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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G07F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G07F
管理番号 1182064
審判番号 不服2006-11597  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-06-08 
確定日 2008-07-31 
事件の表示 平成 9年特許願第228420号「自動販売機の照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 3月 9日出願公開、特開平11- 66403号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年8月25日の出願であって、平成18年4月26日付けで拒絶査定がなされ、平成18年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、平成18年7月10日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成18年7月10日付けの手続補正について
[結論]
平成18年7月10日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のように補正された。
「複数のコラムを交互販売グループとして設定し、所定の搬出順序で交互販売する、商品を収納したコラムを外部から透視可能な自動販売機において、交互販売する複数のコラムを交互販売グループとして記憶する記憶手段と、商品の販売コラム番号を表示する表示手段と、表示手段によるコラム番号に基づいて商品を選択する商品選択手段とを備え、同じ交互販売グループ内のコラムの中に外部から見えるコラムと見えないコラムがある場合は、同じ交互販売グループ内の外部から見えるコラムのコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示するとともに、この表示されたコラム番号による商品選択は受け付け、その他のコラム番号による商品選択は受け付けないことを特徴とする自動販売機の販売制御装置。」 (上記下線部分が、今回補正された箇所である。)
本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「表示手段により」「表示する」「コラム番号」に、「同じ交互販売グループ内のコラムの中に外部から見えるコラムと見えないコラムがある場合は、」「外部から見えるコラムのコラム番号」との限定を付加するものであり、かつ、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の前記請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(2)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に日本国内に頒布された刊行物である特開平9-97377号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
ア.「【請求項1】 ベンドメカニズムを有する複数の商品コラムと、当該ベンドメカニズムをそれぞれ作動させる複数の商品選択ボタンと、前記各商品選択ボタンに前記各商品コラムをそれぞれ割り振る設定手段とを備え、
前記複数の商品コラムは、前記ベンドメカニズムに向かって傾斜すると共に商品を1列に収納可能な間隙を存して配設された複数枚の棚板とにより構成され、
前記設定手段は、前記任意の一の商品選択ボタンに対し、少なくとも1以上の前記ベンドメカニズムを設定可能に構成されていることを特徴とする自動販売機。
【請求項2】 商品ディスプレイ越しに前記商品コラムおよび商品が視認可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】 相互に隣接する複数の前記商品コラムを1つのコラム群とし、当該各コラム群に同一種の商品を収納すると共に、当該各コラム群に対応して前記商品選択ボタンが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の自動販売機。
【請求項4】 前記商品選択ボタンは、前記商品ディスプレイの前面に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の自動販売機。」(特許請求の範囲)
イ.「本発明は、例えば、販売する商品および商品の販売動作が外部から見える、いわゆるシースルー形式の自動販売機に関するものである。」(段落【0001】)
ウ.「以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機は、缶ジュースや缶コーヒーなどの缶飲料を販売するものであり、図1はその正面図、図2はその縦断面図である。両図に示すように、この自動販売機1は、販売機本体2と、販売機本体2の前面に開閉自在に取り付けたメインドア3とで構成されている。販売機本体2の内部には、前面に断熱ドア4を有する商品収納庫5が広く設けられており、商品収納庫5内には、左右方向に4列の商品ラック6が配設されている。
各列の商品ラック6には、上下方向に多数の商品コラム7が積み重なるように配設されており、4個ないし2個の商品コラム7を1コラム群Cとし、各コラム群Cには同一の商品Aが収容されている。商品ラック6の後端と商品収納庫5の後壁との間には落下通路8が形成され、落下通路8の下流端には、前方に向かって前下り傾斜したシュート9が配設されている。各商品コラム7から払い出された商品Aは、落下通路8を落下すると共に各シュート9上を転動し、払出口10から販売口11に導かれる。」(段落【0013】?【0014】)
