ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
無効200680190 | 審決 | 特許 |
無効200680233 | 審決 | 特許 |
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 訂正 2項進歩性 訂正しない A63F 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない A63F |
---|---|
管理番号 | 1180200 |
審判番号 | 訂正2007-390015 |
総通号数 | 104 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-08-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2007-02-09 |
確定日 | 2008-06-13 |
事件の表示 | 特許第3708056号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】手続の経緯 平成12年 4月26日 特願2000-125331号 (国内優先権主張の基礎出願) 平成12年 5月26日 特願2000-155626号 (国内優先権主張を伴う出願:親出願) 平成14年 2月15日 特願2002-38046号 (本件出願:親出願からの分割出願) 平成14年 9月24日 公開(特開2002-272904号) 平成17年 8月12日 設定登録(特許第3708056号) 平成18年 3月 1日 無効審判請求(無効2006-80034号) 平成18年 3月 2日 無効審判請求(無効2006-80035号) 平成18年 5月22日 答弁書・訂正請求書(無効2006-80034号) 答弁書・訂正請求書(無効2006-80035号) 平成18年 6月27日 弁駁書(無効2006-80034号) 弁駁書(無効2006-80035号) 平成18年 8月 8日 手続中止通知(無効2006-80035号) 平成18年10月 4日 無効2006-80034号審決(訂正を認め る。特許第3708056号の請求項1?5に 係る発明についての特許を無効とする。) 平成18年11月13日 知的財産高等裁判所出訴 (平成18年(行ケ)第10504号) 平成19年 2月 9日 本件訂正審判請求 平成19年 2月16日 上申書(訂正審判請求人より) 平成19年 5月22日 上申書(無効審判請求人より) 平成19年 8月 7日 上申書(訂正審判請求人より) 平成19年 8月27日 訂正拒絶理由通知 平成19年 9月28日 意見書 【2】審判請求の要旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第3708056号の明細書を審判請求書に添付した明細書のとおりに、即ち、以下の訂正事項a?eのとおりに訂正することを求めるものである。 〔1〕訂正事項a 特許請求の範囲を、 「【請求項1】 乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段とを備えて構成される遊技機において、 前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段と、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに現在の遊技状態に応じた遊技音の音量を下げる出音制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 【請求項2】 前記状態検出手段は、ボーナスゲームの作動中であって前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 【請求項3】 所定の前記タイミングは、前回遊技の遊技開始タイミングまたは前回遊技の遊技終了タイミングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。 【請求項4】 前記遊技開始タイミングは、遊技を開始させる遊技開始手段が操作されたタイミングまたは遊技に遊技媒体が賭けられたタイミングであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。 【請求項5】 前記遊技終了タイミングは、遊技に使用される種々の図柄を複数列に可変表示させる可変表示装置の全列の可変表示が停止したタイミングまたは遊技者への配当払出処理タイミングであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。」から、 「【請求項1】 乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段とを備えて構成されるスロットマシンにおいて、 特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段と、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに前記特別の遊技音の音量を下げ、遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる出音制御手段とを備えたことを特徴とするスロットマシン。 【請求項2】 所定の前記タイミングは、前回遊技の遊技開始タイミングまたは前回遊技の遊技終了タイミングであることを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。 【請求項3】 前記遊技開始タイミングは、遊技を開始させる遊技開始手段が操作されたタイミングまたは遊技に遊技媒体が賭けられたタイミングであることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。 【請求項4】 前記遊技終了タイミングは、遊技に使用される種々の図柄を複数列に可変表示させる可変表示装置の全列の可変表示が停止したタイミングまたは遊技者への配当払出処理タイミングであることを特徴とする請求項2に記載のスロットマシン。」に訂正する。 〔2〕訂正事項b 段落【0008】を、 「【課題を解決するための手段】 本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段とを備えて構成される遊技機において、前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段と、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに現在の遊技状態に応じた遊技音の音量を下げる出音制御手段とを備えたことを特徴とする。」から、 「【課題を解決するための手段】 本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段とを備えて構成されるスロットマシンにおいて、特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段と、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに前記特別の遊技音の音量を下げ、遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる出音制御手段とを備えたことを特徴とする。本明細書において、特別の遊技とは、ビッグ・ボーナス・ゲーム(BBゲーム)やレギュラー・ボーナス・ゲーム(RBゲーム)といった大量のメダルを獲得することができる遊技を意味する。」に訂正する。 〔3〕訂正事項c 段落【0009】を、 「本構成によれば、状態検出手段によって前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態が検出されると、出音制御手段が出音手段による現在の遊技状態に応じた遊技音の継続的な出音の音量を下げる。このため、遊技が行われている際、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、出音手段による継続的な出音の音量は下がる。」から、 「本構成によれば、状態検出手段によって特別の遊技が行われる際の前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態が検出されると、出音制御手段が出音手段による前記特別の遊技音の継続的な出音の音量を下げる。このため、遊技が行われている際、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、出音手段による継続的な出音の音量は下がる。」に訂正する。 〔4〕訂正事項d 段落【0147】,【0148】を、削除する。 〔5〕訂正事項e 段落【0149】を、 「【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、状態検出手段によって前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態が検出されると、出音制御手段が出音手段による継続的な出音の音量を下げる。このため、遊技が行われている際、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、出音手段による継続的な出音の音量は下がる。」から、 「【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、状態検出手段によって特別の遊技が行われる際の前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態が検出されると、出音制御手段が出音手段による継続的な出音の音量を下げる。このため、遊技が行われている際、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、出音手段による継続的な出音の音量は下がる。」に訂正する。 【3】訂正の適否 〔1〕訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 上記訂正事項a?eは、何れも、請求項1についての訂正に関連してなされたものであるから、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否についての検討は、主に、上記訂正事項aの内の、請求項1についての訂正に基づいて行う。 1.請求項1についての訂正の要旨 請求項1についての訂正は、具体的には、特許査定時の請求項1に係る発明における発明特定事項について、以下のように限定するものである。 (1)「遊技機」を「スロットマシン」に限定する。 (2)「遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段」を「特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段」に訂正して、「現在の遊技状態」を「特別の遊技状態」に限定し、「(現在の遊技状態に応じた)遊技音」を「特別の遊技音」に限定する。 (3)「前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段」を「特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段」に訂正して、「前回遊技における所定のタイミング」を「特別の遊技が行われる際」におけるものに限定し、「状態検出手段」をさらに「所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する」ものに限定する。 (4)「状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに現在の遊技状態に応じた遊技音の音量を下げる出音制御手段」を「状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに前記特別の遊技音の音量を下げ、遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる出音制御手段」に訂正して、「現在の遊技状態に応じた遊技音」を「特別の遊技音」に限定し(上記(2)で既述)、「出音制御手段」をさらに「遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる」ものに限定する。 2.本件特許明細書の記載事項 A.遊技機について (a)「【発明の属する技術分野】 本発明は、遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段を備えた遊技機に関するものである。 【従来の技術】 従来、この種の遊技機としては、例えば、前面扉の背後に3個のリールが3列に並設されたスロットマシンがある。これらリールは複数の図柄を可変表示する可変表示装置を構成している。各リールの外周には種々の図柄が描かれており、前面扉に形成された各窓を介して観察される。この窓には入賞ラインが記されており、スロットマシン遊技は、各停止ボタンの操作により、いずれかのこの入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止するか否かによって行われる。 ・・・ 入賞態様には大当たり入賞や中当たり入賞,小当たり入賞等があり、大当たり入賞や中当たり入賞は図柄「7」や所定のキャラクタ図柄が入賞ライン上に3個揃うと発生する。大当たり入賞ではビッグ・ボーナス・ゲーム(BBゲーム)、中当たり入賞ではレギュラー・ボーナス・ゲーム(RBゲーム)といった特別の遊技が行え、大量のコインを獲得することが出来る。・・・ スロットマシンのキャビネット内部にはスピーカが内蔵されており、上記のBBゲームやRBゲームが行われる際には、このスピーカから特別の遊技音が継続的に出音される。遊技者はこの特別の遊技音を聞くことにより、現在の遊技状態がBBゲームやRBゲームであることを確認することが出来る。」(段落【0001】?【0005】) (b)「【発明の実施の形態】 次に、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した一実施形態について説明する。 図1は本実施形態によるスロットマシン1の外観を示す正面図であり、図2はこのスロットマシン1の前面扉37を開けたキャビネット38の内部を示す図である。・・・ スロットマシン1の本体中央部には3個のリール2,3,4が回転自在に設けられている。これらリール2,3,4は遊技に使用される種々の図柄を複数列に可変表示させる可変表示装置を構成している。各リール2,3,4の外周面には複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。これらシンボルはスロットマシン1の正面の表示窓5,6,7を通してそれぞれ3個ずつ観察される。この表示窓5,6,7には、横3本と斜め2本の計5本の入賞ラインが設けられている。また、表示窓5?7の下方右側には、遊技者が遊技媒体であるメダルを入れるための投入口8が設けられている。」(段落【0010】?【0012】) (c)「すなわち、本実施形態によるスロットマシン1によれば、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、非遊技状態監視用タイマ97等からなる状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ96から継続的に出音されているボーナス作動音の音量は、経過時間に応じて段階的に下げられて行き、ついには消音させられてしまう。