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審決分類 審判 査定不服 発明同一 特許、登録しない。 G11B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1181781
審判番号 不服2003-20937  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2003-10-29 
確定日 2008-07-24 
事件の表示 特願2001- 48487「媒体の識別および分類システム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年10月 5日出願公開、特開2001-273748〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.経緯等
1.経緯
本件出願は、1997年11月25日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1996年12月2日、米国、1996年12月2日、米国)を国際出願日とする出願である特願平10-525672号の一部を平成13年2月23日に新たな特許出願としたものであって、 平成15年6月23日付けで手続補正がなされ、平成15年7月29日付けで拒絶査定がなされたものである。
本件は、本件出願についてなされた上記拒絶査定を不服とする平成15年10月29日付けの審判の請求である。

2.査定
平成15年7月29日付け拒絶査定の理由は、概略次のようである。

理由1
本願発明は、下記刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

刊行物1:特開平08-147948号公報
(以下の刊行物2から8は、査定において媒体を特徴付ける情報として提示)
刊行物2:特開平08-235764号公報
刊行物3:特開平08-138357号公報
刊行物4:特開平04-188467号公報
刊行物5:特開平04-172681号公報
刊行物6:特開平03-272074号公報
刊行物7:特開昭63-026889号公報
刊行物8:実願昭63-141494号(実開平02-065288号公報)のマイクロフィルム

理由2
本願発明は、下記先願の特許出願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。

先願:特願平08-535199

第2.査定の検討
1.本願発明
本件出願の請求項1から6に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1から6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、そのうちの請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1記載の下記の事項により特定されるものである。

「媒体情報を読取る媒体読取り部と、
前記媒体読取り部により読取られた物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報を受け取り、前記媒体を特徴付ける情報を通信リンクを介して外部データベースに伝送する制御手段と、を具備し、
前記外部データベースは、前記物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報および前記媒体に関連する内容記述情報を含み、
前記制御手段は、前記媒体を特徴付ける情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報と媒体分類情報を受け取り、前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合するものである、媒体の識別および分類システム。」

2.査定の理由1(特許法第29条第2項)の検討
(1)刊行物1(特開平08-147948号公報)
査定の理由1で引用した特開平08-147948号公報(以下、刊行物1という)には、図面と共に次の記載がある。

(刊行物1の記載)
【0004】図2はこの従来のオートチェンジャー装置のブロック図を示すものである。図2において、21はシステム制御部であり、ディスクを再生するディスク再生部22と複数のディスクを収納するディスク収納部23を制御する。25はデータ入力部を示し、使用者がこれを操作することでデータが入力され、システム制御部21を介してデータメモリー26に入力され記憶される。24は表示部を示し、データメモリー26に記憶されたデータをシステム制御部21を介して入力し使用者に表示して報知する。

【0005】以上のように構成されたオートチェンジャー装置について、以下その動作について説明する。

【0006】ディスク収納部23は、システム制御部21からの制御により、指定された位置に収納されているディスクを取り出してディスク再生部22に装着したり、逆に、取り外して収納する機能を持ち、ディスク再生部22は、システム制御部21からの制御により、装着されたディスクを再生する機能を持つ。

【0007】データメモリー26には収納されているディスクに関するデータが記録されており、システム制御部21はデータメモリー26のデータを参照して、収納されているディスクに関する収納番号、タイトル名、収録曲名などのデータを表示部24に表示している。データ入力部25を通じて入力されたディスク収納番号、曲番号などの再生曲指定データは、システム制御部21に送られ、システム制御部21がディスク収納部23とディスク再生部22を制御して、再生曲指定データで指定された曲を再生する。

【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従来の構成では、使用者が新しいディスクをオートチェンジャー装置に収納しようとしたとき、そのディスクに関するデータをデータメモリー26に入力しなければならない。ディスクのタイトル名や収録曲名などのデータを入力することは、一般の使用者にとって繁雑な作業であり、また、間違いも起こしやすいという問題点を有していた。

【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、使用者に繁雑な作業を強いること無く、新規に収納されたディスクに関するデータを得る機能を持つオートチェンジャー装置を提供することを目的とする。

【0013】図1は本発明の第1の実施例におけるオートチェンジャー装置のブロック図を示すものである。図1において、2はディスク再生部、3はディスク収納部であり、システム制御部1によって制御されている。以上は従来例と同様なものである。6はデータ管理部であり、データメモリー7を管理して、システム制御部1の要求に従ってデータを送り出している。4は表示部を示し、システム制御部1から送られた収納ディスクに関するデータを表示する。5はデータ入力部で、使用者の指令をシステム制御部1に送っている。8は通信制御部であり、データ管理部6の制御によって、通信回線11の接続操作を行い、ホスト局9に存在するデータベース10にアクセスする。データベース10には、市場に流通しているディスクに関するデータが蓄積されており、ディスクのIDコードなどによってデータを引き出すことができる。

【0014】以上のように構成された本実施例のオートチェンジャー装置について、以下その動作について説明する。

【0015】図1において、データメモリー7には、収納されているディスクの収納番号、タイトル名、収録曲名などのデータが記録されており、システム制御部1はデータ管理部6を通じてそのデータを取得し、表示部4に表示する。データ入力部5から、再生曲指定データがシステム制御部1に送られると、システム制御部1はディスク再生部2及びディスク収納部3を制御して、再生曲指定データで指定された曲が再生される。

【0016】データ入力部5から、新しいディスクの収納作業指令がシステム制御部1に入力された場合には、システム制御部1は、まずディスク収納部3を制御して新しいディスクをディスク再生部2に装着し、次にディスク再生部2を制御してディスクに記録されているIDコードを読み取り、そのディスクの収納番号を新規ディスク収納作業中であることの通知と共にデータ管理部6に送る。

【0017】データ管理部6では、受け取ったIDコードを通信制御部8に送り、通信制御部8に対して新規データ取得を指令する。

【0018】次に、通信制御部8は通信回線11の接続操作を行って、ホスト局9への通信経路を確立し、ホスト局9に前記のIDコードを送ることによって、データベース10から新しいディスクに関するデータを受け取ってデータ管理部6に送る。

【0019】データ管理部6は、通信制御部8から受け取ったデータと、システム制御部1から受け取った収納番号をデータメモリー7に追加記録する。

【0021】以上のように本実施例によれば、新しいディスクを収納する場合に、通信制御部を通じて、ホスト局に存在するデータベースから、新しいディスクに関するデータを自動的に取得してデータメモリーに記録することによって、使用者を繁雑なデータ入力作業から開放することができる。
(以上、刊行物1の記載)

(2)対比
本願発明と刊行物1に記載された発明(以下、刊行物1発明という)とを対比する。

ア(媒体読取り部)
刊行物1には、「ディスク再生部22は、システム制御部21からの制御により、装着されたディスクを再生する機能を持つ。」(【0006】)、「図1において、2はディスク再生部、3はディスク収納部であり、システム制御部1によって制御されている。以上は従来例と同様なものである。」(【0013】)、「ディスク再生部2を制御してディスクに記録されているIDコードを読み取り」(【0016】)とあって、また、ディスクは記録媒体であるから、刊行物1記載のディスク再生部2は、媒体の情報を読み取るものということができ、本願発明の「媒体情報を読取る媒体読取り部」に相当する。

イ(物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報)
刊行物1記載の「IDコード」は、これをディスクから読み取って、ホスト局9に送ることによって、データベース10から新しいディスクに関するデータを受け取るものであり、媒体読取り部により読取られ、それに応じて前記外部データベースから媒体識別情報と媒体分類情報を受け取るものである本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」に対応するものである。
本件出願明細書には、本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」の例として、「媒体の種類、データの種類、データをセグメント化(区分)あるいはセパレート(分離)する方法、すべてのデータセグメントの大きさ、データの総量あるいはデータを担持する媒体の物理的な寸法」(【0006】)、「オーディオCDのトラック数および各トラックに対する演奏時間」(【0007】)、「フォーマット、総量、論理的セグメント化(もしあれば)、セグメントの量、例えばセグメント化の境界におけるデータのサンプル、および他の基準」(【0013】)、「トラック数(N)および各トラックの長さ(L)」(【0013】)、「各トラックの最初および最後の数バイト、ディスクの予め定められた部分のデータのサンプル、あるいはすべてのトラックの全長」(【0013】)、「トラック(歌)の数、各トラックの長さ(動作(ラン:run)時間)」(【0018】)、「各トラックの最初の数バイト、各トラックの最後の数バイト、媒体の予め定められた部分のデータのサンプル、あるいはすべてのトラックの全長」(【0018】)、「同じトラックについて数秒の違い」(【0033】)、「トラック長、トラック上に記憶された実際のデータ、データのチェックサム等」(【0033】)、「歌全体がディスクから削除される」(【0033】)、「各トラックの最初あるいは最後の数バイトあるいはディスクの予め定められた部分におけるデータのサンプル」(【0034】)、「トラック数のような特性」(【0035】)、「特定のトラックの長さ」(【0035】)、「ディスクのプレス工程間の僅かな変化(例えば、トラック長)」(【0035】)、「カラーサンプリング、Hi-Fi(ハイファイ)オーディオエンコードあるいはサラウンド音声サンプル、カテゴリ/サブカテゴリ、プログラム記述、等のようなビデオ固有の情報あるいはレーザーディスク固有の情報」(【0041】)が挙げられており、「これらの特性は、例えばディスクを読出すことによって周知の態様で決定される。」(【0018】)と説明されている。
本願発明で「特徴(付ける)」とされ、【0018】で「特性」と説明されているこれらの情報は、その「特徴」「特性」によってその情報を読み取られた媒体を識別していると解することができる。
刊行物1記載の「IDコード」も、それを読み取られたディスクを特定していて、本件出願の上記記載の情報と同様に媒体を識別するものということができる。
そうすると、刊行物1記載の「IDコード」は、「媒体読取り部により読取られた媒体を識別する情報」という点で、本願発明の「媒体読取り部により読取られた物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」に相当する。
しかしながら、刊行物1記載の「IDコード」は、いわばディスクの名前であって、何らかの尺度・観点で評価した評価値ともいえる「特徴」「特性」とはいうことができない。本願発明が特定する「物理的または論理的に」は、そのような評価値を与える尺度・観点のことをいっていると解することができる。
したがって、本願発明では「媒体を識別する情報」が「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける」ものであることに対して、刊行物1発明では「媒体を識別する情報」が「IDコード」であって、「物理的または論理的」な「特徴」ではない点で相違する。

