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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 H01J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01J
管理番号 1181952
審判番号 不服2007-15315  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-05-31 
確定日 2008-07-31 
事件の表示 特願2002-108312「自動焦点システムを備えた走査型荷電粒子顕微鏡とその使用方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年10月24日出願公開、特開2003-303564〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成14年4月10日の出願であって、平成19年4月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成19年5月31日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年6月29日付けで手続補正がなされたものである。

2 平成19年6月29日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成19年6月29日付け手続補正を却下する。
[理由1]目的要件違反
平成19年6月29日付け手続補正(以下「本件補正」という。)により、補正前の特許請求の範囲の請求項1が、
「【請求項1】 走査線毎に焦点位置と走査位置を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段とを含む自動焦点システムを備えたものであって、前記走査線が半導体ウエハ上のチップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線であることを特徴とする走査型荷電粒子顕微鏡。」から、
「【請求項1】 走査線毎に焦点位置と走査幅を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段と走査線の方向を特定する手段とを含む自動焦点システムを備えたものであって、前記走査線が半導体ウエハ上のチップ領域内であって、チップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線であることを特徴とする半導体ウエハ検査用の走査型荷電粒子顕微鏡。」に補正された。

そして、この補正により、
a 補正前の「走査位置を変化させる手段」という事項が、「走査幅を変化させる手段」と補正された(以下「補正a」という)。
b 補正前の自動焦点システムが、「走査線毎に焦点位置と走査位置を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段とを含む」ものから、「走査線毎に焦点位置と走査幅を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段と走査線の方向を特定する手段とを含む」ものに補正された(以下「補正b」という)。
c 補正前の「半導体ウエハ上の」という事項が、「半導体ウエハ上のチップ領域内であって」と限定された(以下「補正c」という)。
d 補正前の請求項1に係る発明の対象を特定する「走査型荷電粒子顕微鏡」が、「半導体ウエハ検査用の走査型荷電粒子顕微鏡」と限定された(以下「補正d」という)。

先ず、補正aについて検討する。
(a)補正後の「走査幅」は走査線の長さを意味し、補正前の「走査位置」は走査する領域における走査線の位置を意味するので、補正後の「走査幅」が補正前の「走査位置」を限定するものではないから、補正aは、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。
(b)補正前の「走査位置を変化させる手段」の意味が不明であるとも、また、「走査位置を変化させる手段」の意味が補正前の他の記載との関係において不明であるともいえず、さらに、補正前の請求項1に記載された「走査位置を変化させる手段」について、原審の審査官が記載不備の拒絶の理由を通知していないから、補正aは、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第4号に規定される明りようでない記載の釈明を目的とする補正に該当しない。
(c)補正aが、請求項の削除、誤記の訂正を目的とする補正に該当しないことは明らかである。
(d)したがって、補正aは、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定するいずれの事項を目的とする補正に該当しない。

次に、補正bについて検討する。
(a)補正bのうち、「走査位置」を「走査幅」とする補正は、補正aについて検討したとおり、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定するいずれの事項を目的とする補正に該当しない。
(b)次に、補正bのうち、「走査線の方向を特定する手段」という事項を追加する補正について検討すると、補正前には、上記事項に対応する事項が請求項1に記載されていないから、「走査線の方向を特定する手段」は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえない、即ち、補正bは、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定される特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当しない。
(c)また、補正bのうち、上記事項を追加する補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明りようでない記載の釈明を目的とする補正に該当しないことは明らかである。
(d)したがって、補正bは、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定するいずれの事項を目的とする補正に該当しない。

よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定に違反するので、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

[理由2]独立特許要件違反
上記補正c及び補正dは、補正前の請求項1に記載した事項を限定する補正であり、本件補正の請求項1についてした補正が、全体としてみて、仮に、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮であるとした場合、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するか)について検討する。

(1)本件補正後の本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、本件補正により補正された明細書及び図面からみて、請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める(「2[理由1]の項)。

