• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H02M
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H02M
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H02M
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H02M
管理番号 1192500
審判番号 訂正2008-390107  
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2008-09-30 
確定日 2009-01-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3509953号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3509953号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.訂正の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第3509953号発明(平成6年10月7日出願(パリ条約による優先権主張1993年10月8日、米国)、平成16年1月9日設定登録)の明細書(以下「基準明細書」という。)を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(7)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)請求項1に
「前記電源端子と前記第1インバータの出力端との間に接続されている第1コンデンサ」とあるのを
「前記第1ノードと前記第1インバータの出力端との間に接続されている第1コンデンサ」と訂正する。
(2)請求項10に
「前記第一コンデンサ上へ一方向に電圧を転送し且つ別の方向において前記第一コンデンサからの電圧の放電を阻止し、前記供給電圧と前記第一コンデンサの第一プレートとの間に接続されて第一手段が設けられており」とあるのを
「前記第一コンデンサ上へ一方向に電圧を転送し且つ別の方向において前記第一コンデンサからの電圧の放電を阻止し、前記供給電圧と前記第一コンデンサの第一プレートとの間に接続されてスイッチが設けられており」と訂正する。
(3)請求項12を削除する。
(4)請求項13を削除する。
(5)請求項14を請求項12へ繰り上げ且つ「第一、第二、第三手段がスイッチである」とあるのを「第二、第三手段がスイッチである」と訂正する。
(6)請求項15を請求項13へ繰り上げる訂正をする。
(7)請求項16を請求項14へ繰り上げ且つ「請求項15において」とあるのを「請求項13において」と訂正する。

2.当審の判断
(1)上記(1)の訂正は、「第1コンデンサ」の接続位置を、「電源端子と第1インバータの出力端との間」から、「第1ノードと第1インバータの出力端との間」へと訂正するものである。
そこで、訂正前の請求項1に記載された事項について検討すると、請求項1には
「電圧増倍器において、
バイアスラインが電源端子と第1基準電圧との間に接続されており第1制御信号を受取る入力端を具備している第1インバータ、
前記電源端子と第1ノードとの間の電荷の転送を制御する第1電荷転送制御装置、
前記電源端子と前記第1インバータの出力端との間に接続されている第1コンデンサ、
バイアスラインが前記第1ノードと第2基準電圧との間に接続されており第2制御信号を受取る入力端を具備している第2インバータ、
前記第1ノードと第2ノードとの間の電荷の転送を制御する第2電荷転送制御装置、
前記第2ノードと前記第2インバータの出力端との間に接続されている第2コンデンサ、を有していることを特徴とする電圧増倍器。」と記載されており、この構成では、第1電荷転送制御装置が転送制御する「電源端子と第1ノードとの間の電荷」は、どのように転送制御されるのか明りょうでなく、かつ、「第1コンデンサ」の機能が不明なものである。
