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審決分類 |
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 C04B 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C04B 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 C04B |
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管理番号 | 1190319 |
審判番号 | 不服2006-4549 |
総通号数 | 110 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-02-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-03-10 |
確定日 | 2009-01-07 |
事件の表示 | 特願2002-332270「電子部品焼成用治具」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 6月10日出願公開、特開2004-161585〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成14年11月15日の出願であって、平成18年1月25日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年3月10日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年4月7日付けで手続補正がなされ、平成20年7月18日付けで特許法第164条第3項に基づく報告書を引用した審尋が起案され、同年9月12日付けで回答書が提出されたものである。 2.平成18年4月7日付け手続補正についての補正の却下の決定 [理由] 平成18年4月7日付けの手続補正は、平成17年12月12日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲 「 【請求項1】 基材、及び該基材上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10?200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具。 【請求項2】 基材、該基材表面に被覆された中間層、及び該中間層上に形成されたジルコニア表面層を含んで成る電子部品焼成用治具において、JIS‐H8503で行われる往復運動摩耗試験で耐摩耗性が10?200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用治具。 【請求項3】 60?70重量%の100メッシュのイットリア安定化ジルコニア及び40?30重量%の平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア又は未安定化ジルコニアに対して、酸化アルミニウムと、酸化カルシウムと、酸化イットリウム又は酸化ストロンチウムとからなる焼結助剤を0.5?25重量%混合してスラリーとし、該スラリーを基材上又は基材上を被覆した中間層上にコートしてジルコニア表面層を形成する工程を含む電子部品焼成用治具の製造方法。」を 「 【請求項1】 基材、該基材表面に平均粒径30?500μmのアルミナと平均粒径0.1?5μmの金属酸化物とを固相焼結してなる中間層、及び該中間層上に形成してなるジルコニア表面層を含んで成り、JIS-H8503で行われる往復運動磨耗試験で耐摩耗性が10?200(DS/mg)であることを特長とする電子部品焼成用冶具。 【請求項2】 ジルコニア表面層は、80?300メッシュの粗粒ジルコニア50?75重量%と平均粒径0.1?10μmの微粒ジルコニア50?25重量%とを2種類以上の金属酸化物から成る焼結助剤により結合し、耐摩耗性を高めたものである請求項1に記載の電子部品焼成用冶具。」と補正(以下、「本件補正」という。)するものである。 本件補正により請求項1及び請求項3を削除し、補正前の請求項2における「被覆された中間層」を「平均粒径30?500μmのアルミナと平均粒径0.1?5μmの金属酸化物とを固相焼結してなる中間層」として、請求項1に繰り上げ(以下、「第1の補正」という。)、新たに請求項1を引用する請求項2を付加するものである(以下、「第2の補正」という。)。 これら補正事項を検討すると、第1の補正は、補正前の請求項2に「被覆された」としか記載のなかった「中間層」の微細構造(組織と平均粒径)を追加したもので、新たな観点から「中間層」を特定することは、下位概念化とは言えず、第1の補正については、補正前の請求項2に係る発明を特定するために必要な事項を限定して減縮したとすることはできない。 してみると、第1の補正は、補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであるとすることができず、補正前の請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものに限るとする、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮の要件を満足するものであるとすることができない。 