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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61B
管理番号 1187855
審判番号 不服2006-8596  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-05-01 
確定日 2008-11-11 
事件の表示 特願2002-506630号「トロカールアセンブリ用穿刺用先端部」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月10日国際公開、WO02/01998、平成16年 1月22日国内公表、特表2004-501711号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年5月16日(パリ条約による優先権主張2000年5月16日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成18年1月23日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年5月31日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。

第2 平成18年5月31日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年5月31日付けの手続補正(以下、「本件補正」という)を却下する。

[理由]
1 補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、次のように補正された。
「シャフトと、このシャフトの遠方側端部に配置された穿刺用先端部とを有する栓塞子を備え、前記穿刺用先端部は、前記シャフトの遠方側端部に位置する底部と、この底部よりも遠方側に位置する鈍な頂部と、前記底部から前記頂部まで延び、概ね全長にわたって、シャフトの軸方向と直交する断面が概ね楕円形をなす外周面とを有するようになっている、トロカールアセンブリとともに用いられる体組織穿刺用医療器具。」(下線部は、補正箇所を示す。)

2 補正の目的
本件補正は、請求項1に記載した発明の構成に欠くことのできない事項である「頂部」について、「鈍な」との限定を付加するものであり、かつ、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

3 独立特許要件
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-200749号公報(以下、「引用例」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
(ア)「〔産業上の利用分野〕本発明は、トラカール外套管に挿入して使用されるトラカール内針に関する。」(第1ページ左欄第14?16行目)
(イ)「トラカール内針1の本体部2は円筒状をなし、その基端側に適宜形状の握り部3を有している。本体部2の先端側には刃先部4が設けられている。この刃先部4は正三角錐状をなしており、先端が鋭く尖っているとともに、軸線方向に沿う3条の稜線エツジ5を有している。また、本体部2と刃先部4との間にテーパ部6が設けられている。このテーパ部6は、刃先部4側に向って外径が漸減するような円錐台状をなしている。」(第2ページ右上欄第7?16行目)
(ウ)「また上記いずれの実施例においても、刃先部4の形状は三角錐の代りに例えば四角錐等であってもよく、要するに稜線エツジ5をもつ多角錐形状であればよい。また本体部2は円筒状に限ることはなく、例えば断面が楕円形等の異形断面の柱状であってもよい。」(第3ページ左欄第6?8行目)
また、図1には、本体部2の先端側に配置された穿刺用先端部を有するトラカール内針1であって、穿刺用先端部が、本体部2の先端側に位置する底部と、この底部よりも先端側に位置する、テーパ部6、刃先部4、及び鋭く尖った先端を有するものが図示されているということができる。
そして、図1及び上記記載事項(イ)から、底部から先端まで延び、テーパ部6において外径が漸減するような円錐台状をなす外周面、及び刃先部4において正三角錐状をなす外周面を有する構成が図示されているといえる。

これら記載事項及び図示内容を総合し、本願補正発明の記載ぶりに則って整理すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という)が記載されている。
「本体部2と、この本体部2の先端側に配置された穿刺用先端部とを有するトラカール内針1を備え、前記穿刺用先端部は、前記本体部2の先端側に位置する底部と、この底部よりも先端側に位置する鋭く尖った先端と、前記底部から前記先端まで延び、テーパ部6において外径が漸減するような円錐台状をなす外周面、及び刃先部4において正三角錐状をなす外周面とを有するようになっている、トラカール外套管に挿入して使用されるトラカール内針。」

(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比すると、その構造または機能からみて、引用発明の「本体部2」は本願補正発明の「シャフト」に相当し、以下同様に、「先端側」は「遠方側端部」及び「遠方側」に、「トラカール内針」は「栓塞子」及び「体組織穿刺用医療器具」に、「トラカール外套管」は「トロカールアセンブリ」に、「トロカール外套管に挿入して使用される」は「トロカールアセンブリとともに用いられる」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「鋭く尖った先端」と、本願補正発明の「鈍な頂部」とは、「頂部」という概念で共通している。

そこで、本願補正発明の用語を用いて表現すると、両者は次の点で一致する。
(一致点)
「シャフトと、このシャフトの遠方側端部に配置された穿刺用先端部とを有する栓塞子を備え、前記穿刺用先端部は、前記シャフトの遠方側端部に位置する底部と、この底部よりも遠方側に位置する頂部とを有するようになっている、トロカールアセンブリとともに用いられる体組織穿刺用医療器具。」

そして、両者は次の点で相違する。
(相違点1)
頂部について、本願補正発明は「鈍な」頂部であるのに対し、引用発明は鋭く尖った「頂部(先端)」である点。
(相違点2)
底部から頂部にかけて、本願補正発明は「概ね全長にわたって、シャフトの軸方向と直交する断面が概ね楕円形をなす外周面」を有するのに対し、引用発明は、テーパ部6において外径が漸減するような円錐台状をなす外周面、及び刃先部4において正三角錐状をなす外周面を有する点。

(3)相違点についての判断
上記相違点について以下検討する。
(ア)相違点1について
栓塞子において、頂部を必要に応じて様々な形状とすることは従来から周知であり、損傷を防ぐ目的で先端部を鈍な形状とすることも周知技術であることから(例えば、実公昭63-17459号公報参照。)、引用発明においても損傷を防ぐことを考慮し、先端部を鈍な頂部として相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは当業者が容易に想到し得たことである。
(イ)相違点2について
栓塞子において、穿刺用先端部における断面形状を楕円形とすることは従来周知の技術にすぎず(例えば、実願昭58-27428号(実開昭59-133205号)のマイクロフィルム、特に明細書第3ページ第2?3行目を参照。)、しかも、上記記載事項(ウ)の示唆に倣って本体部2の断面を楕円形にした場合には、テーパ部6も底部近傍において楕円形となることから、引用発明においても、底部から頂部にかけて、概ね全長にわたって、シャフトの軸方向と直交する断面が概ね楕円形をなす外周面を有する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

また、本願補正発明による効果も、引用発明、及び上記周知技術から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。

したがって、本願補正発明は、引用発明、及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

(4)むすび
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を、「本願発明」という)は、平成17年12月7日付け手続補正書により補正された明細書の、特許請求の範囲の請求項1に記載された、以下のとおりのものである。
「シャフトと、このシャフトの遠方側端部に配置された穿刺用先端部とを有する栓塞子を備え、前記穿刺用先端部は、前記シャフトの遠方側端部に位置する底部と、この底部よりも遠方側に位置する頂部と、前記底部から前記頂部まで延び、概ね全長にわたって、シャフトの軸方向と直交する断面が概ね楕円形をなす外周面とを有するようになっている、トロカールアセンブリとともに用いられる体組織穿刺用医療器具。」

第4 引用例の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項は、前記第2 3(1)に記載したとおりである。

第5 対比・判断
本願発明は、前記第2 1の本願補正発明から、「頂部」についての限定
事項である「鈍な」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2 3(2)、(3)に記載したとおり、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-06-02 
結審通知日 2008-06-10 
審決日 2008-06-23 
出願番号 特願2002-506630(P2002-506630)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61B)
P 1 8・ 121- Z (A61B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石川 太郎土田 嘉一  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 北村 英隆
豊永 茂弘
発明の名称 トロカールアセンブリ用穿刺用先端部  
代理人 竹沢 荘一  

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