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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A61N
管理番号 1187934
審判番号 不服2006-25575  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-11-13 
確定日 2008-11-14 
事件の表示 平成7年特許願第279817号「ペースメーカー」拒絶査定不服審判事件〔平成8年8月13日出願公開、特開平8-206235号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成7年10月4日(パリ条約による優先権主張1994年10月4日、米国)の出願であって、平成18年8月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年12月13日付けで明細書についての手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?10に係る発明は、上記手続補正により補正された明細書の、特許請求の範囲の請求項1?10にそれぞれ記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】 心房信号(AS)を感知するための心房感知手段、患者の心室に供給する心室ペーシングパルス(VP)を発生させる心室ペーシング手段及び供給される心室ペーシングパルスの後に生じる心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔を設定する心室興奮後心室不応期手段を有するペースメーカーにおいて、
上記心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間範囲を規定する範囲手段と、上記時間範囲内でブランキング期間をどこに位置させるかを動的に調整して決める動的ブランキング期間調整手段を有し、該動的ブランキング期間調整手段が、上記心房信号(AS)事象をトラッキングするために上記ブランキング期間の範囲を調整するための動的調整手段を有し、上記動的ブランキング期間外でかつ上記時間範囲内で生じる心房信号(AS)信号ではなく、上記動的ブランキング期間内で生じる心房信号(AS)を除外する除外手段を有することを特徴とするペースメーカー。
【請求項2】 上記除外手段が、上記動的ブランキング期間調整手段によって決められた上記ブランキング期間のタイミングと上記心房信号の発生タイミングを比較するための比較手段を含む請求項1のペースメーカー。
【請求項3】 上記動的ブランキング期間調整手段が、0?100ミリ秒の持続期間で上記ブランキング期間を終了させる請求項1のペースメーカー。
【請求項4】 上記動的ブランキング期間調整手段が、最後の心房信号が発生した方向に、予め定めた増分だけ上記ブランキング期間を移動させるためのインクリメント手段を有する請求項3のペースメーカー。
【請求項5】 上記範囲手段が、予め定めた変調パターンと対応させて上記ブランキング期間の位置を変化させるための変調手段をさらに含む請求項1のペースメーカー。
【請求項6】 上記心室ペーシング手段を抑制してAV間隔により心房信号に続く心室ペーシングパルスを発生させる同期手段を含み、上記動的ブランキング期間調整手段が、最後に発生した心室ペーシングパルスの時間との時間的関係で上記動的ブランキング期間の位置を決め、上記変調手段が、上記動的ブランキング期間を変更させて房室間隔を変化させる請求項5のペースメーカー。
【請求項7】 予め定めたテスト基準状態を記憶するための記憶手段と、上記基準状態の発生を判断しかつ上記予め定めた基準状態の発生に応じて上記変調手段の動作を開始させるテスト手段を含む請求項6のペースメーカー。
【請求項8】 上記心室興奮後心室不応期の間に生じている他の各心房信号によって引き起こされる、時間比が1:2の不応期の発生を判断するための1:2ブロック手段と、上記1:2の比の不応期の発生の有無の判定に応じて上記ブランキング期間の位置を変える上記変調手段の動作を初期化する手段を含む請求項5のペースメーカー。
【請求項9】 上記除外手段によって除外された信号がファーフィールドR波(FFRS)であったかP波であったかを判定する手段を含む請求項2のペースメーカー。
【請求項10】 心房信号を感知するための心房感知手段、患者の心室へ供給する心室ペーシングパルスを発生させるための心室ペーシング手段を有するペースメーカーにおいて、心房感知が、予め定めた心室興奮後心室不応期内で生じる所定の心房感知信号を除外するための除外手段を含み、該除外手段が、上記心室興奮後心室不応期内で生じる心房信号のタイミングを計り、該タイミングの測定値を得るタイミング手段、測定された上記タイミングにより予め定めた間隔の動的なブランキング期間の時間を調整するブランキング期間調整手段を含み、上記除外手段が、上記心房信号がいつ上記動的なブランキング期間の時間内に入るかを判断し、上記ウィンドーの時間内にあると判断された心房信号だけを除外するための手段を含むことを特徴とするペースメーカー。」

