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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない A01N
管理番号 1191982
審判番号 訂正2008-390037  
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-03-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2008-04-02 
確定日 2009-01-08 
事件の表示 特許第3162450号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3162450号は、平成3年12月12日(優先権主張 平成3年4月27日、日本)に出願され、平成13年2月23日にその特許権の設定登録がなされたものであって、本件訂正審判における手続の経緯は、以下のとおりである。
本件訂正審判の請求:平成20年4月2日(以下、この本件訂正審判の請 求に係る訂正を「本件訂正」という。)
訂正拒絶理由通知(起案日):平成20年4月24日
意見書 :平成20年5月30日

なお、本件特許第3162450号に関し、エンシステックス・インコーポレイテッドから無効審判の請求がなされた(無効2005-80225号)が、無効審判における手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
審判請求:平成17年7月20日
答弁書 :平成17年10月7日
訂正請求:平成17年10月7日
弁駁書 :平成17年12月9日
審決(起案日):平成18年6月14日
(以下、この審決を「1次審決」という。)
1次審決の結論:「訂正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。」

1次審決取消訴訟提起:平成18年10月23日
(平成18年(行ケ)10482号)
判決言渡:平成19年7月12日
判決の主文:「特許庁が無効2005-80225事件について平成
18年6月14日にした審決中,『本件審判の請求は,成り立たない。
』との部分を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」
判決確定:平成19年11月22日

訂正請求申立書(被請求人):平成19年11月27日
訂正請求のための指定期間通知(起案日):平成19年11月30日
訂正請求書(被請求人):平成19年12月10日
審決(起案日):平成20年1月29日
(以下、この審決を「2次審決」という。)
2次審決の結論:「訂正を認める。 特許第3162450号の請求項 1及び2に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請 求人の負担とする。」
2次審決取消訴訟提起:平成20年2月28日
(平成20年(行ケ)10068号)



第2 請求の要旨
1 本件訂正審判の請求の要旨は、「特許第3162450号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。

2 ところで、上記のとおり、本件特許第3162450号に関する無効審判事件(無効2005-80225号事件。以下、「別件無効事件」という。)について、平成18年(行ケ)10482号判決(以下、「別件判決」という。)において「特許庁が無効2005-80225事件について平成18年6月14日にした審決中,『本件審判の請求は,成り立たない。』との部分を取り消す。 訴訟費用は被告の負担とする。」との判決がなされ、そして同判決は平成19年11月22日に確定したため、特許第3162450号の願書に添付した明細書は、1次審決で訂正の認められた、平成17年10月7日付けの訂正請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正されたものであるところ、平成17年10月7日付けの訂正請求書に記載されている特許請求の範囲は以下のとおりである。
「【請求項1】 1-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-2-ニトロイミノ-イミダゾリジンを有効成分として含有することを特徴とする工芸素材類をイエシロアリ又はヤマトシロアリより保護するための害虫防除剤。
【請求項2】 工芸素材類が木材及び木質合板類であるところの請求項1の害虫防除剤。
【請求項3】 1-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-2-ニトロイミノ-イミダゾリジンを土壌処理することにより、工芸素材類をイエシロアリ又はヤマトシロアリの侵襲から保護する方法。」

3 これに対し、本件訂正は特許請求の範囲の訂正を求めるものであって、本件訂正により訂正を求める特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。
「【請求項1】 1-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-2-ニトロイミノ-イミダゾリジンを有効成分として含有することを特徴とする木材及び木質合板類をイエシロアリ又はヤマトシロアリより保護するための木材及び木質合板類浸み込用害虫防除剤。」
(以下、この請求項1に係る発明を「本件訂正発明」という。)

4 以上のことから、本件訂正による訂正事項は、以下の訂正事項1?訂正事項4からなるものである。
訂正事項1:訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「工芸素材類」を、「木材及び木質合板類」と訂正する。
訂正事項2:訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「害虫防除剤」を、「木材及び木質合板類浸み込用害虫防除剤」と訂正する。
訂正事項3:訂正前の特許請求の範囲の請求項2を削除する。
訂正事項4:訂正前の特許請求の範囲の請求項3を削除する。