(2)引用刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-110347号公報(以下「引用刊行物1」という。)には、「荷電粒子線装置における自動焦点合わせ方法」の発明に関して、以下の事項が記載されている。

<記載事項1>
「【請求項1】試料上の電子ビームのフォーカスの状態を段階的に変化させ、各段階において試料上の特定領域の電子ビーム走査に伴って得られた検出信号に基づいて最適なフォーカスの状態に電子ビームを設定するようにした荷電粒子装置における自動焦点合わせ方法において、前記試料上の特定領域で電子ビームの走査を複数の走査形状を用いて複数回行い、各走査形状ごとに電子ビームを走査して得られた検出信号に基づいて最適な走査形状を選択し、選択された走査形状を用いて自動焦点合わせを行うことを特徴とする自動焦点合わせ方法。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動的に荷電粒子線の焦点合わせを行うことができる走査電子顕微鏡などの荷電粒子線装置における自動焦点合わせ方法および装置に関する。」
<記載事項2>
「【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡では、自動的な焦点合わせ機能が備えられている。この焦点合わせは、対物レンズの励磁をステップ状に変化させ、各ステップ状ごとに試料の所定領域を電子ビームで走査し、その際、検出器によって2次電子や反射電子を検出し、各励磁状態ごとの検出信号から合焦の程度を表す情報(例えば、変化量の絶対値の積算値(以下、単に積算値と呼ぶ))を求めて比較し、積算値の最大値が得られたときの励磁状態を合焦点位置と判断し、その状態に対物レンズの励磁を設定するようにしている。
【0003】このような焦点合わせに対する要求として、従来の走査電子顕微鏡における自動焦点合わせの際の電子ビームの走査形状は、大きく分けて2つの方式が用いられている。第1方式は所定の四角形の試料領域をラスター走査する直線走査であり、(略)」
<記載事項3>
「【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、焦点合わせにおいて、試料の走査領域の全面においてほぼ均一に凹凸が存在していれば、どのような走査形状を用いても精度の高い焦点合わせを実行することができる。しかし、ICパターンの中には、走査領域の一部に直線状あるいは円形のパターンが存在し、他の大部分は滑らかな平面となっている場合やパターンに方向性がある場合などがあり、使用される走査形状によっては、パターンのエッジ部分と電子線の走査ラインと重なりが少なくなり、信号量積算値の変化が小さくなり、焦点合わせの精度が低下することがある。
【0005】例えば、ラスター走査法で、図5(A)に示すようなパターン形状の場合には、走査方向がパターンの方向と一致すると、パターンのエッジ部分と電子線の走査ラインと重なりが少なくなり、信号量積算値の変化が、各対物レンズの励磁の変化によって現れにくくなり、最適な合焦点が得られにくい。」
<記載事項4>
「【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の実施例として自動焦点機能を有した走査電子顕微鏡を示しており、電子銃1から発生された電子ビームEBは、集束レンズ2と対物レンズ3によって試料4上に細く照射される。5は2段の偏向コイル5a、5bであり、2段偏向コイル5a、5bの各々には水平、垂直方向の偏向コイルが含まれている。2段偏向コイル5a、5bには走査信号発生回路13から偏向コイル駆動回路12を介して水平、垂直走査信号が供給される。走査信号発生回路13は複数の走査形状を与える複数の走査信号波形を記憶するメモリを備えており、コンピュータの如き制御回路20によって制御される。」
<記載事項5>
「【0012】制御回路20内のメモリー21に一時記憶された信号は、データ積算ユニット22に送られて積算値が求められ、ある条件の積算値として信号強度分布メモリー23に記憶される。信号強度分布メモリー23には最大値検出ユニット24が接続され、最大値検出ユニット24は信号強度分布メモリー23に記憶された複数の積算値の最大値のデータを検出する。最大値検出ユニット24の出力信号はオートフォーカスユニット26に供給される。オートフォーカスユニット26はDA変換器15を介して対物レンズ駆動回路14に対物レンズ電流を指定する信号を供給すると共に、走査信号発生回路13を制御してオートフォーカス作業を実行する。このような構成の動作を次に説明する。」
<記載事項6>
「【0015】次に、図1?図4を用いてオートフォーカス動作について説明する。図2(A),(B),(C)は、試料形状の十字パターンに対して、走査形状として水平ラスター走査,垂直ラスター走査,円心円状の曲線走査を用いた場合の走査軌跡を示した図で、また、図2(a),(b),(c)は3つの走査形状より得られた検出信号を示した図である。これらの走査形状を与える走査信号波形は、予め走査信号発生回路13にオートフォーカス用として備えられている。他の走査形状として、斜め直線走査、8字、渦巻き等の複数の走査形状があり、それらの走査形状を任意に選択して用いることができる。また、これらの走査形状のいずれを用いても、試料上でのトータル走査距離および走査速度はほぼ同一になるように走査周期、走査期間などが適宜設定されている。(略)」
<記載事項7>
「【0023】次に、図4を用いて第2フォーカスの動作について説明する。対物レンズの励磁電流は、図4に示す、スタート値Isからストップ値It間でステップ状に変化される。このステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を曲線走査(図2C)にて1回ずつ走査が行われる。走査に基づいて得られた検出信号は前記と同様の処理を受け、走査ごとの信号の積算値として、図4(B)に示すような積算値が信号強度分布メモリー23に記憶される。制御回路20内の最大値検出ユニット24は、図4(B)の分布の最大値を検出し、その積算値の最大値のときの対物レンズ励磁電流値のデータをオートフォーカスユニット26に供給する。この結果、オートフォーカスユニット26は、DA変換器15と対物レンズ駆動回路14を介して対物レンズの励磁電流をその電流値に設定し2次オートフォーカス動作を終了する。
【0024】このように、1次と2次のオートフォーカスが実行された後、試料のパターン形状に最適な合焦点が得られて、2次電子像の観察ができる。」

