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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16C
管理番号 1180280
審判番号 不服2006-7581  
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-04-21 
確定日 2008-06-23 
事件の表示 特願2000- 88762「動圧型焼結含油軸受ユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月 5日出願公開、特開2001-271828〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【一】手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年3月28日の出願であって、その請求項1に係る発明は、平成17年9月13日付け及び平成20年3月10日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「 【請求項1】
焼結金属で形成され、かつ軸の外周面と軸受隙間を介して対向する軸受本体に油を保有させてなり、軸と軸受本体との相対回転で生じる油の動圧作用により軸を非接触支持する動圧型焼結含油軸受と、一端が開口で他端が閉塞され、上記動圧型焼結含油軸受が内装されたハウジングとを備えるものにおいて、
上記ハウジング内に、軸受本体のハウジング開口側の端面と密着し、軸との間の毛細管現象により油漏れを防止するシール部材を設け、軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布し、軸受本体の内周面またはこれに対向する軸の外周面の何れか一方に、内径側のチャンファ部と軸の外周面との間の隙間の油を軸受隙間に引き込む動圧溝を形成し、シール部材と軸受本体との間に空気が存在していないことを特徴とする動圧型軸受ユニット。」
なお、本願については、平成18年5月22日付けの手続補正がなされたが、平成19年12月20日付けの補正の却下の決定により却下された。