第3 訂正の適否についての判断
1 平成6年改正前特許法126条1項及び2項の要件について
(1) 訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書の4頁5?9行の記載に基づき、訂正前の請求項1に記載されていた「工芸素材類」を、その下位概念である「木材及び木質合板類」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書の4頁5?9行、11頁6?13行、11頁下から8?3行、14頁下から5行?15頁末行、17頁9?末行及び19頁5?9行等の記載に基づき、訂正前の請求項1に記載されていた「害虫防除剤」を、その下位概念である「木材及び木質合板類浸み込用害虫防除剤」に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(3) 訂正事項3について
訂正事項3に係る訂正は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(4) 訂正事項4について
訂正事項4に係る訂正は、請求項3を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
(5) そして、訂正事項1?訂正事項4に係る訂正は、何れも、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内でされたものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(6) 小括
したがって、本件訂正は、平成6年改正前特許法126条1項及び2項の規定に適合する。

2 平成6年改正前特許法126条3項の要件について
次に、以下、平成6年改正前特許法126条3項に規定する、いわゆる独立特許要件について検討する。
(1) 刊行物1について
本願優先日前に頒布された刊行物である特開昭61-267575号公報(以下、「刊行物1」という。)には、以下の記載がある。
a 「一般式:

式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、ホルミル基、アルケニル基、アルキニル基及びハロアルケニル基よりなる群からえらばれた基を示し、lは0、1、2、3又は4を示し、そしてmは2、3又は4を示す、
で表わされるニトロイミノ誘導体。」(1頁、特許請求の範囲、請求項1)

b 「一般式:

式中、Rは水素原子又はアルキル基を示し、Xはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アシルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ハロアルキルチオ基、ホルミル基、アルケニル基、アルキニル基及びハロアルケニル基よりなる群からえらばれた基を示し、lは0、1、2、3又は4を示し、そしてmは2、3又は4を示す、
で表わされるニトロイミノ誘導体を有効成分として含有することを特徴とする殺虫剤。」(3頁、特許請求の範囲、請求項9)

c 「本発明者等はニトロイミノ誘導体の合成及びその生物活性について研究を行つてきた。その結果、前記式(I)で表わされる従来公知文献未記載のニトロイミノ誘導体の合成に成功し、更に、該ニトロイミノ誘導体は、予想外且つ驚くべきことには、後に、具体的に例示された生物試験から明らかなように、前記公知刊行物記載の類似の公知化合物(A)が、ほとんど殺虫作用を示さないのに対して、極めて卓越した殺虫作用を発現し、更には、低薬量で完壁な防除作用を現わす新規化合物であることを発見した。」(4頁左下欄下から9行?右下欄2行)

d 「本発明一般式(I)の化合物の具体例としては、特には、下記のものを例示することができる。・・・1-(2-クロロ-5-ピリジルメチル)-2-(ニトロイミノ)イミダゾリジン」(5頁右上欄6?12行)

e 「本発明の式(I)化合物は、強力な殺虫作用を現わす。従って、それらは、殺虫剤として、使用することができる。そして、本発明の式(I)活性化合物は、栽培植物に対し、薬害を与えることなく、有害昆虫に対し、的確な防除効果を発揮する。また本発明化合物は広範な種々の害虫、有害な吸液昆虫、かむ昆虫およびその他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のために使用でき、それらの駆除撲滅のために適用できる。そのような害虫類の例としては、以下の如き害虫類を例示することができる。昆虫類として、鞘翅目害虫、例えばアズキゾウムシ・・・;鱗翅目虫、例えば、マイマイガ・・・;半翅目虫、例えば、ツマグロヨコバイ・・・;直翅目虫、例えば、チャバネゴキブリ・・・;等翅目虫、例えば、ヤマトシロアリ(deucotermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);双翅目虫、例えば、イエバエ・・・等を挙げることができる。」(14頁左上欄1行?左下欄19行)

f 「衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用される際には活性化合物は、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性はもちろんのこと、木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」(16頁左上欄11?15行)

