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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1188345
審判番号 不服2007-24526  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-09-06 
確定日 2008-11-19 
事件の表示 特願2001-345683「ゲーム機」拒絶査定不服審判事件〔平成15年5月20日出願公開、特開2003-144743〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年(2001年)11月12日に出願された特願2001-345683号の出願に係り、原審における平成18年8月22日付の拒絶理由通知に対し、平成18年10月26日付の意見書とともに同日付の手続補正書が提出され、そして補正できる期間経過後になされた平成18年11月6日付の手続補正は手続違背(期間経過)の理由により却下され、前記拒絶理由により平成19年7月26日付で拒絶査定されたところ、これに対し、前記拒絶査定を不服として、平成19年9月6日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、平成19年10月5日付の手続補正書が提出され、その後、前記平成19年10月5日付の手続補正に基づいて補正された本願特許出願について審査官により前置審査がなされ、その前置審査の結果としての特許庁長官宛の前置報告書を審判請求人に送付することにより、審査官による前置審査に対する審判請求人の意見を徴集すべく、当審において平成20年5月12日付で審尋したところ、審判請求人から平成20年7月18日に回答書が提出されたものである。

第2 平成19年10月5日付の手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成19年10月5日付の手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
平成19年10月5日付の手続補正(以下、この補正を「本件補正」という。)は、平成18年10月26日付の手続補正により補正された特許請求の範囲についての、
「【請求項1】 遊戯者がゲームをスタートさせたときに、スイッチ類等の作動部品を作動させてゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置を備えたゲーム機において、
前記作動制御装置が、前記作動部品における作動時間及び/又は作動回数の累積値を記録する記録手段と、ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段とを備え、
さらに、前記作動制御装置には、操作部の操作にしたがって前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段を設けたことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】 請求項1記載のゲーム機において、
前記作動制御装置が、ゲーム機に電源が投入された直後に、前記各作動部品を作動させて前記ゲーム実行機構部にイニシャライズ動作を行なわせるとともに、
イニシャライズ動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、前記表示灯を点火させる手段を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項3】 請求項1記載のゲーム機において、
前記作動制御装置が、ゲーム動作中に前記作動部品が不作動となった場合に、ゲーム動作を停止し、ゲーム機の警報報知装置を作動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項4】 請求項2記載のゲーム機において、
前記作動制御装置は、イニシャライズ動作中に前記作動部品が不作動の場合に、ゲーム動作を停止し、警報報知装置を作動させることを特徴とするゲーム機。」
の記載を、

「【請求項1】 遊戯者がゲームをスタートさせたときに、スイッチ類等の複数の作動部品を作動させてゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置を備えたゲーム機において、
前記作動制御装置が、前記複数の作動部品における作動時間及び/又は作動回数の累積値を記録する記録手段と、ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、何れかの作動部品が寿命の限界値に近づいていることを表示する手段とを備え、
さらに、前記作動制御装置には、係員による操作部の操作にしたがって、前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段を設けたことを特徴とするゲーム機。
【請求項2】 請求項1記載のゲーム機において、
前記作動制御装置が、ゲーム機に電源が投入された直後に、前記各作動部品を作動させて前記ゲーム実行機構部にイニシヤライズ動作を行なわせるとともに、
イニシヤライズ動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、前記表示灯を点灯させる手段を備えることを特徴とするゲーム機。
【請求項3】 請求項1記載のゲーム機において、
前記作動制御装置が、ゲーム動作中に前記作動部品が不作動となった場合に、ゲーム動作を停止し、ゲーム機の警報報知装置を作動させることを特徴とするゲーム機。
【請求項4】 請求項2記載のゲーム機において、
前記作動制御装置は、イニシヤライズ動作中に前記作動部品が不作動の場合に、ゲーム動作を停止し、前記警報報知装置を作動させることを特徴とするゲーム機。」
と補正することを含むものである。

2 本件補正についての補正の適否の検討
(1)本件補正の内容
ア 本件補正により、本件補正前の請求項1(本件補正前の請求項1を「旧請求項1」といい、本件補正後の請求項1を「新請求項1」などということがある。以下同様。)に記載されていた「作動部品」が、新請求項1において、「複数の作動部品」に補正(以下、「補正ア」という。)された。

イ 本件補正により、旧請求項1に記載されていた「寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」が、新請求項1において、「何れかの作動部品が寿命の限界値に近づいていることを表示する手段」に補正(以下、「補正イ」という。)された。

ウ 本件補正により、旧請求項1に記載されていた「操作部の操作」が、新請求項1において、「係員による操作部の操作」に補正(以下、「補正ウ」という。)された。

エ 本件補正により、旧請求項1に記載されていた「前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段」が、新請求項1において、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段」に補正(以下、「補正エ」という。)された。

(2)補正の目的要件についての検討
まず、本件補正が平成18年改正前特許法第17条の2(以下、省略して単に「特許法第17条の2」という。)第4項の規定に適合するか否か、すなわち、同法第17条の2第1項第4号の規定により、拒絶査定不服審判の請求の日から30日以内になされた特許請求の範囲についてする補正が、同法第17条の2第4項の第1号ないし第4号に規定する補正の目的に該当する補正であるか否かについて検討する。
ア 本件補正について当審の判断
(ア)上記「補正ア」の補正は、旧請求項1に記載されていた「作動部品」を、「複数の作動部品」に限定する補正であるから、上記「補正ア」の補正は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

