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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J
管理番号 1187847
審判番号 不服2005-20882  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-10-28 
確定日 2008-11-10 
事件の表示 特願2001-351280「ドットラインプリンタ」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 5月21日出願公開、特開2003-145904〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成13年11月16日に出願したものであって、平成17年9月29日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月28日付けで拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

2.本願発明
本願は、全請求項数2からなり、本願請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年6月24日付け手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のものと認める。
「複数個の印字ハンマを有するハンマ機構部と、該ハンマ機構部を桁方向に往復運動させるシャトル機構部と、印字用紙を桁方向と垂直に送る紙送り機構部と、リボンカセット内に折り畳み状態で収納され印字ハンマ前面に沿って桁方向に搬送されるエンドレスインクリボンと、エンドレスインクリボンを搬送するためのローラ駆動部と、エンドレスインクリボンに張力を与えるためハンマ機構部よりもエンドレスインクリボンの搬送方向上流側に位置しかつリボンカセット内に収納されている主ブレーキ部と、印字ハンマの打撃力を保持するためのプラテンとを有し、ハンマ機構部とプラテンとの間にエンドレスインクリボンと印字用紙を介してシャトル動作の過程で適時印字ハンマを釈放することにより、印字用紙にドットマトリクスの形で文字、図形を印字するドットラインプリンタにおいて、
前記エンドレスインクリボンの搬送経路における前記主ブレーキ部と前記ハンマ機構部の間にリボン張力を調節する補助ブレーキを配設した事を特徴とするドットラインプリンタ。」