【二】引用例に記載された事項
これに対して、当審において平成20年1月9日付けで通知した拒絶の理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である「特開2000-35041号公報」(以下「引用刊行物」という。) には、次の事項が記載されていると認める。
〔あ〕「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高回転精度、高速安定性、高耐久性などに優れた特徴を有する動圧型焼結含油軸受ユニットに関し、特に情報機器におけるスピンドルモータ、例えばDVD-ROM、DVD-RAMなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、HDDなどの磁気ディスクを駆動するモータ、あるいはレーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータなどのスピンドル支持用として好適なものである。」(1欄40?48行参照)
〔い〕「【0006】ところが、軸姿勢を横向きで使用する場合や、縦軸姿勢でも回転数が軸表面の周速で2m/以上になる場合には、油の流出や飛散が生じる。注油した油が流出したり、飛散したりすると、結局、軸受隙間に空気を巻き込みやすくなるので動圧軸受としての機能を維持できなくなる。
【0007】そこで、本発明では、特に注油した油が流失したり、飛散したりするのを確実に防止可能とすることを目的とする。」(2欄33?41行参照)
〔う〕「【0015】図示のように、軸受ユニット1は、動圧型の焼結含油軸受1aと、焼結含油軸受1aを内径部に固定したハウジング1bと、ハウジング1bの底部に設けられたスラスト軸受12とで構成される。ハウジング1bは、一端(図面上方)を開口させた略円筒型をなし、その他端側はスラスト軸受12によって密閉されている。」(3欄26?31行参照)
〔え〕「【0016】焼結含油軸受1aは、図2に示すように、回転軸2の外周面と軸受隙間を介して対向する軸受面10bを有する焼結金属からなる円筒状の軸受本体10に、潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて構成される。焼結金属からなる軸受本体10は、銅系あるいは鉄系、またはその双方を主成分とする焼結金属で形成され、望ましくは銅を20?95%使用して成形される。軸受本体10の内周には、軸方向に離隔する2つの軸受面10bが形成され、2つの軸受面10bの双方に、それぞれ軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝10c(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。動圧溝10cは軸方向に対して傾斜して形成されていれば足り、この条件を満たす限りへリングボーン型以外の他の形状、例えばスパイラル型でもよい。焼結含油軸受1aの外周には、軸受1aの内径部に軸2を挿入する際の空気抜きとなる一または複数の溝10gが軸方向に沿って形成されている。なお、両軸受面10b間の領域10fの内径寸法は、軸受面10bにおける動圧溝部分を除く凸部(背の部分10e)の内径寸法よりも大きく設定される。」(3欄37?4欄5行参照)
〔お〕「【0018】上記焼結含油軸受1aでは、回転軸2の回転に伴う圧力発生と昇温による油の熱膨張によって軸受本体10の内部の潤滑剤(潤滑油または潤滑グリースの基油)が軸受本体10の表面からにじみ出し、動圧溝の作用によって軸受隙間に引き込まれる。軸受隙間に引き込まれた油は潤滑油膜を形成して回転軸を非接触支持する。すなわち、軸受面10bに、上記傾斜状の動圧溝10cを設けると、その動圧作用によってにじみ出した軸受本体10内部の潤滑剤が軸受隙間に引き込まれると共に、軸受面10bに潤滑剤が押し込まれ続けるので、油膜力が高まり、軸受の剛性を向上させることができる。」(4欄11?21行参照)
〔か〕「【0021】本発明においては、ハウジング1bの開口部の近傍に当該開口部を密封するためのシール13が配置される。シール13は、繊維材料(フェルト等)や多孔質体(焼結金属や樹脂等で成形される)からなる薄肉リング状の油吸収部材13aと、樹脂あるいは金属からなる同じく薄肉リング状のシール本体13b(例えばワッシャ)とで構成され、シール本体13bをハウジング1bの開口端側に配置してハウジング1bの内径部に組み込まれている。シール13のうち、油吸収部材13aは、ハウジング1bに固定してもよいし、あるいは、特に固定することなく、軸受本体10の開口側端面上に置くようにしてもよい。油吸収部材13aの内径側は、軸2の外周面2aに対して僅かな隙間をあけておくのがよいが、フェルト等の繊維状の油吸収部材13aを使用する場合は、トルク上昇やトルク変動を与えない範囲で軸2に接触させてもよい。一方、シール本体13bは、軸2の外周面2aに対して僅かな隙間(直径で0.3mm以下、望ましくは0.2mm以下)をあけてハウジング1bの内周面に固着される。」(4欄45行?5欄12行参照)
〔き〕「【0022】このように油吸収部材13aを有するシール13を設けることにより、軸姿勢が縦向き、横向き何れの場合でも、軸受1aの開口側端面(内外径のチャンファ部10h、10iも含む)より漏れ出ようとする油Oを吸収捕捉し、これを内部に保持することができる。従って、油が流出して遠心力により周囲に飛散するような事態を防止することができる。」(5欄13?19行参照)
〔く〕「【0023】また、軸受1aの毛細管力による油の保持力を油吸収部材13aよりも強く設定すれば、仮に軸受内部に油の存在しない空孔が生じた場合でも、油吸収部材13aに吸収捕捉された油が軸受1a側に還流するため、油不足になりにくく、軸受の長寿命化が達成される。この観点から、油吸収部材13aは軸受1aの端面に接触させておくのが好ましい(還流性が問題にならなければ、離して配置してもよい)。」(5欄20?27行参照)
〔け〕「【0024】なお、油吸収部材13aは予め油を含浸させてからハウジング1bに組み込んでもよく、また、油を含浸することなく組み込み、注油された油が軸2の軸受1a内周部への挿入時に空気抜き溝10gを通って押し上げれた際にこれを吸収捕捉して含浸させるようにしてもよい。後者の場合、油と共に押し出されてきた空気が抜けやすくなるので、空気が軸受隙間に残留しにくくなる利点がある。」(5欄28?35行参照)
等の記載が認められる。
そして、上記〔か〕にあるように、引用刊行物には、「油吸収部材13a」は「軸受本体10の開口側端面上に置くようにしてもよい」ことが記載されており、「油吸収部材13a」を「軸受本体10の開口側端面上に置く」ことによって、「油吸収部材13a」と「軸受本体10の開口側端面」は密着するものと認められる。また、上記〔え〕に「軸受本体10の内周には、軸方向に離隔する2つの軸受面10bが形成され、2つの軸受面10bの双方に、それぞれ軸方向に対して傾斜した複数の動圧溝10c(へリングボーン型)が円周方向に配列形成される。」とあり、この「動圧溝10c」は「内径側のチャンファ部10hと軸の外周面との間の隙間の油を軸受隙間に引き込む」作用をなすと認められる。
したがって、併せて図面を参照すると、引用刊行物には、
“焼結金属で形成され、かつ回転軸2の外周面と軸受隙間を介して対向する軸受本体10に油を保有させてなり、回転軸2と軸受本体10との相対回転で生じる油の動圧作用により回転軸2を非接触支持する動圧型焼結含油軸受1aと、一端が開口で他端が閉塞され、上記動圧型焼結含油軸受1aが内装されたハウジング1bとを備えるものにおいて、
上記ハウジング1b内に、軸受本体10のハウジング1b開口側の端面と密着し、油漏れを防止する多孔質体(焼結金属や樹脂等で成形される)からなる薄肉リング状の油吸収部材13aを設け、
軸受本体10の内周面に、内径側のチャンファ部10hと回転軸2の外周面との間の隙間の油を軸受隙間に引き込む動圧溝10cを形成した動圧型焼結含油軸受ユニット”
の発明が記載されていると認められる。

