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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200220454 | 審決 | 特許 |
不服200424934 | 審決 | 特許 |
不服20068354 | 審決 | 特許 |
不服200516973 | 審決 | 特許 |
無効200135092 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K |
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管理番号 | 1184820 |
審判番号 | 不服2004-13441 |
総通号数 | 107 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-11-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-06-29 |
確定日 | 2008-09-17 |
事件の表示 | 平成11年特許願第202877号「高級不飽和脂肪酸混合組成物及びこれを含有する食品」拒絶査定不服審判事件〔平成12年11月 7日出願公開、特開2000-309531〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は,平成11年7月16日(パリ条約による優先権主張1999年3月10日、韓国)の出願であって、平成16年3月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年6月29日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。そして、当審において、平成19年11月7日付けの最後の拒絶理由通知に対して、平成19年12月6日付けで手続補正がなされたものである。 2.平成19年12月6日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成19年12月6日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、 「【請求項1】 動物の脳内のDHA量を増加するための高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、フラックスシード油を含み、動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ、該組成物を投与される動物が妊娠動物および該妊娠動物から生まれた仔動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた仔動物であり、0.15g?0.3/kg体重/日の投与量で動物に投与される、高級不飽和脂肪酸混合組成物。」(平成19年10月11日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1) を 「【請求項1】 動物の脳内のDHA量を増加するための高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、フラックスシード油を含み、リノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)であり、該組成物を投与される動物が妊娠動物および該妊娠動物から生まれた仔動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた仔動物であり、0.15g?0.3/kg体重/日の投与量で動物に投与される、高級不飽和脂肪酸混合組成物。」 とする補正を含むものである。 (2)判断 この補正は、補正前の請求項1に記載されている、「高級不飽和脂肪酸混合組成物」の用途に関する「動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ」という、出願人が特許を受けようとする発明を特定するために必要と認める事項(以下、発明特定事項という。)の削除を含むものである。 したがって、この補正は、「高級不飽和脂肪酸混合組成物」の用途に関して、用途を限定するための発明特定事項を削除し、用途に関する限定をなくする補正であるから、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。そして、この補正が、同項第1号、第3号ないし第4号に掲げる請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明を目的とするものではないことは明らかである。 (3)むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本件出願について (1)本願明細書 平成19年12月6日付けの手続補正は上記のとおり却下された。したがって、本件出願の明細書は、平成19年10月11日付けの手続補正により補正されたものであり、その特許請求の範囲の記載は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 動物の脳内のDHA量を増加するための高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、フラックスシード油を含み、動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ、該組成物を投与される動物が妊娠動物および該妊娠動物から生まれた仔動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた仔動物であり、0.15g?0.3/kg体重/日の投与量で動物に投与される、高級不飽和脂肪酸混合組成物。 【請求項2】 レプシード油またはペリラ油をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 【請求項3】 少なくとも8週間の間前記仔動物に投与される、請求項1に記載の高級不飽和脂肪酸混合組成物。 【請求項4】 妊娠第1日目から分娩の日まで前記妊娠動物に投与される、請求項1に記載の高級不飽和脂肪酸混合組成物。 【請求項5】 請求項1に記載の高級不飽和脂肪酸混合組成物を含有する食品。 【請求項6】 動物の脳内のDHA量を増加するための食品の製造における高級不飽和脂肪酸混合組成物の使用方法であって、該組成物を投与される動物が妊娠動物および該妊娠動物から生まれた仔動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた仔動物であり、 該組成物を、食品に添加する工程を包含し、 ここで、該組成物が、フラックスシード油を含み、動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ、0.15g?0.3/kg体重/日の投与量で、動物に投与される、方法。」 (2)平成19年10月11日付けの手続補正について (ア)補正の内容 平成19年10月11日付けの手続補正は、特許請求の範囲の請求項1について、「動物の脳内のDHA量を増加するための高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、フラックスシード油を含み、リノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=0.05?2.0(重量比)となるように調整され、該組成物を投与される動物が妊娠動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた動物である、0.15g?0.3g/kg体重/日の投与量で動物に投与される、高級不飽和脂肪酸混合組成物。」