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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H02M
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H02M
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H02M
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H02M
管理番号 1192509
審判番号 訂正2008-390125  
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2008-11-21 
確定日 2009-02-13 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3758165号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3758165号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3758165号発明についての出願は、2002年1月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2001年1月9日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成18年1月13日に特許権の設定登録がされ、その後、本件特許請求の範囲の請求項1ないし68に係る発明の特許(以下「本件特許」という。)に対して特許の無効審判が請求され、本件特許請求の範囲の請求項1ないし68に係る発明の特許を無効とする審決がなされたところ、該審決に対する訴えが提起され、その訴訟中に訂正審判が請求され、知的財産高等裁判所において、審決取消の決定がなされ確定し、被請求人より、指定期間内に訂正請求がなされた。その後、「訂正を認める。本件特許を無効とする。」旨の審決がなされたところ、該審決に対する訴えの提起〔平成20年(行ケ)第10418号〕がなされ、その訴訟中に本件訂正審判が請求されたものである。

2.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第3758165号発明の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(a)ないし(e)のとおり訂正することを求めるものである。
(a)特許請求の範囲の請求項1の「複数のランプ負荷の調光制御のための可変パワー調整回路であって」を、「液晶装置のバックライトに用いられる複数の冷陰極蛍光ランプ負荷の調光制御のための可変パワー調整回路であって」と訂正する。
(b)特許請求の範囲の請求項1の「あるパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と」を、
「前記冷陰極蛍光ランプ負荷がオンである期間を規定する可変なパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と、
スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタと」と訂正する。
(c)特許請求の範囲の請求項1の「前記パルス信号及び周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、少なくとも二つが異なる開始タイミングである、前記複数のランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイ」を、「前記パルス変調器および前記周波数セレクタに接続されているとともに、前記パルス信号及び前記周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、少なくとも四つが異なる開始タイミングである、前記複数の冷陰極蛍光ランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイ」と訂正する。
(d)特許請求の範囲の請求項1の「を具備することを特徴とする可変パワー調整回路」を、
「前記位相シフトバースト信号を受けるために前記位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの前記冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの位相アレイドライバーとを具備し、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷は、前記高電圧ACパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光し、
前記周波数セレクタは、前記基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を前記周波数選択信号として発生し、
前記パルス信号のパルス幅は、前記周波数選択信号の周期より小さな値であり、
前記位相遅延アレイは、前記周波数選択信号の周期を有し前記パルス信号のパルス幅を有する信号を、各前記冷陰極蛍光ランプ負荷を独立して制御するための前記位相シフトバースト信号として発生するものであり、
前記高電圧ACパワー調整信号は、前記位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有しており、
各前記位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの前記位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの前記高電圧ACパワー調整信号を発生し、
前記位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する前記冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給するためのランプ回路を有し、
各前記位相アレイドライバは近接して配置されており、
前記位相アレイドライバは、第1位相アレイドライバと第2位相アレイドライバとを少なくとも有して構成され、
前記第1位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第1高電圧ACパワー調整信号を出力する第1出力端と、前記第1高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第2高電圧ACパワー調整信号を出力する第2出力端とを有し、
前記第2位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第3高電圧ACパワー調整信号を出力する第3出力端と、前記第3高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第4高電圧ACパワー調整信号を出力する第4出力端とを有し、
前記第1高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第4高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、該第1出力端、第2出力端、第3出力端、第4出力端の順序で配置されており、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、それぞれ、前記冷陰極蛍光ランプ負荷のそれぞれの一つに接続されていることを特徴とする可変パワー調整回路」と訂正する。
(e)特許請求の範囲の請求項6、請求項8および請求項12から68を削除し、これに伴い請求項7,9,10,11を請求項6,7,8,9とする。

3.当審の判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(a)は、特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数のランプ負荷」について「液晶装置のバックライトに用いられる」複数の「冷陰極蛍光」ランプ負荷との限定を付加するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、上記事項は願書に添付した明細書の段落【0001】に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

上記訂正事項(b)は特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「あるパルス幅」について「冷陰極蛍光ランプ負荷がオンである期間を規定する可変な」との限定を付加すると共に「スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタ」との事項を付加するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、上記事項は願書に添付した明細書の段落【0018】、【0022】に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

上記訂正事項(c)は特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「位相遅延アレイ」について「パルス変調器および周波数セレクタに接続されているとともに」との限定を付加するとともに、「開始タイミング」について「少なくとも二つ」から「少なくとも四つ」に減縮すると共に「ランプ負荷」を「冷陰極蛍光ランプ負荷」に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、上記事項は願書に添付した明細書の段落【0009】、【0023】、【0032】の記載及び図1,図2,図4,図8に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

上記訂正事項(d)は特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項として、「位相シフトバースト信号を受けるために位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの位相アレイドライバーとを具備し、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷は、前記高電圧ACパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光し、
周波数セレクタは、基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を周波数選択信号として発生し、
パルス信号のパルス幅は、前記周波数選択信号の周期より小さな値であり、
前記位相遅延アレイは、前記周波数選択信号の周期を有し前記パルス信号のパルス幅を有する信号を、各前記冷陰極蛍光ランプ負荷を独立して制御するための前記位相シフトバースト信号として発生するものであり、
前記高電圧ACパワー調整信号は、前記位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有しており、
各前記位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの前記位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの前記高電圧ACパワー調整信号を発生し、
前記位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する前記冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給するためのランプ回路を有し、
各前記位相アレイドライバは近接して配置されており、
前記位相アレイドライバは、第1位相アレイドライバと第2位相アレイドライバとを少なくとも有して構成され、
前記第1位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第1高電圧ACパワー調整信号を出力する第1出力端と、前記第1高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第2高電圧ACパワー調整信号を出力する第2出力端とを有し、
前記第2位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第3高電圧ACパワー調整信号を出力する第3出力端と、前記第3高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第4高電圧ACパワー調整信号を出力する第4出力端とを有し、
前記第1高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第4高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、該第1出力端、第2出力端、第3出力端、第4出力端の順序で配置されており、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、それぞれ、前記冷陰極蛍光ランプ負荷のそれぞれの一つに接続されている」との事項を付加するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、上記事項は、願書に添付した明細書の段落【0016】?【0019】、【0023】、【0025】、【0032】、【0046】及び図4,図8,図12に記載された事項の範囲内でなされたものであり、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

上記訂正事項(e)は、請求項6,8,及び12?68を削除し、これに伴い請求項7,9,10,11を請求項6,7,8,9とするとともに、削除に伴って変更された引用請求項の番号を整合させるものであって、特許請求の範囲の減縮、及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、かつ特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないものと認められる。

したがって、上記訂正事項(a)ないし(e)はいずれも特許法第126条第1項ただし書きに規定する要件を満たすと共に、同条第3項、及び第4項に規定する要件を満たすものと認められる。

(2)独立特許要件
(2-1)本件訂正発明1について
そこで、まず、本件訂正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本件訂正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(ア)本件訂正発明1は次のとおりのものである。
「液晶装置のバックライトに用いられる複数の冷陰極蛍光ランプ負荷の調光制御のための可変パワー調整回路であって、該回路は、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷がオンである期間を規定する可変なパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と、
スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタと、
前記パルス変調器および前記周波数セレクタに接続されているとともに、前記パルス信号及び前記周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、少なくとも四つが異なる開始タイミングである、前記複数の冷陰極蛍光ランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイと、
前記位相シフトバースト信号を受けるために前記位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの前記冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの位相アレイドライバーとを具備し、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷は、前記高電圧ACパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光し、
前記周波数セレクタは、前記基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を前記周波数選択信号として発生し、
前記パルス信号のパルス幅は、前記周波数選択信号の周期より小さな値であり、
前記位相遅延アレイは、前記周波数選択信号の周期を有し前記パルス信号のパルス幅を有する信号を、各前記冷陰極蛍光ランプ負荷を独立して制御するための前記位相シフトバースト信号として発生するものであり、
前記高電圧ACパワー調整信号は、前記位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有しており、
各前記位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの前記位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの前記高電圧ACパワー調整信号を発生し、
前記位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する前記冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給するためのランプ回路を有し、
各前記位相アレイドライバは近接して配置されており、
前記位相アレイドライバは、第1位相アレイドライバと第2位相アレイドライバとを少なくとも有して構成され、
前記第1位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第1高電圧ACパワー調整信号を出力する第1出力端と、前記第1高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第2高電圧ACパワー調整信号を出力する第2出力端とを有し、
前記第2位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第3高電圧ACパワー調整信号を出力する第3出力端と、前記第3高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第4高電圧ACパワー調整信号を出力する第4出力端とを有し、
前記第1高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第4高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、該第1出力端、第2出力端、第3出力端、第4出力端の順序で配置されており、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、それぞれ、前記冷陰極蛍光ランプ負荷のそれぞれの一つに接続されていることを特徴とする可変パワー調整回路。」

(イ)甲各号証
これに対して、平成18年9月21日になされた無効審判請求(無効2006-80188)において本件特許発明の請求項1ないし68についての特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にすべきであるとする主張の証拠方法として無効審判請求人から提出された、甲第1号証ないし甲第14号証の記載内容は以下のとおりである。

(i)甲第1号証(特開平11-3039号公報)
・「【請求項1】LCDバックライトを点灯する点灯回路において、
バックライトを点灯するための信号を発振する発振回路と、
この発振回路によって発振された信号をもとにバックライトを点灯する所定デューティの信号を生成する調光回路と、
この調光回路によって生成された所定デューティの信号の位相をシフトさせる位相調整回路と、
この位相調整回路によってシフトされない信号に従って第1のバックライトを点灯およびシフトされた信号に従って第2のバックライトを点灯するドライブ回路とを備えたことを特徴とするLCDバックライト点灯回路。」
・「【請求項3】LCDバックライトを点灯する点灯回路において、
液晶表示ユニットに供給するフレーム信号をもとにバックライトを点灯する所定周波数の信号を発振するVCO回路と、
このVCO回路によって発振された信号をもとにバックライトを所定デューティの信号でドライブするドライブ回路とを備えたことを特徴とするLCDバックライト点灯回路。」
・「【請求項5】請求項3あるいは請求項4のVCO回路によって発振された信号を、上記発振回路によって発振された信号とすることを特徴とする請求項1記載のLCDバックライト点灯回路。」
・「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LCDバックライトを点灯するLCDバックライト点灯回路に関するものである。」
・「【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示用のバックライトは通常、所定の周波数で点灯し、当該点灯した照射光について液晶の部分的な透過の違いによってテキストやイメージなどを表示している。」
・「【0003】
【発明が解決しようとする課題】この際、低い周波数の所定デューティの信号でバックライトを駆動して点灯し、液晶の部分的な透過の違いによるテキストやイメージの像を表示すると、フリッカが発生したり、液晶表示のフレーム周波数とバックライトの点灯との干渉によってチラツキが発生したりするという問題が生じた。」
・「【0004】本発明は、これらの問題を解決するため、複数本のバックライトを交互に点灯してフリッカを無くしたり、フレーム周波数と同期させてバックライトを点灯しフレーム周波数との干渉によるチラツキを無くしたりすこと(「すること」の誤記)を目的としている。」
・「【0006】調光回路2、21、22は、発振回路1によって発振された信号をもとにバックライトを点灯する所定デューティの信号を生成するものである。位相調整回路3、31は、調光回路2、21、22によって生成された所定デューティの信号の位相をシフトさせるものである。」
・「【0007】ドライブ回路4、5、14は、所定デューティの信号をもとにバックライトを点灯させるものである。VCO回路13は、フレーム信号に同期した信号を発振するものである。」
・「【0016】調光回路2は、発振回路1によって発振させた所定周波数の信号をもとに、バックライト6、7を点灯するための所定周波数の所定デューティの信号を生成するものである(図1の(c)参照)。」
・「【0017】位相調整回路3は、調光回路2によって生成した信号の位相をシフトさせるものであって、例えば図1の(c-1)、(c-2)に示すように約180°位相をシフトさせるものである。」
・「【0020】以上の構成のもとで、発振回路1によって発振された信号をもとに調光回路2が所定周波数の所定デューティのバックライト6、7を駆動する信号を生成し、位相調整回路3が生成された所定周波数の所定デューティの信号の位相をほぼ180°シフトさせ、ドライブ回路4、5が位相シフトさせない所定周波数の所定デューティの信号をもとにバックライト6を駆動して点灯、および位相シフトさせた所定周波数の所定デューティの信号をもとにバックライト6を駆動して点灯する。これにより、バックライト6、7を交互に点灯し、点灯の回数を約2倍にしてチラツキ(フリッカ)を無くすことが可能となる。」
・「【0037】図2の(c-2)は、VCO出力信号を示す。VCO出力信号は、VCO回路13の出力信号であって、ここでは、図2の(c-1)のフレーム信号に同期した信号である。尚、VCO出力信号は、フレーム信号に同期した所定周波数のデューティ50%の信号であって、このままの信号でバックライト15を点灯駆動してもよいし、デューティ50%を任意に調整した信号にして点灯駆動してもよいし、更に図示しないが位相が180°異なるもう1組みの信号を図1の(c-1)、(c-2)のように生成し、バックライト15を2組み設けて交互に点灯するようにしてもよい。」
・「【0039】以上の図2の(c-1)のフレーム信号に同期して図2の(c-2)のVCO出力信号を生成し、この同期したVCO出力信号をもとにバックライト15を点灯駆動することにより、液晶の部分的な透過、非透過と、液晶の裏面からバックライト15で照射する照射光との同期ずれによるチラツキ(干渉によるチラツキ)の発生を無くすことが可能となる。更に、図1で説明したように、バックライト15を2組み設けて交互に点灯して点灯繰り返し周期を約2倍にしてチラツキ(フリッカ)を無くすことが可能となる。」

これらの記載によれば甲第1号証には、次の事項からなる発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
「液晶表示用のバックライトに用いられる第1及び第2のLCDバックライトの点灯回路であって、該回路は、
前記バックライトを点灯するための所定周波数の所定デューティの信号を生成する調光回路と、
フレーム信号に同期した信号を発振するVCO回路と、
VCO回路が発振する信号をもとに生成された所定デューティの信号の位相をシフトさせる位相調整回路と、
所定デューティの信号をもとに前記各LCDバックライトを点灯させるドライブ回路とを具備し、
前記位相調整回路はバックライトを点灯する回数を約2倍にし、
前記各ドライブ回路は、180°位相が異なる二つの前記信号を受けて、180°位相の異なる二つの各所定デューティの信号を生成してLCDバックライトをドライブして点灯する点灯回路。」