ウ(制御手段)(その1)
刊行物1には、
「システム制御部1は、(・・中略・・)ディスク再生部2を制御してディスクに記録されているIDコードを読み取り、そのディスクの収納番号を新規ディスク収納作業中であることの通知と共にデータ管理部6に送る。」(【0016】)、
「データ管理部6では、受け取ったIDコードを通信制御部8に送り、通信制御部8に対して新規データ取得を指令する。」(【0017】)、
「次に、通信制御部8は通信回線11の接続操作を行って、ホスト局9への通信経路を確立し、ホスト局9に前記のIDコードを送ることによって、データベース10から新しいディスクに関するデータを受け取ってデータ管理部6に送る。」(【0018】)
とあって、
刊行物1記載の「システム制御部1」、「データ管理部6」、「通信制御部8」では、「ディスク再生部2制御してディスクに記録されているIDコードを読み取り」「ホスト局9に前記のIDコードを送」っており、刊行物1には、本願発明の「前記媒体読取り部により読取られた物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報を受け取り、前記媒体を特徴付ける情報を通信リンクを介して外部データベースに伝送する制御手段」に相当する構成が記載されている。なお、本願発明では、「前記媒体読取り部により読取られ」「通信リンクを介して外部データベースに伝送する」「情報」が「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける」ものであることに対して、刊行物1発明では、「IDコード」であって、「物理的または論理的」な「特徴」ではない点で相違することは、上記イ(物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報)で述べたとおりである。

エ(データベース)
刊行物1記載のデータベース10は、本願発明の「外部データベース」に相当する。
刊行物1には、「データベース10には、市場に流通しているディスクに関するデータが蓄積されており、ディスクのIDコードなどによってデータを引き出すことができる。」(【0013】)、「使用者が新しいディスクをオートチェンジャー装置に収納しようとしたとき、そのディスクに関するデータをデータメモリー26に入力しなければならない。ディスクのタイトル名や収録曲名などのデータを入力することは、一般の使用者にとって繁雑な作業であり、また、間違いも起こしやすいという問題点を有していた。」(【0008】)、「新しいディスクを収納する場合に、通信制御部を通じて、ホスト局に存在するデータベースから、新しいディスクに関するデータを自動的に取得してデータメモリーに記録することによって、使用者を繁雑なデータ入力作業から開放することができる。」(【0021】)とあって、刊行物1記載のデータベース10に蓄積されている「市場に流通しているディスクに関するデータ」は、「ディスクのタイトル名や収録曲名などのデータ」である。また、「ディスクのIDコードなどによってデータを引き出すことができる。」のであって、IDコードをキーとしてデータを引き出しており、そのためにデータベース10はIDコードも有していると解することができる。
本願発明で特定する「媒体に関連する内容記述情報」は、本件出願明細書に「ユーザが例えばオーディオCDやレーザーディスクからの内容に関する記述情報を含ませたい場合は、ユーザはデータを手動で入力することになる。例えば、オーディオCDのトラック数および各トラックの長さを識別して、この情報をハードディスクに記憶させるコンピュータのCD-ROM読取り装置(CD-ROMリーダ)を利用したコンピュータ・プログラムは周知である。不都合なことに、ユーザはオーディオCDのタイトルおよび曲名を手動でタイプして入力しなければならない。その後タイトルおよび曲名が記憶される。」(【0003】)、「従って、ユーザの介入を必要とすることなく媒体の内容に関する記述情報を得ることができれば望ましいことが判った。また、簡単にオンスクリーン(on-screen)表示できる形式で上記のような内容記述データを提供できることが望ましい。」(【0004】)とあるところの、ユーザが含ませたい「内容に関する記述情報」(【0003】)、得ることができれば望ましい「媒体の内容に関する記述情報」(【0004】)に対応する情報であって、オーディオCDのタイトルおよび曲名を含むものである。
刊行物1記載のデータベース10に蓄積されている「市場に流通しているディスクに関するデータ」は、「ディスクのタイトル名や収録曲名などのデータ」であることから、本願発明の外部データベースが含むところの「媒体に関連する内容記述情報」に相当する。
ここで、刊行物1記載の「IDコード」は、イ(物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報)で述べたように、「媒体読取り部により読取られた媒体を識別する情報」という点で、本願発明の「媒体読取り部により読取られた物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」に相当することから、刊行物1記載のデータベース10が「市場に流通しているディスクに関するデータ」を蓄積し、IDコードを有していることは、本願発明の「前記外部データベースは、前記物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報および前記媒体に関連する内容記述情報を含み」に対応する。
以上によれば、本願発明と刊行物1発明とは「前記外部データベースは、媒体を識別する情報および前記媒体に関連する内容記述情報を含み」という点で一致し、「媒体を識別する情報」が、本願発明では「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」であることに対し、刊行物1発明では「IDコード」であって、「物理的または論理的」な「特徴」ではない点で相違する。

オ(制御手段)(その2)
本件出願明細書および図面には、制御部125が通信リンク145を介して外部データベース155から媒体に関する情報を受け取ることに関して、または、通信リンク(145)を介して受け取る媒体に関する情報として、次の記載がある。
(明細書の記載)
「生の(raw)プロファイルデータ」(【0022】)
「プログラムに関連する記述情報」(【0023】)
「記述情報」(【0024】【0029】【0030】)
「図3のフローチャートは、ジュークボックス100の制御部125で使用するのに適した非識別(unidentified)CDに関連する記述情報を得るのに適した方法300を示す。この方法はアップロードされたプロファイルのデータを処理するために遠隔データベースのプロバイダによっても利用される。」(【0025】)
「プロファイルに一致するオーディオCDに関連する記述情報」(【0025】)
「もしプロファイルが変更されなければ、媒体がアクセスされ(ステップ390)、何らかの付加特性が決定されてプロファイルのデータベースに組み込まれる。」(【0027】)
「図4は図1のジュークボックス100で使用するのに適した“自動プログラミング”法のフローチャートを示す。非識別媒体に関連する記述情報を得るための上述の方法300は、図4の自動プログラミング法に組み込まれている。」(【0029】)
「ユーザには例えば分類リスト(例えば、アーチストあるいはトラックのアルファベット順のリスト)あるいはグループ分けされたリスト(例えば、クラシック、ラップ(rap)ミュージック、ジャズ、ロック(軽快)、ロック(その他)等の音楽の形式、カテゴリ)が提供される。」(【0032】)
「CDについてダウンロードされた情報には、別の操作方法(例えば、あるクラシック音楽を演奏せよ)として使用することができる、あるいは“ランダム演奏”の特徴を補足するために使用することができるカテゴリ情報(例えば、クラシック、ラップミュージック、ジャズ、ロック(軽快))を含ませることもできる。」(【0032】)
「適切な記述情報」(【0036】)
(以上、明細書の記載)
これらの内、「プログラムに関連する記述情報」(【0023】)、「プロファイルに一致するオーディオCDに関連する記述情報」(【0025】)は、上記エ(データベース)で述べたように、ユーザが含ませたい「内容に関する記述情報」(【0003】)、得ることができれば望ましい「媒体の内容に関する記述情報」(【0004】)に対応する情報であって、オーディオCDのタイトルおよび曲名を含む情報であり、タイトル、曲名等によって媒体を識別できるから、本願発明で「媒体識別情報」というものであると解することができる。また、「カテゴリ情報」(【0032】)は、「グループ分け」(【0032】)されるから、本願発明で「媒体分類情報」というものであると解することができる。
刊行物1には、「IDコードを通信制御部8に送り、通信制御部8に対して新規データ取得を指令する。」(【0017】)、「ホスト局9に前記のIDコードを送ることによって、データベース10から新しいディスクに関するデータを受け取ってデータ管理部6に送る。」(【0018】)とあって、IDコードに応じて、データベースから新しいディスクに関するデータを受け取る構成が記載されている。
刊行物1記載のデータベースから受け取る「ディスクに関するデータ」は、「ディスクのタイトル名や収録曲名などのデータ」であることから、本願発明の外部データベースから受け取る「媒体識別情報」に相当し、IDコードは、イ(物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報)で述べたように、「媒体を識別する情報」という点で、本願発明の「媒体読取り部により読取られた物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」に相当するから、刊行物1には、「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報を受け取る」構成が記載されている。
しかしながら、刊行物1には、本願発明の「媒体分類情報」を受け取ることに対応する構成の記載はなく、また、上記のように、「媒体を識別する情報」は本願発明のように「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」ではなく、IDコードである点で相違している。
そうすると、本願発明と刊行物1発明とは、「前記制御手段は、媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報を受け取り」という点で一致し、「媒体を識別する情報」が本願発明では「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」であることに対して刊行物1発明では「IDコード」であって、「物理的または論理的」な「特徴」ではない点、本願発明が「媒体分類情報」も受け取っていることに対し、刊行物1発明では「媒体分類情報」は受け取っていない点で相違する。