3.原査定の理由
一方、原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
「請求項1-10について、依然、特許請求の範囲が不明確で、「ペースメーカー」としてどのように機能するものであるのか理解できないから、本願は、平成18年1月13日付け拒絶理由通知書に記載した理由(特許法第36条第6項第2号)によって、拒絶をすべきものである。」

そして、上記拒絶理由通知書に記載された拒絶理由の概要は、指摘した事項毎に番号を付与すると、以下のとおりである。
「この出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で、特許法第36条第4項及び第6項第2号に規定する要件を満たしていない。


(1)請求項1に記載された「心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔を確立する」という構成が不明である。
(2)請求項1に記載された「上記心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔の時間範囲を規定する」という構成が不明である。
(3)請求項1に記載された「上記範囲内のブランキングウィンドーを動的に位置決めする」という構成が不明である。
(4)請求項1に記載された「上記動的ブランキングウィンドー外でかつ上記範囲内で外で生じる心房信号(AS)信号ではなく、上記動的ブランキングウィンドーの範囲内で生じる心房信号(AS)を除外する」という構成が不明である。
(5)請求項1に記載された「上記心房信号(AS)事象をトラッキングするために上記ウィンドーのタイミングを調整する」という構成が不明である。
(6)請求項2に記載された「上記除外手段が、上記動的ブランキングウィンドー手段によって位置決めされたウィンドーのタイミングと心房信号のタイミングを比較する」という構成が不明である。
(7)請求項3に記載された「上記動的ブランキングウィンドー手段が、0?100ミリ秒の持続期間で上記ブランキングウィンドーをタイムアウトさせる」という構成が不明である。
(8)請求項4に記載された「上記動的ブランキングウィンドー手段が、最後の心房信号の時間に対応する方向で予め定めた増分によって上記ウィンドーを移動させるためのインクリメント手段を有する」という構成が不明である。
(9)請求項5に記載された、「上記範囲手段が、変調の予め定めたパターンとの一致で上記ウィンドーの位置を変調するための変調手段(1:2テスト)をさらに含む」という構成が不明である。
(10)請求項6に記載された「上記心室ペーシング手段を抑制する同期手段」という構成が不明である。
(11)請求項6に記載された「上記動的ブランキングウィンドー手段が、最後の心室ペーシングパルスの時間との時間的関係で上記動的ブランキングウィンドーを位置させ」という構成が不明である。
(12)請求項6に記載された「上記変調手段が、房室間隔を変調して、上記動的ブランキングウィンドーを変調させる」という構成が不明である。
(13)請求項7に記載された、「上記基準の発生を判断し」という構成が不明である。
(14)請求項7に記載された「上記予め定めた基準の発生に応じて上記変調手段の動作を開始させる」という構成が不明である。
(15)請求項8に記載された、「上記心室興奮後心室不応期の間に生じている他の心房信号によっても引き起こされる1:2ブロックの発生を判断するための1:2ブロック手段(1:2テスト)」という構成が不明である。
(16)請求項8に記載された「上記1:2ブロックの判定に応じて上記動作ウィンドーの位置を変調する上記変調手段の動作を開始させる」という構成が不明である。
(17)請求項9に記載された、「上記除外手段によって除外された信号がファーフィールドR波(FFRS)かP波であったかを判定する」という構成が不明である。
(18)請求項10に記載された「心房感知が、予め定めた心室興奮後心室不応期の範囲内で生じる所定の心房感知信号を除外するための除外手段を含み」という構成が不明である。
(19)請求項10に記載された「該除外手段が、上記心室興奮後心室不応期の範囲内で生じる心房信号のタイミングを計り、該タイミングの測定値を得るタイミング手段、測定された上記タイミングにより予め定めた間隔の動的ウィンドーを調整するウィンドー手段を含み」という構成が不明である。
(20)請求項10に記載された「上記除外手段が、上記心房信号がいつ上記動的ウィンドーの範囲内に入るかを決定し、上記ウィンドーの範囲内にあると判断された心房信号だけを除外するための手段を含む」という構成が不明である。」

