない。
b.引用発明1の「地上波のテレビ放送で発射されているVHF、UHF帯の電波を受信し、テレビの視聴を可能としているアナログ、デジタル両用の受信用アンテナ」と、本願発明の「地上波のテレビ放送で発射されているFM、VHF、UHF帯の信号波を受信し、前記テレビの視聴を可能とするテレビアンテナ」とは、地上波のテレビ放送で発射されている電波には、FM帯も含まれ、テレビの視聴を可能としているから、いずれも、「地上波のテレビ放送で発射されているFM、VHF、UHF帯の信号波を受信し、前記テレビの視聴を可能とするテレビアンテナ」とういう点で一致し、
c.引用発明1の「25mmの幅寸法と1mm以上所定の厚さと方形ベルト状を形成するコ状の形状を有する軽金属材料の部材よりなるアンテナエレメント1」と、本願発明の「所定の幅寸法と厚さと所定の形状を有する短冊状の平板金属体よりなるアンテナの本体部材」とは、引用発明1の「25mmの幅寸法と1mm以上所定の厚さ」は、所定の幅寸法と厚さであり、「方形ベルト状を形成するコ状の形状」は、所定の形状を有する短冊状であり平板ということができ、また、引用発明1の「アンテナエレメント1」は、本願発明の「アンテナの本体部材」に対応する構成であるから、いずれも、「所定の幅寸法と厚さと所定の形状を有する短冊状の平板金属体よりなるアンテナの本体部材」という点で一致し、
d.引用発明1の「地上波アナログ、デジタル両用の受信用アンテナ」は、地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナである。
したがって、本願発明と引用発明1は、以下の点で一致ないし相違する。

<一致点>
「地上波のテレビ放送で発射されているFM、VHF、UHF帯の信号波を受信し、前記テレビの視聴を可能とするテレビアンテナにおいて、
所定の幅寸法と厚さと所定の形状を有する短冊状の平板金属体よりなるアンテナの本体部材と、
該アンテナ本体部材に接続され、受信した電流を取り出す電線ケ-ブルと、
を有する地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナ。」

<相違点1>
本願発明は、「アンテナ本体部材を所定の形状を有して台座上に支承する非金属よりなる支承手段」を有するのに対して、引用発明1は、その様な構成を備えているか不明な点。

<相違点2>
本願発明は、「アンテナ本体部材と電線ケ-ブルとを接続する給電点における接続手段」を有するのに対して、引用発明1は、その様な構成を備えているか不明な点。

<相違点3>
本願発明は、「アンテナ本体部材等を格納する外装ケ-ス」を有するのに対して、引用発明1は、その様な構成を備えているか不明な点。

4.判断
そこで、まず、上記相違点1及び3について検討する。
上記引用発明2において、「放射導体素子12」、「有底箱形の第1のケース11a」、「絶縁材料からなる固定突起17a?17e、一対の保持突部18及び各規制突起19」及び「ケーシング」は、それぞれ、本願発明の「アンテナ本体部材」、「台座」、「非金属よりなる支承手段」及び「外装ケ-ス」に相当するので、引用発明2は、
「アンテナ本体部材を所定の形状を有して台座上に支承する非金属よりなる支承手段と、
アンテナ本体部材等を格納する外装ケ-スとを有する地上波TV放送受信用アンテナ。」
と表現することができる。
そして、引用発明1と引用発明2は、いずれも、地上波放送受信用テレビアンテナという技術分野で共通し、また、引用例1の上記摘記事項ロ.段落21に記載されるように、「アンテナエレメント1、1は絶縁支柱7、7で支承され」ており、上記摘記事項ロ.段落22に記載されるように、「アンテナエレメントを外部に露出させない様に保護カバーを設けて」いることを考慮すれば、引用発明1において、引用発明2を採用することに特段の阻害要因は見あたらないから、引用発明1に引用発明2を適用して本願発明のように構成することは当業者が容易に想到し得ることである。

次に、上記相違点2について検討する。
地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナにおいて、アンテナ本体部材と電線ケ-ブルとを接続する給電点における接続手段を設けることは周知であり、引用発明1において、周知技術を用いて本願発明のように構成することは当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明1、2及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明1、2及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認められるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-25 
結審通知日 2008-04-01 
審決日 2008-04-14 
出願番号 特願2003-69797(P2003-69797)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮崎 賢司右田 勝則  
特許庁審判長 竹井 文雄
特許庁審判官 阿部 弘
萩原 義則
発明の名称 地上波アナログ・デジタル共用受信テレビアンテナ  
代理人 高野 昌俊  

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