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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06Q 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q |
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管理番号 | 1187962 |
審判番号 | 不服2005-6717 |
総通号数 | 109 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-01-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-04-14 |
確定日 | 2008-11-13 |
事件の表示 | 平成10年特許願第342450号「ネットワークを用いた予約処理システムおよび予約処理方法ならびに予約端末、予約サーバ、処理端末」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 6月23日出願公開、特開2000-172766〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成10年12月2日の出願であって、平成17年3月2日付で拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月14日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年5月16日付で手続補正がなされ、その後、当審において平成20年4月1日付で審尋がなされ、それに対し、平成20年6月6日付で回答がなされたものである。 2.平成17年5月16日付の手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成17年5月16日付の手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の本願発明 平成17年5月16日付の手続補正(以下、「本件補正」という。)により、本願の特許請求の範囲は、補正前の 「【請求項1】 ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段、前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段を有する予約サーバと、 ユーザの入力する識別記号を受け付ける手段、受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約サーバから読み出し、その予約内容を画面に表示する手段、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付ける手段、確認後の予約内容に基づく処理をホストコンピュータへ依頼する手段を有する処理端末と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理システム。 【請求項2】 予約端末の制御手段により、ユーザが入力した取引内容をデータとしてネットワークを介して予約サーバへ送信する工程と、 前記予約サーバの制御手段により、前記予約端末から送信されたデータを前記予約サーバで受信し、そのデータに所定の識別記号を対応させて前記予約サーバに記憶するとともに、その識別記号を前記予約サーバから前記予約端末へ返送する工程と、 前記予約内容に応じた処理を行う際、処理端末の制御手段により、ユーザの指定する識別記号を前記処理端末で受け付けて、その識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約サーバから前記処理端末に読み出し、予約内容を画面に表示するとともに、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付けた後、その確認後の予約内容に基づく処理を前記処理端末からホストコンピュータへ依頼する工程と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理方法。 【請求項3】 ネットワークに接続された予約サーバに対して予約を行う予約端末において、 ユーザが入力した取引内容をデータとして前記ネットワークを介して前記予約サーバへ送信する手段と、 送信したデータに対応した所定の識別記号を前記予約サーバから受信する手段と を備えることを特徴とする予約端末。 【請求項4】 ネットワークを介して予約端末から送られる予約内容の受付およびその予約内容の読み出しを行う予約サーバにおいて、 前記ネットワークを介して前記予約端末から送られてきたデータを予約内容として所定の識別記号と対応させて記憶する手段と、 記憶した前記識別機構を前記予約端末へ送信する手段と、 処理端末から前記識別記号が送られてきた場合、予め記憶してあるその識別記号に対応した予約内容のデータを読み出して前記処理端末へそのデータを送信する手段と を備えることを特徴とする予約サーバ。 【請求項5】 ネットワークを介して予約を行う予約処理システムを構成する処理端末において、 前記ネットワークを介して予約サーバから予約端末へ送られた識別記号の入力を受け付ける手段と、 受け付けた前記識別記号を前記予約サーバへ送信する手段と、 送信した前記識別番号に対応した予約内容を予約サーバから受信して画面に表示する手段と、 前記画面に表示された予約内容の確認を受け付けた後、その予約内容に基づく処理の依頼をホストコンピュータに行う手段と を備えることを特徴とする処理端末。」 