(ii)甲第2号証(特開平10-335089号公報)
・「【0002】
【従来の技術】従来、液晶の裏側に配置されるバックライトとしては、通常、冷陰極管が使用されている。冷陰極管の点灯電圧は、200V?300V程度と高く、これは、5V?6V程度の電圧を昇圧することで得ている。そのためにこれの点灯回路は、インバータ回路が用いられるが、最近では小型化の要請から電磁方式のインバータではなく、圧電トランスを用いたインバータ回路が用いられるようになってきている。また、この種の駆動回路においては、バックライトを調光するためにPWM制御のバースト調光用発振器が内蔵されている。」
・「【0003】……パルス発振回路2は、定常点灯状態において、その周波数が自動制御される発振回路であって、基準電圧発生回路4bとの誤差に応じて誤差信号を発生する誤差増幅器4cから制御信号を受けて、所定の発振周波数になるように制御される。なお、誤差増幅器4cの検出側の入力は、冷陰極管7の管電流を抵抗Rを介して電圧に変換した電圧信号が加えられる。
【0004】バースト発振回路8は、三角波発生回路9と、PWM駆動パルス回路10、ゲート回路11、PWMスライス電圧発生回路12、外付け調光用抵抗回路13、そして定電流源14とから構成され、PWM駆動パルス回路10のバーストパルス出力をゲート回路11を介してFETの駆動トランジスタTrのゲートに加えて、これをスイッチングする。駆動トランジスタTrは、圧電トランス駆動回路5に設けられたトランジスタであって、電源ラインVccからフライバックスイッチング回路5aへ電力を供給するスイッチ回路になっている。そこで、この駆動トランジスタTrがバースト駆動され、その駆動パルスの発生期間がPWM制御されることで、発生する昇圧電圧が制御され、もって冷陰極管7(バックライト)が調光される。なお、点線枠の駆動パルス発生回路1とバースト発振回路8とは、IC化された回路である。ここで、PWM駆動パルス回路10は、コンパレータ10aとコンパレータ10bとからなり、コンパレータ10aは、可変周波数のパルス発振回路2の出力を外付けコンデンサ2aを介して三角波として基準電圧入力(-側入力)に受ける。そして、PWMスライス電圧発生回路12の電圧を信号入力側(+側入力)に受けてこれらを比較することでPWM制御された60kHz?150kHz程度の駆動パルスを発生する。PWMスライス電圧発生回路12は、圧電トランス6の一次側の駆動電流を抵抗回路6aを介して電圧値に変換し、この帰還電圧として受けてこれと基準電圧VREFとを比較することで自動レベル制御された電圧を発生する。」
・「【0005】コンパレータ10bは、定電流源14から調光用抵抗回路13に流された電流によって発生する電圧をPWM制御のスライス電圧として基準電圧入力(-側入力)に受け、三角波発生回路9の出力を信号入力側(+側入力)に受けてこれらを比較することでPWM制御された150Hzのウインドウパルスを発生する。ゲート回路11は、1入力が負論理入力を持つ2入力ANDゲート11aとインバータ11bとからなり、コンパレータ10aの出力をANDゲート11aの一方の入力に、コンパレータ10bの出力をANDゲート11aの負論理側入力にそれぞれ受けて、コンパレータ10bのLOWレベル期間をウインドウ期間として図3に示すようなPWM制御されたバーストパルスを発生してインバータ11bを介して駆動トランジスタTrのゲートに加えてこれを駆動する。このときのコンパレータ10bのLOWレベル期間(ウインドウ幅)は、調光用抵抗回路13により制御され、その周波数は三角波発生回路9と同じである。」
・「【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようなPWM制御の調光用バーストパルス発生回路を有するバックライト照明装置にあっては、三角波発生回路9の出力のスライスレベルを選択することでバーストパルス発生期間を調整し、もって陰極線管の発光輝度調整をする。この場合の周波数は、150Hz程度であって、画像表示のための59Hz?60Hzの垂直同期信号の周波数の2倍の高調波である120Hzに近い値に設定されている。この周波数をより高くすると、調光の範囲が狭くなり、この周波数を低くすると、垂直同期信号と干渉し、あるいは、垂直同期信号に対するノイズとなり、画像が乱れる問題を生じる。」

(iii)甲第3号証(特開平5-113604号公報)
・「【0014】5はランプ点灯制御部であり、電源入力検出部2からの検出結果を受けて、バックライト用の複数のランプ6、6、・・・の点灯制御を行うために設けられている。
【0015】このランプ点灯制御部5は、ランプ6、6、・・・への給電を行うか否かを格別に規定するスイッチ7、7、・・・と、これらのスイッチ7、7、・・・のスイッチング制御を司るスイッチング制御部8とを有している。」
・「【0018】9は液晶表示パネルであり、これに図示しない映像信号処理回路からの信号が表示され、裏側からバックライト光に照らし出された後レンズ10を介して前方に映像が投影されるようになっている。」
・「【0041】図10のスイッチング制御部8は、発振部35、PWM制御部36、遅延回路37、37、・・・、FETドライブ回路38、38、・・・からなっている。
【0042】つまり、発振部35の出力パルスはPWM制御部36に送られた後、直接に又は遅延回路37、37、・・・を介してFETドライブ回路38、38、・・・に送出されるようになっており、PWM制御部36は電源入力検出部2からの検出信号に応じたパルス幅をもった信号を生成して遅延回路37、37、・・・や、FETドライブ回路38に供給する。
【0043】よって、NチャンネルFET39、39、・・・はFETドライブ回路38、38、・・・からの制御信号によってオン/オフ制御され、ランプ6、6、・・・が順次に切り換えられて点滅制御が行われる。
【0044】例えば、図11(a)に示すように2個のランプ6_1、6_2が設けられており、これらのランプの点灯制御用に2つのFET39_1、39_2が設けられている場合を想定する。
【0045】スイッチング制御部8からFET39_1、39_2に送られる制御信号(これらをそれぞれ「S1」、「S2」とする。)によってこれらFET39_1、39_2がともにオン状態になっているときに消費電力やバックライト光の明るさが最大となり、図11(b)に示すように制御信号S1、S2のデューティーサイクルが50%で、お互いに周期Tの2分の1だけ時間軸方向にシフトした位相関係にある場合には、消費電力が半分となりバックライト光の明るさも暗くなる。
【0046】このように電源容量に応じて制御信号のオン期間の幅を変える、つまり、電源容量が小さくなるにつれて制御信号のデューティーサイクルが小さくなるように制御すれば、消費電力が少なくなり、バックライト光の明るさが低下する分電源に余裕ができ、小容量のバッテリーを使っていても比較的長い時間に亘ってプロジェクタ装置1を駆動することができる。」

(iv)甲第4号証(特開昭64-14895号公報)
・「一般的に、蛍光放電管を点灯させるには、蛍光放電管が、放電開始時には持続放電時の数倍の電圧を印加しなければ放電を開始しないという特性を有し、一方、持続放電時にはその供給電流が増加してもその端子間電圧が一定値に近いという負特性を有することから、その放電開始時においては、蛍光放電管の持続放電電圧以上の電圧をその両電極間に印加し、点灯後においては、蛍光放電管に流れる電流を規制するとともに、電源の電圧変動に対する流入電流を安定化する機能を備えた点灯装置が必要となる。」(1頁右下欄17行?2頁左上欄7行)
・「まず、第2図に示すスイッチ40がオンすると、発振用トランジスタ18及び前記した共振回路に電力が供給され、電子安定器2が作動を開始して蛍光放電管L1?L8のそれぞれの一端にコンデンサ41a?41hを介して高周波電圧が印加される。(尚、このコンデンサ41a?41hは蛍光放電管に直流分の電圧が印加されないようにするためのもにである。)これと同時に、マイクロコンピュータ3が作動を開始し(ステップ1)、中央処理装置9は記憶装置8から記憶されている点灯パターン(蛍光放電管L1?L8の点灯順序、出力ポート6から出力されるパルスのデューティー比に関するデータ)を取り出して、出力ポート6の出力端子P1?P8のいずれかの端子にどの位のデューティー比のパルスを出力するかを演算し(ステップ2)、この結果を出力ポート6に出力し、所定の出力端子に所定のデューティー比のパルスを出力する。」(4頁左上欄7行?右上欄4行)
・「マイクロコンピュータ3における出力ポート6の各出力端子P1?P8から、第4図に示すような波形のパルスが出力されると、スイッチング分は、5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5hの順にスイッチングが行われることになるので、蛍光放電管L1?L8は、第3図(「第5図」の誤記)巾T’時間ずつ順次点灯することになる。これを微視的にみれば蛍光放電管は一灯ずつ点灯していることになるが、出力ポート6から出力されているパルスの周期は非常に短い(例えば、点灯時間1ms、消灯時間5ms、この場合はデューティー比1/6)ので、人間の目には8灯とも同時に点灯しているように見え、また、電子安定器2から出力されている電圧は約40KHz程度の高周波電圧であるので、フリッカなどの不具合が生じるおそれはない。
さらに、第5図に示すように、出力ポート6から出力されるデューティー比を大きくすると、当然、各蛍光放電管の点灯時間が長くなり、また、2灯が同時点灯している時間があるので、第4図のような波形を各スイッチング部に与えた場合よりも照度が上がることになる。すなわち、出力ポート6から出力されるパルスのデューティー比を変化させると、これに比例して照度を自由に変化させることができることになる。」(4頁左下欄7行?右下欄10行)
・第6図には、ランプ印加電圧波形(パワー調整信号に相当)が出力ポートパルス波形(位相シフトバースト信号に相当)の位相値に等しい位相値を有することが示唆されている。

(v)甲第5号証(特開2000-184727号公報)
・「【0007】図9は図8の電源回路の各部の動作を示す。コンパレータ101においては、誤差増幅器114の出力電圧VBと抵抗124の端子電圧VCの内、いずれか電圧の低い方がVAと比較される。起動時には、出力端子111の出力電圧Voutは零であり、抵抗112,113で分圧される電圧VEも零である。分圧電圧VEは、誤差増幅器114で基準電圧Verrと比較される。分圧電圧VEが零のときには、誤差増幅器114の出力電圧VBは、正側に最大限振り切れている。したがって、コンパレータ101は出力電圧VAとVCとを比較し、起動後は、コンデンサ115の電位(端子電圧VC)は零から徐々に充電されながら上昇するので、コンパレータ101の出力電圧VDのパルス幅も徐々に広がってくる。これにより、ソフトスタートが開始される。この間、誤差増幅器114の出力VBは基準電圧Viを越えているので、コンパレータ121の出力はハイレベルになり、トランジスタ116が導通する結果、トランジスタ122,117はコンデンサ115を充電する。コンデンサ115の端子電圧VCが基準電圧Verrを越える前に、出力端子111の出力電圧Voutは所定の値に達し、誤差増幅器114の入力はVE≒Verrにバランスし、出力電圧VBは基準電圧Vi以下になり、トランジスタ116が遮断する。ここで、コンデンサ115の端子電圧VCは、抵抗123,124により決まる電圧によって安定する。」
・「【0008】電源回路の安定動作中に出力端子111間が短絡すると、出力電圧Voutは零になる。このため、誤差増幅器114の出力電圧VBは、正側にシフトし、基準電圧Viを越える。その結果、トランジスタ116が導通し、コンデンサ115はトランジスタ117により充電される。コンデンサ115の端子電圧が基準電圧Verrを越えると、コンパレータ118の出力電圧はハイレベルに転じ、この出力電圧がラッチ回路119にラッチされる。これにより、トランジスタ120が導通し、出力トランジスタ102はオフになる。」
・「【0027】電圧保護回路310は、負荷インピータンスが高いために圧電トランス301の昇圧比が高くなり、圧電トランス出力電圧Voが大きくなったときに、圧電トランス301が過振動により自己破壊するのを防止するために設けられている。分圧回路318には、圧電トランス301の二次側電極から出力される圧電トランス出力電圧Voが印加される。分圧回路318の出力電圧は、整流回路319によって直流電圧Vrに変換された後、比較ブロック320に入力される。比較ブロック320は、基準電圧Vmaxと整流回路319の出力電圧を比較し、Vr>Vmaxの状態にあるとき、2つの出力信号Vp1(積分器315をリセットする信号),Vp2(VC0317の出力周波数の上限値を変更する信号)を出力する。Vp1は入力電圧が基準電圧Vmaxより大きい間のみ出力される信号であり、Vp2は入力電圧が基準電圧Vmaxより大きくなったとき、或る時間(積分器315の出力が最低電圧から最高電圧に変化するまでに要する時間)だけ出力を継続する信号である。」
・「【0028】図14は、図12の電源回路の各部の動作を示す。図14においては、圧電トランス301の駆動周波数と圧電トランス出力電圧Vo、出力信号Vp1,Vp2の関係が示されている。積分器315の出力は、出力信号Vp1が入力されると最低電圧になる。したがって、分圧回路318の分圧比は、これ以上大きくなると圧電トランス301の特性劣化を招くというレベルの出力電圧Voが、整流回路319を通過後基準電圧Vmaxと等しくなる(Vo=Vmax)ように設定する。
【0029】負荷302がノートパソコン用LCDのバックライトに用いられる冷陰極管の場合、これに用いられる圧電トランス301の定格出力は、一般に4W程度である。このような圧電トランス301では、その出力電圧Voの最大値を1500V?2000V程度に設定しておけば特性劣化を防ぐことができ、かつ、冷陰極管(負荷302)の点灯開始電圧を上回る値となる。」
・「【0049】以上の構成において、負荷302からの負荷電流Ioは、過小電流検出回路401に入力される。過小電流検出回路401は、負荷電流Ioを電圧値に変換した値を整流回路404で整流して得た整流出力電圧と基準電圧Vsとを比較器405で比較する。整流回路404からの整流出力電圧が基準電圧Vsを越えるとき、比較器405は高レベルの出力信号を発生する。
【0050】遅延回路402は、過小電流検出回路401から低レベルの電圧が入力されたときに動作し、所定の遅延信号Vadを遮断回路403へ出力する。また、遅延回路402には、過電圧保護回路310から出力電圧Vp2が入力される。この出力電圧Vp2は、圧電トランス301の出力電圧が所定値よりも大きいときに過電圧保護回路310から出力される。遅延回路402は出力電圧Vp2によって制御され、2種類の遅延信号を出力する。すなわち、出力電圧Vp2が高レベル信号であるときには、遮断回路403が遮断動作を開始させるまでに長い時間が経過するような遅延信号Vadを出力し、また、出力電圧Vp2が低レベル信号であるときには、遮断回路403が遮断動作を開始させるまでの時間が短くなるような遅延信号を出力する。
【0051】遮断回路403は、遅延回路402から或る時間以上継続して遅延信号Vadが入力され続けると、圧電トランス301の駆動を停止する信号を出力する回路である。」

