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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1187379
審判番号 不服2005-6927  
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-04-18 
確定日 2008-11-04 
事件の表示 平成11年特許願第226061号「揮発性の直鎖状シリコーンを含有するメークアップ用又は手入れ用の耐移り性組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 4月25日出願公開、特開2000-119120〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年8月10日(優先権主張1998年8月10日及び同年9月4日、仏国)の出願であって、平成16年12月20日付で拒絶査定がなされ、これに対し、平成17年4月18日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月17日付で手続補正がなされたものである。

2.平成17年5月17日付の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成17年5月17日付の手続補正を却下する。
[理由]
(1)補正の内容
本件補正は、平成16年2月12日付手続補正書により補正された特許請求の範囲、すなわち
「【請求項1】脂肪相の揮発性溶媒として、直鎖状のデカメチルテトラシロキサン(L_(4))と 0.70mg/cm^(2)/分?7.0mg/cm^(2)/分の蒸発速度を有する少なくとも1種の第2の揮発性溶媒との組合せを含有するメークアップ用又は手入れ用の耐移り性組成物。
【請求項2】前記第2の揮発性溶媒が、直鎖状又は分枝状のアルカン類、シクロアルカン類、フルオロ炭化水素類、シリコーン類又は変性シリコーン類、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の耐移り性組成物。
【請求項3】デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が 2.2?3であり、デカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して15?40重量%の割合で使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐移り性組成物。
【請求項4】デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が12.9?22.7であり、デカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して75?95重量%の割合で使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐移り性組成物。
【請求項5】前記第2の揮発性溶媒が、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタン)、イソパラフィンの混合物、オクタメチルトリシロキサン(L_(3))、又はヘキサメチルジシロキサン(L_(2))、又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項6】前記第2の揮発性溶媒がオクタメチルトリシロキサン (L_(3))である場合、それが 0.4未満のL_(3)/L_(4)重量比で存在することを特徴とする請求項5に記載の耐移り性組成物。
【請求項7】前記第2の揮発性溶媒が、2種の溶媒の混合物であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項8】前記第2の揮発性溶媒が、オクタメチルトリシロキサン (L_(3))、及びヘキサメチルジシロキサン (L_(2))、及びそれらの混合物から選択される揮発性シリコーンとイソドデカンの混合物であることを特徴とする請求項7に記載の耐移り性組成物。
【請求項9】前記第2の揮発性溶媒がイソドデカンとオクタメチルトリシロキサンの混合物であり、オクタメチルトリシロキサン/デカメチルテトラシロキサン比が0.4未満であることを特徴とする請求項8に記載の耐移り性組成物。
【請求項10】動物、植物又は合成由来の一又は複数のロウをさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項11】2重量%未満の量であってよいシリコーンガムをさらに含有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項12】組成物の全重量に対して5?60重量%の範囲の量であってよい、植物、動物、鉱物又は合成由来の少なくとも1種の非揮発性油をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項13】サンスクリーン剤、フリーラジカル捕捉剤、水和剤、ビタミン類、タンパク質、セラミド類、pH調節剤、酸化防止剤、防腐剤、フィラー、顔料、染料、エモリエント、消泡剤、シリコーン、香料、界面活性剤、可塑剤及びこれらの化合物の混合物から選択される一又は複数の化粧品用アジュバント又は活性成分をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項14】無水又はエマルション形態で、固体、液体又はペースト状のメークアップ用製品の形態であることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。」
を、
「【請求項1】脂肪相の揮発性溶媒として、直鎖状のデカメチルテトラシロキサン (L_(4))と該直鎖状のデカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い少なくとも1種の第2の揮発性溶媒との組合せを含有するメークアップ用又は手入れ用の耐移り性組成物であって、デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が 2.2?3であり、よってデカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して15?40重量%の割合で使用される、あるいは、デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が12.9?22.7であり、よってデカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して75?95重量%の割合で使用されることを特徴とする組成物。
【請求項2】デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い前記第2の揮発性溶媒が、直鎖状又は分枝状のアルカン類、シクロアルカン類、フルオロ炭化水素類、シリコーン類又は変性シリコーン類、及びそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項1に記載の耐移り性組成物。
【請求項3】デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い前記第2の揮発性溶媒が、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタン)、イソパラフィンの混合物、オクタメチルトリシロキサン (L_(3))、又はヘキサメチルジシロキサン (L_(2))、又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐移り性組成物。
【請求項4】前記第2の揮発性溶媒がオクタメチルトリシロキサン (L_(3))である場合、それが 0.4未満のL_(3)/L_(4)重量比で存在することを特徴とする請求項3に記載の耐移り性組成物。
【請求項5】デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い前記第2の揮発性溶媒が、2種の溶媒の混合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項6】デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い前記第2の揮発性溶媒が、オクタメチルトリシロキサン (L_(3))、及びヘキサメチルジシロキサン (L_(2))、及びそれらの混合物から選択される揮発性シリコーンとイソドデカンの混合物であることを特徴とする請求項5に記載の耐移り性組成物。
【請求項7】デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い前記第2の揮発性溶媒がイソドデカンとオクタメチルトリシロキサンの混合物であり、オクタメチルトリシロキサン/デカメチルテトラシロキサン比が 0.4未満であることを特徴とする請求項6に記載の耐移り性組成物。
【請求項8】動物、植物又は合成由来の一又は複数のロウをさらに含有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項9】シリコーンガムをさらに含有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項10】植物、動物、鉱物又は合成由来の少なくとも1種の非揮発性油をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項11】サンスクリーン剤、フリーラジカル捕捉剤、水和剤、ビタミン類、タンパク質、セラミド類、pH調節剤、酸化防止剤、防腐剤、フィラー、顔料、染料、エモリエント、消泡剤、シリコーン、香料、界面活性剤、可塑剤及びこれらの化合物の混合物から選択される一又は複数の化粧品用アジュバント又は活性成分をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。
【請求項12】無水又はエマルション形態で、固体、液体又はペースト状のメークアップ用製品の形態であることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の耐移り性組成物。」
と補正された。
上記補正は、補正前の請求項1を、補正前の請求項1を引用している請求項3及び請求項4に記載されている事項で限定したものであるから、この補正は特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭62-298512号公報(以下、引用例という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「下記(A)で示される有機シリコーン樹脂1?70重量%、下記(B)で示される揮発性シリコーン油10?98重量%および粉末 0.5?55重量%を含有することを特徴とするメーキャップ化粧料。
(A)70モル%以上が R_(3)SiO_(1/2)単位および SiO_(2)単位からなり、R_(3)SiO_(1/2)単位とSiO_(2)単位のモル比が0.5/1?1.5/1の範囲にあり、且つ R_(2)SiO単位および/またはRSiO_(3/2)単位を1?30モル%含有する有機シリコーン樹脂。
(Rは炭素数1?6までの炭化水素基またはフェニル基を表す。)
(B)一般式(I)および一般式(II)で表される揮発性シリコーン油の少なくとも一種。
一般式(I) 省略
(式中nは0?5の整数を示す。)
一般式(II) 省略
(式中nは3?7の整数を示す。)」(特許請求の範囲、1頁左下欄?右下欄)
(イ)「本発明者等は・・・のびがよくさっぱりとした使用感を有し且つ化粧くずれ防止効果良好なメーキャップ化粧料が得られ得ることを見出し、この知見にもとずいて本願発明を完成するに至った。」(2頁左下欄11?19行)
(ウ) 「本発明で用いる上記一般式(I)および(II)で表される鎖状シリコーン油および環状シリコーン油はいずれも揮発性であって上記有機シリコーン樹脂に対して溶媒となりうる。」(3頁右上欄8?11行)
(エ) 揮発性シリコーン油として、オクタメチルシクロテトラシロキサン(一般式(II)、n=4)を配合した油性ファンデーションは、従来のファンデーションに比べて転写せず、耐水性及び耐油性良好な化粧もちに優れていること(実施例1)、揮発性シリコーン油としてジメチルポリシロキサン 0.65cS(一般式(I)、n=0)及びジメチルポリシロキサン 2.0cS(一般式(I)、n=3)を含有する液状口紅は耐水性、耐油性、耐汗性に優れ、またコップなどへの付着による化粧くずれも少ないこと(実施例2)及び揮発性シリコーン油としてジメチルポリシロキサン 1.5cS(一般式(I)、n=2)及びオクタメチルシクロテトラシロキサン(一般式(II)、n=4)を含有するマスカラは涙などによる化粧くずれも少なく、まぶたへの付着もないこと(実施例3)が記載されている。(3頁右下欄3行?4頁左上欄4行、4頁左下欄下から5行?5頁左上欄14行)