カ(表示)
本願発明では、「前記制御手段は、」「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」としている。
本件出願明細書で文字数字および/または図形情報の表示に関して、具体的には、「テキスト」「アイコンのような図形表示(グラフィカル表示)」として、
「【0042】
局部データベース235は、オンスクリーン・プログラムセレクタのデータベースとして使用できることに注目することが重要である。この場合、局部データベース235は、選択用情報のオンスクリーン表示用の生のデータ源として制御部225で使用される。制御部225は生のデータを処理して所望のOSD信号を形成し、次いでこのOSD信号は転送ユニット120に送られて表示すしようとするデータストリーム中に挿入される。
【0043】
生のデータをテキストとして単純に表示させることは確かに可能であるが、グラフィックス指向の技法によればデータをより楽しく可視表示させることができる。従って、制御部225はオブジェクト(object)を構成し、これらのオブジェクトを生のデータに接続する。オブジェクトは単に情報の表示であり、おそらくはアップル社のマッキントッシュ(Apple(登録商標)Macintosh(登録商標)あるいはマイクロソフト社のウインドウズ(Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)で使用されている馴染みのあるアイコンのような図形表示(グラフィカル表示)である。この場合、表示される情報は将来放送されるテレビジョン番組であるか、あるいは局部媒体のプレーヤを介してアクセスされる局部媒体(例えば、オーディオCD、レーザーディスク、DAT等)に記憶されたビデオあるいはオーディオプログラムである。制御部225はオブジェクトを表示させるために転送ユニット120に送る。視聴者は、例えば遠隔制御装置のカーソルキーを使用してオンスクリーン表示内で各オブジェクトを操作することにより、オンスクリーン表示から直ぐに見るための番組、あるいは後刻見るための番組、あるいは記録するための番組を選択する。」
と記載されていることから、本願発明の「文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」は、文字数字および/または図形情報のOSD信号、オブジェクトを形成して文字数字および/または図形の表示を行うことをいうものである。そして、表示される文字数字および/または図形は、「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す」のであって、この表示を見ることで使用者が媒体を識別できるものであるから、本願発明の「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」は、「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す」「文字数字および/または図形」を「表示装置」で表示することと解することができる。

刊行物1には、「データメモリー26には収納されているディスクに関するデータが記録されており、システム制御部21はデータメモリー26のデータを参照して、収納されているディスクに関する収納番号、タイトル名、収録曲名などのデータを表示部24に表示している。」(【0007】)、「ホスト局に存在するデータベースから、新しいディスクに関するデータを自動的に取得してデータメモリーに記録する」(【0021】)とあって、「データベースから」「取得し」た「タイトル名、収録曲名などのデータを表示部24に表示している。」から、刊行物1には本願発明の「媒体識別情報」を「表示装置」で表示する構成が記載されているということができる。
しかしながら、刊行物1には、「媒体分類情報」を表示することは記載されていない。
また、本願発明は、「文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」として「文字数字および/または図形」で表示をしているところ、刊行物1には、どのような形で表示を行うのか記載されていない。
そうすると、本願発明と刊行物1発明とは、「前記制御手段は、」「前記媒体識別情報」を「表示装置」で表示する点で一致し、本願発明が、「前記媒体分類情報」も表示し、「文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」として「文字数字および/または図形」で表示をしていることに対し、刊行物1発明は、「媒体分類情報」を表示しておらず、また、どのような形で表示を行うのか不明である点で相違する。

キ(媒体の識別および分類システム)
上記対比したように、刊行物1には本願発明でいう「媒体分類情報」に対応する記載はないから、本願発明と刊行物1発明とは「媒体の識別システム」という点で一致し、本願発明が「媒体の分類システム」でも有ることに対して、刊行物1発明が「媒体の分類システム」ではない点で相違する。

(3)一致点、相違点
以上対比によると、本願発明と刊行物1発明との一致点、相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「媒体情報を読取る媒体読取り部と、
前記媒体読取り部により読取られた媒体を識別する情報を受け取り、前記媒体を識別する情報を通信リンクを介して外部データベースに伝送する制御手段と、
を具備し、
前記外部データベースは、前記媒体を識別する情報および前記媒体に関連する内容記述情報を含み、
前記制御手段は、前記媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報を受け取り、前記媒体識別情報を表示装置で表示するものである、
媒体の識別システム。」

[相違点1](媒体を特徴付ける情報)
「媒体を識別する情報」が、本願発明では「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」であることに対し、刊行物1発明では、「IDコード」であって、「物理的または論理的」な「特徴」ではない点。

[相違点2](媒体分類情報、分類システム)
「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから」「受け取」る情報について、本願発明では「媒体分類情報」も受け取って表示しており、そのため、本願発明が「媒体の分類システム」でもあることに対し、刊行物1発明では、「媒体分類情報」を受け取らず、「媒体の分類システム」ではない点。

[相違点3](表示)
本願発明が「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」として「文字数字および/または図形」で表示することに対して、刊行物1発明がどのような形で表示を行うのか不明である点。

(4)相違点の検討
ア(相違点1の検討)
「媒体を識別する情報」として、刊行物1記載のような媒体の名前であるIDコードだけではなく、「トラック数」等は周知事項(下記周知例参照)であり、刊行物1記載のIDコードに代えて「媒体を識別する情報」として周知である「トラック数」等を用いることは、当業者が容易に想到できたことである。
この周知である「トラック数」等は本願発明の具体例と同様であって、本願発明同様に、「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」ということができるものである。
そうすると、刊行物1発明における「媒体を識別する情報」に「トラック数」等を用いて、本願発明の「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報」とすることは、刊行物1発明および周知事項に基づいて当業者が容易に想到できたことである。

(周知例)
・特開平8-235764号公報(ボリュームサイズ、トラック数、トラック名、各トラックの開始位置)
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ボリューム管理領域を有しないオーディオ用のコンパクトディスクであっても、再生前に記録内容を適確に識別することができるコンパクトディスクの識別方法と、それを使用するコンパクトディスクの再生システムに関する。

【0010】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、再生装置に装填されたコンパクトディスクは、そのボリュームサイズが再生装置を介して読取り可能である。また、コンパクトディスクは、その記録内容により、ボリュームサイズが異なるのが普通である。そこで、ボリュームサイズをキー情報としてディスク情報を検索すれば、検索されたディスク情報は、当該コンパクトディスクの記録内容を示し、それを識別することができる。なお、このときのディスク情報は、メモリにあらかじめ登録し、記憶させておくものとし、その内容は、ボリュームサイズの他、トラック数、トラック名、各トラックの開始位置を含むことができる。
【0011】ボリュームサイズが一致するディスク情報を検索した後、コンパクトディスクのトラック数とディスク情報のトラック数との一致を確認すれば、識別の確度を格段に向上させることができる。ボリュームサイズが一致するコンパクトディスクが偶然に複数枚存在したとしても、それぞれのトラック数まで一致している確率は、極めて小さいからである。
【0012】同様に、コンパクトディスクの各トラックの開始位置とディスク情報のそれとの一致を確認すれば、識別の確度を一層向上させることができる。

・特開平8-138357号公報(情報が記録されている時間情報、演奏時間)
【0002】
【従来の技術】市販されている光ディスク、CD,LD等はディスクのタイトルや、レコード番号さらに各トラック毎に曲名及び演奏者等のデータが記録されていないので、再生中に光ディスクのデータを基にそのディスクについてのトラック毎の曲名や演奏者やレコード番号等の情報を表示するために、これらのタイトル情報の文字情報データを表示装置に表示するためのデータとして外部へ送出し、またはモニター表示をすることができなっかたので、その光ディスクのディスクのタイトル、トラックの題名、演奏者レコード番号等が再生中不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光ディスク、CD,LD等を再生したときに、その再生中の光ディスクのタイトルやトラックの題名や演奏者やレコード番号等の様々な特定した情報の文字情報データを表示装置に表示するために、出力として特定情報を外部へ送出し、これらの情報に基づき、表示装置に表示をすることにより、再生中の光ディスクのディスクのタイトルやトラックの題名やレコード番号等をモニターしたり、放送の信号に含めて表示装置に画面表示して、音と画面から記録及び再生情報を明らかにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、光ディスク、CD,LD等の光ディスクのディスクのタイトルや曲の題名や演奏者やレコード番号等の様々な関連する情報を記録した情報ファイルと、ディスク1枚毎に付加された管理番号と、さらに光ディスクから特定のUPC,ISRC,TOCの情報を読み出し、それらの情報と情報ファイルの管理番号とを一対に記録し作成した照合ファイルと、再生装置で再生中の光ディスクからUPC,ISRC,TOC情報を読み出し上記照合ファイルの管理番号を検索し、その検索した管理番号により情報ファイルの再生中の光ディスクに関するディスクのタイトルやトラックの題名や演奏者やレコード番号などの様々な関連する特定情報を表示するためにこれらの情報の文字情報データを外部へ送出することである。

【0013】図6に示す照合用データ19について説明する。ISRC(Inter National Standard Recorded Code)コードは、2ビットが国名,次の2ビットが年号,次の2ビットが社名,次の6ビットが製品番号である。ISRCコードはトラック毎にサブコードQチャンネル部に記録されている。これと照合する情報ファイルの管理番号と及びトラック番号と相対して記録される。情報ファイルの管理番号は、10ビットで光ディスクごとに付加され、その次のトラック番号は2ビットで表わされる。