(vi)甲第6号証(特開2000-48987号公報)
・「【請求項2】 複数の電源電圧に対応して放電ランプを点灯させる放電灯点灯手段と;放電灯点灯手段の出力電圧を検出する出力電圧検出手段と;放電ランプをソフトスタートする際に出力電圧検出手段で検出された放電灯点灯手段の出力電圧に対応して放電灯点灯手段の出力を一定に制御する制御手段と;を具備したことを特徴とする放電灯点灯装置。」
・「【0030】また、ランプ電圧が400V以下になると蛍光ランプFL1 ,FL2 が点灯したと判断して、蛍光ランプFL1 ,FL2 の両端間の電圧が低くなり、補助巻線Tr2dに誘起される電圧も低下し、ツェナダイオードZD7 が逆阻止状態になり、トランジスタQ14 のエミッタには抵抗R51 および抵抗R52 から電流が供給されるソフトスタート時とは異なるゲインとなり、インバータ回路15の出力は低くなり蛍光ランプFL1 ,FL2 を点灯させる。」
・「【0039】請求項2記載の放電灯点灯装置によれば、出力電圧検出手段で放電灯点灯手段の出力電圧を検出し、この電源電圧検出手段で検出された電圧に基づきフィードバック制御により、制御手段は放電灯点灯手段の出力を可変するため、ソフトスタート時にも放電灯点灯手段の出力を一定にして、放電ランプがコールドスタートしたり、予熱不足となることを防止できる。」

(vii)甲第7号証(特開平8-138876号公報)
・「【0002】
【従来の技術とその問題点】……IC20はDC-DCコンバータを構成するスイッチング作動用のPNP型トランジスタTR21のベース回路を制御する集積回路(IC)であり、降圧型チョッパー回路として動作する。このICは三角波を発生する発振器OSCと二つの比較用演算増幅器A1と演算増幅A2と発信器OSCと演算増幅器A1かA2のいずれか一方の出力電圧とを比較するPWMコンパレータCOMPと、このPWMコンパレータにより駆動され、前記スイッチング作動用のPNPトランジスタTR21のベースを駆動する出力トランジスタ113とを有する。このICは、前記のようにPWMのようにPWMコンパレータで発信器OSCと比較する他方のPWMコンパレータ入力回路には二つの演算増幅器A1、A2が接続されているが、これら二つの演算増幅器の内の出力電圧が高い方の電圧と発振器OSCの出力とが比較される。……ダイオードD15、D16は冷陰極管CFL31に流れる放電電流の正の成分を整流するためのものである。R18、C19は電流波形を直流化するためのローパスフィルタを構成する抵抗とコンデンサである。このフィルタ出力は、DC-DCコンバータ制御用IC20の演算増幅器A2の十入力端に接続される。すなわち、コンデンサC19の両端には放電電流の正のサイクル平均値に比例した電圧が得られ、この電圧とDC-DCコンバータ制御用IC20内部の基準電圧とが演算増幅器A2で比較され、両者の差電圧に比例した出力電圧が得られる。図8に示すように、この出力電圧とDC-DCコンバータ制御用IC20の発信器OSCの三角波出力とがPWMコンパレータで比較される。すなわち、放電電流が何等かの原因で増加すると……減少する。従って、放電電流の定電流制御を可能としている。R32、R33はDC-DCコンバータの出力電圧を定電圧するための抵抗であり、これは冷陰極管CFL31を接続しないとき、または放電を開始する以前の昇圧トランスT10の二次コイル10Sの電圧を定電圧化するためのDC-DCコンバータ出力電圧検出用の抵抗である。抵抗R32、R33の接続点はDC-DCコンバータ制御用IC20の演算増幅器A1の十入力端に接続され、負帰還ループを構成し、DC-DCコンバータの出力電圧を定電圧化している。演算増幅器A1、A2の出力はOR接続されているので、演算増幅器A1、A2の出力電圧の高い方が優先されてPWMコンパレータに入力される。」

(viii)甲第8号証(特開平10-308289号公報)
・「【0002】
【従来の技術】冷陰極管は、外径が細く長寿命である特徴を有し、液晶表示パネルのバックライト光源や照明器具として広く応用されている。冷陰極管は数十kHz?数百kHzで高周波駆動され、その輝度調整方法としてバースト調光と電流調光とがある。」
・「【0003】バースト調光は、冷陰極管に流れる高周波電流を間欠動作させ、導通期間を調整することによって冷陰極管の時間平均的な輝度を制御するものである。間欠周波数は、ちらつきが人間の目に感じないように、通常100Hz以上に設定され、バースト波形のデューティ比が小さくなるほど輝度が小さくなる。」
・「【0007】その動作について説明する。入力電源端子(不図示)の電圧が起動電圧に達するか、あるいは点灯信号が入力され、図5の起動信号STがたとえばローレベルからハイレベルになると、起動回路1が動作して制御回路3にパルス信号を出して、交流発生回路4から負荷5(冷陰極管)の放電開始電圧以上の電圧を発生させる。負荷5の放電が一度開始すると、制御回路3および交流制御回路4だけで放電が持続するとともに、起動回路1の役目は終了するため、結局、起動回路1の動作時間は通常1ミリ秒程度である。」
・「【0013】本発明に従えば、起動回路による起動開始時点から所定の起動期間だけ、予め設定した輝度調整値に関係なく、調光制御回路による制御可能な輝度範囲内のうち最大輝度になるように冷陰極管を点灯する。その後、放電が安定化した時点で、予め設定した輝度調整値となるように制御する。」
・「【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態を示すブロック図である。冷陰極管点灯回路は、冷陰極管である負荷15を高周波駆動するための交流発生回路14と、調光信号LCに基づいて冷陰極管の輝度を制御するための調光制御回路12と、負荷15の電流を制御し安定化するための制御回路13と、起動信号STに基づいて放電開始に必要な電圧が発生するように制御回路13および交流発生回路14を制御するための起動回路11と、調光制御回路12の動作内容を制御するための動作制御回路16などで構成される。図1の構成は、バースト調光と電流調光の両方に共通である。」
・「【0025】まずバースト調光の場合を説明する。この場合、交流発生回路14は負荷15を間欠的に高周波駆動し、調光制御回路12は高周波電流の導通期間を調整することによって、輝度制御を行う。動作制御回路16は、起動回路11による起動開始時点から所定の起動期間だけ、調光制御回路12による間欠動作を連続動作に切換える。」

(ix)甲第9号証(特開平10-327587号公報)
・「【0002】
【従来の技術】近年、持ち運びの容易なノート型パーソナルコンピュータ等には、その表示装置として液晶表示器が広く用いられている。この液晶表示装置の内部には、液晶表示パネルを背照すべく、所謂バックライトとして冷陰極管が備えられており、その冷陰極管を点灯させるには、電池等の直流低電圧から点灯開始時1000Vrms以上、定常点灯時、500Vrms程度の交流高電圧への変換が可能な昇圧インバータが必要とされる。」
・「【0036】しかしながら、上述の手法によると、パルス電源回路8の発振期間(デューティー)を約20%?100%に調整することで、相対輝度を約10%?100%の範囲で変えることができるが、相対輝度を0%まで調整することは不可能である。その理由について説明すると、発振期間を0%、即ち圧電トランス1の駆動を停止させると、管電流が零となるため、管電流を所定値に保持しようとする電圧制御発振回路8の周波数制御により、周波数が下限値(例えば、図2の山形の特性の左端付近)まで掃引される。下限周波数では、共振周波数から大きくずれているため、圧電トランス1は冷陰極管の点灯開始に必要な高電圧を発生させることができず、再点灯できなくなってしまう。また、再点灯しても共振特性の左側では管電流を略一定にする周波数制御が正帰還となるために正常な制御が行われない。つまり、輝度を0%に調整した後、正常な動作に戻れないという問題が生じる。そこでこの問題を改善した第2の実施形態を以下に説明する。」
・「【0038】図中、9は、誤差増幅回路5から出力される制御電圧Vctrと基準電圧Vref2とを比較し、その比較結果に応じてHighまたはLowの信号を出力する電圧比較回路である。電圧制御発振回路6Aは、図5の電圧制御発振回路6と同様、誤差増幅回路5の出力電圧に応じて駆動回路7に発振信号を出力する電圧制御発振回路であるが、更に、電圧制御発振回路6Aが出力する発振信号の周波数を上限周波数(初期周波数)にするストローブ端子Pが設けられている。以下、電圧制御発振回路6Aの構成及び動作について説明する。」
・「【0040】図中、スイッチング素子6aには、誤差増幅回路5の出力電圧と内部電圧Vidとが入力されている。ここで、内部電圧Vidは、駆動回路7への発振信号を上限周波数(初期周波数)に固定するために用いる。これらの入力は、ストローブ端子Pに入力される信号の状態に応じてスイッチング素子6aにより切り換えられ、V/Fコンバータ6bに入力されて周波数に変換される。」
・「【0041】本実施形態において、電圧制御発振回路6Aは、ストローブ端子Pに“High”が入力されたときには誤差増幅回路5の出力電圧を選択し、その出力電圧に応じた周波数の信号を駆動回路7へ出力する。以下、この一連の制御動作を「通常の調光動作」と言う。一方、電圧制御発振回路6Aは、ストローブ端子Pに“Low”が入力されたときには、内部電圧Vidを選択し、その内部電圧Vidに応じた周波数の信号を駆動回路7へ出力する。」
・「【0042】ここで、上限周波数には、圧電トランス1が複数有する共振特性のうち、当該制御回路が制御に使用している共振特性における高周波数側の所定の制御範囲内であって、出力電圧が極小値(例えば、図2のfa)を示す周波数に設定するのが望ましい。これは、一般に圧電トランスがその固有振動数の整数倍毎に共振周波数を有するため、当該制御回路が調光制御に使用している共振特性における上限周波数より大きな周波数までを採用すると、次の山形の共振特性の範囲に入ってしまい、正常な制御ができなくなってしまうからである。」

(x)甲第10号証(特開平11-67474号公報)
・「【請求項1】直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、該インバータの出力電圧を入力とする圧電トランスとを備え、該圧電トランスの出力電圧を放電灯に印加する放電灯点灯装置において、無負荷時或いは始動時に圧電トランスの出力電圧を放電灯の始動可能な最低電圧以上で且つ圧電トランスが破壊する電圧よりも小さい所定電圧で制限する手段と、放電灯の確実な始動に必要な電圧印加時間以上で且つ回路保護に不十分となる時間よりも小さい所定時間経過後、放電灯の点灯が確認されない場合、圧電トランスの出力電圧を前記所定電圧よりも低下或いは出力電圧の発生を停止させる手段を備えたことを特徴とする放電灯点灯装置。」
・「【0028】次に、放電灯RLを接続しない、無負荷状態での回路動作を図2(a)(b)を用いて説明する。今回路動作を開始させると、前記と同様にまずタイマ回路14が動作し、時間をカウントし始める。同時に周波数が図2(a)に示すように低い方へスイープを始め、圧電トランス1の出力電圧が上昇する。無負荷状態であるので、出力電圧は上昇し続け、所定電圧(放電灯RLを低温でも始動できる電圧)VH に達すると(時間t1 )、分圧抵抗Ra、Rbにより分圧された電圧がダイオードD2 を介して積分器13に与えられてV-Fコンバータ12の出力周波数を高くし、出力電圧がVH 以上にならないように制御する。」
・「【0029】このように出力電圧はVH で略一定に保たれ、放電灯RLの確実な始動点灯に必要な始動電圧の印加時間≦(t2 -t1 )に達した後、回路保護に不十分な時間となる前の時間t2 でタイマ回路7がタイムアップし、V-Fコンバータ12の出力周波数を高い周波数に切り換え、出力電圧を低下させ(図2(a))。或いは時間t2 でタイマ回路14がタイムアップした時V-Fコンバータ12を停止させ、実施的に回路を休止させて出力を0にする(図2(b))。」
・「【0030】これにより、低温時においても、放電灯RLの始動点灯できる電圧を供給でき、且つ無負荷時においても、圧電トランス1の高出力状態が回路保護に不十分となる時間まで継続されることはなく、圧電トランス1の破壊、温度上昇、劣化及びインバータ11のスイッチ素子、インダクタンス素子のストレス増加、樹脂部品の絶縁劣化等が防止される。」
・「【0055】(実施形態7)本実施形態は、実施形態2の如く無負荷時に圧電トランス1からバースト状の出力電圧を所定時間発生する回路構成において……」

(xi)甲第11号証(実願平4-85672号(実開平6-50297号)のCD-ROM)
・「【請求項1】 スイッチング素子によって直流電源電圧をチョッピング制御するDC-DC変換回路を備え、該DC-DC変換回路の出力電圧をDC-AC変換して冷陰極管を駆動する冷陰極管点灯装置において、
冷陰極管の負荷電流を検出して該負荷電流に比例した負荷電流検出電圧を出力する負荷電流検出手段と、
調光手段によって調節可能であり前記負荷電流検出電圧に対する比較基準電圧として設定されてなる負荷電流基準値と前記負荷電流検出電圧とを比較して相互の偏差信号を出力する第1の比較器と、
前記DC-DC変換回路の出力電圧を検出して該出力電圧に比例した電圧検出電圧を出力する電圧検出手段と、
前記第1の比較器の出力信号に所定電圧を重畳させて前記電圧検出電圧に対する比較基準電圧として生成されてなる負荷電圧基準値と前記電圧検出電圧とを比較して相互の偏差信号を前記スイッチング素子に負帰還制御信号として出力する第2の比較器とを備えた、
ことを特徴とする冷陰極管点灯装置。」
・「【0005】
……。また、UVLOは定電圧誤動作防止回路で、基準電圧VREF が所定の異常電圧に低下するとトランジスタQ1 を作動させてコンデンサCS を放電させ、PWM比較部PWM等の作動を停止させると共に出力選択ゲートGに禁止信号OFFを与える。」
・「【0006】
インバータ回路3は、周知の共振型プッシュプルマルチバイブレータから構成されている。即ち、中間タップ311cを有する一次巻線311 と、二次巻線312 及び三次巻線313 とを備えた変圧器31、NPN型のトランジスタ32,33、抵抗器34、35、コンデンサ36,37から構成されている。」