このため、本実施形態によるスロットマシン1によれば、遊技者が遊技台を離れてしまってその遊技台で遊技が行われていないのにもかかわらず、スピーカ96から大きな遊技音が出音され続けたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をしている際に、遊技をしていないのにもかかわらずスピーカ96から大きな遊技音が出音され続けてしまう、といった不都合を回避することが出来る。」(段落【0134】) (d)「また、上記実施形態においては、本発明による遊技機をスロットマシンに適用した場合について説明したが、パチンコ機、ピンボールゲーム機、アレンジボール機といった弾球遊技機に本発明を適用することも可能である。」(段落【0147】) B.現在の遊技状態・遊技音の出音について <現在の遊技状態について> (a)「遊技状態は、図19(a)に示すRAM66中の遊技状態ステータス(遊技状態フラグ)という1バイトの領域に格納されており、・・・。この遊技状態ステータスに格納されている遊技状態には、『RB作動中』,『BB作動中』,『一般遊技中』,『BB内部当たり中』,および『RB内部当たり中』の5種類がある。」(段落【0086】) (b)図19(a)に、「遊技状態ステータス」の「内容」として、「RB作動中」,「BB作動中」,「一般遊技中」,「BB内部当たり中」及び「RB内部当たり中」が記載されている。 <遊技音の出音について> (c)従来の遊技機について、「スロットマシンのキャビネット内部にはスピーカが内蔵されており、上記のBBゲームやRBゲームが行われる際には、このスピーカから特別の遊技音が継続的に出音される。遊技者はこの特別の遊技音を聞くことにより、現在の遊技状態がBBゲームやRBゲームであることを確認することが出来る。」(段落【0005】) (d)「【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、BBゲームやRBゲームが行われている最中、遊技者の中にはその遊技台を離れてしまう者がおり、このような場合、上記従来の遊技機ではスピーカから特別の遊技音が継続的に出音されたままの状態になる。遊技者がその遊技台で遊技をしていないのにもかかわらず、スピーカから大きな遊技音が出音され続けると、その遊技台の周囲で遊技をしている遊技者はその大きな遊技音によってはなはだ迷惑をこうむる。 また、BBゲームやRBゲームが行われている最中に、獲得したメダルをドル箱と呼ばれるメダル貯留箱に移す作業をしている場合にも、上記従来の遊技機では、スピーカから特別の遊技音が継続的に出音されたままの状態になる。この場合には、遊技をしていないのにもかかわらずスピーカから大きな遊技音が出音され続けるため、その遊技台で遊技をしている遊技者自身がその大きな遊技音によって煩わされる。」(段落【0006】,【0007】) (e)「ここで、サブCPU82、ROM83、RAM84、サウンドROM94、音源IC91、パワーアンプ95およびスピーカ96は、遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が入賞態様決定手段によって決定されたボーナス入賞態様に応じた遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段を構成している。また、これと共に、前記の状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに、この出音手段による継続的な出音の音量を下げるか、または消音させる出音制御手段をも構成している。」(段落【0052】) (f)「サブCPU82は、この遊技開始情報を受信すると、現在の遊技状態が一般遊技状態の時は、スピーカ96から遊技開始音を出音させる・・・。また、BBまたはRBの内部当たり中の一般遊技時には、スピーカ96からチャンス演出の効果音群を出音させる・・・。また、現在の遊技状態がRB遊技状態である場合には、スピーカ96から遊技開始音およびRB遊技演出の効果音群を出音させる・・・。また、現在の遊技状態がBB遊技状態である場合には、スピーカ96から遊技開始音およびBB遊技演出の効果音群を出音させる・・・。」(段落【0092】) (g)「また、上記実施形態においては、出音手段が遊技音を継続的に出音して遊技者に報知する遊技状態をボーナスゲームとした場合について説明したが、・・・」(段落【0145】) (h)段落【0051】,【0064】?【0066】,【0100】,【0101】等の記載によれば、「出音手段」は、継続的な遊技音である「RB遊技演出の効果音群」,「BB遊技演出の効果音群」以外に、「遊技開始音」,「エラー音」,「リール停止音」,「リール回転不可音」,「遊技メダル投入音」,「スタートレバー操作音」,「停止ボタン操作音」,「遊技メダル払出音」,「BB入賞期待音1」,「BB入賞期待音2」等の操作音或いは効果音をも出音させるものである。(尚、上記継続的な遊技音である「RB遊技演出の効果音群」,「BB遊技演出の効果音群」以外の操作音或いは効果音が継続的に出音されるものであるのか否かについては、本件特許明細書に明示的な記載はない。但し、段落【0092】には、BBまたはRBの内部当たり中の一般遊技時にチャンス演出の効果音群を出音させる旨の記載はある。) C.非遊技状態の検出について (a)「前記状態検出手段は、ボーナスゲームの作動中であって前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する・・・請求項1に記載の遊技機。」(特許請求の範囲【請求項2】) (b)「・・・このタイマ97は遊技が開始されるタイミングにサブCPU82によって・・・セットされ、遊技が開始されてからの経過時間を計時する。サブCPU82、ROM83、RAM84およびこの非遊技状態監視用タイマ97は、遊技がされていない状態を検出する状態検出手段を構成している。」(段落【0049】) (c)「サブCPU82は、遊技開始コマンドを受信すると、まず、非遊技状態監視用タイマ97をセットし、このタイマ97に遊技開始タイミングからの経過時間の計時を開始させる・・・。また、このタイマセット処理と共に、サブCPU82は、このタイマー97による計時の一定時間の経過毎、例えば、10秒経過毎に、図25に示すサウンド音量調節処理を割り込み処理として行わせるセットをする。」(段落【0126】) (d)「すなわち、本実施形態によるスロットマシン1によれば、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、非遊技状態監視用タイマ97等からなる状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ96から継続的に出音されているボーナス作動音の音量は、経過時間に応じて段階的に下げられて行き、ついには消音させられてしまう。・・・」(段落【0134】) D.非遊技状態の検出に伴う出音制御(その1・任意の遊技開始タイミング・遊技終了タイミングを基準に非遊技状態を検出)について (a)「図24は、・・・遊技開始コマンドが受信された際に、サブCPU82によって行われる上記の受信コマンド解析処理を示すフローチャートである。 サブCPU82は、遊技開始コマンドを受信すると、まず、非遊技状態監視用タイマ97をセットし、このタイマ97に遊技開始タイミングからの経過時間の計時を開始させる・・・。また、このタイマセット処理と共に、サブCPU82は、このタイマー97による計時の一定時間の経過毎、例えば、10秒経過毎に、図25に示すサウンド音量調節処理を割り込み処理として行わせるセットをする。 次に、サブCPU82は、受信した遊技開始コマンドに基づき、現在の遊技状態がBB作動中であるか、またはRB作動中であるか否かを判別する・・・また、BB作動中またはRB作動中である場合には、サブCPU82は、次に、スピーカ96から出音されている遊技音の音量が最大(MAX)であるか否かを判別する・・・。遊技音の音量が最大である場合には処理をステップ165へ進め、遊技音の音量が最大でない場合・・・には、遊技音の音量を最大に設定してボーナス作動音を出音させる・・・。」(段落【0125】?【0127】) (b)「図25に示すサウンド音量調節割り込み処理では、サブCPU82は、まず、現在、スピーカ96から遊技音(ボーナス作動音)を出音している最中か否かを判別する・・・。出音中でない場合には割り込み処理を終了し、また、出音中である場合には、サブCPU82は、次に、非遊技状態監視用タイマ97を読み込み、今回のゲームの開始タイミングから30秒以上経過しているか否かを判別する・・・。30秒以上経過していない場合には、サブCPU82は、スピーカ96から出音している遊技音の音量を最大(MAX)にセットして出音させる・・・。その後、割り込み処理を終了する。 また、ステップ172で30秒以上経過している場合には、サブCPU82は、次に、今回のゲームの開始タイミングから60秒以上経過しているか否かを判別する・・・。60秒以上経過していない場合には、サブCPU82は、スピーカ96から出音している遊技音の音量を1段階下げて出音させる・・・。その後、割り込み処理を終了する。 また、ステップ174で60秒以上経過している場合には、サブCPU82は、次に、今回のゲームの開始タイミングから90秒以上経過しているか否かを判別する・・・。90秒以上経過していない場合には、サブCPU82は、スピーカ96から出音している遊技音の音量をさらに1段階下げて出音させる・・・。その後、割り込み処理を終了する。また、ステップ176で90秒以上経過している場合には、サブCPU82は、次に、スピーカ96から出音されている遊技音を消音させる・・・。」(段落【0128】?【0130】) (c)「この結果、スピーカ96から出音されるボーナス音は図26(a)、(b)のグラフに示すように変化する。・・・ボーナス音はBBゲーム(またはRBゲーム)がスタートされる際に出音され始め、ボーナスゲームが行われている最中、継続的に出音されている。ここで、例えば、遊技者が遊技台を離れたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をするために遊技を中断すると、遊技が行われないまま時間が経過して行く。 このとき、上述したサウンド音量調節割り込み処理がサブCPU82によって上記のように行われており、前回の遊技スタート時から30秒経過していない時には、スピーカ96から出音されるボーナス作動音はステップ173の処理で(a)のグラフに示すように最大にセットされている。しかし、前回の遊技スタート時から30秒経過すると、スピーカ96から出音されるボーナス作動音は、ステップ175の処理で(a)のグラフに示すように一段階下げられる。さらに、前回の遊技スタート時から60秒経過すると、スピーカ96から出音されるボーナス作動音はステップ177の処理で(a)のグラフに示すようにさらに一段階下げられる。 そして、ついには、前回の遊技スタート時から90秒経過すると、スピーカ96から出音されるボーナス作動音はステップ178の処理で(a)のグラフに示すように消音させられる。90秒経過した後は、(b)のグラフに示すように、次遊技がスターとされるまで消音状態が継続され、次遊技がスタートされると、再度、スピーカ96からボーナス作動音が最大の音量で出音される。」(段落【0131】?【0133】) (d)「すなわち、本実施形態によるスロットマシン1によれば、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、非遊技状態監視用タイマ97等からなる状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ96から継続的に出音されているボーナス作動音の音量は、経過時間に応じて段階的に下げられて行き、ついには消音させられてしまう。このため、本実施形態によるスロットマシン1によれば、遊技者が遊技台を離れてしまってその遊技台で遊技が行われていないのにもかかわらず、スピーカ96から大きな遊技音が出音され続けたり、獲得メダルをドル箱に移す作業をしている際に、遊技をしていないのにもかかわらずスピーカ96から大きな遊技音が出音され続けてしまう、といった不都合を回避することが出来る。」(段落【0134】) (e)「・・・しかし、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ96から出音されているボーナス作動音の音量を最小音量まで段階的に下げるだけで消音しない構成にしたり、また、ただ単に最小音量までいきなり下げる構成にしてもよい。さらに、遊技がされていない状態が検出されると、いきなり消音させる構成としてもよい。このような各構成によっても、遊技台で遊技が行われていないのにもかかわらず、スピーカ96から大きな遊技音が出音され続けて周囲の遊技者に迷惑がかかったり、遊技者自身が大きな遊技音によって煩わされるといった事態を防ぐことが出来る。」(段落【0135】) (f)「また、上記実施形態においては、非遊技状態監視用タイマ97等からなる状態検出手段による非遊技状態の検出は、スタートレバー30が操作された遊技開始タイミングを基準に判断したが、メダル投入口8にメダル投入が行われるタイミングを基準とする遊技開始タイミングとしてもよい。また、全リール2?4の停止タイミングやメダル払い出し処理タイミングといった遊技終了タイミングを基準に、非遊技状態の検出を行うようにしてもよい。」(段落【0136】) E.非遊技状態の検出に伴う出音制御(その2・リールの全停止タイミングを基準に非遊技状態を検出)について (a)「図27に示すフローチャートは、リール2?4の全停止タイミングを基準に非遊技状態の検出を行う際の、サブCPU82による受信コマンド解析処理の一例を示している。この受信コマンド解析処理は、前述した実施形態における図23に示すサブフローで行われる遊技音の音量調節処理である。この遊技音の音量調節以外の処理は前述した実施形態と同様に行われる。 メインフローのステップ117(図13参照)において送信される全リール停止コマンドが受信されると、サブCPU82は、まず、現在の遊技状態がBB作動中であるか、またはRB作動中であるか否かを判別する(図27・・・)。・・・また、BB作動中またはRB作動中である場合には、サブCPU82は、次に、遊技メダル投入コマンドをメイン基板61から受信したか否かを判別する・・・。この遊技メダル投入コマンドは、リール2?4が全停止した後、遊技者が次のゲームを行うために投入口8にメダルを投入するとメイン基板61から送信されるものであり、メインフローのステップ104,105(図12参照)において送信される。」(段落【0137】,【0138】) (b)「遊技メダル投入コマンドが受信されていない場合には、サブCPU82は、次に、非遊技状態監視用タイマ97が既にセットされているか否かを判別する・・・。セットされていない場合には、この非遊技状態監視用タイマ97をセットし、このタイマ97に全リール停止タイミングからの経過時間の計時を開始させる・・・。ステップ183で非遊技状態監視用タイマ97が既にセットされている場合、またはステップ184で非遊技状態監視用タイマ97がセットされると、サブCPU82は、次に、その時の遊技状態に応じた画像演出を前述したように液晶表示装置22に行わせ・・・。その後、サウンド音量調節処理を行う・・・。 このサウンド音量調節処理は図28のフローチャートに示される。このフローチャートの各ステップ191?198は、前述した図25に示すサウンド音量調節処理のフローチャートにおける各ステップ171?178とほぼ同じである。これら各フローチャートの相違は、非遊技状態監視用タイマ97が経過時間を計時する基準が、図28のフローチャートでは、ステップ192,194,196に示されるようにリール全停止タイミングであり、図25のフローチャートでは、ステップ172,174,176に示されるようにゲーム開始タイミングである点にある。 