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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1183040
審判番号 不服2005-3060  
総通号数 106 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-02-22 
確定日 2008-08-13 
事件の表示 特願2000-350726「可撓性パワー装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 8月 3日出願公開、特開2001-210784〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成12年11月17日(パリ条約による優先権主張1999年11月17日、米国)に出願したものであって、平成16年11月11日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年2月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同日付で手続補正書が提出されたものであり、さらに、当審において、平成19年1月15日付で拒絶の理由が通知され、その指定期間内である平成19年4月16日に手続補正がなされたものである。
そして、上記平成19年4月16日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?16のうち、その請求項11に係る発明(以下、「本願発明11」という。)は次のとおりのものである。

「【請求項11】
上面と下面とを有するヒートシンクと、
表面積を有する上面と、前記ヒートシンクの前記上面と伝熱状態で連結した底面とを有する平坦な伝熱性基板と、
前記伝熱性基板の前記上面に載置した少なくとも一つの半導体装置と、
底面と上面とを有し、前記伝熱性基板の前記上面の上方に配置された少なくとも一つの回路板と、
伝熱性基板の前記上面と回路板の前記底面との間に配置されて、伝熱性基板と回路板の前記底面との間にスペースを形成する囲繞手段と、
前記半導体装置から回路板の前記上面へと電気接続をなす、前記囲繞手段内にある少なくとも一つのバイアとを備え、
前記ヒートシンク及び前記少なくとも1つの回路板は、前記ヒートシンクの上面が露出するように前記囲繞手段の外周を過ぎて延在してなる半導体装置モジュール。」

2.引用刊行物及びその摘記事項
当審における拒絶の理由に引用した、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物である、特開平6-45721号公報(以下、「刊行物」という。)には、図面と共に、次の事項が記載されている。

(1)刊行物(特開平6-45721号公報)
(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の絶縁基板上に所望形状の導電路が形成され、その導電路上に複数の回路素子が固着された第1の集積回路基板と、他方の絶縁基板上に所望形状の導電路が形成され、その導電路上に複数の回路素子が固着された第2の集積回路基板と、前記第1および第2の集積回路基板を離間配置するケース材と、前記第1および第2の集積回路基板とを接続する弾性力を有した接続手段とを具備し、
前記接続手段を前記ケース材に形成された空間内に収納し、前記第1および第2の集積回路基板で前記ケース材および接続手段を挾持するように当接配置し押止することで前記第1および第2の集積回路基板を前記接続手段で圧接接続したことを特徴とする混成集積回路装置。」