そこで発明の詳細な説明の項の記載を参酌すると、基準明細書の段落【0007】には「供給電圧と、第一コンデンサの第一プレートとの間にスイッチが接続されている。第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に、第一及び第二コンデンサの第二プレートへ夫々接続した出力を有している。第一インバータは供給電圧へ接続しており、該インバータの入力へ低状態が印加されると、第一インバータの出力として供給電圧を発生させる。」と記載され、同じく【0008】には「電圧増倍器が第一、第二、第三コンデンサを有しており、その各コンデンサは第一プレートと第二プレートとを有しており、増倍された出力電圧は第三コンデンサの第一プレートと第二プレートとの間に発生される。第一コンデンサ上へ一方向において電圧を転送し且つ第一コンデンサの第一プレートと供給電圧との間に接続されており第一コンデンサからの電圧を別の方向において放電することを阻止する第一手段が設けられており第二コンデンサ上へ一方向において電圧を転送し……第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に、第一及び第二コンデンサの第二プレートへ夫々接続した出力を有しており、」と記載され、同じく【0009】には「コンデンサ11の一方のプレートは、ノードxにおいて第一ダイオード15のアノードへ接続しており、」と記載されている。
この記載によれば、第1電荷転送制御装置は、まず第1ノードと電源端子との間のスイッチを介して供給電圧を第1コンデンサの第一プレートへ転送した後、第1コンデンサから電源端子への電流の逆流を防止した状態で第1インバータにより第1コンデンサの第一プレート電位を上昇させて第2コンデンサ上へ一方向において電圧を転送する制御を行うものと認められ、かつ、基準明細書には、第1電荷転送制御装置に関しこれと異なる制御を行うものとの記載はない。
そうすると、「第1コンデンサ」の接続位置の一方が、「電源端子」であると、電源端子との間のスイッチを介して供給電圧を第1コンデンサの第一プレートへ転送することと整合せず、「第1コンデンサ」の機能が不明であるのに対し、上記(1)の訂正をすることにより、「第1コンデンサ」の接続位置の一方が、電源端子との間にスイッチを介在させた「第1ノード」となることで、「第1電荷転送制御装置」により「電源端子と第1ノードとの間」で「電荷」が転送され、その後「第1インバータ」により上昇した電圧が電源端子側へ逆流することなく転送制御されることが明りょうなものとなると共に、「第1コンデンサ」の機能が明りょうなものとなる。
そして、基準明細書に添付された図面の図1を参酌すれば、請求項1に記載の「第1ノード」が前記「ノードx」に相当するものであると認められるので、上記(1)の訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、基準明細書に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

(2)また、上記(2)の訂正は、供給電圧と第一コンデンサの第一プレートとの間に接続された「第一手段」に関して、基準明細書の段落【0018】に記載されていたように「スイッチ」または「ダイオード」のいずれでも可能であったものを、同じく【0018】に記載されているように最終電圧における電圧降下の量が増加する「ダイオード」を除き、「スイッチ」のみにするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、基準明細書に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

(3)さらに、上記(3)ないし(7)の訂正は、請求項12及び13を削除し、これに伴い請求項14ないし16を請求項12ないし14とするものであるとともに、上記(5)の訂正は、訂正後の請求項12が引用する請求項10で「第1手段」を「スイッチ」と特定する訂正をしたことにより不要となった「第1」手段がスイッチであるとの特定事項を削除するものであり、また、上記(7)の訂正は上記請求項の削除により変更された引用請求項の番号を整合させるものであって、特許請求の範囲の減縮、及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、基準明細書に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

(4)そして、上記(2)の訂正により特許請求の範囲が減縮された請求項10及び実質的に請求項10を引用することで請求項10の減縮に伴って特許請求の範囲が減縮されることとなる請求項11ないし14に記載された事項により特定される発明は、いずれも特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電圧増倍器
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】電圧増倍器において、