図27のステップ182において遊技メダル投入コマンドが受信されるまで、ステップ182?ステップ186は繰り返し処理されるため、ステップ186のこのサウンド音量調節処理により、リール2?4の全停止タイミングを基準にして30秒経過するまでは遊技音量が最大にされる(図28・・・)。そして、30秒を経過して60秒経過するまでは遊技音量が1段階下げられ・・・、60秒を経過して90秒経過するまでは遊技音量がさらに1段階下げられ・・・、90秒経過すると遊技音は消音される・・・。」(段落【0139】?【0141】) (c)「また、図27のステップ182において遊技メダル投入コマンドが受信されると、サブCPU187は、次に、非遊技状態監視用タイマ97をクリアし・・・、スピーカ96から出音されている遊技音の音量が最大(MAX)であるか否かを判別する・・・。遊技音の音量が最大である場合には処理を終え、遊技音の音量が最大でない場合、すなわち、前回のゲームで音量が下げられたか、或いは消音された場合には、遊技音の音量を最大に設定してボーナス作動音を出音させ・・・、処理を終える。」(段落【0142】) 3.検討 (1)「遊技機」を「スロットマシン」に限定することについて 上記2.A.?E.の記載によれば、本発明の属する技術分野は、遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が所定の入賞態様に応じた遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段を備えた遊技機に係るものであり、この種の遊技機としては、従来、前面扉の背後に3個のリールが3列に並設されたスロットマシンがあることが記載され(A.(a)を参照。)、また、本発明の遊技機の実施の形態としても、実質的に、スロットマシンのみが記載されている(A.(b)?(d)を参照。)。 ところで、本発明による遊技機には、「スロットマシン」以外に、「パチンコ機、ピンボールゲーム機、アレンジボール機といった弾球遊技機」をも包含するものと理解できる(A.(d)を参照。)ものの、「発明の解決しようとする課題」を有する従来の遊技機としては、「スロットマシン」のみが挙げられており(B.(d)を参照。)、しかも、上記のように、その実施の形態としては、実質的に、「スロットマシン」のみが記載されている(A.?E.を参照。)。 したがって、特許査定時の請求項(以下、「旧請求項」という。)1における「遊技機」を「スロットマシン」に限定することは、特許請求の範囲の減縮に該当するものと認められ、このように限定することに何らの不都合はないものである。 (2)「現在の遊技状態」を「特別の遊技状態」に限定するとともに、「(現在の遊技状態に応じた)遊技音」を「特別の遊技音」に限定することについて 上記2.B.の記載によれば、本件特許発明の遊技機であるスロットマシンの「現在の遊技状態」には、「RB作動中」,「BB作動中」,「一般遊技中」,「BB内部当たり中」及び「RB内部当たり中」の5種類の遊技状態があることが記載され(B.(a),(b)を参照。)、また、スロットマシンが、BBゲームやRBゲームが行われる際(ボーナスゲーム中)に、スピーカ96から特別の遊技音が継続的に出音されて現在の遊技状態が入賞態様決定手段によって決定されたBBゲームやRBゲーム(ボーナス入賞態様に応じた遊技状態)であることを遊技者に報知するようにしたものであることが記載されている(B.(c)?(g)を参照。)。 ところで、上記のように、本件特許発明の遊技機であるスロットマシンの「現在の遊技状態」には、5種類の遊技状態があり、これにより、訂正後の請求項(以下、「新請求項」という。)1に記載の内容が、文理解釈上、「BB作動中」,「RB作動中」のみに限定され、他の遊技状態である「一般遊技中」,「BB内部当たり中」,「RB内部当たり中」においては、出音手段、状態検出手段及び出音制御手段が作動しなくても足りる態様となっているところではある。 しかし、本件特許発明は、訂正の前後において、さらには、本件特許出願当初から、スロットマシンにおいて、ビッグ・ボーナス・ゲーム(BBゲーム)やレギュラー・ボーナス・ゲーム(RBゲーム)といった大量のメダルを獲得することができる遊技である特別の遊技が行われる際に、継続的に大きく出音される特別の遊技音の出音について、前記特別の遊技の最中に、遊技を中断した遊技者にとっては煩わしいものとなり、また、遊技者が離れてしまった遊技台の周囲で遊技をしている他の遊技者にとっては迷惑なものとなることを、発明の解決しようとする課題とし、このような課題を解決するために、所定のタイミングから所定時間経過したときに状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出された場合には、前記遊技音の音量を下げる装置構成とすることを、発明の課題を解決するための手段として一貫して保持し続けているものであり、 しかも、旧請求項1における「遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段」による出音については、本件特許明細書の何れの記載をみても、継続的な遊技音である「RB遊技演出の効果音群」,「BB遊技演出の効果音群」以外の、「遊技開始音」,「エラー音」,「リール停止音」,「リール回転不可音」,「遊技メダル投入音」,「スタートレバー操作音」,「停止ボタン操作音」,「遊技メダル払出音」,「BB入賞期待音1」,「BB入賞期待音2」等の操作音或いは効果音を継続的に出音するものである旨の明示的な記載はなされておらず(B.(h)を参照。)、また、同じく、旧請求項1における「現在の遊技状態に応じた遊技音の音量を下げる出音制御手段」による出音制御については、本件特許明細書の何れの記載をみても、「現在の遊技状態」(上記5種類の遊技状態)の全てにおいて、「遊技音の音量を下げる」ものである旨の明示的な記載はなされていない。 したがって、旧請求項1における「現在の遊技状態」を「特別の遊技状態」に限定し、「(現在の遊技状態に応じた)遊技音」を「特別の遊技音」に限定することは、特許請求の範囲の減縮に該当するものと認められ、このように限定することに何らの不都合はないものである。 (3)「前回遊技における所定のタイミング」を「特別の遊技が行われる際」におけるものに限定し、「状態検出手段」をさらに「所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する」ものに限定することについて 上記2.C.,D.の記載によれば、旧請求項1における「状態検出手段」について、「ボーナスゲームの作動中であって前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する」ものにするとの限定が旧請求項2においてなされ(C.(a)を参照。)、また、本発明の実施の形態であるスロットマシン1が、BBゲームまたはRBゲームが行われている際、非遊技状態監視用タイマ97等からなる状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されると、スピーカ96から継続的に出音されているボーナス作動音の音量を下げるものであることが記載され(C.(d)、D.(d),(e)を参照。)、さらに、遊技がされていない状態を検出する「状態検出手段」を構成する「非遊技状態監視用タイマ97」が、遊技が開始されるタイミングに(遊技開始コマンドを受信すると)、サブCPU82によってセットされ、遊技が開始されてからの経過時間を計時するものであることが記載されている(C.(b),(c)、D.(a)を参照。)。 同じく、上記2.E.の記載によれば、BB作動中またはRB作動中である場合、サブCPU82が、遊技メダル投入コマンド(リール2?4が全停止した後、遊技者が次のゲームを行うためにメダルを投入するとメイン基板61から送信される)が受信されていないときには、非遊技状態監視用タイマ97が既にセットされているか否かを判別し、セットされていないときには、この非遊技状態監視用タイマ97をセットし、このタイマ97に全リール停止タイミングからの経過時間の計時を開始させ、非遊技状態監視用タイマ97が既にセットされているとき、または、非遊技状態監視用タイマ97がセットされると、その時の遊技状態に応じた画像演出を行わせ、その後、サウンド音量調節処理を行うことが記載されている(E.(a),(b)を参照。)。 したがって、旧請求項1における「前回遊技における所定のタイミング」を「BBゲームまたはRBゲームが行われている際」(ボーナスゲームの作動中)におけるもの、即ち「特別の遊技が行われる際」におけるものに限定し、「状態検出手段」をさらに「所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する」ものに限定することは、特許請求の範囲の減縮に該当するものと認められ、このように限定することに何らの不都合はないものである。 (4)「現在の遊技状態に応じた遊技音」を「特別の遊技音」に限定し(上記(2)で既述)、「出音制御手段」をさらに「遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる」ものに限定することについて 旧請求項1における「現在の遊技状態に応じた遊技音」を「特別の遊技音」に限定することは、上記(2)で述べたとおりであるから、以下、旧請求項1における「出音制御手段」をさらに「遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる」ものに限定することについて検討する。 上記2.E.の記載によれば、BB作動中またはRB作動中である場合、遊技メダル投入コマンドが受信されると、非遊技状態監視用タイマ97をクリアし、スピーカ96から出音されている遊技音の音量が最大(MAX)であるか否かを判別し、遊技音の音量が最大であるときには処理を終え、遊技音の音量が最大でないとき、即ち、前回のゲームで音量が下げられたか、或いは消音されたときには、遊技音の音量を最大に設定してボーナス作動音を出音させることが記載されている(E.(c)を参照。)。 したがって、旧請求項1における「現在の遊技状態に応じた遊技音」を「特別の遊技音」に限定し、「出音制御手段」をさらに「遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる」ものに限定することは、特許請求の範囲の減縮に該当するものと認められ、このように限定することに何らの不都合はないものである。 4.小括り 以上のとおりであり、旧請求項1における「遊技機」を「スロットマシン」に訂正し、以下同様に、「遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態を遊技者に報知する出音手段」を「特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段」に、「前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段」を「特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段」に、「状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに現在の遊技状態に応じた遊技音の音量を下げる出音制御手段」を「状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに前記特別の遊技音の音量を下げ、遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる出音制御手段」にそれぞれ訂正したとしても、これにより、訂正後の課題乃至技術思想が訂正前の課題乃至技術思想を概念的に変更するものであるということはできないものといわざるをえない。 したがって、請求項1についての訂正は、本件特許明細書等に記載されている事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものということができないから、許容されるべきものである。 5.まとめ そして、上記訂正事項aの訂正については、請求項1についての訂正はもとよりそれ以外の請求項についての訂正をも含めて、特許請求の範囲の減縮を目的とし、上記訂正事項b?eの訂正については、上記訂正事項aによる特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に伴ってそれとの整合を図るための、明りょうでない記載の釈明、或いは、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許明細書等に記載されている事項の範囲内の訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書に規定する目的を満たすものであり、かつ、同法第126条第3項又は第4項の規定に適合するものである。 〔2〕独立特許要件 1.訂正後の請求項1に係る発明 以上のように、本件訂正は、訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否の点において、適法のものということができるところ、 本件訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件訂正発明」という。)は、審判請求書に添付した明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、上記【1】の訂正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 2.引用刊行物とそれの記載 本件訂正発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、下記刊行物1?17の記載に基づき、以下に検討する。 <引用刊行物> 刊行物1:特開平11-178990号公報 刊行物2:特開平7-51442号公報 刊行物3:特開平8-796号公報 刊行物4:特開平10-305130号公報 刊行物5:特開2000-116845号公報 刊行物6:特開平5-305173号公報 刊行物7:特開平8-187316号公報 刊行物8:特開平7-112051号公報 刊行物9:特開平9-299548号公報 刊行物10:特開平5-7642号公報 刊行物11:特開平9-253274号公報 刊行物12:特開平7-328179号公報 刊行物13:特開平9-192296号公報 刊行物14:特開平10-174741号公報 刊行物15:特開平10-216326号公報 刊行物16:特開平9-83278号公報 刊行物17:特開平5-199307号公報 <引用刊行物の記載> (1)本件出願前に頒布された刊行物1(特開平11-178990号公報)には、遊技装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「上下方向中央部のやや上方には、・・・3つのシンボル表示窓12が設けられ、スロットマシン内部における各対応位置に、3つのリール14が水平方向回転軸線を中心として互いに独立的に回転自在に支持されている。各リール14の外周面には、多種のシンボル・・・が周方向における一定距離毎に順に表示され、そのうち周方向に連続する任意の3つのシンボルが、各リール14の停止時に、シンボル表示窓12における上中下の各位置にリール14毎に表示される。・・・各リール14は、それぞれ別々のステッピングモータ・・・によって、回転駆動され、また停止保持される。」(段落【0059】) (b)「シンボル表示窓12には、3つのリール14それぞれが停止状態で表示する3つのシンボルに関し、入賞判定において、払い込まれたメダルの枚数(1乃至3枚)に応じて有効とされる整列位置を示すライン16(線)が5本描かれている。