3.引用刊行物
(a)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2001-10184号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の記載が図示とともにある。
ア.【請求項7】 プラテンに対向して設けられ、かつこのプラテンとの間に挟み込まれた用紙の送り方向と交差する一定方向に往復動自在な印字ヘッドと、この印字ヘッドと上記用紙との間にインクリボンを介在させるようにしてこのインクリボンを上記一定方向に送るインクリボン送り手段と、を有している、インパクトプリンタ装置であって、
上記インクリボンにその送り動作の抵抗力を付与することが自在な抵抗力付与手段を備えていることを特徴とする、インパクトプリンタ装置。
イ.【0002】
【従来の技術】従来のインパクトプリンタ装置の概略構造の一例を図14に示す。図示されたインパクトプリンタ装置は、印字ヘッド90と、この印字ヘッド90に対面して矢印Na方向に走行する無端状のインクリボン91と、このインクリボン91を挟んで印字ヘッド90と対向するプラテンローラ92とを具備して構成されている。用紙7は、インクリボン91とプラテンローラ92との間に挟み込まれ、上記矢印Na方向とは直交する方向に紙送りされる。印字ヘッド90は、たとえば複数のヘッドピン群90aが一定間隔で設けられたものであり、それら複数のヘッドピン群90aの間隔と略同一寸法のストロークで矢印Nb,Nc方向に往復動自在である。
ウ.【0030】図1において、本実施形態のインパクトプリンタ装置Aは、印字ヘッド1、この印字ヘッド1に対面して設けられたプラテンローラ2、インクリボン3、このインクリボン3を一定の経路で循環送りするためのインクリボン送り機構4、インクリボン3にその送り動作の抵抗力を付与するための抵抗力付与部5、およびその他の後述する構成要素を具備して構成されている。
【0031】印字ヘッド1は、シャトル10に取り付けられており、矢印N1方向に往復動自在である。シャトル10は、図1によく表れているように、その底部に設けられた複数の磁石11と、シャトル10の下方に配置されたフレーム12に取り付けられている複数の電磁コイル13とを組み合わせて構成されたリニアモータ14の作用により、ガイドロッド15に沿って上記の矢印N1方向に往復動自在である。シャトル10および印字ヘッド1の矢印N1方向への往復速度は、可変制御可能である。印字ヘッド1は、従来例において説明した印字ヘッドと同様に、複数のヘッドピン群(図示略)を矢印N1方向に一定の間隔を隔てて設けたものである。したがって、印字ヘッド1の往復ストロークは、複数のヘッドピン群のピッチ間隔と略同一寸法である。
【0032】インクリボン3は、一定幅を有する帯状であり、無端状に繋げられている。インクリボン送り機構4は、インクリボン3を3個所に設けられたガイド40a?40cと1つのガイドローラ41とによってガイドさせながら、一対の送りローラ42によって矢印N2で示す一定方向に一定の循環経路で移送できるように構成されたものである。インクリボン3は、常にその一部が印字ヘッド1とプラテンローラ2との間を通過するようにガイドされている。ガイドローラ41は、インクリボン3の送り動作に伴って従動回転するものであり、インクリボン3の送り動作の検出用のローラとしても機能する。一対の送りローラ42は、インクリボン3をその両側から挟み付けてインクリボン3を移送させるものであり、モータM1によって駆動回転自在である。このモータM1としては、回転速度が可変なモータ、たとえばパルスモータが用いられており、インクリボン3の送り速度は増減変更自在となっている。
【0033】抵抗力付与部5は、インクリボン3を挟んで互いに対向する一対のクランプ片50a,50bと、これら一対のクランプ片50a,50bを動作させるための動作機構51とを具備して構成されている。一対のクランプ片50a,50bは、インクリボン3の移送経路のうち、一対の送りローラ42よりもインクリボン送り方向下流側であって、かつ印字ヘッド1に対面する箇所よりも上流側の位置に設けられている。動作機構51としては、たとえばソレノイド52(図3参照)を利用したものが用いられており、このソレノイド52がオンにされたときにのみ、一対のクランプ片50a,50bが互いに接近してインクリボン3を一定の圧力でクランプするようになっている。なお、本願発明においては、インクリボン3に抵抗力を付与するための手段としては、板状のクランプ片50a,50bに代えて、たとえば適当な制動力を発揮可能な一対のローラによってインクリボン3をクランプ可能とする手段を採用することもできる。
【0034】図2に示すように、プリント対象となる用紙7は、トラクタ80や図示しない送りローラなどを介して印字ヘッド1に対面するインクリボン3の一部分とプラテンローラ2との間に供給され、印字ヘッド1が往復動する方向とは直交する方向に送られるようになっている。ただし、本実施形態においては、プラテンローラ2は、印字ヘッド1に対面する方向(矢印N3方向)に移動自在とされており、印字ヘッド1との間の間隔を調整できるように設けられている。そのための具体的な手段としては、たとえば特開平8-118751号公報に記載されている従来既知の手段を採用することができる。より具体的には、本実施形態のインパクトプリンタ装置Aにおいては、プラテンローラ2の外周面に当接するカム60を含むカム機構6が具備されている。このカム機構6は、カム60の軸61がモータM2の駆動軸と複数の歯車62を介して駆動連結されたものである。プラテンローラ2は、図示しないバネにより、常時、印字ヘッド1から離反する方向へ付勢されており、カム60のカム面に接触するようになっている。このため、プラテンローラ2は、モータM2の駆動によってカム60が回転すると、その回転角度に対応する寸法だけ矢印N3方向に移動することとなる。
エ.【0046】まず、第2の実施形態においては、用紙7のプリント対象領域の厚みが所定値以下の場合には、印字ヘッド1の移動方向との関係におけるインクリボン3の送り速度を、先の図4(a),(b)を参照して説明した場合と同様な速度v1 ,v2 とする。また、図7(a),(b)に示すように、用紙7のプリント対象領域の厚みt2が所定値を超える場合についても、インクリボン3の送り速度についてはなんら変更することはなく、速度v1 ,v2 のままとする。
【0047】ただし、図7(b)に示すように、印字ヘッド1の移動方向とインクリボン3との送り方向が同一となる印字ヘッド1の復動時には、CPU83の制御により一対のクランプ片50a,50bを動作させて、これらクランプ片50a,50bによってインクリボン3の一部をクランプさせる。すると、インクリボン3には、その送り動作に対する抵抗力Rが付与されることとなる。このため、仮に印字ヘッド1がインクリボン3を引きずるようにして復動しようとする事態が発生しかけても、上記の抵抗力Rがそのような動作の抵抗となり、インクリボン3が印字ヘッド1によって引きずられないようにすることができる。一対の送りローラ42の回転トルクを大きくしておけば、上記抵抗力Rに抗してインクリボン3を速度v2 のまま所定の方向に走行させることが可能である。したがって、第1の実施形態の場合とは異なり、用紙7のプリント対象領域の厚みが所定値以下の場合と所定値を超える場合とで、印字ヘッド1とインクリボン3との相対速度を変化させないようにすることができ、用紙7の表面のプリントをより均一なものにすることもできる。また、インクリボン3に上記抵抗力Rが作用するのは一時的であるから、インクリボン3を送るための駆動源であるモータM1の負担が過大となる虞れもない。上述した第2の実施形態に係るプリント方法を実行するためのCPU83の基本的な動作手順は、図8に示すフローチャートのステップS10?S12のとおりである。
オ.【図7】から、抵抗力付与部5の上流側であって送りローラ42との間のインクリボン3が折り畳み状態(インクリボン3の折り畳み状態の部分を以下、「折り畳み部」と称する。)であることが看取できる。