【0015】図7に示す照合用データ20について説明する。UPC(United Production Code)コードは、13ビットで構成されるディスクの種類毎に分けるために付けられた番号で発売されるディスクの種類を特定する。故にUPCコードと情報ファイルの管理番号が相対して記録されている。
【0016】図8に示す照合用データ21について説明する。UPCコードと情報ファイル管理番号とを相対して記録し、ISRCコードと情報ファイル管理番号に付随するトラック番号が相対して記録されている。これは、UPCコードがドロップアウト等で読めなかった場合にISRCコードからトラック番号を特定することができる。
【0017】図9に示す照合用データ22について説明する。TOC情報は、情報が記録されている時間情報と記録された曲の管理番号に相当する目次情報がディスクの決まって通常は再内周部に記録され、この情報にしたがって再生する曲を選択する。この場合は演奏時間が同じで曲が異なる場合もあるので、これまでの照合用データ18?20で読めない場合の最後の手段として設けてある。

・特開平4-188467号公報(プログラム領域を時間単位で区分するための区分情報)
[発明の効果]
以上述べたように、この発明によれば、プログラム領域を時間単位で区分するための区分情報が目次情報としてデータ書込前に予め目次領域に記録されているので、1枚のディスクにプログラムを全て終了しない段階においても、上記目次情報を参照することにより、それまで記録したプログラム情報をランダム再生することかできる。
また、この発明によれば、上記区分情報が個々の光ディスク毎に僅かに異なっているので、上記区分情報に基づいて個々の光ディスクを識別することが可能になる。
(公報第4頁右下欄第19行?第5頁左上欄第10行)

・特開平4-172681号公報(最大演奏時間、最大演奏時間と最大曲番号を組み合わせたデータ)
CDのTOCの内、最大演奏時間は、他のディスクとは滅多に一致せず、そのディスクに固有のものである。従って、この最大演奏時間をもって、CDを他のCDに対し識別することができる。さらに、この最大演奏時間に最大曲番号を組み合わせてると、ディスクの識別精度をより向上させることができる。本実施例では、この最大演奏時間と最大曲番号を組み合わせたデータを、ディスク識別のためのTOCデータとしている。
(公報第3頁右上欄第11?19行)

・特開平3-272074号公報(総演奏時間、フレーム数、総曲数)
本発明は、CD再生装置にCDをセットしたときに必ず読み取られる総演奏時間、フレーム数等の形式データに基づいてCDを特定するCD検索名を自動的に作成するようにし、さらにユーザが曲名、演奏音名、コメント等を自由に書き込み、CD検索名でファイルに格納するようにした。
(公報第2頁右下欄第4?9行)
図において、1はCDを再生するためのCDプレイヤ、2、2’はCDに記録されている総曲数、総演奏時間等のCD特定データ読み取り部およびCD特定データ、3はCD特定データ2’よりCD検索名13を作威し、・・
(公報第2頁右下欄第4?9行)

・特開昭63-26889号公報(曲数、各曲の曲番(アドレス情報)、総絶対時間、各曲毎の演奏開始時間)
演奏に際しては必ずこのTOC情報が読み取られかつデータ抽出回路4で抽出される。TOC情報としては、ディスクの収録されている曲数、各曲の曲番(アドレス情報)、総絶対時間、各曲毎の演奏開始時間等の情報が記録されている。データ抽出回路4で抽出されたデータはコントローラ5に供給される。
(公報第2頁右上欄第5?11行)

ディスク1の演奏開始に際し、先ずリードインエリアのTOC情報が読み取られると(ステップS1)、そのTOC情報を以前に読んだことがあるか否かを記憶装置6の記憶内容を検索することによって判定する(ステップS2)。ディスク内のTOC情報が個々のディスク間で全く同じということはまずありえないので、ステップS2の判定を行なうことにより、演奏するディスクが初めてのディスクであるか否かを判定できるのである。
(公報第2頁右下欄第7?15行)

本発明によるディスクプレーヤによれば、曲名情報をディスクから読み取られた索引情報中の曲番情報に対応して記憶しておき、曲番又は曲名情報が指定入力されたとき、この指定曲番又は曲名情報に対応する曲名又は曲番情報を読み出して表示する構成となっている
(公報第3頁左下欄第4?9行)

・実願昭63-141494号(実開平2-65288号公報)のマイクロフィルム(収録曲数、総演奏時間、1曲目の演奏時間)
本考案のディスクプレーヤは、ディスク名を表示する表示手段と、ディスク名を入力する入力手段と、記憶手段と、各ディスクのディスクデータと前記入力手段によるディスク名データを対応させて前記記憶手段に記憶する第1手段と、ディスクより読み取ったディスクデータと前記記憶手段に記憶されているディスクデータを比較し、両データが一致した場合、このディスクデータに対応するディスク名データを読み出し前記表示手段に送出する第2手段とからなるものである。
(明細書第2頁第15行?第3頁第4行)

そのディスクのTOCデータ(収録曲数、総演奏時間、1曲目の演奏時間)をディジタル信号処理回路(13)より読み込み、これと同一データがデータメモリ(18)に記憶されているか否かを判定する。(ステップS-7.8)
(明細書第6頁第14?18行)
(以上、周知例)

イ(相違点2の検討)
刊行物1では「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから」「受け取」る情報である「ディスクに関するデータ」について、具体的には、「タイトル名、収録曲名など」としており、また、「データベース10には、市場に流通しているディスクに関するデータが蓄積されており、ディスクのIDコードなどによってデータを引き出すことができる。」(【0013】)とあって、「ディスクに関するデータ」は「市場に流通しているディスクに関するデータ」であるとしていることから、刊行物1記載の「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから」「受け取」る情報である「ディスクに関するデータ」が、「タイトル名、収録曲名」に限られるものではないことが理解される。
また、刊行物1では、「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから」「受け取」る情報である「ディスクに関するデータ」を表示するのは、ディスクの内容を表示して使用者が再生対象を選択しやすくするためのものであるところ、音楽の選択に関して、タイトルや曲名だけでなく、アーチストやクラシックやジャズ等のジャンルなども選択のための観点とすることは、一般に行われており、周知事項である。
そうすると、刊行物1の「ディスクに関するデータ」に「タイトル名、収録曲名」たげではなく、周知のアーチストやジャンルなどを採用することは、当業者が容易に想到できたことである。
そのような、アーチストやジャンルは、ディスクや曲を個別に特定するものではなく、種類を表すものということができ、分類情報ということができる。
したがって、刊行物1発明の「媒体を識別する情報に応じて、前記外部データベースから」「受け取」る情報である「ディスクに関するデータ」にアーチストやジャンルなども採用して、相違点2に係る本願発明の構成である「前記制御手段は、前記媒体を特徴付ける情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報と媒体分類情報を受け取り、」「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表示する」とすること、そして、同時に「媒体の識別および分類システム」とすることは、刊行物1発明および周知事項に基づいて当業者が容易に想到できたことである。

ウ(相違点3の検討)
情報を表示装置に表示する時、本件出願明細書記載のように、OSD信号を用いること、アイコンのような図形表示(グラフィカル表示)であるオブジェクトを用いることは、慣用技術であるから、刊行物1発明の表示において、そのような慣用技術を採用することは当業者が適宜なし得たことであって、相違点3に係る本願発明の構成である「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」とすることは、刊行物1発明および慣用技術に基づいて当業者が容易に想到できたことである。

エ(総合)
上記検討のように、相違点1から3に係る本願発明の構成は、当業者が容易に想到できたものであるところ、これらを総合してもその効果は当業者が予想できたものであり、本願発明は刊行物1発明および周知事項、慣用技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

(5)査定の理由1(特許法第29条第2項)の検討まとめ
以上のとおりであるから、本件出願請求項1に係る発明(本願発明)は、刊行物1に記載された発明および周知事項、慣用技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

3.査定の理由2(特許法第29条の2)の検討
(1)先願
特願平08-535199号(以下、先願という)は、1996年7月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1995年7月26日、米国)を国際出願日とする国際特許出願(外国語特許出願)であり、1997年2月13日に国際公開(WO97/05616)され、平成10年1月26日に翻訳文(特表平11-514482参照)が提出されたものである。
先願の発明者はカール ジェー ヤンコウスキであって本件出願の発明者と同一ではなく、本件出願の出願の時に先願の出願人はソニー エレクトロニクス インクであって本件出願の出願人と同一の者ではない。

(2)先願発明
先願発明は、先願の国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面に記載されたところにある。
以下、先願の国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面の記載については、WO97/05616(以下、WOという)を用いて適記する。特表平11-514482公報(以下、先願公報という)を用いて、出願翻訳文の該当個所を併記する。

(3)対比
ア(媒体読取り部)
先願には、
「For example, in one aspect of the present invention, a system for playback of music compact discs includes a disc changer for receiving a compact disc and reading data from the disc to convert to signals representing music. An identifying portion of the disc is read in order to uniquely identify the disc.」(WO第2頁第35?38行、FIG2、3参照)(訳:例えば、本発明の1つの様相では、音楽コンパクト・ディスクの再生用のシステムは、コンパクト・ディスクを受け取り、ディスクから音楽を表わす信号に変換するべきデータを読むためにディスクチェンジャーを含んでいます。ディスクの識別する部分はユニークにディスクを識別するために読まれます。)
「例えば、本発明の一形態として、音楽用コンパクトディスクを再生する再生装置は、コンパクトディスクを受け取り、そのコンパクトディスクからデータを読み出して音楽の信号に変換するディスクチェンジャを備える。コンパクトディスクを独自に識別するために、コンパクトディスクの識別部分が読み込まれる。」(先願公報第13頁第21?25行、図2、3参照)
とあり、先願発明は、本願発明の「媒体情報を読取る媒体読取り部」に相当する構成を有する。