・・・遊技者は、有効ラインランプ18によって示された有効ライン16上に、各リール14におけるどのようなシンボルが位置しているかを見てゲームの結果・・・を知ることができる。ゲームの結果は、ヒットランプ10の点灯若しくは点滅等やスピーカ20からの音声出力などによっても知らされる。」(段落【0060】) (c)「メダルを払い込むには、上下中央部の右方部に設けられたメダル投入口22からメダルを投入するか、スロットマシンに保留されているメダルがある場合は、BETボタン24を押して必要枚数を払い込む。BETボタン24はメダル投入口22の左方に設けられている。」(段落【0061】) (d)「有効ラインランプ18の下方に、リール14の回転開始が可能であることを示すために点灯するスタートランプ26(START)が設けられ、BETボタン24の下方に、3つのリール14の回転を一斉に開始させるためのスタートレバー28が設けられている。」(段落【0062】) (e)「各リール14の下方には、それぞれのリール14が回転中であり、その回転をストップボタン30の押圧により停止させることが可能であることを示すために点灯する3つのストップランプ32(STOP)が設けられている。・・・」(段落【0063】) (f)「下端部にはメダル受皿部42が設けられ、その中央部の上側にメダル払出口44が設けられ、その右側にスピーカ20が設けられている。・・・」(段落【0065】) (g)「制御部50は、ゲームの実行や周辺機器等の制御及び各種データの読み書きなどの処理を行うCPU(中央処理装置)、RAM、ゲームの実行や周辺機器等の制御などのためのプログラム及び各種データが書き込まれたROM、並びに周辺機器等との接続のための入出力インターフェイスなど・・・からなり、必要に応じ周辺機器等と連携して、上記表示内容検知手段、入賞適合判定手段、固定表示制御手段、引き込み手段、特定賞設定手段、所定賞選択手段、表示手段、表示固定手段等の機能を実現する。」(段落【0066】) (h)「スタートレバー28は、リール14の回転開始が可能な状態において3つのリール14の回転を一斉に開始させる場合に、押下することにより回転開始信号を制御部50に出力する。」(段落【0071】) (i)「ストップボタン30(停止ボタン)は、回転中のリール14を停止させる場合に各リール14毎に押圧するものであり、各ストップボタン30の押圧により、対応するリール14を停止させるための信号を制御部50に出力する。」(段落【0073】) (j)「音声出力部52は、制御部50から出力される音声出力信号に応じ、スピーカ20から音声を出力する。」(段落【0077】) (k)「メダル払出部44aは、ゲームの結果に応じ制御部50において計算されたメダル払出数に応じて制御部50から出力される払出信号に従って、その枚数に応じたメダルをメダル払出口44から払い出す。」(段落【0080】) (l)「スタートレバー28を押下すると、ステップS3はYとなり、制御部50は、スタートランプ26を消灯し(S4)、3つのリール14を一斉に回転させる(S5)。」(段落【0084】) (m)「次のステップS6では、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、及びSB(シングルボーナス)、並びにその他の遊技者にとって比較的利益の小さい賞(小物)・・・について、制御部50において、内部当りか否かの抽選を行う。抽選は、乱数サンプリングを実行し、得られたサンプリング値をROMに書き込まれているデータに照らして、当選か否か、及びその賞の種類等を判定することにより行う。・・・」(段落【0085】) (n)「抽選により何れかの賞の内部当りとなった場合、その賞に対応するフラグがセットされる。BB(ビッグボーナス)に当選した場合、すなわち所謂BBの内部当りの場合(S7-Y)、制御部50においてBBフラグがセットされる(S8)。・・・」(段落【0086】) (o)「BBに当選しなかった場合(S7-N)において、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、再遊技(リプレイ)、・・・の何れかに当選した場合は(S11-Y)、制御部50においてそれらの賞にそれぞれ対応するフラグが制御部50にセットされる(S12)。何れにも当選しなかった場合は(S11-N)、外れフラグがセットされる(S13)。」(段落【0087】) (p)「次いで、制御部50が全てのストップランプ32を点灯させる。その後、遊技者が適宜のタイミングで各ストップボタン30を押圧することにより・・・、制御部50は、対応するリール14のステッピングモータを停止させる。」(段落【0088】) (q)「何れかの賞について内部当りを示すフラグがセットされている場合は、制御部50は、ストップボタン30の押圧等による停止信号を受けた時点から内部当り状態となっている賞への入賞に必要なシンボルが入賞に必要な位置に達するまでの差が規定停止時間内であるときは、そのシンボルが当該入賞に必要位置に表示されるようにリール14を停止させる。すなわち、そのシンボルをシンボル表示窓12の必要位置に引込む。・・・入賞した場合、各賞に応じた処理が行われる。」(段落【0090】) (r)「BB(ビッグボーナス)フラグがセットされていて有効ラインランプ18によって示される有効ライン16上に各リール14におけるシンボルが・・・揃うと、制御部50は、メダル払出部44aに指示してメダル払出口44から15枚のメダルをメダル受皿部42に払出させると共に、払出枚数表示部40aに指示して払出されたメダル枚数を払出枚数表示器40に表示させる。更に、制御部50は、ヒットランプ部10a及び音声出力部52に指示してヒットランプ10を点滅させると共にスピーカ20からBBの効果音を発生させ、BBゲームをスタートさせる。BB中は、メダル払込み、スタートレバー28押下、リール14回転、各ストップボタン30押圧、及びリール14停止等を繰り返す。」(段落【0091】) (s)「制御部50は、所定の遊技回数を消化すると、ヒットランプ10を消灯させ、スピーカ20のBB効果音を停止させ、BBを終了する。」(段落【0092】) これら(a)?(s)の記載及び図面の記載並びに当業者の技術常識により、そして、BB効果音が現在の遊技状態としてのBBゲームに応じたものであることが明らかであることを考慮すると、刊行物1には、以下の発明が記載されているものと認められる。 「乱数サンプリングを実行し得られたサンプリング値をROMに書き込まれているデータに照らして当選か否か及びその賞の種類等を判定することにより内部当りか否かの抽選を行うとともに、BB(ビッグボーナス。以下同様。)ゲームであるとき、音声出力部52に指示してスピーカ20からBB効果音を発生させて現在の遊技状態がBBゲームであることを遊技者に報知する制御部50を備えて構成されるスロットマシンにおいて、 制御部50は、BBフラグがセットされ有効ライン16上に各リール14におけるシンボルが揃うと音声出力部52に指示してスピーカ20からBB効果音を発生させてBBゲームをスタートさせ、BBゲーム中は、メダル払込み,スタートレバー28押下,リール14回転,各ストップボタン30押圧,リール14停止等を繰り返し、所定の遊技回数を消化すると、スピーカ20からのBB効果音の発生を停止させてBBゲームを終了させるものであるスロットマシン。」(以下、「刊行物1に記載された発明」という。) (2)同じく、刊行物2(特開平7-51442号公報)には、パチンコ機に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「・・・図中、中央処理装置CPUには、情報検出回路14が接続している。前記情報検出回路14は、その入力装置として球検出センサー15,16及び押釦スイッチ11と、さらに、操作ハンドル10に設けられて、遊戯者による遊戯操作の有無を検知するタッチスイッチ(判定スイッチ)17とが接続されており、各センサーからの入力信号をノイズ除去及び波形整形を施し前記中央処理装置CPUに送る。・・・」(段落【0007】) (b)「次に、中央処理装置CPUの出力側には、表示駆動回路(可変表示手段)22と、スピーカー駆動回路23と、ソレノイド駆動回路24とが夫々接続されている。前記表示駆動回路22は、中央処理装置CPUからの表示制御信号に基づいて7セグメントLED表示器3a,3b,3cを駆動制御する。スピーカー駆動回路23は、同じく音制御信号に基づき、パチンコ機1裏面に設けられたスピーカー26を鳴らす。・・・」(段落【0009】) (c)「・・・その他、前記スピーカー26は、前記入賞の態様に対応して、例えば前記LED表示器3a,b,3cの循環駆動時に音声を発生する。ここまでの構成は、タッチスイッチ17の関係を除き、公知である。」(段落【0011】) (d)「・・・前記ROMには、前記タッチスイッチ17により、遊戯者による遊戯操作のない場合にのみ実行するデモンストレーションプログラムが書き込まれている。ここでタッチスイッチ17は、遊戯者が操作ハンドル10を触手している場合には、オフとなり、開放するとオンとなるものである。・・・」(段落【0012】) (e)「図3は、・・・フローチャートの一例を示す。すなわち、前記タッチスイッチ17のオンによりスタートし、・・・」(段落【0013】) (f)「なお、タッチスイッチ17により遊戯者による遊戯操作の無い場合にのみ、前記デモンストレーションが実行されるが、前記入賞玉受口器5の開放を伴う場合には、確実に、前記デモンストレーション中に入賞玉受口器5に打玉が入らないように次の構成を施すことが好ましい。・・・(b)操作ハンドル10を離すと同時に、デモンストレーションが作動すると、まだ遊戯板面2を転球している打球が、デモンストレーションの実行により開放した入賞玉受口器5に入る恐れがある。このため、タイマーをステップ1の前に介装して、一定時間経過後にのみデモンストレーションを実行するようにする。」(段落【0015】) (g)「その他、前記デモンストレーション中は、遊戯場内の騒音を増大しないように、スピーカー26の音量を小さくしたり、動作しないようにすることが好ましい。」(段落【0016】) (3)同じく、刊行物3(特開平8-796号公報)には、スロットマシンに関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「そして、スロットマシン10にメダルを投入して遊技開始条件が成立した旨が稼働状態判断手段143により判断されると、画像表示切替手段145により、画像表示装置40に表示されていたインストラクション画像が、遊技画像に切り替わる。画像切替許可手段144は、稼働状態判断手段143における判断結果に基づいて画像切替を許可するかどうかを判断しており、稼働状態判断手段143において遊技中でないと判断された場合には、画像の切替を許可する。ここで、遊技中でないと判断される状態は、遊技開始条件成立前の状態か、あるいは、遊技開始条件成立後に、遊技者がスタートスイッチ80を操作することにより遊技が開始し、遊技者がストップスイッチ90…を操作することにより図柄列表示部41における図柄変換が停止し、図柄の停止態様を判断して、賞態様が成立している場合には賞メダルを払い出した後、または賞態様が成立していない場合には入賞の判断が終了した後の状態である。」(段落【0029】) (b)「なお、上記実施例においては、稼働状態判断手段143が、遊技開始条件成立前であると判断した場合には、画像表示装置40にインストラクション画像が表示されると説明した。しかし、異なる実施例においては、稼働状態判断手段143が、遊技開始条件成立前であると判断した場合、すなわち、遊技に供するためのメダルが投入されていなかったり、クレジットメダルが残っていないと判断した場合には、所定時間(例えば30秒)経過後に、画像表示装置40にインストラクション画像が表示されるようにしてもよい。」(段落【0033】) (4)同じく、刊行物4(特開平10-305130号公報)には、回胴式遊技機に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「そこで、本発明においては、ゲームの開始を監視し、一定時間以上連続してゲームが開始されないことを検出した時にオフプレイ信号を出力するオフプレイ検出手段を設け、表示制御手段が、このオフプレイ信号を入力すると、その以後、表示手段を任意に設定されたモードに従って作動させる、・・・」(段落【0067】) (b)「・・・この実施例では、オフプレー状態が一定時間以上連続するか否かを判定し、オフプレー状態が一定時間以上連続する場合にオフプレー検出信号を出力するオフプレー検出手段25が設けられ、前記表示制御手段30がこのオフプレー検出信号を入力すると、予め定められた適当なパターンで表示手段10を作動させ、周囲の人をゲームに誘う表示をするようにしている。」(段落【0102】) (5)同じく、刊行物5(特開2000-116845号公報)には、ゲーム装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「主制御基板30から与えられるメッセージ信号が、いずれのボーナスゲーム信号でもない場合は、さらに、デモンストレーション信号か否かの判別がされる・・・。この実施形態では、スロットマシン10に電源が投入されており、遊技者がゲームをしていないいわゆる空き台である状態が一定時間(たとえば10分)以上継続した場合に、主制御基板30からデモンストレーション信号が出力されるようにプログラムされている。」(段落【0035】) (b)「画像制御基板33では、与えられたメッセージ信号がデモンストレーション信号であることを判別すると、それに基づいて液晶表示器22にデモンストレーション画面を表示させる。・・・またこの表示に合わせて、スピーカ24から音声が出力されるように、音声制御基板34に対して音声出力コマンドを与える・・・。この場合の音声出力コマンドは、液晶表示器22に表示されるデモンストレーション画面に合わせた音声が出力されるようなコマンド信号であり、・・・」(段落【0036】) (c)「この結果、遊技者が遊技をしていないスロットマシン10において、液晶表示器22に、たとえばゲームの内容を表わすデモンストレーション画面が表示されるとともに、その表示画面に則した効果音がスピーカ24から出力されることになる。・・・」(段落【0037】) (d)「図5は、音声制御基板34の制御内容を表わすフローチャートである。音声制御基板34は、上述したように画像制御基板33からメッセージ信号を受ける。そしてメッセージ信号の種類に応じて、スピーカ24を制御して、効果音を出力する。・・・入賞信号であれば入賞の効果音をスピーカ24から出力される・・・。またBB信号であれば・・・、BB入賞の効果音である、たとえば花火が破裂する音をスピーカ24から発生させる・・・」(段落【0039】) (e)「同様に、RB信号であれば・・・、その効果音をスピーカ24から発生させ・・・、SB信号であれば・・・、その効果音をスピーカ24から出力させる・・・。さらに、デモンストレーション信号であれば・・・、与えられる信号に応じたデモンストレーションのための効果音をスピーカ24から発生させる・・・」(段落【0040】) (6)同じく、刊行物6(特開平5-305173号公報)には、遊技機に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「・・・本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関する。・・・」(段落【0001】) (b)「可変入賞球装置4の繰返し継続回数が16回となり、最終の開成が終了すると、LCDユニット24は一旦停止時の図柄を表示した後大当り終了時のアニメーションを所定時間(たとえば10秒間)表示する。