g 「実施例3-ii

上記実施例3-iで合成された臭化水素酸塩(5.8g)を98%硫酸(30ml)に0℃で加え、続いて、攪拌しながら、0℃で発煙硝酸2mlを少しずつ加える。加え終わった後、0℃で2時間攪拌した後、内容物を氷水(100g)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出する。抽出物よりジクロロメタンを減圧で留去すると、淡黄色の結晶が得られ、この結晶をエーテルで洗浄すると、1-(2-クロロ-5-ピリジルメチル)-2-(ニトロイミノ)イミダゾリジン(1.5g)が得られる。mp.136?139℃」(16頁右下欄下から4行?17頁9行)

h 「実施例5(生物試験)
有機リン剤抵抗性ツマグロヨコバイに対する試験
供試薬液の調製
溶剤:キシロール3重量部
乳化剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル1重量部
適当な活性化合物の調合物を作るために活性化合物1重量部を前記量の乳化剤を含有する前記量の溶剤と混合し、その混合物を水で所定濃度まで希釈した。
試験方法:
直径12cmのポットに植えた草丈10cm位の稲に、上記のように調製した活性化合物の所定濃度の水希釈液を1ポット当り10ml散布した。散布薬液を乾燥後、直径7cm、高さ14cmの金網をかぶせ、その中に有機リン剤に抵抗性を示す系統のツマグロヨコバイの雌成虫を30頭放ち、恒温室に置き2日後に死虫数を調べ殺虫率を算出した。代表例をもって、その結果を第2表に示す。


実施例6(生物試験)
ウンカに対する試験)
試験方法:
・・・
代表例をもって、その結果を第3表に示す。


実施例7(生物試験)
有機リン剤、及びカーバメート剤抵抗性モモアカアブラムシに対する試験
試験方法:
・・・
代表例をもって、その結果を第4表に示す。

」(19頁左上欄4行?20頁左上欄)

(2) 刊行物2について
本願優先日前に頒布された刊行物である特開平3-95104号公報(以下、「刊行物2」という。)には、以下の記載がある。
i 「シロアリは木材を食害する害虫として最も身近な害虫の一つであり、特に木造建築物への重大な被害という点から、住環境への影響、更にまた文化財建造物への影響等、その防除は極めて重要なものである。そして長年にわたり、防除薬剤並びに防除方法の面から、防除対策の検討が成されている。
近年、我が国に於いては、従来シロアリ防除剤として各方面で多用されてきたクロルデンがその長期残留性及び環境への影響の点から、使用禁止となり、現今使用されている薬剤は、主に、ホキシム〔化学名:O-(α-シアノベンジリデンアミノ)O,O-ジエチルホスホロチオエート]、クロルピリホス〔化学名:O,O-ジエチル 3,5,6-トリクロロ-2-ピリジルホスホロチオエート〕等の有機リン系殺虫剤、並びにパーメスリン〔化学名:5-ベンジル3-フリルメチル3-(2-メトキシーカルボニル-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート〕、デカメスリン〔化学名:α-シアノ-3フエノキシベンジル d,l-シス-3-(2,2-ジブロモビニル)-2,2-ジメチル シクロプロパンカルボキシレート〕
等のピレスロイド系殺虫剤である。
然しながら、これとても薬剤の使用濃度、並びにその効果及び安全性、また木造家屋(住居)並びに文化財等の性質上、薬剤処理回数の制約等々の問題もあり、決して満足いくべきものではない。
本発明者等は、この度、上記課題を解決するに足る薬剤を見い出すべく検討した結果下記式(1)で表わされる化合物が、シロアリに対し、極めて強い殺蟻作用を示し、且つ残効性を有することを発見した。」(2頁左下欄9行?3頁左上欄3行)

(3) 対比、判断
(3-1) 化合物について
刊行物1に記載された「化合物No.3」[1-(2-クロロ-5-ピリジルメチル)-2-(ニトロイミノ)イミダゾリジン。摘記g参照。]は、その化学構造式からみて、本件訂正発明の害虫防除剤の有効成分である「1-(6-クロロ-3-ピリジルメチル)-2-ニトロイミノ-イミダゾリジン」と同一の化合物であると認められるので、以下、これらを統一して、その一般名である「イミダクロプリド」と呼ぶ。