イ(物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報)
本件出願明細書には、本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」の例として、「媒体の種類、データの種類、データをセグメント化(区分)あるいはセパレート(分離)する方法、すべてのデータセグメントの大きさ、データの総量あるいはデータを担持する媒体の物理的な寸法」(【0006】)、「オーディオCDのトラック数および各トラックに対する演奏時間」(【0007】)、「フォーマット、総量、論理的セグメント化(もしあれば)、セグメントの量、例えばセグメント化の境界におけるデータのサンプル、および他の基準」(【0013】)、「トラック数(N)および各トラックの長さ(L)」(【0013】)、「各トラックの最初および最後の数バイト、ディスクの予め定められた部分のデータのサンプル、あるいはすべてのトラックの全長」(【0013】)、「トラック(歌)の数、各トラックの長さ(動作(ラン:run)時間)」(【0018】)、「各トラックの最初の数バイト、各トラックの最後の数バイト、媒体の予め定められた部分のデータのサンプル、あるいはすべてのトラックの全長」(【0018】)、「同じトラックについて数秒の違い」(【0033】)、「トラック長、トラック上に記憶された実際のデータ、データのチェックサム等」(【0033】)、「歌全体がディスクから削除される」(【0033】)、「各トラックの最初あるいは最後の数バイトあるいはディスクの予め定められた部分におけるデータのサンプル」(【0034】)、「トラック数のような特性」(【0035】)、「特定のトラックの長さ」(【0035】)、「ディスクのプレス工程間の僅かな変化(例えば、トラック長)」(【0035】)、「カラーサンプリング、Hi-Fi(ハイファイ)オーディオエンコードあるいはサラウンド音声サンプル、カテゴリ/サブカテゴリ、プログラム記述、等のようなビデオ固有の情報あるいはレーザーディスク固有の情報」(【0041】)が挙げられており、「これらの特性は、例えばディスクを読出すことによって周知の態様で決定される。」(【0018】)と説明されている。
本願発明で「特徴(付ける)」とされ、【0018】で「特性」と説明されているこれらの情報は、その「特徴」「特性」によってその情報を読み取られた媒体を識別していると解することができる。
先願には、
「Even so, it is clear that each disc has an adequate amount of unique information that one can readily understand that each compact disc has its own unique “fingerprint” which can be used to uniquely identify the disc from all other discs. By way of example, and not to be limiting, an extremely large number of discs could be uniquely identified by examining the number of movements, the play time of each movement (or, e.g. the play time of the first five movements) and the total play time of the CD.」(WO第5頁第27?31行)(訳:それでも、それぞれのディスクが適当量のユニークな情報を持っていることは明らかであり、他のすべてのディスクからディスクをユニークに識別するために使用することができる、それ自身のユニークな「指紋」をそれぞれのコンパクト・ディスクが持っていると容易に理解することができます。限定されないが、例として、楽章の数、各楽章(あるいは、例えば最初の5つの楽章のプレー時間など)のプレー時間およびCDの合計のプレー時間の検査により、非常に多くのディスクをユニークに識別することができるかもしれません。)
「In addition to the above example of using TOC data for the identifying information, a sample of the actual disc data representing a musical selection or movement can also be used to uniquely identify each disc. Due to the wide dynamic range of music characterized on each disc, several data samples taken at consistent locations on a disc can also be statistically likely to uniquely identify the disc, either alone or in combination with a portion of the TOC data. Thus, by selecting a large enough sampling of data to characterize each disc, it is possible to uniquely identify each disc which has been manufactured and which is likely to be manufactured in the future.」(WO第5頁第37行?第6頁第3行)(訳:識別する情報にTOCデータを使用する上記の例に加えて、曲又は楽章を表わす実際のディスク・データのサンプルも、各ディスクをユニークに識別するために使用することができます。各ディスク上で特徴づけられた音楽の広いダイナミック・レンジにより、ディスク上の一貫した位置で取得されるいくつかのデータ・サンプルは、単独であるいはTOCデータの部分と組み合わせて、統計的にディスクをユニークに識別することができる。したがって、各ディスクを特徴づけるために十分に大きなデータのサンプリングを選択することによって、製造されている各ディスク、今後製造される各ディスクをユニークに識別することは可能です。)
「たとえそうであっても、各ディスクは、十分な量の独自の情報を有することは明らかであり、1つのディスクを他の全てのディスクから独自に識別するために利用できるそれ自身の独自の「指紋」を、各ディスクが有することは簡単に理解できる。これには限定されないが、一例として、ディスクの大多数は、楽章の数、各楽章の再生時間(又は、例えば最初のから5楽章の再生時間等)、CDの総再生時間を調べることによって、独自に識別することができる。
TOCデータを識別情報として用いる上述の具体例に加えて、音楽の選択肢又は楽章を表す実際のディスクデータも、各ディスクを独自に識別するために用いることができる。各ディスクは、音楽の特性上、広いダイナミックレンジを有するので、ディスク上の一定位置の幾つかのデータサンプルも、ディスクを独自に識別するために、単独で又はTOCデータの一部と組み合わせて、統計的に用いることができる。したがって、各ディスクを特徴付けるのに十分な大きさのデータのサンプルを選択することによって、既に製造された各ディスク及び将来に製造されるであろう各ディスクを独自に識別することは可能である。」(先願公報第18頁第15行?第19頁第2行)
とあって、
先願では、ディスクを識別するために「指紋」を用い、「指紋」の具体例として「楽章の数」「各楽章の再生時間」「CDの総再生時間」「実際のディスクデータ」「ディスク上の一定位置の幾つかのデータサンプル」を挙げている。これらの具体例は、本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」の例である「トラック数」「トラックに対する演奏時間」「すべてのトラックの全長」「トラック上に記憶された実際のデータ」「ディスクの予め定められた部分におけるデータのサンプル」に対応するものであって、先願の「指紋」は本願発明同様に「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」ということができる。
そうすると、先願発明は、本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」に相当する構成を有する。

ウ(制御手段)(その1)
先願には、
「Referring now to FIGURE 2, a first embodiment of a system according to the present invention is shown in block diagram form. In this embodiment, a CD changer 20 is coupled in a conventional manner to a stereo amplifier (or receiver) 24 which provides power amplification suitable to drive a pair (or more) of stereo speakers 26 and 28 or headphones (not shown). According to the Present embodiment, the CD changer 20 includes an interconnection to an external computer 32 such as a personal computer or a dedicated computer designated to carry out the functions of the Present invention. Computer 32 includes input devices such as a keyboard, mouse or other input device and a screen. Computer 32 may be coupled to the CD changer 20 via any suitable standard or proprietary interface including SCSI or RS-232, or via a local area network interconnection as desired. Computer 32 includes a disc drive 36 including any suitable database management software (for example, a SQL compliant database such as those commercially available from various manufacturers).
Computer 32 also includes a modem 40 (either intemal or extemal) which is connected to a telephone network 44. While the present invention contemplates a conventional data modem connection using conventional telephone service, those skilled in the art will appreciate that a number of alternatives are possible such as ISDN networks and associated terminal adapters.
In operation, the present invention utilizes the modem 40 to dial up a database 50 which may be maintained by an online service provider or made available on the Intemet, for example. Database 50 is preferably industry maintained to assure the maximum level of completeness, but could also be maintained by the user community, the CD changer manufacturer, commercial ventures or other sources.」(WO第6頁第8?25行)(訳:ここで、図2を参照して、本発明によるシステムの最初の実施例を、ブロック図で示す。この実施例では、CDチェンジャー20は、1ペアの(あるいはより多くの)ステレオ・スピーカー26および28、ヘッドホーン(図示されない)を駆動するのに適切な電力増幅を行うステレオ・アンプ(あるいはレシーバー)24に従来のやり方でつながれます。この実施例によれば、CDチェンジャー20は、本発明の機能を実行するように選定されたパソコンあるいは専用コンピューターのような外部コンピューター32への相互接続を含んでいます。コンピューター32は、キーボードのような入力装置、マウスあるいは他の入力装置及び表示画面を含んでいます、。コンピューター32は、SCSIあるいはRS-232を含む任意の適切な標準あるいは専用のインターフェースによって、あるいは、望まれるローカル・エリア・ネットワーク相互接続によって、CDチェンジャー20につながれてもよい。コンピューター32は、なにか適切なデータベース管理ソフトウェア(例えば、様々なメーカーから市販されるSQL準拠のデータベース)も含むディスクドライブ36を含んでいます。
コンピューター32は、さらに、電話回線網44に接続されるモデム40(内蔵又は外付けかのいずれか)を含んでいます。本発明は従来の電話サービスを利用した従来のデータ・モデム接続を考慮していますが、当業者はISDNネットワークおよび関連するターミナルアダプターのような多くの代案が可能であることを認識するでしょう。
オペレーションでは、本発明は、例えば、オンライン・サービス・プロバイダーによって維持される、または、インターネットで利用可能なデータベース50をダイヤルアップするためにモデム40を利用します。データベース50は、完全さを最大レベルで保証するように維持されるために業界で維持されるのがよいが、ユーザ・コミュニティー、CDチェンジャーメーカー、商業的企業あるいは他の出所によって維持することもできる。)
「ここで、図2は、本発明を適用した装置の第1の実施例の構成を示すブロック図である。この実施例において、CDチェンジャ20は、従来の方法によってステレオ増幅器24に接続されており、ステレオ増幅器24は、適切な電力増幅を行って、一対又は多くのステレオスピーカ26,28又はヘッドホン(図示せず)を駆動する。この実施例では、CDチェンジャ20は、例えばパーソナルコンピュータ又は専用のコンピュータ等の本発明の機能を実行する外部に設けられたコンピュータ32に相互に接続されている。コンピュータ32は、キーボード、マウス又は他の入力装置等の入力装置及び表示画面を備える。コンピュータ32は、SCSI又はRS-232を含む標準又は専用の適切なインターフェースを介して、又は望ましいローカルエリアネットワークの相互接続を介してCDチェンジャ20に接続するようにしてもよい。コンピュータ32は、適切なデータベース管理ソフトウェア(例えば、多くの製造業者から商業的に入手可能なSQLに合致したデータベース)を含んだディスク駆動装置36を備える。
また、コンピュータ32は、電話回線44に接続された(内部の又は外部の何れか一方の)変復調器40を備える。本発明では、従来の電話サービスを用いた従来のデータ変復調器接続を考慮しているが、当業者にとって、ISDNネットワーク及びそのターミナルアダプタ等の幾つかの他の装置を用いることができることは、明らかである。
動作において、本発明では、変復調器40は、例えばオンラインサービスプロバイダによって維持されている、又はインターネット上に作られたデータベース50にダイヤルアップするために、用いられる。データベース50は、例えば完璧さを最大レベルで保証するように業界で維持され、又は利用者共同体、CDチェンジャの製造メーカ、コマーシャルベンチャ、供給元によっても維持され得る。」(先願公報第19頁第7行?第20頁第2行)