上記イ.、ウ.の段落【0031】の記載から、刊行物1の「印字ヘッド1」は、印字ヘッド1の往復動方向に複数のヘッドピン群が一定の間隔を隔てて設けられたものであることが明らかである。上記ウ.の段落【0031】に「その底部に設けられた複数の磁石11と、シャトル10の下方に配置されたフレーム12に取り付けられている複数の電磁コイル13とを組み合わせて構成されたリニアモータ14の作用により、ガイドロッド15に沿って上記の矢印N1方向に往復動自在である。」と記載され、段落【0034】に「プリント対象となる用紙7は、トラクタ80や図示しない送りローラなどを介して印字ヘッド1に対面するインクリボン3の一部分とプラテンローラ2との間に供給され、印字ヘッド1が往復動する方向とは直交する方向に送られるようになっている。」と記載されているから、刊行物1の「インパクトプリンタ装置」は、印字ヘッド1を往復運動させるシャトル機構部を有し、用紙7を往復運動方向と垂直に送る紙送り機構部を有するものと認められる。
よって、上記記載及び図面を含む刊行物1全体の記載から、刊行物1には、以下の発明が開示されていると認められる。
「往復運動方向に複数のヘッドピン群を有する印字ヘッド1と、該印字ヘッド1を往復運動させるシャトル機構部と、用紙7を往復運動方向と垂直に送る紙送り機構部と、抵抗力付与部5の上流側で送りローラ42との間に折り畳み部を有し、ヘッドピン群前面に沿って往復運動方向に搬送される無端状に繋げられたインクリボン3と、送りローラ42と、プラテンローラ2とを有し、印字ヘッド1とプラテンローラ2との間にインクリボン3と用紙7を介して印字ヘッド1が往復運動する過程で適時複数のヘッドピン群により、用紙7に印字するインパクトプリンタ装置において、
前記インクリボン3の搬送経路における折り畳み部と印字ヘッド1の間に、インクリボン3に一時的抵抗力を作用させる抵抗力付与部5を配設したインパクトプリンタ装置。」(以下、「刊行物1記載の発明」という。)

(b)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開平3-215079号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の記載が図示とともにある。
カ.「ハンマバンク10とプラテン31の間を所定の速度で走行するインクリボン40の走行経路は、ハンマバンク10の左側及びシャトル機構部20の右側に設けたリボンガイド4l、42によって定められる。インクリボン40は幅が0.5?1.5インチで長さが50?100m程度のナイロン生地にインクを含浸したテープ状のものである。インクリボン40は一対のドライブローラ43によってカセット45内に送り込まれる。インクリボン40の走行異常を検出するのがリボンセンサ44であり、インクイボン40の走行経路を定めるガイドともなっている。インクリボン40に適度な張力を付加するのがカセット45の出口に設けたリボンブレーキ機構46である。インクリボン40に沿って書いた矢印はインクリボン40の走行方向を示している。」(第2頁左下欄第5?末行)
キ.第1図から、インクリボン40がリボンカセット内に折り畳み状態で収納され、リボンカセットは、ハンマバンク10よりもインクリボン40の搬送方向上流側に位置し、リボンブレーキ機構46は、リボンカセット内の出口に設けられていることが看取できる。

