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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F |
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管理番号 | 1188169 |
審判番号 | 不服2005-13216 |
総通号数 | 109 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-01-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-07-11 |
確定日 | 2008-11-17 |
事件の表示 | 特願2001-270888「情報提供システム」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 3月20日出願公開、特開2003- 85213〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成13年9月6日の出願であって、平成17年6月3日に拒絶査定がなされ(発送日6月10日)、これに対して同年7月11日に拒絶査定不服審判が請求され、その後当審において平成20年6月5日付で拒絶の理由が通知され、平成20年8月11日付で手続補正がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明は、平成20年8月11日付の手続補正書により補正された明細書又は図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「【請求項1】 情報発信器からセンシング情報又は予め規定された固定情報を受信することが可能である限定的局部空間であるセンサフィールド内で前記センシング情報又は固定情報を取得し該取得情報を用いて、接続する情報処理サーバから処理情報を収集するために用いられる端末装置において、 収集しようとする情報項目を、選択メニューとして表示しかつ選択させることによって、情報処理サーバへの処理要求として特定させる処理要求特定手段と、 該センサフィールド内における予め規定された固定情報及び/又は物理的事象もしくは物理量をセンシングした結果得られたセンシング情報を取得情報として受け付ける情報取得手段と、 前記特定された処理要求と前記取得情報とを、ネットワークを介して情報処理サーバに送信する端末送信手段と、 前記情報処理サーバが前記処理要求と前記取得情報を受信情報とし、該受信情報に対応する情報処理プログラムを起動させて得られた処理情報を受信する端末受信手段とを有することを特徴とする端末装置。」 3.当審の拒絶理由 一方、当審において平成20年6月5日付で通知した拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 1)本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.加藤誠巳、ICラベルからの位置ID取得によるモバイルインターネットを用いた位置関連情報取得システム、2001年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2、社団法人電子情報通信学会、2001年8月29日、547-548 引用文献2.特開2001-101565号公報 引用文献3.特開平8-297171号公報 引用文献4.特開平11-65434号公報 引用文献5.特開2001-229495号公報 引用文献6.特開2001-119484号公報 引用文献7.特開平7-220192号公報 引用文献8.特開2001-93080号公報 引用文献9.特開2000-207216号公報 引用文献10.特開2001-222595号公報 引用文献11.特開平8-305757号公報 引用文献12.特開平10-242961号公報 引用文献13.特開2001-22676号公報 4.引用例 当審拒絶の理由において引用文献4として引用された、特開平11-65434号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の(ア)?(ク)の事項が記載されている。(審決注:原文中の○囲み数字を表記することができないため、(数字)の表記とした。) (ア)「【0042】移動体端末1は、ユーザの指示に従い、気象情報や交通情報、あるいは通信カラオケといった各種サービス(これ等をサービス情報とも称する)の要求情報を、移動体通信回線3を介してサーバ2に送信する。 【0043】また、ナビゲーション装置4やビーコン9から位置情報を取得し、当該位置情報を含む個人情報を、移動体通信回線3を介してサーバ2に送信する。 【0044】一方、サーバ2は、移動体端末1から送られてきたサービスの要求情報に応じたサービス情報を、移動体通信回線3を介して、移動体端末1に送信する。 