(xii)甲第12号証(特開平11-202285号公報)
・「【請求項2】 液晶表示部の垂直ブランキング期間を含まない垂直走査期間を垂直期間T1 とし、この垂直期間T1 をN個の走査期間に区分し、このN個の走査期間の走査順をN個の発光領域の配列順と対応させた関係において、
自己の発光領域に対応する走査期間の走査が開始された時点からT1 /N期間の間、次段に配列された発光領域を発光させることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。」
・「【0021】また、バックライト部13は液晶表示部12の表示面を照明するバックライト33を備えており、このバックライト33は、液晶表示部12の垂直走査方向に対してN個、たとえば4個に区分された短冊形状の発光領域33-1,33-2,33-3,33-4を有しており、これら各発光領域33-1,33-2,33-3,33-4毎に放電ランプ34-1,34-2,34-3,34-4が設けられている。」
・「【0022】これら各放電ランプ34-1,34-2,34-3,34-4に対しては、点灯制御回路35が設けられている。この点灯制御回路35は、分周用のカウンタ36およびシフトレジスタ37、点灯駆動用のインバータ38を有しており、カウンタ36によって走査シフトクロックφ2 を分周し、シフトレジスタ37により走査タイミングパルスSTV に同期して分周された信号を各インバータ38に順次与えることによって、4個の発光領域33-1,33-2,33-3,33-4毎にそれぞれ設けられた放電ランプ34-1,34-2,34-3,34-4を、所定の周期で1本づつ順次点灯および消灯させる。したがって、バックライト33は、N個の発光領域33-1,33-2,33-3,33-4毎に順次スキャン発光する。」

(xiii)甲第13号証(米国特許第5239293号明細書、和訳は、無効審判請求書第61頁第14行?第62頁第2行の記述による。)
・「要約 液晶ディスプレイ(LCD)マトリックスパネルのバックライト用の蛍光管を可変に時間変調することによって、LCDのフリッカを減少させる方法及び装置蛍光管は、パネルの背後に置かれ、パネルの画素行と平行に並ぶ。各蛍光管への高周波サプライが、チョッピングレイトを変調した低周波周期パルス制御信号により変調される。各低周波周期パルス制御信号のチョッピングレイトの変調は、対応する制御信号によって決定される。各制御信号は、1つの発生器から供与され、2つの連続する制御信号間で、Tを画像のリフレッシュ周期、Mを蛍光管の数として、T/Mだけ位相がシフトされている。各制御信号は個別に調整され、各蛍光管に臨む画素ゾーンにおける平均光透過率と後方照度とを、実質的に逆位相とする。」(第1頁右欄ABSTRACT)
・「14図に係る実施例では、制御信号発生器3は、カウンタ31にデコーダ32を後続させて構成される。カウンタ31は、フレーム信号ST(15図)を受け、イメージスキャンの都度、カウンタをゼロにリセットする。水平同期信号SLは、カウンタをインクリメントするクロック信号を表す。カウンタ31は、出力がデコーダ回路32に向かう。受け取ったバイナリーワードに従い、デコーダ回路32は、スキャニングに同期して時間TAの間連続的に、サプライ信号ST1?STMを与える。しかも、これら信号は、ある信号と次の信号(図15のSTj-1とSTj)との間にT/Mの位相シフトを有する。」(第6欄第31行?第43行)

(xiv)甲第14号証(OHM電気電子用語事典)
・「多くの入力と単一の出力をもつような装置のこと.入力信号を順次切り換えて,同一線路で次々に送信したり,あるいは入力信号をいったん記憶し,一時点にそのうちの一つを選んで,そのまま送信するような装置である.多重化装置ともいう.」

(ウ)対比・判断
[対比]
本件訂正発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「液晶表示用のバックライト」は前者の「液晶装置のバックライト」に相当し、後者の「第1及び第2の」は前者の「複数の」に相当する。
また、後者の「LCDバックライト」と前者の「冷陰極蛍光ランプ負荷」とは「ランプ負荷」である点で共通する。
そして、後者の「点灯回路」は所定デューティーの信号をもとに調光を行うものであるから前者の「調光制御のための可変パワー調整回路」に相当し、後者の「バックライトを点灯するための所定周波数の所定デューティの信号を生成する調光回路」は前者の「ランプ負荷がオンである期間を規定する可変なパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器」に相当する。
さらに、後者の「フレーム信号に同期した信号」は前者の「スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号」に相当するので、後者の「フレーム信号に同期した信号を発振するVCO回路」は前者の「スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタ」に相当するものといえ、また、本件訂正特許明細書の段落【0017】に「用語“バーストモード”は、一般的には、PWM信号のパルス幅に基づき負荷に供給されるパワーを変調するのにPWM信号を用いた、負荷へのパワーの調整を意味する」と記載されていること、及び、同書の段落【0032】に記載された図8の説明からみて、高周波が重畳されたものは電力調整制御信号であって、「位相シフトバースト信号」は、可変パルス幅Lを有する矩形波であるから、後者の、調光回路が生成した「所定デューティの信号」が前者の「バースト信号」に相当するものといえる。
したがって、後者の「VCO回路が発振する信号をもとに生成された所定デューティの信号の位相をシフトさせる位相調整回路」は前者の「パルス変調器および周波数セレクタに接続されているとともに、パルス信号及び周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、異なる開始タイミングである、複数の…ランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイ」に相当する。
そして、後者の「所定デューティの信号をもとに前記各LCDバックライトを点灯させるドライブ回路」と前者の「前記位相シフトバースト信号を受けるために前記位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの前記冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの位相アレイドライバー」とは、「ランプ負荷のためにパワー調整信号を発生する位相アレイドライバー」との概念で共通する。
また、後者の「バックライトを点灯する回数を約2倍にし」と前者の「基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を周波数選択信号として発生し」とは、「ランプ負荷を点灯する周波数を所定係数倍し」との概念で共通する。
さらに、後者の「各ドライブ回路は、180°位相が異なる二つの信号を受けて、180°位相の異なる二つの各所定デューティの信号を生成してLCDバックライトをドライブして点灯する」と前者の「各位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの高電圧ACパワー調整信号を発生し、前記位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給する」とは、「各位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる信号でランプ負荷へ電力を供給する」ものである点で共通する。
したがって両者は、
[一致点]
「液晶装置のバックライトに用いられる複数のランプ負荷の調光制御のための可変パワー調整回路であって、該回路は、
前記ランプ負荷がオンである期間を規定する可変なパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と、
スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタと、
前記パルス変調器および前記周波数セレクタに接続されているとともに、前記パルス信号及び前記周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、異なる開始タイミングである、前記複数のランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイと、
ランプ負荷のためにパワー調整信号を発生する位相アレイドライバーとを具備し、
前記周波数セレクタはランプ負荷を点灯する周波数を所定係数倍し、
前記各位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの前記位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる信号でランプ負荷へ電力を供給する可変パワー調整回路。」
で一致し、
[相違点]
(i)「ランプ負荷」が本件訂正発明1では「冷陰極蛍光ランプ負荷」であるのに対し甲1発明では「LCDバックライト」である点、
(ii)「位相アレイドライバー」に関し、本件訂正発明1では「少なくとも四つが」異なる開始タイミングである「位相シフトバースト信号を受けるために位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの」位相アレイドライバーを具備しているのに対し甲1発明では「所定デューティーの信号をもとに前記各LCDバックライトを点灯させる」ものである点、
(iii)本件訂正発明1では、冷陰極蛍光ランプ負荷が「高電圧ACパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光し」と特定しているのに対し、甲1発明ではこのような特定をしていない点、
(iv)「ランプ負荷を点灯する周波数を所定係数倍」する「周波数セレクタ」が、本件訂正発明1では、「基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を周波数選択信号として発生し」ているのに対し、甲1発明では、「バックライトを点灯する回数を約2倍に」するものである点、
(v)本件訂正発明1では「パルス信号のパルス幅は、周波数選択信号の周期より小さな値であり」と特定しているのに対し、甲1発明では、そのような特定がされていない点、
(vi)「位相遅延アレイ」に関し、本件訂正発明1が「周波数選択信号の周期を有しパルス信号のパルス幅を有する信号を、各冷陰極蛍光ランプ負荷を独立して制御するための位相シフトバースト信号として発生するものであり」と特定しているのに対し、甲1発明では、そのような特定をしていない点、
(vii)本件訂正発明1では「高電圧ACパワー調整信号は、位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有」するものと特定しているのに対し、甲1発明ではそのような特定をしていない点、
(viii)「180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる信号でランプ負荷へ電力を供給する」「各位相アレイドライバー」に関し、本件訂正発明1が「180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの高電圧ACパワー調整信号を発生」するのに対し、甲1発明では「各ドライブ回路は、180°位相が異なる二つの信号を受けて、180°位相の異なる二つの各所定デューティーの信号を生成してLCDバックライトをドライブして点灯」するものである点、及び
(ix)本件訂正発明1が、「位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給するためのランプ回路を有し、
各前記位相アレイドライバは近接して配置されており、
前記位相アレイドライバは、第1位相アレイドライバと第2位相アレイドライバとを少なくとも有して構成され、
前記第1位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第1高電圧ACパワー調整信号を出力する第1出力端と、前記第1高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第2高電圧ACパワー調整信号を出力する第2出力端とを有し、
前記第2位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第3高電圧ACパワー調整信号を出力する第3出力端と、前記第3高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第4高電圧ACパワー調整信号を出力する第4出力端とを有し、
前記第1高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第4高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、該第1出力端、第2出力端、第3出力端、第4出力端の順序で配置されており、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、それぞれ、前記冷陰極蛍光ランプ負荷のそれぞれの一つに接続されている」との構成を有するのに対し、甲1発明はそのような構成を有していない点
で相違している。

[相違点に対する判断]
相違点(i)について
液晶表示装置のバックライトに冷陰極蛍光ランプ負荷を用いる構成は、甲第2号証(段落【0002】「従来、液晶の裏側に配置されるバックライトとしては、通常、冷陰極管が使用されている。」【0003】「7は冷陰極管であって、いわゆる冷陰極蛍光灯である。」)、甲第8号証(段落【0002】「冷陰極管は、外径が細く長寿命である特徴を有し、液晶表示パネルのバックライト光源や照明器具として広く応用されている。」)、甲第9号証(段落【0002】「液晶表示パネルを背照すべく、所謂バックライトとして冷陰極管が備えられており、」)等に記載されており慣用技術と認められるので、引用発明において負荷であるランプとして、冷陰極蛍光ランプを用いることで相違点(i)に係る本件訂正発明1の構成とすることは当業者が容易になし得たことと認められる。

相違点(ii)、(iii)、(vi)及び(vii)について
液晶装置のバックライトとして4つ以上のランプを備えること、及び、これらのランプを同時に点灯することによるリップルを防止するために、4つ以上のランプを異なる開始タイミングで4つ以上の点灯回路(位相遅延アレイに相当)により点灯することは、甲第12号証(段落【0022】)、甲第13号証(第12図)等に記載されており周知技術と認められる。
さらに、甲1発明の「所定デューティーの信号」は調光のためにランプ負荷への電力を調整する「パワー調整信号」といえるものであり、「パワー調整信号」が「位相シフトバースト信号のパルス幅に対応した信号区間を持ち、位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有」することは、甲第4号証(第6図:ランプ印加電圧波形(パワー調整信号に相当)が出力ポートパルス波形(位相シフトバースト信号に相当)のパルス幅に対応した信号区間を持ち、前記波形の位相値に等しい位相値を有することが示されている。),甲第9号証(図4:圧電トランスの出力電圧(パワー調整信号に相当)がパルス電圧(位相シフトバースト信号に相当)のパルス幅に対応した信号区間を持ち、前記パルス電圧の位相値に等しい位相値を有することが示されている。)に記載されているように周知技術である。
そして、甲1発明においても位相調整回路(位相遅延アレイ)の出力をそのままドライブ回路(位相アレイドライバー)の駆動信号として用いることで「位相シフトバースト信号のパルス幅に対応した信号区間を持ち、位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有」する構成となるとともに、ランプ負荷がパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光するものと認められる。
また、「高電圧」は相対的なものであるから実質的な相違とはいえない。
さらに、甲1発明においても各ランプ負荷はそれぞれが具備するドライブ回路により独立して制御する点では相違がない。
してみると、引用発明において少なくとも四つのランプ負荷を異なる開始タイミングで点灯させると共に、「パワー調整信号(高電圧ACパワー調整信号)」が「位相シフトバースト信号のパルス幅に対応した信号区間を持ち、位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有」するものであり、二つ以上の「位相アレイドライバ」が「位相シフトバースト信号を受けるために位相遅延アレイに接続され」た構成とすることで相違点(ii)、(iii)、(vi)及び(vii)に係る本件訂正発明1の構成とすることは、当業者にとって容易である。

相違点(iv)について
本件訂正発明1において、「周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)」を用いることの目的は、本件訂正特許明細書の段落【0005】、【0008】等に記載される、複数のライトの点灯タイミングを異ならせることでフリッカ/ノイズ発生を解決することにあると認められる。してみると、その「k倍化」は基準信号の入力部と位相遅延アレイとの間で行われれば、その目的を達成できるものであり、「周波数セレクタ」で「k倍化」することにより格別な効果を奏するものと認めることができない。
したがって、甲1発明において、周波数の2倍化(2は、本件訂正発明1の周波数セレクタに相当する発振回路が発生する信号(基準信号に相当)の倍係数である。)を周波数セレクタで行うことで相違点(iv)に係る本件訂正発明1の構成とすることは当業者にとって容易であるといわざるを得ない。

相違点(v)について
調光制御のための「パルス信号のパルス幅」を、「周波数選択信号の周期より小さな値」とすることは、甲第4号証(図4,5及び4頁左下欄7行?右下欄10行)及び甲第9号証(段落【0036】)に記載されているように周知技術であり、また、甲1発明においても一般的な課題である調光制御のためには「周波数選択信号の周期を有しパルス信号のパルス幅を有する」信号で駆動することは自明の事項といわざるを得ないので、甲1発明において自明の駆動手段に上記周知技術を採用して相違点(v)に係る本件訂正発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものと認められる。