上記記載事項から、引用刊行物1には、以下の事項が記載されているといえる。

(ア)対物レンズ駆動回路14に対物レンズ電流を指定する信号を供給すると共に、走査信号発生回路13を制御するオートフォーカスユニット26(記載事項5)
(イ)2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号が供給する走査信号発生回路13(記載事項4)
(ウ)記載事項7には、対物レンズの励磁電流のステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を曲線走査にて1回ずつ走査が行われる旨が記載されているが、曲線走査に加えて、他の走査形状として記載された「斜め直線走査」等(記載事項6)も対象となると読みとることができ、即ち、対物レンズの励磁電流のステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を斜め直線走査にて1回ずつ走査が行われることを読み取ることができる。
したがって、引用刊行物1には、対物レンズの励磁電流のステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を斜め直線走査にて1回ずつ走査するように、対物レンズ駆動回路14に対物レンズの励磁電流(対物レンズ電流)を指定する信号を供給すると共に、2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号を供給する走査信号発生回路13を制御するオートフォーカスユニット26が記載されている。


記載事項7の記載、及び図1に示された制御回路20が、メモリー21,・・・、オートフォーカスユニット26から構成されている点からみて、制御回路20は、記載事項2に記載された「各励磁状態ごとの検出信号から合焦の程度を表す情報(例えば、変化量の絶対値の積算値(以下、単に積算値と呼ぶ))を求めて比較し、積算値の最大値が得られたときの励磁状態を合焦点位置と判断」する手段であり、また、上記「積算値」は走査ごとの信号の積算値であることは明らかである。
したがって、引用刊行物1には、走査ごとに検出信号から合焦の程度を表す信号の積算値を求めて比較し、積算値の最大値が得られたときの励磁状態を合焦点位置と判断する制御回路20が記載されている。

ウ 2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号を供給する走査信号発生回路13(記載事項4)

エ 走査形状が斜め直線走査である(記載事項6)

オ ICパターンを検査する自動焦点機能を有した走査電子顕微鏡(記載事項1、4、10)

