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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F |
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管理番号 | 1182345 |
審判番号 | 不服2005-21050 |
総通号数 | 105 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-09-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-11-01 |
確定日 | 2008-08-04 |
事件の表示 | 特願2000-208746「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月22日出願公開、特開2002- 17968〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は平成12年7月10日の出願であって、平成17年9月29日付けで拒絶の査定がされたため、これを不服として同年11月1日付けで本件審判請求がされるとともに、同月25日付けで明細書についての手続補正(以下「本件補正」という。)がされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成17年11月25日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正事項及び補正目的 本件補正は特許請求の範囲の補正を含んでおり、請求人は明確に補正目的を述べていないものの、補正前請求項2,6,7を削除するとともに、残余の請求項(補正前請求項3?5は請求項番号が繰り上がる。)について補正するものであって、請求項1に限っていうと、「何れかの発光部に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を変化させて発光手段の発光色を調整する発光色調整部」を「前記発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)(審決注「74A`74P」は誤記と認める。) に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を夫々変化させて発光手段の発光色を調整する発光色調整部(71b)」と補正するとともに、「発光色調整部」につき、「前記発光色調整部(71b) は、前記複数の発光部(74Q,74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期と異なるように夫々変化させ、前記複数の発光部(74Q,74R) のうちの一部の発光部(74Q) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも長くなるように変化させ、前記一部以外の発光部(74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも短くなるように変化させる」との限定を加えたものであるから、特許請求の範囲の減縮(平成18年改正前特許法17条の2第4項2号該当)を目的とするものと認める。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるか検討する。 2.補正発明の認定 補正発明は、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定されるものであるが、前項で指摘した誤記があるため、誤記訂正の上次のとおり認定する。 「遊技者が視認可能な異なる色の光を発する複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)を有する発光手段と、この発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)の各々に点灯タイミング毎に一定パルス幅の駆動パルスを出力して点灯制御する点灯制御手段とを備えた遊技機において、 前記点灯制御手段は、前記発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R) に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を夫々変化させて発光手段の発光色を調整する発光色調整部(71b) を有し、 前記発光色調整部(71b) は、前記複数の発光部(74Q,74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期と異なるように夫々変化させ、前記複数の発光部(74Q,74R) のうちの一部の発光部(74Q) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも長くなるように変化させ、前記一部以外の発光部(74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも短くなるように変化させる、 ことを特徴とする遊技機。」 3.引用刊行物の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-11185号公報(以下「引用例」という。)には、以下のア?サの記載が図示とともにある。 ア.「複数種類の識別情報を形成し得るように所定の態様で配置された複数の発光部を含む電気的可変表示器を備え、該電気的可変表示器によって前記複数種類の識別情報を順次的に変動表示させると共に、その表示の変動を所定タイミングで停止させ、これにより止まった識別情報が特定の識別情報であるとき、遊技盤上をパチンコ球が入賞し易い状態にするパチンコ機において、 前記複数の発光部は、その表示色が切換え可能とされている、 ことを特徴とするパチンコ機。」