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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04M
管理番号 1191708
審判番号 不服2006-15389  
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-03-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-07-18 
確定日 2009-01-26 
事件の表示 平成 8年特許願第106224号「通信端末装置、通信システム及びデータ記憶再生方法」拒絶査定不服審判事件〔平成 9年10月14日出願公開、特開平 9-270875〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成8年4月2日の出願であって、平成18年6月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し同年7月18日に審判請求がなされるとともに、同年8月11日付けで手続補正がなされ、平成20年5月30日付けで当審より審尋がなされ、これに対し同年7月30日に回答書が提出されたものである。


第2.補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年8月11日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.本願発明と補正後の発明
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は、補正前の平成18年3月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項21に記載された、
「【請求項21】
通信端末装置に設けられた記憶手段に所定のデータを記憶すると共に、当該記憶手段に記憶されているデータを再生する場合に用いられるデータ記憶再生方法において、
上記記憶手段の記憶容量が足りない場合には、所定の通信装置と通信することによつて上記記憶手段に記憶しようとするデータ又は上記記憶手段に記憶されたデータを当該通信装置に転送して記憶し、
再生時、上記記憶手段に記憶されているデータ量が残り少なくなつた場合には、上記通信装置と通信してデータを受けることによつて上記記憶手段にデータを補充する
ことを特徴とするデータ記憶再生方法。」
という発明(以下、「本願発明」という。)を、

「【請求項19】
通信端末装置に設けられた記憶手段に所定のデータを記憶すると共に、当該記憶手段に記憶されている上記データを再生する場合に用いられるデータ記憶再生方法において、
記憶時、上記記憶手段の記憶容量が足りない場合には、所定の通信装置と通信することによつて上記記憶手段に記憶しようとする上記データ又は上記記憶手段に記憶された当該データを当該通信装置に転送して記憶し、
再生時、上記記憶手段に記憶されているデータ量が残り少なくなつた場合には、上記通信装置と通信して上記データを受けることによつて上記記憶手段に上記データを補充する
ことを特徴とするデータ記憶再生方法。」
という発明(以下、「補正後の発明」という。)に補正することを含むものである。


2.補正の適否
(1)新規事項の有無、補正の目的要件
上記補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、
補正前の特許請求の範囲の請求項21に記載された、「・・・データを当該通信装置に転送して記憶し」に「記憶時、」という構成を追加して限定し、
「データ」に「上記」又は「当該」という構成を追加して限定することにより特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び平成18年法律第55号改正法の附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。


(2)独立特許要件
上記補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。

[補正後の発明]
上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。

[引用発明]
原審の拒絶理由に引用された特開平6-133081号公報(以下、「引用例」という。)には、「携帯電話機能付電子スチルカメラ」として図面とともに以下の事項が記載されている。

イ.「【請求項1】 レンズ,撮像素子等よりなる画像入力手段,画像処理手段,画像符号化手段および画像記憶手段を有するディジタル電子スチルカメラに、電話の通話信号を無線送受信する携帯電話機能部を搭載し、前記画像記憶手段の内部メモリの出力を前記携帯電話機能部の変調回路の入力に接続し、
前記電子スチルカメラは、レリーズボタンが押されたとき、カメラ部の電源を投入して前記画像入力手段より画像を入力して前記画像記憶手段の内部メモリに記憶した後、カメラ部の電源をオフ制御する制御手段を備え、
前記レリーズボタンが押されると同時に発呼して予め設定してある相手電話番号を送出し呼び出すように前記携帯電話機能部の制御手段を動作させ、回線が接続されたとき、前記内部メモリ内に記憶された画像データを読み出すように制御する画像回線確保手段を設け、
前記携帯電話機能部は、前記画像回線確保手段からの制御により回線が接続されたとき、前記内部メモリからの画像データを、接続された回線に送出し、送出終了によって回線を遮断するように制御し、回線が接続されない場合は、一定時間後再度回線接続の制御を行う制御部を備えたことを特徴とする携帯電話機能付電子スチルカメラ。」(2頁1欄2?23行)

