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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F |
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管理番号 | 1184031 |
審判番号 | 不服2006-9481 |
総通号数 | 106 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-10-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-05-11 |
確定日 | 2008-09-10 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第 24084号「ファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブック」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 8月21日出願公開、特開平10-222067〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成9年2月6日の出願であって、平成18年4月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月11日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年6月12日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。 2.平成18年6月12日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成18年6月12日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] (1)補正の内容 本件補正により、本件補正前の平成18年1月16日付け手続補正書により補正された請求項1が、 「ホルダーに、少なくとも表裏側面のいずれかの一方が透明の複数のリフィルを着脱自在に保持するとともに前記複数のリフィルにメニューカードを差し替え自在に装入することにより構成したメニューブックにおいて、 表紙とウラ表紙を折り目を介して連結し前記表紙と前記ウラ表紙の内側面にそれぞれ透明な合成樹脂シートを融着してメニューカードの収納部を設けるとともに前記ウラ表紙に複数の穴を前記折り目に沿って形成したホルダーと、 前記複数の穴と対応させた穴を設けた止着部を有するリフィルと、 内ネジを形成した内ネジ部材および前記内ネジに着脱自在に螺合可能な外ネジ部材とからなるネジ部材および前記内ネジ部材の貫通可能な穴を形成した押さえ板とからなるリフィルの着脱手段とを備え、 前記ウラ表紙の外側面より挿入した前記内ネジ部材に前記リフィルの穴を挿通して複数のリフィルを保持するとともに前記内ネジ部材に前記押さえ板を挿通して前記内ネジ部材に外ネジ部材を螺合し前記リフィルの最上側の止着部を前記押さえ板により押さえて前記複数のリフィルを前記ホルダーに着脱自在に止着することにより構成したことを特徴とするメニューブック。」から 「左側部に表紙3,その右側部にウラ表紙4を設けて、半透明のP・P(ポリプロピレン)、その他の合成樹脂板にて本体2を一体に形成するとともに、この本体2の表紙3とウラ表紙4の内側に、それぞれメニューカードの差し込み口13,14を有するメニューカードのポケット部8,9を設け、さらにこの本体2の表紙3とウラ表紙4間に折り目5を設けて、この折り目5を介して表紙3とウラ表紙4を互いに内側に折り重ねられるようにするとともに前記折り目5とウラ表紙4の折り目5に沿う側縁部にリフィルを着脱自在に保持する、前記ウラ表紙4の側縁部の長さ方向間に4個の止ネジ用の穴7を開口した着脱部6を設けて構成したホルダー1と、 前記ホルダー1のウラ表紙4のポケット部9と同一の大きさから成る、メニューカードの差し込み口23を有するメニューカードを収納するポケット部21を設けるとともにこのポケット部21の左側縁に沿う縁部にホルダー1の着脱部6に着脱自在に止着する4個の止ネジ用の穴7に対応する位置に4個の穴24を設け、ポリプロピレン等の軽量な合成樹脂シートにて形成したリフィル20と、 上下方向間に3枚のミニメニューカードを収納する、それぞれミニメニューカードの差し込み口35を有するポケット部31,32,33を設けるとともにホルダー1の着脱部6の各穴7との対応位置に4個の止ネジ用の穴36を設け、ポリプロピレン等の軽量な合成樹脂シートにて形成したミニメニューカード用のリフィル30と、 外ネジ42aを有する雄ネジ42と内ネジ43aを有する雌ネジ43から成る止ネジ40と、前記ホルダー1の着脱部6の縦の長さと横幅に対応せしめた長さと横幅を有するとともに、その長さ方向間にホルダー1の着脱部6の各穴7との対応位置に止ネジ用の4個の穴44を開口して、ポリプロピレン、その他の硬質の合成樹脂板にて形成した押さえ板41から成る前記ホルダー1の着脱部6とともに前記リフィル20、ミニメニューカード用のリフィル30をホルダー1に着脱自在に保持する着脱手段、とを備え、 