そしてその後再び停止時の図柄を表示する。この停止時の図柄表示は、次の始動入賞が検出されることにより終了し、次の可変表示が開始される。なお、所定時間経過しても始動入賞がない場合には、その遊技機で遊技している遊技者が存在していないと考えられるために、予め定められたアニメーションからなるデモ表示が開始される。」(段落【0070】) (7)同じく、刊行物7(特開平8-187316号公報)には、パチンコ装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「ステップ502において、制御部6は変数Iが0であるか否かを判断する。変数Iは、直前に行ったステップ502・・・よりも以前の状態において、発射ダイヤル30が操作されていたか否かを示すフラグである。・・・ステップ502での判断の結果、変数I=1であった場合、すなわち、直前(厳密には、前回ステップ502を行った時点)まで遊技が行われていた場合には、制御部6はステップ504に進んで変数Iを0にする。そして、内蔵するタイマをリセットした後、スタートする(ステップ506)。該タイマは、遊技が行われなくなってからの経過時間を確認するためのものである。ステップ506の後は、ステップ500に戻る。」(段落【0069】) (b)「ステップ502において、・・・直前に行ったステップ502以前から既に遊技が行われていなかった場合には、制御部6は、ステップ508に進む。ステップ508においては、ステップ506でスタートされたタイマに基づいて、遊技が行われなくなってからの経過時間を確認する。その結果、予め定められた時間(本実施例においては、15分)が経過していない場合には、ステップ500にそのまま戻る。該予め定められた時間が経過していた場合には、制御部6は、変動表示部21を用いたデモンストレーション処理を起動する(ステップ510)。・・・デモンストレーションを行っている最中も、制御部6は、図5の処理を休みなく続けている。」(段落【0070】) (8)同じく、刊行物8(特開平7-112051号公報)には、スロットマシンに関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「また、通常確率判定信号若しくは高確率判定信号が、・・・効果音発生手段58に入力すると、効果音発生手段58は、確率判定手段53での判定に基づいて、スピーカ31から効果音を発生させるか否かの制御をする。すなわち、具体的には、現状が高確率で、スピーカ31から効果音を発生させている場合、通常確率判定信号が効果音発生手段58に入力されると、スピーカ31からの効果音の発生が中止され、一方、高確率判定信号が効果音発生手段58に入力されると、スピーカ31は効果音の発生を続ける。また、現状が通常確率でスピーカ31から効果音を発生させていない場合、高確率判定信号が効果音発生手段58に入力されると、スピーカ31は効果音の発生を開始し、一方、通常確率判定信号が効果音発生手段58に入力されると、スピーカ31は効果音の発生を中止したままである。」(段落【0021】) (b)「なお、本実施例においては、高確率中、スピーカ31から継続して効果音が出力されていると説明したが、・・・」(段落【0022】) (c)「・・・スタート信号が入賞抽選手段56に入力されると、入賞抽選手段56は乱数発生手段52から順次発生される乱数値の中から一つを抽選し、抽選信号を入賞判定手段59に出力する。次に、・・・入賞抽選手段56からの抽選信号が入賞判定手段59に入力されると、入賞判定手段59は、確率選択手段54からの通常入賞確率データ若しくは高入賞確率データに基づいて、抽選した乱数値が入賞しているかどうかの判定をする。」(段落【0024】) (d)「その後、抽選された乱数値が入賞すると、・・・入賞判定手段59は入賞信号を、遊技制御手段41及びメダル払出手段40に出力する。そして、・・・入賞信号が入賞判定手段59から遊技制御手段41に入力すると、遊技制御手段41が入賞を光等で知らせる入賞ランプ・・・等を操作する。」(段落【0025】) (9)同じく、刊行物9(特開平9-299548号公報)には、遊技機に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 「このスロットマシン1において、正面上部18の上端に左から順番に3つの表示ランプ82,83,84が配置される一方、正面中央の右端部に上下に間隔を置いて、現在クレジットされているコイン数を表示するためのクレジット数表示部21と、入賞時に遊技者に払い出されるコイン数を表示する入賞配当表示部22とが配置され、これらの表示部は、表示する数値の桁数に応じた個数の7セグメントLEDで構成されている。表示ランプ82,83,84は、S・Bゲームが高確率で発生する「S・B高確率ゲーム状態」の際に、この状態を報知するためのデモンストレーションとして、点滅動作を繰り返す。「S・B高確率ゲーム状態」が終了した時、これらの表示ランプ82,83,84は消灯する。」(段落【0021】) (10)同じく、刊行物10(特開平5-7642号公報)には、遊技装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 「上記ビッグチャンスが発生したときには、その発生時から取込スイッチ24がオン(ON)されるまでの期間中、ビッグチャンス音が発せられる。また、ボーナスゲームの発生時にはボーナスゲームの発生音が発せられ、ボーナスゲーム中にはボーナスゲーム中であることを知らせるボーナスゲーム音が発せられる。・・・」(段落【0029】) (11)同じく、刊行物11(特開平9-253274号公報)には、スロットマシンに関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「・・・上記音声報知手段140は、例えば音声を生成するサウンドジェネレータ141、サウンドジェネレータ141で生成した音声を増幅するアンプ142、アンプ142で増幅された音声を発生するスピーカ143から構成されている。そして、レギュラーボーナス中である旨を表す「特別遊技中音」や、最大遊技回数、例えば12回目の遊技が開始した旨を表す「最大遊技回数音」や、最終遊技、例えば12回目において当選した旨を表す「当選音」や、最終遊技、例えば12回目において当選しなかった旨を表す「不当選音」等を発生する。」(段落【0027】) (b)「レギュラーボーナスが開始すると、音声報知手段140により、レギュラーボーナス中である旨を表す「特別遊技中音」を発生する。なお、、レギュラーボーナスは、単独のものでも良いし、いわゆるビッグボーナス中の3回のレギュラーボーナスでも良い。・・・」(段落【0031】) (12)同じく、刊行物12(特開平7-328179号公報)には、スロットマシンに関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「・・・遊技の状況の表示としては、「POW」「POW」「POW」が揃うまでは、遊技状況表示部35には、「ビッグボーナス」及び「投入可能メダル枚数1?3枚」と表示され、何れかの有効ライン上に、「POW」「POW」「POW」が揃ってからは、図5に示すように、「ボーナスゲーム」及び「投入可能メダル枚数1枚」と表示される。」(段落【0022】) (b)「・・・遊技の状況の表示としては、遊技状況表示部35に、各ボーナスゲームが開始してから終了するまでは、・・・「ボーナスゲーム」及び「投入可能メダル枚数1枚」と表示され、各ボーナスゲーム間は、・・・「ビッグボーナスゲーム」及び「投入可能メダル枚数1?3枚」と表示される。」(段落【0024】) (13)同じく、刊行物13(特開平9-192296号公報)には、遊技機に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「【発明の属する技術分野】この発明は、複数種類の遊技状態を発生可能な遊技機に関する。」(段落【0001】) (b)「【従来の技術】従来より、遊技領域の始動口への遊技球の入賞に基づき可変表示装置に可変表示遊技を行わせ、該可変表示遊技の結果としての停止図柄が例えば「7,7,7」等のぞろめであった場合に、アタッカーを開放させるなどの大当りのサイクル遊技(特別遊技)を発生させる所謂第1種のパチンコ遊技機が知られている。・・・その他、・・・スロットマシーンなどの遊技機が知られている。上記従来の遊技機においては、遊技状態の種類を識別させる報知を行うために、遊技状態の種類に応じて異なった効果音を発生可能にしている。例えば、上記第1種のパチンコ遊技機にあっては、可変表示遊技中は可変表示遊技(変動表示)に対応した変動表示音を、大当りの発生時にはファンファーレ音を、大当りの遊技中には大当りの遊技状態を盛り上げる大当りの効果音をそれぞれ発生させている。・・・」(段落【0002】?【0006】) (c)「ここで、遊技機には、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機および雀球遊技機などの弾球遊技機、パチスロ、スロットマシーンなどが含まれる。複数種類の遊技状態には、例えば、パチンコ遊技機における大当りの遊技状態(特別遊技状態)、普図の時短遊技状態および確率変動の遊技状態、スロットマシーンにおけるボーナスゲームの遊技状態などが含まれる。・・・」(段落【0018】) (14)同じく、刊行物14(特開平10-174741号公報)には、パチンコ遊技機制御装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「なお、本発明の電源節約手段は、パチンコ遊技機の全ての電気装置に対してその電源を遮断または低電圧化してもよく、一部の電気装置に対して電源を遮断または低電圧化してもよい。・・・一方、パチンコホール等では、本人がいないにも関わらず発射装置を駆動状態にしておき、一人で何台ものパチンコ遊技機を占有する不正な遊技者がいる。そこで、発射装置,賞球モータ等のように遊技の進行に直接関与する電気装置に対して電源節約手段が電源を遮断する場合、遊技者の不正を良好に防止することができる。」(段落【0006】) (b)「・・・近年のパチンコ遊技機では、各種電気装置をコンピュータによって制御し、遊技の進行状態に応じて駆動することが行われている。一方、遊技者が遊技の途中でトイレ等のためにパチンコ遊技機を離れることはよくあることである。このため、遊技者がパチンコ遊技機の正面にいなくなったとき全ての電気装置の電源を強制的に遮断してしまうと、・・・遊技者が戻ったときには初めから遊技を再開しなければならない。」(段落【0007】) (c)「そこで、本発明の電源節約手段は、遊技の進行等を司るメインコンピュータの電源は遮断も低電圧化もせず、他の電気装置に対して電源を遮断または低電圧化している。このため、遊技者が一旦パチンコ遊技機から離れても、戻ったときには遊技の続きを行うことができる。・・・」(段落【0008】) (d)「表1のテーブルには、1,2,…のコードナンバーを付与した省電力モードに対応して、発射装置83,スピーカ42,電飾装置65,役物ソレノイド55,または可変表示装置26の内、どの装置の電源を切るかが記憶されている。・・・そこで、表1のテーブルでは、各パチンコ遊技機2の省電力モードを選択する。」(段落【0026】) (e)「また、表2,表3に例示するテーブルでは、設定時間Aおよび設定時間Bを選択しておく。・・・」(段落【0027】) (f)「遊技機基板53は、パチンコ遊技機2の主電源が投入されると、図5の人間検出処理を所定時間毎に繰り返し実行する。処理を開始すると、先ずS1・・・にて人間センサ63の検出信号を入力し、続くS3では、その検出信号に基づきパチンコ遊技機2の正面に人間がいるか否かを判断する。人間を検出した場合(S3:YES)はS5へ移行し、在席フラグFがセットされているか否かを判断する。この在席フラグFは主電源投入時にリセットされるフラグであり、最初は否定判断してS7へ移行する。」(段落【0028】) (g)「・・・続いて、人間センサ63が人間を検出している間(S3:YES)は上記所定時間毎にS1,5,7,9,11の処理を繰り返し、この状態が上記設定時間A継続すると(S7:YES)S13へ移行する。・・・」(段落【0029】) (h)「その後、人間センサ63が人間を検出している間(S3,YES)S1,S3,S5の処理を繰り返し、空席信号の出力(S9)もなされない。すなわち、パチンコ遊技機2の正面に遊技者が座って(S3:YES)上記設定時間Aが経過すると(S7:YES)、在席フラグFをセットすると共に(S13)空席信号の出力(S9)を停止するのである。・・・」(段落【0030】) (i)「遊技者がパチンコ遊技機2を離れると、人間センサ63が人間を検出しなくなり(S3:NO)S15へ移行する。S15では、その状態が上記設定時間B継続しているか否かを判断し、・・・こうしてS1,3,15の処理を繰り返す状態が上記設定時間B継続すると、・・・空席信号を出力すると共に(S9)、在席フラグFをリセットして(S11)一旦処理を終了する。すなわち、遊技者がパチンコ遊技機2を離れて(S3:NO)設定時間Bが経過すると(S15:YES)、空席信号を出力すると共に(S9)在席フラグFをリセットするのである(S11)。」(段落【0031】) (j)「次に、ホール管理コンピュータ8は、上記空席信号に基づき図6の節電制御処理を実行する。なお、ホール管理コンピュータ8は、・・・この処理を各パチンコ遊技機2毎に、所定時間毎に繰り返し実行する。」(段落【0032】) (k)「処理を開始すると、先ずS21にて空席信号を読み込み、続くS23では、その読み込み結果に基づいて制御対象のパチンコ遊技機2が空席であるか否かを判断する。パチンコ遊技機2が空席信号を出力しておらず空席でない場合は(S23:NO)S25へ移行し、そのパチンコ遊技機2に電源供給信号を出力する。するとパチンコ遊技機2の遊技機基板53は、全てのリレー59?93をONにして各部への通電を許可すると共に、可変表示装置26を通常通りに駆動する。」(段落【0033】) (l)「また、パチンコ遊技機2が空席信号を出力している場合(S23:YES)はS35へ移行し、表1を用いてそのパチンコ遊技機2に設定された省電力モードを入力する。続くS37では、その省電力モードに基づいて電源を停止させる部分を決定し、更に、続くS39では、その部分の電源を停止させる電源停止信号をパチンコ遊技機2に出力して一旦処理を停止する。すると、パチンコ遊技機2の遊技機基板53は、電源停止信号に反映された省電力モードに応じて各リレー59?93および可変表示装置26を次のように制御する。」(段落【0034】) (m)「・・・なお、表1においてスピーカ42を「切」にする省電力モード1では、リレー89をOFFにする。従って、この場合、スピーカ42の他、セーフ玉ソレノイド73,賞球モータ77,賞球ソレノイド79,および発射装置83への通電も禁止される。」(段落【0035】) (n)「以上説明したように、本パチンコホールでは、パチンコ遊技機2の正面に遊技者がいないときには、そのパチンコ遊技機2の電気装置(発射装置83等)の電源を遮断して、通電を確実に停止することができる。このため、電力の浪費を良好に防止することができる。また、パチンコ遊技機2では、ターミナル基板61と遊技機基板53との間にはリレーを設けておらず、遊技機基板53へは常時通電がなされる。このため、遊技者がトイレ等のためにパチンコ遊技機2から一旦離れても、遊技機基板53は遊技の進行状態を記憶しており、遊技者が戻ったときには遊技の続きを行うことができる。」(段落【0036】) (15)同じく、刊行物15(特開平10-216326号公報)には、パチンコ島制御装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「・・・このため、パチンコホール等では、遊技者が少ないときや遊技者が食事等に出かけているときにも、全てのパチンコ島の電気装置に通電がなされ、無駄な電気代を出費していた。