【0045】また、移動体端末1から送られてきた個人情報に応じた広告情報(広告主が提供するサービスの宣伝情報)を検索する。そして、当該検索した広告情報を、移動体通信回線3を介して移動体端末1に送信する。 【0046】これを受けて、移動体端末1は、サーバ2から送信されたサービス情報や広告情報をユーザに提供する。」 (イ)「【0057】図2において、入力装置101は、ユーザの指示を受け付ける。入力装置101は、リモコン101aやタッチパネル101b等の入力機器、あるいはマイクロフォン101c等の音声信号入力機器で構成される。」 (ウ)「【0061】位置情報取得部107は、ナビゲーション装置4から、現在地情報、即ち当該ナビゲーション装置4が搭載された自動車5の現在地に関する情報を取得する。また、ビーコン受信機118で受信した、道路沿い等に設置されたビーコン9から発せられる信号を基に現在地情報を取得する。」 (エ)「【0084】個人情報は、少なくとも現在地情報を含むものであればよく、必要に応じて、ナビゲーション情報や静ユーザ情報、あるいは端末情報等を含めるようにすればよい。 【0085】ここでは、個人情報を以下の要領で作成している。 【0086】原則として、現在地情報取得部107で取得した現在地情報を含むように個人情報を作成する。 【0087】入力装置101に、ナビゲーション情報を選択する旨の指示が入力されている場合は、現在地情報に加えて、ナビゲーション情報取得部109で取得した経路等のナビゲーション情報(以下、現在地情報やナビゲーション情報を位置情報とも称する)を含めるように、個人情報を作成する。 【0088】イベント検出部126でイベントが検出されている場合は、当該イベントの内容を示す情報(以下、イベント情報とも称する)をも含めて、個人情報を作成する。 【0089】入力装置101に、広告主が提供するサービス(デパート、レストラン、ドライブイン等)についての情報(以下、種類情報とも称する)の指定が入力されている場合は、当該種類情報をも含めるように、個人情報を作成する。 【0090】送信データ作成部130は、個人情報作成部128で作成された個人情報をサーバ2に送信するための送信データを作成する。 【0091】たとえば、個人情報に、当該個人情報に含まれる各情報がどのような順序で並んでいるかを示す情報を付加して、送信データを作成する。あるいは、個人情報に含まれる情報各々に、当該情報の種類を表す識別子を付けて送信データを作成する。 【0092】このようにすることで、個人情報に含まれる各情報を決まった順序で送る必要がなくなり、状況に応じて、必要なデータを、自由な形でサーバ2に送信することができる。 【0093】また、入力装置101に、ユーザが、気象情報や交通情報といったサービスの提供を要求する旨の指示や、特定の広告情報の詳細を要求する旨の指示が入力された場合、当該指示に応じた要求データを作成する。」 (オ)「【0125】所在地805とは、広告情報の関連位置、または広告主の店の所在地等を示すもので、座標等のデータとして記憶される。」 (カ)「【0130】広告情報選択部206は、広告リンク情報記憶部208に記憶された、複数の特性情報の中から、個人情報判別部205で判別された個人情報によって特定される条件を満足するものを検索する。そして、検索した情報によって特定される広告情報を、広告情報記憶部213から読み出す。 【0131】ここで、情報検索の要領を、図5を参照して説明する。 【0132】(1)個人情報に含まれる位置情報によって特定される位置から、所定範囲内に所在地805がある特性情報を検索する。 【0133】これは、移動体端末1のユーザにとって、その場で利用することができないような、価値のない広告情報を、送信対象から外すためである。 【0134】尚、通過地点設定部209で自動車5の通過地点が設定されている場合は、当該通過地点から所定範囲内に所在地805がある特性情報を検索する。 【0135】(2)個人情報に端末情報が含まれている場合、当該端末情報よって特定される使用状況と一致する端末の使用状況804を有する特性情報を検索する。 【0136】これは、たとえば、駐車場といった自動車のユーザにのみ利用価値のある広告情報を、自動車の中で移動体端末1を使用しているユーザにのみ提供するためである。 【0137】(3)個人情報に、広告主が提供するサービスの種類情報やイベント情報が含まれている場合、当該情報に対応するサービスの種類802の特性情報を検索する。 【0138】たとえば、個人情報に含まれる種類情報がレストランである場合、サービスの種類802がレストランの特性情報を検索する。 【0139】また、例えば、個人情報に含まれるイベント情報が自動車の燃料補給の必要性である場合、サービスの種類802がガソリンスタンドの特性情報を検索する。 【0140】(4)個人情報に含まれる静的ユーザ情報や静的端末情報が含まれている場合、当該情報と、広告選択条件803の車種803cやユーザ年齢803dとを比較して、特性情報を検索する。 