したがって、上記記載事項1ないし7及び図面に基づけば、引用刊行物1には、
「対物レンズの励磁電流のステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を斜め直線走査にて1回ずつ走査するように、対物レンズ駆動回路14に対物レンズの励磁電流(対物レンズ電流)を指定する信号を供給すると共に、2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号を供給する走査信号発生回路13を制御するオートフォーカスユニット26と、走査ごとに検出信号から合焦の程度を表す信号の積算値を求めて比較し、積算値の最大値が得られたときの励磁状態を合焦点位置と判断する制御回路20と、
2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号を供給する走査信号発生回路13とを備え、走査形状が斜め直線走査であるICパターンを検査する自動焦点機能を有した走査電子顕微鏡。」
の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されている。

(3)対比
本願補正発明と引用発明Aとを比較する。

引用発明Aの「対物レンズの励磁電流」は、電子ビームの焦点位置を決めるパラメータであることは明らかである。引用発明Aの「1回ずつ走査」、「オートフォーカスユニット26」は、本願補正発明の「走査線毎」、「手段」に相当する。
したがって、引用発明Aの「対物レンズの励磁電流のステップ状の変化の都度、偏向コイル5には試料4上の所定領域を斜め直線走査にて1回ずつ走査するように・・・走査信号発生回路13を制御するオートフォーカスユニット26」と本願補正発明の「走査線毎に焦点位置と走査幅を変化させる手段」とは、走査線毎に焦点位置を変化させる手段の点で一致する。

イ 引用発明Aの「走査ごとに検出信号から合焦の程度を表す信号の積算値」、「積算値の最大値が得られたときの励磁状態を合焦点位置と判断し」、「制御回路20」は、本願補正発明の「該走査線毎の画像の鮮明度」、「合焦位置を割り出す」、「制御手段」に相当する。
したがって、引用発明Aの「走査ごとの信号の積算値であり、合焦の程度を表す情報である、2次電子や反射電子の検出信号の積算値の分布の最大値を検出し、その積算値の最大値のときの対物レンズ励磁電流値のデータをオートフォーカスユニット26に供給し、最適なフォーカスの状態に電子ビームを設定する制御回路20」は、本願補正発明の「該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段」に相当する。

ウ 引用発明Aの「2段偏向コイル5a、5bに水平、垂直走査信号を供給する走査信号発生回路13」は、走査線の方向を特定する手段であることは明らかであるから、本願補正発明の「走査線の方向を特定する手段」に相当する。

エ 引用発明Aの走査電子顕微鏡において、オートフォーカスユニット26、制御回路20、走査信号発生回路13等の種々の構成要素が相互に作用して「自動焦点機能」を奏するから、引用発明Aは、本願補正発明でいう「自動焦点システム」を備えたものということができる。

オ 引用発明Aの「走査形状」は、走査線に関するものであり、引用発明Aの「斜め直線走査」は、本願補正発明の「斜め走査線」に相当する。
したがって、引用発明Aの「走査形状が斜め直線走査である」と本願補正発明の「前記走査線が半導体ウエハ上のチップ領域内であって、チップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線である」とは、前記走査線が斜め走査線である点で一致する。

カ 引用発明Aの対象である「ICパターンを検査する自動焦点機能を有した走査電子顕微鏡」と本願補正発明の対象である「半導体ウエハ検査用の走査型荷電粒子顕微鏡」とは、走査型荷電粒子顕微鏡の点で一致する。

したがって、引用発明Aと本願補正発明の両者は、
「走査線毎に焦点位置を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段と走査線の方向を特定する手段とを含む自動焦点システムを備えたものであって、前記走査線が斜め走査線である走査型荷電粒子顕微鏡。」の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
走査線毎に焦点位置を変化させる手段が、本願補正発明は、走査線毎に走査幅も変化させるのに対して、引用発明Aは、その点が限定されていない点。
[相違点2]
斜め走査線が、本願補正発明は、「半導体ウエハ上のチップ領域内であって、チップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った」ものであるのに対して、引用発明Aは、そのように限定されていない点。
[相違点3]
走査型荷電粒子顕微鏡が、本願補正発明は、「半導体ウエハ検査用」であるのに対して、引用発明Aは、ICパターンを検査するものである点。