前記ホルダー1のウラ表紙4の外側の各穴7より、前記着脱手段の止ネジ40の雌ネジ43を差し込んだ後、ウラ表紙4の内側に突出した各雌ネジ43に、メニューブックMの構成に要求される枚数の前記リフィル20及びミニメニューカード用のリフィル30の止着部22,34の各穴24,36をそれぞれ位置合わせしつつ嵌合して、各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34をホルダー1の着脱部6上側に重合せしめ、さらに、このホルダー1の着脱部6の最上側に重合されるリフィル20あるいはリフィル30の止着部22あるいは止着部34の上側に、前記押さえ板41の各穴44を前記各雌ネジ43に嵌合せしめつつ、押さえ板41を重合せしめた後、前記各雌ネジ43に雄ネジ42を螺合して、各止ネジ40により、押さえ板41を介装した状態にて、前記各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34を止着して構成したファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブックにおいて、 一側面には表紙3の外側より透視し得る、メニューの表紙3用の文字、図形、その他の模様等を施すとともに他側面には、ホルダー1の内側面においてポケット部8の透明シート11を介して透視し得るメニューに必要な、物品の写真及びこれに関連する文字等、その他の必要事項を施して形成したメニューカード10を、前記ホルダー1の表紙3のポケット部8内に収納して、表紙3の外側より透視されるメニューカード10の一側面によりメニューブックMの表紙3のデザインを形成するとともに、ポケット部8のシート11を介して透視されるメニューカード10の他側面により、メニューブックMの第1頁のメニューを形成し、 一側面にはメニューブックMの裏面の意匠を施すとともに他側面にはメニューブックMの最終頁のメニューを表示して形成したメニューカード10を、前記ホルダー1のウラ表紙4のポケット部9内に収納して、ウラ表紙4の外側にて、ホルダー1の本体2を介して透視されるメニューカード10の一側面により、メニューブックMの裏面の意匠を形成するとともに、ポケット部9のシート12を介して透視されるメニューカード10の他側面によりメニューブックMの最終頁を形成し、 両面にメニューに必要な物品の写真及びこれに関連する文字等の表示文字その値段等、その他の必要な事項を施して形成したメニューカード28を前記リフィル20のポケット部21内に収納して、ポケット部21のシート25を介して透視されるメニューカード28の一側面によりメニューブックMの所要頁のメニューを、ポケット部21のシート26を介して透視されるメニューカード28の他側面によりメニューブックMの所要頁のメニューを、それぞれ形成し、 さらに、両面に、時間帯や日別によって差し替えるメニュー用のカードに必要な事項を施して形成したミニメニューカード29をリフィル30のミニメニューカード29のポケット部31、32、33に収納してリフィル30の各ポケット部31、32、33の表側及び裏側シート37、38を介して透視されるミニメニューカードの両側面によりメニューブックMの前記頁以外の所要頁のメニューを形成することができるように構成したことを特徴とするファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブック。」と補正された。 (2)本件補正の目的 本件補正によって、補正前の請求項1に、「表紙とウラ表紙の内側面にそれぞれ透明な合成樹脂シートを融着してメニューカードの収納部を設ける」とあったものが、補正後の請求項1においては、「この本体2の表紙3とウラ表紙4の内側に、それぞれメニューカードの差し込み口13,14を有するメニューカードのポケット部8,9を設け、」と補正され、「合成樹脂シートを融着して」収納部(補正後の「ポケット部8,9」)を設ける構成が削除されることになった。 この請求項1の補正は、補正前には表紙あるいはウラ表紙とともに収納部を形成するものが合成樹脂シートに特定され、しかも両者が融着されているものに特定されていたにもかかわらず、該特定を削除したものであるから、特許請求の範囲を拡張したものといわざるを得ない。よって補正前の請求項1の発明特定事項のいずれかを限定する補正ではないから、平成18年改正前特許法第17条の2条第4項第2号に記載された特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。 また、原査定の拒絶の理由として、当該補正事項に関係する記載不備等の拒絶理由は通知されていないことから、同法第17条の2第4項第4号に記載された明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的としたものとも認められない。 さらに、同項第1号に記載された請求項の削除、同項第3号に記載された誤記の訂正を目的としたものでないことは明らかである。 よって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反する補正を含むものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 上記のごとく、本件補正は、補正目的に違反している補正を含むものであるが、その他の補正においては、補正前の請求項1の発明特定事項を限定する補正がなされていることから、本件補正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)否かについても、以下、念のため検討しておく。 (3)補正発明の認定 本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)は、前記「(1)本件補正の内容」で示した、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載されたとおりのものと認める。 (4)引用刊行物 本願出願前に頒布された刊行物であり、原査定の拒絶の理由に引用された登録実用新案第3015250号公報(以下、「刊行物」という。)には、以下の記載が図示とともにある。 ア.「【請求項1】 比較的厚手の化粧カバーと、メニュー表が差込み保持されるポケット部を有する透明な合成樹脂シートからなるメニューホルダーとを互いに分離可能に二つ折り状態で重ね合わせ、かつこれら化粧カバーとメニューホルダーとの互いの折り代の両端縁部を一対のクリップ部材にて圧接状態で弾性的に挾持するとともに、これら各々のクリップ部材の挾持面を面接触の易滑面に形成したことを特徴とするメニューブック。」 イ.「【0001】 【産業上の利用分野】 この考案は、例えば小料理店などにおける献立表示に用いられメニューブックに関し、特に、互いに分離可能に二つ折り可能で重ね合わされる化粧カバーとメニューホルダーとの止着構造に工夫を施すことにより、メニューホルダーの取外し及び止着を簡便かつ容易に行なえるようにするとともに、互いの止着部位の傷付きを防止し、長期に亘る美観性の維持を図るようにしたものである。」 ウ.「【0009】 このメニューブック1は、化粧カバー2とメニューホルダー3とを互いに分離可能に二つ折り状態で重ね合わせてなり、図2及び図3に示すように、前記化粧カバー2は、表面にレザークロスやビロード等が貼着された比較的厚手の板材を中央部の折り代21にて左右対照的に二つ折り可能になっている一方、前記メニューホルダー3もまた、透明な合成樹脂シートを中央部の折り代31にて左右対照的に二つ折り可能になっているとともに、例えば2枚の透明な合成樹脂シートの上端部を除く周囲を熱溶着3aすることにより、左右にメニュー表Mが差込み保持されるポケット部32,32を形成している。 【0010】 そして、前記メニューブック1を構成する化粧カバー2とメニューホルダー3とは、互いの折り代21及び31の両端縁部21a,21a及び31a,31aを一対のクリップ部材10,10にて圧接状態で弾性的に挾持することにより、互いに取外し分離可能に止着されている。」 エ.【図3】より、化粧カバー2本体が折り代21を中央に一体に形成される点、メニューホルダー3がメニュー表Mの差し込み口を有する点が看取できる。 ウ.の「化粧カバー2は・・・板材を中央部の折り代21にて左右対照的に二つ折り可能になっている」の記載より、刊行物記載の化粧カバーにおいても、二つ折り可能になっている左側部を「表紙」と称することができ、左側部を「表紙」と称した場合、右側部を「ウラ表紙」と称することができる。また、折り代21は表紙とウラ表紙間に設けられ、この折り代21を介して表紙とウラ表紙を互いに内側に折り重ねられるようにされているといえる。 上記記載を含む刊行物全体の記載から、刊行物には、以下の発明が開示されていると認めることができる。 「左側部に表紙、その右側部にウラ表紙、表紙とウラ表紙間に折り代21を設けて、本体を板材で一体に形成するとともに、この折り代21を介して表紙とウラ表紙を互いに内側に折り重ねられるようにするとともに、折り代21の両端縁部21a,21aにメニューホルダー3を取外し分離可能に止着する化粧カバー2と、メニュー表Mの差し込み口を有し、メニュー表Mを差込み保持するポケット部32を設けるとともに、両端縁部31a,31aが化粧カバー2の折り代21の両端縁部21a,21aと互いに取外し分離可能に止着される折り代31を有し、透明な合成樹脂シートにて形成したメニューホルダー3と、化粧カバー2とメニューホルダー3を取外し分離可能に止着するクリップ部材10,10とを備え、化粧カバー2とメニューホルダー3とは、互いの折り代21及び31の両端縁部21a,21a及び31a,31aを一対のクリップ部材10,10にて圧接状態で弾性的に挾持し、メニュー表Mをメニューホルダー3のポケット部32に差込み保持できる小料理店などにおける献立表示に用いられるメニューブック。」(以下、「引用発明」という。) (5)対比・判断 補正発明と上記引用発明とを対比する。 引用発明の「化粧カバー2」、「メニュー表M」はそれぞれ補正発明の「ホルダー」、「リフィルに収納されるメニューカード」に相当する。 引用発明の「折り代21」と補正発明の「折り目」は、ホルダーの「折り部」である点で共通する。 引用発明の「メニューホルダー3」と補正発明の「リフィル20及びミニカード用リフィル30」は、「リフィル」の点で共通する。 引用発明において、化粧カバー2は折り代21の両端縁部21a,21aにメニューホルダー3を取外し分離可能に止着するから、引用発明と補正発明は、ホルダーに「リフィルを着脱自在に保持する着脱部を設けて構成した」点で共通する。 