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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 B41J
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1183797
審判番号 不服2006-519  
総通号数 106 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-01-06 
確定日 2008-09-05 
事件の表示 平成10年特許願第231849号「画像記録装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 5月11日出願公開、特開平11-123839〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成10年8月18日(優先権主張:平成9年8月20日)の出願であって、平成17年11月30日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成18年1月6日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年2月6日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。

第2.平成18年2月6日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年2月6日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についての補正を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲は、
「 【請求項1】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置において、
前記記録用回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更し、
かつ、前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、
前記回転ローラの押しつけ圧力を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、
前記回転ローラの温度を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。」
から、

「 【請求項1】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置において、
前記記録用回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更し、かつ、前記記録用回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更し、かつ、前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項3】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、
前記回転ローラの押しつけ圧力を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。
【請求項4】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、
前記回転ローラの温度を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。」
と補正された。

2.補正の目的
したがって、本件補正には、特許請求の範囲の補正として以下の補正事項が含まれる。

補正事項(1)
補正前の請求項1に記載の「前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」を、「前記記録用回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」とする補正。

補正事項(2)
補正前の請求項2に、「かつ、前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」を追加する補正。

2-1.補正事項(1)の補正目的について
拒絶査定の備考には、「「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」との記載自体技術的に意味内容が不明であって、先の拒絶理由通知書に記載した理由1も解消していない。」、「補正後の請求項1には、原点センサについても、そのズレを解消するように、例えば、同じ位置に記録開始点がくるように、原点センサから記録を開始するタイミングを記録速度によって変更する等の記載もなされておらず、よって上記したように不明確な記載であるといえる。」と示されている。
一方、審判請求書の請求の理由(平成18年2月6日付け手続補正書による)の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「(2)補正の根拠」の「a.請求項1について」において、請求人は、「拒絶査定時の請求項1の記載の「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」という文言が判り難かったので、これを明細書の段落番号【0016】に記載された内容を用いてより明確化したものであり」と主張している。
そこで、補正前の請求項1の記載をみるに、「前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を・・・変更する」と記載されているものの、「指定」が何を示すのか不明であり、それに伴い、「指定を・・・変更する」についても、何をすることを示しているのか不明確なものとなっている。
これに対して、補正事項(1)は、記録色毎に変更されるのが記録用回転ドラムの回転速度(記録色毎の記録速度)であり、指定の内容が原点センサから記録を開始するタイミングであることを明らかにすることにより、拒絶査定で指摘された拒絶の理由に示す事項について、その不明りょうさを正して、その記載本来の意味内容を明らかにする補正であるから、この補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第4号に掲げられた明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。

2-2.補正事項(2)の補正目的について
最初に、補正事項(2)が、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第4号に掲げられた明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的としているかについて検討する。
請求人は、審判請求書の請求の理由(平成18年2月6日付け手続補正書による)の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「(2)補正の根拠」の「b.請求項2について」において、「請求項2の下線部が今回の補正箇所であり、拒絶査定時の請求項2の記載は拒絶査定時の請求項1の記載と同じく「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」という文言が判り難かったので、これを明細書の段落番号【0016】に記載された内容を用いてより明確化したものであり」と主張している。
しかしながら、補正前の請求項2には、「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」との記載は存在していない。
拒絶査定の備考には、「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」との記載が不明確であると示されているが、前記したように、補正前の請求項2には、「記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置の指定を前記記録色毎に変更する」との記載は存在していないのであるから、拒絶査定は補正前の請求項2に対して不明確であることを示したものではない。
してみれば、補正事項(2)は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第4号に掲げられた明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的としているとは認められない。

次に、補正事項(2)が、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的としているかについて検討する。