相違点(viii)及び(ix)について
甲各号証には、4つ以上のランプ負荷に供給する信号を、位相アレイドライバーに相当する回路により位相を異ならせて供給する構成として、相違点(viii)に係る構成で特定される、一つの位相アレイドライバーが180°位相の異なる二つの信号を受けて、180°位相の異なる二つの信号を発生してランプ負荷に供給する点については記載も示唆もされていない。
また、甲各号証には、相違点(ix)に係る構成で特定される位相アレイドライバーの配置、及び位相アレイドライバーの配列に対応した複数の高電圧ACパワー調整信号の位相の関係について、記載も示唆もされていない。
そして、本件訂正発明1は上記相違点(viii)及び(ix)に係る構成により本件特許明細書に記載の、リップル電流及びノイズの発生を排除するとともにフリッカを低減させるという効果を奏するものと認められる。

したがって、本件訂正発明1が上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとする理由によって、本件訂正発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができものであるとすることができない。

(2-2)本件訂正発明2ないし9について
次に、請求項1を引用していることで、請求項1の減縮に伴って、実質的に減縮されることとなった本件訂正後の前記請求項2ないし9に記載された発明(以下「本件訂正発明2ないし9」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

(ア)本件訂正発明2ないし9の内容
本件訂正発明2ないし9は、次のとおりのものである。
「【請求項2】
請求項1に記載の回路において、前記複数の位相シフトバースト信号の各位相シフトバースト信号は、各負荷を調整することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項3】
請求項1に記載の回路において、前記パルス変調器は、前記パルス幅を選択するための可変セレクタを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項4】
請求項3に記載の回路において、前記可変セレクタはDC信号を提供するディマー回路と三角波を発生する発振器とを有し、前記パルス幅が前記DC信号と前記三角波との交点によって決まることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路において、前記ディマー回路は更に、前記DC信号のDC値を設定するための調光セレクタと、前記パルス幅変調信号のパルス幅を発生するために用いられる、前記DC信号と前記三角波の前記交点を決めるための極性セレクタとを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項6】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、前記位相シフトバースト信号の少なくとも二つが異なる開始タイミングを有するように、前記複数の位相シフトバースト信号の各位相シフトバースト信号のタイミングを取るためのカウンタを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、少なくとも一つの位相遅延値を発生するための位相遅延発生器を有していることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項8】
請求項7に記載の回路において、前記少なくとも一つの位相遅延値は一定値であることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項9】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、発生すべき前記位相シフトバースト信号の数を決定するための少なくとも一つの選択信号入力を有することを特徴とする可変パワー調整回路。」

(イ)判断
これらの発明はいずれも本件訂正発明1の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものである。そうすると、本件訂正発明1が、前記「3(2-1)(ウ)」に記載したとおり上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとする理由によって特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとすることができないので、本件訂正発明2ないし9も同様の理由により、上記甲各号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとする理由によって特許出願の際独立して特許を受けることができないものとすることはできない。

(2-3)その他の理由について
また、他に本件訂正発明1ないし9について、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を発見しない。