(イ)上記「補正イ」の補正は、「寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」を、「何れかの作動部品が寿命の限界値に近づいていることを表示する手段」のように補正して、旧請求項1に記載されていた「寿命の限界」を「寿命の限界値」に限定すると同時に、旧請求項1に記載されていた「作動部品」を「何れかの作動部品」に限定する補正であるから、上記「補正イ」の補正は、一見すると特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるかのようにみえる。
しかしながら、上記「補正イ」の補正によって、「寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」が、「何れかの作動部品が寿命の限界値に近づいていることを表示する手段」と補正されたことにより、旧請求項1に記載されていた「寿命の限界」が、新請求項1において「寿命に限界値」に補正され、さらに旧請求項1に記載されていた「作動部品」が「何れかの作動部品」に補正された上で、旧請求項1に記載されていた「ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」という発明を特定するために必要な事項(以下、「発明特定事項」という。)が、新請求項1において、「ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、何れかの作動部品が寿命の限界値に近づいていることを表示する手段」の発明特定事項に補正された。
そうすると、「ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較」する比較の指標が、旧請求項1の前記発明特定事項においては、「設定値」と「累積値」の2者であったのが、新請求項1の前記発明特定事項での比較の指標は、「設定値」と「累積値」と「寿命の限界値」の3者に変更されるものとなった。この変更により、前記発明特定事項が解決しようとする課題も変更されるものとなった。
したがって、上記「補正イ」は、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とする補正に該当するということができない。
また、上記「補正イ」は、特許法第17条の2第4項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とする補正でないことは明らかである。

(ウ)上記「補正ウ」の補正は、旧請求項1に記載されていた「操作部の操作」を「係員による操作部の操作」に限定する補正であるから、一見すると特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるかのようにみえる。
しかしながら、旧請求項1には、係員だけが操作することができ、遊戯者は一切操作することができない「操作部」というものが、請求項1に係る発明である「ゲーム機」の発明特定事項としてもとより記載されていたわけではなく、しかも、旧請求項1に係る発明が、例えば「ゲーム機のメンテナンス方法」というような方法の発明ではなく、「ゲーム機」という物の発明である以上、物の発明である前記「ゲーム機」の「操作部」を操作する主体は、旧請求項1の冒頭に記載されている「遊戯者」以外の者は考えられず、前記「ゲーム機」の「操作部」を操作する主体は、旧請求項1に記載の文脈の全趣旨から、「ゲーム機」で遊戯する「遊戯者」とみるのが相当であるところ、上記「補正ウ」の補正によって、旧請求項1に記載の「操作部の操作にしたがって前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段」の発明特定事項が、新請求項1においては、「係員による操作部の操作にしたがって、前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段」の発明特定事項に補正されたことにより、「ディスプレイに表示させる手段は、(遊戯者が)操作部を操作することにより表示させる」の発明特定事項が、上記「補正エ」により、「ディスプレイに表示させる手段は、係員が操作部を操作することにより表示させる」の発明特定事項に変更され、これに伴い、前記発明特定事項が解決しようとする課題も変更されるものとなった。
したがって、上記「補正ウ」の補正は、上記「補正イ」の補正と同様に、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とする補正に該当するということができない。
また、上記「補正ウ」は、特許法第17条の2第4項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とする補正でないことは明らかである。

(エ)上記「補正エ」の補正は、旧請求項1に記載されていた「前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段」を、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段」のように補正して、旧請求項1に記載されていた「寿命の限界」を「寿命の限界値」に限定すると同時に、旧請求項1に記載されていた「作動部品」を「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品」に限定する補正であるから、上記「補正エ」の補正は、一見すると特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるかのようにみえる。
しかしながら、上記「補正エ」の補正によって、「前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段」が、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段」と補正されたことにより、旧請求項1に記載されていた「寿命の限界」が、新請求項1において「寿命に限界値」に補正され、さらに旧請求項1に記載されていた「作動部品」が「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品」に補正された上で、旧請求項1に記載されていた「前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段」という発明特定事項が、新請求項1において、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているかをディスプレイに表示させる手段」の発明特定事項に補正された。
そうすると、ディスプレイに表示させる手段が当該ディスプレイに表示すべき事項が、旧請求項1の前記発明特定事項においては、「前記寿命の限界に近づいている作動部品」であったのが、新請求項1の前記発明特定事項では、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているか」に変更されるものとなった。この変更により、ディスプレイに表示させる手段が、「前記寿命の限界に近づいている作動部品」という具体的な事項を表示するのではなく、「前記複数の作動部品のうちのどの作動部品が寿命の限界値に近づいているか」という抽象的な事項を表示することに変質されて、前記発明特定事項が解決しようとする課題も変更されるものとなった。
したがって、上記「補正エ」は、上記「補正イ」及び「補正ウ」の補正と同様に、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とする補正に該当するということができない。
また、上記「補正エ」は、特許法第17条の2第4項第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とする補正でないことは明らかである。

イ まとめ
以上のとおりであり、本件補正の少なくとも上記「補正イ」ないし「補正エ」の補正は、特許法第17条の2第4項第1号、第2号、第3号及び第4号に掲げるところの、
第1号:第三十6条第5項に規定する請求項の削除
第2号:特許請求の範囲の減縮(第三十6条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
第3号:誤記の訂正
第4号:明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
のいずれの目的にも該当しない補正である。

したがって、本件補正は、その補正の目的が特許法第17条の2第4項第1号ないし第4号に掲げる事項のいずれにも該当しない補正を含むものである。

(3)補正における新規事項の追加の有無についての検討
上記「(2)補正の目的要件についての検討」欄において前述したとおり、本件補正の「補正イ」及び「補正エ」において、旧請求項1における「寿命の限界」の記載が、「寿命の限界値」と補正された。
しかしながら、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面には、「寿命の限界」及び「設定値」という記載はあるが、「寿命の限界値」という記載はない。
そして、前記「寿命の限界値」は、あらかじめ寿命に限界値を設定することによりはじめて得られる数値であることは明らかであるところ、本願特許出願の願書に最初に添付した明細書の段落【0038】には、「なお、累積値と比較する基準値(設定値)は予めバックアップRAMに記憶させておくようにする。」の記載はあるが、「予め寿命に限界値を設定しておくこと」の記載はない。
したがって、前記「寿命の限界」の記載を、前記「寿命の限界値」に補正する本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてした補正ということができないから、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない。

3 むすび
以上のとおりであり、本件補正が特許法第17条の2第4項の規定に適合していない補正を含んでいるばかりではなく、本件補正が特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本件補正は、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
上記「第2」に前述した理由により、平成19年10月5日付の手続補正が却下されたことにより、当審が審理すべき本願発明は、平成18年10月26日付の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項4に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、これを「本願発明1」という。)は次のとおりのものである(上記「第2」の「1 補正の内容」を参照。)。
「【請求項1】 遊戯者がゲームをスタートさせたときに、スイッチ類等の作動部品を作動させてゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置を備えたゲーム機において、
前記作動制御装置が、前記作動部品における作動時間及び/又は作動回数の累積値を記録する記録手段と、ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段とを備え、
さらに、前記作動制御装置には、操作部の操作にしたがって前記寿命の限界に近づいている作動部品をディスプレイに表示させる手段を設けたことを特徴とするゲーム機。」