「Referring now to FIGURE 3, a more detailed diagram of the CD changer 20 of FIGURE 2 is illustrated. The interconnection with computer 32 is provided via a conventional computer interface 64. Interface 64 is coupled to a microprocessor based controller 68 to provide communication between the computer 32 and the controller 68.」(WO第7頁第15?17行)(訳:ここで、図3に、図2のCDチェンジャー20の中のもっと詳細な図を示す。コンピューター32は従来のコンピュータ・インタフェース64経由で相互接続されます。コンピューター32とコントローラー68の間の通信のために、インターフェース64はマイクロプロセッサーベースのコントローラー68に接続されます。)
「図3は、図2に示すCDチェンジャ20のより詳細な構成を示すブロック図である。コンピュータ32は、従来のコンピュータインターフェースを介して接続されている。インターフェース64は、マイクロプロセェッサに基づくコントローラ68に接続され、これによって、コンピュータ32とコントローラ68間の通信が行われる。」(先願公報第21頁第5?9行)

「Controller 68 is used to control the normal functions of the compact disc changer 20 in a conventional manner and in addition provides the function of (1) receiving memory updates from the computer interface 64, (2) updating memory 72, and (3) sending requests, via interface 64 for information updates for memory 72.」(WO第7頁第27?29行)(訳:コントローラー68は従来のやり方でCDチェンジャー20の通常機能をコントロールするために使用され、メモリ72の情報を更新するために、インターフェース64を介して、(1)コンピュータ・インタフェース64からメモリ更新版を受け取ること、(2)メモリ72を更新する、および(3)リクエストを送る、機能をさらに提供します。)
「コントローラ68は、従来の方法によって、CDチェンジャ20の通常機能を制御するために、さらに、(1)メモリ72を更新するための情報をコンピュータインターフェース64から受け取り、(2)メモリ72を更新し、(3)要求をコンピュータインターフェース64を介して送信するという機能を実行するために用いられる。」(先願公報第21頁第23?27行)

「one method of operation according to the present invention is illustrated in the flow chart of FIGURE 4 (which is broken down into FIGURES 4A and 4B). The process starts at step 100. When the user selects or loads a disc at step 104, the controller 68 directs the changer mechanism 74 to read the portion of the disc which contains the identifying information or “fingerprint” of the selected disc at step 106.」(WO第7頁第30?33行)(訳:本発明による動作の1つの方法を、図4(それは図4Aおよび4Bに分割される)のフローチャートに示します。そのプロセスはステップ100からスタートします。ユーザがステップ104でディスクを選択するか装填する場合、ステップ106で、コントローラー68は選択されたディスクの識別情報あるいは「指紋」を含んでいるディスクの部分を読むようにチェンジャーメカニズム74に命令します。)
「本発明に従った一具体的な動作の方法を、図4(図4Aと図4Bに分割されている)のフローチャトに示す。処理はステップ100で開始する。ステップ104において、利用者がディスクを選択又は装填すると、ステップ106において、コントローラ68は、選択されたディスクの識別情報、すなわち「指紋」を含むディスクの一部を読み出すようにCDチェンジャ機構74を指示する。」(先願公報第21頁第28行?第22頁第5行)

「If the user decides to attempt to retrieve data, the disc's “fingerprint” is sent to the computer 32 via the computer interface 64 at step 124.」(WO第8頁第8?9行)(訳:ユーザがデータを検索することを試みることを決定すれば、ステップ124でディスクの「指紋」がコンピュータ・インタフェース64経由でコンピューター32へ送られます。)
「利用者が、データ検索を試みることを決めたとき、ステップ124において、そのディスクの「指紋」がコンピュータインターフェース64を介してコンピュータ32に送られる。」(先願公報第22頁第22?24行)

「If the user elects to make further attempts to download the data, the computer 32 initiates a call to the remote database 50 via modem 40 and telephone line 44 to attempt to retrieve the data. Once the database is accessed, computer 32 initiates a query of the remote database to locate the “fingerprint” for the disc in question at step 150.」(WO第8頁第19?22行)(訳:ユーザがデータをダウンロードする更なる試みを行うことに決定すれば、コンピューター32は、データを検索することを試みるために、モデム40および電話回線44を介して、遠隔のデータベース50への呼び出しを始めます。一旦データベースがアクセスされれば、ステップ150で、コンピューター32は、そのディスクのための「指紋」を突きとめるために遠隔のデータベースに質問を始めます。)
「利用者がデータのダウンロードの更なる試みを選択すると、コンピュータ32は、データ検索を行うために、変復調器40及び電話回線44を介したリモートデータベース50への呼出を起動する。一旦データベースがアクセスされると、ステップ150において、コンピュータ32は、当該ディスクの「指紋」を検出するために、リモートデータベースへの照会を起動する。」(先願公報第23頁第10?15行)

「Referring now to FIGURE 7, a second embodiment of the present invention is shown. In this embodiment, a compact disc changer 220 incorporates an internal modem 240 which operates under the control of controller 268 to access remote database 50 via telephone line 44. In this embodiment, a portion of the function of computer 32 is absorbed into the compact disc changer 220.」(WO第11頁第4?7行)(訳:今、図7に、本発明の第2の実施例を示す。この実施例では、CDチェンジャー220は、電話線44によって遠隔のデータベース50にアクセスするためにコントローラー268の管理の下で作動する内蔵モデム240を組込んでいます。この実施例では、コンピューター32の機能の一部はCDチェンジャー220へ吸収されます。)
「図7は、本発明に係る第2の実施例の構成を示すブロック図である。この実施例において、コンパクトディスクチェンジャ220は、変復調器240を内蔵しており、この変復調器220は、コントローラ268の制御の下に、電話回線44を介してリモートデータベース50をアクセスする。この実施例において、コンピュータ32の機能の一部は、コンパクトディスクチェンジャ220に吸収されている。」(先願公報第28頁下から10?下から5行)

「When the user selects or loads a disc at step 304, the controller 268 directs the changer mechanism 74 to read the portion of the disc which contains the identifying information or “fingerprint” of the selected disc at step 306.」(WO第11頁第17?19行)(訳:ユーザがステップ304でディスクを選択するか装填する場合、ステップ306で、コントローラー268は、選択されたディスクの識別情報あるいは「指紋」を含んでいるディスクの部分を読むように両替機メカニズム74に命令します。)
「ステップ304において、利用者がディスクを選択又は装填すると、ステップ306において、コントローラ268は、ステップ306において選択されたディスクの識別情報、すなわち「指紋」を含むディスクの一部を読み込むようにチェンジャ機構74を指示する。」(先願公報第29頁第11?13行)

「If the user wishes to download information from a database at step 320, control passes to step 344 where the controller 268 directly initiates a call to the remote database 50 via modem 240 and telephone line 44 to attempt to retrieve the data. Once the database is accessed, controller 268 initiates a query of the remote database to locate the “fingerprint”for the disc in question at step 350.」(WO第11頁第29?32行)(訳:ステップ320で、ユーザがデータベースから情報をダウンロードしたければ、制御はステップ344に進み、コントローラー268は、直接、データを検索することを試みるためにモデム240および電話線44を介して遠隔のデータベース50に質問を始めます。一旦データベースがアクセスされれば、ステップ350で、コントローラー268は、そのディスクのための「指紋」を突きとめるために遠隔のデータベースに質問を始めます。)
「ステップ320において、利用者がデータベースから情報をダウンロードすることを希望するときには、制御はステップ344に進み、コントローラ268は、データ検索を行うために、変復調器240及び電話回線44を介してリモートデータベースへの呼出を直接起動する。一旦データベースがアクセスされると、ステップ350において、コントローラ268は、当該ディスクの「指紋」を検出するために、リモートデータベースへの照会を起動する。」(先願公報第29頁第29行?第30頁第5行)
とある。