・課題の同一性について
補正前の請求項2に記載された発明は、スクイージを行うための「回転ローラ」を有し、回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を、トナーシートの記録色毎に変更する構成を有するものである。そして、この構成によって解決しようとする課題に関する記載は、発明の詳細な説明の段落【0005】、【0017】に記載されている。
発明の詳細な説明の段落【0005】には、「第三は、スクイージ速度の設定である。高精細・高品質が要求されるカラープルーフ用のプリンタでは、複数色のトナーシートを用いるが、各々のトナーシート毎に受像シートとの密着特性が異なる。しかし、従来の画像記録装置では、装置の小型化・簡略化のために、スクイージ速度の設定が一定の値に制限されていた。したがって、感度の良いトナーシートでは、画素の太り・非画像部のカブリ・隔離画素のブリッジ・受像層の逆転写などが発生したり、全体的に濃度が濃くなったりする一方、感度の悪いトナーシートでは、画像ムラ・画素の細り・網点の抜けが発生したり、全体的に濃度が薄くなったり、画像データ通りの記録ができなかったりするという問題があった。」と記載され、段落【0017】には、「KCMY各トナーシートは、使用する色材やバインダーが微妙に異なるので、受像層とトナー層の密着する度合いが回転ローラの回転速度によって異なる。また、2色目以降にスクイージする場合、前色までのスクイージの影響で受像層の状態が変わるので、その受像層の状態に合わせた速度でスクイージする必要がある。そこで、・・・トナーシートと受像シートの密着を最適の状態にすることができる。このため、記録後の画像は、(1)感度の良いトナーシートでの過度の密着による画素の太り・非画像部のカブリ・隔離画素のブリッジ・受像層の逆転写などが発生したり、全体的に濃度が濃くなったりするという問題が解消できる。(2)感度の悪いトナーシートでの密着不良による画像ムラ・画素の細り・網点の抜け・光熱変換像の異常転写が発生したり、全体的に濃度が薄くなったり、画像データ通りの記録ができなかったりするという問題が解消できる。」と記載されている。
これらの記載から、補正前の請求項2に記載された発明の解決しようとする課題は、トナーシートの記録色の違いによるトナーシートと受像シートの密着性の問題であると認められる。
一方、補正後の請求項2に記載された発明には、「かつ、前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」との構成が付加されたものであり、該構成が解決しようとする課題は、トナーシートの記録色の違いから生じる光ヘッドの移動速度の違いによって記録開始位置がずれるという問題であると認められる。
したがって、補正後の請求項2に記載された発明の解決しようとする課題は、「かつ、前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」との構成が付加されたことによって、トナーシートの記録色の違いによるトナーシートと受像シートの密着性の問題と、トナーシートの記録色の違いから生じる光ヘッドの移動速度の違いによる記録開始位置のずれの問題となったものと認められる。
してみると、補正事項(2)の補正によって、新たな課題が追加されたものである。そして、追加された課題は、補正前の請求項2に記載された発明の課題をより概念的に下位にするものでも、同種のものでもないから、補正前後の発明の課題が密接に関連するとはいえず、補正前と補正後の請求項2に記載された発明の解決しようとする課題は同一ではない。

・発明を特定するための事項の限定であるかについて
補正前の請求項2には、発明特定事項として記録を開始するタイミングに関する記載は見当たらない。
一方、補正後の請求項2には、発明特定事項として「前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」との構成が記載されている。
そして、補正前の請求項2には、記録を開始するタイミングに関する記載がないのであるから、記録を開始するタイミングを具体的に特定する発明特定事項を追加する補正は、発明を特定するための限定であるとはいえない。

したがって、この補正は、補正前後の発明の課題が同一であるとも、発明を特定するための限定であるともいえないから、補正事項(2)は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的としているとは認められない。

また、補正事項(2)は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号に掲げられた請求項の削除、同第3号に掲げられた誤記の訂正のいずれかを目的としてなされたものとも認められない。

ここで、補正事項(2)について、補正前の請求項2から補正後の請求項2に補正したものではなく、補正前の請求項1から補正後の請求項2に補正したとも考えられるので、その場合についても検討しておく。
その場合、補正前の請求項1から補正後の請求項1,2が対応することになるが、補正前の請求項1が実質的に複数の請求項を含むものではないから、この補正は新たな請求項を追加する補正であり増項補正と言わざるを得ず、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号から第4号に掲げられた請求項の削除、請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれかを目的とするものとも認められない。