引用発明において、メニューホルダー3は両端縁部31a,31aが化粧カバー2の折り代21の両端縁部21a,21aと互いに取外し分離可能に止着される折り代31を有しているから、引用発明と補正発明は、リフィルを「ホルダーの着脱部に着脱自在に止着する」点で共通する。 引用発明において、化粧カバー2の折り代21の両端縁部21a,21aとメニューホルダー3の折り代31の両端縁部31a,31aを取外し分離可能に止着するクリップ部材10,10とを備えているから、引用発明と補正発明は、「ホルダーの着脱部とともにリフィルをホルダーに着脱自在に保持する着脱手段とを備え」る点で共通する。 引用発明において、化粧カバー2とメニューホルダー3とは、互いの折り代21及び31の両端縁部21a,21a及び31a,31aを一対のクリップ部材10,10にて圧接状態で弾性的に挾持しているから、引用発明と補正発明は、「リフィルの止着部をホルダーの着脱部上側に重合せしめ、リフィルの止着部を止着した」点で共通する。 引用発明において、メニューホルダー3は透明な合成樹脂シートから形成され、そのポケット部32にメニュー表Mを差込み保持させた場合、メニュー表Mがポケット部32の透明な合成樹脂シートを介して透視され、メニュー表Mによってメニューブックの所用頁を形成することができるといえるから、引用発明と補正発明は、「メニューカードをリフィルのポケット部内に収納して、ポケット部のシートを介して透視されるメニューカードによりメニューブックの頁を形成することができるように構成した」点で共通する。 引用発明においても、小料理店などにおける献立表示に用いられるメニューブックであるから、引用発明と補正発明は、「外食店舗において使用するメニューブック」である点で共通する。 したがって、補正発明と引用発明を比較すると、 「左側部に表紙,その右側部にウラ表紙を設けて、本体を板材で一体に形成するとともに、表紙とウラ表紙間に折り部を設けて、この折り部を介して表紙とウラ表紙を互いに内側に折り重ねられるようにするとともに、リフィルを着脱自在に保持する着脱部を設けて構成したホルダーと、 メニューカードの差し込み口を有するメニューカードを収納するポケット部を設け、ホルダーの着脱部に着脱自在に止着する合成樹脂シートにて形成したリフィルと、 ホルダーの着脱部とともにリフィルをホルダーに着脱自在に保持する着脱手段とを備え、リフィルの止着部をホルダーの着脱部上側に重合せしめてリフィルの止着部を止着し、 メニューカードをリフィルのポケット部内に収納してポケット部のシートを介して透視されるメニューカードによりメニューブックの頁を形成することができるように構成した外食店舗において使用するメニューブック。」の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1]ホルダー1について、補正発明においては「半透明のP・P(ポリプロピレン)、その他の合成樹脂板にて本体2を一体に形成するとともに、この本体2の表紙3とウラ表紙4の内側に、それぞれメニューカードの差し込み口13,14を有するメニューカードのポケット部8,9を設け、さらにこの本体2の表紙3とウラ表紙4間に折り目5を設けて、この折り目5を介して表紙3とウラ表紙4を互いに内側に折り重ねられるようにする」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点2]リフィルについて、補正発明においては、リフィル20とミニメニューカード用のリフィル30とを備え、リフィル20は、「ホルダー1のウラ表紙4のポケット部8,9と同一の大きさから成る」、「ポリプロピレン等の軽量な合成樹脂シートにて形成した」と特定され、ミニカード用リフィル30は、「上下方向間に3枚のミニメニューカードを収納する、それぞれミニメニューカードの差し込み口35を有するポケット部31,32,33を設けるとともに」、「ポリプロピレン等の軽量な合成樹脂シートにて形成した」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点3]ホルダーとリフィルの着脱について、それぞれ補正発明において、ホルダー1は「折り目5とウラ表紙4の折り目5に沿う側縁部にリフィルを着脱自在に保持する、ウラ表紙4の側縁部の長さ方向間に4個の止ネジ用の穴7を開口した着脱部6を設け」と特定され、リフィル20は「ポケット部21の左側縁に沿う縁部にホルダー1の着脱部6に着脱自在に止着する4個の止ネジ用の穴7に対応する位置に4個の穴24を設け」と特定され、ミニメニューカード用のリフィル30は、「ホルダー1の着脱部6の各穴7との対応位置に4個の止ネジ用の穴36を設け、」と特定され、着脱手段が「外ネジ42aを有する雄ネジ42と内ネジ43aを有する雌ネジ43から成る止ネジ40と、ホルダー1の着脱部6の縦の長さと横幅に対応せしめた長さと横幅を有するとともに、その長さ方向間にホルダー1の着脱部6の各穴7との対応位置に止ネジ用の4個の穴44を開口して、ポリプロピレン、その他の硬質の合成樹脂板にて形成した押さえ板41から成る」着脱手段であり、「ホルダー1のウラ表紙4の外側の各穴7より、着脱手段の止ネジ40の雌ネジ43を差し込んだ後、ウラ表紙4の内側に突出した各雌ネジ43に、メニューブックMの構成に要求される枚数のリフィル20及びミニメニューカード用のリフィル30の止着部22,34の各穴24,36をそれぞれ位置合わせしつつ嵌合して、各