4.当審の判断
ア.拒絶理由の上記(1)について
上記拒絶理由の通知時の請求項1における「心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔を確立する」なる記載は、上記手続補正により、「心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔を設定する」(下線部は補正箇所を示す。以下同様。)なる記載に補正されたが、前記時間間隔と、上記手続補正により補正された請求項1の「時間範囲」とは、どのような関係にあるのか、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明であり、また、上記手続補正により補正された請求項1の記載では、前記時間間隔を何ら利用しておらず、発明の詳細な説明にも、前記時間間隔をどのように利用するかについて何ら記載されていないから、前記時間間隔を設定することにどのような技術的意義があるかについても不明確である。

イ.拒絶理由の上記(2)について
上記拒絶理由の通知時の請求項1における「上記心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間間隔の時間範囲を規定する」なる記載は、手続補正1により、「上記心室興奮後心室不応期(PVARP)の時間範囲を規定する」なる記載に補正されたが、上記アでも示したとおり、前記時間範囲と、上記手続補正により補正された請求項1の「時間間隔」とには、どのような関係にあるのか不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

ウ.拒絶理由の上記(5)について
上記拒絶理由の通知時の請求項1における「上記心房信号(AS)事象をトラッキングするために上記ウィンドーのタイミングを調整する」なる記載は、上記手続補正により、「心房信号(AS)事象をトラッキングするために上記ブランキング期間の範囲を調整する」なる記載に補正されたが、前記範囲自体をどのように調整するのか、発明の詳細な説明にも何ら具体的に記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

エ.拒絶理由の上記(6)について
上記拒絶理由の通知時の請求項2における「上記除外手段が、上記動的ブランキングウィンドー手段によって位置決めされたウィンドーのタイミングと心房信号のタイミングを比較する」なる記載は、上記手続補正により、「上記除外手段が、上記動的ブランキング期間調整手段によって決められた上記ブランキング期間のタイミングと上記心房信号の発生タイミングを比較する」なる記載に補正されたが、前記比較を行うこと自体が発明の詳細な説明に何ら具体的に記載されておらず、前記比較を行った結果に基づいてどのような処理を行うのかについても、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明であり、前記比較を行うことに、どのような技術的意義があるについても、不明確である。

オ.拒絶理由の上記(8)について
上記拒絶理由の通知時の請求項4における「上記動的ブランキングウィンドー手段が、最後の心房信号の時間に対応する方向で予め定めた増分によって上記ウィンドーを移動させるためのインクリメント手段を有する」なる記載は、上記手続補正により、「上記動的ブランキング期間調整手段が、最後の心房信号が発生した方向に、予め定めた増分だけ上記ブランキング期間を移動させるためのインクリメント手段を有する」なる記載に補正されたが、前記最後の心房信号及び前記発生した方向に関連する事項として、発明の詳細な説明には、「この動的ブランキング期間は、心房感知が予め定めた期間の範囲内で最近生じた方向へ動くように絶えずペースメーカーによって調整する。」(段落【0013】)と記載されており、該記載を参酌しても、前記最後の心房信号が、どのような条件下での「最後」の心房信号であるか不明確であり、前記方向が具体的にどのように定義される方向であるのかも不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

カ.拒絶理由の上記(9)について
上記拒絶理由の通知時の請求項5における「上記範囲手段が、変調の予め定めたパターンとの一致で上記ウィンドーの位置を変調するための変調手段(1:2テスト)をさらに含む」なる記載は、上記手続補正により、「上記範囲手段が、予め定めた変調パターンと対応させて上記ブランキング期間の位置を変化させるための変調手段をさらに含む」なる記載に補正されたが、前記変調パターン自体、何らかのパターンを予め定めておくこと及び何らかのパターンに対応させて前記ブランキング期間の位置を変化させることについて、発明の詳細な説明には何ら記載されておらず、前記変調が具体的にどのような技術的事項を表すのか不明確であり、前記変調パターンが具体的にどのようなパターンであるのか不明確であり、前記変調パターンに対応させて前記ブランキング期間の位置をどのように変化させるのかも不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