(1頁左下欄5?16行) イ.「本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、新たに表示器を追加したり、特定の識別情報の出現率を制御するための制御系を必要としたりすることなく、特定の識別情報の種類を増やすことができると共に、遊技性に伴った意匠的演出の向上化が図れ、しかも遊技者の目の疲労軽減を図ることのできるパチンコ機を提供することにある。」(2頁右上欄9?17行) ウ.「窓枠部55内には3つの電気的可変表示器としてのLED表示器61?63が収容されており」(3頁右下欄10?12行) エ.「板部54における窓枠部55の下方部分には前部がレンズ67にされた小枠部68が設けられており、この小枠部68内にはLED装飾灯69が収容されており、70はその取付用基板である。 板部54の最下部には、その真ん中に10カウント表示器となるLED表示器71が取付けられ、さらにその周りには4つの始動入賞記憶表示灯72が取付けられており、73はそれらの取付け用基板である。」(3頁右下欄17行?4頁左上欄6行) オ.「本実施例のLED表示器61?63は従来のものよりも可成り大きいものであり、第6図に示すように、それらの各セグメントS_(1)?S_(7)は、レンズ部76と二つの発光ダイオード77,78とから構成されている。発光ダイオード77,78は互いに異る色で発光するもので、ここでは発光ダイオード77は赤色、発光ダイオード78は緑色とされている。」(4頁右上欄9?16行) カ.「表示モード切換回路135は、CPU126から一定周期で出される表示モード切換指令、即ち、LED表示器61?63のうちどれに、赤、緑どちらの色で表示させるかを指令する信号を受け、その指令に応じて、LED表示器61?63、即ち表示桁の選択指令と、表示色の選択指令とに分けて夫々出力する。」(6頁左下欄4?11行) キ.「LED表示色選択回路137は、表示モード切換回路135からの表示色選択信号に基づいてLEDドライブ回路134からの増幅デコーダ信号を受けさせるべきものを赤用の発光ダイオード77及び緑用の発光ダイオード78から選択する信号を出力するものである。」(6頁左下欄19行?右下欄5行) ク.「パチンコ球が始動球検出スイッチ44’,88’,89’のうち対応するものに検出される。すると、CPU126からのBCD信号の表わすデューティー情報が変化し、LEDドライブ回路134から高いデューティーのデコーダ信号が出力され、同時にLED表示色選択回路137からC8端子が交互にH,Lになる表示色選択信号が出力されて、LED表示器61?63の切換表示は続行でその明暗度合が明るく切換えられると共に、一旦、全桁が赤くなり、その後ただちに奇数は赤、偶数は緑という表示となる。」(7頁左下欄7?18行) ケ.「所定時間が経過するか或いは停止指令スイッチ10が触れられると、CPU126からのBCD信号の変動が止まり、識別情報切換表示が停止される。このとき、明暗度合は明るくそのままであるが、数字の組合せが小当り、中当り、大当りの夫々の場合で表示色等が異ってくる。」(7頁左下欄19行?右下欄5行) コ.「以上説明した実施例では、LED表示器61?63のみ2色切換表示するようになっているが、この他、表示器67,71,72等も2色切換表示させるべく構成することができるものである。そして、例えば、表示器72について言えば、始動入賞球の記憶が無いときは赤で発光し、始動入賞球の記憶が発生するごとに、緑に切換えるようにすれば良い。」(8頁右上欄15行?左下欄2行) サ.「第15図は、本発明の第3の実施例を示すものである。この実施例の特徴は、2色のLEDを同時点灯させて、2色の原色に中間色を加え、3色の表示が行なえるようにしたことにある。」(9頁左下欄下から4行?末行) 4.引用例記載の発明の認定 記載アの「電気的可変表示器」は「複数種類の識別情報を順次的に変動表示させる」ものだけであるが、引用例の記載コによれば、2色LEDを用いる表示器はこれに限られず、引用例の記載サによれば、2色LEDにより中間色を加えて3色の表示を行ってもよい。 したがって、引用例には次のような発明が記載されていると認めることができる。 「赤及び緑の2色LEDからなる複数の表示部を備えたパチンコ機であって、 各表示部はそれを構成する各LEDの発光色に中間色を加えた3色に表示色を切換え可能なパチンコ機。」(以下「引用発明」という。) 5.補正発明と引用発明の一致点及び相違点の認定 「赤及び緑」は「遊技者が視認可能な異なる色の光」に当たるから、引用発明の「2色LED」及び「表示部」は、補正発明の「複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)」及び「発光手段」にそれぞれ相当する。引用発明が「発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)の各々を点灯制御する点灯制御手段」を備えることは自明であり、その限度で補正発明と一致する。 引用発明は「3色に表示色を切換え可能」であるから、点灯制御手段が「発光手段の発光色を調整する発光色調整部(71b) 」を有するとの限度では、補正発明と一致する。 引用発明の「パチンコ機」は「遊技機」に含まれる。 したがって、補正発明と引用発明は、 「遊技者が視認可能な異なる色の光を発する複数の発光部を有する発光手段と、この発光手段の複数の発光部を点灯制御する点灯制御手段とを備え、 前記点灯制御手段は、発光手段の発光色を調整する発光色調整部 を有する遊技機。」である点で一致し、次の各点で相違する。 