エ.「一方、各商品ラック6には、図2に示すように、上下に重なるように配設した多数の商品コラム7が組み込まれている。この多数の商品コラム7は、商品ラック6を構成する左右の側板(図示省略)に多数の棚板24を斜めに取り付けて形成されている。各商品コラム7は商品Aを1列に収容可能に構成されており、前端部に設けた商品投入口31と、後端部に設けたベンドメカニズム32と、商品投入口31からベンドメカニズム32に向かって後下り傾斜して延びるストック通路33とで構成されている。
この場合、各商品コラム7のベンドメカニズム32は上記のコラム群Cに従って、対応する選択ボタン21に割り振られており、この割り振りの設定は、図3に示すように、コントローラ(CPU)25と設定器26とから成る設定手段により行われる。例えば、左端の商品ラック6では、各コラム群Cを上から4個、3個、3個、2個、2個の商品コラム7で構成して、最上部のコラム群Cの4個の商品コラム7を「1」の選択ボタン21に対応させ、次の3個の商品コラム7を、「2」の選択ボタン21に対応させ、さらに次の3個を「3」の選択ボタン21に、次の2個を「4」の選択ボタン21に、次の2個を「5」の選択ボタン21に、それぞれ対応させている。
なお、この実施形態では、各コラム群Cの最下段の商品コラム7の位置に選択ボタン21を配設しているが、選択ボタン21の位置にある商品コラム7の商品Aを、最後に販売するようにすれば、選択ボタン21の位置をコラム群Cの最下段の商品コラム7の位置とする必要はない。例えば、左端の商品ラック6において、選択ボタン21の位置を変えることなく、上から6段目までの商品コラム7を1コラム群Cとして「1」の選択ボタン21に対応させる。そして、上から1段目の商品コラム7から販売を開始し、2段目、3段目と販売を進め、その次は6段目、5段目の順で販売し、4段目の商品コラム7の商品Aを最後に販売するようにする。このようにすれば、商品購入者が商品Aの選択を誤ることがなく、かつ選択ボタン21を移動させることもなく、単に設定器26によるコラム設定のみで、選択ボタン21とコラム群Cとを対応させることができる。
次に、各コラム群Cにおける商品Aの販売手順について、最上段のコラム群Cを例に詳細に説明する。上述したように、1段目、2段目、3段目の順で商品Aを販売し、最後に4段目の商品コラム7の商品Aを販売してもよいが、例えば、ストッパなどにより、4段目の商品コラム7の最前端の商品Aaを転動不能として残しておき、1段目の商品コラム7の最後端の商品Aから販売し、次に2段目の最後端の商品A、さらに3段目、4段目と販売し、これを繰り返してゆくようにしてもよい(図3参照)。」(段落【0019】?【0022】)
オ.「このように、実施形態の自動販売機1によれば、ベンドメカニズム32を搭載した多数の商品コラム7のいくつかを、適宜組み合わせてコラム群Cとし、これを1つの選択ボタン21により、それぞれ販売動作させるようにしているので、商品Aの種類毎に商品Aの収容本数をきめ細かく設定することができる。この場合、各種の商品Aをその販売実績に応じて設定れば、各商品Aがほぼ同時に売り切れとなり、ローディング効率を向上させることができる。また、商品ディスプレイ14越しに、実際に販売される商品Aおよびその販売動作が見えるので、商品見本を省略することができると共に、商品Aのアピール度を高めることができる。
次に、図4を参照して、本発明の第2実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機1では、選択ボタン21に代えてテンキー41の操作により商品Aの選択が行われるようになっている。メインドア3の接客部15には、1から20までのキー41aをマトリクス状に配置したテンキー41が設けられており、また各コラム群Cの最下段の商品コラム7に対応して、商品ディスプレイ14の前面パネル23に1から20の番号表示42が付されている。この場合、テンキー41および番号表示42が選択ボタン21に相当し、各商品コラム7は、該当するコラム群Cに従って設定器26により、テンキー41の各キー41aに対応するように設定されている。」(段落【0023】?【0024】)
カ.「次に、図6を参照して、本発明の第4実施形態に係るシースルー形式の自動販売機について説明する。この自動販売機1では、全ての商品コラム7に対して番号表示42を付しておき、この番号表示42とは別にコラム群Cを設定したものである。商品コラム7は、4列、16段で構成されているため、計56個あり、各商品コラム7には1から56の番号表示42が、それぞれ付されている。この場合、テンキー51は0から9までのキー51aで構成され、所望の商品Aの番号をキー入力することにより、商品Aを選択できるようになっている。」(段落【0028】)
キ.「以上のように本発明の自動販売機によれば、商品の十分な収容本数と十分な種類とを確保することができると共に、各種の商品をほぼ同時に売り切ることができるという、商品別の販売実績に応じたきめ細かな販売が可能になる。」(段落【0030】)
ク.図3には、自動販売機に設定器26とコントローラ(CPU)25を設けた点が図示されている。図4には、自動販売機に各コラム群の番号表示42と商品の選択を行うテンキー41を設けた点及び各コラム群の各コラム群の番号を番号表示により、各コラム群のコラム番号として表示した点が図示されている。図6には、テンキー51を設けた点が図示されている。
また、引用刊行物1に記載された自動販売機は、テンキー41,51で入力した番号に従って各コラム群の商品を所定の販売手順で販売するものであるから、販売のための制御部及び各コラム群と各コラム群の番号とを記憶する記憶部を有することは自明である。さらに、その販売のための制御部は番号表示で表示された各コラム群の番号による商品選択は受け付けることも自明である。
また、エ.の記載より、引用刊行物1に記載された自動販売機は、例えば、同一の商品が収納された4個のコラムからなるコラム群の場合には、1段目、2段目、3段目、4段目の順で販売し、それを繰り返すものであるから、同一の商品が収納されたコラム群から所定の販売順に交互に販売するものである。