(4)当審の判断
相違点3、2、1の順で検討する。

ア 相違点3について
引用発明Aは、ICパターンを電子顕微鏡で検査する発明であるが、この検査対象であるICパターンは、通常、半導体ウエハ上に配列された各チップに形成されているものである。
また、複数のチップが配列された半導体ウエハを走査型電子顕微鏡によってチップ単位毎に検査することは、従来周知の技術である〔(特開平10-173018号公報(段落【0016】)〕。
したがって、引用発明Aの走査電子顕微鏡を半導体ウエハ検査用と限定すること、即ち相違点3に係る本願補正発明の発明特定事項は、従来周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。

イ 相違点2について
「ア 相違点3について」の項で述べたように、複数のチップが配列された半導体ウエハをチップ単位毎に走査型電子顕微鏡によって検査することは、従来周知の技術である。
してみると、引用発明Aで用いられる「斜め走査線」を、本願補正発明のように「半導体ウエハ上のチップ領域内であって、チップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った」と限定することは、従来周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。
したがって、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項は、従来周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。

ウ 相違点1について
引用刊行物1には、斜め直線走査でも例えば水平ラスター走査でも、走査試料上でのトータル走査距離および走査速度がほぼ同一である旨が記載されているから(記載事項6)、引用発明Aで用いられる「斜め直線走査」は、十字パターンを有するICパターンに対して、水平ラスター走査と同じく走査位置を変化させながらICパターンの面にわたって走査する斜め走査であることは明らかである。
また、「ア 相違点3について」の項で述べたように、複数のチップが配列された半導体ウエハをチップ単位毎に走査型電子顕微鏡によって検査することは、従来周知の技術であり、上記チップの形状は通常長方形である。
してみると、引用発明Aにおける上記斜め直線走査をチップ毎に行う場合に走査線毎に走査幅を変化させることは、チップの形状を考慮して当業者が当然になすべき事項である。
したがって、相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項は、引用刊行物1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。

なお、平成20年4月14付け審尋に対して、請求人は、同年5月15日付けで回答書を提出しており、その中で請求項1の補正案を提示しているので、念のため検討する。

上記補正案における「前記焦点位置を変化させる手段は走査線間の焦点位置の差を大/小に切替える機能を備え」るという事項について
本願の出願前に頒布された刊行物である特開2000-18255号公報には、走査電子顕微鏡の焦点合わせのために、焦点位置を変化幅D分だけ変化させながらビームを走査して、焦点を評価するデータを取得し、これに基づいて大凡の焦点位置を求め、更に、大凡の焦点位置の近傍で、焦点位置を変化幅D分より小さいdだけ変化させながらビームを走査して、焦点を評価するデータを取得して、これに基づいてより精度の高い焦点位置を求めることが記載されている(段落【0026】、【0027】、【0032】?【0034】、【0040】)。
してみると、上記事項は格別なものではない。
また、「走査幅」を「走査位置に対応して走査幅」と補正しようとしているが、この点も格別なものではない。
したがって、上記補正案における請求項1に係る発明は、特許を受けることができない。

そして、本願補正発明の効果は、引用刊行物1に記載された発明及び従来周知の技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。

よって、本願補正発明は、引用刊行物1に記載された発明及び従来周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(5)まとめ
以上のとおり、本件補正の請求項1についてした補正が、全体としてみて、仮に、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮であるとした場合、本件補正は、平成18年特許法第17条の2第5項において準用する特許法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項で読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

3 本願発明について
平成19年6月29日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成19年1月15日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、以下のものと認める。(以下「本願発明」という。)
「【請求項1】 走査線毎に焦点位置と走査位置を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段とを含む自動焦点システムを備えたものであって、前記走査線が半導体ウエハ上のチップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線であることを特徴とする走査型荷電粒子顕微鏡。」

4 引用刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平7-161327号公報(以下「引用刊行物2」という。)には、「荷電粒子ビーム装置における焦点合わせ方法」の発明に関して、以下の事項が記載されている。