バイアスラインが電源端子と第1基準電圧との間に接続されており第1制御信号を受取る入力端を具備している第1インバータ、
前記電源端子と第1ノードとの間の電荷の転送を制御する第1電荷転送制御装置、
前記第1ノードと前記第1インバータの出力端との間に接続されている第1コンデンサ、
バイアスラインが前記第1ノードと第2基準電圧との間に接続されており第2制御信号を受取る入力端を具備している第2インバータ、
前記第1ノードと第2ノードとの間の電荷の転送を制御する第2電荷転送制御装置、
前記第2ノードと前記第2インバータの出力端との間に接続されている第2コンデンサ、
を有していることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項2】請求項1において、前記第1及び第2基準電圧が接地電圧であることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項3】請求項1又は2において、前記第1電荷転送制御装置が前記電源端子から前記第1ノードへの電荷の転送を開始した後の第1遅延時間経過後に前記第1制御信号の状態を反転させ、次いで前記第1遅延時間経過後の第2遅延時間経過後に前記第2制御信号の状態を反転させることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項4】請求項1乃至3の内のいずれか1項において、更に、
前記第2ノードと出力ノードとの間の電荷の転送を制御する第3電荷転送制御装置、
前記出力ノードと第3基準電圧との間に接続されている第3コンデンサ、を有していることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項5】請求項1乃至4の内のいずれか1項において、前記第1及び第2電荷転送装置がスイッチ又はダイオードであることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項6】請求項1において、前記第二増倍電圧を受取るべく接続して出力コンデンサが設けられていることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項7】供給電圧から増倍された出力電圧を発生する電圧増倍器において、
第一、第二、第三コンデンサが設けられており、その各々は第一プレート及び第二プレートを有しており、前記第三コンデンサの第一プレートと第二プレートとの間に増倍された出力電圧が発生され、
前記第一及び第二コンデンサの第一プレート間及び前記第二及び第三コンデンサの第一プレート間の夫々に接続して第一及び第二ダイオードが設けられており、
前記供給電圧と前記第一コンデンサの第一プレートとの間に接続してスイッチが設けられており、
第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に、前記第一及び第二コンデンサの第二プレートへ夫々接続した出力を有しており、前記第一インバータは前記インバータの入力へ低状態が印加される場合に前記第一インバータの出力として前記供給電圧を発生するために前記供給電圧へ接続しており、且つ前記第二インバータは、前記第二インバータの入力へ低状態が印加される場合に前記第二インバータの出力として前記第一コンデンサからの電圧を発生させるために前記第一コンデンサの第一プレートへ接続しており、
前記スイッチへ接続される出力信号を有すると共に前記第一及び第二インバータの入力を有する制御信号発生器が設けられており、前記出力信号は同期されて前記スイッチを開放させ且つ前記第一及び第二インバータの入力へ低状態を印加し、次いで前記スイッチを閉成し且つ前記第一及び第二インバータの入力へ高状態を印加する、
ことを特徴とする電圧増倍器。
【請求項8】請求項7において、前記制御信号が同期されて、前記スイッチが開放された後に前記第一インバータへ低状態を印加する場合に遅延を印加することを特徴とする電圧増倍器。
【請求項9】請求項8において、前記制御信号が同期されて、前記低状態が前記第一インバータへ印加された後に、前記第二インバータへ低状態を印加する場合に遅延を印加することを特徴とする電圧増倍器。
【請求項10】供給電圧から増倍された出力電圧を発生する電圧増倍器において、
第一、第二、第三コンデンサが設けられており、その各々は第一プレートと第二プレートとを有しており、前記増倍された出力電圧は前記第三コンデンサの第ープレートと第二プレートとの間に発生され、
前記第一コンデンサ上へ一方向に電圧を転送し且つ別の方向において前記第一コンデンサからの電圧の放電を阻止し、前記供給電圧と前記第一コンデンサの第一プレートとの間に接続されてスイッチが設けられており、