よって、補正前の請求項2に係る発明から、補正後の請求項2に係る発明とする補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号から第4号に掲げられた請求項の削除、請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものとも認められない。また、補正前の請求項1に係る発明から、補正後の請求項2に係る発明とする補正であるとしてみても、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号から第4号に掲げられた請求項の削除、請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものとも認められない。

2-3.補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合について
上記のとおり、補正後の請求項2についてする補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第1号から第4号に掲げられた請求項の削除、請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものとも認められない。
仮に、補正事項(2)が、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであると仮定した場合についても、一応検討することとする。

(1)本願補正発明
本願の請求項1乃至4に係る発明は、平成18年2月6日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるものであり、その請求項2に係る発明(以下「本願補正発明」という。)は、以下のとおりである。
「 【請求項2】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更し、かつ、前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更することを特徴とする画像記録装置。」

(2)刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張日前に頒布された特開平7-276681号公報(以下、「刊行物」という。)には、以下の記載が図示とともにある。
(ア)「【産業上の利用分野】本発明は、色材層を有する色材シートと、色材シートから画像が転写される受像材料とを用い、色材層を画像様に加熱して、色材を受像材料の受像層に加熱転写する画像記録装置に関し、特にカラー画像記録であっても、高速かつ高画質な画像記録が可能な画像記録装置に関する。」(段落【0001】)
(イ)「図2に示される例において、色材シート10は、支持体18、支持体18上に形成され、光熱変換物質を含む光熱変換層19、光熱変換層19上に形成される熱剥離層20および熱剥離層20上に形成されるトナー等の顔料を含む色材薄膜(以下、色材層という)22とを有する。」(段落【0024】
(ウ)「図2に示される画像記録工程においては、図2(a)に示されるように、受像材料12と色材シート10とを色材層22と受像層16とが対面するように搬送し、図2(b)に示されるように、保護シート17を受像材料12から剥がして、色材シート10と受像材料12とを加熱ローラなどのラミネート手段によって加圧、さらに必要に応じて加熱して積層し、色材層22と受像層16とを均一の粘着力で接着する。
次いで、図2(c)に示されるように、露光ヘッド24の光源24aから射出され結像レンズ24bでスポット径が絞られたレーザビーム等の光ビームによって色材シート10が像様に露光されると、色材シート10の光熱変換層19によって光ビームが熱に変換され、その熱が熱剥離層20に伝導され、画像が潜像として記録される。この画像記録によって、露光部分の熱剥離層20による色材層22の接着力は低下し、色材層22は容易に剥離可能な状態となる。図中参照符号23は、熱剥離層20に生じた接着力低下部分を示す。なお、ラミネート手段による色材シート10と受像材料12との積層(色材層22と受像層16との粘着)は、光ビームの照射部分だけでもよく、あるいは両材料全面的であってもよい。」(段落【0034】?【0035】)
(エ)「このような図2に示すカラー画像記録方法を実施する本発明のカラー画像形成装置の概念図が図1に示される。同図に示す画像記録装置30は、フルカラー画像を得るためのもので、色材シート10および受像材料12の供給部32と、色材シート10等を画像記録位置で保持する保持部材かつ色材シート10の搬送手段を兼ねる回転ドラム34と、回転ドラム34上に設けられる感材固定/解除機構36と、回転ドラム34の外周に沿って配置されるラミネート機構38と、露光手段40と、剥離機構42と、給紙部44と、ラミネート部46と、定着部48と、剥離部50と、トレイ部52と制御部54とを有する。」(段落【0038】)
(オ)「このような画像記録装置30においては、まず、供給部32から回転ドラム34に受像材料12を供給して感材固定/解除機構36によって固定し、次いで、感材供給部32から回転ドラム34に色材シート10を供給して、ラミネート機構38によって受像材料12上に色材シート10を粘着して積層する(図2(a)?(b)参照)。その後、制御部54からの画像信号に応じて制御された露光ヘッド24によって色材シート10を像様に光ビームで露光・加熱して潜像として画像を記録する(図2(c)参照)。続いて、剥離機構42によって色材シート10を回転ドラム34上に固定されている受像材料12から剥離して、潜像として記録された色材シート10の画像を受像材料12に転写して現像して、受像材料12上に画像を形成する(図2(d)参照)。
以上の操作(図2(b)?(d)の工程)を3?4色について繰り返し、受像材料12上にカラー画像を形成した後(図2(e)参照)、この受像材料12と給紙部44から供給された本紙14とをラミネート部46で積層・密着し、定着部48で受像材料12の受像層16を光硬化させた後、剥離部50で剥離し(図2(f)参照)、フルカラー画像が形成された本紙14はトレイ52aに、使用済受像材料12は廃材スタッカ52bに排出される。こうして、フルカラー画像をハードコピーとして得ることができる。」(段落【0039】?【0040】)
(カ)「次いで、回転ドラム34の外周上に巻き付けられた受像シート12上に、同様にして供給部32から搬送されてきた色材シート10が積層して巻き付けられる。この色材シート10の受像シート12上への積層は、内部にヒータを内蔵してもよいラミネートローラ58と、ラミネートローラ58を支点59aを中心に回動し、回転ドラム34の外周に接離させるアーム59と、ラミネートローラ58を所定押圧力でドラム外周に押圧する押圧手段60からなるラミネート機構38によって行われる。」(段落【0043】)
(キ)「ここで、C、M、YおよびK等の各種の色材シートは、それぞれ感度、すなわち色材層の色材を受像材料に転写可能な状態とするのに必要な露光量(つまり熱エネルギの量)に差がある場合が多い。そのため、従来の画像記録装置では、通常は最も感度の低い(熱量が必要な)色材シートに合わせて画像記録速度等の記録条件を設定するので、すべての色材シートによる画像記録を低速で行う結果となり、画像記録に時間がかかる。しかも、色の違いで記録される画像の濃度(受像材料に転写される1画素の面積)が異なってしまい、色バランスの崩れた画像となってしまう。これに対し、本発明にかかる画像記録装置30においては、C、M、Y等、使用する色材シート10の感度に応じて、制御部54は光ビームLの強度、画像記録速度(回転ドラム34の回転速度、露光ヘッドの24の移動速度)を調整する。すなわち、感度の低い色材シート10を使用する場合には、制御部54は光ビームL強度の向上あるいは記録速度の低下の少なくとも一方を実施し、逆に、感度の高い色材シート10を使用する場合には、制御部54は光ビーム強度の低下あるいは記録速度の上昇の少なくとも一方を実施する。」(段落【0064】?【0065】)