4.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
順次バーストモード活性化回路
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶装置のバックライトに用いられる複数の冷陰極蛍光ランプ負荷の調光制御のための可変パワー調整回路であって、該回路は、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷がオンである期間を規定する可変なパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と、
スクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号を基準信号として受け、該基準信号に基づき周波数選択信号を発生する周波数セレクタと、
前記パルス変調器および前記周波数セレクタに接続されているとともに、前記パルス信号及び前記周波数選択信号を受け、それぞれが前記周波数選択信号によって決まる周波数を有し、少なくとも四つが異なる開始タイミングである、前記複数の冷陰極蛍光ランプ負荷のための複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイと、
前記位相シフトバースト信号を受けるために前記位相遅延アレイに接続されているとともに、少なくとも4つの前記冷陰極蛍光ランプ負荷への電力を調整するための高電圧ACパワー調整信号であって、前記位相シフトバースト信号のパルス幅に対応したACパワー信号区間を持つ少なくとも4つの高電圧ACパワー調整信号を発生する少なくとも二つの位相アレイドライバーとを具備し、
前記冷陰極蛍光ランプ負荷は、前記高電圧ACパワー調整信号をそれぞれ受けるとともに、前記高電圧ACパワー調整信号の電力に基づいて発光し、
前記周波数セレクタは、前記基準信号の周波数をk倍化した信号(kは基準信号の倍係数)を前記周波数選択信号として発生し、
前記パルス信号のパルス幅は、前記周波数選択信号の周期より小さな値であり、
前記位相遅延アレイは、前記周波数選択信号の周期を有し前記パルス信号のパルス幅を有する信号を、各前記冷陰極蛍光ランプ負荷を独立して制御するための前記位相シフトバースト信号として発生するものであり、
前記高電圧ACパワー調整信号は、前記位相シフトバースト信号の位相値に等しい位相値を有しており、
各前記位相アレイドライバーは、180°位相が異なる二つの前記位相シフトバースト信号を受けて、180°位相の異なる二つの前記高電圧ACパワー調整信号を発生し、
前記位相アレイドライバーの少なくとも一つは、対応する前記冷陰極蛍光ランプ負荷へ電力を供給するためのランプ回路を有し、
各前記位相アレイドライバは近接して配置されており、
前記位相アレイドライバは、第1位相アレイドライバと第2位相アレイドライバとを少なくとも有して構成され、
前記第1位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第1高電圧ACパワー調整信号を出力する第1出力端と、前記第1高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第2高電圧ACパワー調整信号を出力する第2出力端とを有し、
前記第2位相アレイドライバは、前記高電圧ACパワー調整信号の一つである第3高電圧ACパワー調整信号を出力する第3出力端と、前記第3高電圧ACパワー調整信号とは180°位相が異なる第4高電圧ACパワー調整信号を出力する第4出力端とを有し、
前記第1高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第3高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第2高電圧ACパワー調整信号の位相は、前記第4高電圧ACパワー調整信号の位相よりも進んでおり、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、該第1出力端、第2出力端、第3出力端、第4出力端の順序で配置されており、
前記第1出力端と第2出力端と第3出力端と第4出力端とは、それぞれ、前記冷陰極蛍光ランプ負荷のそれぞれの一つに接続されていることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路において、前記複数の位相シフトバースト信号の各位相シフトバースト信号は、各負荷を調整することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項3】
請求項1に記載の回路において、前記パルス変調器は、前記パルス幅を選択するための可変セレクタを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項4】
請求項3に記載の回路において、前記可変セレクタはDC信号を提供するディマー回路と三角波を発生する発振器とを有し、前記パルス幅が前記DC信号と前記三角波との交点によって決まることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項5】
請求項4に記載の回路において、前記ディマー回路は更に、前記DC信号のDC値を設定するための調光セレクタと、前記パルス幅変調信号のパルス幅を発生するために用いられる、前記DC信号と前記三角波の前記交点を決めるための極性セレクタとを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項6】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、前記位相シフトバースト信号の少なくとも二つが異なる開始タイミングを有するように、前記複数の位相シフトバースト信号の各位相シフトバースト信号のタイミングを取るためのカウンタを有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、少なくとも一つの位相遅延値を発生するための位相遅延発生器を有していることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項8】
請求項7に記載の回路において、前記少なくとも一つの位相遅延値は一定値であることを特徴とする可変パワー調整回路。
【請求項9】
請求項1に記載の回路において、前記位相遅延アレイは、発生すべき前記位相シフトバースト信号の数を決定するための少なくとも一つの選択信号入力を有することを特徴とする可変パワー調整回路。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、順次バーストモード活性化回路に関する。より具体的には、本発明は、複数の負荷の活性化及び強度変動における動作の調和を改善するための回路を提供するものである。本発明は、強度変動がある複数の負荷が用いられるところにはどこにでも利用することができるものである。さらに、本発明は、複数の蛍光ランプ、特に、複数の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)が、例えば、テレビ、コンピュータ画面、及び液晶装置のバックライトなどに用いられるところに有効に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
種々の発光及び調光回路、並びにランプの発光又は調光技術、または負荷の強度を可変するいろいろな技術が知られている。特に、液晶表示器のバックライトとして用いられる蛍光ランプを調光する方法は、電圧制御型調光装置として知られている。電圧制御型調光装置は、電流制御と電流帰還制御を含むものである。電圧制御調光装置によれば、調光は、インバータからの出力電圧(即ち、蛍光ランプへの印加電圧)を調節するためにインバータへの入力電圧を変えることによって実行される。蛍光ランプは放電エネルギを用いて光を発するので、蛍光ランプへの印加電圧が低すぎるときは、放電が不安定となる。そのために、電圧制御型調光装置では、大きな調光範囲とすることはできない。可能な調光比はたかだか2:1である。ここで、調光比はランプ装置の調光可能な範囲を表わすものである。
【0003】
もう一つの蛍光ランプ調光技術は、“バーストモード”調光装置である。この装置では、ランプにパワーを供給している交流信号が、ランプに与えられるパワーを減らすために可変幅のノッチでカットされ、それによって所望の調光を提供するようになっている。ランプに供給されるACパワーの幅が小さくなればなるほど、ランプが動作する発光が低くなる。パルスの幅を可変することができる一般的な装置は、商業的に入手可能なパルス幅変調器(“PWM”)である。
【0004】
バーストモードの調光では、ライトオン期間とライトオフ期間との間の可変時間比でもって光源を周期的に点滅させることによって調光が行われる。したがって、この装置は、先に述べた電圧制御型調光方法に比較すると、潜在的には100:1以上の広い調光比を提供するものである。
【0005】
米国特許第5,844,540号は、LCD(液晶表示装置)における、バックライト制御機能のための発光/調光回路を開示する。“PWM調光駆動回路”は、液晶パネルの裏面にある蛍光ランプにインバータを通して供給される電流の大きさを変調する。この回路の一つの目的は、バックライト即ち蛍光ランプとLCDの間の発光の不一致、即ちフリッカの発生を防ぐことであり、そして他の目的は、ノイズ音を減少させることである。PWM及びインバータ回路は、ライトオンとライトオフ期間の可変時間比をもって、光源を周期的に点滅させるように、光源駆動手段を変調するものであって、それにより、異なる光の平均強度を提供することができる。ライトオン期間は、PWM回路に入力を提供する“パルス計数回路”によって決まる。このパルス計数回路は、LCDパネル水平同期信号のパルスの数を計数し、バックライトがその発光信号をLCDのそれと同期させるためのオン期間を提供する。さらに、光源の発光オン-オフ周波数は、LCDパネルの水平同期信号の水平駆動周波数を割ったものである。そうすることにより、LCDパネル表示とバックライトを互いに同相にすることができる。この回路は、“バーストモード”調光装置を提供するものではあるが、ただし、単一の蛍光ランプのためのものに過ぎない。この回路は更に、LCDとバックライトの間の発光の不一致を防ぐために、バックライトの発光とLCDの発光の同期を提供する。蛍光ランプ、特に冷陰極蛍光ランプは、その初期通電時は、インピーダンスが高いことに注目すべきである。もし複数のCCFL(冷陰極蛍光ランプ)が用いられていれば、一つの光源で全てのランプを同期させることはリップル電流を生じることになるであろう。リップル電流は、インバータの性能に悪い影響を与え、フリッカ発生の原因となる。その理由は、多数のCCFLが同期されると、電源は、全てのCCFLを同時にターンオンするために十分なパワーを提供することが必要になるからである。電源から提供されている現在のパワーは、その限られたダイナミックレスポンスによって供給電圧を降下させてしまう。したがって、PWM信号の使用、即ち“バーストモード”調光は、それ自体は、複数のランプ構成においてフリッカ/ノイズ発生の解決を提供することにおいて有効的なものではない。
【0006】
複数のCCFLを用いたバーストモード調光回路において、フリッカ又はノイズを補償するために用いられる一つの技術的方法は、電流リップルを生じさせる電力サージを吸収するために、電源に直列にキャパシタを設けることである。この方法における不都合な点は、ランプが各バーストモードのサイクル中にターンオフすると、本来的にインダクタンス成分を有する電源線は、キャパシタを充電する電流を流し続け、その結果、出力電圧を上昇させることである。
【0007】
複数の負荷を活性化させる従来の技術は、その負荷が蛍光ランプでない場合には、複数のランプを活性化することによって生じるフリッカとかノイズの問題には関係ないことである。
【0008】
【発明の概要】
したがって、本発明は、複数のバーストモード信号間に位相シフトを発生させることにより、複数の負荷のための順次バーストモード活性化回路を提供することにより従来技術における不都合な点を解決するものである。複数のバーストモード信号が負荷に供給されるパワーを調整するために用いられ、ここで、各負荷は、少なくとも二つの負荷が同時にターンオンされないように、個別の位相シフトバースト信号によって制御される。本発明の回路は、複数の負荷を同時にターンオンすることによる瞬間的な高リップル電流及びノイズの発生を排除することにより、従来の調整回路での欠点を克服するものである。
【0009】
本発明によれば、あるパルス幅を有するパルス信号を発生するパルス変調器と、周波数選択信号を発生する周波数セレクタと、前記パルス信号と周波数選択信号を受け、複数の位相シフトバースト信号であって、少なくとも二つの該位相シフトバースト信号は異なる開始タイミングである位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイとからなる、可変パワーレギュレータである順次バーストモード活性化回路が提供される。
【0010】
本発明による方法の態様によれば、位相シフトバースト信号を発生する方法が提供される。該方法は、あるパルス幅を有するパルス信号を発生する過程と、周波数選択信号を発生する過程と、前記周波数選択信号の周波数と前記パルス信号のパルス幅を有する複数の位相シフトバースト信号を発生する過程と、前記位相シフトバースト信号の内の少なくとも一つの信号を、前記位相シフトバースト信号の内の少なくとも一つの他の信号とは異なる開始タイミングを有するように遅延させる過程とを具備する。
【0011】
本発明はまた、位相シフトバーストモード調光装置を提供する。該調光装置は、パルス幅変調信号を発生するパルス幅変調器と、前記パルス幅変調信号のパルス幅を選択する可変セレクタと、前記パルス幅変調信号と前記周波数選択信号とを受け、少なくとも二つの前記パルス幅変調信号の間に位相遅延を生じさせることにより、複数の位相シフトバースト信号を発生する位相遅延アレイとを具備する。
【0012】
本発明の一実施例では、複数の位相シフトバースト信号を用いて複数の負荷への電力の供給が制御される。さらに、各位相シフトバーストモード信号間に一定の又は可変の位相遅延が発生させられる。例示的装置では、本発明は、複数のランプのための順次バーストモード調光回路を提供する。特に、本発明の例示的装置は、複数の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)のための順次バーストモード調光回路を提供する。操作者又はソフトウェアが、PWM信号のパルス幅を変化させ、それにより、ランプに供給される電力が決められる。基準信号は、PWM信号の周波数を選択するために2倍にされる。この選択された信号は、ランプがターンオン及びターンオフする周波数を決定する。カウンタとクロックを用いることにより、複数の冷陰極蛍光ランプCCFLのために、前記バースト信号から複数の位相シフトバースト信号が発生される。各位相シフトバースト信号は、少なくとも二つのランプが位相のずれたバースト信号を受けるように、一定の位相シフト量、位相がシフトされる。したがって、各ランプの順次バーストモード活性化が行われる。最後に、例示的装置においては、複数の位相アレイドライバが、それぞれに対応した複数のランプに電力を供給し且つその点灯強度を制御する。複数の位相アレイドライバのそれぞれは、対応するランプからの帰還を対応する位相シフト信号と組み合わせて利用する。
【0013】
本発明の他の例示的装置は、バックライト負荷のための周波数選択信号であり、基準としてテレビ受像機のブラウン管(CRT)の通常の画面更新又は掃引周波数に従った周波数選択信号を発生する周波数セレクタを有する。更に他の例示的装置では、位相遅延アレイは、二つの位相シフトバースト信号が異なる開始タイミングを持たないように、複数の位相シフトバースト信号を発生する。そのような実施例では、位相遅延アレイは、一定又は可変の位相遅延を生じ、その結果、位相シフトバースト信号のそれぞれは、位相シフトバースト信号の他のものからそのような位相遅延分だけ遅延される。
【0014】
以下の詳細な説明は、本発明の好適実施例の装置及びその方法について行うが、当業者であれば、本発明がそれらの装置及び方法に限定されるものではないことは明らかである。むしろ、本発明は、実施例よりも広いものであり、その範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。全ての図面において、同一参照番号又は参照符号は、同一又は類似する構成要素を示すものである。
【0016】
以下の説明は、複数の冷陰極蛍光ランプ(CCFL)のためのバーストモード調整回路について行う。CCFLは、例えば、表示装置の広いパネルの内部に設けられる。典型的には、広いCCFLパネルは、それぞれ少なくとも6個のランプを用い、本発明は、6個又はそれ以上の数のCCFLを用いたバーストモード活性化回路について説明する。もちろん、本発明は最小数の負荷への適用に限られるものではなく、また、CCFL又は特定の形式の負荷への適用に限られたものではない。
【0017】
図1は、本発明の例示的な順次バーストモード信号発生装置10の詳細ブロック図である。順次バーストモード信号発生装置10は、位相シフトバースト信号50を発生し、これらのバーストモード信号をドライバ100に送る。ドライバ100は、時間遅延調整されたパワーを複数の負荷18に提供する。本明細書で用いられ、そして従来から知られている用語“バーストモード”は、一般的には、PWM信号のパルス幅に基づき負荷に供給されるパワーを変調するのにPWM信号を用いた、負荷へのパワーの調整を意味する。装置10は、パルス変調された信号36を発生する変調器12と、パルス変調信号の周波数を設定するための周波数選択信号40を発生する周波数セレクタ14と、複数の位相シフトバースト信号50を発生する位相遅延アレイ16を有する。複数の負荷18を複数の位相シフトバースト信号50によって独立して制御することにより、単一の高パワー入力の必要性が複数の低パワー入力に置き換わることにより、本発明の装置10は、従来の複数負荷パワー調整回路における前述した問題を解決するものである。
【0018】