から、補正後の 「【請求項1】 ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段、前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段を有し、ホストコンピュータと別個に稼働する予約サーバと、 ユーザの入力する識別記号を受け付ける手段、受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約サーバから読み出し、その予約内容を画面に表示する手段、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付ける手段、確認後の予約内容に基づく処理を前記ホストコンピュータへ依頼する手段を有する処理端末と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理システム。 【請求項2】 予約端末の制御手段により、ユーザが入力した取引内容をデータとして、ホストコンピュータとは別個に稼働する予約サーバへネットワークを介して送信する工程と、 前記予約サーバの制御手段により、前記予約端末から送信されたデータを前記予約サーバで受信し、そのデータに所定の識別記号を対応させて前記予約サーバに記憶するとともに、その識別記号を前記予約サーバから前記予約端末へ返送する工程と、 前記予約内容に応じた処理を行う際、処理端末の制御手段により、ユーザの指定する識別記号を前記処理端末で受け付けて、その識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約サーバから前記処理端末に読み出し、予約内容を画面に表示するとともに、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付けた後、その確認後の予約内容に基づく処理を前記処理端末から前記ホストコンピュータへ依頼する工程と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理方法。 【請求項3】 ネットワークに接続された予約サーバに対して予約を行う予約端末において、 ユーザが入力した取引内容をデータとして、ホストコンピュータとは別個に稼働する予約サーバへ前記ネットワークを介して送信する手段と、 送信したデータに対応した所定の識別記号を前記予約サーバから受信する手段と を備えることを特徴とする予約端末。 【請求項4】 ネットワークを介して予約端末から送られる予約内容の受付およびその予約内容の読み出しを行う予約サーバにおいて、 前記ネットワークを介して前記予約端末から送られてきたデータを予約内容として所定の識別記号と対応させて記憶する手段と、 記憶した前記識別記号を前記予約端末へ送信する手段と、 処理端末から前記識別記号が送られてきた場合、予め記憶してあるその識別記号に対応した予約内容のデータを読み出して前記処理端末へそのデータを送信する手段と を備えることを特徴とする予約サーバ。 【請求項5】 ネットワークを介して予約を行う予約処理システムを構成する処理端末において、 ホストコンピュータとは別個に稼働する予約サーバから前記ネットワークを介して予約端末へ送られた識別記号の入力を受け付ける手段と、 受け付けた前記識別記号を前記予約サーバへ送信する手段と、 送信した前記識別記号に対応した予約内容を予約サーバから受信して画面に表示する手段と、 前記画面に表示された予約内容の確認を受け付けた後、その予約内容に基づく処理の依頼を前記ホストコンピュータに行う手段と を備えることを特徴とする処理端末。」 に補正された。 (2)補正の目的 特許請求の範囲についてする本件補正が、特許法第17条の2第4項各号に掲げる事項を目的とするものであるか否かについて検討する。 本件補正は、その補正の内容から見て、補正前の請求項1ないし5を、それぞれ補正後の請求項1ないし5に補正するものであり、補正前の請求項1の「予約サーバ」に、それぞれ「ホストコンピュータと別個に稼働する」との限定を付加して、補正後の請求項1とする補正事項と、補正前の請求項2、3、及び5の「送信する」に、それぞれ「ホストコンピュータとは別個に稼働する予約サーバへネットワークを介して」との限定を付加して、補正後の請求項2、3、及び5とする補正事項から構成されているものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (3)引用例 (3-1)引用例1 原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-241357号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、次のとおりの記載がある。 (イ)「【0008】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の金融自動取引装置の電話予約システムの一実施例のブロック図である。図示のシステムは、金融機関のセンタ10、公衆網20を介してセンタ10に接続された各家庭の電話機21、22、センタ10と通信回線を介して接続された金融機関の各店舗又は店舗外の自動取引装置31、32、41等から成る。そして、センタ10には、モデム13を介して公衆網20に接続された電話応答装置11がホストコンピュータ12とともに設けられている。