そこで、本発明は、遊技者がいないときには電気装置の消費電力を低減させて、電力の浪費を防止するパチンコ島制御装置を提供することを目的としてなされた。・・・」(段落【0003】) (b)「・・・遊技者検出手段はパチンコ遊技機正面における遊技者の有無を判断し、遊技者がいないと判断したとき、節電手段が電気装置への通電状態を制御して、その電気装置の消費電力を低減させる。このため、本発明では、パチンコ遊技機の正面に遊技者がいないときには、そのパチンコ遊技機の電気装置で無駄な電力が消費されるのを抑制することができる。従って、パチンコホール等における電力の浪費を良好に防止することができる。」(段落【0005】) (c)「なお、本発明の節電手段は、パチンコ遊技機の全ての電気装置に対して消費電力を低減させてもよく、一部の電気装置に対して消費電力を低減させてもよい。但し、装飾ランプ,表示器類等は、遊技者の有無に関わらず通電期間中ほぼ同様の電力を消費する。このため、この種の電気装置に対して消費電力を低減させた場合、電力の浪費を一層良好に防止することができる。」(段落【0006】) (d)「また、パチンコ島1は、遊技盤23の周囲に設けられた台間部用の装飾ランプ51と、遊技盤23の上方に設けられた欄間部用の装飾ランプ53および呼出ランプ55と、受け皿27,29の左右に設けられたスピーカ57と、遊技盤23の左隣に設けられた液晶表示器59とを備えている。・・・」(段落【0015】) (e)「表1のテーブルには、1,2,…のコードナンバーを付与した省電力モードに対応して、・・・どの装置の消費電力を低減させるかが記憶されている。・・・」(段落【0026】) (f)「そこで、表1のテーブルでは、各パチンコ遊技機2の省電力モードを選択しておく。また、表2,表3に例示するテーブルでは、設定時間Aおよび設定時間Bを選択しておく。・・・」(段落【0028】) (g)「省電力制御ボックス65は、パチンコ島1の主電源が投入されると、図4の省電力制御処理を所定時間毎に繰り返し実行する。処理を開始すると、先ずS1・・・にて人間センサ45の検出信号を入力し、続くS3では、その検出信号に基づきパチンコ遊技機2の正面に人間がいるか否かを判断する。人間を検出した場合(S3:YES)はS5へ移行し、在席フラグFがセットされているか否かを判断する。この在席フラグFは主電源投入時にリセットされるフラグであり、最初は否定判断してS7へ移行する。」(段落【0029】) (h)「S7では、このステップへの移行が上記設定時間Aの間継続しているか否かを判断する。設定時間Aの間継続していない場合(S7:NO)はS9へ移行し、表1を用いてそのパチンコ遊技機2に設定された省電力モードを入力する。続くS11では、その省電力モードを実行する。・・・更に、続くS13では、在席フラグFをリセットして一旦処理を終了する。」(段落【0030】) (i)「続いて、人間センサ45が人間を検出している間(S3:YES)は上記所定時間毎にS1?13の処理を繰り返し、この状態が上記設定時間A継続すると(S7:YES)S15へ移行する。S15では在席フラグFをセットし、続くS17では、省電力モードを解除して一旦処理を終了する。すると、人間センサ45が人間を検出している場合(S3:YES)次のS5で肯定判断し、そのまま一旦処理を終了する。」(段落【0031】) (j)「その後、人間センサ45が人間を検出している間(S3,YES)S1,S3,S5の処理を繰り返し、この間、ディスチャージランプ61,液晶表示器59,および白熱ランプ63の通電状態は通常の通電状態となる。すなわち、パチンコ遊技機2の正面に遊技者が座って(S3:YES)上記設定時間Aが経過すると(S7:YES)、在席フラグFをセットすると共に(S15)省電力モードを解除する(S17)のである。人間センサ45はパチンコ遊技機2の前を通過した人間を検出する可能性もあるが、上記設定時間Aを適切に設定することにより、遊技者の存在時にのみ省電力モードを解除することができる。なお、表2に例示するように、設定時間Aは0秒とすることもできる。」(段落【0032】) (k)「遊技者がパチンコ遊技機2を離れると、人間センサ45が人間を検出しなくなり(S3:NO)S19へ移行する。S19では、その状態が上記設定時間B継続しているか否かを判断し、継続していない場合(S19:NO)はそのまま一旦処理を終了する。こうしてS1,S3,S19の処理を繰り返す状態が上記設定時間B継続すると、S19にて肯定判断して前述のS9?13へ移行し、省電力モードの設定値を入力してそれを実行すると共に(S9,S11)、在席フラグFをリセットして(S13)一旦処理を終了する。すなわち、遊技者がパチンコ遊技機2を離れて(S3:NO)設定時間Bが経過すると(S19:YES)、省電力モードを実行するのである(S11)。」(段落【0033】) (l)「以上説明したように、パチンコ島1では、パチンコ遊技機2の正面に遊技者がいないときには、そのパチンコ遊技機2の電気装置・・・の通電状態を制御して、その電気装置の消費電力を低減することができる。このため、電力の浪費を良好に防止することができる。・・・」(段落【0034】) (m)「更に、パチンコ島1では、省電力モードの設定に応じて電気装置の通電状態を制御しているので、遊技者がいないときに消費電力を低減させる電気装置を、必要に応じて適宜設定することができる。・・・」(段落【0035】) (16)同じく、刊行物16(特開平9-83278号公報)には、車載用音響機器に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「【発明が解決しようとする課題】車の乗り降りのたびに手動で出力音量を上げ下げする手間は面倒であり、煩わしく感じられる。そのため、出力音量を下げずに車から降りて離れてしまうと、騒音が鳴り続けたり、バッテリーが消耗されてしまうという、問題があった。また、車を離れるのが短時間のつもりであったのが、思いのほか長引いてしまい、更に音響出力が騒音として鳴り続けたり、バッテリーが消耗されてしまうこともあった。本発明の目的は、出力音量の制御機能を有する車載用音響機器を提供し、騒音の持続防止、バッテリーの消耗防止、また操作性の向上をさせることにある。」(段落【0003】) (b)「一旦、自動車に乗員が乗っていないと検出し、ミュート回路6がONとなって音響出力が下げられた状態のとき、乗員が戻ってきて車に乗った場合には、一方のドア1aに取り付けられた赤外線発信器2aから発信される赤外線Aが乗員により遮られ、他方のドア1bに取り付けられた赤外線受信器2bに受信されない。従って、赤外線受信器2bから検出信号Bが出力されず0としてマイクロコンピュータ3が検知し、ミュート回路6をOFFするためのMUTE制御信号Eがマイクロコンピュータ3から出力され、ミュート回路6のミュート動作はOFFされ信号パス(通過)のままとなり、元の音量でスピーカ7から出力される。」(段落【0008】) (c)「図2に本発明による車載用音響機器の他の実施例の構成をブロック図として示す。自動車に乗員がいない状態となり、図1の検出部20により不在検出された検出信号Bがマイクロコンピュータ3に出力される。ミュート回路6がONされて音響出力が下がった状態になると、その時からの経過時間を車載用音響装置内部に設けた時間計測部(タイマー)9がカウントし、時間設定部8で設定記憶された時間に対応した設定値と比較して、経過時間が設定値に達するかまたは超えた場合に、マイクロコンピュータ3から音響信号系22の電源スイッチ10を切るための信号を出力し、音響ソース4、ボリューム5、ミュート回路6、及びスピーカ7から成る音響信号系22の電源OFFとなって音響出力されなくなって、マイクロコンピュータ3はスタンバイ(入力待ち)状態となる。・・・」(段落【0009】) (17)同じく、刊行物17(特開平5-199307号公報)には、ボタン電話装置に関して、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「さらに操作者が不在席の状態で着信があった場合に着信音量が大きすぎて、周りで事務処理をしている人たちへの騒音になったり、逆に着信音量が小さすぎて電話装置から遠く離れている操作者に聞こえずらかったりするという問題があった。」(段落【0005】) (b)「【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1を基に説明する。図1の主装置1の電話機インターフェイス2には電話機3が接続されている。電話機3には、電話機の操作者が在席しているか不在席であるかを検出する赤外線センサ6が設けられている。赤外線センサ6の状態は不在検出装置7によって監視され、検出結果が不在情報伝送装置8を介して前記主装置1に送られる。この検出信号は主装置1に対し、電話機インターフェイス2を通して送られ、この検出信号を受けた呼処理制御装置4は不在設定登録装置5を制御して、不在設定または設定解除を行なう。すなわち不在設定が行われていない状態で、在席を検出した検出信号が送られると不在設定登録装置5は不在設定の登録を行なう。登録した状態で在席を検出する検出信号が送られると、不在設定登録装置5は不在設定の設定解除を行なう。」(段落【0010】) (c)「図2は本発明における第2実施例を示すものである。第1実施例を示す図1と類似する部分については同一の番号を付す。異なる点は、不在設定登録装置5の代わりに着信音量制御装置9が設けられる点である。この着信音量制御装置9は、操作者の席の周りの環境、すなわち周りに事務を行なう人々が多く存在するか、作業場等のように機械装置の騒音が激しいか、あるいは人々が殆どいないか等の状態によって、操作者が不在席と検出されたときに着信音量を大きくし、あるいは逆に小さくするように調整が行われる。・・・」(段落【0013】) (d)「以上の実施例においては操作者が不在席のときは着信音量を大きくするものとして説明したが、他の実施例においては不在席のときに着信音量を小さくすることも考えられる。すなわち、静寂な環境が要求される職場等で本発明の電話装置が用いられる場合には、着信音量はできるだけ小さいほうがよい。このため、操作者が在席するときは通常の着信音量とし、不在席のときは周りの何れかの人が操作者に知らせるものとし、着信音量自体は小さくしておくことが考えられる。」(段落【0016】) 3.対比・判断(特許法第29条第2項) (1)本件訂正発明と刊行物1に記載された発明との対比 本件訂正発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、刊行物1に記載された発明の「乱数サンプリングを実行し得られたサンプリング値をROMに書き込まれているデータに照らして当選か否か及びその賞の種類等を判定することにより内部当りか否かの抽選を行う・・・制御部50」が本件訂正発明の「乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段」に相当し、 また、「BBゲーム」,「BB効果音」,「BB効果音を発生させて」,「BBフラグがセットされ有効ライン16上に各リール14におけるシンボルが揃うと」が本件訂正発明の「特別の遊技状態」,「特別の遊技音」,「特別の遊技音を出音して」,「特別の遊技が行われる際に」にそれぞれ相当し、これに伴い、刊行物1に記載された発明の「BBゲームであるとき、音声出力部52に指示してスピーカ20からBB効果音を発生させて現在の遊技状態がBBゲームであることを遊技者に報知する制御部50」が本件訂正発明の「特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段」に相当し、 そして、本件訂正発明の「出音制御手段」と刊行物1に記載された発明の「制御部50」とは、ともに、特別の遊技(BBゲーム)が行われる際の特別の遊技音(BB効果音)の出音を制御する出音制御手段である点で技術的に共通するから、両者は、 「乱数抽選によって入賞態様を決定する入賞態様決定手段と、特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段とを備えて構成されるスロットマシンにおいて、 特別の遊技が行われる際の特別の遊技音の出音を制御する出音制御手段を備えたスロットマシン。」の点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> 本件訂正発明が、「特別の遊技状態であるとき、特別の遊技音を継続的に出音して現在の遊技状態が特別の遊技状態であることを遊技者に報知する出音手段」であるのに対して、刊行物1に記載された発明では、出音手段が特別の遊技状態であるときの特別の遊技音の出音を継続的に出音するのか否か定かでない点。 <相違点2> 本件訂正発明が、「特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段」を備えるのに対して、刊行物1に記載された発明では、このような状態検出手段を備えていない点。 <相違点3> 上記相違点2に関連して、本件訂正発明が、「この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに前記特別の遊技音の音量を下げ、遊技媒体が投入されると前記特別の遊技音を復して出音させる出音制御手段」を備えるのに対して、刊行物1に記載された発明では、このような出音制御手段を備えていない点。 (2)相違点についての検討 <相違点1について> 刊行物1に記載された発明は、「制御部50は、BBフラグがセットされ有効ライン16上に各リール14におけるシンボルが揃うと音声出力部52に指示してスピーカ20からBB効果音を発生させてBBゲームをスタートさせ、BBゲーム中は、メダル払込み,スタートレバー28押下,リール14回転,各ストップボタン30押圧,リール14停止等を繰り返し、所定の遊技回数を消化すると、スピーカ20からのBB効果音の発生を停止させてBBゲームを終了させる」ものであり、 このような技術事項によれば、「BBフラグがセットされ有効ライン16上に各リール14におけるシンボルが揃う」ことを契機にしてBBゲーム(特別の遊技状態)がスタートするときに、制御部50,音声出力部52及びスピーカ20(出音手段)によりなされるBB効果音(特別の遊技音)の出音は、BBゲームがスタートしてから、BBゲーム中における所定の遊技回数を消化することを経て、BBゲームが終了するまでの一連の過程の中において継続的になされているものと思料される(即ち、BBゲームスタート時の「BB効果音の発生」がBBゲーム終了時に「停止させ」るものであることから、BB効果音の出音はその発生から停止まで継続的なされているものとするのが相当である。)から、 刊行物1に記載された発明の「BB効果音」は、本件訂正発明における「特別の遊技音」と同様に「継続的に出音」するものであるということができ、本来的には、相違点1として摘記した本件訂正発明の構成の点において、刊行物1に記載された発明と本件訂正発明との間に実質的な差異はないものというべきである。 仮に、上記のように、直ちに、認定できないとしても、刊行物8には、ボーナスゲーム中ではないものの、高確率判定信号が効果音発生手段58に入力されると、スピーカ31から継続して効果音が出力され続けるようにしたスロットマシンが記載され、刊行物9には、S・B高確率ゲーム状態の際にこの状態を報知するためのデモンストレーションとして表示ランプの点滅動作を繰り返し、S・B高確率ゲーム状態終了の際に表示ランプを消灯するようにしたスロットマシンが記載され、刊行物10には、ボーナスゲームの発生時にはボーナスゲームの発生音が発せられ、ボーナスゲーム中にはボーナスゲーム中であることを知らせるボーナスゲーム音が発せられるようにしたスロットマシン(ボーナスゲーム中であることを知らせるボーナスゲーム音はボーナスゲーム中に継続的に発せられるものとするのが相当である。)