(3-2) 引用発明
ア 刊行物1には、イミダクロプリドを含む、摘記a及びbに示される一般式で表わされるニトロイミノ誘導体が記載され、また、その化合物群が種々の有害昆虫の殺虫剤として使用されるものであることも記載され(摘記b及び摘記e)、さらに摘記a及び摘記bの一般式で表わされるニトロイミノ誘導体に包含されるイミダクロプリド(化合物NO.3)を含む、数種の化合物について、殺虫剤としての有効性がツマグロヨコバイ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ、モモアカアブラムシを対象とした生物試験により示されている(摘記h)。

イ 以上によれば、刊行物1には、「イミダクロプリドを有効成分として含有する殺虫剤」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(3-3) 本件訂正発明と引用発明との対比
引用発明における「殺虫剤」は、本件訂正発明における「害虫防除剤」に対応することを踏まえた上で本件訂正発明と引用発明とを対比すると、両者は、
「イミダクロプリドを有効成分として含有する害虫防除剤。」
である点で一致するが、以下に示す相違点1?相違点3の点で相違すると認められる。
相違点1
害虫から保護する対象について、本件訂正発明では「木材及び木質合板類」と規定しているのに対し、引用発明では規定していない点
相違点2
対象となる害虫が、本件訂正発明ではイエシロアリ又はヤマトシロアリであるのに対し、引用発明では特定されていない点
相違点3
害虫防除剤について、本件訂正発明では「木材及び木質合板類浸み込用」と規定しているのに対し、引用発明では規定していない点

(3-4) 相違点についての判断
ア 相違点1について
刊行物1には、「衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用される際には活性化合物は、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性はもちろんのこと、木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」(摘記f)と記載されている。
ここで、摘記fにおける「木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」の意味について検討すると、「木材及び土壌における優れた残効性」とは、イミダクロプリド等の害虫防除剤が保持する性質であって、害虫の種類とは独立した性質である。また、衛生害虫や貯蔵物に対する害虫に対して害虫防除剤を施用する際には、それら害虫の生態からみて、衛生害虫に対しては害虫防除剤を直接散布したり、貯蔵物に対する害虫に対しては害虫防除剤で燻蒸したりするのが通例であって、木材及び土壌に害虫防除剤を施用することはまれである。
してみると、上記の刊行物1における摘記fには「衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用される際には活性化合物は、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性はもちろんのこと、木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」と記載されているところ、「木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」なる文言が衛生害虫、貯蔵物に対する害虫について記載されていると解するのは自然な理解ではなく、摘記fの記載に接した当業者であれば、引用発明が対象とする害虫から保護するために木材及び土壌に害虫防除剤を施用すると解し、その結果、「木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」という効果が奏されると解するのが自然な理解である。
また、刊行物1には、対象となる害虫として、「ヤマトシロアリ(deucotermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)」が例示されている(摘記e)ところ、イエシロアリ又はヤマトシロアリは木材類を食害する害虫として周知である(必要なら、例えば、特開平3-95104号公報、2頁左下欄9?15行及び4頁左上欄5行?右上欄1行参照。)。
したがって、引用発明において、害虫から保護する対象について木材と規定することは当業者が容易になし得ることである。

イ 相違点2について
(ア) 本願優先日前に頒布された刊行物2(摘記i)によると、木材に対する害虫、特にシロアリの被害が深刻であるばかりか、防除剤の使用による住環境への影響等が社会的問題となる中、従来シロアリ防除剤として各方面で多用されてきたクロルデンが、その長期残留性及び環境への影響の点から、本願優先日前に我が国において使用禁止となったこと、その後、クロルデンに代わるシロアリ防除剤としてピレスロイド系殺虫剤などが使用されているが、薬剤の使用濃度並びに効果及び安全性に問題があるほか、木造家屋(住居)並びに文化財等についてはその性質上薬剤処理回数が制約されるなどの問題と相まって、満足のいくべきものではなかったこと、このため本願優先日前においては、シロアリに対する防除効果が高く、かつ、安全性の高い防除剤の開発が求められていたことが認められる。

