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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1186553 |
審判番号 | 不服2006-11722 |
総通号数 | 108 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-12-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-06-08 |
確定日 | 2008-10-22 |
事件の表示 | 平成11年特許願第211604号「索引生成装置及び方法及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月 9日出願公開、特開2001- 34638〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成11年7月27日の出願であって、平成18年4月21日付けで拒絶査定がなされ(発送日:平成18年5月9日)、これに対し、平成18年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされた後、 平成20年5月20日付けの「最後の拒絶理由通知書」(発送日:平成20年5月27日)に対し、平成20年7月28日付けの意見書が提出されるとともに、平成20年7月28日付けで手続補正がなされたものである。 第2 平成20年7月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 〔結論〕 平成20年7月28日付けの手続補正を却下する。 〔理由〕 1.補正内容 平成20年7月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)は、特許請求の範囲の補正を含むものであって、 本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項(平成17年10月13日付けの手続補正書に記載された特許請求の範囲第1乃至3項)、すなわち、 「 【請求項1】構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備え、 前記文書受付部は、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部は、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを前記索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部は、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成装置。 【請求項2】構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備えたデータ処理装置による索引生成方法であって、 前記文書受付部で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部で、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成方法。 【請求項3】構造化文書を受け付ける文書受付手順と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析手順と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出手順とを備え、 前記文書受付手順で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析手順で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出手順で、前記文脈解析手順の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力するように、 コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」 であったものを、本件補正後の特許請求の範囲第1乃至3項、すなわち、 「 【請求項1】 構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序を使って文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備え、 前記文書受付部は、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部は、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを前記索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部は、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成装置。 【請求項2】 構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序を使って文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備えたデータ処理装置による索引生成方法であって、 前記文書受付部で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部で、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成方法。 【請求項3】 構造化文書を受け付ける文書受付手順と、 前記構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序を使って文脈を解析する文脈解析手順と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出手順とを備え、 前記文書受付手順で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析手順で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出手順で、前記文脈解析手順の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力するように、 コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」 に補正するものである。 つまり、本件補正は、 本件補正前後の特許請求の範囲第1乃至3項に関して、 本件補正前の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する・・・」から、 本件補正後の「前記構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序を使って文脈を解析する・・・」に補正することによって、 「文脈」に対する「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される」という限定を解除した上で、 「文脈を解析する」に際し「前記構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序」を使うことを限定すること、 を含むものである。 なお、審判請求人は、特許請求の範囲第1乃至3項に対する本件補正に関して、平成20年7月28日付けの意見書において、 「(2):補正の根拠 請求項1?3の「構造化文書の論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序を使って文脈を解析する」の補正は、明瞭でない記載の釈明に該当し、出願当初の段落番号0029の記載に基づくものです。」 