<記載事項8>
「【請求項1】 荷電粒子ビームを試料上に集束するための集束レンズと、試料上の荷電粒子ビームの照射位置を走査するための走査手段と、試料への荷電粒子ビームの照射によって得られた信号を検出する検出器と、試料上の荷電粒子ビームの集束状態を連続的に変化させる手段とを備えた荷電粒子ビーム装置において、荷電粒子ビームの集束状態を垂直走査信号に同期して連続的に変化させ、検出器によって検出された信号に関し、荷電粒子ビームの各集束状態における検出信号を積算し、各積算された信号を記憶し、記憶した一連の積算値から最適焦点位置を求め、最適焦点位置に集束レンズを設定するようにした荷電粒子ビーム装置における焦点合わせ方法。」
<記載事項9>
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動的に荷電粒子ビームの焦点合わせを行うことができる走査電子顕微鏡などの荷電粒子ビーム装置における焦点合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】走査電子顕微鏡では、自動的な焦点合わせ機能が備えられている。この焦点合わせは、集束レンズの励磁をステップ状に変化させ、各励磁状態、すなわち、電子ビームの各集束状態のときに試料の所定領域を電子ビームで走査し、その際、検出器によって2次電子や反射電子を検出し、各集束状態ごとに検出信号を積算するようにしている。そして、各集束状態のときの検出信号の積算値を比較し、最大値が得られたときの集束状態を合焦点位置と判断し、その状態に集束レンズの励磁を設定するようにしている。」
<記載事項10>
「【0008】
【作用】本発明に基づく荷電粒子ビーム装置における焦点合わせ方法は、荷電粒子ビームの集束状態を垂直走査信号に同期して連続的に変化させ、荷電粒子ビームの各集束状態における検出信号を積算し、各積算された信号を記憶し、記憶した一連の積算値から最適焦点位置を求め、最適焦点位置に集束レンズを設定する。」
<記載事項11>
「【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。図1は本発明に基づく焦点合わせ方法を実施するための走査電子顕微鏡の一例を示しており、1は電子銃である。電子銃1から発生した電子ビームEBは、集束レンズ2と対物レンズ3によって試料4上に細く集束される。また、電子ビームEBは、偏向コイル5によって偏向され、試料4上の電子ビームの照射位置は走査される。試料4への電子ビームの照射によって発生した2次電子は、2次電子検出器6によって検出される。検出器6の検出信号は、増幅器7によって増幅された後、陰極線管9に供給される。
【0010】前記検出信号は、AD変換器12を介してメモリー13に供給される。このAD変換器12あるいはメモリー13はCPU14によって制御される。15は操作盤であり、操作盤15は、CPU14に指示信号を送る。CPU14は、対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5に走査信号を供給する走査信号発生回路17を制御する。このような構成の動作は次の通りである。」
<記載事項12>
「【0012】次に、電子ビームの焦点合わせ動作を行う場合について説明する。操作盤15を操作し、焦点合わせモードの指示を行うと、CPU14は、対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5の走査信号発生回路17とを制御する。この制御により、励磁電源16は対物レンズ3に、図2(a)に示すような垂直走査信号に同期したステップ状に変化する励磁電流を供給する。この間、走査信号発生回路17は、試料の所定領域の走査(「操作」は誤記である。)を行うための走査信号を偏向コイル5に供給する。この結果、試料の電子ビームの走査領域は、各水平走査ラインごとに異なった集束状態で電子ビームが照射される。図2(b)は陰極線管9の画面を示しているが、この走査画面は、垂直方向に512ステップ(ライン)で水平走査が行われ、各水平走査ラインごとに電子ビームの集束状態は変化している。」
<記載事項13>
「【0013】各ステップ状の励磁電流によるフォーカスの状態における検出器6によって検出された2次電子信号は、増幅器7によって増幅された後、AD変換器12によってディジタル信号に変換された後、メモリー13に供給されて記憶される。
【0014】上記したステップによってメモリー13においては、各水平走査ラインごとに2次電子検出信号が記憶される。そして、上記した垂直方向に集束レンズの励磁状態を変化させながら試料の所定領域の走査を行うステップは、多数回実行され、その間、2次電子検出信号は回帰型フィルター処理の機能を備えたメモリー13内において積算処理が行われる。この結果、記憶された2次電子検出信号のSN比は著しく向上する。」
<記載事項14>
「【0015】上記した所定回数の積算処理が終わると、CPU14は、メモリー13内に記憶された512ライン毎の2次電子信号の積算処理を行ない、得られたライン毎の積算信号を比較し、最大積算信号が得られるラインを見出だす。図2(c)はメモリー13に記憶された信号値を示しており、縦軸が垂直走査位置、横軸が積算信号強度である。この図2(c)のケースでは、ラインLkにおいて最大積算信号が得られている。CPU14(「CPU13」は誤記である。)はラインLkの時の励磁電源から集束レンズに供給される励磁電流を見出だし、この励磁電流を励磁電源から集束レンズに供給されるように制御する。この集束レンズの励磁状態で電子ビームの2次元走査を実施することにより、焦点の合った状態で走査電子顕微鏡像の観察を行うことができる。」