前記第二コンデンサ上に一つの方向において電圧を転送し且つ前記第二コンデンサから別の方向において該電圧を放電することを阻止し前記第一及び第二コンデンサの第一プレート間に接続して第二手段が設けられており、
前記第三コンデンサ上に一つの方向において電圧を転送し且つ前記第三コンデンサから別の方向において該電圧を放電することを阻止し、前記第二及び第三コンデンサの第一プレート間に接続して第三手段が設けられており、
第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に前記第一及び第二コンデンサの第二プレートに夫々接続して出力を有しており、前記第一インバータが前記供給電圧へ接続しており、その際に前記供給電圧は、前記第一インバータの入力へ低状態が印加される場合に前記第一インバータの出力として表われ、且つ前記第二インバータの電源入力が前記第一コンデンサの第一プレートへ接続しており、その際に前記第一コンデンサの第一プレートからの電圧が、前記第二インバータの入力へ低状態が印加される場合に前記第二インバータの出力として表われ、
前記スイッチへ接続した出力信号を有すると共に前記第一及び第二インバータの入力を有する制御信号発生器が設けられており、前記出力信号は同期されて前記スイッチを開放させ且つ低状態を前記第一及び第二インバータの入力へ印加し、次いで前記スイッチを閉成し且つ高状態を前記第一及び第二インバータの入力へ印加させる、
ことを特徴とする電圧増倍器。
【請求項11】請求項10において、電圧を転送するための前記第二及び第三手段がダイオードであることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項12】請求項10において、電圧を転送するための前記第二、第三手段がスイッチであることを特徴とする電圧増倍器。
【請求項13】請求項10において、前記制御信号が同期されて、前記スイッチが開放された後に前記第一インバータへ低状態を印加する場合に遅延を印加することを特徴とする電圧増倍器。
【請求項14】請求項13において、前記制御信号が同期されて、前記低状態が前記第一インバータへ印加された後に、前記第二インバータへ低状態を印加する場合に遅延を印加することを特徴と電圧増倍器。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電子回路における改良に関するものであって、更に詳細には、電圧増倍器回路等における改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多くの適用場面において、低い供給電圧から増倍された電圧源を発生させることが所望されている。ますます低い供給電圧とするための需要が増加するにしたがい、このような電圧増倍器に対する需要も同様に増加している。広く使用されている1つの解決方法は、例えば、5V入力供給電圧レベルから10V出力供給電圧レベルを発生することの可能な電荷ポンプを使用することである。
【0003】
スイッチ動作される入力電圧を受取るためのコンデンサを使用し、且つ該コンデンサの低電圧側即ちプレートへより高い電圧を印加するためのインバータを使用し、その際に該コンデンサの高電圧側即ちプレート上の電圧をブースト即ち上昇させる回路が提案されている。次いで、その上昇された電圧は整流器等を介して上昇された電圧が維持されている出力コンデンサへ転送される。然しながら、このような回路は、通常、単一段であるか、又は、複数個の段が使用される場合には、それらの段は、通常、単にカスケード接続されるものに過ぎない。そのようなカスケード接続した回路の結果は、各付加的な段に対して、先行する段の出力電圧に対し開始電圧が単に付加されるに過ぎない。
【0004】
そこで必要とされているものは、前述したカスケード接続した電圧増倍回路と基本的に同一の数及びタイプの部品を使用して、入力電圧よりも3倍以上大きな増倍電圧を発生することの可能な電圧増倍器回路を提供することである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、改良した電圧増倍器回路を提供することを目的とする。本発明の別の目的とするところは、従来のカスケード型電圧増倍器よりも著しく多数の部品を必要とすることなしに、入力電圧から3倍以上増倍させた出力電圧を発生することの可能な改良した電圧増倍器回路を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の広義の側面によれば、供給電圧から増倍させた出力電圧を発生する電圧増倍器が提供される。この電圧増倍器は第一及び第二電圧増倍段を有している。第一電圧増倍段は電力入力として供給電圧を受取り、且つ供給電圧からの第一増倍電圧である出力を発生すべく接続されている。第二電圧増倍段は、電力入力として第一増倍電圧を受取り、且つ第二増倍電圧である出力を発生すべく接続されている。第一及び第二電圧増倍段の各々は、コンデンサ上の基準電圧を制御すべく接続されたコンデンサとインバータとを有している。各段のコンデンサ上の電圧を維持するために、整流器等の手段が第一及び第二電圧増倍段を相互接続している。