が記載され、刊行物11には、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中の3回のレギュラーボーナスを含む。)が開始すると、音声報知手段により、レギュラーボーナス中である旨を表す特別遊技中音を発生するようにしたスロットマシン(特別遊技中音は特別遊技中に継続的に発生するものとするのが相当である。)が記載され、刊行物12には、ビッグボーナスやボーナスゲームが開始してから終了するまで遊技の状況を表示するようにしたスロットマシンが記載され、刊行物13には、複数種類の遊技状態を発生可能なスロットマシーンなどが含まれる遊技機において、パチンコ遊技機の例ではあるが、大当りの遊技中には大当りの遊技状態を盛り上げる大当りの効果音を発生させるようにした遊技機(大当りの効果音は大当りの遊技中に継続的に発生するものとするのが相当である。)が記載されており、 しかも、本件特許明細書中には、BBゲームやRBゲーム時に遊技音を継続的に出音するスロットマシンが本件特許発明における課題解決のための対象となる従来例として開示されている(【3】〔1〕2.A.(a)を参照。)のであるから、 これら刊行物8?13及び本件特許明細書の記載によれば、スロットマシンを含む遊技機の技術分野において、スロットマシンにおけるBBゲーム,RBゲーム状態やS・B高確率ゲーム状態のとき、或いは、パチンコ遊技機における大当りの遊技状態のとき等、遊技者に対して高配当・高確率等の期待を抱かせる遊技状態になったときに、そのような遊技状態であることを、それに応じた継続的な遊技音の出音や表示等、何らかの形で継続的に遊技者に報知することが周知の技術にすぎないものということができる。 したがって、刊行物1に記載された発明における「BB効果音」について、遊技者に対して高確率・高配当等の期待を抱かせる遊技状態になったときに、そのような遊技状態であることを、それに応じた継続的な遊技音の出音や表示等、何らかの形で継続的に遊技者に報知するという刊行物8?13及び本件特許明細書に記載されたような遊技機の技術分野における周知の技術を適用して、相違点1として摘記した本件訂正発明の構成を想起する点に、格別の困難性は認められないというべきであり、 そして、刊行物1に記載された発明に、上記のような遊技機の技術分野における周知の技術を適用することについては、何らの阻害要因も認めることができないから、 相違点1として摘記した本件訂正発明の構成は、刊行物1に記載された発明、及び、遊技機の技術分野における周知の技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものといわざるを得ない。 <相違点2について> 刊行物2には、遊戯者による遊戯操作の有無を操作ハンドル10への触手の有無としてこれをタッチスイッチ17により検知し、操作ハンドル10への触手がなくタッチスイッチ17がオンすると、タイマーを介して、その一定時間経過後に、遊戯場内の騒音を増大しないようスピーカー26から発生する音声の音量を小さくしたりスピーカー26を動作しないようにすることが好ましいデモンストレーションを実行させるようにした制御手段を備えたパチンコ機が記載されており、 これによれば、当該パチンコ機は、少なくとも、遊技者により遊技(遊戯操作)がされている状態であるか否かを検出する状態検出手段(タッチスイッチ)を備え、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに、その一定時間経過後に、音量を下げた出音態様(デモンストレーション)を実行(遊戯場内の騒音を増大しないようデモンストレーション中にスピーカーから発生する音声の音量を小さくしたりスピーカーを動作しないように)する技術を備えているものと認められる。 ところで、次の<相違点3について>でも述べているように、刊行物1に記載された発明がスロットマシンに関する発明であり、刊行物2に記載された発明がパチンコ機に関する発明であるとしても、スロットマシンの発明である刊行物1に記載された発明における遊技音について、遊技がなされていない状態において出音されている場合に、パチンコ機の発明である刊行物2に記載された発明の構成を適用して、遊技中ではないスロットマシンについて、遊技場内の騒音を増大しないようにその音量を小さくすることは、本件訂正発明の出願当時において、当業者が容易に想到しえたことといわざるをえないところであり、 しかも、遊技機の遊技音を小さくする場合に、遊技がされていない状態を確実に検出するために、遊技がされていない状態から所定時間経過後に音量を小さくするという構成は、むしろ一般的な手法であるといえるから、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載された発明の遊技音の音量を小さくする構成を適用する場合において、同じく、刊行物2に記載されている遊技がされていない状態から所定時間経過したことを検出する構成を採用することは、当業者が適宜なし得ることである。 そして、相違点2として摘記した本件訂正発明の構成は、「特別の遊技が行われる際に前回遊技における所定のタイミングから所定時間経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段であって、前記所定のタイミングから計時を開始するタイマが所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出する状態検出手段」であるところ、 刊行物2に記載された発明は、遊技者による遊技(遊戯操作)がされていない状態が状態検出手段(タッチスイッチ)により検知されてから、タイマーにより所定時間(一定時間)が経過したことを検出する技術であって、当該所定時間の開始タイミングが、「特別の遊技が行われる際」における「前回遊技における所定のタイミング」ではなく(以下では、「前者」という。)、また、「所定時間経過した後に遊技がされていない状態を検出」し、且つ、「所定時間計時する間に遊技媒体が投入されないときに、遊技がされていない状態であることを検出」するものではない(以下では、「後者」という。)。 しかし、前者については、所定時間の開始タイミングをどのタイミングとするかは当業者が必要に応じて適宜設定し得る事項であって、何ら技術的な困難性はなく、これを、「前回遊技における所定のタイミング」とすることに、特段の技術的意義は認められず、そして、当該「前回遊技における所定のタイミング」を「特別の遊技が行われる際」におけるものとすることは、スロットマシンに適用するにあたり当業者が容易に帰結する事項であるといえるから、刊行物1に記載された発明において、刊行物2に記載された発明の技術を適用することにより、かかる構成を実現することは容易であり、 また、後者については、刊行物2に記載された発明は、遊技者が操作ハンドルを離してから所定時間経過した後であって、且つ、遊技者が遊技操作していない状態において音量を下げた出音態様(デモンストレーション)を実行する技術であるから、遊技者による遊技操作がない状態が検知されてから、タイマーにより所定時間経過したことを検出し、さらにその後に、状態検出手段(タッチスイッチ)により遊技者による遊技操作がない状態であるか否かを検知してから音量を下げることは、当業者が適宜設定しうる構成であるといえ、そして、「遊技がされていない状態であること」を「遊技媒体が投入されないとき」と判断することは、スロットマシンに適用するにあたり当業者が容易に帰結する事項であるといえるから、刊行物1に記載された発明において、刊行物2に記載された発明の技術を適用することにより、かかる構成を実現することは容易である。 仮に、上記のように、直ちに、認定できないとしても、刊行物3には、遊技開始条件成立前であると稼働状態判断手段143が判断した場合に、即ち、遊技に供するためのメダルが投入されていなかったり、クレジットメダルが残っていないと判断した場合には、所定時間経過後に画像表示装置40にインストラクション画像が表示され、メダルを投入して遊技開始条件が成立したことを稼働状態判断手段143が判断した場合には画像表示装置40に表示されていたインストラクション画像が遊技画像に切り替わるスロットマシン10において、稼働状態判断手段143において上記遊技中でないと判断される状態は、遊技開始条件成立前の状態か、あるいは、遊技開始条件成立後に、遊技者がスタートスイッチ80を操作することにより遊技が開始し、遊技者がストップスイッチ90を操作することにより図柄列表示部41における図柄変換が停止し、図柄の停止態様を判断して、賞態様が成立している場合には賞メダルを払い出した後、または賞態様が成立していない場合には入賞の判断が終了した後の状態であるスロットマシン10が記載されており、これによれば、当該スロットマシンは、遊技媒体(メダル)が投入されていない遊技開始条件成立前であることを状態検出手段(稼働状態判断手段)が判断するタイミングを、前回遊技における所定のタイミング(遊技開始条件成立後に、スタートスイッチ操作による遊技の開始、ストップスイッチ操作による図柄列表示部における図柄変換の停止、図柄の停止態様を判断して賞態様が成立している場合の賞メダルの払い出し後)としているものと認められ、 刊行物4には、ゲームの開始を監視し、オフプレー状態が一定時間以上連続するか否かを判定し、オフプレー状態が一定時間以上連続してゲームが開始されないことを検出した時にオフプレー検出信号を出力するオフプレー検出手段25が設けられ、表示制御手段30がこのオフプレー検出信号を入力すると、予め定められ任意に設定されたモードに従って表示手段10を作動させて、周囲の人をゲームに誘う表示をするようにした回胴式遊技機が記載されており、これによれば、当該回胴式遊技機は、遊技がされていない状態(オフプレー状態)が所定時間(一定時間)以上継続してゲームが開始されないことを検出する状態検出手段(オフプレー検出手段)を備えているものと認められ、 刊行物5には、主制御基板30から与えられるメッセージ信号の種類に応じて、それがBB信号であればBB入賞の効果音を、RB信号であればその効果音を、SB信号であればその効果音を、デモンストレーション信号であればデモンストレーションの効果音を、スピーカ24からそれぞれ発生させるように制御する音声制御基板34を設け、遊技者が遊技をしていないいわゆる空き台である状態が一定時間以上継続した場合に、主制御基板30からデモンストレーション信号が出力されるようになっているスロットマシン10が記載されており、これによれば、当該スロットマシンは、遊技がされていない状態(遊技者が遊技をしていない空き台である状態)が所定時間(一定時間)以上継続していることを検出する手段を備えているものと認められ、 刊行物6には、スロットマシンなどが含まれる遊技機において、パチンコ遊技機の例ではあるが、所定時間経過しても始動入賞がない場合には、その遊技機で遊技している遊技者が存在していないと考えられるために、予め定められたアニメーションからなるデモ表示が開始されるようにした遊技機が記載されており、これによれば、当該遊技機は、遊技がされていない(始動入賞がない)状態が所定時間経過したことを検出する手段を備えているものと認められ、 刊行物7には、直前まで遊技が行われていた場合には、制御部6は発射ダイヤル30が操作されていたか否かを示すフラグである変数Iを0にし、内蔵するタイマをリセットした後スタートするが、直前以前から既に遊技が行われていなかった場合には、スタートされたタイマに基づいて遊技が行われなくなってからの経過時間を確認し、その結果、予め定められた時間が経過していた場合には、制御部6は、変動表示部21を用いたデモンストレーション処理を起動するようにしたパチンコ装置が記載されており、これによれば、当該パチンコ装置は、前回遊技における所定のタイミング(直前以前)から所定時間(予め定められた時間)が経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段(タイマ)を備えているものと認められる。 以上述べたような種々の技術事項からみて、刊行物1に記載された発明における特別の遊技音を制御することについて、遊技されていない状態が状態検出手段によって検出されたとき、音量を下げた出音態様を実行するという刊行物2に記載された発明の技術を適用し、その際に、遊技媒体が投入されていない遊技開始条件成立前であることを状態検出手段が判断するタイミングを、前回遊技における所定のタイミングとするという刊行物3に記載されたスロットマシンの技術、遊技がされていない状態が所定時間以上継続してゲームが開始されないことを検出する状態検出手段を備えるという刊行物4に記載された回胴式遊技機の技術、遊技がされていない状態が所定時間以上継続していることを検出する手段を備えるという刊行物5に記載されたスロットマシンの技術、遊技がされていない状態が所定時間経過したことを検出する手段を備えるという刊行物6に記載された遊技機の技術、及び、前回遊技における所定のタイミングから所定時間が経過したときに遊技がされていない状態を検出する状態検出手段を備えるという刊行物7に記載されたパチンコ装置の技術を適用して、相違点2として摘記した本件訂正発明の構成を想起する点に、格別の困難性は認められないというべきであり、 そして、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載された発明の技術を適用すること、また、その際に、刊行物3?7に記載されたスロットマシン等の遊技機の技術を適用することについては、何らの阻害要因も認めることができないものであるから、 相違点2として摘記した本件訂正発明の構成は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明の技術、及び、刊行物3?7に記載されたスロットマシン等の遊技機の技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものといわざるを得ない。 尚、請求人は、平成19年9月28日付け意見書において、スロットマシンとパチンコ機との相違を縷々挙げ、相違点2における「前者」及び「後者」についての判断に誤りがある旨主張し(7頁16行?14頁5行)ているが、たとえ、本件訂正発明と刊行物2に記載された発明とを対比するための前提となる技術に相違があるとしても、スロットマシンとパチンコ機とが全く隔絶した技術分野にあるものと云うことはできず、しかも、請求人自身、スロットマシンとパチンコ機との相違について事細かに摘示していることからみて、スロットマシンの当業者において、パチンコ機の技術を何ら認識していないことは大凡あり得ないことと思料され、このような事情において、刊行物1に記載された発明に刊行物2に記載された技術を適用するに際して、両方の機械の特性を考慮し、これを踏まえて、パチンコ機の技術をそのまま適用するのではなしにスロットマシンに合うように適宜改変を加えるなどすることは、容易に想到できる範囲内のものと云えるから、上記「前者」及び「後者」についての判断に、請求人の主張するような誤りはない。 また、請求人は、同意見書において、スロットマシンにおける単なる「遊技」と本件訂正発明における特別の遊技及び遊技状態の中の「遊技」とでは技術的意義が相違する旨指摘するなどして、刊行物3?7を適用してなされた判断には「遊技」に対する誤解に基づく誤りがある旨主張し(14頁6行?17頁7行)ているが、「遊技」がされているか否かの検出手段の採用に際して、上記のような技術的意義の相違が殊更阻害要因になるとは認められないから、刊行物3?7を適用してなされた判断に、請求人の主張するような誤りはない。 <相違点3について> 刊行物2には、遊戯者による遊戯操作の有無を操作ハンドル10への触手の有無としてこれをタッチスイッチ17により検知し、操作ハンドル10への触手がなくタッチスイッチ17がオンすると、タイマーを介して、その一定時間経過後に、遊戯場内の騒音を増大しないようスピーカー26から発生する音声の音量を小さくしたりスピーカー26を動作しないようにすることが好ましいデモンストレーションを実行させるようにした制御手段を備えたパチンコ機が記載されており、 これによれば、当該パチンコ機は、少なくとも、遊技(遊戯操作)がされている状態であるか否かを検出する状態検出手段(タッチスイッチ)を備え、この状態検出手段によって遊技がされていない状態が検出されたときに、音量を下げた出音態様(デモンストレーション)を実行(遊戯場内の騒音を増大しないようデモンストレーション中にスピーカーから発生する音声の音量を小さくしたりスピーカーを動作しないように)する技術を備えているものと認められる。 そして、刊行物14には、発射装置83,スピーカ42,電飾装置65,役物ソレノイド55,賞球モータ77,可変表示装置26等の電気装置の内の全て或いは一部に対して省電力モードを設定することができるパチンコ遊技機2において、遊技者が遊技の途中でトイレ等のためにパチンコ遊技機2を離れた状態になったとき、その状態が設定時間B継続しているか否かを検出し、設定時間B継続していると判断した場合には、メインコンピュータの電源は遮断も低電圧化もしないが、予め設定した省電力モードに対応して、パチンコ遊技機2の上記電気装置のうちの全て或いは一部への通電を遮断または低電圧化するなど通電状態を制御して、当該電気装置の電力の消費を節約でき、パチンコ遊技機2を離れた遊技者が戻ったときには、そのパチンコ遊技機2に電源供給信号を出力して、遊技の続きを行うことができる電源節約手段を備えたパチンコ遊技機2が記載され、刊行物15には、スピーカ57を含むパチンコ遊技機2の電気装置の全てに対して省電力モードを設定することができるパチンコ遊技機2において、遊技者が遊技の途中で食事等のためにパチンコ遊技機2を離れた状態になったとき、その状態が設定時間B継続しているか否かを検出し、設定時間B継続していると判断した場合には、予め設定した省電力モードに対応して、パチンコ遊技機2の上記電気装置の内の全て或いは一部への通電状態を制御して、当該電気装置の無駄な電力消費を抑制でき、遊技者がパチンコ遊技機2の正面に座って設定時間Aが経過すると省電力モードを解除する節電手段を備えたパチンコ遊技機2が記載されており、 ここにおいて、スピーカに関して、通電の大小と音の大小とが表裏一体の関係にあることが技術常識であることに鑑みれば、刊行物14,15に記載されたパチンコ遊技機の省電力についての技術は、スピーカからの出音が継続的に出音されるものであるとの前提に立つものであるのか否か定かでないものの、これらパチンコ遊技機と本件訂正発明とでは、スピーカからの出音に対して、前者では省電力の問題として捉え、後者では煩わしい音の問題として捉えて、何れのものも、結果として、遊技者が遊技の途中で遊技台を離れたときにスピーカの音量を下げるようにし、遊技者が遊技台に戻ったときにはスピーカの音量を元に戻して遊技の続きを行うことができるようにしたものであるという意味において同一であるということができる。 そもそも、操作者等の在席時での通常の使用態様における各種機器の通常の出音が操作者等の不在席時には周囲への煩わしい音となり得る場合があることに鑑み、これを考慮して、操作者等の不在席を検出部が検出すると各種機器の出音を下げ調整し、操作者等の在席を検出部が検出すると各種機器の出音を元に戻すというようなことは、例えば、刊行物16に、車載用音響機器による周囲への騒音の持続防止を図る等の目的のために、乗員の不在を検出部20が検出すると一旦ミュート回路6がONとなって音響機器の音響信号系22の音響出力を下げ、当該音響出力が下がった状態での経過時間を時間計測部9がカウントし、その経過時間である不在持続時間が時間設定部8で設定された設定時間を経過すると前記音響信号系22の電源をOFFにし、乗員の在を検出部20が検出すると前記音響信号系22の電源をONにして音響出力を元に戻すようにした車載用音響機器についての技術が記載され、また、刊行物17に、電話着信音が周囲の人たちへの騒音とならないように、操作者の不在席を赤外線センサ6が検出したときには不在設定登録装置5が制御されて電話着信音量を小さくする不在設定が行われ、操作者の在席を赤外線センサ6が検出したときには不在設定登録装置5が制御されて前記不在設定の解除を行うようにした電話機3についての技術が記載されていることでも解るように、社会生活上、ごく一般的に行われている技術でもある。 ところで、刊行物1に記載された発明は、スロットマシンに関する発明であって、出音されるのは遊技音であるのに対し、刊行物2に記載された発明は、パチンコ機に関する発明であって、遊技がなされていない状態において出音されるデモンストレーション中の音について、遊技場内の騒音を増大しないように、その音量を小さくするというものであるところ、遊技場内の騒音を増大しないように、遊技中ではない装置について、その音量を小さくするということは、この種の遊技機において通常考えられる課題であると認められ、 しかも、スロットマシンとパチンコ機とが同じ遊技場内に設置され得るものであって、遊技がなされていない状態において出音される遊技音とデモンストレーション中の音とに実質的な差異はなく、いずれも遊技場内の騒音を増大させるものであることに変わりはないから、遊技場内の騒音を増大しないように遊技音ないしデモンストレーション中の音の音量を小さくするという構成を採用する点において、スロットマシンとパチンコ機との相違が影響するとは認められず、 したがって、スロットマシンの発明である刊行物1に記載された発明における遊技音について、遊技がなされていない状態において出音されている場合に、パチンコ機の発明である刊行物2に記載された発明の構成を適用して、遊技中ではないスロットマシンについて、遊技場内の騒音を増大しないようにその音量を小さくすることは、本件訂正発明の出願当時において、当業者が容易に想到しえたことといわざるを得ない。 ここで、本件訂正発明において、ボーナスゲーム中に大きな遊技音を継続的に出音させることの主な技術的意義が、遊技者に現在の遊技状態が特別の遊技状態としてのBBゲームやRBゲームであることを確認させるためのもの(本件特許明細書・段落【0005】等の記載を参照。)であって、これにより、遊技者のスロットマシン遊技への期待感や興趣を高めるようにしたものであり、それらBBゲームやRBゲームの遊技が行われているときに遊技者が離席するなどして当該遊技を中断した場合には、遊技者本人がスロットマシンに直接に対峙していない状態にあることに鑑みれば、当該遊技の際に出音する大きな遊技音は、遊技者本人にとっては、最早格別の意味を持たないものというべきであり、また、当該大きな遊技音が、他のスロットマシンの遊技者或いはそれ以外の周囲の者にとって、スロットマシン遊技への関心を高める等の効果を奏する作用をなさしめることはあるにしても、当該大きな遊技音は、常識的にみれば、スロットマシンに直接に対峙していない遊技者本人をも含む全ての者にとって、煩わしい迷惑な音というべき類の音に当たるものであることは、当業者であれば容易に推察され得るものということができるところ、 このような技術事項については、審判請求人(本件特許発明の出願人)も、本件特許明細書中で、「従来の遊技機ではスピーカから特別の遊技音が継続的に出音されたままの状態になる。遊技者がその遊技台で遊技をしていないのにもかかわらず、スピーカから大きな遊技音が出音され続けると、その遊技台の周囲で遊技をしている遊技者はその大きな遊技音によってはなはだ迷惑をこうむる。」(段落【0006】),「従来の遊技機では、スピーカから特別の遊技音が継続的に出音されたままの状態になる。この場合には、遊技をしていないのにもかかわらずスピーカから大きな遊技音が出音され続けるため、その遊技台で遊技をしている遊技者自身がその大きな遊技音によって煩わされる。」(段落【0007】)と記載し、また、審判請求書中で、「従来であればボーナス払出し音が鳴り渡りながら当のプレーヤーが着席していないという特異な事態は稀であったが、顧客層の変化などに起因しボーナス払出し音を出音させたまま放置され、その結果、周囲の遊技者の感情が逆なでされる状況が生じることとなる。ただでさえボーナスを引き当てられず機嫌を損ねているところにボーナス突入中にも関わらず離席する隣接の遊技者が存在すれば、そのような遊技者に対する悪感情が益々つのることは自明である。」(12頁23?29行)と述べているように、畢竟、自認していることであるから、 本件訂正発明の出願当時において、大きな遊技音が煩わしい迷惑な音であると認識されておらず、当該大きな遊技音が遊技者のスロットマシン遊技への期待感や興趣を高め、以て、遊技音が周囲の遊技者の挑戦意欲をかきたて、顧客の入店を誘引するための重要なツールになっていたとしても、遊技場内における遊技音やデモンストレーション中の音の音量をどの程度の音量にするかは、周囲の遊技者の挑戦意欲をかきたてる効果や、顧客の入店を誘引する効果等を考慮して、遊技場経営者等が適宜判断する事項であることからみて、遊技がなされていない場合において、遊技音の音量を小さくすることに、阻害要因がないことは明らかである。 以上述べたような種々の技術事項からみて、刊行物1に記載された発明における特別の遊技音を制御することについて、遊技されていない状態が状態検出手段によって検出されたとき、音量を下げた出音態様を実行するという刊行物2に記載された発明の技術を適用し、その際に、遊技者が遊技の途中で遊技機を離れると、スピーカ等への通電を遮断または低電圧化するなど通電状態を制御してスピーカの音量等を下げるようにし、遊技者が遊技台に戻ったときにはスピーカの音量等を元に戻して遊技の続きを行うことができるようにするという刊行物14,15に記載されたような遊技機の技術分野における周知の技術、さらには、操作者等の存在時での通常の使用態様における各種機器音が操作者等の不在時には周囲への煩わしい音となり得るという認識のもと、操作者等の不在席を検出部が検出すると各種機器音の出音を下げ調整し、操作者等の在席を検出部が検出すると各種機器音の出音を元に戻すという刊行物16,17に記載されたような社会生活上一般的に行われている技術を適用して、相違点3として摘記した本件訂正発明の構成を想起する点に、格別の困難性は認められないというべきであり、 そして、刊行物1に記載された発明に、刊行物2に記載された発明の技術を適用すること、また、その際に、刊行物14,15に記載されたような遊技機の技術分野における周知の技術、及び、刊行物16,17に記載されたような社会生活上一般的に行われている技術を適用することについては、何らの阻害要因も認めることができないものであるから、 相違点3として摘記した本件訂正発明の構成は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明の技術、遊技機の技術分野における周知の技術、及び、社会生活上一般的に行われている技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものといわざるを得ない。 また、「遊技媒体が投入されると特別の遊技音を復して出音させる」点については、遊技媒体の投入が単に遊技の再開を意味していることが明らかであるから、当該点において、本件訂正発明が格別のものであるということはできない。 尚、請求人は、平成19年9月28日付け意見書において、刊行物14,15に記載されたパチンコ機に関する技術をスロットマシンを含む遊技機の周知技術であるとの認定の不当性について述べ(17頁21行?19頁24行)、また、参考資料21?23を提示してBB遊技中のBB効果音についての従来の当業者の技術常識について述べ(19頁25行?22頁8行)、さらに、参考資料24?30を提示して社会生活上の一般的技術について述べ(22頁10行?26頁5行)、刊行物16,17に記載された技術が社会生活上一般的に行われているものではないと述べて(26頁7?26行)、刊行物1に記載された発明に刊行物2,14?17を適用してなされた判断に誤りがある旨主張しているが、既に再三述べているように、スロットマシンとパチンコ機とが全く隔絶した技術分野にあるものと云うことはできず、また、スロットマシンが非日常的な遊技場の空間に配置されるものであるとしても、このことが、スロットマシンに社会生活上の一般的技術を適用する際の妨げとは考えられず、さらに、刊行物16,17に記載された技術は音量を必要な時に低下させるという意味において社会生活上の一般的技術であると云うことができるから、刊行物2,14?17を適用してなされた判断に、請求人の主張するような誤りはない。 (ところで、本件訂正発明は、雑音になる寸前に音量を低下させコインを投入すると復帰するという機能を持つのであってそれ自体特殊な場所・状況における優れて特殊な技術である旨の主張(7頁9?13行)は、特許請求の範囲の記載に基づかないものである。) (3)作用効果・判断 そして、本件訂正発明によって奏する作用効果については、刊行物1,2に記載された発明、並びに、刊行物3?7に記載されたスロットマシン等の遊技機の技術、遊技機の技術分野における周知の技術、及び、社会生活上一般的に行われている技術から普通に予測できる範囲内のものであって、格別なものがあるとは認められないから、 本件訂正発明は、刊行物1,2に記載された発明、並びに、刊行物3?7に記載されたスロットマシン等の遊技機の技術、遊技機の技術分野における周知の技術、及び、社会生活上一般的に行われている技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものといわざるを得ない。 4.むすび 以上のように、本件訂正発明は、刊行物1,2に記載された発明、並びに、刊行物3?7に記載されたスロットマシン等の遊技機の技術、遊技機の技術分野における周知の技術、及び、社会生活上一般的に行われている技術に基づき当業者が容易に発明をすることができたものといわざるを得ないから、本件訂正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件訂正後の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合しないので、認められない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2007-12-14 |
結審通知日 | 2007-12-18 |
審決日 | 2008-01-04 |
出願番号 | 特願2002-38046(P2002-38046) |
審決分類 |
P
1
41・
121-
Z
(A63F)
P 1 41・ 856- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 瀬津 太朗 |
特許庁審判長 |
伊波 猛 |
特許庁審判官 |
三原 裕三 小原 博生 小林 俊久 土屋 保光 |
登録日 | 2005-08-12 |
登録番号 | 特許第3708056号(P3708056) |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 井口 嘉和 |
代理人 | 清水 俊介 |
代理人 | 田中 康久 |
代理人 | 小野寺 隆 |
代理人 | 松尾 憲一郎 |
代理人 | 佐藤 玲太郎 |
代理人 | 進藤 利哉 |
代理人 | 岩渕 正紀 |
代理人 | 正林 真之 |
代理人 | 松永 暁太 |
代理人 | 中山 俊彦 |
代理人 | 中込 秀樹 |
代理人 | 長沢 幸男 |
代理人 | 小椋 崇吉 |
代理人 | 佐藤 武史 |
代理人 | 八木沢 史彦 |
代理人 | 岩渕 正樹 |
代理人 | 今井 博紀 |
代理人 | 長沢 美智子 |