以上の記載事項及び図示内容を総合すると、上記引用刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「 複数の商品コラムを、同一の商品が収納され所定の販売順に交互に販売する1つのコラム群とし、所定の販売順で交互に販売する、商品コラムおよび商品が視認可能に構成されている自動販売機において、各コラム群と各コラム群の番号とを記憶する記憶部と、各コラム群の番号を表示する番号表示と、番号表示による各コラム群の番号に基づいて商品を選択するテンキー41,51とを備え、各コラム群の番号を番号表示により、各コラム群のコラム番号として表示するとともに、この表示された各コラム群の番号による商品選択は受け付ける自動販売機の販売のための制御部。」

また、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に日本国内に頒布された刊行物である特開平9-115042号公報(以下、「引用刊行物2」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。
ケ.「本発明は、例えば、収納した商品が外部から見えると共に、収納した商品に対応させて商品サンプルを展示した、いわゆるシースルー形式の自動販売機に関するものである。」(段落【0001】)
コ.「この場合、商品ディスプレイ13を構成する前面パネル21は、透明なガラスやアクリル樹脂などで構成され、また、この前面パネル21越しに見える断熱ドア4も、複層構造の透明なガラスやアクリル樹脂などで構成されている。したがって、この自動販売機1では、商品ディスプレイ13越しに、各商品ラック6に収容した商品Aが見えるようになっている。すなわち、自動販売機1が、いわゆるシースルー構造になっており、ストックされている商品Aや販売時に商品Aが順次送られてゆく様子などが、外部から視認できるようになっている。・・・一方、各商品ラック6には、図2に示すように、上下に重なるように配設した多数の商品コラム7が組み込まれている。・・・上記したように、相互に隣接する4個または2個の商品コラム7をコラム群として、これに同一商品Aが収容されており、各コラム群を単位として、その各商品コラム7のベンドメカニズム23が、図外の制御手段により制御されて、商品Aの販売が実行される。例えば、最上部の4個の商品コラム7から成るコラム群では、最上段の商品コラム7から商品Aの販売を開始し、第2段目、第3段目と販売していって、最後に選択ボタン19が配設されている第4段目の商品コラム7の商品Aを販売するようにする。」(段落【0026】?【0028】)
サ.「なお、最右列の商品コラム7は接客部14の背面側に位置し、外部から視認することができず且つ選択ボタン19も設けられていないが、この部分の商品コラム7には適宜、「売れ筋商品」や「お勧め商品」などを収納しておき、いずれかの選択ボタン19に対応させ、見えている商品Aに先行して販売することが好ましい。」(段落【0029】)