〈相違点1〉補正発明の「点灯制御手段」が「複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)の各々に点灯タイミング毎に一定パルス幅の駆動パルスを出力して点灯制御する」のに対し、引用発明のそれはそのような制御をするものではない点。 〈相違点2〉補正発明の「発光色調整部(71b)」が「前記複数の発光部(74Q,74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期と異なるように夫々変化させ、前記複数の発光部(74Q,74R) のうちの一部の発光部(74Q) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも長くなるように変化させ、前記一部以外の発光部(74R) の点灯毎に前記基準周期を前回の基準周期よりも短くなるように変化させる」のに対し、引用発明のそれは、そのように基準周期を変化させるものではない点。なお、補正発明の発明特定事項のうち「前記発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R) に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を夫々変化させて発光手段の発光色を調整する」との事項は、上記補正発明の発明特定事項と重複する事項であるから、別途独立した相違点とはしない。 6.相違点の判断及び本願発明の独立特許要件の判断 (1)相違点1について 異なる色の光を発する複数の単色発光部を有する発光手段において、異なる色の輝度を制御することにより、たとえ単色発光部が2色であっても、種々の発光色を実現できることは技術常識に属する(例えば、特開平10-293558号公報段落【0002】にその旨の記載がある。)。 LED(単色発光部の1つである。)の輝度を制御するに当たっては、視覚の残像可能な点灯速度でオンとオフを繰り返し、オン時間とオフ時間の比(デューティ比)を制御することが周知である。原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-3477号公報には、「本発明は、少なくとも2個の発光ダイオードの輝度を調整するための発光ダイオードの調光回路において、パルス幅を変化できる2値パルスを出力するパルス出力手段と、上記2値パルスの2値レベルに応答して上記少なくとも2個の発光ダイオードを選択的に駆動する手段とを備えたことを特徴とする。」(2頁左上欄末行?右上欄6行)及び「パルス幅制御回路3は、第2図に示すように、入力されたクロックパルス信号CP1を、クロック周期が同じ周期Tであってハイレベルのパルス幅をT_(1)にローレベルのパルス幅をT_(2)に制御する回路であり、・・・出力パルス信号CP2のパルス幅T_(1)を制御」(2頁右下欄1?8行)と記載されているように、周期を一定とした上で、オンとなるパルス幅T_(1)を制御することにより発光ダイオード(LEDと同義である。)の輝度を制御することが記載されており、これはデューティ比を制御することの一態様である。デューティ比の制御としては、上記のようなパルス幅制御だけでなく、本件出願の相当以前に頒布された特開昭63-124479号公報に「トランジスタQがON状態のときに発光ダイオードLEDが点灯し、トランジスタQがOFF状態のときに発光ダイオードLEDは消灯する。トランジスタQに加えるパルスの巾を大きくすれば、ON時間が長くなり、これにより点灯時間が長くなる。逆に、パルスの巾を変えずに周期を大きくすれば、OFF時間が長くなり、これにより消灯時間が長くなる。したがって、トランジスタQに加えるパルスの巾と周期を調整することにより、発光ダイオードLEDは任意の点滅間隔で点灯点滅を繰り返す。」(2頁左下欄11行?右下欄1行)と、特公平8-20280号公報に「駆動信号のパルス周期を変えることにより、配設する2色の発光ダイオードの中間色を様々に設定することができる。」(11欄5?7行)とそれぞれ記載されているように、パルス幅を一定とした上で、周期(パルス間隔)を制御することも周知である。 引用発明は、3色に表示色を切換え可能である。3色のうちLED本来の発光色でそのまま表示する分には、輝度を制御する必要はないかもしれないが、より多色表示すれば「意匠的演出の向上化」(記載イ)に資することが明らかであるから、各色LEDの輝度を制御すること、その具体的手段として上記周知技術に従い、パルス幅を一定とした上で周期を制御することは当業者にとって想到容易である。パルス幅を一定とした上で周期(「パルスを出力する周期」であるから補正発明の用語に従えば「基準周期」といえる。)を制御するのであれば、「発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)の各々に点灯タイミング毎に一定パルス幅の駆動パルスを出力して点灯制御する」ことは当然である。 以上のとおりであるから、相違点1に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易である。 (2)相違点2について 引用発明の表示色切換について、引用例には始動球検出時(記載ク)や識別情報切換表示停止時(記載ケ)にLED表示器61?63の表示色を変えること、始動入賞球記憶時に表示器72の色を変えること(記載コ)が記載されている。 一般に、時間の経過とともに色を変化させる場合、その色を徐々に変化させることは、例えば特開平9-185701号公報に「指定されたキャラクタの部分(領域)の描画色を徐々に変更していくための処理が行われる。このステップ3606?3612は、色変更カウンタをデクリメントしながら、1アニメーションフレーム期間(1/60秒)毎に1度の頻度で繰り返し実行される。」