キ.拒絶理由の上記(10)について
上記拒絶理由の通知時の請求項6における「上記心室ペーシング手段を抑制する同期手段」なる記載は、上記手続補正により、「上記心室ペーシング手段を抑制して」「同期手段」なる記載に補正されたが、前記同期手段が前記心室ペーシング手段を抑制することについて、発明の詳細な説明のどこに記載されているかも不明であり、該抑制が具体的にどのような技術的事項を表すのか不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明であり、前記抑制を行うことに、どのような技術的意義があるについても、不明確である。

ク.拒絶理由の上記(11)について
上記拒絶理由の通知時の請求項6における「上記動的ブランキングウィンドー手段が、最後の心室ペーシングパルスの時間との時間的関係で上記動的ブランキングウィンドーを位置させ」なる記載は、上記手続補正により、「上記動的ブランキング期間調整手段が、最後に発生した心室ペーシングパルスの時間との時間的関係で上記動的ブランキング期間の位置を決め」なる記載に補正されたが、前記最後に発生した心室ペーシングパルスの時間との時間的関係で前記動的ブランキング期間の位置を決めることについて、発明の詳細な説明のどこに記載されているか不明であり、前記最後に発生した心室ペーシングパルスが、どのような条件下での「最後」に発生したのか不明確であり、前記時間的関係をどのような使って前記位置を決めるのかも不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

ケ.拒絶理由の上記(12)について
上記拒絶理由の通知時の請求項6における「上記変調手段が、房室間隔を変調して、上記動的ブランキングウィンドーを変調させる」なる記載は、上記手続補正により、「上記変調手段が、上記動的ブランキング期間を変更させて房室間隔を変化させる」なる記載に補正されたが、上記カで示したように、前記変調手段の構成が不明確であり、該記載に関連する事項として、発明の詳細な説明には、「上記問題への解決案は、動的ブランキング期間が心室ペーシングパルスに接続されたという観察、即ち、ブランキング期間をVPの供給に関して中央に位置するように調整することから得られる。房室遅延を長くあるいは短くすることによってFFRS事象がブランキング期間と結合されたままであるのに対して、ブランキングされていたP波が効果的に期間外へシフトされることが続いて起こる。図5(a)は、房室遅延を短くされた一連の定速度P波を示す。同期VPを時間的に前へ動かすことによって、ウィンドーは次に生じるP波より時間的に前へ動き、従ってP波を示す。同様に、もし房室遅延が延ばされるならば、図5(b)で示すように、ブランキング期間は心房感知後にだけ生じる。どちらの事象でも、房室遅延の変調がP波と動的ブランキング期間の相対的タイミングを変え、それによって潜在的頻拍性不整脈の存在を示す。対照的に、図5(c)、(d)はVPに結合したままのFFRSの状況を示す。房室遅延が図5(c)のように短縮されるか、図5(d)のように延長されるかにかかわらず、FFRSは房室変化に続いて生じ、ブランキングされ続ける。それゆえに、感知が動的ブランキング期間の範囲内で捕捉されたことをペースメーカーが認識すると、後続の房室遅延の変調が、頻拍P波かFFRSが生じたかどうかを判定するために機能できることがわかる。」(段落【0015】)と記載されており、該記載を参酌しても、具体的にどのようにして、前記動的ブランキング期間を変更させて房室間隔を変化させるのかも不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

コ.拒絶理由の上記(13)について
上記拒絶理由の通知時の請求項7における「上記基準の発生を判断し」なる記載は、上記手続補正により、「上記基準状態の発生を判断し」なる記載に補正されたが、前記基準状態がどのように定義される状態であるのか、前記発生をどのように判断するのかについて、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

