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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H03H 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H03H |
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管理番号 | 1190335 |
審判番号 | 不服2006-14856 |
総通号数 | 110 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-02-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2006-07-11 |
確定日 | 2009-01-08 |
事件の表示 | 特願2003-131003「弾性表面波素子及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成16年11月25日出願公開、特開2004-336503〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続きの経緯 本願は、平成15年5月9日の特許出願であって、平成17年9月29日付けで拒絶理由通知がなされ、同年11月16日付けで手続補正がなされたが、平成18年6月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年7月11日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正書が提出されたものである。 2.平成18年7月11日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成18年7月11日付けの手続補正を却下する。 [理由] (1)補正後の請求項1に係る発明 本件手続補正書により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 一主面上に2つ以上の共振子が形成された圧電基板と、前記圧電基板の他主面に接合された支持基板とを有する弾性表面波素子において、 少なくとも2つの前記共振子の励振部分が弾性表面波の伝搬方向における重なりを持ち、 前記弾性表面波が漏洩表面波であり、 前記重なりを持つ前記共振子の組のうち少なくとも1組の共振子間の少なくとも一部の圧電基板に、該圧電基板を貫通して前記支持基板まで切り込まれた溝が形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。」 となった。 上記補正は、補正前の請求項1における「弾性表面波」を、「漏洩表面波」に限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件手続補正後の上記請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について、以下に検討する。 (2)引用例 (2-1)引用例1について 原査定の拒絶の理由に引用された実願平05-046219号(実開平07-016427号)のCD-ROM(以下、「引用例1」という)の明細書には、下記の事項が記載されている。 (あ)「【0015】 図1はこの考案の第一実施例の構成を概略的に示す平面図である。同図に示す共用器は、分波回路18を薄膜回路とすると共に送信用及び受信用フィルタ20及び22をそれぞれ弾性表面波フィルタとし、これら分波回路18、フィルタ20及び22を同一の圧電基板24に設けて成る。 【0016】 この実施例では、圧電基板24として、現在一般に広く用いられているrotated36° Y-XCut LiTaO_(3) 基板又はrotated128° Y-XCut LiNbO_(3) 基板を用いる。これらLiTaO_(3) 及びLiNbO_(3) 基板の比誘電率はほぼ44及び37である。従来の共用器において分波回路の形成に用いていたガラスエポキシ基板の比誘電率はほぼ4であるから、これらLiTaO_(3) 及びLiNbO_(3) 基板の比誘電率はガラスエポキシ基板のほぼ11及び9倍である。同じ伝送特性の分波回路をガラスエポキシ基板とLiTaO_(3) 及びLiNbO_(3) 基板とに形成する場合を比較すると、LiTaO_(3) 及びLiNbO_(3) 基板に形成した分波回路の面積は、ガラスエポキシ基板に形成した分波回路の1/11及び1/9となる。従って圧電基板24に分波回路18を形成することにより、分波回路18を小型化できる。」 (い)「【0020】 さらに送信用及び受信用フィルタ20及び22の弾性表面波漏れ部H(図2参照)の間に、吸音材30を設ける。例えば、吸音材30としてシリコーン(silicone)を圧電基板24に塗布する。 【0021】 フィルタ共用器の小型化を図るため、送信用及び受信用フィルタ20及び22の弾性表面波漏れ部Hを極めて近接させて設けた場合(特に並列配置した場合)、これらフィルタの一方から出射した弾性表面波がこれらフィルタの他方に入射して悪影響を与えるおそれがある。そこで弾性表面波を吸音材30によって吸収し、これによりフィルタ20及び22の一方からの弾性表面波がフィルタ20及び22の他方へ入射するのを防止する。」 (う)「【0031】 図4はこの考案の第三実施例の構成を概略的に示す平面図である。第三実施例では、フィルタ20及び22の漏れ部Hの間に、吸音材30に代えて切欠部31を設ける。