(イ) 刊行物1には、先に指摘したように摘記a?hの各記載があるところ、これらの記載によると、引用発明の特許請求の範囲に記載されたニトロイミノ誘導体が、強力な殺虫作用を現す殺虫剤として使用することができること、同化合物が広範な種々の害虫、有害な吸液昆虫、かむ昆虫及びその他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除及び駆除撲滅のために適用できるものであること、その対象となる害虫類の一例として、ヤマトシロアリ(deucotermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)などの等翅目虫が明記されていること、同化合物は石灰物質状のアルカリに対する良好な安定性を示すほか、木材及び土壌において優れた残効性を示すものであること、上記ニトロイミノ誘導体の実施例として、イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物が示されていることが認められる。
また、刊行物1の記載によると、引用発明の一般式によって示される化合物は50種類以上に及ぶこと(17頁右上欄12行目以下、第1表)、製造実施例として5種の化合物が記載され、そのうちの1つ(実施例3-ii、化合物No.3)がイミダクロプリドを有効成分として含有する化合物であること(16頁左上欄19行目?17頁右上欄11行目)、実施例5ないし7として、有機リン剤抵抗性ツマグロヨコバイ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカ、セジロウンカ並びに有機リン剤及びカーバメート剤抵抗性モモアカアブラムシに対する3種類の生物試験が行われ、その結果として、実施例5においては3種、実施例6においては5種、実施例7においては6種の化合物によるものが代表例として示されているところ、イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物である「化合物No.3」は、いずれの生物試験の代表例にも挙げられていること(19頁左上欄4行?20頁左上欄)が認められる。

(ウ) 上記(ア)で認定したところによると、木造家屋(住居)及び文化財の如き、木材をシロアリから保護するための防除剤の開発に従事する当業者は、使用が禁止されたクロルデンに代わる物質を有効成分とする害虫防除剤で殺虫能力と残効性の高いものを速やかに発見しなければならないという課題に直面していたということができる。
そして、上記(イ)のとおり、刊行物1には、イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物を一つの代表例とするニトロイミノ誘導体が広汎な害虫に対して強力な殺虫作用を示すとともに、木材における優れた残効性を示すこと、さらに、同化合物が殺虫効果を示す対象害虫類の一つとして、等翅目虫のヤマトシロアリ、イエシロアリが具体的に挙げられているのであるから、上記の課題に直面していた当業者が、同一技術分野に属する刊行物である刊行物1に接したならば、イミダクロプリドを有効成分として含有する害虫防除剤をヤマトシロアリやイエシロアリに適用してみようとすることは何ら困難な事柄ではないというべきである。
したがって、引用発明において、対象となる害虫をイエシロアリ又はヤマトシロアリと規定することは当業者が容易になし得ることである。

ウ 相違点3について
刊行物1には、引用発明の適用対象となる害虫として、「ヤマトシロアリ(deucotermes speratus)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)」が例示されている(摘記e)ところ、イエシロアリ又はヤマトシロアリに対して害虫防除剤の適用方法として、木材及び木質合板類に害虫防除剤を浸み込ませて適用することは、極めてありふれた周知慣用の技術手段である(必要なら、例えば、特開昭60-257202号公報、3頁左上欄2?16行、3頁左下欄下から5行?右下欄下から5行、4頁右上欄5?13行参照。)。
したがって、引用発明において、害虫防除剤を「木材及び木質合板類浸み込用」と規定することは当業者が容易になし得ることである。

(3-5) 本件訂正発明の奏する効果についての判断
次に、本件訂正発明が格別顕著な効果を奏するものであるか否かについて検討する。
まず、本件訂正発明は、上記のとおり、その構成につき容易想到性が認められるが、構成につき容易想到性が認められる発明に対して、それにもかかわらず、それが有する効果を根拠として特許を与えることが正当化されるためには、その発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なることを要するものというべきである。(平成11年(行ケ)第437号判決等。)
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正明細書(以下、この本件訂正審判の請求に係る訂正明細書を「本件訂正明細書」という。)の記載をみても、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なることを認めるに足りる証拠はない。
以下、詳述する。