「ステップ104において、利用者がディスクを選択又は装填すると、ステップ106において、コントローラ68は、選択されたディスクの識別情報、すなわち「指紋」を含むディスクの一部を読み出すようにCDチェンジャ機構74を指示する。」「コントローラ268は、ステップ306において選択されたディスクの識別情報、すなわち「指紋」を含むディスクの一部を読み込むようにチェンジャ機構74を指示する。」であって、CDチェンジャ機構74の読み出した「指紋」は当然に受け取るものであり、また、「コンピュータ32は、データ検索を行うために、変復調器40及び電話回線44を介したリモートデータベース50への呼出を起動する。一旦データベースがアクセスされると、ステップ150において、コンピュータ32は、当該ディスクの「指紋」を検出するために、リモートデータベースへの照会を起動する。」「ステップ350において、コントローラ268は、当該ディスクの「指紋」を検出するために、リモートデータベースへの照会を起動する。」であって、(照会するのだから当然に)「指紋」を電話回線44などを介してリモートデータベース50に送るものであるから、先願には、CDチェンジャ機構74の読み出した「指紋」を受け取り、「指紋」を電話線44などを介して、リモートデータベース50に送る構成があるといえる。そして、コントローラ68、コンピュータ32、コントローラ268は制御手段といえる。そうすると、先願発明は、本願発明の「物理的または論理的に前記媒体を特徴付ける情報を受け取り、前記媒体を特徴付ける情報を通信リンクを介して外部データベースに伝送する制御手段」に相当する構成を有する。

エ(データベース)
先願には、
「Database 50 includes identifying information as described above for a large body of compact discs which is associated with tabulated data for each disc. An example of the type of data in such a database is illustrated in TABLE 1 below. The preferred method for accessing and utilizing this information will be described later.」(WO第6頁第25?28行)(訳:データベース50は、各ディスクの表にされたデータに関連付けて、多数のコンパクト・ディスクの上述される識別情報を含んでいます。そのようなデータベース中のデータのタイプの一例を、図1に示します。この情報にアクセスし、利用する好ましい方法は後で記述されるでしょう。)
「データベース50は、上述のように、各ディスクの表にされたデータに関係付けられた多数のコンパクトディスクの識別情報を含んでいる。このようなデータベース内におけるデータの一例を、下記表1に示す。この情報にアクセスし、使用する好ましい方法については、後述する。」(先願公報第20頁第3?6行)

「As illustrated in TABLE 1, the machine readable data available on the actual CD can be supplemented substantially by the addition of titles of each movement, CD title, Artist, etc. Those skilled in the art will also understand that the database can also include even more detailed information such as composer, producer, record label, as well as any other information which might be of value to the user. While TABLE 1 illustrates the data in a form which might be interpreted as a flat field database, those skilled in the art will understand that the data may be more readily stored in the form of a relational database. TABLE 1, is thus intended to be an illustrative example of the database and should not be considered limiting since those skilled in the art will understand that the database may be designed in numerous ways and may contain any relevant data of the designer's choosing.」(WO第7頁第7?14行)(訳:表1に示すように、実際のCDで利用可能な機械可読のデータは、各楽章、CDタイトル、アーティストなどを追加することで十分に補うことができます。当業者は、ユーザに価値があるであろう他の情報と同様に作曲家、プロデューサー、レコードレーベルのようなより多くの詳細情報をデータベースがさらに含むことができるとさらに理解するでしょう。表1は、平面フィールド・データベースとして解釈されるかもしれない形式でデータを示していますが、当業者はデータがより容易にリレーショナル・データベースの形でより容易に格納されるかもしれないと理解するでしょう。したがって、表1はデータベースの一例として意図され、これに限られるものではなく、データベースが多数の方法で設計されるかもしれないし、設計者が選択した適切なデータも含んでいるかもしれない、と当業者が理解するでしょう。)
「表1に示すように、装置が実際のCD上で利用できる読出可能なデータは、各楽章のタイトル、CDタイトル、アーティスト等を追加することによって、大幅に補足することができる。当業者は、また、データベースに作曲家、プロデューサ、レコードレーベル等のより詳細な情報や、利用者に有益であろう他の情報をもデータベースが含むことができることを理解するであろう。表1は、フラットフィールドデータベースとして解釈される形式のデータを示しているが、当業者は、データをリレーショナルデータベース形式でより容易に記憶することができることを理解するであろう。したがって、表1は、説明のためのデータベースの一例を示すものであり、データベースは、これに限定されず、当業者は、多くの方法によって、設計者が選択した適切な何れのデータを含むようにデータベースを設計することができることを理解するであろう。」(先願公報第20頁下から7行?第21頁第4行)
とあり、
WO第6?7頁には「TABLE 1」(訳:表1)があって、その中に、
「Fingerprint」「CD-Title」「Artist」「MOVement # 1 Title」「Movement # 1 time (Min, Sec, Frame)」
「???」「The New York Album」「Yo-Yo Ma」「Concerto for Cello and orchestra: 1. Audacemente ma sostenuto」「06:38:42」
「Movement # 99 Title」「Movement # 99 time (Min, Sec, Frame)」「Total play time (Min, Sec, Frarne)」「Total # of Movements」
「null」「00:00:00」「78:04:22」「8」
(訳:
「指紋」「CDタイトル」「アーティスト」「楽章#1 タイトル」「楽章#1 時間 (分、秒、フレーム)」
「???」「ザ ニューヨーク アルバム」「ヨーヨー マ」「チェロとオーケストラのための協奏曲 1 オーダスメンテ マ ソステヌート」「06:38:42」
「楽章#99 タイトル」「楽章#99時間 (分、秒、フレーム)」「総再生時間 (分、秒、フレーム)」「楽章のトータル#」
「空白」「00:00:00」「78:04:22」「8」)
と記載されている。
先願公報第20頁には「表1」があって、その中に、
「指紋」「CDタイトル」「アーティスト」「楽章#1」「楽章#1」
「?」「ニューヨーク アルバム」「ヨーヨー・マ」「チェロとオーケストラのための協奏曲 1 オーダスメンテ・マ・ソステヌート」「06:38:42」
「楽章#99 タイトル」「楽章#99時間 (分、秒、フレーム)」「総再生時間 (分、秒、フレーム)」「楽章のトータル#」
「空白」「00:00:00」「78:04:22」「8」
と記載されている。
これらから、先願のデータベース50は、具体的には「指紋」「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等を有しており、「作曲家、プロデューサ、レコードレーベル等のより詳細な情報や、利用者に有益であろう他の情報をもデータベースが含むことができる」ものである。

本願発明で特定する「媒体に関連する内容記述情報」は、本件出願明細書に「ユーザが例えばオーディオCDやレーザーディスクからの内容に関する記述情報を含ませたい場合は、ユーザはデータを手動で入力することになる。例えば、オーディオCDのトラック数および各トラックの長さを識別して、この情報をハードディスクに記憶させるコンピュータのCD-ROM読取り装置(CD-ROMリーダ)を利用したコンピュータ・プログラムは周知である。不都合なことに、ユーザはオーディオCDのタイトルおよび曲名を手動でタイプして入力しなければならない。その後タイトルおよび曲名が記憶される。」(【0003】)、「従って、ユーザの介入を必要とすることなく媒体の内容に関する記述情報を得ることができれば望ましいことが判った。また、簡単にオンスクリーン(on-screen)表示できる形式で上記のような内容記述データを提供できることが望ましい。」(【0004】)とあるところの、ユーザが含ませたい「内容に関する記述情報」(【0003】)、得ることができれば望ましい「媒体の内容に関する記述情報」(【0004】)に対応する情報であって、オーディオCDのタイトルおよび曲名を含むものである。

先願の「CDタイトル」は本件出願明細書記載の「オーディオCDのタイトル」に、先願の「楽章(のタイトル)」は本件出願明細書記載の「曲名」に相当するから、先願のデータベース50が有する「指紋」以外の「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等は、本願発明の外部データベースが含む「媒体に関連する内容記述情報」に相当する。
そして、先願の「指紋」は、本願発明の「物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報」に相当する。
そうすると、先願発明は、本願発明の「前記外部データベースは、前記物理的または論理的に媒体を特徴付ける情報および前記媒体に関連する内容記述情報を含み」に相当する構成を有する。

オ(制御手段)(その2)
本件出願明細書および図面には、制御部125が通信リンク145を介して外部データベース155から媒体に関する情報を受け取ることに関して、または、通信リンク(145)を介して受け取る媒体に関する情報として、次の記載がある。
(明細書の記載)
「生の(raw)プロファイルデータ」(【0022】)
「プログラムに関連する記述情報」(【0023】)
「記述情報」(【0024】【0029】【0030】)
「図3のフローチャートは、ジュークボックス100の制御部125で使用するのに適した非識別(unidentified)CDに関連する記述情報を得るのに適した方法300を示す。この方法はアップロードされたプロファイルのデータを処理するために遠隔データベースのプロバイダによっても利用される。」(【0025】)
「プロファイルに一致するオーディオCDに関連する記述情報」(【0025】)
「もしプロファイルが変更されなければ、媒体がアクセスされ(ステップ390)、何らかの付加特性が決定されてプロファイルのデータベースに組み込まれる。」(【0027】)
「図4は図1のジュークボックス100で使用するのに適した“自動プログラミング”法のフローチャートを示す。非識別媒体に関連する記述情報を得るための上述の方法300は、図4の自動プログラミング法に組み込まれている。」(【0029】)
「ユーザには例えば分類リスト(例えば、アーチストあるいはトラックのアルファベット順のリスト)あるいはグループ分けされたリスト(例えば、クラシック、ラップ(rap)ミュージック、ジャズ、ロック(軽快)、ロック(その他)等の音楽の形式、カテゴリ)が提供される。」(【0032】)
「CDについてダウンロードされた情報には、別の操作方法(例えば、あるクラシック音楽を演奏せよ)として使用することができる、あるいは“ランダム演奏”の特徴を補足するために使用することができるカテゴリ情報(例えば、クラシック、ラップミュージック、ジャズ、ロック(軽快))を含ませることもできる。」(【0032】)
「適切な記述情報」(【0036】)
(以上、明細書の記載)
これらの内、「プログラムに関連する記述情報」(【0023】)、「プロファイルに一致するオーディオCDに関連する記述情報」(【0025】)は、上記エ(データベース)で述べたように、ユーザが含ませたい「内容に関する記述情報」(【0003】)、得ることができれば望ましい「媒体の内容に関する記述情報」(【0004】)に対応する情報であって、オーディオCDのタイトルおよび曲名を含む情報であり、タイトル、曲名等によって媒体を識別できるから、本願発明で「媒体識別情報」というものであると解することができる。また、「カテゴリ情報」(【0032】)は、「グループ分け」(【0032】)されるから、本願発明で「媒体分類情報」というものであると解することができる。