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34をホルダー1の着脱部6上側に重合せしめ、さらに、このホルダー1の着脱部6の最上側に重合されるリフィル20あるいはリフィル30の止着部22あるいは止着部34の上側に、押さえ板41の各穴44を前記各雌ネジ43に嵌合せしめつつ、押さえ板41を重合せしめた後、各雌ネジ43に雄ネジ42を螺合して、各止ネジ40により、押さえ板41を介装した状態にて、各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34を止着して構成した」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点4]補正発明においては、「一側面には表紙3の外側より透視し得る、メニューの表紙3用の文字、図形、その他の模様等を施すとともに他側面には、ホルダー1の内側面においてポケット部8の透明シート11を介して透視し得るメニューに必要な、物品の写真及びこれに関連する文字等、その他の必要事項を施して形成したメニューカード10を、ホルダー1の表紙3のポケット部8内に収納して、表紙3の外側より透視されるメニューカード10の一側面によりメニューブックMの表紙3のデザインを形成するとともに、ポケット部8のシート11を介して透視されるメニューカード10の他側面により、メニューブックMの第1頁のメニューを形成し、一側面にはメニューブックMの裏面の意匠を施すとともに他側面にはメニューブックMの最終頁のメニューを表示して形成したメニューカード10を、ホルダー1のウラ表紙4のポケット部9内に収納して、ウラ表紙4の外側にて、ホルダー1の本体2を介して透視されるメニューカード10の一側面により、メニューブックMの裏面の意匠を形成するとともに、ポケット部9のシート12を介して透視されるメニューカード10の他側面によりメニューブックMの最終頁を形成し、両面にメニューに必要な物品の写真及びこれに関連する文字等の表示文字その値段等、その他の必要な事項を施して形成したメニューカード28を前記リフィル20のポケット部21内に収納して、ポケット部21のシート25を介して透視されるメニューカード28の一側面によりメニューブックMの所要頁のメニューを、ポケット部21のシート26を介して透視されるメニューカード28の他側面によりメニューブックMの所要頁のメニューを、それぞれ形成し、さらに、両面に、時間帯や日別によって差し替えるメニュー用のカードに必要な事項を施して形成したミニメニューカード29をリフィル30のミニメニューカード29のポケット部31、32、33に収納してリフィル30の各ポケット部31、32、33の表側及び裏側シート37、38を介して透視されるミニメニューカードの両側面によりメニューブックMの前記頁以外の所要頁のメニューを形成することができるように構成した」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点5]メニューブックについて、補正発明においては、「ファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブック」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 (6)判断 [相違点1]について検討する。 メニューブックにおいて、合成樹脂板にて本体を形成するとともに、この本体の表紙とウラ表紙の内側に、それぞれメニューカードの差し込み口を有するメニューカードのポケット部を設ける点は、例えば出願人が本願の詳細な説明中で示しているように、実願昭59-61696号(実開昭60-173372号)のマイクロフィルム(第4ページ第1?17行目、第2図)、実願平1-103891号(実開平3-43679号)のマイクロフィルム等に示されるように周知である。本体を半透明とするかどうかは、本体に求められる特性により、折り部を折り目とするか折り代とするかは、ホルダーに保持されるリフィルの数等により、それぞれ当業者が必要に応じ適宜設計する事項である。また、ファイルのホルダーをポリプロピレン製としたものは、例をあげるまでもなく周知である。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、相違点1に係る補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到しうる程度のことである。 [相違点2]について検討する。 複数種類のリフィルをホルダーに備える点、リフィルにおいて、上下方向間に複数枚のカードを収納する、それぞれカードの差し込み口を有するポケット部を設ける点は、登録実用新案第3005347号公報(【0006】、【図1】、【図2】)に示されるように周知である。リフィルに収納するものの大きさや数に応じてポケット部の大きさや数は適宜決められるものであるから、刊行物記載のメニューブックにおいて、リフィルを「ホルダーのウラ表紙のポケット部と同一の大きさから成る」ようにすること、「上下方向間に3枚のミニメニューカードを収納する、それぞれミニメニューカードの差し込み口を有するポケット部を設けるミニカード用リフィル」を設けることは、当業者が適宜設計する技術事項である。 また、リフィルをポリプロピレンで形成したものは、例をあげるまでもなく周知である。