と主張している。 2.本件補正前後の特許請求の範囲第1乃至3項に対する判断 本件補正前後で請求項の数に変更はないので、本件補正のうち特許請求の範囲第1乃至3項に対する補正は、特許法第17条の2第4項第1号に規定された「請求項の削除」に該当しない。 また、本件補正のうち特許請求の範囲第1乃至3項に対する補正は、「文脈」に対する「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される」という限定を解除する補正を含むのであるから、 特許法第17条の2第4項第2号に規定された「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」に該当しない。 更に、本件補正のうち特許請求の範囲第1乃至3項に対する補正が、特許法第17条の2第4項第4号に規定された「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」に該当するか否かについて検討する。 本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する・・・」という記載に関して、 (a)「構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する・・・」という表現は、それ自体で明りような表現であること、 (b-1)平成17年8月5日付けの拒絶理由通知書中の、 「C. この出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない。」 という拒絶理由では、 「請求項1の「文脈の解析をする文脈解析部」という記載及びその技術的裏付けとなる段落0029の「文脈解析部4は、構造化文書受付部3の出力を入力として、論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出のルールと文書内容を組にして出力するものである。」という記載を参照しても、本願で言うところの「文脈」が何を指しているのか?という点が技術的に不明瞭である。本願における「文脈」の定義を明細書及び図面の記載に基づいて明確化されたい。」 及び、 「請求項2の「文脈解析部」及び請求項3の「文脈解析手順」についても、請求項1と同様に、「文脈」の定義が技術的に不明瞭である。」 と指摘されているものの、 当該拒絶理由は、本件補正前の「構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈」に関するものではない、単独で用いられている「文脈」に関するものであって、 出願人が、平成17年10月13日付け意見書において、 「(2):理由C(特許法第36条第4項及び第6項第2号) ・文脈解析部、文脈について 文脈解析部については、請求項1?3を「構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部(文脈解析手順)」と補正して明確にしました。 また、「文脈」=「論理構造とその出現順序」ですので、この関係を上記のように明確にしました。」 と主張しているように、特許請求の範囲第1乃至3項中に「文脈」の定義を追加する補正、すなわち、本件補正前の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する・・・」という補正を行うことによって、当該拒絶理由は解消していること、 (b-2)平成18年1月10日付けの拒絶理由通知書では、本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項に対して、特許法第36条第6項第2号(特許を受けようとする発明が明確であること。)に関する拒絶理由は通知されていないこと、 (b-3)拒絶理由通知とは異なるものの、平成18年4月21日付けの補正の却下の決定、及び平成18年4月21日付けの拒絶査定のどちらにも、本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項には明りようでない記載がある旨の、拒絶理由通知を補足した指摘はなされていないこと、 (b-4)平成20年5月20日付けの拒絶理由通知書では、本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項に対して、特許法第36条第6項第2号(特許を受けようとする発明が明確であること。)に関する拒絶理由は通知されていないこと、 から、本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項の記載は、明りような記載なのであるから、当該記載を補正することは「明りようでない記載の釈明」に該当しないし、 そもそも、本件補正前の特許請求の範囲第1乃至3項の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する・・・」という記載に対して、特許法第36条第6項第2号の拒絶理由が通知されていないのであるから、「拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る」(特許法第17条の2第4項第4号括弧書)という限定の付された「明りようでない記載の釈明」に該当しない。 つまり、本件補正のうち特許請求の範囲第1乃至3項に対する補正は、特許法第17条の2第4項第4号に規定された「明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」に該当しない。 しかも、本件補正のうち特許請求の範囲第1乃至3項に対する補正は、特許法第17条の2第4項第4号に関する上記判断(a)で指摘したように、(誤記のない)明りような記載に対する補正なのであるから、特許法第17条の2第4項第3号に規定された「誤記の訂正」に該当しないことは明らかである。 3.むすび したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない補正を含んでおり、同法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1. 本願発明 本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至3に係る発明は、平成17年10月13日付けの手続補正書の特許請求の範囲第1乃至3項に記載されたとおりのものと認められる。 2.平成20年5月20日付けの拒絶理由通知書の概要 平成17年10月13日付けの手続補正書の請求項1乃至3の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部(文脈解析手順)」の補正は新規事項の追加であり、願書に最初に添付した明細書又は図面の範囲内でない。 3.補正内容 平成17年10月13日付けの手続補正(以下、「本件最初補正」という)は、特許請求の範囲の補正を含むものであって、 本件最初補正前の特許請求の範囲第1乃至3項、すなわち、 「 【請求項1】構造化文書を受け付ける文書受付部と、 文脈の解析をする文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備え、 前記文書受付部は、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部は、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを前記索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部は、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成装置。 