図2は、本発明の装置10のより詳細なブロック図である。パルス変調器12は、パルス幅Lで、そのデューティサイクル(即ち、パルス幅)が負荷18へ供給されるパワーを決めるPWM(パルス幅変調)信号36を発生する。周波数セレクタ14は、周期Tの独立した基準信号38に基づき、PWM信号36の周波数を選択する。例示的実施例では、以下の説明で明らかになる通り、周波数セレクタ14は、(周期Tの)基準信号38の周波数を係数kで乗算し、(周期T/kの)複数信号40を発生するマルチプライヤからなる。ここで、複数信号40は、PWM信号36の周波数を設定するために用いられる。例えば、システム10が複数のCCFLを制御するために用いられる場合、同期信号、即ちVsyncを基準信号38として用いてもよい。例えば、CCFLがテレビ、ビデオ、又はLCD表示器に用いられる場合、Vsync38は、オンスクリーン表示の掃引に用いられるビデオ信号である。Vsyncを用いることが望ましい。なぜならば、任意の基準信号がスクリーン掃引周波数と無関係に選択されると、“ビート”が生じるかも知れないからである。“ビート”とは、当業者において、以下のような現象と理解されている。ビデオ表示は、ブラウン管(CRT)によってテレビモニターを横切って伝達される。CRTは、一画面の表示の伝達が終了すると、スタート位置に戻り、そして、次の画面表示の伝達へと進む。画面表示は、Vsyncによって規定される周波数でリフレッシュされる。一画面の伝達から次の画面開始までの期間は、何の情報も放送されておらず、テレビ画面は暗い状態に維持される。もしこの期間に光が導入されると、開示位置へのCRTの遷移が、異なる画面に重なる目に見える縞模様の線を現わすことになるかも知れない。これが、従来から知られている“ビート”である。もしランプのバーストモード制御の周波数がVsync周波数に従ったものでない場合、上で説明した期間の間に光が導入され、それによりビートの発生を許してしまうことになる。さらに、スクリーン掃引周波数は乗算される。なぜならば、CCFL周波数がスクリーン掃引周波数と同じで乗算されていないと、同時に発生した光の強度がフリッカ発生の原因となるかも知れないからである。したがって、Vsyncは、上の例示的適用例では、基準信号として好ましいものである。
【0019】
複数信号40を発生するために基準信号38が乗算されるようになった例示的実施例では、複数信号40の周期T/k(kは信号38の倍係数)が信号36の周期Lよりも大きいとき、即ち、信号38の周期Tがk*Lより大きいとき、各バースト信号50は別々のパルスになる。もし周期Tがk*Lと同等又は小さいと、各バースト信号50は高DC信号(即ち、各バースト信号50はフルパワー設定となる)となる。このことは下で更に説明する。図2の実施例では、周波数セレクタ14は、独立基準信号Vsync38の周波数を2倍にし、それにより、周期T/2の周波数選択信号40を発生することになる。信号36と信号40は共に、以下に説明する通り、複数の位相シフトされたバースト信号50を発生するための位相遅延アレイ16に入力される。
【0020】
位相遅延アレイ16は、連続した位相シフトバースト信号50_(1),50_(2),…,50_(n)の間の位相遅延値Dを決める位相遅延発生器52と、負荷の数を決める負荷選択回路58、及び複数の位相遅延されたパルス幅変調信号50_(n)を発生するための回路54を有する。これらの構成要素のそれぞれは、以下に詳細に説明する。
【0021】
図5(a)及び図5(b)を参照すると、選択回路58への“選択”信号入力の表が示されている。これらの入力は、本発明の回路10に接続される負荷18の数nの値を決めるのに用いられる。nはまた、位相シフトバースト信号50の数を決めるものである。例示的実施例では、選択回路58は、入力“選択”信号の二進値に基づき位相遅延発生器52へ適当な信号を発生するための状態マシンとして作動する。図5(a)は、最小限である6個のCCFLが用いられた本発明の実施例での“選択”信号の発生を図示したものである。この表は、それぞれCCFLの数を表す二進値を発生する二つの入力である、Sel0とSel1を有する。この表において、6個のCCFLは、Sel0=0とSel1=0によって表わされる。これより数が多いCCFL(2個単位で増える)はこの表の中に規定されている。図5(b)の表は、上記図5(a)の例が、最小限の6個より少ない数の、及び最大限の12個より多い数のCCFLを含むように一般化したものである。一般的には、より多くの数の選択信号58は、より多くの数の負荷、即ち、大きいnの使用を可能とする。本実施例の場合、追加の選択入力Sel2が設けられており、これにより、追加の負荷が規定できる。以下の説明で明らかとなる理由により、負荷としてCCFLを用いた実施例では、回路内に偶数個のランプが規定されることが好ましい。勿論、当業者であれば、図5(a),図5(b)の表及び選択回路58は、如何なる数の負荷を規定するのにも適用できることが理解できるものである。
【0022】
図3は、変調器12のパルス幅の信号波形を示す。パルス幅変調器12は、可変セレクタ24によって設定されるパルス幅Lのパルス幅変調信号36を発生する。可変セレクタ24は、PWM信号のパルス幅Lを変化させることにより、負荷に供給されるパワーを可変させる(即ち、調光させる)。可変セレクタ24は、所望とする調光設定に比例してDC信号30の値を可変する。例示的実施例では、可変セレクタ24は、調光セレクタ26と極性セレクタ28とを有する。極性セレクタ28については、以下で更に説明する。発振器22は、パルス幅変調器12への入力となる所定周波数の三角波34を発生する。図3に示す例示的実施例では、各三角波34の立上り25a及び立下り25bとDC電圧30が交差することによって画定される交点は、各パルスの立上りエッジと立下りエッジ、したがって、パルス幅変調信号36のパルス幅Lを決定する。本実施例では、DC信号30の値が高くなるとパルス幅Lの小さいパルス信号を、DC信号30の値が低くなるとパルス幅Lの大きいパルス信号を発生する。他の実施例では、各立下りエッジ25bと次の立上りエッジ25cとの交点が、パルス幅Lの信号を発生するのに用いられる。この他の実施例では、DC信号30の値が高くなるとパルス幅Lの大きいパルス信号を、DC信号30の値が低くなるとパルス幅Lの小さいパルス信号を発生する。極性セレクタ28は、DC信号30と三角波34のどの交点を用いてパルス幅Lのパルス信号を発生させるかを決定する。このように、パルス幅変調器12は、ユーザセレクション24によって決定されるパルス幅LのPWM信号36を発生する。
【0023】
図4は、位相遅延アレイ16の詳細なブロック図及び波形図である。位相遅延アレイ16は、位相遅延値Dを決定し、L,T/2及びnの関数として位相シフトバースト信号50を発生する。位相遅延アレイは、入力信号として、クロック信号15、パルス幅Lを有するPWM信号36、セレクト信号入力58、及び周波数が2倍化された、即ちT/2の周期を有する基準信号40を受ける。Dの値は、各位相シフトバースト信号50の間の位相シフトが一定、即ちDが一定となるように決められることが好ましい。さらに、位相遅延Dは、最後の位相シフトバースト信号と最初の位相シフトバースト信号との間で反復する。即ち、n個の位相シフトバースト信号50がある場合、位相シフトバースト信号n,50_(n)の各パルスpが、位相シフトバースト信号1,50_(1)の次のパルスp+1から位相シフト量Dだけ進んでいることが好ましい。好適実施例においてこうするためには、位相遅延Dは(T/2)/nに等しく、ここで、Tは基準信号38の周期、T/2は信号40の周期、nは位相シフトバースト信号50の数、各位相シフト信号50の周波数は信号40の周波数に等しい。当業者であれば、これに代えて、本発明は、位相遅延値が一定ではなく負荷18の幾つか又は全てが異なるタイミングでターンオンされるような、可変の位相遅延でも構わないことが分かる。そのような代替実施例は、本発明の範囲に含まれるものである。
【0024】
例示的実施例では、回路54は、n個の位相シフトバースト信号50を発生するための、クロック入力15を有するカウンタ56を含む。具体的には、カウンタ56は、直列に接続されたトグル動作をするフリップフロップで構成することができ、時刻tのクロックパルスが第1位相シフトバースト信号50_(1)の第1パルスをトリガし、また時刻t+Dのクロックパルスが第2位相シフトバースト信号50_(2)の第1パルスpをトリガする。同様に、時刻t+2Dのクロックパルスは、第3位相シフトバースト信号50_(3)の第1パルスをトリガし、時刻t+(n-1)*Dのクロックパルスは、n番目の位相シフトバースト信号50_(n)の第1パルスをトリガする。その後すぐに、時刻t+(n-1)*Dのクロックパルスは、第1位相シフトバースト信号50_(1)の第2パルスをトリガする。各信号の周期はT/2(Tは独立信号38の周期)であるので、[(t+nD)-t]はT/2と等しい。換言すれば、n*DはT/2に等しく、またはDは(T/2)/nに等しい。
【0025】
さらに、各位相シフトバースト信号50はパルス幅Lを有する。そのために、m番目の位相シフトバースト信号50_(m)の第1パルスは、可変パルス幅Lの期間、時刻t+(m-1)Dで開始するクロック信号をサンプリングすることによって発生される。ここで、mは1より大きくnより小さい整数である。それに続く位相シフトバースト信号50は、上記と同一理論により発生する。したがって、第1位相シフトバースト信号50の第1パルスは、クロックパルスt,t+1,t+2,…,t+(L-1)から発生する。前に記した通り、各位相シフトバースト信号50に対して異なるパルスを発生するためには、Lは、T/2より小さくなければならない。すなわち、LがT/2より小さくないと、各位相シフトバースト信号50は、区別がつかないパルスであるDC信号となる。
【0026】
図6は、図1-図5を参照して説明した例示的実施例の各信号をまとめたものである。信号34は、発振器22(図3参照)によって発生される三角波である。DC信号30は信号34に重ねられ、所望の調光とするために、シフトアップ又はダウン、即ち、増加又は減少される。信号34と直流信号30の交点は、パルス幅変調信号36の各パルスの立上りエッジ及び立下りエッジを決め、従って、パルス幅変調信号36の各パルスのパルス幅Lを決める。信号36のパルス幅Lは、位相シフトバースト信号50(即ち、50_(1)?50_(n))を発生するために利用され、信号36の周波数がそのために利用されるのではない。位相シフトバースト信号50の周波数は、周期Tの独立基準信号Vsync38によって決まる。Vsync38は、周期T/2、即ち周波数2/Tの信号40を発生するために2倍化される。位相シフトバースト信号50の数は、用いられる負荷の数に関する入力によって決められる。例示実施例の場合、6個の負荷が用いられている。したがって、6個の位相シフトバースト信号50が図示されている。各位相シフトバースト信号、例えば50_(2)は、前の位相シフトバースト信号、例えば50_(1)より、(T/2)/6=T/12だけ遅れる。
【0027】
図7は、本発明の順次バーストモード信号発生装置10の例示的IC(集積回路)構成60を示す。IC60は、PWM発生器12、Vsync検出及び位相シフト検出器13、周波数マルチプライヤ14、及び位相遅延アレイ16からなる。構成要素12,14,16は、図1-図5を参照して上で説明したものである。例示的IC60はまた、クロック15、三角波34を発生する発振器22、位相シフトバースト信号の電流駆動能力を増幅するバッファ19、及び不足電圧ロックアウト保護回路2を含む。
【0028】
PWM発生器12は、入力として、DIM、極性、LCT、及びクロック信号(100KHz発生器)を受ける。PWM発生器12は、上で説明した通り、PWM信号36を発生する。さらに、上で説明した通り、PWM発生器12によって発生したPWM信号のパルス幅は、DIM及び極性の入力を用いて選択される。例示IC60のLCTは、所定周波数の三角波を発生する発振器22の入力である。クロック15は、可変パルス幅がカウントされるように、時間の増加を測定するために用いられる。
【0029】
Vsync検出及び位相シフト検出器13は、入力として、Vsync38、Sel1、Sel0、及びクロック15を受ける。Vsync38は、既に説明した通り、独立の基準信号である。Vsync検出及び位相シフト検出器13は、独立基準信号Vsyncの存在を検出し、上で説明した通り、位相遅延値Dを計算する。例示のICでは、もしVsync38が検出されないと、検出器13は、基準信号38を発生するために、発振器22の周波数を利用する。検出器13がVsync38を検出したとき、検出器13は、発振器22の周波数の使用を放棄し、信号38のためにVsync周波数を採用する。検出器13は、位相遅延値Dと、独立の基準信号38を出力する。信号38はクロック15と共に周波数ダブラ14に送られ、Vsyncの周波数は、バースト周波数を発生するために2倍化される。
【0030】
例示のICでは、位相遅延アレイ16へ入力される信号には、PWM発生器12からのPWM信号36、周波数ダブラ14からのバースト周波数値、及びクロック15を含む。上で説明した通り、位相遅延アレイ16は、複数の位相遅延バースト信号を発生するためにカウンタを利用する。各位相シフトバースト信号は、負荷18に対するパワーを調整するように作用する。各位相シフトバースト信号は、その電流駆動能力を増幅するバッファ19を通して、そして更に各位相アレイドライバ100を通して駆動される。このことは、更に以下で説明する。
【0031】
保護回路2は、電源(Vcc)の電圧レベルを検知するために用いられる。図6のピン26に示されるVccが低電圧から高電圧に増加したとき、保護回路2は、ICが機能的に初期状態となるように、IC全体をリセットする。Vccが低電圧になったときは、保護回路2は、ICへの可能性がある損傷を防ぐために、ICを遮断する。
【0032】
図8は、例示的位相アレイドライバ100のより詳細なブロック図である。例示の構成では、各位相アレイドライバであるドライバ1,ドライバ2,…,ドライバn/2は、二つの位相シフトバースト信号を入力として受け、二つの各負荷にパワーを出力する。各負荷へのパワーの調整は、他の負荷へのパワーの調整とは独立して行われる。したがって、他の構成としては、各位相アレイドライバ100が、全体の数が図示のものよりも多いもの又は少ないものを含む如何なる数の負荷を制御するように構成することもできる。例示の装置では、各位相アレイドライバ100は、180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号50を受け、180°位相が異なる二つの電力調整制御信号51を発生する。位相アレイドライバ100は、各可変パルス幅Lを、各負荷が各サイクルにおいてオンである期間に転換する。したがって、位相シフトバースト信号のパルス幅が広ければ広いほど、各サイクルにおける各負荷に供給されるパワーは大きくなる。また、各負荷は、各位相シフトバースト信号50によって画定されるバースト周波数によってオン・オフされる。ドライバ100は、例示の装置では相補信号を受けるので、位相シフトバースト信号50の数は、この実施例では、偶数である。
【0033】
図9は、位相アレイドライバ100内で、負荷電流制御信号ICMPを発生する例示的回路200を示す。図10は、図9の回路に関連したタイミング図である。以下の説明では、図9及び図10が共に参照される。また、図1-図5も参照される。
【0034】
回路200は、電流制御信号ICMPを発生する誤差増幅器120と、負荷18と直列に結合された検知抵抗Rsense138と、位相遅延アレイ16へ回路200を結合するスイッチ134と、帰還キャパシタCFBからなる。さらに、例示の回路200は、ノイズをフィルタリングするためのRCローパスフィルタ136を含み、そして、電流制御信号ICMPを負荷18に印加するためのトランス160を利用する。上記の構成要素は、以下さらに説明する。
【0035】
一般的に、回路200は、二つの動作モードの間、帰還信号VIFBを受け、電流制御信号ICMPを発生する。第1モードはソフトスタートモードであり、第2モードはバーストモードである。ソフトスタートモードでは、負荷18は、外部ソフトスタートコントローラ(図示せず)を用いて、ウォームアップ期間の間、オフ状態から動作オン状態にパワーアップされる。ソフトスタートコントローラについては、以下更に説明する。バーストモードでは、前記した位相シフトバースト信号50(PWM)のデューティサイクルが、負荷18の動作オン状態の間、負荷電流ILを調整するのに利用される。すなわち、例示の実施例では、負荷電流ILは、[L/(T/k)]*ILmaxに比例することになり、ここで、Lは信号50のパルス幅、T/kは信号50の周期、ILmaxは負荷が完全にパワーオンされたときの負荷電流である。このように、負荷18は、バーストモードの間調光される。このことは以下で更に説明する。ソフトスタートモードがバーストモードに順番として先行することに注目すべきである。電流制御信号ICMPは、バーストモードの間、負荷電流ILを制御するが、ソフトスタートモードの間は負荷電流ILを制御しない。ソフトモードの間は、ICMPは、いつソフトスタートモードからバーストモードで転換するかを決めるために監視される。このことは、以下に更に説明する。
【0036】
両方のモードにおいて、誤差増幅器120は、帰還信号VIFBを基準信号ADJと比較し、制御信号ICMPを発生する。例示の実施例では、誤差増幅器120は、負帰還演算増幅器である。ADJは、負荷18の動作電流を表わす所定の一定基準電圧である。これについては、以下に更に説明する。電流制御信号ICMPは、ADJと等しくするために、帰還信号VIFBを増加又は減少するように変動する。すなわち、もしVIFBがADJより小さければ、誤差増幅器120はICMPを増加させる。反対に、もしVIFBがADJより大きければ、誤差増幅器120はICMPを減少させる。もしVIFB=ADJなら、ICMPはVIFBをADJに維持するために一定である。ソフトスタートモード及びバーストモードの間における例示回路200の動作は、この順番で以下詳細に説明する。
【0037】
上で説明した通り、ソフトスタートモードでは、負荷18は、オフ状態から動作オン状態にパワーアップされる。回路200は、負荷電流ILに基づき制御信号ICMPを発生する。各位相シフトバースト信号PWM50に基づいて制御信号ICMPを発生するのではない。すなわち、ソフトスタートの間、回路200は、スイッチ134によって位相遅延アレイ16からは非結合とされる。このことは、さらに以下で説明する。以下の説明は、ILrmsとILrms(spec)について行う。ILrmsは、任意時刻における負荷電流ILの平均値を表わす。ここでのILrms(spec)は、負荷18がフルパワーで動作しているときの製品の負荷仕様のことである。
【0038】
ソフトスタートモードにおいて、帰還信号VIFBは、負荷電流ILの関数である。負荷電流ILは、通常、正弦波である。オームの法則に従い、帰還信号VIFBはRsense*ILに比例する。VIFBはおよそ0.45*Rsense*ILrmsに等しく、以下により得られる。
【数1】