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、リフィル及びミニカード用リフィルについての相違点2に係る補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到しうる程度のことである。 [相違点3]について検討する。 例えば実願昭59-87681号(実開昭61-2970号)のマイクロフィルム(第4ページ第7行目?第7ページ第2行目、第2図)には、表紙1(ホルダー)に「折り目と裏側表紙部1”(ウラ表紙)の折り目に沿う側縁部にリーフ2(リフィル)を着脱自在に保持する、裏側表紙部1”(ウラ表紙)の側縁部の長さ方向間に止ネジ用の穴を開口した着脱部を設け」、リーフ2(リフィル)に「ポケット部の左側縁に沿う縁部に表紙1(ホルダー)の着脱部に着脱自在に止着する止ネジ用の穴に対応する位置に綴じ穴3(穴)を設け」、着脱手段が「外ネジを有する雄ねじ鋲5(雄ネジ)と内ネジを有する雌ねじ鋲6(雌ネジ)から成る止ネジと、その長さ方向間に表紙1(ホルダー)の着脱部の各穴との対応位置に止ネジ用の丸穴16(穴)を開口したリーフ挟持片10(押さえ板)から成る」着脱手段が示されており、着脱手段として周知である。押さえ板の長さ、幅及び材料やホルダー、リフィル及び押さえ板に設けた穴の数は当業者が適宜設計する技術事項である。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、着脱手段として相違点3に係る補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到しうる程度のことである。 なお、「ホルダーのウラ表紙の外側の各穴より、着脱手段の止ネジの雄ネジを差し込んだ後、ウラ表紙の内側に突出した各雌ネジ43に、メニューブックMの構成に要求される枚数のリフィル20及びミニメニューカード用のリフィル30の止着部22,34の各穴24,36をそれぞれ位置合わせしつつ嵌合して、各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34をホルダー1の着脱部6上側に重合せしめ、さらに、このホルダー1の着脱部6の最上側に重合されるリフィル20あるいはリフィル30の止着部22あるいは止着部34の上側に、押さえ板41の各穴44を前記各雌ネジ43に嵌合せしめつつ、押さえ板41を重合せしめた後、各雌ネジ43に雄ネジ42を螺合して、各止ネジ40により、押さえ板41を介装した状態にて、各リフィル20及びリフィル30の止着部22,34を止着して構成した」点は、止着順序を特定することにより、止着の構成を特定しようとするものであるが、上記に記載したように、着脱手段として周知である以上、このような止着順序とすることは可能である。 [相違点4]について検討する。 メニューカード及びミニメニューカードの一側面及び他側面に、どのような内容を記載するかは、当業者が適宜設計する事項である。例えば表紙として使用するメニューカードであれば、メニューの表紙用の文字、図形、その他の模様等を施すとともに他側面には、メニューに必要な、物品の写真及びこれに関連する文字等、その他の必要事項を施して形成し、ウラ表紙として使用するメニューカードであれば、一側面にはメニューブックの裏面の意匠を施すとともに他側面にはメニューブックの最終頁のメニューを表示して形成し、メニューブックのその他の頁のメニューカードであれば、両面にメニューに必要な物品の写真及びこれに関連する文字等の表示文字その値段等、その他の必要な事項を施して形成することは当然であり、それらをそれぞれホルダーの表紙のポケット部内、ホルダーのウラ表紙のポケット部内、リフィルに収納してメニューブックを構成すれば、表紙の外側より透視されるメニューカードの一側面によりメニューブックの表紙のデザインが形成されるとともに、ポケット部のシートを介して透視されるメニューカードの他側面により、メニューブックの第1頁のメニューが形成され、ウラ表紙の外側にて、ホルダーの本体を介して透視されるメニューカードの一側面により、メニューブックの裏面の意匠が形成されるとともに、ポケット部のシートを介して透視されるメニューカードの他側面によりメニューブックの最終頁を形成され、ポケット部のシートを介して透視されるメニューカードの一側面によりメニューブックの所要頁のメニューが、ポケット部のシートを介して透視されるメニューカードの他側面によりメニューブックの所要頁のメニューが、それぞれ形成されることとなる。 さらに、両面に、時間帯や日別によって差し替えるメニュー用のカードに必要な事項を施して形成したミニメニューカードをリフィルのミニメニューカードのポケット部に収納すれば、リフィルの各ポケット部の表側及び裏側シートを介して透視されるミニメニューカードの両側面によりメニューブックの前記頁以外の所要頁のメニューが形成されることとなる。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、相違点4に係る補正発明の構成を採用することは、当業者が必要とするメニューブックの内容に応じて適宜行う事項にすぎない。 [相違点5]について検討する。 相違点4で検討したように、メニューカード及びミニメニューカードの一側面及び他側面に、どのような内容を記載するかは、当業者が適宜設計する事項であり、メニューブックの内容は当業者が必要とするメニューブックの内容に応じて適宜決定されるものである。