ア ヤマトシロアリについて
(ア) まず、ヤマトシロアリについて、本件訂正発明の奏する効果を検討する。

(イ) 本件訂正明細書には、そもそも、ヤマトシロアリについて、本件訂正発明の奏する効果を裏付けるものは存在しない。
すなわち、本件訂正明細書において、本件訂正発明の奏する効果を裏付けるものは、実施例8?11であるが、実施例8及び実施例9において対象となる害虫はイエシロアリであり、実施例10において対象となる害虫はヒロトルプスバジュラス(Hylotrupes bajulus)の幼虫であり、実施例11において対象となる害虫はシロアリ種;レチクリターメス サントネシス(Reticulitermes santonesis)であって、いずれもヤマトシロアリ(Leucotermes speratus)ではない。
そして、ヤマトシロアリ以外のものについての効果をもって、ヤマトシロアリについて本件訂正発明の奏する効果を裏付けることができると認めるに足る根拠は見いだせない。

(ウ) 小括
したがって、ヤマトシロアリについて、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるとは認められない。
そして、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なることを認めるためには、特許請求の範囲に記載された本件訂正発明全体(すなわち、ヤマトシロアリ及びイエシロアリの両方)について、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なることが必要不可欠であるから、結局、本件訂正発明について、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるものとは認められない。

イ イエシロアリについて
(ア) 以上のように、本件訂正発明については、イエシロアリについて本件訂正発明の奏する効果を検討するまでもなく、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるものとは認められないが、以下、念のため、イエシロアリについても、本件訂正発明の奏する効果を検討しておくことにする。

(イ) 本件訂正明細書において、イエシロアリについて本件訂正発明の奏する効果を裏付けるものは、実施例8及び実施例9である。
しかしながら、実施例8及び実施例9において、イミダクロプリドに対する比較化合物として用いられているものは「A:ホキシム(phoxim)」及び「B:クロルピリホス(chlorpyriphos)」であって、本件審判請求書に添付されている訂正明細書の【0003】に記載されているように、両者は、ともに、周知の有機リン系殺虫剤であるところ、イミダクロプリドが刊行物1に記載されたものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるというためには、比較の対象として、ホキシムやクロルピリホスの如き従来技術水準を構成する殺虫剤を用いるのではなく、刊行物1に記載された、イミダクロプリド以外の化合物と比較することが必要不可欠である。
なぜならば、刊行物1には、イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物を一つの代表例とするニトロイミノ誘導体が「極めて卓越した殺虫作用を発現し、更には、低薬量で完璧な防除作用を現わす新規化合物である」(摘示c)と記載されており、その効果の裏付けも記載されている(摘示h)し、また、駆除撲滅のために適用できる害虫の例としてイエシロアリが記載されている(摘示e)ので、刊行物1に記載されたイミダクロプリドが、イエシロアリに対し、「極めて卓越した殺虫作用を発現し、更には、低薬量で完璧な防除作用を現わす」ことは予想されることであるから、比較の対象としてホキシムやクロルピリホスの如き従来技術水準を構成する殺虫剤を用いて、それらよりイミダクロプリドが優れた効果を奏することを明らかにしたとしても、そのことは予想されることにすぎないからである。
したがって、本件訂正明細書の記載に基づいて、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるものとはいえない。

(ウ) 小括
以上のとおり、イエシロアリについても、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるとは認められない。
したがって、イエシロアリ及びヤマトシロアリの何れについても、本件訂正発明について、本件訂正発明が現実に有する効果が、当該構成のものの効果として予想されるところと比べて格段に異なるものとは認められない。

(3-6) まとめ
以上のとおり、上記各相違点は当業者が容易に想到することができたものであり、しかも、本件訂正発明がこれらの相違点に係る構成により格別顕著な効果を奏するものとは認められないから、本件訂正発明は、刊行物1及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本件訂正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。

(3-7) 請求人の主張について
以下、意見書における請求人の主張について検討する。
ア 請求人は、「本件訂正発明のイミダクロプリドを、イエシロアリ又はヤマトシロアリに対する害虫防除剤の一般的適用方法の一つである木材及び木質合板類に浸み込ませて適用することは『極めてありふれた周知慣用の技術手段である』とするためには、その前提として、イミダクロプリドがイエシロアリ又はヤマトシロアリに対する害虫防除剤として知られていなければならないことになるが、上にみたとおり、刊行物1にはそのような記載はなく、本件知財高裁判決(審決注.別件判決のこと。)でもかかる点を是認していない。」(4頁20?27行)と主張する。
しかしながら、先に「(3-4)イ」で指摘したように、刊行物1には、イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物を一つの代表例とするニトロイミノ誘導体が広汎な害虫に対して強力な殺虫作用を示すとともに、木材における優れた残効性を示すこと、さらに、同化合物が殺虫効果を示す対象害虫類の一つとして、等翅目虫のヤマトシロアリ、イエシロアリが具体的に挙げられているのであるから、刊行物1により、イミダクロプリドがイエシロアリ又はヤマトシロアリに対する害虫防除剤として知られているに等しいといえるし、しかも、別件判決においても、以上の事実認定を前提としていることは明らかであるので、請求人の主張は前提において誤りである。