(3)対比・判断
引用例には、「下記(A)で示される有機シリコーン樹脂1?70重量%、下記(B)で示される揮発性シリコーン油10?98重量%および粉末 0.5?55重量%を含有することを特徴とするメーキャップ化粧料。
(A)70モル%以上が R_(3)SiO_(1/2)単位および SiO_(2)単位からなり、R_(3)SiO_(1/2)単位とSiO_(2)単位のモル比が0.5/1?1.5/1の範囲にあり、且つ R_(2)SiO単位および/またはRSiO_(3/2)単位を1?30モル%含有する有機シリコーン樹脂。(Rは炭素数1?6までの炭化水素基またはフェニル基を表す。)
(B)一般式(I)および一般式(II)で表される揮発性シリコーン油の少なくとも一種。
一般式(I) 省略
(式中nは0?5の整数を示す。)
一般式(II) 省略
(式中nは3?7の整数を示す。)」(以下、「引用発明」という。)(上記 (ア))が記載されている。
本願補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の一般式(I)および一般式(II)で表される揮発性シリコーン油は溶媒となりうるものであり(上記 (ウ))、本願補正発明の揮発性溶媒に相当する。そして、引用発明のメーキャップ化粧料は、化粧くずれ防止効果の良好なメーキャップ化粧料であるが(上記(イ))、具体的には、転写せず、コップへの付着が少なく、まぶたへの付着もないものであり(上記 (エ))、一方、本願補正発明の「耐移り性」とは化粧品が一度皮膚又は唇に適用されれば、グラス、カップ、タバコ又は衣類等の接触しうる面にあまり付着しないことを意味し(本願明細書段落【0002】)、かつ、本願補正発明の「メークアップ用耐移り性組成物」には、メークアップ用化粧料そのものが包含される(本願明細書、【請求項14】、段落【0028】)から、引用発明の「メーキャップ化粧料」は、本願補正発明の「メークアップ用耐移り性組成物」に相当する。また、本願補正発明のメークアップ用組成物は、引用発明の(A)成分、粉末成分を含む任意のメークアップ化粧料用の成分を含み得るものである。(本願明細書 段落【0019】?【0027】)
そうすると、両者は2種以上の揮発性溶媒を含有するメークアップ用の耐移り性組成物である点で一致し、前者は、揮発性溶媒が「直鎖状のデカメチルテトラシロキサン(L_(4)) と該直鎖状のデカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い少なくとも1種の第2の揮発性溶媒との組合せ」であって、「デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が2.2?3であり、よってデカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して15?40重量%の割合で使用される、あるいは、デカメチルテトラシロキサンに対する前記第2の揮発性溶媒の蒸発速度の比が12.9?22.7であり、よってデカメチルテトラシロキサンが、揮発性溶媒の混合物の全重量に対して75?95重量%の割合で使用される」と限定しているのに対して、後者は揮発性溶媒が一般式(I)及び一般式(II)で表される揮発性シリコーン油の少なくとも一種であって、蒸発速度比及び配合割合が限定されていない点で相違する。