ロ.「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通話信号を無線で送受する携帯電話機を搭載した電子スチルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年電子スチルカメラは、回路の安定性などの理由からディジタル化が図られている。同様に外部記憶媒体においても画像の劣化がないことからメモリカードが用いられている。図10は従来のディジタル電子スチルカメラの一例を示す回路図である。図示しない被写体からの光はレンズ1によって撮像素子2上に結像される。撮像素子2の出力はA/D変換器3でディジタル信号に変換され、画像処理回路4で所定の処理が施される。画像処理回路4の画像データは圧縮され符号化される。符号化された画像データは復号化回路6で伸長処理がなされ、ドライバ7によってディスプレイ8に表示される。レリーズボタン12が押されると、その押下情報は制御回路11に伝達され、符号化された画像データはメモリカード10に記憶される。内部メモリ9は、例えばメモリカード10の容量が不足した場合に、撮影した画像を一時的に記憶し、交換した空き容量のあるメモリカードに撮影画像を記憶するために用いられる。」(2頁1欄36行?2欄3行)

ハ.「【0005】本発明は、上記考察に基づくもので、その目的は、電子スチルカメラに携帯電話機能を搭載し、撮影した画像を電話回線を用いて即座に別の場所にある大型の記憶媒体に伝送可能に構成することにより、即時性を改善し、メモリカードの記憶枚数の少なさをフォローできる携帯電話機能付電子スチルカメラを提供することにある。本発明の他の目的は、上記電子スチルカメラにおいて、撮影対象の観察および撮影画像の確認用のディスプレイを着脱可能にすることによりカメラ全体の小形化を図った携帯電話機能付電子スチルカメラを提供することにある。」(2頁2欄30?40行)

ニ.「【0008】
【実施例】以下,図面を参照して本発明をさらに詳しく説明する。図1は、本発明による携帯電話機能付電子スチルカメラの実施例を示す回路図である。図において、点線で囲まれたA部分は図10のディジタル電子スチルカメラの回路部に、B部分は図11の携帯電話機の回路部にそれぞれ対応する機能部であり、同じ符号を付してある各要素は同じ機能を果たす部分である。ディジタル電子スチルカメラの制御回路25は、レリーズボタン12の半押し下げによりカメラ部の電源を投入した後、全押し下げによって撮影操作に伴う制御を行う。画像回線確保手段24はレリーズボタン12の押下情報を得ると、携帯電話機の発呼,ダイヤル送出,回線接続動作を行わせるための制御情報を携帯電話機能部の制御回路28に送出する。そして、復調回路27より回線接続情報を得ると、ディジタル電子スチルカメラの内部メモリ26に対し、画像データの読み出しを指示する。内部メモリ26の読み出し画像データの出力端子は携帯電話機能部の変調回路29の入力端子に接続されている。
【0009】図2は、本発明による携帯電話機能付電子スチルカメラの外観の一例を説明するための図で、(a)は当該カメラの外観斜視図, (b)は使用者がカメラを保持している状態をそれぞれ示している。本体25の前面上部にスピーカ13が、前面下部にマイク15がそれぞれ配置され、上面にアンテナ23とレンズ1が設けられている。前面のほぼ中央部にディスプレイ8が、その下側にレリーズボタン12が,さらにその下側にダイヤル14が配置されている。撮影する場合、(a)に示すように左手で把持し、図示しない被写体に対しレンズを向け、右手でレリーズボタン12を半押し状態にすると、カメラ部に電源が投入されてディスプレイ8に被写体像が表示される。ディスプレイ8を見ながら構図を決め、撮影および撮影画像伝送のためにレリーズボタン12を押し切ることとなる。電話をする場合は、(a)の状態でダイヤル操作部14の発信ボタンを押しプッシュボタンで相手電話番号を入力することにより、スピーカ13およびマイク15によって通話することができる。」(3頁3欄32行?4欄19行)
ホ.「【0010】図3は、本発明による携帯電話機能付電子スチルカメラの動作シーケンスを説明するためのフローチャートである。レリーズボタン12を半押し状態にしてカメラ部の電源を投入する(ステップ「以下、STと記す」1,2)と、制御回路25は、レンズ1によって撮像素子2上に結像された被写体の像をA/D変換器3でディジタル信号に変換し、画像処理回路4でAGC,γ補正等の画像処理を行った後、ドライバ7を介してディスプレイ8上に表示する(ST3,4)。構図を決めてレリーズボタン12を押し切る(ST5)と、符号化回路5で符号化して内部メモリ26に記録し(ST6)、内部メモリ26など必要最少限の回路を残してカメラ部のパワーはオフする(ST7)。制御回路25は上記動作と同時に一括転送モードに設定されているか否かを判定し(ST8)、一括転送モードに設定されていない場合は画像回線確保手段24に対し、携帯電話機能部の制御回路28に発呼を行うように指示する(ST9)。ここで一括転送モードとは、撮影者が所定枚数撮影し内蔵メモリに記録しておいてから一括して転送するモードであり、図示しない設定スイッチにより撮影者が予め設定できるモードである。
【0011】一方、一括転送モードに設定されている場合は、メモリカード(装着されている場合)10および内部メモリ26の空き容量をチェックする(ST14)。そして、空き容量がn(図示しない設定スイッチによりnを変えることができる)枚以下であるか否かを判定する(ST15)。n枚より多い場合は伝送は行わず終了する。n枚より少ない場合はST9の動作に戻ることとなる。制御回路28は、予めダイヤル操作部14のプッシュボタンによって入力されている伝送先電話番号を自回路内蔵メモリから読み出し、変調回路29,送信回路21を介して送出し(ST10)、回線が接続されるか否かを監視する(ST11)。そして、相手が応答した旨の信号が回線より返送されてくると、その信号は受信回路19で受信され復調回路27で復調され、回線接続情報が制御回路28および画像回線確保手段24に入力する。画像回線確保手段24は、この回線接続情報を受けることにより内部メモリ26から画像データを読み出させる。読み出された画像データは、変調回路29で変調され、送信回路21で搬送波が重畳されてアンテナ23より送出される(ST12)。送信が終了すると、制御回路28は回線を遮断し、着信待ち受け状態に必要な最少限度の回路を残して電源パワーを落す(ST13)。」(3頁4欄20行?4頁5欄13行)