2 引用刊行物及びその記載事項
(1)原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平10-146459号公報(以下、「引用刊行物1」という。)には、「クレーンゲーム装置」に関し、図面の図示とともに次の事項が掲載されている。
「【請求項1】 クレーン操作部の操作によりクレーン装置を移動し、筐体内に収容された景品を前記クレーン装置によりつかんで、景品排出口を介して外部に排出することにより景品を獲得するクレーンゲーム装置において、
予め設定してある所定の条件が成立したときに、操作者に所定の対戦相手と対戦させるか又は所定の関門を通過させて、結果のデータを取得するゲーム進行制御手段と、
上記対戦又は関門通過の結果のデータに応じて、上記操作者のクレーン装置の動作条件を変更する動作条件変更手段と、
上記操作者の操作、及び上記動作条件に応じてクレーン装置の駆動を制御するクレーン駆動制御手段と
を有するクレーンゲーム装置。」
「【0001】【発明の属する技術分野】 本発明はクレーンゲーム装置に係り、特に、クレーン装置を移動し、筐体内に収納された景品をクレーン装置によりつかんで景品を獲得するクレーンゲーム装置に関する。
【0002】【従来の技術】 近年、ゲームセンタなどに設置される大型のアーケードゲーム装置の中でヒットしたものに、クレーンゲーム装置がある。クレーンゲーム装置は、主としてキャラクタ商品(人形)等の景品を多数収容するケースと、ケース外に設けられた操作ボタンの操作によってケース内を移動可能なクレーン装置とから構成され、ケース内には、外部に通じる景品排出口が設けられている。
【0003】 プレイヤは、ボタン操作によって、獲得しようとする景品に対してクレーン装置を移動させ、目標とする景品のほぼ真上でボタン操作を停止する。このボタン操作では、許される一定条件でクレーン装置を移動させる。例えば、クレーン装置の所定の移動開始位置から、プレイヤの手前方向に1アクション、左右いずれかの方向に1アクションの2アクションで、クレーン装置を移動させる。
【0004】 クレーン装置のクレーンハンドは、上記のようにして水平方向の移動が終了した位置で、自動的に景品に向かって降下して、最降下地点でクレーンハンドを開閉することにより、景品をつかもうとする。そして、景品をつかんだクレーン装置は、自動的に景品排出口まで移動してから、クレーンハンドを開く。これにより、景品がケース外に排出され、プレイヤのものとなる。」
「【0013】 コントロールパネル21_(1)?21_(4)は、設置されるクレーン装置31_(1)?31_(4)に対応して設けられる。図2の例では、4台のクレーン装置31_(1)?31_(4)に対応して4つのコントロールパネル21_(1)?21_(4)を設けており、同時に4人のプレイヤがゲームをできる。図3は、図2の円部Aで示すコントロールパネル21_(1)の拡大図を示す。なお、コントロールパネル21_(1)?21_(4)は、全て同一であり、ここでは、コントロールパネル21_(1)を例として説明する。コントロールパネル21_(1)には、操作ボタン22_(1)とディスプレイ23_(1)が備えられている。操作ボタン22_(1)は、クレーン装置31_(1)を水平方向に移動させるためのボタンで、クレーン装置31_(1)を左方向(-X方向)に移動させるボタン73、右方向(+X方向)に移動させるボタン74、上方向(+Y方向)に移動させるボタン71、下方向(-Y方向)に移動させるボタン72からなる。」
「【0015】 なお、ディスプレイ23_(1)は、後述する対戦時に、画面24に必要な情報を表示する。また、対戦時には、ボタン72?74が、ジャンケン用のボタンとなる。
次に、本クレーンゲーム装置11の構成について説明する。図4は、クレーンゲーム装置11の構成図を示す。クレーンゲーム装置11は、装置の動作を制御するための制御回路51を備えている。制御回路51は、全体を制御するCPU52、クレーン装置31_(1)?31_(4)(以下、クレーン装置31_(1)?31_(4)を区別しない場合、クレーン装置31と記す。)の移動制御用プログラム等の各種プログラム及びデータを記憶するメモリ53、操作ボタン22_(1)?22_(4)(以下、操作ボタン22_(1)?22_(4)を区別しない場合、操作ボタン22と記す。)からの信号を入力し、ディスプレイ23_(1)?23_(4)(以下、ディスプレイ23_(1)?23_(4)を区別しない場合、ディスプレイ23と記す。)に表示用データを出力するための入出力インタフェース54、クレーン装置31_(1)?31_(4)を駆動するための駆動信号を出力するための出力インタフェース55を備えている。」
「【0023】 ステップ105では、ぶつかり合ったクレーン装置31同士の対戦を制御する。クレーン装置31同士の対戦は、例えば、操作ボタン22を用いて、二人のプレイヤにジャンケンをさせる。図7に示すように、対戦時に、ボタン73,74,72を夫々グー、チョキ、パーのボタンとする。このジャンケンの結果は、夫々のプレイヤのディスプレイ23の画面24に、プレイヤの勝ち負けが分かるように表示する。制御回路51は、この対戦結果のデータを保持しておく。」

そうしてみると、引用刊行物1の上記摘記事項及び図面の図示からみて、前記引用刊行物1には、次の発明(以下、これを「引用発明1」という。)の記載が認められる。
「ディスプレイ23を備えるコントロールパネル21のクレーン操作部である操作ボタン22の操作によりクレーン装置31を移動し、筐体内に収容された景品を前記クレーン装置31によりつかんで、景品排出口を介して外部に排出することにより景品を獲得する動作を制御するための制御回路51を備えたクレーンゲーム装置11において、
前記制御回路51は、全体を制御するCPU52、クレーン装置31の移動制御用プログラム等の各種プログラム及びデータを記憶するメモリ53、操作ボタン22からの信号を入力し、ディスプレイ23に表示用データを出力するための入出力インタフェース54、クレーン装置31を駆動するための駆動信号を出力するための出力インタフェース55を備え、
前記ディスプレイ23が、前記コントロールパネル21のボタン73,74,72を夫々グー、チョキ、パーのボタンとする操作ボタン22を用いた対戦時のジャンケンの結果をディスプレイ23の画面24にプレイヤの勝ち負けが分かるように表示するようにしたクレーンゲーム装置」