電話応答装置11は、信号検出部1、信号変換部2、音声出力部3、取引情報記憶部4、予約番号付与部5、取引情報読出部6、ファックス送受信部7、文字認識部8を備えている。 【0009】信号検出部1は、周知のプッシュボタン式電話機21、22がプッシュボタンの押下時に出力するトーン信号を検出する回路から成り、電話機21、22から電話回線を介して送られるプッシュボタン信号を検出する。即ち、所定の周波数で所定の時間以上にわたって出力される音声をプッシュボタン信号として検出する。そして、そのプッシュボタン信号が“0”、“1”、“2”等のいずれの信号かを識別する。信号変換部2は、各プッシュボタン信号に対応したコードデータ等を記憶しており、当該信号検出部1により検出されたプッシュボタン信号をホストコンピュータ12用の文字コード等のデータに変換する。 【0010】音声出力部3は、信号変換部2を介して入力されるデータに対応した音声ガイダンスを出力し、電話回線を介して電話機21、22に返送する。これにより、各家庭等の電話機21、22では、プッシュボタンの操作に対応した音声ガイダンスを聞くことができる。そして、電話機21、22の操作者は、その音声ガイダンスに従って振込等の取引に必要な情報を入力することができる。取引情報記憶部4は、RAM又はディスク装置等から成り、音声出力部3から出力される音声ガイダンスに対応して電話機21、22から電話回線を介して送られ、ホストコンピュータ12に入力された取引情報を記憶する。 【0011】ホストコンピュータ12は、取引情報記憶部4、予約番号付与部5、取引情報読出部6を備えている。予約番号付与部5は、取引情報記憶部4に記憶された各取引情報に対して予約番号を付与する。取引情報読出部6は、当該予約番号付与部5により付与された予約番号と自動取引装置から入力された予約番号とを照合することにより取引情報記憶部4に記憶されている取引情報を読み出す。また、電話応答装置11は、ファックス送受信部7、文字認識部8をも備えている。ファックス送受信部7は、周知のように、イメージリーダと、各家庭等に備えられたファックス装置との間で電話回線を介してファックスデータを送受信する。 【0012】文字認識部8は、当該ファックス送受信部7により受信されたファックスデータに含まれる取引情報を認識してホストコンピュータ12用のデータに変換する。これにより、取引情報記憶部4は、当該文字認識部8からホストコンピュータ12に入力された取引情報を記憶する。また、上述したように、予約番号付与部5は、当該取引情報記憶部4に記憶された各取引情報に対して予約番号を付与する。そして、取引情報読出部6は、当該予約番号付与部5により付与された予約番号と自動取引装置から入力された予約番号とを照合することにより取引情報記憶部4に記憶されている取引情報を読み出す。 【0013】次に、上述した装置の動作を説明する。以下に電話予約の例を示す。 (1) 顧客は、電話によりホストコンピュータ12を呼び出す。このため、電話番号を押下する。尚、ホストコンピュータ12は、分散データベースを用いることにより各主要都市に設置することが可能であり、電話番号は例えば、東京03-xxxx-yyyy、大阪06-zzz-aaaa 等顧客の最寄のホストコンピュータ12の電話番号となる。これに対し、ホストコンピュータ12は、音声ガイダンスにより応答し、取引の種類を入力するよう促す。例えば、「こちらはXXXX銀行テレホンサービスセンタでございます。信号音の後に取引番号をどうぞ。取引番号がわからないときは、“##”をどうぞ。」等の音声ガイダンスを出力する。その後、“ピッ”という信号音を送る。 【0014】?【0021】(略) 【0022】(17)顧客は、信号音の後に電話により依頼人の電話番号を入力する。これに対し、ホストコンピュータ12は、確認のため、依頼人の電話番号を復唱し、「お振込みされる金額をどうぞ。」等の音声ガイダンスを出力する。その後、“ピッ”という信号音を送る。 (18)顧客は、信号音の後に電話により振込金額を入力する。これに対し、ホストコンピュータ12は、確認のため、振込金額を確認し、「そのままでお待ちください。」等の音声ガイダンスを出力する。そして、この間にホストコンピュータ12との通信を行う。その後、「もう1度内容を繰り返しますので、ご確認をお願いします。」というメッセージとともに、今までの入力内容を音声出力する。そして、“ピッ”という信号音を送る。 【0023】(19)顧客は、内容に訂正があるときは、信号音の後に電話により“00#”を入力する。これに対し、ホストコンピュータ12は、「どの項目を訂正しますか。“01#”振込先、“02#”受取人名、“99#”手続き取消、“00#”訂正中止」等の音声ガイダンスを出力する。その後、“ピッ”という信号音を送る。このガイダンスに従い、上述と同様の入力操作を行うことにより、訂正をすることができる。 【0024】(20)顧客は、訂正を中止するときは、信号音の後に電話により“00#”を入力する。これに対し、ホストコンピュータ12は、「訂正を中止します。そのままでお待ちください。」等の音声ガイダンスを出力する。この間に音声応答装置はホストコンピュータ12と通信を行う。ホストコンピュータ12で予約情報の受け付けが終了すると予約番号が付与され、電話機21、22に伝えられる。その後、「御客様のご予約番号は何々番です。おこしの際にこの番号をご入力ください。ありがとうございました。」というメッセージを3回程度繰り返す。以上のようにして、取引の電話予約が終了する。」 (ロ)「【0025】次に、自動取引装置(ATM)での顧客の取引操作について説明する。図2に、ATMでの顧客の操作手順を示し、図3及び図4に、ATMの画面の流れを示し、図5に、ホストコンピュータ12での処理手順を示す。