そこで、この相違点について検討する。
引用例には、 揮発性溶媒が一般式(I)及び一般式(II)で表される揮発性シリコーン油の少なくとも一種であるメークアップ化粧料が耐移り性が良いこと(上記(ア)、(イ)、(エ))、実施例2として、揮発性シリコーン油としてジメチルポリシロキサン 0.65cS(一般式(I)、n=0)及びジメチルポリシロキサン 2.0cS(一般式(I)、n=3)を含有する液状口紅が記載されている(上記(エ))。
ここで、実施例2において併用されている、ジメチルポリシロキサン 0.65cS(一般式(I)、n=0)は、直鎖状ヘキサメチルジシロキサンであり、ジメチルポリシロキサン 2.0cS(一般式(I)、n=3)は、直鎖状ドデカメチルヘキサシロキサンである。
すなわち、引用例には、一般式(I)及び(II)で表される揮発性シリコーン油を単独であるいは併用したメーキャップ化粧料が耐移り性において優れていることが記載されており、具体例として、直鎖状デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早い直鎖状ヘキサメチルジシロキサンと直鎖状デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が遅い直鎖状ドデカメチルヘキサシロキサンを併用した実施例2が記載されている。
そうすると、引用例には蒸発速度の早い揮発性シリコーン油と遅い揮発性シリコーン油の併用が具体的に記載されているのであるから、引用発明を具体的に実施するにあたり、一般式(I)及び(II)で表される揮発性シリコーン油を併用し、その際に、一般式(I)においてn=2である直鎖状デカメチルテトラシロキサンと直鎖状デカメチルテトラシロキサンよりも蒸発速度が早いものを選択し、これらの蒸発速度比とその配合割合を選択することは当業者が適宜なし得ることである
そして、本願明細書には、蒸発速度比とその配合割合を限定をしたことによる効果についてはなんら具体的な記載がなく、本願明細書の記載からは本願補正発明は該蒸発速度及び配合割合を限定したことによって引用発明に比べて格別顕著な効果を奏したものとは認められない。
なお、請求人は、シクロメチコーンD_(4) が有する結晶化の問題について引用例には全く記載されていないから、結晶化現象が生じないという本願発明の効果は当業者が予測し得ないものである旨主張している。
しかし、引用例の実施例2はシクロメチコーンD_(4) を含有しない耐移り性メークアップ用組成物であり、シクロメチコーンD_(4) の結晶化現象は耐移り性メークアップ用組成物では既に解決されたことは明らかであり、シクロメチコーンD4 の結晶化現象が生じない点をもって本願補正発明が引用発明に比べて格別顕著な効果を奏したものとは認められず、請求人の主張は採用できない。

したがって、本願補正発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成17年5月17日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、本願発明という。)は、上記の平成16年2月12日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

(1)引用例
原査定の拒絶理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記2.で検討した本願補正発明である「メークアップ用の耐移り性組成物」を包含するから、前記「2.(3)」に記載した理由と同じ理由により、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-03-24 
結審通知日 2008-04-15 
審決日 2008-05-28 
出願番号 特願平11-226061
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 典之  
特許庁審判長 塚中 哲雄
特許庁審判官 谷口 博
弘實 謙二
発明の名称 揮発性の直鎖状シリコーンを含有するメークアップ用又は手入れ用の耐移り性組成物  
代理人 小林 義教  
代理人 園田 吉隆  

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