(2)原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である実願平4-76301号(実開平6-39348号公報)のCD-ROM(以下、「引用刊行物2」という。)には、「切削工具の交換時期報知装置」に関し、図面の図示とともに次の事項が掲載されている。
「【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 複数の切削工具を有する工作機械の1作業工程の行なわれたことを示す作動信号が入力される入力手段と、その入力手段に入力された作動信号を計数する計数手段と、前記複数の切削工具の各切削工具ごとの切削寿命を前記工作機械の1作業工程における使用可能回数に換算した値が設定されるスイッチ手段と、そのスイッチ手段に設定された各工具ごとの使用可能回数に、前記計数手段の計数する作動回数が達すると、アラーム出力を出力する比較手段と、その比較手段からのアラーム出力でもって各工具の交換時期を知らせる報知手段とからなる切削工具の交換時期報知装置。」
「【0001】【産業上の利用分野】 この考案は、NC旋盤や自動盤等の複数の切削工具を加工処理に使用する工作機械の各切削工具ごとの交換時期を知らせる切削工具の交換時期報知装置に関する。」
「【0009】【作用】 このように構成される切削工具の交換時期報知装置では、各工具ごとに、加工ルーチンの切削速度の高低や使用状態を加味した各工具の寿命時間を使用可能なワークの加工本数に換算し、その換算した加工本数と対応する各工具ごとの工作機械の作動回数と、実際の工作機械の作動回数とを比較し、両者が一致すると各工具ごとに警報を発して工具の交換時期を知らせる。」
「【0013】 表示回路3は、各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8とこの表示器8の表示用ドライバー(デコード回路を有する)9とからなり、表示用ドライバー9はLED表示器8をダイナミック点灯する。
【0014】 なお、実施例では、LED表示器8を用いたが表示回路3にはCRTや液晶表示装置を用いてもよい。
【0015】 報知回路4は、表示パネル面Pの各工具ごとのLED表示器8に並設された警報用LEDランプ10と警報音発生用ブザー11とからなり、これらは、I/Oインターフェース12を介してMPU1と接続されている。また、報知回路4には、前記LEDランプ10やブザー11と連動して工作機械の作動及び作動停止信号出力用の、例えば、リレー出力回路等を設けても良い。
【0016】 操作用スイッチ5は、各工具ごとに設けられたデータ再設定用のリセットスイッチ13と各工具ごとの加工数の計数とその計数の停止とを選択する作動選択スイッチ14とからなり、これらはインターフェース12を介してMPU1と接続されている。
【0017】 一方、MPU1には、上記各回路以外に、データ記憶用のRAMメモリ及び処理プログラムの書き込まれたROMメモリからなるメモリ回路15と、工作機械からの作動信号SGが入力される例えば、パルス整形器としてモノステーブルマルチバルブレータ等を用いた入力信号用インターフェース回路16が設けられている。」
「【0021】 そして、このようにして順次各工具ごとに加工本数を設定すると、ライトスイッチ7を作動して前記データをMPU1に読み込ませる。すると、MPU1は前記データをメモリ回路15の前記工具番号に対応したメモリ領域へストアすると同時に、前記工具番号に対応した演算用レジスタにも前記データをストアし、そのレジスタの内容を工具番号に対応する表示回路3へ表示する。こうして、順次各工具の寿命データの設定を、全ての工具について行なった後、NC旋盤を稼動させると、加工処理が一回行なわれ、NC旋盤からM信号が出力されるたびごとに、MPU1は、各レジスタ内のデータを1つずつ減算してその減算したデータを表示器8に表示する。そして、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促し、工具の交換時期を報知する。
【0022】 また、この報知された工具の交換を行なった際は、その交換を行なった工具に対応するリセットスイッチ13を作動すると、MPU1は工具番号に対応した前記メモリ領域からデータを読み出し、そのデータを交換した工具に対応するレジスタへ、リストア(再設定)する。このデータは当然、前記工具番号に対応した表示器8にも表示される。すなわち、一担メモリ回路にストアしたデータは、以後リセットスイッチ13を作動する度に、リセットスイッチ13に対応するレジスタに設定仕直され、表示される。」
「【0030】【効果】 この考案は、以上のように構成したので、装置に各切削工具の加工可能な寿命個数データを設定しておけば、自動的に工具の寿命がくると報知手段、例えばブザーやランプで知らせてくれるので、素人工でも適切な切削工具の交換管理ができる。」