ステップS1で、自動取引装置の画面には、「いらっしゃいませ。」の画面が表示されている。この画面には、図3に示すように、「支払」、「入金」等の選択キーのほか、「電話予約済」の選択キーが表示されている。ステップS2で、顧客は電話予約済キーを押下する。すると、ステップS3で、予約番号の入力のための画面が表示される。この画面を使用し、ステップS4で、顧客は予約番号を入力する。その後、「カードをお入れください。」の画面が表示される。この画面に従い、ステップS6で、顧客はキャッシュカードを挿入する。 【0026】その後、ステップS7で暗証番号入力用の画面が表示され、ステップS8で顧客は暗証番号を入力する。尚、図2において点線で囲んで示すように、ステップS7及びS8は口座番号を電話機21、22により予約入力しているため、省略することも可能である。 【0027】以上の処理の後、ステップS9で、処理中の画面が表示され、ホストコンピュータ12との通信によりホストコンピュータ12で取引処理が行われる。即ち、図5に示すように、ホストコンピュータ12では、ステップS21で予約入力済の取引であると判別すると、ステップS22で予約番号に対応したデータを取り出す。このデータには、以前に顧客が電話により入力した取引情報がすべて含まれている。このため、ステップS23で、この取引情報に従って従来と同様の取引処理を実行する。従って、自動取引装置においては、顧客はこれらの取引情報の入力を行う必要はない。 【0028】ホストコンピュータ12での処理が終了すると、図2において、ステップS10でカード及び明細票を差し出す旨の画面が表示され、ステップS11で顧客に対し自動取引装置の差出し口からカード及び明細票が差し出される。このようにして、キャッシュカードを使った振込取引の場合、顧客による自動取引装置のキー押下回数は3回で済む。また、暗証番号の照合を省略するようにすれば、2回のキー押下で済む。しかも、1回当たりの操作キー数は図2のステップS2の電話予約済押下では1つのみ、図2のステップS4の予約番号は例えば4桁とすると4つのキーを操作するだけでよい。従って、自動取引装置でのみ取引操作を行う場合に比べて約8回程度のキー押下回数を削減することができる。これにより、口座番号や金融機関名、支店名、電話番号等の操作キー数の非常に多い操作はすべて省略することができる。」 (ハ)「【0031】次に、図1のファックス送受信部7及び文字認識部8を使った取引予約機能について説明する。顧客がいる家庭や職場には、図6に示すようなファックス予約入力専用用紙が用意されている。図6の例では、取引種別、店番号、口座番号等をマークシートで塗りつぶすようにしているが、手書きの文字等を記入するようなものでもよい。このような用紙に取引情報を記入してセンタ10にファックス送信を行うだけで、ホストコンピュータ12に前述した電話機21、22による場合と同様に予約情報が記憶される。そして、予約の成立時は、ファックス送受信部7により予約番号がファックス送信され、予約の不成立時は、その旨の文書メッセージがファックス送信される。 【0032】自動取引装置における顧客の操作手順は、図2?図5に示すものと全く同様である。ただし、図3の画面は図7の画面′のようになり、電話予約済キーのほかにFAX予約済キーが表示される。このように、ファックスを用いることにより、予約操作を電話機21、22による場合より簡略化することができる。尚、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、種々の変形が可能であることはもちろんである。例えば、上述した実施例では、すべての情報入力を完了した後に訂正できるようにしたが、各項目の入力ごとに以前の入力情報の訂正を行えるようにしてもよい。また、手続きの取消を意味する信号、例えば“99”の入力後に予約番号を入力することにより、以前にホストコンピュータ12で受け付けられた取引予約情報をキャンセルできるようにしてもよい。」 (ニ)「【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の金融自動取引装置の電話予約システムによれば、電話機又はファックスにより顧客が取引情報を予めホストコンピュータに送っておくようにしたので、次のような効果がある。即ち、自動取引装置においては、キー入力数が多い複雑なキー操作を行う必要がなく、操作時間が長くなることを防止できる。従って、各顧客の操作時間が長くなることがなく、円滑な取引処理が行え、自動取引装置の前に並ぶ人の列の流れも確実に円滑になる。」 上記摘記事項(イ)には、ホストコンピュータ12の予約取引に関連する構成として、段落【0011】?【0012】に「ホストコンピュータ12は、取引情報記憶部4、予約番号付与部5、取引情報読出部6を備えている。(-中略-)また、電話応答装置11は、ファックス送受信部7、文字認識部8をも備えている。ファックス送受信部7は、周知のように、イメージリーダと、各家庭等に備えられたファックス装置との間で電話回線を介してファックスデータを送受信する。 文字認識部8は、当該ファックス送受信部7により受信されたファックスデータに含まれる取引情報を認識してホストコンピュータ12用のデータに変換する。これにより、取引情報記憶部4は、当該文字認識部8からホストコンピュータ12に入力された取引情報を記憶する。また、上述したように、予約番号付与部5は、当該取引情報記憶部4に記憶された各取引情報に対して予約番号を付与する。そして、取引情報読出部6は、当該予約番号付与部5により付与された予約番号と自動取引装置から入力された予約番号とを照合することにより取引情報記憶部4に記憶されている取引情報を読み出す。」