ここで、T_(L)は正弦波の周期であり、t_(1)とt+T_(L)はそれぞれ正弦波の一周期の開始及び終了点を画定し、ILpeakはピーク負荷電流である。ダイオード137は負荷電流ILの負の部分をカットし、図9aに信号400として示され、負荷に供給される半波整流電流波形である波形IL(+)を発生する。位相シフトバースト信号PWMが回路200から電気的に切り離されることにより、帰還信号VIFBは、実質的にRsense両端の電圧である。すなわち、
【数2】

本発明は、帰還量VIFBを決める本方法に限られるものではない。例示の実施例では、ソフトスタートモード及びバーストモードの両方において、一定基準電圧ADJは0.45*ILrms(spec)*Rsenseに等しく、ここで、ILrms(spec)は通常、先にも述べた通り、負荷動作仕様によって画定される一定値である。したがって、負荷18がフルパワー、即ち、動作仕様通りのオン状態のとき、VIFBはADJと等しくなる。負荷18はソフトスタートモードの初期では、オフ状態からターンオンされるので、負荷電流ILは実質的にゼロである。その結果、VIFBは実質的にゼロ、即ちADJより小さい。したがって、ICMPは高い。負荷電流ILがソフトスタートコントローラ(図示せず)によって増加されるにつれて、VIFBは増加し、それにより、VIFBとADJの間の差が減少される。その結果、ICMPが減少する。VIFB=ADJのとき、負荷18は、上で述べた通り、動作上オンであり、ICMPは、負荷18をその動作電流で制御するためのエネルギを搬送する。したがって、ソフトスタートモードで規定されるウォームアップ段階は、ソフトスタートコントローラ(図示せず)によって提供されるエネルギがICMPによって提供されるエネルギに一致するまで増加したとき、終結する。この時点で、ソフトスタートコントローラ(図示せず)は制御を止め、そしてICMPが負荷電流を制御する。つまり、この時点からバーストモードが開始する。
【0039】
バーストモードでは、回路200は、負荷電流ILとPWM信号50の両方に基づき、電流調整信号ICMPを発生する。したがって、VIFBはもはや等式VIFB=(0.45)*Rsense*ILrmsに付帯しない。その代わり、上記等式は、PWM信号50の存在によって決まる因子によって補足される。その結果、バーストモードでは、ICMPはPWM信号50に従い、負荷18を駆動する。このことは以下更に説明する。
【0040】
スイッチ134は、バーストモードの間、回路200を位相遅延アレイ16に結合する。例示の装置では、スイッチ134は、基準電源REFがそのソース(又はエミッタ)に、各位相シフトバーストモード信号(PWM)50がそのゲート(又はベース)に接続されたPNP型トランジスタ134である。基準電源のREFは、例えば、IC電源電圧VCC(図示せず)を分圧する電圧分圧回路(図示せず)を通して得ることができる。PWM50によってトリガされたとき、スイッチ134は、ドレイン(又はコレクタ)をそのソースのREFに結合し、信号PWM_52を回路200に伝達する。好適実施例では、スイッチ134は、ゲートに印加されるロー信号によってトリガされ、そのため、PWM_52はPWM50に対して相補の関係にある。PWM50がハイレベルのとき、トランジスタ134はオフであり、PWM_52はPNPトランジスタ134から絶縁される。すなわち、バーストモードに関する情報は何にも回路200に伝達されず、VIFBは、本実施例の場合、式0.45*ILrms*Rsenseに従う。PWM50がローレベルのとき、トランジスタ134はオンとなり、PWM_52はハイとなる。Rlimit135は、PWM_52の電流を電圧に変換する。この電圧はVIFBに加算される。Rlimitの値は、VIFBに加算される電圧が、負荷電流を動作上のオン状態からオフ状態に変えるためにICMPに影響を与えるように選択される。
【0041】
PWM信号50が導入され、上記の通り、PWM_52が発生される。PWM50がローレベルになると、PWM_52がハイレベルとなり、その結果、VIFBはADJを超える。VIFBを減少し、VIFBをADJと一致させるために、ICMPが低くなる。ICMPは負荷18を駆動するため、負荷18は実質的にターンオフとなる。当業者であれば、負荷18がオフになると云うことは、必ずしも負荷18への電流又は電圧がゼロになることではないことが分かる。電流又は電圧は、オフのとき、最小限、負荷18に印加されていても構わない。そして、PWM50がハイレベルになるとき、PWM_52は、基準電圧REFから非結合とされる。例示の実施例では、VIFBは、等式VIFB=0.45*ILrms*Rsenseの関係に戻る。負荷は実質的にオフであるため、ILrmsはほぼゼロである。ICMPは、VIFBをほぼADJとするために、高くなる。その結果、負荷電流ILは高くなり、負荷18はターンオンとなる。その結果は、図10の示す通り、負荷電流ILは各位相シフトバースト信号PWM50に従うことになる。しかしながら、その負荷電流ILはまた、各バースト信号PWMより遅れる。
【0042】
図11は、本発明による例示的装置のバーストモードの間のPWM_52、ICMP、及び負荷電流ILの波形のオシロスコープによる観測図である。PWM_52は、各位相シフトバースト信号PWM50によってタイミングが取られており、即ち、PWM50のハイからロー又はローからハイへの遷移と、PWM_52の各ローからハイ又はハイからローへの遷移との間には重大な遅れはない。誤差増幅器120は、有限の充放電電流を有しているため、VIFBがADJより高くなったり又は低くなったりするとき、キャパシタCFB139を充放電するのにそれぞれ時間が掛かる。その結果、図11に示される通り、ICMPはPWM_52より遅れる。ICMPは、バーストモードの間、負荷18を駆動するので、負荷電流ILも同様に、PWM_52より遅れる。
【0043】
図12は、位相アレイドライバ100の例示的IC構成300を示す。IC300は、ハーフブリッジスイッチング構成のブレークビフォアメーク回路130を有する。これについては、後で更に説明する。他のIC構成では、“フルブリッジ”,“フォワード”,“プッシュプル”等のスイッチング構成が、本発明の範囲を逸脱することなく用いることができる。IC300の動作を、図9を再び参照しながら説明する。例示のIC300は、互いに180°位相が異なる二つの位相シフトバースト信号(PWM信号)50を受ける。例示のIC300は、互いに180°位相が異なるこれら二つのバースト信号50を、二つの負荷それぞれを駆動するのに利用する。当業者であれば、二つのそれぞれの負荷を駆動するある構成要素(例えば、セレクタ122,124,126)が二重化されていることが分かる。もちろん、図示のIC300は一例に過ぎず、三つ又はそれ以上の負荷(又は単一の負荷)を駆動するように簡単に構成できる。最初は、以下に記述する通り、信号検出を行う一般的な比較回路からなるセレクタ122,124,126について説明する。
【0044】
例示のIC300は、電圧検出のための誤差増幅器121、電流検出のための誤差増幅器120、電流又は電圧帰還セレクタ122、バーストモード又はソフトスタートモードセレクタ124、最小電圧セレクタ126を有する。セレクタ122,124,126は、一つの比較器と二つの伝達ゲートからなる同一構造とすることができ、マルチプレクサで構成することができる。
【0045】
上で説明した通り、各誤差増幅器120は、ソフトスタートモードでは負荷電流ILによって、またバーストモードでは負荷電流と位相シフトバースト信号PWM50の両方によって決まる帰還信号VIFB(例示のIC300ではピン3のところに示されている)とADJとを比較することによって、電流制御信号ICMP(例示のIC300ではピン4のところに示されている)を発生する。
【0046】
同様に、図13は、誤差増幅器121を示す例示的回路350を表わす。誤差増幅器121は、負荷電圧によって決まる電圧帰還信号VFB(例示のIC30ではピン6)と基準電圧(例えば、2V)とを比較することによって、電圧制御信号VCMP(例示のICではピン5)を発生する。例示的実施例では、負荷が最初にパワーオンされるとき、ソフトスタートコントローラ(入力132のところ)によって負荷に供給されるパワーは低い(以下、SSTと言う)。すなわち、トランス160の二次側の負荷電圧Vxは低い。その結果、VFBは低い。VFBと基準信号(例えば、2V)との間の差は比較の閾値より大きいので、誤差増幅器121は大きいVCMP信号を発生する。VFBと負荷電圧の間の関係は、以下に更に説明する。SSTが増加すると、VFBは増加し基準電圧(例えば、2V)に近づき、そしてVCMPは減少する。VFBが基準電圧(例えば、2V)と一致したとき、VCMPが、負荷電圧を駆動するのにSSTに代わって選択され、VFBが基準電圧(例えば、2V)と一致するように、負荷電圧を所定の値に効率的にクランプする。回路360は、VFBと、例示回路350ではトランスの二次側に提供される実際の負荷電圧Vxとの間の次の関係を表わす。
VFB=Vx*C1/(C1+C2)
したがって、C1とC2は、電圧帰還信号VFBが負荷電圧Vxの所望の要素を反映するように選択される。例えば、もしC2=1000*C1なら、VFB=Vx/1000、即ち、VFBは、負荷電圧Vxの1/1000である負荷電圧を表わす。本実施例では、もし基準電圧が2ボルトであれば、負荷電圧は2000ボルトでクランプされる。さらに、図9の半波整流ダイオード137に類似して、ダイオード365は、半波整流電圧信号を発生する。Ry及びCyは、整流波形のピーク電圧を検出するピーク電圧検出器である。
【0047】
電流又は電圧帰還セレクタ122(I_又は_V帰還)は、バーストモード動作の間、負荷を駆動する信号として、電圧制御信号VCMP又は電流制御信号ICMPの何れか一方を選択する。例示のIC300では、セレクタ122は、もし負荷電圧が上記所定値を超えており且つ負荷電流が動作電流より小さければ(即ち、VIFB<ADJ)、VCMPを選択する。さもなければ、セレクタ122はICMPを選択する。セレクタ122は、制御信号の選択を決めるのに他の比較を用いても構わない。例えば、セレクタ122は、負荷が動作上の又は所定フルパワーに達したか否かを決めるのに、ADJとVIFBを比較するように構成することもできる。以下、上で記したICMPまたはVCMPの何れかである制御信号CMPについて説明する。
【0048】
例示IC300では、セレクタ122は、バーストモード又はソフトスタートセレクタ124(CMP_又は_SST)に結合されている。例示のIC300のセレクタ124は、二つのモード、即ちソフトスタート又はバーストモードの内の何れの動作モードを適用するかを決定し、以下のように、適当な時期に、ソフトスタートモードからバーストモードに切り換える。セレクタ124は、どのモードを適用するかを決定するために、且つ、ソフトスタートモードでのソフトスタート信号SST又はバーストモードでの制御信号CMPの何れかである信号CMPRを発生するために、CMPとSST(ソフトスタートコントローラによって発生する負荷パワー制御エネルギ)とを比較する。上で記した通り、負荷18が一旦動作上オン状態に達するとバーストモードがトリガされるので、CMPRは、SSTがCMPと等しくなる前はSSTであり、一旦SSTがCMPと等しくなるか又はそれを超えると、CMPRはCMPである。ソフトスタート信号(SST)を提供するソフトスタートコントローラは、例えば、ピン13,132に外部的に接続され、その充電速度が負荷がパワーアップされる速度を決めるキャパシタ(図示せず)を用いることにより構成される。本実施例では、SST電圧はIs/(C*T)と等しく、ここで、Isは電源133によって提供される電流、Cは外部キャパシタ(図示せず)の容量である。外部キャパシタ(図示せず)の容量は、ソフトスタートモードの間の負荷電流ILが増加する速度を変化させるために、変更しても構わない。CMPがSSTと一致したとき、ソフトスタートモードは終了し、バーストモードが開始し、CMPがバーストモードの間の負荷へのパワーを制御するが、SSTはVCCまで増加し続ける。
【0049】
例示のIC300では、セレクタ124は最小電圧セレクタ126(CMPR_又は_MIN126)に接続される。このセレクタの出力を、以下、RESCOMPと称する。セレクタ126は、たとえ負荷がオフ状態のときでも、所定の最小パワーが負荷に供給されることを確実にする。すなわち、負荷に供給されるパワーが所定の最小値より小さいとき、RESCOMPは最小電圧の例えば740mVである。もし負荷電圧が所定の最小電圧より高ければ、RESCOMPはCMPR(即ち、上述した通りCMP又はSSTの何れか)である。
【0050】
その結果、バーストモードでは、PWM50が下がり、上で述べた通り負荷がターンオフする時はいつでも、所定の最小電圧が負荷の両端に維持される。負荷の両端に最小電圧を維持することの望ましい点を、例示的負荷としてCCFL(冷陰極蛍光ランプ)に関して以下に説明する。
【0051】
CCFLは、オフのときは高インピーダンスである。したがって、ランプを流れる電流を最初に誘起する、即ちランプをターンオンするには、大きな電圧が必要とされる。例示のIC300では、ランプをターンオンするために、トランス160の二次側から、CCFLに大きな電圧が印加される。一旦ランプを電流が流れ始めると、インピーダンスは下がり、その結果、電圧は、通常の動作レベルまで下げても構わない。ランプをターンオンするために大きな電圧の印加の繰返しを避けるために、それ以後は、所定の最小パワーが負荷の両端に維持される。
【0052】
所定最小電圧がセレクタ26によって選択されたとき、ランプ128はパルス幅変調器(PWM)として機能し、負荷のパワーを決めるパルス幅のPWM信号を発生する。ランプ128の機能は、図3に関連して既に説明したパルス幅変調器12の機能と類似したものである。この類似に関連して、PWM信号の発生のためにランプ128によって利用されるDC電圧は、前記の所定最小電圧である。所定最小電圧は、図3に関連して説明した三角波34との交点において、信号を維持するために最小限間に合うPWMパルス幅を発生する。ランプ128は、各バーストモードの間、負荷がオフのとき、負荷を最小限パワーオンのままにするために、セレクタ126によって提供される所定最小電圧を有効的に利用する。負荷電圧が所定最小値を超えたとき、前述バースト信号PWM50によって決まるパワー信号が利用される。
【0053】
ブレークビフォアメーク回路130は、上で説明した適当な信号を、トランス160をオン・オフするために利用する。これに代えて、適当なスイッチをこの目的のために用いても構わない。例示のIC300は、ハーフブリッジ構成として用いた、即ち汎用のDC/ACコンバータとして二つのスイッチを有する。ブレークビフォアメーク回路130の出力(NDRI及びPDRI)は、NMOSFETとPMOSFETをそれぞれターンオン又はターンオフし、それにより、トランス160をグラウンド又はVCC(電源)にそれぞれスイッチングする。ブレークビフォアメーク回路130が、NMOSFETとPMOSFETのそれぞれを、相手のものに対して排他独占的にターンオンすることが重要である。すなわち、NMOSFETとPMOSFETは、重なり合わない一対の信号を発生する。他の実施例では、四つのスイッチが、トランス160をグラウンド又はVCCにスイッチングするために、フルブリッジ(H-ブリッジ)構成に用いられる。スイッチは、DC電圧(VCC)を、当業者には良く知られているように、トランスの一次側に供給されるAC信号に変換する。
【0054】
図14(a)及び図14(b)は、それぞれハーフブリッジ及びフルブリッジスイッチング構成の従来のDC/ACコンバータの回路例を示す。図14(a)のハーフブリッジ構成は、上記した例示のIC300に提供されている。フルブリッジ(H-ブリッジ)構成の実施例は図14(b)に示されている。フルブリッジ構成は、典型的には、重なり合わない二つの信号対を発生する二つのNMOSFET及びPMOSFETの対を利用する。これについては、図15を参照して以下に説明する。トランス160は、対角線上のスイッチの対、AとD(AD)及びBとC(BC)の導電状態をそれぞれ交互とすることにより、ターンオン又はターンオフされる。ブレークビフォアメーク回路130は、ADとBCが同時にオンとはならないことを確実にする。
【0055】
図15は、本発明による例示的実施例のフルブリッジ構成において、対角位置にあるスイッチの信号(即ち、AD及びBC信号)の発生例を示すものである。図3に関連して既に述べた通り、発振器22は三角波34を発生する。信号34は、信号34´を発生するために反転される。RESCOMPはセレクタ126の出力である。すなわち、RESCOMPは、ICMP,VCMP,SST又はMIN(例えば、740mV)の内の一つである。したがって、RESCOMPは可変である。基準信号CLKは、スイッチAとBを独立して切り換えるのに利用される。例示の実施例では、CLKは50%のデューティサイクルを有し、信号34に従う。第2基準信号PS_CLKは、スイッチCとDを独立的に切り換えるのに利用される。例示の実施例では、PS_CLKは、調整可能な遅延を以って位相シフトされたCLK信号であり、D_(clk-)RESCOMPはD_(clk)を決める。これについて以下説明する。PS_CLKの各パルスの正のエッジと負のエッジは、信号34の立上りとRESCOMPとの各交点、及び信号34´の立上りとRESCOMPとの交点によって発生される。したがって、RESCOMPが増加するとき、例えば、各位相シフトバースト信号50が、バーストモードの間、高くなるとき、CLKとPS_CLKとの間の位相遅延D_(clk)は増加する。スイッチング対AD及びBCのオン時間は、CLKとPS_CLKの重なりによって決まる。したがって、D_(clk)が増加するとき、AD及びBCのオン時間は増加し、これにより、より多のパワーが各負荷に供給されることになる。しかしながら、本発明は、特定のドライバ構成に限定されるものではなく、したがって、ハーフブリッジ又はフルブリッジ構成に限られるものではない。
【0056】
例示的実施例である、図12のIC300に話を戻す。トランス160に供給される電圧がIC300への電源電圧を超える場合、ブレークビフォアメーク回路130は、“高電圧レベルシフティング”を利用する。“高電圧レベルシフティング”は、以下の例で説明される。VCCは5ボルトである。すなわち、PMOSFETのゲート制御信号レベルは、グラウンド(0ボルト)からVCC(5ボルト)に変動する。もし15ボルトがトランス160に送られれば、ブレークビフォアメーク回路130は、PDRI出力に10ボルトのDC電圧シフトを与え、それにより、PMOSFETゲート制御信号が15ボルトに達するようにする(DC高電圧レベルシフトによる10ボルト+電源電圧の5ボルト)。
【0057】
例示のIC300は更に、保護回路140を有する。このIC300では、回路140は、不足電圧ロックアウト回路(UVLO)である。ソフトスタートモードの最後で、もしトランス160へ供給される電圧が減少せず、またはもし負荷電流ILが特定のフル動作レベルに達しなければ、回路140は、IC300を遮断する。最大パワーが負荷に供給されている間に、もしVIFBがADJよりも低ければ、回路140は負荷電流を検知し、バーストモード動作の間、IC300を遮断する。VIFBがADJよりも低いときは、上で説明した通り、誤差増幅器120は、負荷への出力パワーを増加する。そこで、回路140は、過度のパワー供給から構成要素又は部品の損傷を防ぐために、上記の状態になったとき、ICを遮断するのである。また、保護回路140は、上で説明した通り、ソフトスタートモードの期間は、不能動化される。
【0058】
上述した通り、本発明によれば、本発明の目的を満足する順次バーストモード調整回路が提供され得ることは明らかである。当業者であれば、図示して説明した実施例に対して、各種の改変、変更が、本発明の範囲を逸脱することなく可能であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の例示的な順次バーストモード信号発生装置のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の例示的な順次バーストモード信号発生装置のより詳細なブロック図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な順次バーストモード信号発生装置のパルス幅変調器の信号波形図である。
【図4】図4は、本発明の例示的な順次バーストモード信号発生装置の位相遅延アレイの信号波形図である。
【図5(a)及び図5(b)】図5(a)及び図5(b)は、負荷の数による“選択”信号入力の表である。
【図6】図6は、図1から図5で説明した各種信号をまとめて表わした信号波形図である。
【図7】図7は、本発明の順次バーストモード信号発生装置の例示のIC構成を示す。
【図8】図8は、本発明の位相アレイドライバの詳細図である。
【図9】図9は、本発明において、位相アレイドライバがどのようにしてパワー調整信号を発生するかを示した回路例を示す。
【図9a】図9aは、負荷電流の信号波形図である。
【図10】図10は、本発明において、位相アレイドライバがどのようにしてパワー調整信号を発生するかを示したタイミング図である。
【図11】図11は、本発明による例示的位相アレイドライバによって発生されたパワー調整信号の波形図である。
【図12】図12は、本発明における、位相アレイドライバの例示的IC構成を示す。
【図13】図13は、本発明の例示的ICにおいて、位相アレイドライバがどのようにして電圧クランプ信号を発生するかを示した回路例を示す。
【図14(a)及び図14(b)】図14(a)及び図14(b)は、それぞれハーフブリッジ及びフルブリッジ(H-ブリッジ)構成の回路例を示す。
【図15】図15は、フルブリッジ構成における交叉スイッチ信号の発生を示す信号発生例を示す。
【図面】


















 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2009-02-02 
出願番号 特願2002-557170(P2002-557170)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H02M)
P 1 41・ 851- Y (H02M)
P 1 41・ 856- Y (H02M)
P 1 41・ 854- Y (H02M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 川端 修  
特許庁審判長 田良島 潔
特許庁審判官 小川 恭司
片岡 弘之
大河原 裕
仁木 浩
登録日 2006-01-13 
登録番号 特許第3758165号(P3758165)
発明の名称 順次バーストモード活性化回路  
代理人 志賀 正武  
代理人 渡邊 隆  
代理人 渡邊 隆  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 村山 靖彦  

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