イ 請求人は、「刊行物1にいう『木材及び土壌における優れた残効性』とは、『衛生害虫、貯蔵物に対する害虫』を対象とする場合のみをいうのであって、シロアリを含めた広汎な種々の害虫全般に亘りおしなべて等しく木材及び土壌において優れた残効性があるとするものではない。」(5頁10?13行)と主張する。
しかしながら、刊行物1には、「衛生害虫、貯蔵物に対する害虫に使用される際には活性化合物は、石灰物質上のアルカリに対する良好な安定性はもちろんのこと、木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」(摘記f)と記載されているところ、先に(3-4)アで指摘したように、摘記fの記載に接した当業者であれば、引用発明が対象とする害虫から保護するために木材及び土壌に害虫防除剤を施用すると解し、その結果、「木材及び土壌における優れた残効性によって、きわだたされている。」という効果が奏されると解するのが自然な理解であるから、引用発明において、(衛生害虫や貯蔵物に対する害虫に限らず)害虫から保護する対象として木材が想定されていることは明らかである。
そして、このことは、別件判決においても、「甲2には,イミダクロプリドを有効成分として含有する化合物を一つの代表例とするニトロイミノ誘導体が広汎な害虫に対して強力な殺虫作用を示すとともに,木材における優れた残効性を示すこと,さらに,同化合物が殺虫効果を示す対象害虫類の一つとして,等翅目虫のヤマトシロアリ,イエシロアリが具体的に挙げられているのである」(38頁12?16行)と判示されているとおりである。

ウ 請求人は、「刊行物1には適用が『散布』に代表される通常の害虫防除剤が記載されているが、これは害虫と害虫防除剤とが『接触』することによって害虫の防除を図るものである。これに対し、本件訂正発明の場合は、イエシロアリ及びヤマトシロアリが木材等を食害する害虫であることから、害虫防除剤を木材等の保護対象の内部に『浸透』させて防除を図るもので、害虫防除剤の適用方法が刊行物1の発明とは明らかに異なる。刊行物1の散布などの直接接触による殺虫と本件訂正発明の木材等の内部に浸み込ませることによるシロアリ侵襲時の殺虫とは、明らかに『異質な』害虫防除であるから、本件訂正発明は刊行物1の記載から容易に想到し得るとすることができないとするのが相当である。」(5頁9?19行)と主張する。
しかしながら、害虫の種類に応じて害虫防除剤の適用方法を変えるのは当然のことであるから、刊行物1の実施例に記載されている害虫防除剤の適用方法が「散布」であるとしても、そのことが、イエシロアリ又はヤマトシロアリに対し、木材及び木質合板類に害虫防除剤を浸み込ませて適用することの阻害要因となるわけではない。
そして、先に(3-4)ウで指摘したように、イエシロアリ又はヤマトシロアリに対する害虫防除剤の適用方法として、木材及び木質合板類に害虫防除剤を浸み込ませて適用することは極めてありふれた周知慣用の技術手段である以上、引用発明において、害虫防除剤を「木材及び木質合板類浸み込用」と規定することは当業者が容易になし得ることというほかはない。