と記載されており、前記「取引情報読出部6」が予約番号により予約した取引情報を読み出すと記載されている以上、予約した取引情報は予約番号に対応して記憶されていることは明らかである。また、上記摘記事項(ハ)の段落【0031】には「予約の成立時は、ファックス送受信部7により予約番号がファックス送信され」と記載されている。 したがって、上記摘記事項(イ)、(ハ)から、引用例1には、「通信回線を介してファックス装置から送信された予約取引情報を、予約番号に対応させて記憶する取引情報記憶部、前記予約番号を通信回線を介して前記ファックス装置へ返信する手段を有する、ホストコンピュータのうち取引の予約を行う処理に関する装置」が記載されているといえる。 上記摘記事項(イ)の段落【0011】には、ホストコンピュータに関し「取引情報読出部6は、当該予約番号付与部5により付与された予約番号と自動取引装置から入力された予約番号とを照合することにより取引情報記憶部4に記憶されている取引情報を読み出す。」と記載されており、また、上記摘記事項(ロ)の段落【0025】?【0027】には自動取引装置に関し「ステップS3で、予約番号の入力のための画面が表示される。この画面を使用し、ステップS4で、顧客は予約番号を入力する。(-中略-)以上の処理の後、ステップS9で、処理中の画面が表示され、ホストコンピュータ12との通信によりホストコンピュータ12で取引処理が行われる。」と記載されており、自動取引装置が要求した取引処理をホストコンピュータで行っている以上、自動取引装置からホストコンピュータに対して通信により取引依頼を行っていることは自明である。 したがって、上記摘記事項(イ)、(ロ)から、引用例1には、「顧客の入力する予約番号を受け付ける手段、受け付けた前記予約番号に対応する予約取引情報を前記ホストコンピュータのうち取引の予約を行う処理に関する装置から取り出し、その予約取引情報に従って、予約取引情報に基づく処理をホストコンピュータのうち取引処理に関する装置へ依頼する手段を有する自動取引装置」が記載されているといえる。 よって、上記摘記事項(イ)ないし(ハ)から、引用例1には、 「通信回線を介してファックス装置から送信された予約取引情報を、予約番号に対応させて記憶する取引情報記憶部、前記予約番号を通信回線を介して前記ファックス装置へ返信する手段を有する、ホストコンピュータのうち取引の予約を行う処理に関する装置と、 顧客の入力する予約番号を受け付ける手段、受け付けた前記予約番号に対応する予約取引情報を前記ホストコンピュータのうち取引の予約を行う処理に関する装置から取り出し、その予約取引情報に従って、予約取引情報に基づく処理をホストコンピュータのうち取引処理に関する装置へ依頼する手段を有する自動取引装置と を備えていることを特徴とする予約取引システム。」 との発明(以下「引用例発明」という。)が記載されているものと認める。 (3-2)引用例2 原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-103298号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、次のとおりの記載がある。 (ホ)「【0012】次に利用者が、磁気カードデータ51、取引データ書き込みプログラム52および取引データ集53を記録した前記フロッピディスク8に、取引データを先行入力する場合のパーソナルコンピュータ10における処理を示す。(-中略-) 【0013】ステップS313へ進むと前記制御部11は前記フロッピディスクドライブ14により前記フロッピディスク8の取引データ集53(図7参照)に上記で入力した取引データ(例ではステップS308で入力した振込取引のデータ)を書き込んで取引実行フラグ532をセットし終了フラグ533をセットする。」 (ヘ)「【0014】次に利用者が、取引データを記録した前記フロッピディスク8を使用して現金自動取引装置1で取引を行なう場合の現金自動取引装置1の動作を示す。図5、図6は先行入力したフロッピディスクを使用して取引する場合のフローチャートを示す。(-中略-) 【0018】次に前記制御部2は、前記フロッピディスク8の中の前記取引データ集53の中の初めの取引データを読み取る(ステップS418)。前記初めの取引データの中の取引実行フラグ532がセットされているか調べて、リセットであれば再びステップS418へ進んで次の取引データを読み取り、セットであればステップS420へ進む(ステップS419)。前記制御部2は前記CRT4に図15のようなFD取引確認画面131を表示する(ステップS420)。図15は振込み取引の場合の例である。利用者は前記FD取引確認画面131を見て、間違いなければ確認キーエリア132の部分に、取り消す場合は取消キーエリア133の部分に触れる(ステップS421)。前記制御部2は、利用者が触れた部分を前記タッチパネル5からの信号によってに検知し、確認キーエリア132の部分であればステップS423に、取消キーエリア133の部分であればステップS426に進む(ステップS422)。前記制御部2は、ステップS423に進むと前記取引確認画面121で表示した取引を行なう。」 (3-3)引用例3 原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-98740号公報(以下「引用例3」という。)には、図面とともに、次のとおりの記載がある。 (ト)「【0021】次に、図6、図7及び図8に従って、本実施例における取引処理手順の流れを説明する。 