サ.拒絶理由の上記(14)について
上記拒絶理由の通知時の請求項7における「上記予め定めた基準の発生に応じて上記変調手段の動作を開始させる」なる記載は、上記手続補正により、「上記予め定めた基準状態の発生に応じて上記変調手段の動作を開始させる」なる記載に補正されたが、上記コで示したように、前記基準状態がどのように定義される状態であるか不明確であり、上記カで示したように、前記変調手段の構成が不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

シ.拒絶理由の上記(15)について
上記拒絶理由の通知時の請求項8における「上記心室興奮後心室不応期の間に生じている他の心房信号によっても引き起こされる1:2ブロックの発生を判断するための1:2ブロック手段(1:2テスト)」なる記載は、上記手続補正により、「上記心室興奮後心室不応期の間に生じている他の各心房信号によって引き起こされる、時間比が1:2の不応期の発生を判断するための1:2ブロック手段」なる記載に補正されたが、記時間比が1:2の不応期は、何と何の時間比が1:2であるのか、どのように定義されるのかについて、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

ス.拒絶理由の上記(16)について
上記拒絶理由の通知時の請求項8における「上記1:2ブロックの判定に応じて上記動作ウィンドーの位置を変調する上記変調手段の動作を開始させる」なる記載は、上記手続補正により、「上記1:2の比の不応期の発生の有無の判定に応じて上記ブランキング期間の位置を変える上記変調手段の動作を初期化する」なる記載に補正されたが、上記カで示したように、前記変調手段の構成が不明確であり、上記シで示したように、前記1:2の比の不応期が不明確であり、前記発生の有無のいずれの場合に、前記変調手段の動作を初期化するのか、具体的にどのようにして、前記変調手段の動作を初期化するのかについて、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

セ.拒絶理由の上記(18)について
上記拒絶理由の通知時の請求項10における「心房感知が、予め定めた心室興奮後心室不応期の範囲内で生じる所定の心房感知信号を除外するための除外手段を含み」なる記載は、上記手続補正により、「心房感知が、予め定めた心室興奮後心室不応期内で生じる所定の心房感知信号を除外するための除外手段を含み」なる記載に補正されたが、補正された該記載では、心房感知が除外手段を含むこととなり、日本語として技術的に意味不明であり、前記心房感知が前記除外手段を含むことは、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、補正された前記記載が具体的にどのような技術的事項を表すのか不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

ソ.拒絶理由の上記(19)について
上記拒絶理由の通知時の請求項10における「該除外手段が、上記心室興奮後心室不応期の範囲内で生じる心房信号のタイミングを計り、該タイミングの測定値を得るタイミング手段、測定された上記タイミングにより予め定めた間隔の動的ウィンドーを調整するウィンドー手段を含み」なる記載は、上記手続補正により、「該除外手段が、上記心室興奮後心室不応期内で生じる心房信号のタイミングを計り、該タイミングの測定値を得るタイミング手段、測定された上記タイミングにより予め定めた間隔の動的なブランキング期間の時間を調整するブランキング期間調整手段を含み」なる記載に補正されたが、技術常識から、「予め定めた」なる事項と「動的な」なる事項が同時に成り立つとはいえず、前記予め定めた間隔の動的なブランキング期間がどのように定義されるのか、前記ブランキング期間の時間がどのような定義されるのか、予め定めた間隔の動的なブランキング期間の時間を調整するとは、具体的にどのようなに行うのか、及び、前記タイミングにより前記調整を具体的にどのように行うかについても、発明の詳細な説明にも何ら記載されておらず、不明確であるから、補正された前記記載の表す構成が、依然として不明である。

5.むすび
したがって、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-06-19 
結審通知日 2008-06-20 
審決日 2008-07-03 
出願番号 特願平7-279817
審決分類 P 1 8・ 537- Z (A61N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中田 誠二郎  
特許庁審判長 阿部 寛
特許庁審判官 八木 誠
豊永 茂弘
発明の名称 ペースメーカー  
代理人 岡村 信一  
代理人 小林 十四雄  

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