(平成16年7月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1) を 「動物の脳内のDHA量を増加するための高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、フラックスシード油を含み、動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ、該組成物を投与される動物が妊娠動物および該妊娠動物から生まれた仔動物であって、上記脳内のDHA量が増加する動物が該妊娠動物から生まれた仔動物であり、0.15g?0.3/kg体重/日の投与量で動物に投与される、高級不飽和脂肪酸混合組成物。」 とする補正を含むものである。 (イ)判断 この補正により、請求項1に、「高級不飽和脂肪酸混合組成物」が、「動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ」ることが新たに記載された。 一方、本願の願書に最初に添付した明細書の特許請求の範囲には、 「【請求項1】 リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕及びα-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕を含有し、これらの存在比が、リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕/α-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕=0.05?7.5(重量比)である高級不飽和脂肪酸混合組成物。 【請求項2】 上記リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕及びα-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕の存在比が、リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕/α-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕=0.05?2.0(重量比)である請求項1に記載の高級不飽和脂肪酸混合組成物。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高級不飽和脂肪酸混合組成物を含有 する食品。」 と記載されており、そして、その発明の詳細な説明には、 「【0009】 【課題を解決するための手段】 上記の課題を解決するため、この発明は、リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕及びα-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕を含有する高級不飽和脂肪酸混合組成物であって、これらの存在比を、リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕/α-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕=0.05?7.5(重量比)とすることを特徴とする。」 そして、 「【0015】この発明にかかる高級不飽和脂肪酸混合組成物は、それ自体を健康食品等の食品として使用することができる。また、この高級不飽和脂肪酸混合組成物を各種食品に添加又は混合して使用することができる。」 と本願発明についての説明があり、実施例として 「【0020】 【実施例】〔高級不飽和脂肪酸混合組成物の製造〕フラックスシード(Flaxseed)、レプシード(Rapeseed)、ペリラ(Perilla )油を挽き、脂肪酸分析を行ったものを混合し、リノール酸/α-リノレン酸混合比が、それぞれ、2、7.5、10、16となるように高級不飽和脂肪酸混合組成物を調整し、製造した。そして、これらのそれぞれををラットの基礎飼料に添加して実験に供与した。このとき、高級不飽和脂肪酸混合組成物は、基礎飼料に対して3?5%の範囲で含ませた。 【0021】〔実施例及び比較例〕高級不飽和脂肪酸混合組成物の投与量が0.15g(体重1kg当たり)となるように、毎日、上記の各基礎飼料を妊娠ラットに妊娠第1日目から分娩の日まで与え、その後は、生まれた仔ラットに8週齢になるまで与えた。その後、これらの仔ラットについて、脳内脂肪酸分析、学習力及び記憶保持能力試験を行った。」 と記載されている。 そして、試験方法を記載した後に、 「【0023】脳内脂肪酸分析の結果、すなわち、脳内のDHA濃度の変化を図1及び図2に示す。また、モリス マゼ試験結果のうち、認識力(学習力)の結果を図3に、記憶力の結果を図4に示す。」と記載され、本願の願書に最初に添付した図面として、図1?4が添付されている。 すなわち、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面には、「高級不飽和脂肪酸混合組成物」自体のリノール脂肪酸〔n-6,18:2〕及びα-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕の存在比が、リノール脂肪酸〔n-6,18:2〕/α-リノレン脂肪酸〔n-3,18:3〕=2.0(重量比)である「高級不飽和脂肪酸混合組成物」が記載されており、さらに、この「高級不飽和脂肪酸混合組成物」自体を食品とすること及び、この「高級不飽和脂肪酸混合組成物」を食品や飼料に添加又は混合することが記載されている。 しかしながら、「高級不飽和脂肪酸混合組成物」を、動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いることは記載されていないし、記載されている事項から自明な事項ともいえない。 したがって、請求項1に「高級不飽和脂肪酸混合組成物」が、「動物に投与されるリノール脂肪酸[n-6,18:2]及びα-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]の存在比が、リノール脂肪酸[n-6,18:2]/α-リノレン脂肪酸[n-3,18:3]=2.0(重量比)となるよう調整するために用いられ」ることを新たに記載することを含む上記の補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものとすることはできない。 (3)むすび 以上のとおり、平成19年10月11日付けでした手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないので、本件出願は、特許法第49条1号に該当し、拒絶すべき旨の査定をしなければならないものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-04-04 |
結審通知日 | 2008-04-07 |
審決日 | 2008-05-08 |
出願番号 | 特願平11-202877 |
審決分類 |
P
1
8・
561-
WZ
(A61K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 田名部 拓也、井上 明子 |
特許庁審判長 |
塚中 哲雄 |
特許庁審判官 |
星野 紹英 弘實 謙二 |
発明の名称 | 高級不飽和脂肪酸混合組成物及びこれを含有する食品 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 安村 高明 |