【三】対比・判断
(1)本願の請求項1に係る発明と上記引用刊行物に記載された発明とを対比すると、後者の「回転軸2」が前者の「軸」に相当し、また同様に、後者の「軸受本体10」が前者の「軸受本体」に、後者の「ハウジング1b」が前者の「ハウジング」に、後者の「動圧溝10c」が前者の「動圧溝」に、それぞれ相当し、後者の「油吸収部材13a」は、油漏れを防止する機能を有することで、前者の「シール部材」に対応すると認められるので、
両者は、
「焼結金属で形成され、かつ軸の外周面と軸受隙間を介して対向する軸受本体に油を保有させてなり、軸と軸受本体との相対回転で生じる油の動圧作用により軸を非接触支持する動圧型焼結含油軸受と、一端が開口で他端が閉塞され、上記動圧型焼結含油軸受が内装されたハウジングとを備えるものにおいて、
上記ハウジング内に、軸受本体のハウジング開口側の端面と密着し、油漏れを防止するシール部材を設け、軸受本体の内周面またはこれに対向する軸の外周面の何れか一方に、内径側のチャンファ部と軸の外周面との間の隙間の油を軸受隙間に引き込む動圧溝を形成した動圧型軸受ユニット」
で一致し、次の点で相違すると認める。
[相違点A]
本願請求項1に係る発明は、上記「シール部材」が「軸との間の毛細管現象により油漏れを防止するシール部材」であり、また、「軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布し」たものであるのに対して、引用刊行物に記載された発明では、上記「油漏れを防止する」現象が「軸との間の毛細管現象」を含むものか否か不明であり、また、「軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布し」たものか否か不明である点
[相違点B]
本願請求項1に係る発明は、「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」のに対して、引用刊行物に記載された発明では、「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」か否か不明である点

(2)次に上記各相違点について検討する。
(2-1)相違点Aについて
上記引用刊行物には、「シール本体13bは、軸2の外周面2aに対して僅かな隙間(直径で0.3mm以下、望ましくは0.2mm以下)をあけてハウジング1bの内周面に固着される」(上記〔か〕参照)ことが記載され、また、【図1】等を参照すると、油吸収部材13aの内周面と軸2の外周面2aとの間の隙間は、前記「隙間(直径で0.3mm以下、望ましくは0.2mm以下)」より更に小さいものと認められる。このように、油吸収部材13aの内周面と軸2の外周面2aとの間の隙間は、本願の請求項1に係る発明の実施例として本願明細書に記載されたシール部材11の内周面と軸1の外周面との間の隙間幅Sが「半径で0.2mm以下、望ましくは0.1mm以下」(段落【0025】)であることを満足し、油吸収部材13aと軸2との間隙幅は、「毛細管現象」が生じる程度のものと認められる。
また、本願明細書には、シール部材11を「樹脂材料(例えばポリアミドなど)や金属材料」(段落【0025】)とすることが記載されており、本願の請求項1に係る発明は、「シール部材」を、引用刊行物に記載された発明における「油吸収部材13a」の材料「多孔質体(焼結金属や樹脂)」(上記〔か〕参照)と異なるものと特定したものとも認めることはできない。
そして、動圧型軸受ユニットにおいて、軸周囲からの油漏れを防止する手段として、油に接する面に「撥油剤」を塗布した「軸との間の毛細管現象により油漏れを防止する」シール手段を採用することは、本願出願前に周知の事項と認められる(例えば、特開平11-311253号公報(【0038】?【0040】、【図10】、【図11】)、特開平8-149748号公報(【0026】、【図2】)、特開平1-182617号公報、実願昭55-99325号(実開昭57-24322号)のマイクロフィルム)、等参照)。
したがって、上記引用刊行物に記載されたものにおいて、上記「シール部材」が「軸との間の毛細管現象により油漏れを防止するシール部材」であり、また、「軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布し」たものとすることにより、上記相違点Aに係る本願発明の構成とすることは、上記引用刊行物の記載事項及び上記本願出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることである。