【0007】
本発明の別の広義の側面によれば、各々が第一プレートと第二プレートとを具備する第一、第二、第三コンデンサを有する電圧増倍器が提供される。増倍された出力電圧は、第三コンデンサの第一プレートと第二プレートとの間に発生される。第一及び第二ダイオードが、第一及び第二コンデンサの第一プレートの間、及び第二及び第三コンデンサの第一プレートの間に夫々接続されている。供給電圧と、第一コンデンサの第一プレートとの間にスイッチが接続されている。第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に、第一及び第二コンデンサの第二プレートへ夫々接続した出力を有している。第一インバータは供給電圧へ接続しており、該インバータの入力へ低状態が印加されると、第一インバータの出力として供給電圧を発生させる。第二インバータは第一コンデンサの第一プレートへ接続しており、第二インバータの入力へ低状態が印加されると、第二インバータの出力として第一コンデンサからの電圧を発生させる。制御信号発生器が該スイッチに接続した出力信号を有しており、且つ第一及び第二インバータの入力を有しており、該出力信号は同期されて、該スイッチを開放させ且つ第一及び第二インバータの入力へ低状態を印加させ、次いで該スイッチを閉成させ且つ第一及び第二インバータの入力へ高状態を印加させる。
【0008】
本発明の更に別の広義の側面によれば、電圧増倍器が第一、第二、第三コンデンサを有しており、その各コンデンサは第一プレートと第二プレートとを有しており、増倍された出力電圧は第三コンデンサの第一プレートと第二プレートとの間に発生される。第一コンデンサ上へ一方向において電圧を転送し且つ第一コンデンサの第一プレートと供給電圧との間に接続されており第一コンデンサからの電圧を別の方向において放電することを阻止する第一手段が設けられており、第二コンデンサ上へ一方向において電圧を転送し且つ第一及び第二コンデンサの第一プレート間に接続されており第二コンデンサからの電圧を別の方向において放電することを阻止する第二手段が設けられており、第三コンデンサ上へ一方向において電圧を転送し且つ第二及び第三コンデンサの第一プレート間に接続されており第三コンデンサからの電圧を別の方向において放電することを阻止する第三手段が設けられており、第一及び第二インバータが設けられており、その各々は入力を有すると共に、第一及び第二コンデンサの第二プレートへ夫々接続した出力を有しており、第一インバータは供給電圧へ接続しており、その際に、第一インバータの入力へ低状態が印加される場合に、供給電圧が第一インバータの出力として表われる。第二インバータの電源入力が第一コンデンサの第一プレートへ接続しており、その際に、第二インバータの入力へ低状態が印加される場合に、第一コンデンサの第一プレート上の電圧が第二インバータの出力として表われる。制御信号発生器は、該スイッチへ接続される出力信号を有しており、且つ第一及び第二インバータの入力を有しており、その出力信号は同期されて、該スイッチを開放させ且つ第一及び第二インバータの入力へ低状態を印加し、次いで該スイッチを閉成し且つ第一及び第二インバータの入力へ高状態を印加させる。
【0009】
【実施例】
本発明の好適実施例に基づいて構成された電圧増倍器回路10の概略図を図1に示してある。この電圧増倍器回路10は3個のコンデンサ11,12,13を有している。コンデンサ11の一方のプレートは、ノードxにおいて第一ダイオード15のアノードへ接続しており、第二コンデンサの第一プレートはノードyにおいて第二ダイオード16のアノードへ接続している。第三コンデンサ13の第一プレートはノードzにおいてダイオード16のカソードへ接続している。出力電圧は第三コンデンサ13を横断して発生され、それは、例えば、負荷20へ接続される。負荷20は抵抗性、容量性、又は誘導性のインピーダンス、又はそれらの組合せとすることが可能である。
【0010】