(1b)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は混成集積回路装置に関し、特にパワー回路と小信号回路とを備えた複数枚の集積回路基板から構成される混成集積回路装置の改良に関する。
・・・
【0010】
【実施例】・・・
【0011】第1の集積回路基板(10)上には小信号系の回路素子(13)が搭載されることから、エポキシ樹脂基板、ガラスエポキシ基板、セラミックス基板、あるいは金属基板が用いられる。本実施例では、第1の集積回路基板(10)として金属基板を用いている。ところで、第2の集積回路基板(20)上には、パワー系の回路素子が搭載されるために、放熱特性を考慮して、本実施例の第1の集積回路基板(10)と同様に金属基板が用いられる。
【0012】第1および第2の集積回路基板(10)(20)に用いられる金属基板としては放熱特性と加工性を考慮して略2mm厚のアルミニウム基板が使用される。そして、そのアルミニウム基板の表面には絶縁性および表面処理の向上のために陽極酸化処理により数μm?数十μm厚の酸化アルミニウム膜が形成されている。・・・
【0013】第1および第2の基板(10)(20)の一主面には、エポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂等の接着性を有する熱硬化性樹脂と約35μm?105μm厚の銅箔とのクラッド材を温度約150℃?170℃、1平方センチメートル当り50?100Kgの圧力でホットプレスした後、銅箔を所望形状にフォトエッチングする等して所望形状の導電路(11)(21)が形成される。・・・
【0014】第1の基板(10)上に形成される導電路(11)には前記したように小信号系の複数の回路素子(13)が接続され、第2の基板(20)上に形成される導電路(21)にはパワー系の複数の回路素子(23)が接続される。・・・
・・・
【0019】上述した第1および第2の集積回路基板(10)(20)はケース材(30)によって所定の間隔離間して配置される。かかるケース材(30)は、例えばファイバグラス・レインホースPET(FRPET)により射出成形して得られ、本実施例では略枠状に形成されている。・・・
【0020】このケース材(30)について更に説明すると、上述した通り枠状に形成され、その長手方向の相対向する周端部には外部リード端子(25)を導出・固定するための外部回路と接続するための複数の接続部(31)が設けられている。そして、ケース材(30)の接続部(31)が設けられてない領域には両基板(10)(20)の接続のために用いられる接続手段(40)を収納・保持するための孔(32)が設けられている。この孔(32)は、両基板(10)(20)上に設けられた接続用パッド(14)(24)の長さに対応するように形成されている。従って、本実施例では接続用パッド(14)(24)は一列状に形成されるために孔(32)も同様に一列状に形成される。仮に両接続パッド(14)(24)が二列に形成された場合には孔(32)も二列形成されることになる。・・・
・・・
【0024】第1および第2の基板(10)(20)は以下のようにして一体化される。即ち、図1および図2に示す如く、ケース材(30)の下面側に第2の基板(20)がシリコン樹脂接着剤によってあらかじめ固着固定される。この際、本実施例では、第2の基板(20)には耐絶縁性を向上させるためのアルミニウム基板からなる絶縁用基板(50)がシリコン接着剤(51)を介して接着されている。これは、図中からでは明らかにされてないが、パワー系の第2の基板(20)上では第2の基板(20)に形成された電位を安定化させる必要があるために、電源ラインあるいはグランドラインと第2の基板(20)とを短絡させている事から生ずる安全性を重要視したためである。従って、ケース材(30)には第2の基板(20)および絶縁用基板(50)とが共にシリコン樹脂で固着されることになる。・・・」

(1c)図面上方を上方向、図面下方を下方向とすると、図1、図2には、上面と下面を有する平板状の絶縁用基板(50)と、上面と下面を有し下面にシリコン接着剤(51)を介して該絶縁用基板(50)の上面と接着している平板状の第2の集積回路基板(20)と、該第2の集積回路基板(20)の上面に搭載されたパワー系の複数の回路素子(23)と、上面と下面を有し該第2の集積回路基板(20)の上面上方に配置された平板状の第1の集積回路基板(10)と、該第2の集積回路基板(20)の上面と該第1の集積回路基板の下面との間に配置されるケース材が示されている。

(1d)図1においては、該第1の集積回路基板(10)の上面に導電路(11)と小信号系の複数の回路素子(13)が形成されることが示されている。

3.当審の判断
3-1.刊行物に記載の発明
刊行物には、上記摘記事項(1b)段落【0012】の「第1および第2の集積回路基板(10)(20)に用いられる金属基板としては放熱特性と加工性を考慮して略2mm厚のアルミニウム基板が使用される。そして、そのアルミニウム基板の表面には絶縁性および表面処理の向上のために・・・酸化アルミニウム膜が形成されている。・・・」という記載から、第2の集積回路基板(20)は、放熱特性が良好であるといえる。
また、上記摘記事項(1b)段落【0024】の「本実施例では、第2の基板(20)には耐絶縁性を向上させるためのアルミニウム基板からなる絶縁用基板(50)がシリコン接着剤(51)を介して接着されている。」という記載から、該絶縁性基板(50)はアルミニウムの絶縁性基板であり、上記摘記事項(1b)段落【0012】の絶縁性の「アルミニウム基板」と同様に、良好な放熱特性を有していると理解できる。