ヘ.「【0015】さらに画像データの伝送の他に、復号器等を設けることにより他の所からの画像データを受信することも可能である。さらには、先に伝送した画像データを参照したい場合には、相手の記憶媒体を伝送路を通して制御し、その記録媒体から画像データを伝送させることも記憶媒体を回線制御できるように構成すれば可能である。2つの回線を使用可能に構成することにより通話しながら撮影,画像伝送も可能になる。また、回線のディジタル化により,1つの回線で音声情報と画像情報をパケット通信によって伝送することが可能となる。画像の撮影において、文字情報のように2値色データを用い、黒白の階調のみで充分な場合などがあり、かかる場合に合わせて撮影,画像処理,符号化できるように各回路を構成することも可能である。他の機能としてセルフタイマを用いたときには撮影までの残り時間を音声で知らせるようにすること、GPS等の位置情報取得手段からデータを受け取ることにより、撮影場所、環境等の情報も付加して伝送する回路部分を設けることも可能である。」(4頁6欄14?32行)

上記引用例の記載及び関連する図面ならびにこの分野における技術常識を考慮すると、
まず、上記イ.ニ.【0008】、ホ.【0010】、図1にあるように、引用例記載の「携帯電話機能付電子スチルカメラ」は、その内部に設けられた画像記憶手段である「内部メモリ」(図1の「内部メモリ26」)に「電子スチルカメラ」として撮影された画像などの「画像データ」を記憶すると共に、当該「画像データ」の表示、回線送信などのため、これを読み出して『再生』するものであるから、『画像データ記憶再生方法』を開示するものである。
そして、上記ホ.【0011】、図3(ST14,15,9?13)によれば、画像データの記憶時に『内部メモリの空き容量がn枚以下である場合には、相手方の伝送先と電話回線接続することによつて上記内部メモリに記憶された当該画像データを相手方の伝送先に転送』するものであって、
上記ハ.【0005】によれば、この『相手方の伝送先』には「大型の記憶媒体」が備えられているものであって、ここに転送された「画像データ」が記憶されることを読み取ることができる。

したがって、引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。

(引用発明)
「携帯電話機能付き電子スチルカメラに設けられた内部メモリに所定の画像データを記憶すると共に、当該内部メモリに記憶されている上記画像データを再生する場合に用いられる画像データ記憶再生方法において、
記憶時、上記内部メモリの空き容量がn枚以下である場合には、所定の大型の記憶媒体と電話回線接続することによつて上記内部メモリに記憶された当該画像データを当該大型の記憶媒体に転送して記憶する、
画像データ記憶再生方法。」