スイッチ25が第一ダイオード15のアノードと例えば+5V等の供給電圧を供給することの可能な端子26との間に直列接続されている。第一インバータ28は、その入力IN1をタイミング制御回路30からの制御信号を受取るべく接続されている。第一インバータ28のバイアスラインは、図示した如く、供給電圧が印加される入力端子26と基準電圧即ち接地との間に接続されている。同様に、第二インバータ32は、その出力をコンデンサ12の下部プレートへ接続させており、且つその入力をタイミング制御回路30から制御信号を受取るべく接続させている。第二インバータ32のバイアスラインがダイオード15のアノードと基準電圧即ち接地との間に図示した如くに接続されている。インバータ28及び32は従来の構成のものとすることが可能であり、その場合に、インバータの入力へ高入力信号が印加されると、この場合には接地電圧である基準電圧における出力信号がインバータの出力端子に表われる。一方、インバータの入力に低入力信号が印加されると、インバータの供給電圧と同一の電圧を有する出力信号が出力端子に表われる。この場合に、且つ本発明に基づいて、電源電圧は、夫々のインバータが関係している増倍器回路10の段によってブースト即ち上昇されるべき電圧にしたがって変化する。
【0011】
電圧増倍器回路10の動作について図2(A),(B),(C)に示した波形を参照して説明する。尚、図2(A)はスイッチ(SW)へ印加される制御信号を示しており、図2(B)は第一インバータ28(IN1)における状態を示しており、且つ図2(C)は第二インバータ32(IN2)における状態を示している。図2(A)に示した波形は、アナログ信号として示してあるが、スイッチ25の開放状態及び閉成状態を表わしており、それは、勿論、トランジスタスイッチ等によって与えることが可能である。従って、初期的には、スイッチ25は所定時間の間閉成されており、それは図2(A)におけるラインセグメント41によって表わされている。スイッチ25が閉成されている初期の状態において、入力IN1及びIN2は高状態にあり、それは図2(B)及び(C)の夫々においてラインセグメント42及び43によって示してある。この時間期間中に、ライン45上のインバータ28からの出力は低状態である。従って、コンデンサ11は+5Vが上側のプレート即ち第一プレート上に表われ且つ0Vが下側のプレートに表われる電圧レベルへ充電される。
【0012】
この時に、コンデンサ11の上側のプレート上に表われる+5Vの電圧は、ダイオード15を介して通過し第二コンデンサ12の上側プレートを充電する。然しながら、ダイオード15での電圧降下のために、ノードy上に表われる電圧は+5Vの電圧よりも僅かに低い電圧であって、即ち約+4.3Vの電圧である。更に、+4.3Vの電圧の一部はダイオード16を介して通過し第三コンデンサ13の上側プレートを充電し、この場合にも、ダイオード16を介しての電圧降下のために電圧値は僅かに減少される。
【0013】
コンデンサ11-13上に初期的な電圧値を確立した後に、図2(A)におけるラインセグメント48で示した如く、タイミング制御回路30からのラインSW上の信号によってスイッチ25を開放状態とさせる。この点において、ダイオード15及び16は夫々のコンデンサ12及び13上の電圧が第一コンデンサ11を充電することを防止する。その直後に、例えば、図2(B)に示した如く非常に短い遅延d1の後に、第一インバータ28の入力上の信号が、図2(B)におけるラインセグメント50で示した如く、高状態から低状態へスイッチされる。ライン45上のインバータ28からの出力は低状態から高状態へ状態を変化させ、より詳細には、基準電圧からこの場合には+5Vであるインバータ28上のバイアス電圧へ変化する。コンデンサ11の上側プレートは基準電圧に関してノードxをすぐさま+10Vへ上昇させる。
【0014】
この+10Vの電圧は第一ダイオード15によってノードyへ転送され第二コンデンサの上側プレートを充電する。第二ダイオード15を横断しての電圧降下のために、ノードx上の+10Vの電圧はダイオード15を横断しての電圧降下によって減少され、ノードy上において僅かに減少した電圧である約+9.3Vの電圧となる。
【0015】
その直後に、即ち図2(C)に示した短い遅延d2の後に、第二インバータ32の入力ラインIN2上の電圧は、図2(C)におけるラインセグメント53によって示した如く、高状態から低状態へ変化される。ライン33上のインバータ32からの出力はそれに応答して低状態から高状態へ変化し、即ち、より詳細には、基準電圧からノードx上に表われる電圧へ変化し、それはインバータ32に対して供給電圧を与える。上述した如く、ノードx上の電圧は現在+10Vである。これは、接地即ち基準電圧に関して電圧を+10Vだけすぐさま上昇させ、その際にコンデンサ12の上側プレート上の電圧をノードy上において+19.3Vへ上昇させる。前述した如く、ノードy上の電圧は第二ダイオード16を介して通過しコンデンサ13の上側プレートを継続して上昇された電圧即ち増倍電圧へ充電させその電圧はノードz上に表われる。この上昇された電圧の一部は第二ダイオード16によって降下され、従って約+18.6Vの電圧がノードz上のコンデンサ13の上側プレート上に表われる。