よって、上記摘記事項(1a)?(1d)を総合すると、刊行物には、
「上面と下面を有する放熱特性が良好な絶縁性基板と、
上面と下面を有し下面が該絶縁用基板の上面にシリコン接着剤を介して接着された、放熱特性が良好な平板状の第2の集積回路基板と、
該第2の集積回路基板の上面に搭載されたパワー系の複数の回路素子と、
上面と下面を有し該第2の集積回路基板の上面上方に配置された第1の集積回路基板と、
該第2の集積回路基板の上面と該第1の集積回路基板の下面との間に配置されて、該第1の集積回路基板と該第2の集積回路基板の間を所定の間隔離間させる略枠状のケース材と、
該第1の集積回路基板と該第2の集積回路基板との接続手段を収納・保持するために該ケース材に設けられた孔とを備えた
混成集積回路装置。」の発明(以下、「刊行物発明」という。)が記載されていることになる。

3-2.対比・判断
そこで、本願発明11と刊行物発明とを対比する。
(i)刊行物発明の「下面」、「搭載」、「パワー系の複数の回路素子」、「第1の集積回路基板」、及び「略枠状のケース材」は、本願発明11の「底面」(又は「下面」)、「載置」、「半導体装置」、「回路板」、及び「囲繞手段」にそれぞれ相当する。
(ii)刊行物発明の「放熱特性が良好な絶縁性基板」は、放熱特性が良好ということから、本願発明11の「ヒートシンク」に相当するといえる。
(iii)刊行物発明の「下面が該絶縁用基板の上面にシリコン接着剤を介して接着された」形態は、シリコン接着剤が伝熱性のよい接着剤であることから、本願発明11の「ヒートシンクの上面と伝熱状態で連結した底面」を意味するといえる。
(iv)刊行物発明の「放熱特性が良好な平板状の第2の集積回路基板」は、放熱特性の良さが伝熱性の良さをそのまま意味するから、本願発明11の「平坦な伝熱性基板」に相当する。
(v)刊行物発明の(第2の集積回路基板の)「上面」は、第2の集積回路基板が平板状であって、一定の面の広さ、つまり表面積を有することになるから、本願発明11の(平坦な伝熱性基板の)「表面積を有する上面」に相当する。
(vi)刊行物発明の「該第1の集積回路基板と該第2の集積回路基板の間を所定の間隔離間させる」ことは、所定間隔の離間がスペースの形成を意味するから、本願発明11の「伝熱性基板と回路板の底面との間にスペースを形成する」ことに相当する。
(vii)刊行物発明の「第2の集積回路基板」と(該第2の集積回路基板に搭載されている)「パワー系の複数の回路素子」との間は電気接続されていることは自明であるし、また、「第1の集積回路基板」は、上記摘記事項(1d)から上面にも回路を形成していることが分かるから、刊行物発明の「該第1の集積回路基板と該第2の集積回路基板との接続手段」の示す意味は、「第1の集積回路基板の上面」と(第2の集積回路基板上の)「パワー系の複数の回路素子」とを電気接続することとなり、つまり、刊行物発明の「該第1の集積回路基板と該第2の集積回路基板との接続手段を収納・保持するために該ケース材に設けられた孔」は、本願発明11の「前記半導体装置から回路板の前記上面へと電気接続をなす、前記囲繞手段内にあるバイア」に相当するということができる。
(viii)刊行物発明の「混成集積回路装置」は、半導体装置やその他の部品を集めたものであるから、本願発明11の「半導体装置モジュール」に外ならない。