切欠部31は圧電基板24を切り欠いて形成した溝、スリット、穴或は段差である。第三実施例の構成を、そのほかは第一実施例と同様とする。 【0032】 第三実施例においては、弾性表面波を吸収し或は減衰し或は遮断することができるのであれば、切欠部31を、圧電基板24を貫通するように形成しても良いし貫通しないように形成しても良い。」 また引用例1の図2には、圧電基板上の一方の主面に励振部分となるすだれ状電極が形成された弾性表面波フィルタが記載されており、また、図4には、フィルタ20の励振部分とフィルタ22の励振部分が弾性表面波の伝搬方向において重なりを持っている配置構成が記載されている。 よって、上記(あ)?(う)及び図2,図4の記載から、引用例1には下記の発明(以下、「引用発明1」という)が記載されている。 「圧電基板の一方の主面にそれぞれ励振部分を有する2つの弾性表面波フィルタが形成されたフィルタ共用器において、 前記圧電基板には、rotated36° Y-XCut LiTaO_(3) 基板が用いられ、 前記2つの弾性表面波フィルタの励振部分が弾性表面波の伝搬方向における重なりを持って配置され、 前記重なりを持つ前記弾性表面波フィルタ間の圧電基板に、該圧電基板を貫通した切欠部が形成されていることを特徴とするフィルタ共用器。」 (2-2)引用例2について また、原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-060846号公報(以下、「引用例2」という)には、下記の事項が記載されている。 (え)「【0002】 【従来の技術】移動体通信機器の発展にともない、機器を構成するキーデバイスの1つである弾性表面波素子の高性能化が求められている。近年の移動体通信システムにみられるように送信帯域と受信帯域が近接している場合には、使用温度範囲において急峻なカットオフ特性を実現することが困難となっている。これは、従来の弾性表面波素子に用いられる圧電基板の特性に依存するものである。すなわち、従来の圧電基板は、システムの要求帯域幅を実現するに十分な結合係数を有しているものの、一般に周波数温度係数が大きいためである。この問題に対応するため、既存の圧電基板とその圧電基板とは熱膨張係数の異なる補助基板とを張り合わせることによって、結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性を有する弾性表面波素子が得られることが報告されている(Proc. 1997 IEEE Ultrasonics Symposium、pp.227-230)。 【0003】以下に、従来の弾性表面波素子について説明する。従来の弾性表面波素子の一例について、図13(a)に斜視図を、図13(b)に図13(a)の線Z-Zにおける断面図を示す。図13を参照して、従来の弾性表面波素子は、第1の基板401と、第2の基板402と、電極403aおよび403bからなる櫛形電極403と、反射器404とを備える。ここで、第1の基板401には、たとえば36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム単結晶が用いられ、第2の基板402には、たとえば第1の基板401の弾性表面波伝搬方向における熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有するガラス基板が用いられる。第1の基板401の厚さは、第2の基板402よりも十分に薄く、かつ弾性表面波の波長に比べて十分厚い。たとえば、第1の基板401を40ミクロン程度にし、第2の基板402を310ミクロン程度にする。第1の基板401と第2の基板402とは、接着剤等を介さずに実質的に直接接合されている。このような構造を備えることで、既存の圧電基板の特性を維持したまま、その周波数温度係数を制御することが可能となっていた。」 (お)「【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。 【0019】(実施形態1)実施形態1では、本発明の弾性表面波素子について、一例を説明する。 【0020】実施形態1の弾性表面波素子100について斜視図を図1(a)に示し、図1(a)の線X-Xにおける断面図を図1(b)に示す。 【0021】図1を参照して、弾性表面波素子100は、第1の基板101および第2の基板102を含む積層基板103と、櫛形電極104と、反射器105とを備える。そして、積層基板103の第1の基板101側の周縁部(側面)には、段差部106が形成されている。 【0022】第1の基板101は、圧電性材料からなる基板であり、たとえば圧電単結晶を用いることができる。圧電単結晶としては、たとえば、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶、またはランガサイトなどを用いることができる。具体的には、たとえば、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムを用いることができる。第1の基板101の厚さは、素子によって異なるが、たとえば、5μm?100μmとすることができる。第1の基板101は、第2の基板102上に直接積層されている。すなわち、第1の基板101は、接着剤などを介さずに、第2の基板102上に直接接合されている。 【0023】第2の基板102は、第1の基板101とは異なる材料からなり、第1の基板101とは異なる熱膨張係数を有する。