(2-2)相違点Bについて
引用刊行物には、「油吸収部材13a」には軸受の製造時から油が含浸され(上記〔け〕参照)、また、軸受内部の状況によつては「油吸収部材13a」に吸収捕捉された油が軸受1a側に還流する(上記〔く〕参照)ことが記載されているので、「油吸収部材13a」は、油を保持して、特に軸受1a側の部分では空気が存在しないか極めて少ない状態にあるものと認識し得る。
このように、「軸受本体のハウジング開口側の端面と密着し、油漏れを防止するシール部材を設け」た上記引用刊行物に記載された発明にあっては、現象上、少なくとも「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」状況と極めて近い状態であるから、引用刊行物に記載されたものにおいて、「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」ものとすることにより、上記相違点Bに係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。

(3)請求人の主張について
(3-1)請求人は、平成20年3月10日付けの意見書において、概略、
i)引用刊行物に記載された発明の「軸受本体10に密着する油吸収部材13a」について、「内・外径のチャンファ部より漏れ出ようとする油Oを吸収捕捉することを目的に配置されたものです」(「3-1」刊行物1についての項参照)
ii)引用刊行物に記載された発明の「油吸収部材13a」が「繊維材料もしくは多孔質体」で形成されることについて、「油を含浸させても、油吸収部材13aの端面と軸受本体10の端面との間には多少の空気が残ると考えられます。また、内・外径の面取り部の油も油吸収部材13aに吸収されていまいます。」(同上)
iii)引用刊行物には、「本願発明の「シール部材と軸受本体との間に空気を介在させない」という構成は一切開示されてないと考えます。」、「吸収部材13aと軸受本体10との間に多少でも空気が残っていれば、この気泡は動圧溝の引き込み力によって軸受隙間に引き込まれ、軸受性能を害することとなります。」(同上)
iv)引用刊行物には、「軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布する、という発想が一切記載されていません。そのため、軸受本体10の内径側のチャンファ部と軸の外周面との間の隙間に溜まる潤滑油量も不足しがちとなり、軸受隙間に空気が巻き込まれ易くなると考えられます。」(同上)
旨主張している。
(3-2)しかしながら、
i)引用刊行物には、上記〔く〕にあるように、「油吸収部材13aに吸収捕捉された油」を「軸受1a側に還流する」ことによって、「油不足になりにくく」、「軸受の長寿命化」を達成することも記載されていると認められる。
ii)本願請求項1に係る発明は、「シール部材」を形成する材料として「繊維材料もしくは多孔質体」を除外することを特定したものではなく、出願当初明細書には「シール部材11」を「樹脂材料(例えばポリアミドなど)や金属材料(焼結金属も含む)」(段落【0025】)から形成することも記載されており、本願請求項1に係る発明が引用刊行物に記載された材料を除外する技術思想をもつものとは認めることができない。
iii)上記相違点Bについて既に検討したとおり、「軸受本体のハウジング開口側の端面と密着し、油漏れを防止するシール部材を設け」た上記引用刊行物に記載された発明にあっては、現象上「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」状況と極めて近い状態であり、本願請求項1に係る発明も「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」という現象によって特定されているに過ぎないから、引用刊行物に記載されたものにおいて、「シール部材と軸受本体との間に空気が存在していない」ものとすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
iv)上記相違点Aについて既に検討したとおり、動圧型軸受ユニットにおいて、軸周囲からの油漏れを防止する手段として、油に接する面に「撥油剤」を塗布した「軸との間の毛細管現象により油漏れを防止する」シール手段を採用することは、本願出願前に周知の事項と認められるから、上記引用刊行物に記載されたものにおいて、「軸の外周面のうち、少なくともシール部材の内周面と対向する領域に撥油剤を塗布」することによって油漏れを防止することは、当業者にとって容易になし得ることであり、そのことによって、潤滑油量の不足、軸受隙間における空気の巻き込みは、回避されると認められる。

(4)このように、本願の請求項1に係る発明は、その発明を特定する事項が上記引用刊行物に記載された事項及び本願出願前周知の事項に基づいて当業者が容易に想到し得るものであり、作用効果も上記引用刊行物に記載された事項及び上記周知の事項から予測し得る程度のもので格別顕著なものではない。

【四】むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、本願出願前に頒布された上記引用刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、本願請求項2?7に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-04-30 
結審通知日 2008-05-01 
審決日 2008-05-13 
出願番号 特願2000-88762(P2000-88762)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F16C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 冨岡 和人  
特許庁審判長 亀丸 広司
特許庁審判官 常盤 務
礒部 賢
発明の名称 動圧型焼結含油軸受ユニット  
代理人 城村 邦彦  
代理人 白石 吉之  
代理人 田中 秀佳  
代理人 熊野 剛  
代理人 江原 省吾  

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