4.対比
本願発明と刊行物1記載の発明とを比較すると、刊行物1記載の発明の「ヘッドピン」、「印字ヘッド1」、「往復運動方向」、「用紙7」、「無端状に繋げられたインクリボン3」、「往復運動」は、それぞれ本願発明の「印字ハンマ」、「ハンマ機構部」、「桁方向」、「印字用紙」、「エンドレスインクリボン」、「シャトル動作」に相当する。
刊行物1記載の発明の「送りローラ42」が、インクリボン3を搬送するためのものであることは明らかであるから、本願発明の「エンドレスインクリボンを搬送するためのローラ駆動部」に相当する。
刊行物1記載の発明の「プラテンローラ2」が、ヘッドピンの打撃力を保持するためのものであることは明らかであるから、本願発明の「印字ハンマの打撃力を保持するためのプラテン」に相当する。
特開平11-170651号公報の段落【0002】に「複数の印字素子(以下印字ハンマという)を備えたハンマバンクを左右に往復移動しながら印字を行う代表的なものとしては、ドットラインプリンタまたはシャトルプリンタと呼ばれる印字装置がある。」と記載されており、刊行物1記載の発明のインパクトプリンタ装置は、同様に左右に往復移動しながら複数の印字素子で印字を行うものであるから、「ドットラインプリンタ」と称することができる。そして、刊行物1記載の発明のインパクトプリンタ装置が印字用紙にドットマトリクスの形で文字、図形を印字するものであることは明らかである。
刊行物1記載の発明の抵抗力付与部5は、一時的抵抗力を作用させるものであり、抵抗力付与部5が作用しているときと作用していないときとでインクリボン3の張力が異なることは明らかであるから、リボン張力を調節するものといえる。インクリボン3が正しく送られるためには、インクリボン3は緩んではならず、常にいくらかの張力が与えられべきであることは技術常識であるから、抵抗力付与部5が作用していないときにもいくらかの抵抗力が常時作用していることは明らかであり、この常時の抵抗力が作用する部分が本願発明の「主ブレーキ部」に相当する。この常時の抵抗力が作用する位置は、印字ヘッド1よりもインクリボン3の搬送方向上流側の位置となることは明らかである。よって、刊行物1記載の発明の「抵抗力付与部5」は本願発明の「補助ブレーキ」に相当し、刊行物1記載の発明は、エンドレスインクリボンに張力を与えるためハンマ機構部よりもエンドレスインクリボンの搬送方向上流側に位置する主ブレーキ部を有するものといえる。
以上より、両者は、
「複数個の印字ハンマを有するハンマ機構部と、該ハンマ機構部を桁方向に往復運動させるシャトル機構部と、印字用紙を桁方向と垂直に送る紙送り機構部と、印字ハンマ前面に沿って桁方向に搬送されるエンドレスインクリボンと、エンドレスインクリボンを搬送するためのローラ駆動部と、エンドレスインクリボンに張力を与えるためハンマ機構部よりもエンドレスインクリボンの搬送方向上流側に位置する主ブレーキ部と、印字ハンマの打撃力を保持するためのプラテンとを有し、ハンマ機構部とプラテンとの間にエンドレスインクリボンと印字用紙を介してシャトル動作の過程で適時印字ハンマにより、印字用紙にドットマトリクスの形で文字、図形を印字するドットラインプリンタにおいて、
前記エンドレスインクリボンの搬送経路においてリボン張力を調節する補助ブレーキを配設したドットラインプリンタ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]印字ハンマの印字に関し、本願発明は、「印字ハンマを釈放することにより」印字すると特定されているのに対し、刊行物1記載の発明は、本願発明のような特定がなされていない点。
[相違点2]エンドレスインクリボンに関し、本願発明は、「リボンカセット内に折り畳み状態で収納され」と特定されているのに対し、刊行物1記載の発明は、本願発明のような特定がなされていない点。
[相違点3]ブレーキの位置に関し、本願発明は、「エンドレスインクリボンの搬送経路における前記主ブレーキ部と前記ハンマ機構部の間にリボン張力を調節する補助ブレーキを配設したと特定されているのに対し、刊行物1記載の発明は、本願発明のような特定がなされていない点。

5.判断
上記相違点1について検討する。
印字ハンマで印字する際に、印字ハンマを釈放することにより印字するすることは、周知技術(例えば、特開平10-272792号公報、特に、段落【0003】参照。)であるから、刊行物1記載の発明に該周知技術を採用し、上記相違点1に係る本願発明のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

上記相違点2、3について検討する。
刊行物1記載の発明は、抵抗力付与部5の上流側で送りローラ42との間に折り畳み部を有しているものの、リボンカセットに収納されているか否か明らかではないが、刊行物2には、リボンカセット内にインクリボンを折り畳み状態で収納し、リボンカセット内の出口にリボンブレーキ機構46を設けることが記載されている。そして、刊行物1、2はいずれも同様のプリンタに関するものであるから、刊行物1記載の発明の折り畳み部に刊行物2記載の事項を適用することは当業者が容易になし得る程度のことであって、刊行物1記載の発明の折り畳み部に刊行物2記載のリボンカセットを適用すると、インクリボン3(エンドレスインクリボン)は、リボンカセット内に折り畳み状態で収納され、インクリボン3(エンドレスインクリボン)の搬送経路におけるリボンカセット内の出口のリボンブレーキ機構46と印字ヘッド1(ハンマ機構部)の間にリボン張力を調節する抵抗力付与部5(補助ブレーキ)を配設したこととなり、しかも、刊行物2のリボンブレーキ機構46は、常時の抵抗力として作用していることは明らかであるから、主ブレーキ部と称し得る。
したがって、上記相違点2、3に係る本願発明のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

そして、本願発明の作用効果も、刊行物1、2記載の発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1、2記載の発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-09-11 
結審通知日 2008-09-12 
審決日 2008-09-25 
出願番号 特願2001-351280(P2001-351280)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石原 徹弥  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 菅藤 政明
菅野 芳男
発明の名称 ドットラインプリンタ  

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