「ファミリーレストラン」は外食店舗の一形態として一般的なものであるから、刊行物記載の「小料理店などにおける献立表示に用いられるメニューブック」をファミリーレストラン等の外食店舗において使用する内容にふさわしいものとし、「ファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブック」と称することは、当業者にとって容易である。 そして、補正発明の作用効果も、刊行物記載の発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、補正発明は、本願出願前に頒布された刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (7)補正却下のむすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項に規定される目的のいずれにも該当しないものであり、また、仮に、該目的に該当するとしても、補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないのであるから、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.本願発明について (1)本願発明の認定 本件補正が却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成18年1月16日付け手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定された次のとおりのものと認める。 「ホルダーに、少なくとも表裏側面のいずれかの一方が透明の複数のリフィルを着脱自在に保持するとともに前記複数のリフィルにメニューカードを差し替え自在に装入することにより構成したメニューブックにおいて、 表紙とウラ表紙を折り目を介して連結し前記表紙と前記ウラ表紙の内側面にそれぞれ透明な合成樹脂シートを融着してメニューカードの収納部を設けるとともに前記ウラ表紙に複数の穴を前記折り目に沿って形成したホルダーと、 前記複数の穴と対応させた穴を設けた止着部を有するリフィルと、 内ネジを形成した内ネジ部材および前記内ネジに着脱自在に螺合可能な外ネジ部材とからなるネジ部材および前記内ネジ部材の貫通可能な穴を形成した押さえ板とからなるリフィルの着脱手段とを備え、 前記ウラ表紙の外側面より挿入した前記内ネジ部材に前記リフィルの穴を挿通して複数のリフィルを保持するとともに前記内ネジ部材に前記押さえ板を挿通して前記内ネジ部材に外ネジ部材を螺合し前記リフィルの最上側の止着部を前記押さえ板により押さえて前記複数のリフィルを前記ホルダーに着脱自在に止着することにより構成したことを特徴とするメニューブック。」 (2)対比、判断 前記2.における「(4)引用刊行物」に記載したとおり、刊行物には、 「左側部に表紙、その右側部にウラ表紙、表紙とウラ表紙間に折り代21を設けて、本体を板材で一体に形成するとともに、この折り代21を介して表紙とウラ表紙を互いに内側に折り重ねられるようにするとともに、折り代21の両端縁部21a,21aにメニューホルダー3を取外し分離可能に止着する化粧カバー2と、メニュー表Mの差し込み口を有し、メニュー表Mを差込み保持するポケット部32を設けるとともに、両端縁部31a,31aが化粧カバー2の折り代21の両端縁部21a,21aと互いに取外し分離可能に止着される折り代31を有し、透明な合成樹脂シートにて形成したメニューホルダー3と、化粧カバー2とメニューホルダー3を取外し分離可能に止着するクリップ部材10,10とを備え、化粧カバー2とメニューホルダー3とは、互いの折り代21及び31の両端縁部21a,21a及び31a,31aを一対のクリップ部材10,10にて圧接状態で弾性的に挾持し、メニュー表Mをメニューホルダー3のポケット部32に差込み保持できる小料理店などにおける献立表示に用いられるメニューブック。」(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 引用発明の「化粧カバー2」、「メニューホルダー3」、「メニュー表M」はそれぞれ補正発明の、「ホルダー」、「リフィル」、「メニューカード」に相当する。 引用発明の「折り代21」と補正発明の「折り目」は、ホルダーの「折り部」である点で共通する。 引用発明において、メニューホルダー3は両端縁部31a,31aが化粧カバー2の折り代21の両端縁部21a,21aと互いに取外し分離可能に止着される折り代31を有しているから、引用発明と補正発明は、リフィルが「止着部を有する」点で共通する。 引用発明において、化粧カバー2とメニューホルダー3を取外し分離可能に止着するクリップ部材10,10とを備えているから、引用発明と補正発明は、「リフィルの着脱手段とを備え」る点で共通する。 引用発明において、化粧カバー2とメニューホルダー3とは、互いの折り代21及び31の両端縁部21a,21a及び31a,31aを一対のクリップ部材10,10にて圧接状態で弾性的に挾持しているから、引用発明と補正発明は、「リフィルをホルダーに着脱自在に止着することにより構成した」点で共通する。 