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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1190522
審判番号 不服2008-2470  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-02-05 
確定日 2009-01-05 
事件の表示 平成 9年特許願第306221号「現像装置および現像方法」拒絶査定不服審判事件〔平成11年 5月28日出願公開、特開平11-145038〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成9年11月7日の出願(特願平09-306221号)であって、平成19年12月25日付で拒絶査定がなされ、これに対して、平成20年2月5日付で拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?8に係る発明は、平成19年11月21日付手続補正書により補正された明細書及び図面の記載から見て、その特許請求の範囲の請求項1?8に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に記載された発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、
現像液を吐出するためのスリット状吐出口が設けられた平面状の底面を有する現像液吐出ノズルと、
前記基板保持手段に静止状態で保持された基板の表面に対して前記現像液吐出ノズルの前記底面が平行な状態を保つように前記現像液吐出ノズルを前記基板に対して相対的に移動させる移動手段と、
前記現像液吐出ノズルおよび前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記スリット状吐出口の吐出幅は、基板幅と同じかまたはそれよりも大きく設定され、
前記制御手段は、前記基板保持手段に保持された基板外の一方側の移動開始位置から前記現像液吐出ノズルの移動を開始させた後、前記現像液吐出ノズルが前記基板保持手段に保持された基板の前記一方側の端縁に到達するまでに前記スリット状吐出口から現像液が帯状に垂下して帯状の垂下が前記スリット状吐出口の全体にわたるように前記現像液吐出ノズルによる現像液の吐出を開始させることを特徴とする現像装置。」

第3 引用例
1 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開昭63-18627号公報(以下、「引用例1」という)には、図面の記載とともに次の事項が記載されている。

「問題点を解決するための手段
本発明は液出しノズルより現像液が滴下される領域を、半導体ウェハの最大幅と同等以上のノズル幅とし、さらに現像液を滴下させ半導体ウェハ上に盛られた現像液表面とノズル底面全体を接しさせながら上記ノズルを半導体ウェハ上を平行にスライドさせ半導体ウェハ上全体に現像液を盛るものである。
作 用
ウェハ面内の現像速度不均一性を少なくし、均一な現像寸法を得ることができる。
実 施 例
第1図に本発明の一実施例を示す。同図aにおいて半導体ウェハ1をスピンナヘッド2上に乗せた後棒状液出しノズル3′の幅を半導体ウェハの最大幅より同等以上に設定し、半導体ウェハ1の面と数mmの間隙を設けて平行に設定する。
まずノズルを半導体ウェハの一端もしくはそれより外の位置より現像液4を滴下させながら半導体ウェハ1上を直進してスライドさせる。bにおいて、現像液4の表面と棒状ノズル3′の底面全体が接してスライドさせる事により、半導体ウェハ1上を均一に全て現像液が盛られ、感光性樹脂5が選択的に均一に現像される。水でリンスして乾燥後のパターン寸法を測定した結果を第2図に示す。半導体ウェハのX方向、Y方向の十字では均一性良好であった。
上記方法では現像ノズル3′がスライドしたが半導体ウェハ2がスライドしても良い。またスピンナヘッドは回転させながら現像液を滴下しても良い。第3図は第1図aとbの最初と最後の棒状液出しノズル3′の位置関係を示した平面図である。
発明の効果
棒状ノズルでスライドさせて現像液をウェハ上に盛る為、ウェハ面内の現像速度の不均一性がなくなり、現像パターン寸法の分布が均一となる。さらに現像液をウェハ上に滴下した後、ノズル底面と現像液の盛った表面を接する事により表面張力でそのままノズルをスライドさせウェハ上全面に現像液を盛る為、従来より現像液量が少量で良い等、工業上極めて有益である」(第2ページ左上欄第1行?左下欄第2行)

第1図及び第3図から、スピンナヘッド2が半導体ウエハ1を水平に保持していること、棒状液出しノズル3’が、下端部において、下方へ向けて現像液を吐出する孔を有し、該孔から吐出された現像液がノズルより滴下される領域を生じさせること、及び、半導体ウエハの滴下の開始側の一端で現像液が垂下していることが見て取れる。

