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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
審判 査定不服 5項独立特許用件 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1188643
審判番号 不服2006-13991  
総通号数 109 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-03 
確定日 2008-12-16 
事件の表示 平成 8年特許願第523020号「ハンドヘルドレーザースキャナ」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 8月 1日国際公開、WO96/22741号、平成11年12月 7日国内公表、特表平11-514246号、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成8年1月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1995年1月23日(US)アメリカ合衆国)の出願であって、平成18年3月29日付けで拒絶査定され、同年7月3日に審判請求がなされるとともに、同年8月2日付けで手続補正がなされたものである。

2.平成18年8月2日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年8月2日付け手続補正を却下する。

[理由]
本件補正により、特許請求の範囲が次のように補正された。
(補正前)
1.レーザービーム(72)を発生するレーザー(103)に接続する外科用ハンドピース(10)であり、対象組織上にレーザービーム(72)を走査するハンドピース(10)であって、
レーザービーム(72)を反射するための走査ミラー手段(60,62,66,70)を備え、この走査ミラー手段は二つの軸(64,66)の回りに独立に回動自在な二つのミラー(60,62)を含み、その二つの軸は(64,68)は、互いに直交し、且つレーザービーム(72)に直交し、
前記外科用ハンドピースは更に、
レンズ(18)を備え、このレンズ(18)上に前記走査ミラー手段(60,62,66,70)がレーザービームを反射して、レンズ(18)を透過したレーザービーム(72)が対象組織(40)上へ屈折し、ここでレンズ(18)は焦点距離を有し、且つ走査ミラー手段(60,62,66,70)は、レンズ(18)から前記焦点距離に実質的に等しい距離に位置しているので、対象組織(40)に投射されたパターンのサイズの変化が、レンズ(18)と対象組織(40)との間の間隔が変動しても最小化する外科用ハンドピース。
2.走査ミラー手段(60,62,66,70)が、二つのガルバノメータ(66,70)を更に備え、各々のガルバノメータ(66,70)は、軸(64,68)の回りにミラー(60,62)を回動させる手段により、ミラー(60,62)に接続されている請求項1記載の外科用ハンドピース。
3.レンズ(18)が、アナモフイックであり、且つ二つの直交面に二つの焦点距離を有し、ここで二つのミラー(60,62)は、レンズ(18)からみて、前記二つの焦点距離の各々に実質的に等しい距離にそれぞれ配置されている請求項1記載の外科用ハンドピース。
4.レンズ(18)が二つの別個のレンズを含み、これらのレンズとミラー(60,62)とはレーザービームの光路に沿って配置され、その光路は、第一の回動自在ミラー、次いで第一のレンズ、次いで第二の回動自在ミラー、次いで第二のレンズを含み、ここで第一のミラーは第一のレンズからこの第一のレンズの焦点距離に実質的に等しい距離に配置されると共に、第二のミラーは、第二のレンズからこの第二のレンズの焦点距離に実質的に等しい距離に配置されている請求項1記載の外科用ハンドピース。
5.レーザー(103)と走査ミラー手段(60,62,66,70)との間に配置されたビーム調整光学系(104,106)を更に備えると共に、走査ミラー手段(60,62,66,70)へ集束ビームを与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
6.レーザー(103)と走査ミラー手段(60,62,66,70)との間に配置されたビーム調整光学系(104,106)を更に備えると共に、調整自在な錐角を有する収束ビームを走査ミラー手段(60,62,66,70)へ与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
7.レーザー(103)と走査ミラー手段(60,62,66,70)との間に配置されたビーム調整光学系(104,106)を更に備えると共に、コリメートされたビームを走査ミラー手段(60,62,66,70)へ与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
8.前記ハンドピースの入力端に配置されたビーム調製光学系(104,106)を更に備え、
二つのミラー(60,62)は、レーザービーム(72)がビーム調製光学系(104,106)を射出してミラー(60,62)へ入射するように、前記ハンドピース内で互いに近接して位置すると共に、ミラー(60,62)を独立に回動させるための手段(66,70)を更に備えることにより、前記ハンドピースは対象組織(40)上に二次元パターンでレーザービームを走査する請求項1記載の外科用ハンドピース。
(補正後)
【請求項1】
レーザービームを発生するレーザーに接続する外科用ハンドピースであり、対象組織上をレーザービームで走査するハンドピースであって、
レーザービームを反射するための走査ミラー手段を備え、この走査ミラー手段は、レーザービームの光路上に第1のミラーと第2のミラーとを含み、これら二つのミラーはそれぞれの軸の回りに独立に回動自在であって、その二つの軸は、互いに直交し、且つ入射するレーザービームに直交すると共に、第1のミラーは、この第1のミラーに入射するレーザービームを第2のミラーへ反射するように配置されており、
前記外科用ハンドピースは更にレンズを備え、このレンズへ前記走査ミラー手段の第2のミラーがレーザービームを反射して、このレンズを透過したレーザービームが対象組織上へ屈折するように、前記走査ミラー手段は前記レンズからこのレンズの焦点距離に実質的に等しい距離に配置されている外科用ハンドピース。
【請求項2】
前記走査ミラー手段が、二つのガルバノメータを更に含み、各々のガルバノメータは、対応する前記ミラーを前記軸の回りに回動させる手段によって対応する前記ミラーに接続されており、その軸は各ミラーの実質的に中心にある請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項3】
前記レンズがアナモフイックであり、且つ二つの直交面に二つの焦点距離を有すると共に、第1と第2のミラーは、前記レンズからみて、前記二つの焦点距離の各々に実質的に等しい距離にそれぞれ配置されている請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項4】
前記レンズが個別の第1のレンズと第2のレンズとを更に含み、これらのレンズと前記ミラーとはレーザービームの光路に沿って、先ず第1のミラー、次いで第1のレンズ、次いで第2のミラー、次いで第2のレンズの順に配置され、その第1のミラーは、第1のレンズからこの第1のレンズの焦点距離に実質的に等しい距離に配置されると共に、第2のミラーは、第2のレンズからこの第2のレンズの焦点距離に実質的に等しい距離に配置されている請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項5】
前記レーザーと前記走査ミラー手段との間に配置されたビーム調整光学系を更に備えると共に、前記走査ミラー手段へ集束ビームを与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項6】
前記レーザーと前記走査ミラー手段との間に配置されたビーム調整光学系を更に備え、このビーム調整光学系は、調整自在な錐角を有する集束ビームを前記走査ミラー手段へ与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項7】
前記レーザーと前記走査ミラー手段との間に配置されたビーム調整光学系を更に備え、このビーム調整光学系は、コリメートされたビームを前記走査ミラー手段へ与えるための光学手段を含む請求項1記載の外科用ハンドピース。
【請求項8】
請求項1記載の外科用ハンドピースにおいて、
このハンドピースの入力端に配置されたビーム調整光学系を更に備え、且つ前記ミラーは、レーザービームが前記ビーム調整光学系を射出して前記ミラーへ入射するように、前記ハンドピース内で互いに近接して位置すると共に、
前記ミラーを独立に回動させるための手段を更に備えることにより、前記ハンドピースは対象組織上を二次元パターンでレーザービームにより走査する外科用ハンドピース。
【請求項9】
請求項1記載の外科用ハンドピースにおいて、第1と第2のミラーを独立に回動させる手段を更に備えることにより、前記ハンドピースは対象組織上を所定の二次元パターンでレーザービームにより走査する外科用ハンドピース。
【請求項10】
請求項9記載の外科用ハンドピースにおいて、前記二次元パターンは複数の離散点を含む外科用ハンドピース。
【請求項11】
請求項1記載の外科用ハンドピースを含む外科用システムであって、第1と第2のミラーの前記独立回動を制御する手段を備えることにより、前記ハンドピースが対象組織上を所定の二次元パターンでレーザービームにより走査する外科用システム。
【請求項12】
請求項11記載の外科用システムにおいて、前記二次元パターンは複数の離散点を含む外科用システム。
【請求項13】
請求項12記載の外科用システムにおいて、複数の所定のパターンを選択する手段を更に備え、その各々のパターンは、離散点の異なるパターンを含む外科用システム。