【0141】(5)上記(1)?(4)で検索した結果、最後に残った特性情報について、宣伝範囲803aが設定されている場合、個人情報に含まれる位置情報によって特定される位置が、前記宣伝範囲内にある特性情報を検索する。 【0142】これは、広告主にとって、あまり高い宣伝効果を挙げられそうにないユーザに対して、広告情報が送信されるのを防ぐためである。 【0143】尚、通過地点設定部209で自動車5の通過地点が設定されている場合は、当該通過地点が、前記宣伝範囲内にある特性情報を検索する。 【0144】(6)上記(1)?(4)で検索した結果、最後に残った特性情報について、宣伝時刻803bが設定されている場合は、現在時刻が宣伝時間帯内にある特性情報を検索する。 【0145】上記(1)?(6)で検索した結果、最後に残った特性情報によって特定される広告情報を、広告情報記憶部213から読み出す。」 (キ)「【0151】送信データ作成部220は、広告情報選択部206で選択した広告情報や、サービス情報取得部219で取得したサービス情報を基に、移動体端末1に送信する送信データを作成する。」 (ク)「【0154】次に、本実施形態である情報提供システムの動作について説明する。 【0155】先ず、移動体端末1が広告情報を取得するまでの動作について説明する。 【0156】図6は、本実施形態の情報提供システムにおいて、移動体端末1が広告情報を取得するまでの基本的な流れを説明するためのフロー図である。 【0157】ここで、ステップ1001?ステップ1008は、移動体端末1側で実行される処理であり、ステップ2001?2007は、サーバ2側で実行される処理である。 【0158】先ず、移動体端末1は、ステップ1001?ステップ1005において、個人情報の送信処理を行う。 【0159】個人情報作成部128は、個人情報を作成するタイミングを検出する(ステップ1001)。 【0160】個人情報の作成タイミングは、上述したように、イベント検出部126でイベントが検出されたときでもよいし、入力装置124にユーザのその旨の指示が入力されたときでもよい。また、定期的に作成するようにしてもよい。 【0161】個人情報の作成タイミングが検知されると、個人情報作成部128は、個人情報取得部105や、ユーザ情報記憶部122、あるいは端末情報記憶部124から、少なくとも位置情報を含む必要な諸情報を取り出して、これ等の情報を基に個人情報を作成する(ステップ1002)。 【0162】次に、通信部134は、移動体通信回線3を介して、サーバ2との接続状態を確認し、接続していない場合はサーバ2と接続する(ステップ1003)。 【0163】次に、送信データ作成部130は、ステップ1002で作成した個人情報を基に、サーバ2への送信データを作成する(ステップ1004)。 【0164】その後、通信部134は、ステップ1004で作成した送信データをサーバ2に送信する(ステップ1005)。 【0165】これを受けて、サーバ2は、ステップ2001?2007において、広告情報の選択・送信処理を行う。 【0166】先ず、通信部201は、移動体端末1から送られてきた送信データを受信する(ステップ2001)。 【0167】次に、受信データ解析部203は、ステップ2001で受信したデータを解析して、当該データが個人情報のデータであることを解析する(ステップ2002)。 【0168】次に、個人情報判別部205は、ステップ2002で解析した個人情報に含まれる諸情報を判別する(ステップ2003)。 【0169】尚、個人情報に、位置情報として、経路に関する情報が含まれている場合、当該経路情報を通過地点推定部209に渡す。これを受けて、通過地点推定部209は、地図記憶部207に記憶された地図情報を参照して、当該経路上に通過地点を少なくとも1つ設定する。また、通過時刻推定部211が、前記設定した通過地点の通過時刻を予測する。 【0170】次に、広告情報選択部206は、広告リンク情報記憶部215に記憶された特性情報の中から、ステップ2003で判別された個人情報の諸情報によって特定される条件を満足する特性情報を検索し、当該個人情報に対応する広告情報を、広告情報記憶部213から選択する(ステップ2004)。 【0171】尚、特性情報の検索は、上述したように、少なくとも個人情報に含まれる位置情報を参照して行われる。また、通過地点推定部209で通過地点が設定されている場合は、当該通過地点の位置情報を参照して、特性情報の検索を行う。 【0172】次に、通信部201は、サーバ2が移動体通信回線3を介して移動体端末1と接続された状態にあることを確認する(ステップ2005)。 【0173】次に、送信データ作成部220は、ステップ2004で選択した広告情報と、広告リンク情報記憶部215に記憶された特性情報とを基に、移動体端末1への送信データを作成する(ステップ2006)。 