(3)原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-186796号公報(以下、「引用刊行物3」という。)には、「建物用電動開閉体」に関し、図面の図示とともに次の事項が掲載されている。
「【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は、前記課題を解決するために創作されたものであって、建物開口部を開閉する建物用電動開閉体であって、建物用電動開閉体の消耗度を検出する消耗検出手段と、消耗検出手段の検出結果に基づき消耗度が予め定められた範囲に達したと判断した場合に警告を行う警告手段とを有する建物用電動開閉体において、前記消耗検出手段を、異なる特性値により建物用電動開閉体の消耗度を検出する複数の消耗検出装置により構成したものである。このようにすることにより、建物用電動開閉体の消耗度をより多面的に検出して使用者にメンテナンスの時期を報知することができ、電動開閉体の維持管理を適切に行うことができる。
【0005】 さらには、前記複数の消耗検出装置は、建物用電動開閉体の開閉回数をカウントするカウンターと、開閉動作時間を計測する動作時間計測装置と、電動開閉体の駆動電流を測定する駆動電流測定装置とから構成したものである。そして、このようにすることにより、建物用電動開閉体の消耗度を開閉回数の他に、駆動電流と開閉時間により検知することができるので、予想外の消耗が進んだ場合でも使用者が容易にメンテナンスの必要性に気づくことができる。」
「【0009】 次に、このように構成された実施の形態1の動作について説明する。電動シャッター1は、開閉回数が所定回数を超えてプリセットカウンターPCが作動、または(電動シャッター1の部材消耗により)開閉動作がスムーズさを欠くことで駆動電流が所定値を超えて過電流検出リレーOCRが作動、あるいは開放動作時間が所定時間を超えてタイマーTが作動、のいずれの場合でもラッチングリレーLRが作動し、該リレーLRの接点が作動状態で保持される。その為、シーケンス制御回路中の自己保持部が遮断されたままとなるので電動シャッター1は所謂押し切り操作となる。また開閉動作中はブザーBZが鳴動することになる。尚、この状態は、ラッチングリレーLRのリセット用スイッチRSが押されるまで継続される。このように所定開閉回数を超えた場合だけでなく、部材の消耗により駆動電流や開閉時間が設定値を超えた場合も、押し切り操作やブザー鳴動により使用者にメンテナンスが必要であることを報知(警告)することができる。
【0010】 図4は、実施の形態2であって、制御盤60は、ワンチップマイコンからなる制御部61と、該制御部61からの制御信号を受け電動モータMに駆動電流を供給する駆動回路部62と、電動モータMの駆動電流を測定する駆動電流測定部63とを有し、前記制御部61には電動開閉体の動作回数をカウントする動作回数計測部61aと、電動開閉体の動作時間を測定する動作時間計測部61bとが設けられている。そして動作回数、動作時間、駆動電流を計測して消耗度(寿命)を判断するようになっている。また、制御装置60には押釦スイッチ8、電動モータM、リミットスイッチ7等が接続されている。
【0011】 次に動作回数、動作時間、駆動電流の計測方法および各計測値が予め定められた範囲(値)に達した場合の動作について説明する。動作回数の計測は、動作回数計測部61aにより駆動回路部62の動作回数をカウントすることで行われており、計測値が所定値に達した場合は、開閉動作が押し切り操作となると同時に、電動シャッターの開閉運転時には所定時間、図示しないブザーが鳴動するようになっている。尚、この状態から通常の動作状態への復帰は、押釦スイッチ8の特定の組合せ操作により行われるようになっている。また、所定値に達した場合の動作と復帰方法は、後述する動作時間または駆動電流が所定の範囲になった場合も同様である。
【0012】 動作時間は、動作時間計測部61bにより全閉リミットスイッチLSDの作動位置から全開リミットスイッチLSU位置まで連続して動作した場合の時間を計測し、該計測時間が所定時間を超えるか、または前回動作時間との差あるいは比が所定値を超えた場合に寿命(メンテナンスが必要。)と判断し、前述の報知動作(警告)を行うようになっている。また、駆動電流は、駆動電流測定部63により測定され、測定電流値が所定値を超えるか、または前回動作時の駆動電流値との差あるいは比が所定値を超えた場合に寿命(メンテナンスが必要。)と判断し、報知動作を行うようになっている。」

(4)原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-138604号公報(以下、「引用刊行物4」という。)には、「印刷装置、その制御方法、及び情報記録媒体」に関し、図面の図示とともに次の事項が掲載されている。
「【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、印刷装置、その制御方法、および、情報記録媒体に関する。特に、印刷に使用するインクの使用量、紙などの印刷媒体を切断するカッターの使用回数、印刷ヘッドの印刷回数など、交換可能な部品、あるいはデバイスの機能に関わる量を不揮発性メモリに記憶し、保守、管理に役立てることができる印刷装置、その制御方法、および、これらを実現するプログラムを記録した情報記録媒体に関する。」
「【0034】 図5は本発明のプリンタの他の実施例を示すブロック構成図であり図1と同一物は同一番号で示し説明を略す。
【0035】 プリンタ101は、タイム情報を発生する手段としてリアルタイムクロック108を有している。これは、メンテナンス管理に必要な、日付、時刻等のタイム情報を出力するものであり、CPU110は、必要に応じてタイム情報を得ることができる。LCDパネル109は、オペレーションパネル(図示せず)に装備され、様々な情報をビジュアルに出力するデバイスである。
【0036】 又、交換可能な部品として、インクカートリッジ付きインクジェットヘッド120が用いられ、このインクジェットヘッドには、インクカートリッジのインク管理情報(例えばインクの使用期限、高印字品質用のインクかまたは低印字品質用のインクかを示すインクの種類など)あるいは、製造番号などの情報が記憶されたメモリ121が搭載され、コネクタ122aを介して、装着部に装着されている。実施例では、1つのインクジェットヘッドを用いた例で示しているが、複数のヘッドを搭載する場合は同様の構成で例えば、黒インク用ヘッド、カラーインク用ヘッドが搭載される場合もある。
【0037】 図5の構成では、メモリに記録された製造番号を識別することにより、プリンタ101の電源がオフされている時に、インクジェットヘッド120を交換されても、容易に交換を検知することが可能である。つまり製造番号をヘッドを特定するID番号として利用している。
【0038】 領域104aは、ROM104の所定の領域であり、交換可能な部品、あるいはデバイスの機能に関わる使用限度の目安である量、もしくは回数等の使用限度値が格納されていて、使用限度値記憶部として機能する。実施例では、ROM104に格納されているが、フラッシュEEPROM111のような不揮発性メモリに格納しても良い。」
「【0045】 501e、502eは、インクカートリッジのインクがインク切れ状態となることを警告した日(Warning Date)を記録していることを示している。例えば、このインクカートリッジの吐出回数で見たときの標準的なインク容量が4000×1000回のとき、警告を発するべき吐出回数をその8割程度の3200×1000回とすると、ROM104の領域104aには、3200と言う数値が保存され、吐出回数カウンタ領域の値がこれに近い値になるか、又はこの値と同じか超えた時に、使用者に対して、インクカートリッジ、あるいはカートリッジ付きヘッドの交換を促すように、LCDパネル109などの出力装置を介して警告を発する。LCDパネル109が、文字を表示できる物で有れば、具体的に文字情報で表示しても良いし、例えば、LEDなどの表示装置であれば、LEDを点滅したりする表示でも良い。更には、アラーム音での警告も可能である。」