また、前記第2の補正が、新たに請求項1を引用する請求項2を付加するものであるから、当該補正をいわゆる増項補正として取り扱わざるを得ない。 そして、第2の補正が平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に掲げる事項を目的とするものではないことは明らかである。 以上のとおり、平成18年4月7日付け手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.本願発明 (1)平成18年4月7日付けの明細書の記載に係る手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成17年12月12日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項3に記載された次のとおりのものである。 「60?70重量%の100メッシュのイットリア安定化ジルコニア及び40?30重量%の平均粒径3μmのイットリア安定化ジルコニア又は未安定化ジルコニアに対して、酸化アルミニウムと、酸化カルシウムと、酸化イットリウム又は酸化ストロンチウムとからなる焼結助剤を0.5?25重量%混合してスラリーとし、該スラリーを基材上又は基材上を被覆した中間層上にコートしてジルコニア表面層を形成する工程を含む電子部品焼成用治具の製造方法。」 (2)引用発明の認定 原査定の拒絶の理由に引用した本願の出願前に頒布された刊行物1(特開2001-213666号公報)には、次の記載がある。 (イ)「【請求項1】 平均粒径30?500μmの粗粒ジルコニアと平均粒径0.1?10μmの微粒ジルコニアを、2種類以上の金属酸化物から成る部分溶融結合材により結合して形成したジルコニア層を基材上に被覆したことを特徴とする電子部品焼成用材料。 【請求項2】 部分溶融結合材が、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ストロンチウムから選択される1種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウムとから成る請求項1に記載の電子部品焼成用材料。 【請求項3】 粗粒ジルコニアと、微粒ジルコニア及び部分溶融結合材との重量比が80:20から20:80であり、部分溶融結合材の、粗粒ジルコニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材に対する重量比が3重量%以上25重量%以下である請求項1又は2に記載の電子部品焼成用材料。」(特許請求の範囲)、 (ロ)「本発明は、誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタ等の電子部品を焼成する際に用いる、セッター、棚板、匣鉢等の電子部品焼成用材料に関する。」(【0001】)、 (ハ)「粗粒ジルコニアは電子部品との反応性を考慮して、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及び安定化ジルコニア、あるいはこれらの混合物を使用することが望ましい。安定化又は部分安定化は酸化イットリウム(イットリア、Y_(2)O_(3))、酸化カルシウム(カルシア、CaO)や酸化マグネシウム(マグネシア、MgO)等をジルコニアに添加することにより達成できる。」(【0010】)、 (ニ)「このように本発明で使用する部分溶融結合材は、ジルコニア安定化化合物であるY_(2)O_(3)、CaO、MgO及びSrOから選択される好ましくは2種類以上の金属酸化物と基材とのマッチングを向上させる化合物である酸化アルミニウムを含むことにより、粗粒ジルコニア及び/又は微粒ジルコニアを結合して強度を向上すること、そして粗粒ジルコニアのみでジルコニア層を構成する場合には自身が微細な結合材として粗粒ジルコニアを強固に結合すること、未安定化ジルコニアを使用する場合でも該ジルコニアの少なくとも一部を安定化すること、従って経済的に有利な未安定化ジルコニアを使用しても安定化ジルコニアを使用する場合とほぼ同等な効果が得られること、及び基材との密着性を向上させてジルコニア層の剥離や粉化を抑制するという、3種類の効果を奏する。」(【0012】)、 (ホ)「基材表面へのジルコニア層(ジルコニア膜)の形成は、ジルコニウム化合物溶液の塗布及び熱分解による方法、ジルコニア粉末をスプレーする法、基材をジルコニウム化合物溶液に浸漬した後、熱分解して前記化合物をジルコニアに変換する方法等の従来法に従って行えば良い。」(【0013】)、 (ヘ)「本発明の電子部品焼成用材料の製造に関する実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではない。 実施例1 基材として、シリカ成分が約10重量%までのアルミナ-ムライト基材を使用した。粗粒ジルコニアとして平均粒径が約100μmであるイットリアで安定化させたジルコニアを、微粒ジルコニアとして平均粒径が約5μmで安定化させていないジルコニアを、部分溶融結合材としてイットリア(20モル%)、アルミナ(22モル%)及びカルシア(58モル%)から成る酸化物混合物を、それぞれ80重量%、10重量%及び10重量%の割合で準備した。 これらをボールミルで均一に混合し、水とバインダーであるポリビニルアルコールを加えてスラリとした。このスラリを前記基材表面にスプレーコートした。」(【0014】?