【0174】尚、通過時刻推定部209で、通過時刻が予測されている場合は、広告情報送信タイミング判定部217の指示に従い、当該通過時刻あたりで送信データが作成されるように、作成タイミングを調整する。 【0175】次に、通信部201は、ステップ2005で作成した送信データを移動体端末1に送信する(ステップ2007)。 【0176】これを受けて、移動体端末1は、ステップ1006?ステップ1008において、広告情報の受信処理を行う。 【0177】先ず、通信部134は、サーバ2から送られてきた送信データを受信する(ステップ1006)。 【0178】次に、受信データ解析部136は、ステップ1006で受信したデータを解析して、当該データが広告情報のデータであることを解析する(ステップ1007)。 【0179】そして、解析した広告情報を広告情報記憶部142に格納する(ステップ1008)。」 したがって、引用例1には以下の発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されているものと認められる。 「ナビゲーション装置やビーコンから位置情報を取得し、当該位置情報を含む個人情報を用いて、サーバから個人情報に応じて検索された広告情報を取得する移動体端末において、 入力装置に、広告主が提供するサービスについての種類情報の指定が入力されている場合には、当該種類情報をも含めるように個人情報を作成する個人情報作成部と、 ナビゲーション装置のGPSセンサにより現在地情報を取得、または、ビーコン受信機で道路沿い等に設置されたビーコンから発せられる信号を受信し現在地情報を取得する位置情報取得部と、 前記種類情報と前記現在地情報とを含む個人情報を基に作成された送信データをサーバに送信する通信部と、 前記サーバが移動体端末から受信した個人情報に応じて検索した広告情報を、受信する通信部とを備えた移動体端末。」 5.対比 本願発明と引用例1発明とを対比する。 引用例1発明において、「ナビゲーション装置のGPSセンサにより現在地情報を取得」することや、「ビーコン受信機で道路沿い等に設置されたビーコンから発せられる信号を受信し現在地情報を取得する」ことは、本願の明細書に記載されたGPSシステムによる位置情報の検出(段落【0094】等参照)や、道路沿いに配置された固定情報発信器としての位置情報タグを用いた位置情報の検出(段落【0119】等参照)に相当するから、引用例1発明の「ナビゲーション装置のGPSセンサにより現在地情報を取得」することや「ビーコン受信機で道路沿い等に設置されたビーコンから発せられる信号を受信し現在地情報を取得する」ことは、本願発明における「情報発信器からセンシング情報又は予め規定された固定情報を受信することが可能である限定的局部空間であるセンサフィールド内で前記センシング情報又は固定情報を取得」することに相当する。また、引用例1発明の「ナビゲーション装置のGPSセンサにより現在地情報を取得、または、ビーコン受信機で道路沿い等に設置されたビーコンから発せられる信号を受信し現在地情報を取得する位置情報取得部」は、本願発明の「該センサフィールド内における予め規定された固定情報及び/又は物理的事象もしくは物理量をセンシングした結果得られたセンシング情報を取得情報として受け付ける情報取得手段」に相当する。 引用例1発明の「当該位置情報を含む個人情報を用いて、サーバから個人情報に応じて検索された広告情報を取得する」における「サーバ」が情報を処理する機能を備えていることは明らかであるから、本願発明の「情報処理サーバ」に相当し、「当該位置情報を含む個人情報を用いて、サーバから個人情報に応じて検索された広告情報」は、情報処理サーバにおいて、移動体端末で取得された固定情報(位置情報)を含む個人情報を用いた検索処理によって得られた情報であるから、本願発明の「処理情報」に相当する。 引用例1発明の「入力装置に、広告主が提供するサービスについての種類情報の指定が入力されている場合には、当該種類情報をも含めるように個人情報を作成する個人情報作成部」における「種類情報」は、サーバから取得しようとする広告情報の種類を指定するものであるから、本願発明の「収集しようとする情報項目」に相当し、「当該種類情報を含めるように個人情報を作成する個人情報作成部」は、本願発明の「処理要求特定手段」と、入力装置からの入力情報に基づいて収集しようとする情報項目を特定する手段である点で共通する。 引用例1発明の「前記種類情報と前記現在地情報とを含む個人情報を基に作成された送信データをサーバに送信する通信部」は、処理要求に相当する種類情報と取得情報に相当する現在地情報とをサーバにネットワークを介して送信する手段であるから、本願発明の「端末送信手段」に相当する。 引用例1発明の「前記サーバが移動体端末から受信した個人情報に応じて検索した広告情報を、受信する通信部」は、本願発明の「前記情報処理サーバが前記処理要求と前記取得情報を受信情報とし、該受信情報に対応する情報処理プログラムを起動させて得られた処理情報を受信する端末受信手段」と、処理要求と取得情報を受信情報として情報処理サーバが処理して得られた処理情報を受信する手段である点で共通する。 