(3)対比・判断
本願補正発明と引用発明を対比すると、その機能及び構成からみて、引用発明の「自動販売機の販売のための制御部」は、本願補正発明の「自動販売機の販売制御装置」に相当し、以下同様に、「複数の商品コラム」は「複数のコラム」に、「同一の商品が収納され所定の販売順に交互に販売する1つのコラム群」及び「各コラム群」は「交互販売グループ」に、「複数の商品コラムを、同一の商品が収納され所定の販売順に交互に販売する1つのコラム群とし」は「複数のコラムを交互販売グループとして設定し」に、「所定の販売順で交互に販売する」は「所定の搬出順序で交互販売する」に、「商品コラムおよび商品が視認可能に構成されている自動販売機」は「商品を収納したコラムを外部から透視可能な自動販売機」に、「各コラム群」「を記憶する記憶部」は「交互販売する複数のコラムを交互販売グループとして記憶する記憶手段」に、「各コラム群の番号」は「商品の販売コラム番号」に、「各コラム群の番号を表示する番号表示」は「商品の販売コラム番号を表示する表示手段」に、「番号表示による各コラム群の番号に基づいて商品を選択するテンキー41,51」は「表示手段によるコラム番号に基づいて商品を選択する商品選択手段」に、「この表示された各コラム群の番号による商品選択は受け付ける」は「この表示されたコラム番号による商品選択は受け付け」に、それぞれ相当する。
また、後者の「各コラム群の番号を番号表示により、各コラム群のコラム番号として表示する」と前者の「同じ交互販売グループ内の外部から見えるコラムのコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示する」とは、「同じ交互販売グループ内のコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示する」の概念で共通する。
そうすると、両者は、「複数のコラムを交互販売グループとして設定し、所定の搬出順序で交互販売する、商品を収納したコラムを外部から透視可能な自動販売機において、交互販売する複数のコラムを交互販売グループとして記憶する記憶手段と、商品の販売コラム番号を表示する表示手段と、表示手段によるコラム番号に基づいて商品を選択する商品選択手段とを備え、同じ交互販売グループ内のコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示するとともに、この表示されたコラム番号による商品選択は受け付ける自動販売機の販売制御装置。」の点で一致しており、以下の点で相違している。

(相違点1)
前者は、同じ交互販売グループ内のコラムの中に外部から見えるコラムと見えないコラムがある場合は、同じ交互販売グループ内の外部から見えるコラムのコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示するのに対し、後者は、そのような構成を有しない点。
(相違点2)
前者は、表示されたコラム番号以外のその他のコラム番号による商品選択は受け付けないのに対し、後者は、そのような構成を有するかどうか不明な点。
上記相違点について検討する。
(相違点1について)
引用刊行物2には、外部から見えないコラム(最右列の商品コラム7)と見えるコラム(いずれかの選択ボタン19に対応した、見えている商品Aを収納した見えるコラム)に同じ商品を収納し、外部から見えないコラムと見えるコラムは同じ見えているコラムのコラム番号(選択ボタン19に表示された番号)を全体のコラム番号として表示する点が記載されている。そして、引用刊行物2に記載された発明を引用発明に適用して上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項のようにすることは当業者が容易に想到し得たことである。
(相違点2について)
入力手段から予定されていない番号あるいは設定されていない番号が入力された場合に入力を受け付けない点は、種々の装置の入力装置において、従来から周知の技術である(例えば、特開平5-210686号公報参照)。そして上記周知技術を引用発明に適用して上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項のようにすることは当業者が容易に想到し得たことである。

そして、本願補正発明による効果も、引用発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。

(4)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきである。

3.本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年7月4日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「複数のコラムを交互販売グループとして設定し、所定の搬出順序で交互販売する、商品を収納したコラムを外部から透視可能な自動販売機において、交互販売する複数のコラムを交互販売グループとして記憶する記憶手段と、商品の販売コラム番号を表示する表示手段と、表示手段によるコラム番号に基づいて商品を選択する商品選択手段とを備え、同じ交互販売グループ内のいずれか1つのコラム番号を表示手段により、同じ交互販売グループ内のすべてのコラム番号として表示するとともに、この表示されたコラム番号による商品選択は受け付け、その他のコラム番号による商品選択は受け付けないことを特徴とする自動販売機の販売制御装置。」

4.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物、及び、その記載事項は、上記「2.(2)引用刊行物」に記載したとおりである。

5.対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明から、「表示手段により」「表示する」「コラム番号」の限定事項である「同じ交互販売グループ内のコラムの中に外部から見えるコラムと見えないコラムがある場合は、」「外部から見えるコラムのコラム番号」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに限定を施したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり、引用発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用刊行物2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-05-28 
結審通知日 2008-06-03 
審決日 2008-06-17 
出願番号 特願平9-228420
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G07F)
P 1 8・ 575- Z (G07F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩田 洋一  
特許庁審判長 山崎 豊
特許庁審判官 蓮井 雅之
北村 英隆
発明の名称 自動販売機の照明装置  
代理人 山本 浩  

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