(5)原審における拒絶査定の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平5-184191号公報(以下、「引用刊行物5」という。)には、「電動機の制御装置」に関し、図面の図示とともに次の事項が掲載されている。
「【0001】【産業上の利用分野】 本発明は、電動機の制御装置に係り、特に主要部品の寿命を予測検出して保全性の向上を図った電動機の制御装置に関する。」
「【0006】【課題を解決するための手段】 上記の目的を達するために、本発明は次の各手段を設ける。
【0007】(1)電力変換器あるいは電動機の主回路を開閉するしゃ断器を備えた装置において、前記しゃ断器が通電中に開放されたときインクリメントするカウンタと、このカウンタの計数値が所定値に達したとき前記しゃ断器が寿命であると判定する寿命予測手段を設ける。
【0008】(2)過電圧になったとき通電し、電力変換器を過電圧から保護する非線形特性を有するサージアブソーバを備えた装置において、前記サージアブソーバに加わる電圧が該サージアブソーバの制限電圧で定められる所定電圧を越えたときインクリメントされるカウンタと、このカウンタの計数値が所定値に達したとき前記サージアブソーバが寿命であると判定する寿命予測手段を設ける。
【0009】(3)電力変換器あるいは電動機の主回路を開閉する電磁開閉器を備えた装置において、前記電磁開閉器が開あるいは閉する度にインクリメントされるカウンタと、このカウンタの計数値が所定値に達したとき前記電磁開閉器が寿命であることを判定する寿命予測手段を設ける。」
「【0016】【実施例】 本発明の電動機の制御装置による実施例を図1に示す。本実施例では、従来のサイリスタレオナード装置に加えて、交流しゃ断器1,15の開閉状態を検出する補助スイッチ1a,15aと電磁開閉器6および直流しゃ断器8の開閉状態を検出する補助スイッチ6aおよび8aを設け、これらの補助スイッチ1a,6a,8a,15aから得られる論理信号ACCB,DMC,DCCB,CTRと交流側の電流検出器3と電圧検出器4の検出信号IAC,VACおよび直流側の電流検出器7の検出信号IDCを入力して、交流しゃ断器1、サージアブソーバ2、電磁接触器6、直流しゃ断器8、冷却ファン16のいずれかが寿命に達したと判定したとき警報表示信号ALLを出力する寿命予測手段12を設けている。
寿命予測手段12の詳細な実施例を図2に示す。
【0017】 図2において、メモリ25a?25eはそれぞれの用品の寿命を予想する基底値を記憶するもので、セレクタ24でいずれかのメモリが選択され設定器13によりそれぞれの基底値が設定される。
【0018】 カウンタ26a?26eはそれぞれの用品が寿命に関与する動作を行ったときインクリメントされ、比較器27a?27eはメモリ25a?25eとカウンタ26a?26eの内容の大小関係を比較し判定結果を出力する。いずれかの比較器が寿命の判定結果を出力するとオア回路28から警報表示信号が出力され、同時に表示器14に当該用品のカウンタの内容が表示される。」

3 対比
ここで、本願発明1と引用発明1とを対比する。
(1)引用発明1の「プレイヤ」、「クレーン装置31を移動し、筐体内に収容された景品を前記クレーン装置31によりつかんで、景品排出口を介して外部に排出することにより景品を獲得する動作を制御するための制御回路51」及び「コントロールパネル21のクレーン操作部である操作ボタン22、及びクレーン装置31」のそれぞれが、本願発明1の「遊戯者」、「ゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置」及び「スイッチ類等の作動部品」にそれぞれ相当することは明らかである。
そうすると、引用発明1の「ディスプレイ23を備えるコントロールパネル21のクレーン操作部である操作ボタン22の操作によりクレーン装置31を移動し、筐体内に収容された景品を前記クレーン装置31によりつかんで、景品排出口を介して外部に排出することにより景品を獲得する動作を制御するための制御回路51を備えたクレーンゲーム装置11」が、本願発明1の「遊戯者がゲームをスタートさせたときに、スイッチ類等の作動部品を作動させてゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置を備えたゲーム機」に相当するといえる。

(2)また、引用発明1の「前記コントロールパネル21のボタン73,74,72を夫々グー、チョキ、パーのボタンとする操作ボタン22を用いた」が、本願発明1の「操作部の操作にしたがって」に相当する。

(3)そして、引用発明1の「ディスプレイ23」及び「操作ボタン22からの信号を入力し、ディスプレイ23に表示用データを出力するための入出力インタフェース54」が、本願発明1の「ディスプレイ」及び「ディスプレイに表示させる手段」に相当する。

(4)そうすると、本願発明1と引用発明1とは、
「遊戯者がゲームをスタートさせたときに、スイッチ類等の作動部品を作動させてゲーム実行機構部にゲーム動作を遂行させる作動制御装置を備えたゲーム機において、前記作動制御装置には、操作部の操作にしたがってディスプレイに表示させる手段を設けたゲーム機」
である点で一致し、次の点で両者の構成が相違する。
[相違点1]:作動制御装置が、本願発明1では「前記作動部品における作動時間及び/又は作動回数の累積値を記録する記録手段と、ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段とを備え」るのに対し、引用発明1は、前記手段を備えていない点。
[相違点2]:ディスプレイに表示させる手段が、本願発明1では、「前記寿命の限界に近づいている作動部品を」ディスプレイに表示させるのに対し、引用発明1は、「対戦時のジャンケンの結果を」ディスプレイ23の画面24にプレイヤの勝ち負けが分かるように表示する点。

4 相違点についての検討
(1)相違点1について
ア 引用刊行物2には、「このように構成される切削工具の交換時期報知装置では、各工具ごとに、加工ルーチンの切削速度の高低や使用状態を加味した各工具の寿命時間を使用可能なワークの加工本数に換算し、その換算した加工本数と対応する各工具ごとの工作機械の作動回数(本願発明1の「設定値」に相当する。)と、実際の工作機械の作動回数(本願発明1の「累積値」に相当する。)とを比較(本願発明1の「比較」に相当する。)し、両者が一致すると各工具ごとに警報を発して工具の交換時期を知らせる。」が記載されている。