[対比]
補正後の発明と引用発明を対比すると、
引用発明の「携帯電話機能付き電子スチルカメラ」は、「携帯電話」機能は「通信」機能であり、「電子スチルカメラ」は「端末装置」ということができるから、補正後の発明の「通信端末装置」に相当する。
また、引用発明の「内部メモリ」とは、補正後の発明の「記憶手段」であり、同様に「画像データ」とは「データ」である。
また、引用発明において「空き容量がn枚以下である」とは、「記憶手段」(内部メモリ)の記憶容量が所定の余裕値(閾値)をもって「足りない」ことを意味するものであるから、補正後の発明において「記憶容量が足りない」ことに相当する。
また、引用発明の「大型の記憶媒体」は、電話回線接続によって通信を行う相手方にある装置であるから「通信装置」であり、補正後の発明の「通信装置」に相当する。
そして、引用発明において「電話回線接続する」とは、この「電話回線接続」によって相手方の「通信装置」と通信を行うのであるから、補正後の発明において「通信する」ことに相当する
したがって、両者は以下の点で一致ないし相違する。

(一致点)
「通信端末装置に設けられた記憶手段に所定のデータを記憶すると共に、当該記憶手段に記憶されている上記データを再生する場合に用いられるデータ記憶再生方法において、
記憶時、上記記憶手段の記憶容量が足りない場合には、所定の通信装置と通信することによつて上記記憶手段に記憶しようとする上記データ又は上記記憶手段に記憶された当該データを当該通信装置に転送して記憶する、
データ記憶再生方法。」

(相違点)
補正後の発明は「再生時、上記記憶手段に記憶されているデータ量が残り少なくなつた場合には、上記通信装置と通信して上記データを受けることによつて上記記憶手段に上記データを補充する」のに対し、引用発明はそのように構成されていない点。


[判断]
上記相違点について検討する。
一般に無体物であるデータの記憶に限らないことではあるが、記憶容量の少ない端末装置に、大容量の記憶手段を備えた外部装置を接続してデータのやりとりを行い、記憶容量の制限を緩和することは慣用の手法であって、
特に、記憶容量の制限された通信端末装置において、大容量の記憶手段を備えた外部装置と通信することによって、データを受信(ダウンロード)することも、慣用の周知技術である。
(例えば、特開平4-150444号公報(第1図、第2図)、特開平6-244986号公報(図1,図2)、特開平6-90309号公報(図1)参照)
そして、例えば引用例のヘ.【0015】にも、「さらに画像データの伝送の他に、復号器等を設けることにより他の所からの画像データを受信することも可能である。さらには、先に伝送した画像データを参照したい場合には、相手の記憶媒体を伝送路を通して制御し、その記録媒体から画像データを伝送させることも記憶媒体を回線制御できるように構成すれば可能である。」とあり、
ディジタル電子スチルカメラでは、内部メモリに記憶された画像をディスプレイで再生して表示するのは通常行われていることであるから、引用例には、ディジタル電子スチルカメラで画像を「参照したい場合、大型の記憶媒体と電話回線接続して画像データを受けることによって内部メモリに画像データを伝送すること」、即ち、通信端末装置でデータを「再生したい時、通信装置と通信してデータを受けることによって記憶手段にデータを伝送すること」が示されているといえる。
したがって、上記周知技術を引用発明に適用するに格別の阻害要因はなく、上記周知技術を引用発明に適用することにより「再生時、上記記憶手段に記憶されているデータ量が残り少なくなつた場合には、上記通信装置と通信して上記データを受けることによつて上記記憶手段に上記データを補充する」ようになすことは、当業者が容易に想到し得ることである。
よって、相違点に係る構成を採用することには、格別の困難性がない。

そして、補正後の発明が奏する効果も、引用発明及び周知技術から容易に予測出来る範囲内のものである。
また、当審の審尋に対する回答書を参酌しても、上記認定を覆すに足りるものは見あたらない。

よって、補正後の発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.結語
以上のとおり、本件補正は、補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、平成18年法律第55号改正法の附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定により準用する同法第126条第5項の規定に適合していない。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
1.本願発明
平成18年8月11日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は上記「第2.補正却下の決定」の項中の「1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。

2.引用発明
引用発明は、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「(2)独立特許要件」の項中の[引用発明]で認定したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は上記補正後の発明から本件補正に係る限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成に補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2.補正却下の決定」の項中の「(2)独立特許要件」の項で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-11-19 
結審通知日 2008-11-20 
審決日 2008-12-12 
出願番号 特願平8-106224
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04M)
P 1 8・ 575- Z (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 梶尾 誠哉  
特許庁審判長 石井 研一
特許庁審判官 萩原 義則
松元 伸次
発明の名称 通信端末装置、通信システム及びデータ記憶再生方法  
代理人 田辺 恵基  

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