そうすると、両者は、
「上面と下面とを有するヒートシンクと、表面積を有する上面と、前記ヒートシンクの前記上面と伝熱状態で連結した底面とを有する平坦な伝熱性基板と、前記伝熱性基板の前記上面に載置した半導体装置と、底面と上面とを有し、前記伝熱性基板の前記上面の上方に配置された回路板と、伝熱性基板の前記上面と回路板の前記底面との間に配置されて、伝熱性基板と回路板の前記底面との間にスペースを形成する囲繞手段と、前記半導体装置から回路板の前記上面へと電気接続をなす、前記囲繞手段内にあるバイアとを備えた、半導体装置モジュール。」の点で一致し、次の点で相違する。

相違点:本願発明11では、ヒートシンク及び回路板が、前記ヒートシンクの上面が露出するように囲繞手段の外周を過ぎて延在してなるのに 対し、刊行物発明では、そのようになっていない点。

そこで、上記相違点について次に検討する。
ヒートシンク及び回路板を、前記ヒートシンクの上面が露出するように、半導体装置を囲む囲繞手段の外周を過ぎて延在してなるようにすることは、例えば、以下の特許文献に示すように、本願の優先権主張日前に周知である。

周知例1:特開平10-32308号公報
(周1a)「【0016】絶縁基板4は両面に金属層4a,4bを有し、金属層4aは所定の形状にパターンニングされる。あるパターン上には半導体素子1が接着される。・・・
【0017】金属支持基板5はヒートシンクの役目を果たすもので図1ではネジ15aをケース8の穴8aおよび金属支持基板5に設けた穴5aに通し外部冷却フィン14に設けた穴14aにネジ止めすることにより、外部冷却フィン14との接続を行っている。
・・・
【0019】ケース8は半導体素子の内部を封止するためのもので、底のない箱形構造をしており、その金属支持基板5側には金属支持基板5を接着するための凹部及び半導体装置を外部冷却フィン14に固定するために用いられる穴8aが設けられ、この凹部に金属支持基板5をはめ込むことでケース8の金属支持基板5に対する位置決めを行う。・・・
・・・
【0021】実装基板16は、さまざまな部品の配置及び配線がなされており、複数個の半導体装置及びコンデンサ等の電子部品を接続するとモーター制御などの機能を果たすものである。
【0022】この実装基板16と外部冷却フィン14はネジ18を実装基板16の穴16cに通し外部冷却フィンの穴14bにネジ止めすることで接続されている。・・・」

(周1b)図1には、外部冷却フィン14と実装基板16が、半導体素子1を収容するケース8の外周を過ぎて延在しているおり、該外部冷却フィン14と該実装基板16が該ケース8の外周よりも外側でネジ止めことが示されている。

周知例1には、上記摘記事項(周1a)、(周1b)を総合すると、外部冷却フィン14と実装基板16が、ケース8の外周を過ぎて延在していることが記載されており、また、実装基板16と外部冷却フィン14がケース8の外周よりも外側でネジ止めされているため、ケース8の外周よりも外側では該外部冷却フィン14の上面は露出することになる。そして、周知例1の「外部冷却フィン14」、「実装基板16」、及び「ケース8」は、本願発明11の「ヒートシンク」、「回路板」、及び「囲繞手段」に相当するから、結局、周知例1には、ヒートシンクと回路板が、囲繞手段の外周を過ぎて延在してなり、(囲繞手段の外周よりも外側では)ヒートシンクの上面が露出していることが示されていると云える。