よって、引用例1には、
「半導体ウエハ1を水平に保持するスピンナヘッド2と、
ノズルより現像液が滴下される領域を生じさせる孔が設けられた下端部を有する棒状液出しノズル3’と、
半導体ウェハ1の面と数mmの間隙を設けて平行に設定し、現像液を滴下させ半導体ウェハ上に盛られた現像液表面とノズル底面全体を接しながら上記ノズルを半導体ウェハ上を平行にスライドさせる手段とを備え、
ノズルより現像液が滴下される領域を、半導体ウェハの最大幅と同等以上のノズル幅とし、
上記のスライドさせる手段が、ノズルを半導体ウェハの一端もしくはそれより外の位置より現像液4を滴下させながら、半導体ウエハの滴下の開始側の一端で現像液が垂下している状態で半導体ウェハ1上を直進してスライドさせて、半導体ウェハ1上を均一に全て現像液が盛られ、現像パターン寸法の分布が均一となる現像装置。」の発明(以下、「引用発明」という)が記載されている。

2 引用例2
また、原査定の拒絶理由に引用された特開平7-326554号公報(以下、「引用例2」という)には、図面の記載とともに、次の事項が記載されている。

「【0035】図12はこの発明における現像液供給ノズルの第5実施例の断面図、図13は図12のXIII-XIII断面図が示されている。第5実施例の現像液供給ノズル20Dは、直線状に配列された複数のノズル孔25から分散されて吐出される現像液Lを直線状に連続してウエハW表面に供給できるようにした別の形態の場合である。すなわち、第5実施例の現像液供給ノズル20Dは、上記第1実施例の現像液供給ノズル20と同様に直線状に適宜間隔をおいて配列される複数のノズル孔25を設けると共に、これらノズル孔25に連通するスリット状吐出孔36を設けた場合である。この場合、具体的には、ノズル孔25の直径は約1?2mm、スリット状吐出孔36のスリット幅は0.05?0.5mmに形成されている(図14参照)。
【0036】このようにノズル孔25に連通させてスリット状吐出孔36を設けることにより、現像液収容室24内の現像液Lは各ノズル孔25によって分散されて吐出された後、スリット状吐出孔36で合流して、直線状に連続してウエハW上に供給される。したがって、ウエハW表面に液盛りされる現像液L中に気泡が残存することがなく、均一な現像液Lの液盛りを可能とすることができる。」

【図12】ないし【図14】から、現像液供給ノズルのスリット状吐出孔は、底面に開口するように設けられ、該底面は平面であることが見て取れる。

第4 対比
1 本願発明と引用発明との対比

引用発明の「半導体ウエハ1」及び「スピンナヘッド2」が、それぞれ、本願発明の「基板」及び「基板保持手段」に相当する。

引用発明の「孔」及び「棒状液出しノズル3’」が、それぞれ、本願発明の「(現像液を吐出するための)吐出口」及び「現像液吐出ノズル」に相当するから、引用発明の「ノズルより現像液が滴下される領域を生じさせる孔が設けられた下端部を有する棒状液出しノズル3’」と、本願発明の「現像液を吐出するためのスリット状吐出口が設けられた平面状の底面を有する現像液吐出ノズル」とは、「現像液を吐出するための吐出口が設けられた下端部を有する現像液吐出ノズル」である点で一致する。

引用発明の「半導体ウェハ1の面と数mmの間隙を設けて平行に設定し、現像液を滴下させ半導体ウェハ上に盛られた現像液表面とノズル底面全体を接しさせながら上記ノズルを半導体ウェハ上を平行にスライドさせる手段」は、スライドさせるための装置の構造とともにスライドさせるための制御手段を備えるものであることが自明であるといえるから、本願発明の「前記基板保持手段に静止状態で保持された基板の表面に対して前記現像液吐出ノズルの前記底面が平行な状態を保つように前記現像液吐出ノズルを前記基板に対して相対的に移動させる移動手段と、前記現像液吐出ノズルおよび前記移動手段を制御する制御手段」に相当する。

引用発明の「ノズルより現像液が滴下される領域を、半導体ウェハの最大幅と同等以上のノズル幅と」することと、本願発明の「前記スリット状吐出口の吐出幅は、基板幅と同じかまたはそれよりも大きく設定」されることとは、「吐出口の吐出幅は、基板幅と同じかまたはそれよりも大きく設定」されることで一致する。

引用発明の「ノズルを半導体ウェハの一端もしくはそれより外の位置より現像液4を滴下させながら、・・・スライド」させることが、本願発明の「前記基板保持手段に保持された基板外の一方側の移動開始位置から前記現像液吐出ノズルの移動」を開始させることに相当する。