(段落【0280】)と、特開平9-38283号公報に「赤と緑のように、異なる発光色のLEDを、別途設けて、限定有利作動中に、その消化状況に応じて発光色を順次変えるようにしても良い。」(段落【0062】)と、及び特開2000-90702号公報に「光源部の色を順次変化させる。連続点灯モードのときは色相が次第に変化するようすることが好ましい。即ち、最初に点灯していた発光ダイオードの光量を次第に低下させ、次に点灯される発光ダイオードの光量を次第に増加させる。」(段落【0011】)とそれぞれ記載されているように周知であり、時間の経過とともに色を徐々に変化させることは「意匠的演出の向上化」(引用例の記載イ)に通じるから、引用発明の表示色切換にこの周知技術を採用することは、それを妨げる特段の事情がない限り当業者にとって想到容易である。 そして、引用発明では2色LEDを用いており、各色LEDのデューティ比を制御すれば発光色を多様に変化できることは(1)で述べたとおりであるから、上記特段の事情があると認めることはできない。 各色LEDのデューティ比を制御するに当たり、パルス幅を制御しても、周期を制御してもよいことも(1)で述べたとおりであり、後者を採用し、色変化前の色から色変化後の色まで徐々に色を変えるためには、一方の色のLEDの周期(補正発明の「基準周期」)を徐々に長くし、他方の色のLEDの周期を徐々に短くすることは当然である。そして、各LEDの周期の変化を、適宜の期間を単位として行ってもよいし、点灯毎としてもよいことは明らかである。 そうである以上、相違点2に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易といわなければならない。 (3)補正発明の独立特許要件の判断 相違点1,2に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易であり、これら構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。 すなわち、補正発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 [補正の却下の決定のむすび] 補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は平成18年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条5項の規定に違反しており、同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されなければならない。 よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件審判請求についての判断 1.本願発明の認定 本件補正が却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成16年8月23日付けで補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「遊技者が視認可能な異なる色の光を発する複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)を有する発光手段と、この発光手段の複数の発光部(74A?74P,74Q,74R)の各々に点灯タイミング毎に一定パルス幅の駆動パルスを出力して点灯制御する点灯制御手段とを備えた遊技機において、 前記点灯制御手段は、何れかの発光部に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を変化させて発光手段の発光色を調整する発光色調整部を有することを特徴とする遊技機。」 2.本願発明と引用発明の一致点及び相違点の認定 「第2[理由]5」で述べたことを踏まえると、本願発明と引用発明は、 「遊技者が視認可能な異なる色の光を発する複数の発光部を有する発光手段と、この発光手段の複数の発光部を点灯制御する点灯制御手段とを備え、 前記点灯制御手段は、発光手段の発光色を調整する発光色調整部を有する遊技機。」である点で一致し、「第2[理由]5」で述べた相違点1及び次の相違点2’で相違する(相違点1については、「補正発明」を「本願発明」と読み替える。)。 〈相違点2’〉本願発明の「発光色調整部」が「何れかの発光部に対して前記駆動パルスを出力する周期である基準周期を変化させて発光手段の発光色を調整する」のに対し、引用発明のそれは、そのように基準周期を変化させるものではない点。 3.相違点の判断及び本願発明の進歩性の判断 相違点1については「第2[理由]6(1)」で述べたとおりである(「補正発明」を「本願発明」と読み替える。)。 相違点2’については、「第2[理由]6(1)」の理由中で、駆動パルスを出力する周期(基準周期)を変化させて発光色を変化させることが周知であることを説示した。そうである以上、相違点2’に係る本願発明の構成は、単にこの周知技術を採用しただけであり、当業者にとって想到容易である。 また、相違点1,2’に係る本願発明の構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。 したがって、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-06-12 |
結審通知日 | 2008-06-13 |
審決日 | 2008-06-24 |
出願番号 | 特願2000-208746(P2000-208746) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小齊 信之 |
特許庁審判長 |
津田 俊明 |
特許庁審判官 |
小原 博生 有家 秀郎 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 岡村 俊雄 |