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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1181616 |
審判番号 | 不服2006-9882 |
総通号数 | 105 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-09-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-05-15 |
確定日 | 2008-07-16 |
事件の表示 | 平成 6年特許願第166888号「マルチメディアシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成 7年 3月20日出願公開、特開平 7- 78084〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成6年7月19日(パリ条約による優先権主張1993年7月22日、オランダ国)の出願であって、平成16年9月17日付けで拒絶の理由が通知され、平成17年3月28日付けで手続補正がなされた後、さらに、同年7月11日付けで拒絶の理由が通知され、平成18年1月18日付けで手続補正がなされたが、同年2月8日付けで拒絶査定がなされた。 これに対し、同年5月15日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、当審において、平成19年7月26日付けで拒絶の理由が通知され、平成20年1月31日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年3月28日付け、平成18年1月18日付け及び平成20年1月31日付けの手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、次のとおりのものと認める。 「対話式ユーザプログラムを含む大容量記憶手段に可逆的にインターフェースするインターフェース手段と、 前記大容量記憶手段をアクセスするアクセス手段と、 前記アクセス手段に接続され前記ユーザプログラムを処理する処理手段と、 前記処理手段により供給された処理結果を表示する表示手段とを具えるユーザ情報の対話式プレゼンテーション用マルチメディアシステムにおいて、 前記ユーザプログラムのランタイム実行の間に、前記大容量記憶手段から読取られた前記ユーザプログラムのマシン型汎用マルチ命令のブロックを、マシン型特定オブジェクトコードのブロックにブロックごとに変換して、局部的に記憶する変換および記憶手段と、 前記マシン型特定オブジェクトコードを前記変換および記憶手段からアクセスする二次アクセス手段とをさらに具えることを特徴とするマルチメディアシステム。」 なお、平成20年1月31日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1には「前記処理手段により供給され処理結果」と記載されているが、「前記処理手段により供給された処理結果」の誤記と認め、上記のとおり認定した。 また、上記請求項1の記載における「ブロック」という用語の意味に関連し、審判請求人は、平成20年1月31日付けの意見書において、 『さらに、コンパイラ技術において用語「ブロック」または「基本ブロック」は周知であり、共にコンパイルできる制限された数の命令を意味している。そのような命令のブロックは、通常、プログラム内に識別することができる。特殊な例として、プログラム内の、いわゆる基本ブロックが知られている。各基本ブロックは、1つ以上の命令よりなり、基本ブロックの境界は、次のように定められる。すなわち、飛越し(ジャンプ)は、基本ブロックを決して目標にせず、基本ブロックの最初の命令のみを目標にする。ブロック状に編成された命令は、基本ブロックあるいは基本ブロックのグループに構成され得る。』 と述べ、上記「ブロック」の例としてコンパイラ技術において周知である「基本ブロック」を挙げているが、審判請求人が主張するような、本願発明の「ブロック」はコンパイラ技術における「基本ブロック」を含む概念である、との解釈は、採用しない。 本願の明細書及び図面には、そのような解釈の根拠となる記載も示唆もない上、逆に、本願明細書の段落【0014】には、「しかし、ブロック26に対する状況に対比し、遡及結合は矢印40で示す翻訳された命令の同一ブロックに対し重要になる。能動アクセス手段30を活性化するアウト-オブ-ブロック規準の比較的稀な発生は説明の便宜上省略する。」として、他の命令へのアクセスである遡及結合は同一ブロックの命令に対するものとなることが主であって、ブロック外へのアクセスは稀である旨が記載されており、その途中からの飛び出しも、その途中への飛び込みもないような、一続きの命令列として規定されるコンパイラ技術における「基本ブロック」が、本願明細書において説明される上記「ブロック」の例であるとすることは適切でないからである。 3.引用発明 本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物であり、当審の拒絶の理由において引用された、北村泰彦,外3名、「マイコンネットワーク向き機械語変換方式について」、情報処理学会マイクロコンピュータ研究会資料、社団法人情報処理学会、1984年8月31日、No.32、p.32-3.1?32-3.10(以下、「引用文献」という。)