顧客は来店後、電子記帳台11で取引データの入力を行う(ステップS1)。 顧客が取引データの入力を完了すると、電子記帳台11はその取引データを端末制御装置14へ転送する(ステップS2)。 端末制御装置14は、即時処理可能な窓口端末装置13がある場合(ステップS3)、当該窓口端末装置13へ顧客を誘導する文言を電子記帳台11のディスプレイ112へ表示する(ステップS4)。これにより、顧客はすぐにその窓口へ行くことができるので、顧客誘導装置12による誘導は行なわずに後述するステップS10に進む。尚、この場合にも顧客誘導装置12による誘導を行なうようにしてもよい。一方、即時処理可能な窓口端末装置13がない場合、前記取引データに受付番号を付加し、ファイル機構15へ格納する(ステップS5)。そして、電子記帳台11は、カードリーダライタ114で、前記受付番号を記録したカード型記録媒体を発行(排出)する(ステップS6)。」 (チ)「【0023】提出されたカード型記録媒体を窓口端末装置13のカードリーダ136へ挿入すると(ステップS9、S10)、窓口端末装置13は読み取った受付番号を端末制御装置14へ通知する。 端末制御装置14は通知を受けた受付番号が付加された取引データをファイル機構15から検索し、窓口端末装置13へ転送する。 窓口端末装置13は転送されてきた取引データをディスプレイ132へ表示し(ステップS11)、窓口行員が表示された取引データと提出された現物を照合し、当該顧客に確認を行う(ステップS12)。その後、ホストコンピュータとの交信を行い、ホストコンピュータからの指示に従い(ステップS13)、通帳記帳・入出金等の現物処理を行う(ステップS14)。」 引用例2及び3には、上記摘記事項(ホ)ないし(チ)の記載からみて、「予め取引情報を入力しておき、その取引情報に基づいた取引を行う前に、予め入力した取引情報を画面に表示させ、表示された前記取引情報の確認を受け付けてから、前記取引情報による取引を行う構成」が記載されている。 (3-4)引用例4 当審で新たに引用する特開平2-264357号公報(以下「引用例4」という。)には、図面とともに、次のとおりの記載がある。 (リ)「一般に、この種の自動取引装置は入金処理、出金処理、振込み処理等の多機能を有しており、この-取引例として自動振込みをした場合、振込み先の口座番号、名義、金融機関名、振込み人氏名等の多くの入力項目を入力操作する必要がある。 このため、顧客14よる多くの入力操作を必要とする場合に、この入力操作に手間取って取引時間が長くなり、多機能の自動取引装置を一人で長く専有する結果となり、これが銀行業務等での顧客の混雑化を誘因する原因となるなど自動取引装置の使用効率が悪くなっていた。」(第1頁右下欄第5行?第15行) (ヌ)「 このように構成された無人店舗における自動取引システムの処理動作を、第6図および第7図のフローチャートを参照して説明する。 第6図は取引時間が長くかかる振込み取引を入力機15を用いて予備処理した場合を示し、先ず、顧客は入力機15で、その入力機CRT27に表示された振込み取引を選択してタッチ入力し、順次、入力機CRT27に表示された操作手順にしたがって振込みデータを入力操作する(第1?第2ステップ61?62)。 この入力処理に異常がない限り、その振込み取引きの入力動作が成立し(第3?第5ステップ63?65)、 入力動作が完了すると、この取引成立にしたがって、伝票放出口28より取引コード28bを印字した入力済み伝票28aを発行する(第6?第8ステップ66?68)。 この伝票28aを発行した時点からタイマがスタートし、タイムアツプするまでの間、この取引コード28bは自動取引装置14側で取引が可能であり、タイムアツプすると入力データの記憶が消去され、入力処理は無効となり、入力機15のRAM53で過剰にデータが蓄積されるのを制限する(第9?第11ステップ69?71)。 このように、振込み取引の入力操作を入力機15で事前に済ませておき、その後は自動取引装置14で短時間に事後処理する。」(第3頁右下欄第3行?第4頁左上欄第9行) (ル)「 第7図は自動取引装置14側での使用状態を示し、顧客が自動取引装置14の前面に近付くと、これを顧客接近検知センサ26が検知し、次に顧客がCRTl8に表示された取引事項を選択してタッチ入力すると、この取引種別と対応する入力操作が既になされているかを検索し、事前に入力されている取引の場合は(第21?第22ステップ81?82)、 顧客に付与した取引コード28bを入力するように指示案内し、顧客が入力済み伝票28aの取引コード28bを入力すると、この自動取引装置14は入力機15と交信し、その取引コード28bが有効期限内か否かを判定し、期限切れであれば、その旨をCRTl8に表示して、最初から取引するように指示案内する(第23?第26ステップ83?86)。 そして、有効期限内であれば、入力機15で事前に入力された入力済みのデータが該自動取引装置14に転送され、その取引内容をCRTl8に表示して顧客による確認を求め、入力済みデータを変更する場合は修正し、なければ適正データとして取引成立し、また不具合があれば取引中止する(第27?第31ステップ87?91)。 そして、取引成立すれば、顧客はCRTl8に表示された操作手順にしたがって振込み金額を投入し、通信制御部44を介してセンタから顧客コードに対応する請求金額や顧客の特定データが読取られて振込み取引きが成立し、その明細を記載した領収書を発行して一取引が終了する(第32?第36ステップ92?96)。」(第4頁左上欄第10行?