第2の基板102には、たとえば、第1の基板101の弾性表面波伝搬方向における熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有するガラス、シリコン、または石英などを用いることができる。第2の基板102の厚さは、素子によって異なるが、たとえば、200μm?400μmとすることができる。」 上記(え)には、結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性を有する弾性表面波素子を得るために、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム単結晶が用いられた圧電基板である第1の基板401に、圧電基板とは熱膨張係数の異なる補助基板である第2の基板402を接合する構成が記載されている。 上記(お)には、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムを用いた圧電性材料からなる第1の基板101と、第1の基板101とは異なる熱膨張係数を有する第2の基板102を接合して構成された弾性表面波素子が記載されている。 上記(え)、(お)の記載から、引用例2には下記の発明(以下、「引用発明2」という)が記載されている。 「圧電基板上に形成された弾性表面波素子において、 結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性を有する弾性表面波素子を得るために、36°YカットX伝搬のタンタル酸リチウムの基板を用いた圧電基板に、該圧電基板とは熱膨張係数の異なる補助基板を接合すること。」 (3)対比 (3-1)本願補正発明と引用発明1との対応関係について (ア)本願補正発明では、共振子内に励振部分が存在しており、また、引用発明1では、圧電基板の一方の主面上に形成された2つの弾性表面波フィルタ内にそれぞれ励振部が存在している。してみると、引用発明1と本願補正発明は、「一主面上に励振部分を有する素子が2つ以上形成された圧電基板」である点で共通する。 (イ)引用発明1は、機能的にみれば2つの弾性表面波フィルタから構成されるフィルタ共用器であるが、素子的に見れば2つの弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波素子といえるから、引用発明1の「共用フィルタ」は本願補正発明の「弾性表面波素子」に相当する。 (ウ)引用発明1の「切欠部」は、圧電基板を貫通するものであるから、本願補正発明の「切り込まれた溝」に相当する。 (3-2)本願補正発明と引用発明1の一致点について 上記の対応関係から、本願補正発明と引用発明1は下記の点で一致する。 「一主面上に励振部分を有する素子が2つ以上形成された圧電基板を有する弾性表面波素子において、 少なくとも2つの前記素子の励振部分が弾性表面波の伝搬方向における重なりを持ち、 前記重なりを持つ前記素子の組のうち少なくとも1組の共振子間の少なくとも一部の圧電基板に、該圧電基板を貫通して切り込まれた溝が形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。」 (3-3)本願補正発明と引用発明1の相違点について 本願補正発明と引用発明1は、下記の点で相違する。 (相違点A) 本願補正発明は、励振部分を有する素子が「共振子」であるのに対し、引用発明1の励振部分を有する素子は共振子ではない点。 (相違点B) 本願補正発明では、「圧電基板の他主面に接合された支持基板とを有する」のに対し、引用発明1は支持基板を有していない点。 (相違点C) 本願補正発明では、「弾性表面波が漏洩表面波」であるのに対し、引用発明1の弾性表面波が漏洩表面波であるかは引用例1に記載されていないため不明な点。 (相違点D) 本願補正発明では、「切り込まれた溝」は「圧電基板を貫通して前記支持基板まで切り込まれた」ものであるのに対し、引用発明1は圧電基板までを貫通するものとなっている点。 (4)当審の判断 (4-1)相違点Aについて 弾性表面波フィルタで構成された送信用フィルタ及び受信用フィルタからなる弾性表面波フィルタ共用器では、弾性表面波フィルタが反射器とIDTからなる弾性表面波(SAW)共振子により構成されることは、例えば、特開平10-313229号公報に記載されているように周知な事項であるから、引用発明1において励振部分を有する素子を相違点Aの「共振子」とすることは、当業者ならば容易に想到し得たものである。 (4-2)相違点Bについて 弾性表面波素子の分野において、結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性を有する弾性表面波素子を得るために、圧電基板とは熱膨張係数の異なる補助基板を接合することは引用発明2に記載されており、また、引用発明2の「補助基板」は本願補正発明の「支持基板」に相当している。 してみれば、引用発明1の弾性表面波フィルタにおいて、弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波素子の結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性とするために、引用発明2に記載された構成を適用して、圧電基板とは熱膨張係数の異なる補助基板を圧電基板に接合することで、相違点Bの「圧電基板の他主面に接合された支持基板とを有する」構成とすることは、当業者ならば容易に想到し得たものである。 (4-3)相違点Cについて 引用発明1の圧電基板には、rotated36° Y-XCut LiTaO_(3) 基板が用いられているが、特開平08-316781号公報の段落5に記載されているように、この圧電基板を用いた弾性表面波素子では、「漏洩弾性表面波」が励振されることは周知な事項であり、該「漏洩弾性表面波」は本願補正発明の「漏洩表面波」に相当することは明らかである。 してみれば、引用例1には引用発明1の構成が漏洩表面波を励振することについて記載はないが、上記周知な事項を勘案すれば、引用発明1の弾性表面波は漏洩表面波であるといえるから、上記相違点Cは形式的な相違点にすぎず、実質的な相違点ではない。 (4-4)相違点Dについて バルク波を含めた弾性表面波は圧電基板上を伝搬するものであるから、圧電基板に貫通した切欠部が形成された構成では、切欠部において圧電基板が完全に除かれているため、バルク波を含めた弾性表面波の伝搬が確実に遮断されることは自明である。 そして、引用例1には、切欠部による作用効果について、「弾性表面波を吸収し或は減衰し或は遮断することができるのであれば、切欠部31を、圧電基板24を貫通するように形成しても良いし貫通しないように形成しても良い。」ことが上記(う)に記載されているので、引用発明1の「重なりを持つ前記弾性表面波フィルタ間の圧電基板に、該圧電基板を貫通した切欠部が形成」された構成は、弾性表面波の伝搬を確実に遮断するために設けられた構成であると認められる。 また、貫通溝を設ける場合、誤差等による切欠段階での深度不足を見込み、貫通しないことを防止するために、切欠段階では余分に深く切削することは常套手段である。 してみれば、引用発明1の弾性表面波フィルタにおいて、弾性表面波フィルタを構成する弾性表面波素子の結合係数が大きくかつ温度安定性に優れた特性とするために圧電基板の他主面に支持基板を接合した場合、圧電基板を貫通する切欠部は弾性表面波の伝搬を確実に遮断するために、圧電基板だけではなく圧電基板の下に接合された支持基板にまで切削を行って形成し、相違点Dである「切り込まれた溝」は「圧電基板を貫通して前記支持基板まで切り込まれた」ものとすることは、当業者ならば容易に想到し得たものである。 また、本願補正発明の作用効果も、引用発明1及び2、上記周知な事項から当業者が予測できる範囲のものである。 (5)むすび よって、本願補正発明は、引用発明1及び2、上記周知な事項から当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件手続補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3.補正却下の決定を踏まえた検討 (1)本願発明 平成18年7月11日付けの手続補正書は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成17年11月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(以下、「本願発明」という)。 「【請求項1】 一主面上に2つ以上の共振子が形成された圧電基板と、前記圧電基板の他主面に接合された支持基板とを有する弾性表面波素子において、 少なくとも2つの前記共振子の励振部分が弾性表面波の伝搬方向における重なりを持ち、 前記重なりを持つ前記共振子の組のうち少なくとも1組の共振子間の少なくとも一部の圧電基板に、該圧電基板を貫通して前記支持基板まで切り込まれた溝が形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。」 (2)引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された引用例1の記載事項は、上記2.(2-1)に記載したとおりであり、引用例2の記載事項は、上記2.(2-2)に記載したとおりである。 (3)対比・判断 本願発明は、上記2.で検討した本願補正発明における「弾性表面波」について「漏洩表面波」とする限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成要素を全て含み、さらに特定の限定を施したものに相当する本願補正発明が、上記2.(4)に記載したとおり、引用発明1、引用発明2、及び上記周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明1、引用発明2、及び上記周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)むすび 以上のとおり、本願発明は、当業者が引用例1乃至2に記載された発明、及び上記周知な事項に基いて容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について、検討するまでもなく拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2008-11-10 |
結審通知日 | 2008-11-11 |
審決日 | 2008-11-25 |
出願番号 | 特願2003-131003(P2003-131003) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H03H)
P 1 8・ 121- Z (H03H) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 崎間 伸洋 |
特許庁審判長 |
長島 孝志 |
特許庁審判官 |
菅原 浩二 飯田 清司 |
発明の名称 | 弾性表面波素子及びその製造方法 |
代理人 | 片山 修平 |
代理人 | 片山 修平 |