には、図とともに以下の事項が記載されている。 A.「この解決として、ホストコンピュータにおいて各端末のアプリケーションプログラムを開発し、ダウンローディングによって各端末に転送・実行する方法を提案した。・・・(中略)・・・ ダウンローディングによるプログラムの転送・実行を行う際に問題となるのは、端末が異機種のマイコンによって構成されている場合である。各端末ごとに別々のソフトウェアを開発していては、システム全体のソフトウェア開発に大きな支障をきたしてしまう。そこで本稿ではその解決策として、特定のハードウェアに依存しない機械語レベルの中間コードUコードを提案し、Uコードを各端末のハードウェア構成に合った実行形式に変換するトランスレータについて述べ、その実験結果を示す。」(1頁左欄13行?同頁右欄3行) B.「異なるCPUに共通な記述言語を使用するために、図1に示す2つの方法があげられる。 (a)の方法は、ホストコンピュータにおいて、ソースプログラムを異機種端末ごとにクロスコンパイルしてオブジェクトコードを生成し、オブジェクトコードを各端末に転送し、実行する。この方法は、コンパイラ開発の作業量が大きいことや、異機種端末の追加、他言語によるソースプログラムの記述における拡張性の乏しさなどの欠点がある。 (b)の方法は、ホストコンピュータにおいて、ソースプログラムをコンパイルして中間コードを生成し、中間コードを各端末に転送し、インタプリタを用いて実行する。この方法では異機種端末に共通した中間コードを使用しているので、開発作業量と拡張性において有利である。しかし、インタプリタ形式なので(a)に比べて実行速度が遅いという欠点がある。 この欠点を解決するために、中間コードは仮想CPUの機械語として、中間コードから各端末の機械語に変換・実行するトランスレータ形式を採用する。そこで本研究では図2に示すように、(b)の改良形を提案する。」(1頁右欄13行?2頁左欄26行) C.「トランスレータによる機械語変換方式にも2つの方法がある。 (1)トランスレータをホストコンピュータにおく方法(図2中丸β(当審注:丸囲み文字を「丸?」のように表記し、以下、同様とする。)でダウンローディングをする。) (2)トランスレータを端末におく方法(図2中丸αでダウンローディングをする。) ・・・(中略)・・・ (2)の方法ではネットワーク上を転送されるものは中間コードであり、ホストで生成された中間コードはどの端末に送ってもよい。」(2頁右欄1行?23行) D.「Uコードロードモジュールは、Uコード用のコンパイラあるいはアセンブラによって生成され、ネットワークを通じて端末を転送され、トランスレータの入力となる。ロードモジュールは図3に示されるように4ブロックより構成されている。」(7頁左欄2行?8行) E.「トランスレータはネットワークを通してホストコンピュータから送られてくるUコードロードモジュールを以下の点において、端末のハードウェア構成にあわせた実行形式に変換する。」(8頁左欄10行?14行) F.「Uコードロードモジュールはいくつかのパケットに分割されて転送されることが多いので、変換を高速に行うためには、全てのパケットが到着してから変換を始めるよりも、到着順に変換してゆくほうが良い。」(8頁左欄16行?21行) G.「Uコードでは16ビット×8個のレジスタ、4種(負、零、キャリー、オーバフロー)のコンディションフラグを持ったCPUを仮定している。しかし実CPUに、対応するレジスタ、フラグがない場合にはメモリを用いて代用する。また、実CPUにUコードが用いる命令、アドレシングモードの機能がない場合には複数命令の組み合せによって対処する。」(8頁右欄16行?25行) H.「トランスレータを含んだ各端末のシステム構成は図12のようになる。」(9頁左欄8行?9行) I.「以上の結果から、Uコードは共通性、実行時間、オブジェクトサイズの点から、高級言語や各CPUの機械語に比べて、統一的なソフトウェア開発に有効であることがわかった。」(10頁左欄6行?10行) 上記A-Cの記載からみて、引用文献には、ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムを、ダウンローディングによって各端末に転送し、実行するシステムが記載されており、これを端末側から見ると、アプリケーションプログラムを有するホストコンピュータに接続され、ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムをダウンローディングによって受信し、実行する端末が記載されていると言える。 上記H及び図12の記載からみて、各端末は、通信プログラムを介して、ホストコンピュータからUコードロードモジュールを受信するのであるから、各端末は、ホストコンピュータと通信し、データを受信するための通信手段を具えているものと解される。 上記Gの記載からみて、各端末は、実CPUを具えており、各端末に転送された上記アプリケーションプログラムの実行は、この実CPUによって行われるものである。また、実CPUが実行するアプリケーションプログラムは、上記通信手段によって受信されたものであるから、実CPUは、上記通信手段に接続されていると言える。 上記Aに記載されているように、Uコードは、特定のハードウェアに依存しない機械語レベルの中間コードであり、ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムは、上記Dに記載されているように、Uコードロードモジュールとして、端末に転送される。 