したがって、上記記載及び図面を含む刊行物全体の記載から、刊行物には、以下の発明が開示されていると認められる。
「回転ドラムと露光ヘッドとを有し、前記回転ドラム上に受像材料と色材シートとを密着させて載置し、前記露光ヘッドで前記色材シートを照射することで前記受像材料にカラー画像を記録する画像記録装置であって、記録前に積層された受像材料と色材シートを押圧するラミネートローラを有してなる画像記録装置において、色材シートの感度に応じて、回転ドラムの回転速度を変更する画像記録装置。」

(3)対比
本願補正発明と刊行物記載の発明とを対比する。
刊行物記載の発明の「回転ドラム」は、本願補正発明の「記録用回転ドラム」に相当する。
刊行物の前記記載(ウ)には、露光ヘッドがレーザビーム等の光ビームにより露光することが記載されているから、刊行物記載の発明の「露光ヘッド」は、本願補正発明の「記録用レーザヘッド」に相当する。
刊行物記載の発明の「受像材料」がシート状であるのは明らかであり、刊行物記載の発明の「受像材料」は、本願補正発明の「受像シート」に相当する。
刊行物の前記記載(イ)には、色材シートの色材層にトナー等の顔料を含むことが記載されているから、刊行物記載の発明の「色材シート」は、本願補正発明の「トナーシート」に相当する。
刊行物記載の発明の「記録前に積層された受像材料と色材シートを押圧するラミネートローラ」は、記録前に、回転ドラム上に受像材料と色材シートとを重ねて載置した上から押圧するものであるから、本願補正発明の「記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラ」と相違するものではない。
刊行物の前記記載(キ)には、色材シートの感度は、C,M,Y等によって変わることが記載されているから、刊行物記載の発明における「色材シートの感度に応じて、回転ドラムの回転速度を変更する」は、「色材シートの記録色毎に、回転ドラムの回転速度を変更する」といえる。そして、前記で検討したように、刊行物記載の発明の「色材シート」及び「回転ドラム」は、本願補正発明の「トナーシート」及び「記録用回転ドラム」に相当するから、本願補正発明と刊行物記載の発明とは、「トナーシートの記録色毎に、記録用回転ドラムの回転速度を変更する」点で共通する。