また、上記の対比を踏まえれば、引用例1発明の「移動体端末」は、本願発明の「端末装置」と同様に、「情報発信器からセンシング情報又は予め規定された固定情報を受信することが可能である限定的局部空間であるセンサフィールド内で前記センシング情報又は固定情報を取得し該取得情報を用いて、接続する情報処理サーバから処理情報を収集するために用いられる端末装置」であるといえる。 してみると、本願発明と引用例1発明とは、 「情報発信器からセンシング情報又は予め規定された固定情報を受信することが可能である限定的局部空間であるセンサフィールド内で前記センシング情報又は固定情報を取得し該取得情報を用いて、接続する情報処理サーバから処理情報を収集するために用いられる端末装置において、 入力装置からの入力情報に基づいて、収集しようとする情報項目を、情報処理サーバへの処理要求として特定させる処理要求特定手段と、 該センサフィールド内における予め規定された固定情報及び/又は物理的事象もしくは物理量をセンシングした結果得られたセンシング情報を取得情報として受け付ける情報取得手段と、 前記特定された処理要求と前記取得情報とを、ネットワークを介して情報処理サーバに送信する端末送信手段と、 前記情報処理サーバが前記処理要求と前記取得情報を受信情報とし、該受信情報を情報処理サーバが処理して得られた処理情報を受信する端末受信手段とを有することを特徴とする端末装置。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 本願発明では、処理要求特定手段が「収集しようとする情報項目を、選択メニューとして表示しかつ選択させることによって」情報処理サーバへの処理要求として特定させるものであるのに対し、引用例1発明では、入力装置が情報項目である「種類情報」を選択メニューとして表示しかつ選択させるものであるか不明な点。 (相違点2) 本願発明では、処理情報が、「該受信情報に対応する情報処理プログラムを起動させて得られた処理情報」であるのに対し、引用例1発明では処理情報である「広告情報」が、受信情報である「送信データ」に対応する情報処理プログラムを起動させて得られた「広告情報」であるのか不明である点。 6.当審の判断 上記相違点について検討する。 (相違点1)について 引用例1発明では、取得しようとするサービスについての種類情報の指定が入力装置から入力されることは記載されているが、具体的な画面構成についての記載はない。 しかしながら、情報処理の技術分野において、複数の選択肢をユーザに選択させるためのインターフェースとして「選択メニューとして表示しかつ選択させる」という手段は、周知の技術に過ぎない。 してみると、ディスプレイ及びタッチパネル等の入力機器を備えた引用例1発明において、種類情報の指定を入力する入力装置に、上記周知技術を採用し、「収集しようとする情報項目を、選択メニューとして表示しかつ選択させることによって」情報処理サーバへの処理要求として特定させる処理要求特定手段とすることは当業者が容易に成し得た事項である。 (相違点2)について 引用例1発明では、サーバにおいて処理情報を得るために受信情報に対応する情報処理プログラムが起動させるか否か明確でない。 しかしながら、情報処理の技術分野において、種々の処理情報を得るためにそれぞれ必要な情報処理プログラム備えて、処理情報の要求に応じて対応する情報処理プログラムを起動し所定の処理を実行することは、本願出願前周知の技術に過ぎない。 してみると、引用例1発明において上記周知技術を採用し、サーバに処理要求と取得情報に対応して所望の処理情報を得るための情報処理プログラムを備えて受信情報に応じて対応する情報処理プログラムを起動するものとし、処理情報を「該受信情報に対応する情報処理プログラムを起動させて得られた処理情報」とすることは、当業者が容易に成し得た事項である。 また、本願発明の効果についてみても、上記周知技術の構成の採用に伴って、当然に予測される程度のものに過ぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。 7.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-09-09 |
結審通知日 | 2008-09-16 |
審決日 | 2008-09-29 |
出願番号 | 特願2001-270888(P2001-270888) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 和田 財太 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
手島 聖治 長 由紀子 |
発明の名称 | 情報提供システム |
代理人 | 花田 久丸 |
代理人 | 高橋 昌久 |