イ 引用刊行物3には、建物用電動開閉体の消耗度を検出する消耗検出手段と、消耗検出手段の検出結果に基づき消耗度が予め定められた範囲に達したと判断した場合に警告を行う警告手段(本願発明1の「表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」に相当する。)とを有する建物用電動開閉体における前記消耗検出手段を、異なる特性値により建物用電動開閉体の消耗度を検出する複数の消耗検出装置により構成した建物用電動開閉体について、「前記複数の消耗検出装置は、建物用電動開閉体の開閉回数(本願発明1の「累積値」に相当する。)をカウントするカウンター(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)と、開閉動作時間を計測する動作時間計測装置(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)と、電動開閉体の駆動電流を測定する駆動電流測定装置(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)とから構成したものである。そして、このようにすることにより、建物用電動開閉体の消耗度を開閉回数の他に、駆動電流と開閉時間により検知することができるので、予想外の消耗が進んだ場合でも使用者が容易にメンテナンスの必要性に気づくことができる。」が記載され、また、「このように所定開閉回数を超えた場合だけでなく、部材の消耗により駆動電流や開閉時間が設定値(本願発明1の「設定値」に相当する。)を超えた場合も、押し切り操作やブザー鳴動により使用者にメンテナンスが必要であることを報知(警告)することができる。」が記載され、そして、「動作時間は、動作時間計測部61bにより全閉リミットスイッチLSDの作動位置から全開リミットスイッチLSU位置まで連続して動作した場合の時間を計測し、該計測時間(本願発明1の「累積値」に相当する。)が所定時間(本願発明1の「設定値」に相当する。)を超えるか、または前回動作時間との差あるいは比が所定値(本願発明1の「設定値」に相当する。)を超えた場合に寿命(メンテナンスが必要。)と判断し、前述の報知動作(警告)を行うようになっている。また、駆動電流は、駆動電流測定部63により測定され、測定電流値(本願発明1の「累積値」に相当する。)が所定値(本願発明1の「設定値」に相当する。)を超えるか、または前回動作時の駆動電流値との差あるいは比が所定値(本願発明1の「設定値」に相当する。)を超えた場合に寿命(メンテナンスが必要。)と判断し、報知動作を行うようになっている。」が記載されている。

ウ 引用刊行物4には、印刷に使用するインクの使用量、紙などの印刷媒体を切断するカッターの使用回数、印刷ヘッドの印刷回数など、交換可能な部品、あるいはデバイスの機能に関わる量(本願発明1の「累積値」に相当する。)を不揮発性メモリ(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)に記憶し、保守、管理に役立てることができる印刷装置について、「領域104aは、ROM104の所定の領域であり、交換可能な部品、あるいはデバイスの機能に関わる使用限度の目安である量、もしくは回数等の使用限度値(本願発明1の「設定値」に相当する。)が格納されていて、使用限度値記憶部として機能する。」及び「このインクカートリッジの吐出回数で見たときの標準的なインク容量が4000×1000回のとき、警告を発するべき吐出回数をその8割程度の3200×1000回とすると、ROM104の領域104aには、3200と言う数値(本願発明1の「設定値」に相当する。)が保存され、吐出回数カウンタ領域(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)の値(本願発明1の「累積値」に相当する。)がこれに近い値になるか、又はこの値と同じか超えた時に、使用者に対して、インクカートリッジ、あるいはカートリッジ付きヘッドの交換を促すように、LCDパネル109などの出力装置(本願発明1の「表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」に相当する。)を介して警告を発する。LCDパネル109が、文字を表示できる物で有れば、具体的に文字情報で表示しても良いし、例えば、LEDなどの表示装置であれば、LEDを点滅したりする表示でも良い。更には、アラーム音での警告も可能である。」が記載されている。

エ 引用刊行物5には、主要部品の寿命を予測検出して保全性の向上を図った電動機の制御装置について、「図2において、メモリ25a?25eはそれぞれの用品の寿命を予想する基底値(本願発明1の「設定値」に相当する。)を記憶するもので、セレクタ24でいずれかのメモリが選択され設定器13によりそれぞれの基底値が設定される。」及び「カウンタ26a?26e(本願発明1の「累積値を記録する記録手段」に相当する。)はそれぞれの用品が寿命に関与する動作を行ったときインクリメントされ、比較器27a?27eはメモリ25a?25eとカウンタ26a?26eの内容(本願発明1の「累積値」に相当する。)の大小関係を比較(本願発明1の「比較」に相当する。)し判定結果を出力する。いずれかの比較器が寿命の判定結果を出力するとオア回路28から警報表示信号が出力され、同時に表示器14(本願発明1の「表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段」に相当する。)に当該用品のカウンタの内容が表示される。」が記載されている。

オ このように、「機械装置の作動部品における作動時間、或いは作動回数の累積値を記録する記録手段を設けておき、機械装置の作動部品の動作により前記記録手段に記録された各々の累積値を、予め設定しておいた対応する設定値とを比較手段により比較して、何れかの累積値が設定値を越えたとき、寿命の限界に近づいている作動部品があることを警告する光又は音による報知手段」を機械装置に備えることは、本願の特許出願時の周知技術である。

カ そうすると、引用発明1のクレーンゲーム装置11の種々の作動部品の交換時期を容易に把握することができるように、引用発明1のクレーンゲーム装置11に上記の周知技術を適用することにより、本願発明1の相違点1に係る前記「前記作動部品における作動時間及び/又は作動回数の累積値を記録する記録手段と、ゲーム動作中に前記記録手段に記録された各々の累積値を対応する設定値と比較し、何れかの累積値が設定値を越えたとき、ゲーム機の表示灯を点灯させて、寿命の限界に近づいている作動部品があることを表示する手段とを備え」という発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得ることである。