引用発明において「半導体ウエハの滴下の開始側の一端で現像液が垂下している」こと、及び「半導体ウェハ1上を均一に全て現像液が盛られ、現像パターン寸法の分布が均一となる」ことから、引用発明においてもノズルが半導体ウエハの滴下を開始させる側の一端にあるときには、現像液が滴下される領域全体にわたるように必要十分に現像液がいきわたり垂下しているものということができる。
したがって、引用発明の「半導体ウエハの滴下の開始側の一端で現像液が垂下している状態で半導体ウェハ1上を直進してスライドさせて、半導体ウェハ1上を均一に全て現像液が盛られ、現像パターン寸法の分布が均一となる」ことと、本願発明の「前記現像液吐出ノズルが前記基板保持手段に保持された基板の前記一方側の端縁に到達するまでに前記スリット状吐出口から現像液が帯状に垂下して帯状の垂下が前記スリット状吐出口の全体にわたるように前記現像液吐出ノズルによる現像液の吐出を開始させる」こととは、「現像液吐出ノズルが前記基板保持手段に保持された基板の前記一方側の端縁に到達するまでに前記吐出口から現像液が垂下して垂下が前記吐出口の全体にわたるように前記現像液吐出ノズルによる現像液の吐出を開始させる」ことで一致している。

2 一致点
したがって、本願発明と引用発明とは、
「基板を水平姿勢で保持する基板保持手段と、
現像液を吐出するための吐出口が設けられた下端部を有する現像液吐出ノズルと、
前記基板保持手段に静止状態で保持された基板の表面に対して前記現像液吐出ノズルの前記底面が平行な状態を保つように前記現像液吐出ノズルを前記基板に対して相対的に移動させる移動手段と、
前記現像液吐出ノズルおよび前記移動手段を制御する制御手段とを備え、
前記吐出口の吐出幅は、基板幅と同じかまたはそれよりも大きく設定され、
前記制御手段は、前記基板保持手段に保持された基板外の一方側の移動開始位置から前記現像液吐出ノズルの移動を開始させた後、前記現像液吐出ノズルが前記基板保持手段に保持された基板の前記一方側の端縁に到達するまでに前記吐出口から現像液が垂下して垂下が前記吐出口の全体にわたるように前記現像液吐出ノズルによる現像液の吐出を開始させることを特徴とする現像装置。」である点で一致し、以下の各点で相違する。

3 相違点
(1)相違点1;
本願発明は、吐出口が「スリット状」であり、該(スリット状)吐出口から垂下する現像液が「帯状」であるのに対して、引用発明においては、その点が明確でない点。

(2)相違点2;
現像液吐出ノズルにおいて、現像液を吐出するための吐出口が設けられるのは、本願発明においては、「底面」であり、かつ、その底面は「平面状の底面」であるのに対して、引用発明においては、その点が明確でない点。

第5 当審の判断
1 上記の各相違点について検討する。

(1)相違点1について
引用例2には、「第5実施例の現像液供給ノズル20Dは、上記第1実施例の現像液供給ノズル20と同様に直線状に適宜間隔をおいて配列される複数のノズル孔25を設けると共に、これらノズル孔25に連通するスリット状吐出孔36を設けた場合」に、「現像液Lは各ノズル孔25によって分散されて吐出された後、スリット状吐出孔36で合流して、直線状に連続してウエハW上に供給される」ものが記載されており、ノズルの吐出口を「スリット状」として、該吐出口から「帯状」の現像液を吐出することが記載されている。
すなわち、ノズルの吐出口を「スリット状」として、該吐出口から「帯状」の現像液を吐出することは、引用例2にも記載されている周知の技術であるから、該周知技術を引用発明に適用して、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

(2)相違点2について
現像液等の塗布液の吐出ノズルにおいて、液を吐出するための吐出口を「底面」に設け、かつ、その底面を「平面状の底面」とすることは、引用例2(【図12】ないし【図14】)の他、例えば、
・特開平6-151296号公報(【図1】【図2】)
等にも記載されている周知の技術である。
該周知技術を引用発明に適用して、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項を得ることは当業者が容易になし得た事項である。

2 本願発明が奏する効果について
そして、本願発明によってもたらされる効果は、引用発明及び上記引用例2等に記載された周知技術から当業者が予測し得る程度のものである。

3 まとめ
したがって、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

第6 むすび
以上より、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-10-23 
結審通知日 2008-10-28 
審決日 2008-11-14 
出願番号 特願平9-306221
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 新井 重雄  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 森林 克郎
安田 明央
発明の名称 現像装置および現像方法  
代理人 福島 祥人  
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