よって、両者は、以下の点で一致する。
<一致点>
「記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって、記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、トナーシートの記録色毎に、記録用回転ドラムの回転速度を変更する画像記録装置。」

そして、両者は、以下の点で相違する。
<相違点1>
トナーシートの記録色毎に、記録用回転ドラムの回転速度を変更する点に関し、本願補正発明は、「前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更する」と特定されているのに対して、刊行物記載の発明では、そのような特定がされていない点。

<相違点2>
本願補正発明では、「前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」と特定されているのに対し、刊行物記載の発明ではそのような特定がされていない点。

(4)判断
<相違点1について>
本願補正発明では「前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更する」と記載されている。そして、回転ローラが駆動の場合と回転ドラムが駆動の場合とが択一的に記載され、本願補正発明はその両者を包含するものである。
ここで、回転ドラムが駆動の場合について検討する。
色材シートと受像シートをドラムに重ねて巻回し、ドラムを回転させながら記録ヘッドで記録を行う画像記録装置において、ドラムを回転駆動させることは例示するまでもなく周知である。
刊行物には、回転ドラムとラミネートローラがどのように駆動されるかについて記載されていないが、前記のとおり、色材シートと受像シートが巻回されたドラムを回転駆動させることは周知であることから、刊行物記載の発明において、記録用回転ドラムを回転駆動させることは当業者が容易に想到し得ることである。
その場合に、同じ記録色のときの記録時及びスクイージ時における回転ドラムの回転速度を同じ速度とすることは、当業者が容易になし得ることであるから、記録時のみならずスクイージ時においても、記録色毎に記録用回転ドラムの回転速度を変更するようにすることは当業者が容易に想到し得ることであって、本願補正発明の相違点1に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得たものである。
また、回転ローラが駆動の場合を把握してみても、受像シートとトナーシートが良好に搬送されるべき観点において、前記の回転ドラムが駆動の場合と異なるところはなく、やはり当業者が容易に想到し得たものと言わざるを得ない。

<相違点2について>
刊行物の前記記載(キ)には、「C、M、Y等、使用する色材シート10の感度に応じて、制御部54は光ビームLの強度、画像記録速度(回転ドラム34の回転速度、露光ヘッド24の移動速度)を調整する。」と記載されており、色材シートの感度に応じて、露光ヘッドの移動速度を変更することが記載されている。
ここで、色材シートを変えて露光ヘッドの移動速度を変えた場合に、記録開始のタイミングをどのようにしているかは刊行物に記載されておらず、露光ヘッドの位置を検知するセンサを有するかも不明である。
しかしながら、例えば、キャリッジが往復するシリアル方式の記録ヘッドにおいて、記録ヘッドの位置を検知して、検知した信号に基づいて記録開始を行うようにすることが周知であるように、移動する記録ヘッドの位置をセンサで検知して、検知した信号に基づいて記録開始を行うようにすることは周知技術であって、刊行物記載の発明において、露光ヘッドを検知するセンサを設けることは当業者が容易に想到することである。
そして、複数色の記録開始位置を一致させることは記録装置としての当然の要求であるから、刊行物記載の発明において、色材シートの色毎に露光ヘッドの移動速度を異ならせる場合に、複数色の記録開始位置を一致させるために、センサが露光ヘッドを検知してから記録開始までのタイミングを各色間で変更することも当業者であれば容易に想到することである。
よって、刊行物記載の発明及び周知技術から、本願補正発明の相違点2に係る構成とすることは当業者が容易に想到することである。