エ 請求人は、「本件特許の実施例8は、イエシロアリに対して薬液処理した漉紙を用いた殺虫試験であって、ここで挙げられた比較A、B(それぞれの殺虫有効成分はホキシム及びクロルピリホスである。)は、イミダクロプリドとほぼ同等の効果を表している。しかしながら、本件訂正発明のイミダクロプリドの所謂「浸み込」による害虫防除試験の-態様に相当する実施例9では、比較A,Bは、イミダクロプリドの1/125以下(・・・)の殺虫効果しか持っていないことが分かる。換言すれば、「浸み込」によって、一層の格段に優れた殺虫効果を現わし、比較との間で顕著な優意差が現れることが分かる。」(9頁16?26行)とした上で、「この乙第1号証の結果に、前記、実施例8と実施例9との間で示したところの『浸み込』によって、格段に優れた殺虫効果が現われるという事象を照らせば、イミダクロプリドが刊行物1に記載のイミダクロプリドに極めて近縁の類似化合物類よりも、『浸み込』によって、更により一層優れた格別顕著なシロアリ殺虫効果を現わすであろうことは容易に推認できることである。したがって、本件訂正発明で特定された形態、所謂『浸み込』によるイミダクロプリドは、木材及び木質合板類をイエシロアリ及びヤマトシロアリより保護するため、刊行物1から容易に予想できない効果を奏するものであることは明白である。」(10頁25行?11頁5行)と主張する。
しかしながら、まず、実施例8と実施例9について検討すると、実施例8の第1表においては、「比較A」の有効成分濃度が0.32ppmの「4日後の殺虫率(%)」が90%であるのを除き、残り全ての「4日後の殺虫率(%)」は100%であるから、「4日後の殺虫率(%)」の値は飽和しているため、このように高い有効成分濃度では、化合物I.1?I.3と比較A、比較Bとの殺虫効果の比較はできないので、実施例8の第1表の記載をもって、そこに挙げられた比較A、Bがイミダクロプリドとほぼ同等の効果を表していると結論付けるのは誤りである。(言い換えると、化合物I.1?I.3と比較A、比較Bとの殺虫効果の比較をするためには、実施例8における供試化合物の有効成分濃度をもっと下げたものについて試験する必要がある、ということである。)
したがって、「実施例8と実施例9との間で示したところの『浸み込』によって、格段に優れた殺虫効果が現われる」と結論付けるのは誤りである。
次に、乙第1号証について検討する。
本件訂正審判事件において乙第1号証は提出されていないので、請求人のいう乙第1号証は別件無効事件における乙第1号証を意味すると思われる(以下、「別件無効事件における乙第1号証」を「乙第1号証」という。)が、乙第1号証が提出された別件無効事件における2次審決の第6,2(3-2-2)(イ)(イ-1)で既に指摘したように、イミダクロプリドのイエシロアリに対する効果が、NO.1やNO.2のイエシロアリに対する効果と比較して、格段に異なるとまではいえないのである。
のみならず、乙第1号証の試験において採用した処理方法は、「各薬剤は予め原体量10mgに対し0.5mLのDMFで溶解し、所定濃度の希釈液を調整後、9cm濾紙敷きシャーレに1mL入れ、風乾した。」(乙第1号証、2頁本文2?3行)とあるように、乙第1号証では木材や木質合板に対する「浸み込」による処理方法を用いていないから、乙第1号証は「木材及び木質合板類浸み込用害虫防除剤」についての試験例ではない。
したがって、実施例8と実施例9との比較、更には乙第1号証に基づいて、「本件訂正発明で特定された形態、所謂『浸み込』によるイミダクロプリドは、木材及び木質合板類をイエシロアリ及びヤマトシロアリより保護するため、刊行物1から容易に予想できない効果を奏するものであることは明白である。」と結論付けることはできない。

オ したがって、請求人の何れの主張も、上記(3-6)の判断を左右するものではない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は平成6年改正前特許法126条3項の規定に適合せず、したがって、本件訂正は認められない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-06-16 
結審通知日 2008-06-18 
審決日 2008-07-02 
出願番号 特願平3-350751
審決分類 P 1 41・ 856- Z (A01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原 健司  
特許庁審判長 柳 和子
特許庁審判官 唐木 以知良
原 健司
鈴木 紀子
坂崎 恵美子
登録日 2001-02-23 
登録番号 特許第3162450号(P3162450)
発明の名称 工芸素材類を害虫より保護するための害虫防除剤  
代理人 金山 賢教  
代理人 渡邉 千尋  
代理人 大崎 勝真  
代理人 小野 誠  
代理人 川口 義雄  
代理人 坪倉 道明  

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