したがって、本願発明と引用発明を比較すると、 「ホルダーに、少なくとも表裏側面のいずれかの一方が透明のリフィルを着脱自在に保持するとともにリフィルにメニューカードを差し替え自在に装入することにより構成したメニューブックにおいて、 表紙とウラ表紙を折り部を介して連結したホルダーと、 止着部を有するリフィルと、 リフィルの着脱手段とを備え、 リフィルを前記ホルダーに着脱自在に止着することにより構成したメニューブック。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点a]本願発明においては、ホルダーについて、「表紙とウラ表紙を折り目を介して連結し表紙とウラ表紙の内側面にそれぞれ透明な合成樹脂シートを融着してメニューカードの収納部を設ける」と特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点b]ホルダー、リフィルの着脱について、本願発明においては、ホルダーについて、「ウラ表紙に複数の穴を折り目に沿って形成した」と特定され、リフィルの止着部が、「複数の穴と対応させた穴を設けた」と特定され、着脱手段が、「内ネジを形成した内ネジ部材および内ネジに着脱自在に螺合可能な外ネジ部材とからなるネジ部材および内ネジ部材の貫通可能な穴を形成した押さえ板とからなる」、「ウラ表紙の外側面より挿入した内ネジ部材にリフィルの穴を挿通して複数のリフィルを保持するとともに内ネジ部材に押さえ板を挿通して内ネジ部材に外ネジ部材を螺合しリフィルの最上側の止着部を押さえ板により押さえて複数の」リフィルをホルダーに着脱自在に止着すると特定されているのに対し、引用発明では、上記特定を有していない点。 [相違点a]について検討する。 メニューブックにおいて、表紙とウラ表紙の内側面にそれぞれ透明な合成樹脂シートを融着してメニューカードの収納部を設ける点は、例えば出願人が本願の詳細な説明中で示しているように、実願昭59-61696号(実開昭60-173372号)のマイクロフィルム(第4ページ第1?17行目、第2図)に示されるように周知である。 また、表紙とウラ表紙間の折り部を折り目とするか折り代とするかは、ホルダーに保持されるリフィルの数等により、当業者が必要に応じ適宜設計する事項である。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、相違点aに係る補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到しうる程度のことである。 [相違点b]について検討する。 例えば実願昭59-87681号(実開昭61-2970号)のマイクロフィルム(第4ページ第7行目?第7ページ第2行目、第2図)には、表紙1(ホルダー)に「裏側表紙部1”(ウラ表紙)に複数の穴を折り目に沿って形成した」、リーフ2(リフィル)の止着部が、「複数の穴と対応させた綴じ穴3(穴)を設けた」、着脱手段が「内ネジを形成した雌ねじ鋲6(内ネジ部材)および内ネジに着脱自在に螺合可能な雄ねじ鋲5(外ネジ部材)とからなるネジ部材および雌ねじ鋲6(内ネジ部材)の貫通可能な丸穴16(穴)を形成したリーフ挟持片10(押さえ板)とからなる」、複数のリフィルをホルダーに着脱自在に止着する着脱手段が示されており、着脱手段として周知である。 したがって、刊行物記載のメニューブックにおいて、複数のリフィルをホルダーに着脱自在に保持する構成として、相違点bに係る補正発明の構成を採用することは、当業者が容易に想到しうる程度のことである。 なお、「ウラ表紙の外側面より挿入した内ネジ部材にリフィルの穴を挿通して複数のリフィルを保持するとともに内ネジ部材に押さえ板を挿通して内ネジ部材に外ネジ部材を螺合しリフィルの最上側の止着部を前記押さえ板により押さえて」複数のリフィルをホルダーに着脱自在に止着する点は、止着順序を特定することにより、止着の構成を特定しようとするものであるが、上記に記載したように、着脱手段として周知である以上、このような止着順序とすることは可能である。 そして、本願発明の作用効果も、刊行物記載の発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、本願出願前に頒布された刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、その出願前に頒布された刊行物載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本願のその余の請求項について検討するまでもなく本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-07-10 |
結審通知日 | 2008-07-15 |
審決日 | 2008-07-28 |
出願番号 | 特願平9-24084 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G09F)
P 1 8・ 121- Z (G09F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 赤木 啓二 |
特許庁審判長 |
長島 和子 |
特許庁審判官 |
江成 克己 七字 ひろみ |
発明の名称 | ファミリーレストラン等の外食店舗において使用するメニューブック |
代理人 | 奈良 武 |