同頁右上欄第19行) 上記摘記事項(リ)ないし(ル)の記載からみて、引用文献4には、自動取引装置の操作時間を短縮することを目的として「予め入力した取引情報を取引コードに対応して記憶する手段、取引コードを顧客に通知する手段、自動取引装置から送信された取引コードに対応する取引情報を前記自動取引装置に送信する手段」を、取引を行う「センタ」と別個に動作する「入力機」に設ける構成が記載されている。 (4)対比 本願補正発明と、引用例発明を対比する。 (a)引用例発明における、「通信回線」、「ファックス装置」、「予約取引情報」、「予約番号」、「取引情報記憶部」、「返信」、「顧客」、「取り出し」、「ホストコンピュータのうち取引処理に関する装置」、「予約取引システム」は、それぞれ本願補正発明における「ネットワーク」、「予約端末」、「予約内容(のデータ)」、「(所定の)識別番号」、「記憶する手段」、「返送」、「ユーザ」、「読み出し」、「ホストコンピュータ」、「予約処理システム」に相当する。 (b)本願補正発明の「ホストコンピュータと別個に稼働する予約サーバ」と、引用例発明の「ホストコンピュータのうち取引の予約を行う処理に関する装置」とは、何れも予約の処理を行う情報処理装置といえるから、両者は「予約情報処理装置」である点で共通する。 してみると、本願補正発明と、引用例発明は、 「ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段、前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段を有する予約情報処理装置と、 ユーザの入力する識別記号を受け付ける手段、受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約情報処理装置から読み出し、予約内容に基づく処理を前記ホストコンピュータへ依頼する手段を有する処理端末と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理システム。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本願補正発明では、「ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段」及び「前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段」が、何れも「ホストコンピュータと別個に稼働する予約サーバ」に設けられており、「受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータ」の読み出し先も「ホストコンピュータと別個に稼働する予約サーバ」であるのに対して、引用例発明では上記2つの手段が、「ホストコンピュータ」に設けられており、前記データの読み出し先も「ホストコンピュータ」である点。 (相違点2) 本願補正発明は、「予約内容を画面に表示する手段、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付ける手段」を備えており、確認後の予約内容に基づく処理を行う構成であるのに対して、引用例発明は予約内容に基づいた処理は行っているものの、予約内容の確認を行う構成については記載されていない点。 (5)判断 上記相違点1ないし2について、以下で検討する。 (5-1)相違点1について 上記相違点1について検討すると、引用例発明は、上記摘記事項(ニ)にあるように、自動取引装置の操作時間を短縮するという課題を解決することを目的としたものであり、引用例4には自動取引装置の操作時間を短縮するという引用例発明と共通する課題を解決することを目的として、「予め入力した取引情報を取引コードに対応して記憶する手段、取引コードを顧客に通知する手段、自動取引装置から送信された取引コードに対応する取引情報を前記自動取引装置に送信する手段」を、取引を行う「センタ」と別個に動作する「入力機」に設ける構成が記載されている。 また、本件出願当時、ホストコンピュータの機能をサーバとして実現することは情報処理の分野においては一般に行われていた周知事項であったことを考慮すれば、引用例発明において、「ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段」及び「前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段」を、「ホストコンピュータ」とは別個に動作する「サーバ」として実現するようにし、さらに当該サーバに「自動取引装置から送信された取引コードに対応する取引情報を前記自動取引装置に送信する手段」を設けることで、「受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータ」の読み出し先も当該「サーバ」とすることは当業者が容易に想到できた事項と認める。 したがって、相違点1に係る本願補正発明の構成は引用例1、4及び周知事項から当業者が容易に想到できたものである。 (5-2)相違点2について 上記相違点2について検討すると、そもそも、金融機関の自動取引装置において、実際に振込等のお金のやりとりが発生する取引を行う際に、その取引内容を確認する必要があることは周知事項であって、引用例2、3に示すように本件出願当時、「予め取引情報を入力しておき、その取引情報に基づいた取引を行う前に、予め入力した取引情報を画面に表示させ、表示された前記取引情報の確認を受け付けてから、前記取引情報による取引を行う構成」が周知であったことを考慮すれば、引用例発明においても、予約内容に基づく処理を依頼する前に、その予約内容を確認するために、予約内容を表示する手段、表示された予約内容の確認を受け付ける手段を設け、確認後の予約内容による処理を依頼するようにすることも当業者であれば容易に想到できた事項と認める。 