なお、請求人は、平成17年10月28日付けの意見書において「さらに、トナーシートの感度に合わせて記録速度を変えると光ヘッドの移動速度が変わる結果、光ヘッドが原点センサを通過する速度も変化し、センサの感度時間(反応してから信号を出力するまでの時間)の差により、記録開始位置がずれるという問題が解決されることになります。」と主張し、審判請求書の請求の理由の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「(6)本願請求項2記載の発明」において、「請求項2記載の発明も、本願請求項1記載の発明と中核部分の構成は同じであり、本願請求項1記載の発明のところで述べた主張と同じく」と記載され、審判請求書の請求の理由の「3.本願発明が特許されるべき理由」の「(5)本願請求項1記載の発明と各引用文献記載の発明との対比」において、「しかしながら、その後のニーズ・用途の多様化により、先行発明による印刷物を拡大して使用する段階になって初めて、本願明細書記載のような「色ズレ」等のような問題点があることが判り、そして実験を繰り返した結果、「色ズレ」等のような問題点は、本願請求項1記載の装置を用いることにより、ようやく解決できたのであります。」と主張する。
しかし、この点に関し、請求項2の記載では、センサが感度時間を有することによって生じる色ズレを解決するための具体的手段は明らかでなく、回転ローラまたは回転ドラムの回転速度を記録色毎に変更しても記録開始位置が同じ位置にくることと、センサから記録を開始するタイミングを記録色毎に変更することを特定しているに過ぎない。
請求人の前記主張は、本願補正発明と刊行物記載の発明との課題の相違を主張するものであるが、解決すべき構成上の差異は前記したとおり当業者が容易に想到し得る構成であって、異なる課題解決手段を特定したものではなく、請求人の上記主張は採用できない。

そして、本願補正発明の作用効果も、刊行物記載の発明及び周知技術から当業者が予測できる程度のものである。

(5)補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合のむすび
したがって、本願補正発明は、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.補正却下の決定のまとめ
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定された要件に違反するものであるし、また、仮に、本件補正のうちの補正事項(2)の補正目的が、特許請求の範囲の減縮を目的として補正されたものであるとしても、同法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
平成18年2月6日付けの手続補正は却下されることとなったので、本願の請求項1乃至4に係る発明は、平成17年10月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至4に記載された事項により特定されるものであり、その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。

「 【請求項2】 記録用回転ドラムと記録用レーザヘッドとを有し、前記記録用回転ドラム上に受像シートとトナーシートとを密着させて載置し、前記記録用レーザヘッドで前記トナーシートを照射することで前記受像シートにカラー画像を記録する画像記録装置であって記録前のスクイージ時の前記受像シートと前記トナーシートとを密着させるために前記両シートに押しつける回転ローラを有して成る画像記録装置において、前記回転ローラが駆動の場合の回転ローラの回転速度、または前記回転ドラムが駆動の場合の回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更することを特徴とする画像記録装置。」

1.刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張日前に頒布された刊行物及びその記載事項は、前記「第2.平成18年2月6日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2-3.補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合について」の「(1)刊行物」に記載したとおりである。

2.対比・判断
前記「第2.平成18年2月6日付けの手続補正についての補正却下の決定」で示した「2-3.補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合について」において、本願補正発明は、本願発明の画像記録装置について、「前記回転ローラまたは前記回転ドラムの回転速度を前記トナーシートの記録色毎に変更しても前記記録用レーザヘッドの移動方向記録開始位置が同じ位置にくるように原点センサから記録を開始するタイミングを前記記録色毎の記録速度によって変更する」点を限定していると仮定して検討したものであるから、本願発明は、その限定を省いたものである。
そうすると、実質的に本願発明の発明を特定する事項を全て含み、さらに他の発明を特定する事項(上記「限定」)を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2.平成18年2月6日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2-3.補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合について」の「(4)補正事項(2)を特許請求の範囲の減縮と仮定した場合のむすび」に記載したとおり、刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、本願の優先権主張日前に頒布された刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-07-04 
結審通知日 2008-07-09 
審決日 2008-07-23 
出願番号 特願平10-231849
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
P 1 8・ 572- Z (B41J)
P 1 8・ 574- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 尾崎 俊彦  
特許庁審判長 酒井 進
特許庁審判官 江成 克己
菅藤 政明
発明の名称 画像記録装置  
代理人 高松 猛  
代理人 矢澤 清純  

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