周知例2:特開平9-17921号公報
(周2a)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、インテル社「i486」等の大型の高発熱ICを1つ有する電子機器ユニットであって、特に工場の製造現場等で長時間連続運転される産業用電子機器ユニットの冷却構造に関する。
・・・
【0003】・・・そこで、本発明は、電磁ノイズを拾うことなく、また強制冷却手段を用いることなく大型の高発熱ICを冷却できる電子機器ユニットを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、高発熱ICを実装したプリント基板を有する電子機器ユニットにおいて、前記高発熱ICの上面部に接着した金属ブロックと、前記金属ブロック上にネジ止めしたプリント基板と略同一の大きさの放熱用金属板とを備え、前記放熱用金属板の周辺部の少なく1箇所は前記プリント基板にスタッドを介して固定するとともに、前記高発熱ICの信号電位にグランドしたことを特徴とするものである。
・・・
【0006】
【実施例】・・・さて、プリント基板1に実装された高発熱IC2の上部に金属ブロック3を熱伝導性接着剤4により接着する。この金属ブロック3と密着するように、熱伝導性グリース9を介してプリント基板と概ね同寸法の金属板5を実装する。・・・金属板5は放熱用であり、アルミ板が望ましい。金属板5の4隅には、導電性のスタッド6によりプリント基板1のシグナルグランドと接続するべく、スタッド固定用の穴7を設けている。プリント基板にも、スタッド6を介して金属板5と電気的に接続するためにスタッド固定用の穴7とその周囲に配設されたランド10を設けている。すなわち、プリント基板1、プリント基板と概ね同寸法の金属板5、スタッド6、金属ブロック3はネジ8で固定し、高発熱IC2とその上部の金属ブロック3は熱伝導性の接着剤で接着する。・・・
・・・
【0008】【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、工場の製造現場等で長時間連続運転されているものには適用できない小型の電動ファンによる強制空冷を施すことなく、大型の高発熱ICを容易にかつ長時間の運転に供することのできる高信頼性を持った冷却構造を提供することができるばかりでなく、放熱用金属板を高発熱ICの信号電位にグランドさせることにより、放射雑音等の外部からの雑音に対しての耐久性が増し、また、電動ファンを使用することが無いためにコストの削減などを見込むことができる。」

(周2b)図1?図3には、高発熱IC2を搭載した金属板5とプリント基板1が、該高発熱IC2の外周よりも大きく形成されていることが示されている。

周知例2には、上記摘記事項(周2a)、(周2b)を総合すると、高信頼性を持った冷却構造提供するために、同寸法の金属板5とプリント基板1が、高発熱IC2の外周よりも大きいことが記載されている。
してみると、周知例2の「金属板5」、「プリント基板1」は、本願発明11の「ヒートシンク」、「回路板」にそれぞれ相当するし、周知例2の「高発熱IC2」は、上記摘記事項(周2a)段落【0001】の「インテル社「i486」等の大型の高発熱IC」という記載から、半導体素子を収めたケースに入れられた形状であって、本願発明11の「囲繞手段」に対応するものであるし、また、周知例2の「同寸法の金属板5とプリント基板1が高発熱IC2の外周よりも大きいこと」は、金属板5とプリント基板1が高発熱IC2の外周を過ぎて延在することになるし、金属板5における高発熱IC2が実装されている面が露出していることになるので、本願発明11の「ヒートシンクの上面が露出」し、かつ、ヒートシンク及び回路板が「囲繞手段の外周を過ぎて延在してな」ることに対応することになり、結局、周知例2にも、ヒートシンクと回路板が、ヒートシンクの上面が露出するように、囲繞手段の外周を過ぎて延在してなることが示されていると云える。


そうすると、刊行物発明のヒートシンク及び回路板において、冷却効果等のために、上記周知の、ヒートシンク及び回路板が、ヒートシンクの上面が露出するように、半導体装置を囲む囲繞手段の外周を過ぎて延在してなる構成を採用することは、当業者にとって容易に想到しうることであるといえる。
そして、上記相違点に係る本願発明11の作用効果も、格別なものは見当たらない。
したがって、本願発明11は、刊行物に記載された発明、及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項11に係る発明は、刊行物に記載された発明、及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-11 
結審通知日 2008-03-18 
審決日 2008-03-31 
出願番号 特願2000-350726(P2000-350726)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川真田 秀男和瀬田 芳正  
特許庁審判長 岡 和久
特許庁審判官 正山 旭
綿谷 晶廣
発明の名称 可撓性パワー装置  
代理人 青山 葆  
代理人 川端 純市  
代理人 石野 正弘  

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