上記記載事項から、引用刊行物2には、以下の事項が記載されている。
ア 試料の電子ビームの走査領域が、各水平走査ラインごとに異なった集束状態で走査されるように、対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5の走査信号発生回路17とを制御するCPU14(記載事項12)


(ア)記載事項8における「荷電粒子ビームの集束状態を垂直走査信号に同期して連続的に変化させ、検出器によって検出された信号に関し、荷電粒子ビームの各集束状態における検出信号を積算し、各積算された信号を記憶し、記憶した一連の積算値から最適焦点位置を求め」る手段は、記載事項13、14の記載からみて、メモリ13及びCPU14からなる手段であることは明らかである。
(イ)記載事項8における「積算値」は、記載事項12の記載、及び図2(C)の垂直走査位置の縦軸に対する横軸が、「積算信号強度」と記載されているからみて、メモリー13内に記憶された各水平走査ライン毎の2次電子信号の積算処理を行ない、得られたライン毎の積算信号強度である。そして、「一連の積算値から最適焦点位置を求め」るので、積算信号強度を比較していることは明らかである。
してみると、引用刊行物2には、電子ビームの集束状態を垂直走査信号に同期して連続的に変化させ、検出器によって検出された信号に関し、電子ビームの各集束状態における検出信号を積算し、各積算された信号を記憶し、メモリー13内に記憶された各水平走査ライン毎の2次電子信号の積算処理を行ない、得られたライン毎の積算信号強度の比較から最適焦点位置を求める、メモリ13及びCPU14からなる手段が記載されている。

ウ 自動的な焦点合わせ機能が備えられた走査電子顕微鏡(記載事項9)

したがって、上記記載事項8ないし14及び図面に基づけば、引用刊行物2には、
「試料の電子ビームの走査領域が、各水平走査ラインごとに異なった集束状態で走査されるように、対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5の走査信号発生回路17とを制御するCPU14と、電子ビームの集束状態を垂直走査信号に同期して連続的に変化させ、検出器によって検出された信号に関し、電子ビームの各集束状態における検出信号を積算し、各積算された信号を記憶し、メモリー13内に記憶された各水平走査ライン毎の2次電子信号の積算処理を行ない、得られたライン毎の積算信号強度の比較から最適焦点位置を求める、メモリ13及びCPU14からなる手段とを備え、自動的な焦点合わせ機能を有する走査電子顕微鏡。」の発明(以下「引用発明B」という。)が記載されている。