【請求項2】構造化文書を受け付ける文書受付部で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 文脈解析部で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 索引語抽出部で、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成方法。 【請求項3】構造化文書を受け付ける文書受付手順と、 文脈の解析をする文脈解析手順と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出手順とを備え、 前記文書受付手順で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析手順で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出手順で、前記文脈解析手順の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力するように、 コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」 であったものを、本件最初補正の特許請求の範囲第1乃至3項、すなわち、 「 【請求項1】構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備え、 前記文書受付部は、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部は、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを前記索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部は、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成装置。 【請求項2】構造化文書を受け付ける文書受付部と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析部と、 索引語の抽出ルールを文脈毎に格納する索引語抽出ルール格納部と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出部とを備えたデータ処理装置による索引生成方法であって、 前記文書受付部で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析部で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出部で、前記文脈解析部の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力することを特徴とした索引生成方法。 【請求項3】構造化文書を受け付ける文書受付手順と、 前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表される文脈を解析する文脈解析手順と、 索引語抽出ルールに基づいて索引語を抽出する索引語抽出手順とを備え、 前記文書受付手順で、受け付けた構造化文書を文書の内容部分と構造部分に弁別し、 前記文脈解析手順で、前記弁別した出力から文脈を解析し、その文脈に適合する索引語抽出ルールを索引語抽出ルール格納部から取り出し、該取り出した索引語抽出ルールと前記文書内容を組にして出力し、 前記索引語抽出手順で、前記文脈解析手順の出力から前記索引語抽出ルールを前記文書内容に適用して索引語を抽出して出力するように、 コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」 に補正するものである。 3.検討 本件最初補正が、特許法第17条の2第3項に規定している要件を満たしているか否かについて検討する。 本件最初補正は、 本件最初補正前の特許請求の範囲第1項の「文脈の解析をする文脈解析部」という記載を、 本件最初補正後の特許請求の範囲第1項の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表わされる文脈を解析する文脈解析部」と変更する補正、 本件最初補正前の特許請求の範囲第2項に、「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表わされる文脈を解析する文脈解析部」という構成を追加する補正、 本件最初補正前の特許請求の範囲第3項の「文脈の解析をする文脈解析手順」という記載を、 本件最初補正後の特許請求の範囲第3項の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表わされる文脈を解析する文脈解析手順」と変更する補正、 を含むものである。 しかしながら、本願明細書段落【0029】には「文脈解析部4は、構造化文書受付部3の出力を入力として、論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序から文脈を解析」するというように、 構造化文書の「論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序」から「文脈」を解析(すなわち、構造化文書の「論理構造の出現順序によって表現されている論理構造の出現順序」を使って「文脈」を解析)する旨の開示はあるものの、 「構造化文書の論理構造とその出現順序によって表わされる文脈」(すなわち、「文脈」が「構造化文書の論理構造とその出現順序」によって表わされていることになる。)を解析することについて示唆も開示もない。 また、本願明細書段落【0029】以外の記載を参酌しても、補正後の「前記構造化文書の論理構造とその出現順序によって表わされる文脈を解析する文脈解析部」に関する示唆も開示もない。 したがって、本件最初補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 〔参考〕『から』(格助詞)の定義 1(ア)(場所を示す語に付いて) 動作の経由点を示す。 (イ)(平安時代以降の用法) 起点となる場所・時を示す。 (ウ)(動詞連体形に付いて) 後の事態が、前に引き続いて直ちに起るこ とをいう。…するとすぐ。…するや否や。…だけでもう。 (エ)動作の発する人物を示す。 (オ)一連の動作の始まりを示す。 (カ)起算のはじめを示す。多く、下限をいう。 (キ)最初だけを示し、後も同様であることを推量させ、強調する。 2(ア)原因・理由を表す。…によって。…のせいで。…ゆえ。…なので。 (イ)手段を表す。…で。…によって。 (ウ)資料・素材・原料を示す。…を使って。…で。 (「株式会社岩波書店 広辞苑第五版」より抜粋) 4.むすび 以上のとおり、本件最初補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 したがって、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-08-12 |
結審通知日 | 2008-08-19 |
審決日 | 2008-09-01 |
出願番号 | 特願平11-211604 |
審決分類 |
P
1
8・
561-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 野崎 大進、上嶋 裕樹 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
和田 財太 飯田 清司 |
発明の名称 | 索引生成装置及び方法及び記録媒体 |
代理人 | 小笠原 吉義 |
代理人 | 平岡 憲一 |
代理人 | 渡部 章彦 |
代理人 | 重久 啓子 |