先願には、
「If the “fingerprint”is found in the remote database at step 158, the computer 32 downloads the data to the local database stored at 36 at step 166. Computer 32 then proceeds to download the appropriate data to the changer's memory 72 at step 170. Once the data is stored in the database at 36, the user can utilize the search power of the database management software to find selections; categorize discs by music type, artist, etc.; and perform other known database management activities. 」(WO第8頁第24?30行)(訳:ステップ158においてリモートデータベース内で「指紋」が見つかる場合、ステップ166においてコンピューター32は36に格納されたローカル・データベースにデータをダウンロードします。その後、ステップ170においてコンピューター32はチェンジャーのメモリ72に適切なデータをダウンロードし始めます。一旦データが36のデータベースに格納されれば、ユーザは、選択肢、すなわち、音楽タイプ、アーティストなどによりディスクを分類する、を見つけるためにデータベース管理ソフトウェアの探索能力を利用することができます。そして、他の既知のデータベース管理活機能を用いることができます。)
「ステップ158においてリモートデータベース内で「指紋」が検出されたときは、ステップ166において、コンピュータ32は、データを、ディスク駆動装置36内のローカルデータベースにダウンロードする。次に、ステップ170において、コンピュータ32は、適切なデータをCDチェンジャのメモリにダウンロードする。一旦、データがディスク駆動装置36内のデータベースに記憶されると、利用者は、選択肢、すなわち音楽の種類、アーティストなどによって分類されたディスクの検索及び他のデータベース管理機能を有するデータベース管理ソフトウェアの検出能力を使うことができる。」(先願公報第23頁第22行?第24頁第1行)

「If the “fingerprint”is found in the remote database at step 358, the controller 268 downloads the data to the changer's memory 72 at step 370.」(WO第11頁第36?37行)(訳:ステップ358で「指紋」がリモートデータベースで見つかる場合、ステップ370でコントローラー268はチェンジャーのメモリ72にデータをダウンロードします。)
「リモートデータベース内で「指紋」が検出されたときは、ステップ370において、コントローラ268は、データをチェンジャメモリ72にダウンロードする。」(先願公報第30頁第11?13行)
とあって、「指紋」をキーとしてリモートデータベース(データベース50)を照会してデータをダウンロードしている。ダウンロードされるデータは、「指紋」に対応してデータベースにあるデータであって、具体的には「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等である。その内、「CDタイトル」は、それによってCDを識別でき、本願発明の具体例である「オーディオCDのタイトル」に相当するから、本願発明の「媒体識別情報」に相当する。
また、「アーティスト」は、上記記載において、ディスクを分類するものとして説明されている(categorize discs by music type, artist, etc、音楽の種類、アーティストなどによって分類されたディスク)ことから、本願発明の具体例の「カテゴリ情報」に相当し、本願発明の「媒体分類情報」に相当する。
そうすると、先願発明は、本願発明の「前記制御手段は、前記媒体を特徴付ける情報に応じて、前記外部データベースから媒体識別情報と媒体分類情報を受け取り」に相当する構成を有する。

カ(表示)
本願発明では、「前記制御手段は、」「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」としている。
本件出願明細書で文字数字および/または図形情報の表示に関して、具体的には、「テキスト」「アイコンのような図形表示(グラフィカル表示)」として、
「【0042】
局部データベース235は、オンスクリーン・プログラムセレクタのデータベースとして使用できることに注目することが重要である。この場合、局部データベース235は、選択用情報のオンスクリーン表示用の生のデータ源として制御部225で使用される。制御部225は生のデータを処理して所望のOSD信号を形成し、次いでこのOSD信号は転送ユニット120に送られて表示すしようとするデータストリーム中に挿入される。
【0043】
生のデータをテキストとして単純に表示させることは確かに可能であるが、グラフィックス指向の技法によればデータをより楽しく可視表示させることができる。従って、制御部225はオブジェクト(object)を構成し、これらのオブジェクトを生のデータに接続する。オブジェクトは単に情報の表示であり、おそらくはアップル社のマッキントッシュ(Apple(登録商標)Macintosh(登録商標)あるいはマイクロソフト社のウインドウズ(Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)で使用されている馴染みのあるアイコンのような図形表示(グラフィカル表示)である。この場合、表示される情報は将来放送されるテレビジョン番組であるか、あるいは局部媒体のプレーヤを介してアクセスされる局部媒体(例えば、オーディオCD、レーザーディスク、DAT等)に記憶されたビデオあるいはオーディオプログラムである。制御部225はオブジェクトを表示させるために転送ユニット120に送る。視聴者は、例えば遠隔制御装置のカーソルキーを使用してオンスクリーン表示内で各オブジェクトを操作することにより、オンスクリーン表示から直ぐに見るための番組、あるいは後刻見るための番組、あるいは記録するための番組を選択する。」
と記載されていることから、本願発明の「文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」は、文字数字および/または図形情報のOSD信号、オブジェクトを形成して文字数字および/または図形の表示を行うことをいうものである。そして、表示される文字数字および/または図形は、「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す」のであって、この表示により、視聴者が媒体を識別できるものであるから、本願発明の「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」は、「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報」を「表す文字数字および/または図形」で「表示装置」で表示することと解することができる。

先願では、上記オ(制御手段)(その2)で述べたように、本願発明の「媒体識別情報」「媒体分類情報」に相当する「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等をダウンロードしているところ、これらは使用者がCDの選択などをするために当然に表示装置で表示される。
そして、
「The control interface can be implemented as a character or graphical user interface as desired. In one embodiment, the interface can be designed in a manner similar to that of the Music Box window available in the Microsoft WindowsTM operating system and may include all conventional instructions which could be issued via a remote control (including stop, play, pause, skip back, skip forward, play modes such as shuffle and repeat, volume, sound fields, etc.). In addition, the interface can include character and graphic displays of such attributes as CD and track play time, CD and track time remaining, track number, track title, CD title, artist and any other desired information from the database.」(WO第9頁第21?27行)(訳:コントロール・インターフェースは、所望のキャラクター又はグラフィカルユーザインターフェースとして実行することができます。1つの実施例では、インターフェースはマイクロソフトWindowsTMオペレーティング・システムにおいて利用可能なミュージックボックスウィンドウと同様に設計することができ、リモート・コントロール(停止、演奏、休止、後ろにスキップ、前にスキップ、シャッフルやリピートのようなモード演奏、ボリューム、音場などを含む)によって送出できる従来の指示をすべて含むことが出来る。さらに、インターフェースは、CDおよびトラック再生時間、CDおよびトラックの残りの時間、トラック番号、トラック・タイトル、CDタイトル、アーティストおよびデータベースからの他の希望の情報のような属性のキャラクターおよびグラフィック表示を含むことができます。)
「制御インターフェースは、所望のキャラクタ又はグラフィックインターフェースとして実行することができる。一実施例において、インターフェースは、マイクロソフトウィンドウズTMオペレーティングシステムにおいる利用可能なミュージックボックスウィンドウと同様に設計することができ、また、リモートコマンダを介して送出される従来のインストラクション(停止、再生、ポーズ、スキップバック、スキップフォワード、シャフルや繰り返しのような再生モード、音量、音場等を含む)を加えることができる。さらに、インターフェースは、CD及びトラックの再生時間、CD及びトラックの残り時間、データベースからのトラック番号、トラックタイトル、CDタイトル、アーティスト及び他の所望の情報等の属性のようなキャラクタ及びグラフィック表示を含めることができる。」(先願公報第25頁第17?27行)
とあって、ダウンロードされた「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等の表示は、「キャラクタ及びグラフィック表示を含めることができる。」ことから、「キャラクタ及びグラフィック」で表示がなされるものである。当然に、そのキャラクタ及びグラフィックは「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等を表すものである。
そうすると、先願では、「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等を表す「キャラクタ及びグラフィック」を表示装置で表示がなされるものであり、「楽章(のタイトル)」「CDタイトル」「アーティスト」等は本願発明の「媒体識別情報」「媒体分類情報」に相当し、「キャラクタ及びグラフィック」は本願発明の「文字数字および/または図形」に相当するから、先願発明は、本願発明の「前記媒体識別情報および前記媒体分類情報を表す文字数字および/または図形情報信号を表示装置に結合する」に相当する構成を有する。

(4)検討
上記対比によると、先願発明は、本願発明の特定事項の全てに対して相当する構成を有しており、本願発明は先願発明と同一である。

(5)査定の理由2(特許法第29条の2)の検討まとめ
以上のとおりであるから、本件出願請求項1に係る発明(本願発明)は、先願の国際出願日における明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、特許法第184条の13の規定により読み替えて適用される特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

4.査定の検討まとめ
以上のとおりであるから、本件出願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、また、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。
それ故、本件出願の他の請求項である請求項2から請求項6について検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-02-12 
結審通知日 2008-02-19 
審決日 2008-03-05 
出願番号 特願2001-48487(P2001-48487)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11B)
P 1 8・ 161- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 達也  
特許庁審判長 奥村 元宏
特許庁審判官 乾 雅浩
新宮 佳典
発明の名称 媒体の識別および分類システム  
代理人 青山 耕三  
代理人 木越 力  

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