上記B,C,Eの記載からみて、各端末は、ホストコンピュータから受信したUコードロードモジュールを、各端末のハードウェア構成にあわせた実行形式の機械語に変換するトランスレータを具えている。 引用文献1には、Uコードロードモジュールから変換された実行形式の機械語を、どのように記憶しておき、実CPUに与えるかについての具体的な記載はないが、各端末において、変換後の実行形式の機械語を端末内にローカル(局部的)に記憶しておくための記憶手段と、変換後の実行形式の各機械語を当該記憶手段から読み出し、実CPUに与えるための読み出し手段が必要であることは、当業者には明らかであるから、各端末はそのような記憶手段及び読み出し手段を具えているものと解される。 よって、上記A-Iの記載事項及び関連する図を参照すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「アプリケーションプログラムを有するホストコンピュータに接続され、 前記ホストコンピュータと通信し、データを受信するための通信手段と、 前記通信手段に接続され、前記アプリケーションプログラムを実行する実CPUとを具え、ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムをダウンローディングによって受信し、実行する端末において、 前記ホストコンピュータから受信された前記アプリケーションプログラムの、特定のハードウェアに依存しない機械語レベルの中間コードであるUコードで記述されたUコードロードモジュールを、端末のハードウェア構成にあわせた実行形式の機械語に変換するトランスレータと、 変換後の実行形式の機械語を局部的に記憶しておくための記憶手段と、 変換後の実行形式の機械語を前記記憶手段から読み出し、実CPUに与えるための読み出し手段とをさらに具えることを特徴とする端末。」 4.対比 本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「アプリケーションプログラム」と、本願発明の「対話式ユーザプログラム」は、いずれも、プログラムである点で一致し、引用発明の「前記アプリケーションプログラムを実行する実CPU」と、本願発明の「前記ユーザプログラムを処理する処理手段」は、いずれも、プログラムを処理する処理手段である点で一致する。 引用発明の「ホストコンピュータ」は、各端末のアプリケーションプログラムを有する、すなわち、記憶しているものであるから、本願発明の「大容量記憶手段」に対応し、引用発明の「前記ホストコンピュータと通信し、データを受信するための通信手段」は、大容量記憶手段に対応するホストコンピュータにアクセスして情報を得る手段であるから、本願発明の「大容量記憶手段をアクセスするアクセス手段」に対応する。また、引用発明において「ホストコンピュータ」から「受信」することは、本願発明において「大容量記憶手段」から「読取」ることに対応する。 引用発明の「特定のハードウェアに依存しない機械語レベルの中間コードであるUコードで記述されたUコードロードモジュール」は、特定のハードウェアに依存しない複数の命令からなるものであるから、本願発明の「マシン型汎用マルチ命令」に相当する。 また、引用発明の「端末のハードウェア構成にあわせた実行形式の機械語」は、特定のハードウェア用の機械語からなるものであるから、本願発明の「マシン型特定オブジェクトコード」に相当する。 すると、引用発明の「前記ホストコンピュータから受信された前記アプリケーションプログラムの、特定のハードウェアに依存しない機械語レベルの中間コードであるUコードで記述されたUコードロードモジュールを、端末のハードウェア構成にあわせた実行形式の機械語に変換するトランスレータ」と、「変換後の実行形式の機械語を局部的に記憶しておくための記憶手段」とを合わせたものは、本願発明の「前記大容量記憶手段から読取られた前記ユーザプログラムのマシン型汎用マルチ命令のブロックを、マシン型特定オブジェクトコードのブロックにブロックごとに変換して、局部的に記憶する変換および記憶手段」と、大容量記憶手段から読取られたプログラムのマシン型汎用マルチ命令を、マシン型特定オブジェクトコードに変換して、局部的に記憶する変換および記憶手段である点で一致し、引用発明の「変換後の実行形式の機械語を前記記憶手段から読み出し、実CPUに与えるための読み出し手段」は、本願発明の「前記マシン型特定オブジェクトコードを前記変換および記憶手段からアクセスする二次アクセス手段」に相当する。 引用発明の「ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムをダウンローディングによって受信し、実行する端末」と、本願発明の「ユーザ情報の対話式プレゼンテーション用マルチメディアシステム」は、いずれも情報処理装置である点で一致する。 したがって、両者は、 「大容量記憶手段をアクセスするアクセス手段と、 前記アクセス手段に接続され、プログラムを処理する処理手段とを具えた情報処理装置において、 前記大容量記憶手段から読取られた前記プログラムのマシン型汎用マルチ命令を、マシン型特定オブジェクトコードに変換して、局部的に記憶する変換および記憶手段と、 前記マシン型特定オブジェクトコードを前記変換および記憶手段からアクセスする二次アクセス手段とをさらに具えることを特徴とする情報処理装置。」 である点で一致し、以下の4点で相違している。 [相違点1] 発明の対象とする情報処理装置が、本願発明では、「大容量記憶手段に可逆的にインターフェースするインターフェース手段」と、「処理手段により供給された処理結果を表示する表示手段」とを具えた「ユーザ情報の対話式プレゼンテーション用マルチメディアシステム」であって、「対話式ユーザプログラム」を処理するものであるのに対し、引用発明では、「ホストコンピュータ上のアプリケーションプログラムをダウンローディングによって受信し、実行する端末」であり、「アプリケーションプログラム」を処理するものである点。 [相違点2] プログラムが記憶されている大容量記憶手段が、本願発明では、インターフェース手段により可逆的にインターフェースされるものであるのに対し、引用発明では、ホストコンピュータである点。 [相違点3] マシン型汎用マルチ命令から、マシン型特定オブジェクトコードへの変換と、局部的な記憶が、本願発明では、「ユーザプログラムのランタイム実行の間に」行われるのに対し、引用発明においては、どの時点で行われているのかが明らかでない点。 [相違点4] マシン型汎用マルチ命令から、マシン型特定オブジェクトコードへの変換において、本願発明では、「ユーザプログラムのマシン型汎用マルチ命令のブロックを、マシン型特定オブジェクトコードのブロックにブロックごとに変換して」いるのに対し、引用発明においては、変換がブロックごとに行われているのか否かが明らかでない点。 5.当審の判断 以下、上記相違点について検討する。 [相違点1,2について] CD-ROMなどの大容量記憶手段を可逆的に接続、すなわち、可逆的にインターフェースするインターフェース手段と、処理結果を表示する表示手段を具えた対話型のマルチメディアシステムであって、当該大容量記憶手段から読み出される対話制御用のプログラムによって動作するものは、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である、特開平5-88963号公報(段落【0001】?【0003】の従来技術の説明、並びに、段落【0011】?【0015】及び図1の記載を参照。)、特開平4-243057号公報(段落【0005】?【0007】及び図1の記載を参照。)に記載されているように周知であり、特定のハードウェアに依存しない中間コードを用いることにより、共通性、実行時間、オブジェクトサイズの点から、高級言語や各CPUの機械語に比べて、統一的なソフトウェア開発に有効であるという引用発明の効果(上記3.Iの記載を参照。)が、上記周知のマルチメディアシステムにおけるソフトウェア開発においても同様に有効であることは、当業者には明らかであるから、引用発明が対象とする情報処理装置を、本願発明と同様の、大容量記憶手段に可逆的にインターフェースするインターフェース手段と、処理手段により供給された処理結果を表示する表示手段とを具えた、ユーザ情報の対話式プレゼンテーション用マルチメディアシステムであって、対話式ユーザプログラムを処理するものとし、プログラムが記憶されている大容量記憶手段を、ホストコンピュータに代えて、上記インターフェース手段により可逆的にインターフェースされる大容量記憶手段とすることは、当業者が容易になし得ることである。 [相違点3,4について] 特定のハードウェアに依存しない中間コードで記載されたプログラム(マシン型汎用マルチ命令に相当。)から、ハードウェアに依存するコード(マシン型特定オブジェクトコード)への変換を、ブロックごとに、かつ、プログラムの実行時に必要に応じて、すなわち、ランタイム実行の間に行うことは、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物である、特開平3-229327号公報(2頁右下欄5行?3頁左上欄15行、3頁左下欄7行?13行、及び、4頁左上欄2行?6行の記載を参照。特に、4頁左上欄2行?6行には、「中間コードを複数の部分に分割し、それぞれの部分について実行の必要が生じた時点で動的に機械命令に変換しても良い。」との記載がある。)、特開平3-113539号公報(1頁右下欄17行?2頁左上欄11行、及び、2頁左下欄1行?同頁右下欄4行の記載を参照。)に記載されているように周知であるから、同じく、特定のハードウェアに依存しない中間コードで記載されたプログラムから、ハードウェアに依存するコードへの変換を行う引用発明に、上記周知技術を適用し、本願発明と同様、プログラムのランタイム実行の間に、ユーザプログラムのマシン型汎用マルチ命令のブロックを、マシン型特定オブジェクトコードのブロックにブロックごとに変換して、局部的に記憶するよう構成することは、当業者が容易になし得ることである。 そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。 6.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-02-14 |
結審通知日 | 2008-02-19 |
審決日 | 2008-03-04 |
出願番号 | 特願平6-166888 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 後藤 和茂、石川 正二 |
特許庁審判長 |
吉岡 浩 |
特許庁審判官 |
桑江 晃 野仲 松男 |
発明の名称 | マルチメディアシステム |
代理人 | 藤谷 史朗 |
代理人 | 岩佐 義幸 |
代理人 | 杉村 興作 |
代理人 | 来間 清志 |