【0016】
この充電サイクルが完了した後に、スイッチ25は再び閉成されて、上述した態様で充電プロセスを継続して行なう。第一及び第二インバータ28及び32の夫々に対する入力信号は、再度、図2(B)及び(C)において夫々のラインセグメント55及び56によって示した如く、高状態へ上昇される。一方、コンデンサ12及び13上に発生された電荷は、夫々のダイオード15及び16によって保持される。従って、ある所定の時間にわたり該サイクルを繰返し行なった後に、コンデンサ13上の電圧はブーストされた電圧即ち上昇された電圧の値、この場合には約+18.6Vに安定化される。
【0017】
コンデンサ11,12,13の夫々の寸法は、所望により選択することが可能であり、その場合の選択基準は、回路10を使用する特定の適用場面において必要とされる所望の電流及び転送時間である。一つの具体例としては、コンデンサ11を約500pFとし、コンデンサ12を約100pFとし、且つコンデンサ13を約1μFとすることである。注意すべきことであるが、コンデンサ12は、好適には、コンデンサ11よりも小型のものとし、そうすることにより、電荷の転送が行なわれる場合に第二コンデンサ12によって第一コンデンサ11が不当に放電されることを回避することが可能である。
【0018】
更に注意すべきことであるが、ダイオード15及び16の主要な機能は、増倍された電荷が印加され且つ格納される夫々のコンデンサ上の電荷を保持することである。理解される如く、ダイオード15及び16はスイッチ(不図示)と置換させることが可能であり、その場合には、図1に示した回路10において右側へ移動する方向に電荷を転送させるがその電荷を放電させることがないように適宜のタイミングによってスイッチを制御する。ダイオード15及び16の代わりにスイッチで置換する場合の利点としては、ダイオード15及び16によって発生する電圧降下を取除くことが可能であるということである。同様に、所望により、スイッチ25をダイオード(不図示)と置換させることが可能である。然しながら、この場合には、上述したように最終電圧における電圧降下の量が増加するが、制御ライン及び該制御ライン上に信号を発生することを取除くという利点がある。勿論、ダイオードによる電圧降下(典型的に、0.7V)は回路においてより高い電圧レベルにおけるよりもより低い電圧レベルにおいてより大きなインパクトを有している。従って、第一段の電圧分離機能は、好適には、図示した如く、ダイオードによるものではなくスイッチ25によって行なう。
【0019】
以上、本発明の具体的実施の態様について詳細に説明したが、本発明は、これら具体例にのみ限定されるべきものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱することなしに種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に基づいて構成した電圧増倍器回路を示した概略図。
【図2】(A)-(C)は図1の電圧増倍器回路における種々の位置においてのタイミング信号又は制御信号の波形を示した各波形線図。
【符号の説明】
10 電圧増倍器回路
11,12,13 コンデンサ
15 第一ダイオード
16 第二ダイオード
20 負荷
25 スイッチ
28 第一インバータ
30 タイミング制御回路
32 第二インバータ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2009-01-19 
出願番号 特願平6-244101
審決分類 P 1 41・ 852- Y (H02M)
P 1 41・ 851- Y (H02M)
P 1 41・ 854- Y (H02M)
P 1 41・ 852- Y (H02M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川端 修  
特許庁審判長 田良島 潔
特許庁審判官 仁木 浩
米山 毅
登録日 2004-01-09 
登録番号 特許第3509953号(P3509953)
発明の名称 電圧増倍器  
代理人 小橋 正明  
代理人 小橋 正明  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