また、引用刊行物1には、前記「2[理由2](2)」に記載されたとおりの事項が記載されている。

5 対比
本願発明と引用発明Bとを比較する。

(ア)引用発明Bの「各水平走査ライン」は、走査ラインごとに走査位置が異なるといえ、また「各水平走査ラインごと」は、本願発明の「走査線毎」に相当する。
(イ)引用刊行物2には、集束状態と合焦点位置との関係について「最大値が得られたときの集束状態を合焦点位置と判断し」と記載されているから(記載事項2)、引用発明Bの「各水平走査ラインごとに異なった集束状態で」は、本願発明の「走査線毎に焦点位置」を「変化させる」に相当する。
(ウ)引用発明Bの「対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5の走査信号発生回路17とを制御するCPU14」は、本願発明の「手段」に相当する。
したがって、引用発明Bの「試料の電子ビームの走査領域が、各水平走査ラインごとに異なった集束状態で走査されるように、対物レンズ3の励磁電源16と偏向コイル5の走査信号発生回路17とを制御するCPU14」と本願発明の「走査線毎に焦点位置と走査位置を変化させる手段」とは、走査線毎に焦点位置と走査位置を変化させる手段の点で一致する。


(ア)引用発明Bの「得られたライン毎」は、各水平走査ライン毎であるから、引用発明Bの「得られたライン毎の積算信号強度」は、本願発明の「該走査線毎の画像の鮮明度」に相当する。
(イ)引用発明Bの「最適焦点位置を求める」は、本願発明の「合焦位置を割り出す」に相当する。
(ウ)引用発明Bの「メモリ13及びCPU14からなる手段」は、本願発明の「制御手段」に相当する。
したがって、引用発明Bの「得られたライン毎の積算信号強度の比較から最適焦点位置を求める、メモリ13及びCPU14からなる手段」は、本願発明の「該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段」に相当する。

ウ 引用発明Bの走査型荷電粒子顕微鏡において、CPU14、励磁電源16、走査信号発生回路17、メモリー13等の種々の構成要素が、相互に作用して「自動的な焦点合わせ機能」を奏するから、引用発明Bは、上記構成要素を含む本願発明でいう「自動焦点システム」を備えたものということができる。

エ 引用発明Bの「走査電子顕微鏡」は本願発明の「走査型荷電粒子顕微鏡」に相当する。

したがって、引用発明Bと本願発明の両者は、
「走査線毎に焦点位置を変化させる手段と、該走査線毎の画像の鮮明度を比較して合焦位置を割り出す制御手段とを含む自動焦点システムを備えた走査型荷電粒子顕微鏡。」の点で一致し、以下の点で相違する。
相違点
走査線が、本願発明は、「半導体ウエハ上のチップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線である」のに対して、引用発明は、そのように限定されていない点。

6 判断
上記相違点について検討する。

引用刊行物1には、十字パターンを有するICパターンに対して走査型電子顕微鏡の焦点調整をする際に用いられる斜め直線走査について、斜め直線走査でも例えば水平ラスター走査でも、走査試料上でのトータル走査距離および走査速度がほぼ同一である旨が記載されている(記載事項4)。
この記載によれば、上記「斜め直線走査」が、水平ラスター走査と同じく走査位置を変化させながら十字パターンを有するICパターンの面にわたって斜め走査をすることであることは明らかである。また、引用刊行物1に記載された発明の検査対象であるICパターンは、通常、半導体ウエハ上に配列された各チップに形成されるものである。
してみると、引用発明Bの走査線を、本願発明のように「半導体ウエハ上のチップ配列方向に対し水平方向成分と垂直方向成分とを合わせ持った斜め走査線」と限定することは、引用刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。
よって、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項は、引用刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得る事項である。

そして、本願発明の効果は、引用刊行物2及び引用刊行物1の記載から当業者が予測し得る範囲内のものである。

したがって、本願発明は、引用刊行物2及び引用刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用刊行物2及び引用刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-05-29 
結審通知日 2008-06-03 
審決日 2008-06-16 
出願番号 特願2002-108312(P2002-108312)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (H01J)
P 1 8・ 57- Z (H01J)
P 1 8・ 121- Z (H01J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松岡 智也  
特許庁審判長 江塚 政弘
特許庁審判官 日夏 貴史
末政 清滋
発明の名称 自動焦点システムを備えた走査型荷電粒子顕微鏡とその使用方法  
代理人 松下 義治  

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