したがって、相違点2に係る本願補正発明の構成は引用例1ないし3及び周知事項から当業者が容易に想到できたものである。 そして、本願補正発明の作用効果も、引用例1ないし4及び周知事項から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願補正発明は、引用例1ないし4及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (6)むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 なお、請求人が平成20年6月6日付で提出した回答書における主張について検討したが、請求人が主張する「ホストコンピュータ」、と「予約処理を行う予約サーバ」を別個に設けたことによる作用効果は、処理を2つの装置に分けた場合に、当業者であれば当然予想しうる範囲内のものであり、当審の上記判断に影響を与えるものではないから、請求人の回答書における主張は採用できない。 3.本願発明 平成17年5月16日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成16年12月6日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段、前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段を有する予約サーバと、 ユーザの入力する識別記号を受け付ける手段、受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータを前記予約サーバから読み出し、その予約内容を画面に表示する手段、前記画面に表示された予約内容の確認を受け付ける手段、確認後の予約内容に基づく処理をホストコンピュータへ依頼する手段を有する処理端末と を備えていることを特徴とするネットワークを用いた予約処理システム。」 4.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された引用例1ないし3、及び、その記載事項は、前記2.(3)に記載したとおりである。 5.対比 本願発明は、本願補正発明と比較すると、前記2.で検討した本願補正発明の「予約サーバ」に関し、「ホストコンピュータと別個に稼働する」という限定を省いたものであるから、本願発明と引用例1発明を比較すると、2.(4)で示した一致点で一致し、2.(4)で示した相違点2に加えて以下の相違点で相違する。 (相違点3) 本願発明では、「ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段」及び「前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段」が、何れも「予約サーバ」に設けられており、「受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータ」の読み出し先も「予約サーバ」であるのに対して、引用例発明では上記2つの手段が、「ホストコンピュータ」に設けられており、前記データの読み出し先も「ホストコンピュータ」である点。 6.判断 上記相違点3について検討すると、本件出願当時、ホストコンピュータの機能をサーバとして実現することは情報処理の分野においては一般に行われていた周知事項であり、引用例発明において、「ネットワークを介して予約端末から送信された予約内容のデータを所定の識別記号に対応させて記憶する手段」及び「前記識別記号をネットワークを介して前記予約端末へ返送する手段」を、「サーバ」として実現するようにし、「受け付けた前記識別記号に対応する予約内容のデータ」の読み出し先も当該「サーバ」とすることは当業者が容易に想到できた事項と認める。 したがって、相違点3に係る本願発明の構成は引用例1ないし3及び周知事項から当業者が容易に想到できたものである。 また、相違点2に係る本願発明の構成は上記2.(5)(5-2)で既に検討したように引用例1ないし3及び周知事項から当業者が容易に想到できたものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用例1ないし3及び周知事項から当業者が予測できる範囲のものである。 したがって、本願発明は、引用例1ないし3及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 7.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1ないし3及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-07-28 |
結審通知日 | 2008-07-29 |
審決日 | 2008-09-29 |
出願番号 | 特願平10-342450 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G06Q)
P 1 8・ 121- Z (G06Q) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小山 満 |
特許庁審判長 |
赤穂 隆雄 |
特許庁審判官 |
山本 穂積 田川 泰宏 |
発明の名称 | ネットワークを用いた予約処理システムおよび予約処理方法ならびに予約端末、予約サーバ、処理端末 |
代理人 | 船橋 國則 |