【0016】)、 (ト)「この電子部品焼成用材料では基材上に形成されるジルコニア層を、添加する部分溶融結合材により、粗粒ジルコニア及び/又は微粒ジルコニアを結合して強度を向上させ、安価な未安定化ジルコニアを使用する場合でも該ジルコニアの少なくとも一部を安定化し、高価な安定化ジルコニアの場合とほぼ同等な効果を得、及び基材との密着性を向上させてジルコニア層の剥離や粉化を抑制するという、効果が得られる。従って強度が十分で、経済的な製造が可能で、しかも基材との密着性が優れた電子部品焼成用材料が提供できる。」(【0023】)。 (3)対比 記載事項(イ)では、「 平均粒径30?500μmの粗粒ジルコニアと平均粒径0.1?10μmの微粒ジルコニアを、2種類以上の金属酸化物から成る部分溶融結合材により結合して形成したジルコニア層を基材上に被覆したことを特徴とする電子部品焼成用材料。」、「部分溶融結合材が、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ストロンチウムから選択される1種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウムとから成る」こと及び「粗粒ジルコニアと、微粒ジルコニア及び部分溶融結合材との重量比が80:20から20:80であり、部分溶融結合材の、粗粒ジルコニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材に対する重量比が3重量%以上25重量%以下である」ことが記載され、記載事項(ハ)には「粗粒ジルコニアは電子部品との反応性を考慮して、未安定化ジルコニア、部分安定化ジルコニア及び安定化ジルコニア、あるいはこれらの混合物を使用することが望ましい」こと、記載事項(ホ)には「基材表面へのジルコニア層(ジルコニア膜)の形成は、ジルコニウム化合物溶液の塗布及び熱分解による方法、ジルコニア粉末をスプレーする法、基材をジルコニウム化合物溶液に浸漬した後、熱分解して前記化合物をジルコニアに変換する方法等の従来法に従って行えば良い」ことが記載されている。また、記載事項(ヘ)には、「製造に関」して「粗粒ジルコニアとして平均粒径が約100μmであるイットリアで安定化させたジルコニアを酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ストロンチウムから選択される1種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウムとから成る、微粒ジルコニアとして平均粒径が約5μmで安定化させていないジルコニアを、部分溶融結合材としてイットリア(20モル%)、アルミナ(22モル%)及びカルシア(58モル%)から成る酸化物混合物を・・・準備し・・・スラリとした。このスラリを前記基材表面にスプレーコートした。」 したがって、これら記載事項を本願発明の記載に則って整理すると、刊行物1には、「平均粒径30?500μmのイットリアで安定化させた粗粒ジルコニアと平均粒径0.1?10μmの安定化させていない微粒ジルコニアを重量比80:20から20:80とし、酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ストロンチウムから選択される1種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウムとから成る部分溶融結合材を粗粒ジルコニア+微粒ジルコニア+部分溶融結合材に対する重量比が3重量%以上25重量%以下で準備し、スラリとし、このスラリを基材表面にスプレーコートした電子部品焼成用材料の製造方法」の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているといえる。 そこで、本願発明と刊行物1発明とを対比すると、刊行物1発明における「イットリアで安定化させた」および「安定化させていない」は、それぞれ、本願発明における「イットリア安定化」および「未安定化」に相当し、刊行物1発明において「粗粒ジルコニアと・・・微粒ジルコニアを重量比80:20から20:80とし」ている点は、本願発明の「60?70重量%のイットリア安定化ジルコニア及び40?30重量%の未安定化ジルコニア」を包含するということができる。そして、刊行物1発明の「平均粒径0.1?10μm」の安定化させていない微粒ジルコニアである点は、本願発明の「平均粒径3μmの未安定化ジルコニア」を包含することは明らかであり、刊行物1発明の「酸化イットリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化ストロンチウムから選択される1種類以上の金属酸化物と酸化アルミニウムとから成る部分溶融結合材」は、記載事項(ヘ)に「部分溶融結合材としてイットリア(20モル%)、アルミナ(22モル%)及びカルシア(58モル%)から成る酸化物混合物」と記載されていることから、本願発明の「酸化アルミニウムと、酸化カルシウムと、酸化イットリウム又は酸化ストロンチウムとからなる焼結助剤」の内の「酸化アルミニウムと、酸化カルシウムと、酸化イットリウムとからなる酸化物」に相当するということができる。さらに、刊行物1発明における「重量比が3重量%以上25重量%以下で準備し、スラリとして、」は、本願発明の「0.5?25重量%混合してスラリーとし、」の数値限定の「3?25重量%混合」する点で一致する。