(2)相違点2について
ア 引用刊行物2の段落【0013】に「表示回路3は、各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8とこの表示器8の表示用ドライバー(デコード回路を有する)9とからなり、表示用ドライバー9はLED表示器8をダイナミック点灯する。」が記載され、段落【0014】に「なお、実施例では、LED表示器8を用いたが表示回路3にはCRTや液晶表示装置を用いてもよい。」が記載されている。
そして、引用刊行物2の段落【0015】に「報知回路4は、表示パネル面Pの各工具ごとのLED表示器8に並設された警報用LEDランプ10と警報音発生用ブザー11とからなり、これらは、I/Oインターフェース12を介してMPU1と接続されている。また、報知回路4には、前記LEDランプ10やブザー11と連動して工作機械の作動及び作動停止信号出力用の、例えば、リレー出力回路等を設けても良い。」が記載され、また、段落【0021】に「そして、このようにして順次各工具ごとに加工本数を設定すると、ライトスイッチ7を作動して前記データをMPU1に読み込ませる。すると、MPU1は前記データをメモリ回路15の前記工具番号に対応したメモリ領域へストアすると同時に、前記工具番号に対応した演算用レジスタにも前記データをストアし、そのレジスタの内容を工具番号に対応する表示回路3へ表示する。こうして、順次各工具の寿命データの設定を、全ての工具について行なった後、NC旋盤を稼動させると、加工処理が一回行なわれ、NC旋盤からM信号が出力されるたびごとに、MPU1は、各レジスタ内のデータを1つずつ減算してその減算したデータを表示器8に表示する。そして、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促し、工具の交換時期を報知する。」が記載されている。

イ また、引用刊行物4の段落【0045】にも「このインクカートリッジの吐出回数で見たときの標準的なインク容量が4000×1000回のとき、警告を発するべき吐出回数をその8割程度の3200×1000回とすると、ROM104の領域104aには、3200と言う数値が保存され、吐出回数カウンタ領域の値がこれに近い値になるか、又はこの値と同じか超えた時に、使用者に対して、インクカートリッジ、あるいはカートリッジ付きヘッドの交換を促すように、LCDパネル109などの出力装置を介して警告を発する。LCDパネル109が、文字を表示できる物で有れば、具体的に文字情報で表示しても良いし、例えば、LEDなどの表示装置であれば、LEDを点滅したりする表示でも良い。更には、アラーム音での警告も可能である。」が記載されている。

ウ 上記引用刊行物2及び引用刊行物4のかかる記載からみて、「作動部品の作動回数のカウント値が、予め設定した設定値に近くなるか又は設定値と同じか超えた時に、使用者に対して、作動部品の交換を促すように、LCDパネルなどの表示装置を介して警告を発する」ことは、本願特許出願時の周知技術といえる。

エ しかして、上記引用刊行物2には、「各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8、CRT、液晶表示装置等からなる表示回路3に並設して、警報用LEDランプ10と警報音発生用ブザー11とからなる報知回路4が設けられ、MPU1は各工具の寿命データをメモリ回路15の前記工具番号に対応したメモリ領域へストアすると同時に、前記工具番号に対応した演算用レジスタにも前記各工具の寿命データをストアし、そのレジスタの内容を工具番号に対応する表示回路3へ表示することにより各工具の寿命データの設定を、全ての工具について行なった後、機械を稼動させると、加工処理が一回行なわれるたびごとに、MPU1は各レジスタ内のデータを1つずつ減算してその減算したデータを表示器8に表示し、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促し、工具の交換時期を報知する」技術が開示されているといえる。
換言すれば、引用刊行物2には、「各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8、CRT、液晶表示装置等からなる表示回路3に、工具番号に対応した演算用レジスタにストアされたレジスタの内容である各工具の寿命データが工具番号に対応して表示回路3へ表示されることにより、工具を特定して表示回路3に表示されており、加工処理が一回行なわれるたびごとに1つずつ減算する各レジスタ内の減算したデータを表示器8に表示して、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促すことにより、交換時期が報知されるようになっている工具が、各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8、CRT、液晶表示装置等からなる表示回路3に並設して、警報用LEDランプ10と警報音発生用ブザー11とからなる報知回路4に表示される技術」について記載されているといえる。

オ そして、かかる引用刊行物2における前記「加工処理が一回行なわれるたびごとに1つずつ減算する各レジスタ内の減算したデータを表示器8に表示して、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促すことにより、交換時期が報知されるようになっている工具」が、本願発明1の「前記寿命の限界に近づいている作動部品」に相当する。
また、前記引用刊行物2における「各工具ごとに表示パネルPに設けられた四桁のLED表示器8、CRT、液晶表示装置等からなる表示回路3に並設して、警報用LEDランプ10と警報音発生用ブザー11とからなる報知回路4」が、本願発明1の「ディスプレイ」に相当する。

カ そうしてみると、引用発明1のディスプレイに、引用刊行物2に記載の「加工処理が一回行なわれるたびごとに1つずつ減算する各レジスタ内の減算したデータを表示器8に表示して、いずれかのレジスタのデータが“0”になると、そのレジスタに対応する工具の表示ランプ10を点灯あるいは点滅し、さらにブザー11から警報音を発して注意を促すことにより、交換時期が報知されるようになっている工具」を表示させることにより、本願発明1の前記相違点2に係る前記「前記寿命の限界に近づいている作動部品を」ディスプレイに表示させるようにすることは、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願発明1の奏する作用効果は、引用発明1及び引用刊行物2ないし引用刊行物5に記載の発明ないし周知技術から予測できる範囲内のものであって、格別のものということができない。

(3)まとめ
したがって、本願発明1は、引用発明1及び引用刊行物2ないし引用刊行物5に記載の発明ないし周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

5 むすび
以上のとおりであり、本願発明1は、引用発明1及び引用刊行物2ないし引用刊行物5に記載の発明ないし周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないので、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-09-16 
結審通知日 2008-09-30 
審決日 2008-10-01 
出願番号 特願2001-345683(P2001-345683)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 561- Z (A63F)
P 1 8・ 57- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 安久 司郎  
特許庁審判長 佐藤 昭喜
特許庁審判官 武田 悟
森林 克郎
発明の名称 ゲーム機  
代理人 仙波 司  
代理人 古澤 寛  
代理人 吉田 稔  
代理人 田中 達也  

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