本件補正は、明細書の特許請求の範囲を補正するものであるが、補正により請求項の数が8から13に増加した。
そこで、補正後の請求項(以下、「新請求項」という。)と補正前の請求項(以下、「旧請求項」という。)との対応をみると、
新請求項1および該請求項を引用する(間接引用を含む。以下、同じ。)新請求項2?8は、旧請求項1および該請求項を引用する旧請求項2?8に対応する。
ここで、新請求項と旧請求項とは一対一の対応関係が求められるので、新請求項9?13に対応する旧請求項はもはや存在しないこととなるから、これらの請求項についての補正は、実質的に新たな請求項を追加したものとなる。そうすると、この補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものとは認められないし、同項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものとも認められない。また、同項第3号に規定する誤記の訂正や同項第4号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とするものでないことは明らかである。
したがって、上記手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 本願発明について
本願は、平成8年1月19日(パリ条約に基づく優先権主張1995年1月23日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1ないし8に係る発明は,平成17年10月26日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして,本願については,原査定の拒絶の理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2008-11-28 
出願番号 特願平8-523020
審決分類 P 1 8・ 575- WY (A61B)
P 1 8・ 121- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 西山 智宏内藤 真徳  
特許庁審判長 亀丸 広司
特許庁審判官 村山 睦
蓮井 雅之
発明の名称 ハンドヘルドレーザースキャナ  
代理人 山崎 行造  

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