さらに、刊行物1発明の「このスラリを基材表面にスプレーコートした」の「スラリ」は主成分が粗粒と微粒のジルコニアであるから、本願発明の「スラリーを基材上にコートしてジルコニア表面層を形成する工程」に相当するということができ、刊行物1発明に関し、記載事項(ロ)には「誘電体、積層コンデンサ、セラミックコンデンサ、圧電素子、サーミスタ等の電子部品を焼成する際に用いる、セッター、棚板、匣鉢等の電子部品焼成用材料に関する」ことが記載され、これら「セッター、棚板、匣鉢」が所謂「焼成用治具」であることは当業者において周知であるから、刊行物1発明における「電子部品焼成用材料」は、本願発明の「電子部品焼成用治具」に相当することは明らかである。 したがって、本願発明と刊行物1発明とは、「60?70重量%のイットリア安定化ジルコニア及び40?30重量%の平均粒径3μmの未安定化ジルコニアに対して、酸化アルミニウムと、酸化カルシウムとからなる酸化物を3?25重量%混合してスラリーとし、該スラリーを基材上にコートしてジルコニア表面層を形成する工程を含む電子部品焼成用治具の製造方法。」で一致し、以下の(A)及び(B)の点で一応相違する。 (A)本願発明は、イットリア安定化ジルコニアが「100メッシュ」であるのに対して、刊行物1発明は「平均粒径30?500μm」のイットリアで安定化させた粗粒ジルコニアである点。 (B)本願発明は、酸化物が「焼結助剤」であるのに対して、刊行物1発明は、「部分溶融結合材」である点、 (4)判断 (4-1)相違点(A)について 1メッシュが1in.=25.4mmの間の目数であり、本願発明が特定事項とする「100メッシュ」は25400μmを100で割った254μmが篩を考慮に入れない目の間の間隔であるから、篩のサイズを考慮に入れなければ最大径が254μm以下の粒子を通過させることになる。故に、相違点(A)に係る「100メッシュ」は、「最大径254μm以下」と言い換えられ、しかも、ジルコニア表面層は粗粒骨材(素粒子ジルコニア)と微粒ボンド(微粒子ジルコニア)からなる構成が望ましく(本願当初明細書段落【0020】参照)、微粒ジルコニアの最大平均粒径は10μmであるから(本願当初明細書の請求項3参照)、本願発明の粗粒ジルコニアは、当然微粒ジルコニア以上の粒径を有することになり、その粒径分布は10?254μmとなる。したがって、両発明のジルコニアの粒径分布は重複すると認めることができ、「100メッシュ」という表現が「平均粒径30?500μm」と本質的に相違するとは認められない。 したがって、相違点(A)は実質的な相違点でない。 (4-2)相違点(B)について 次に、刊行物1発明の「部分溶融結合材」の技術的意義については、記載事項(ニ)において「このように本発明で使用する部分溶融結合材は、・・・粗粒ジルコニア及び/又は微粒ジルコニアを結合して強度を向上すること、そして粗粒ジルコニアのみでジルコニア層を構成する場合には自身が微細な結合材として粗粒ジルコニアを強固に結合すること、未安定化ジルコニアを使用する場合でも該ジルコニアの少なくとも一部を安定化すること、従って経済的に有利な未安定化ジルコニアを使用しても安定化ジルコニアを使用する場合とほぼ同等な効果が得られること、及び基材との密着性を向上させてジルコニア層の剥離や粉化を抑制するという、3種類の効果を奏する。」とされ、本願発明の「焼結助剤」の技術的意義である「酸化アルミニウム以外のこれらの金属酸化物は、焼成時に液相を介してジルコニア粒子と反応して、ジルコニアの一部をより安定化させる機能も有する。また酸化アルミニウムは基材あるいは中間層とジルコニア層とのマッチングを良好にする。焼結助剤の割合は、粗粒子ジルコニアと微粒子ジルコニア全量に対して0.5?25重量%、好ましくは1?10重量%であることが望ましい。添加量が0.5重量%未満であると添加効果が不十分になりやすく、耐摩耗性が著しく損なわれる。」(本願当初明細書段落【0024】?【0025】)と共通しており、単に呼称上の相違にすぎないものである。 したがって、相違点(B)も実質的な相違点でない。 よって、本願発明は、刊行物1に記載された発明である。 また、たとえ、これら両相違点が実質的なものであるとしても、上記相違点(A)及び(B)に係る構成を採用することは、当業者であれば容易になし得ることであり、本願発明の効果も格別のものとすることはできないので、本願発明は、刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるということができる。 (5)むすび 以上のとおり、本願の請求項3に係る発明は、本願の出願日前に頒布された刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項3号の規定に該当し特許を受けることができない。 また、本願の請求項3に係る発明は、本願の出願日前に頒布された刊行物1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論の通り審決する。 |
審理終結日 | 2008-10-28 |
結審通知日 | 2008-11-04 |
審決日 | 2008-11-18 |
出願番号 | 特願2002-332270(P2002-332270) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C04B)
P 1 8・ 57- Z (C04B) P 1 8・ 113- Z (C04B) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大橋 賢一 |
特許庁審判長 |
松本 貢 |
特許庁審判官 |
大工原 大二 木村 孔一 |
発明の名称 | 電子部品焼成用治具 |
代理人 | 竹内 三郎 |
代理人 | 市澤 道夫 |