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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06T |
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管理番号 | 1191238 |
審判番号 | 不服2007-17949 |
総通号数 | 111 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2009-03-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-06-28 |
確定日 | 2009-02-03 |
事件の表示 | 特願2003- 18186「個人認証装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 8月19日出願公開、特開2004-234040、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.本願発明 本願の請求項1?3に係る発明は、明細書の特許請求の範囲の請求項1?3にその記載のあるとおりのものと認められるところ、本願特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 異なる場所に設けられた2つの赤外光発光手段と、 生体情報を取得可能なイメージセンサと、 前記2つの赤外光発光手段および前記イメージセンサに接続されたマイコンとを備え、 前記マイコンが、 1つの赤外光発光手段を点灯し、前記イメージセンサにより、血管パターン情報を取得する機能と、 前記1つの赤外光発光手段を消灯、及び、他の1つ赤外光発光手段を点灯し、前記イメージセンサにより、指紋パターン情報を取得する機能と、 取得した血管パターン情報および/または指紋パターン情報と、登録情報とを照合する機能とを有する個人認証装置。」 なお、他の請求項2,3に係る発明は次のとおりである。 【請求項2】 請求項1において、 前記血管パターン情報または前記指紋パターン情報のうちのいずれかの情報による照合結果が不一致の場合、他方の情報により照合を行う構成としたことを特徴とする個人認証装置。 【請求項3】 請求項1または2のいずれかにおいて、 前記指紋パターンおよび前記血管パターン情報と、前記登録情報との照合結果が不一致の場合には、認証しないことを特徴とする個人認証装置。 2.引用例 (1)平成19年3月2日付けの拒絶理由通知書にて引用された引用例 引用例1.特開2002-083298号公報 登録指画像の静脈パターンを格納する記憶装置と、光源及び指透過光を撮影するカメラを備えたインターフェースと、撮影された指透過光画像に含まれる静脈パターンを抽出し、抽出した静脈パターンを前記登録指画像の静脈パターンと照合して個人認証を行う手段とを有し、前記インターフェースは、指を挿入する溝を有し、前記光源と前記カメラは、該溝を挟んで対向するように配置されていることを特徴とする個人認証装置。 以下、「引用例1」という。 引用例2.特開2001-273498号公報 バイオメトリックに基づいて本人認証を行う装置であって、非接触で身体の部位を撮影することによりバイオメトリック画像を取得する撮影手段と、取得されたバイオメトリック画像を表示するバイオメトリック画像表示手段と、適正な撮影位置で前記部位が撮影された場合の部位の外形を示すガイド画像を前記バイオメトリック画像に重ねて表示するガイド表示手段と、前記バイオメトリック画像に基づいて、前記部位が適正な撮影位置で撮影されたか否かを判断する判断手段と、適正な撮影位置で撮影されたと判断された場合に、前記バイオメトリック画像から前記部位の形態的な特徴を示すバイオメトリック情報を抽出し、予め登録されたバイオメトリック情報と照合することにより、本人認証を行う認証手段とを備えることを特徴とする本人認証装置。 (2)平成19年5月22日付けの拒絶査定時に引用された引用例 引用例3.特開2002-092616号公報 生体の撮像箇所に対して光を照射する光源と、前記撮像箇所からの透過光を検出して生体の撮像を行う撮像部と、前記撮像部により変換された画像から前記生体の血管走行パターンを抽出して予め登録された血管パターンと比較する画像演算部とを有し、前記光源から照射される光量は撮像された画像の画像情報に応じて最適化されることを特徴とする個人認証装置。 引用例4.特開平11-203452号公報 被検体を透過した光による第1の像を得る第1像撮像手段と、上記被検体からの反射光による第2の像を得る第2像撮像手段と、上記第1及び第2の像の信号を用いて第1の像の不要情報を除き上記被検体の血管映像を得るための演算処理装置を有することを特徴とする個人特徴パターン検出装置。 (3)平成19年11月29日付けの前置報告書提出時に引用された引用例 引用例5.特開2001-167255号公報 光源と、指で反射された光を受ける光学センサと、この光学センサと指との間に置かれるレンズとを備え、読み取り許容範囲内に指が在るように制限部材を設けたことを特徴とする、非接触型指紋識別装置。 3.対比 本願発明と引用例1に記載された発明(以下、「引用発明」という。)とを対比すると、本願発明と引用発明とは次の各点で相違する。 (相違点1) 本願発明は、2つの赤外光発光手段およびイメージセンサに接続されたマイコンとを備え、マイコンが、1つの赤外光発光手段を点灯し、イメージセンサにより、血管パターン情報を取得する機能と、1つの赤外光発光手段を消灯、及び、他の1つ赤外光発光手段を点灯し、イメージセンサにより、指紋パターン情報を取得する機能とを有しているのに対して、 引用発明は、計算機6が2つの発光手段を点灯、消灯することについて何ら特定しておらずかつ記載しない点。 (相違点2) 本願発明は、生体情報取得可能な1つのイメージセンサを、血管パターン情報を取得する機能と指紋パターン情報を取得する機能とに共用しているに対して、 引用発明は、CCDカメラ4を、血管パターン情報を取得する機能と指紋パターン情報を取得する機能とに共用することについて何ら特定しておらずかつ記載しない点。 4.当審の判断 前記相違点について判断するに、 (i)引用例1には、「指紋の入力装置と静脈パターン撮像装置とを一体化して、所定の場所に1回指を置くだけで両方の入力が同時にできるようにしてもよい。」(段落【0017】の記載参照。)旨の記載はなされているものの、 イメージセンサを共有する前提であるところの「マイコンが2つの赤外光発光手段を点灯、消灯する。」ことについては、一切記載がない。 そして、周知例である 特開2001-273498号公報 特開2002-092616号公報 特開平11-203452号公報 特開2001-167255号公報 にも、この点についての記載が全くない。 (ii)しかも、引用例1には、「生体情報取得可能な1つのイメージセンサを、血管パターン情報を取得する機能と指紋パターン情報を取得する機能とに共用する点」は、一切記載されていない。そして、前記周知例にも、唯1つのイメージセンサを他の機能に共用することは一切記載されていない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載された発明そして周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとすることはできない。 そして、請求項2ないし3に係る発明は、請求項1の従属項であるところ、請求項2ないし3に係る発明は請求項1に係る発明と同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 また、他の拒絶理由も見いだせない。 よって、結論の如く審決する。 |
審決日 | 2009-01-20 |
出願番号 | 特願2003-18186(P2003-18186) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06T)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | ▲広▼島 明芳 |
特許庁審判長 |
原 光明 |
特許庁審判官 |
伊藤 隆夫 加藤 恵一 |
発明の名称 | 個人認証装置 |
代理人 | 井上 学 |