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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1192952
審判番号 不服2008-15318  
総通号数 112 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-04-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-27 
確定日 2009-02-16 
事件の表示 特願2003-436422「複合式闘歌句具」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 6月 9日出願公開、特開2005-144127〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成15年11月11に出願された実願2003-273139号の実用新案登録出願を特許法第46条第1項の規定により同年12月8日に特許出願に変更したものであって、平成19年11月21日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成20年1月26日に補正書が提出され、同年4月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月27日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 本願発明
平成20年1月26日付け手続補正書により、特許請求の範囲の請求項1は、
「五十音索引表(字母表)の全仮名文字を各々個別に表記した51枚、其の内の重複する(う,え,い)の文字を省いた異なる仮名文字のみの48枚、現代仮名遣いのみ使用の46枚、(ゐ≒い,ゑ≒え,お≒を)として「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音の45枚、から成る札(カード)又は大略長方体(や立方体)の牌(パイ)をそれぞれ一組として、其の同種又は異種を三組含む当該札又は当該牌の一群で構成され、慣行麻雀手順(方法)を準用(転用準行)して、裁量自由(裁成的)な混交変換で以って、詩歌句創作を競うことを特徴とする複合式闘歌句具。」(以下、「本願発明」という。)と補正された。

第3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された実願昭52-45209号(実開昭53-140579号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、以下の記載が図面とともにある。なお、摘記に当たり、麻雀のルールに関する用語は、都合上片仮名に改める場合がある。
(1-ア)
「清音仮名文字、濁音符、半濁音符、長音符及び必要に応じた特殊符号、文字、画をそれぞれ表面に設け、裏面はすべて無地若しくは同一色彩図柄等に統一した所定数1組のゲーム用片からなるゲーム用片セット。」(第1頁6?10行の実用新案登録請求の範囲)

(1-イ)
「本案は麻雀、トランプ、花札などのルールを適用し、各片の組合わせによる無限の造語によって持ち札の内容及び得点に変化が生じるようプレイできるゲーム用片セットに関するものである。」(第1頁13?16行)

(1-ウ)
「本案はこれに対し、有限の片を用いて無限の組合せを作り出してゲームを行えるゲーム用セット片を提供するもので、各片の用法、即ち遊び方は麻雀やトランプ、花札における遊び方とほとんど全部が適用可能となる文字、符号、図柄等を表面に設けた多数片の組合せを特徴とする。」(第3頁1?6行)

(1-エ)
「「あ,い,う,え,お,か,き,く,け,こ,さ,し,す,せ,そ,た,ち,つ,て,と,な,に,ぬ,ね,の,は,ひ,ふ,へ,ほ,ま,み,む,め,も,や,ゆ,よ,ら,り,る,れ,ろ,わ,ん」の各清音仮名文字45種をそれぞれ表面1aに記入又は刻設した片1と、濁音符「゛」を表面2aに記入又は刻設した片2と、半濁音符「°」を表面3aに記入又は刻設した片3と、長音符「|」を表面4aに記入又は刻設した片4と、ジョーカとなる顔画を表面5aに記入又は刻設した片5等からなる計51枚を4組204枚と、ゐ,ゑ,を,の各字を表面6aに記入又は刻設した片6、3枚と補充用としての無印の片7、3枚を加え合計210枚を1セットとして構成されている。各片は同形同大で、第2図に示されるようカード状としてもよいし、第3図に示されるよう麻雀牌状としてもよい。」(第3頁9行?第4頁4行)

(1-オ)
「麻雀として4人が使用する場合を説明すると、卓上においてよく混ぜ、すべての片の表面を下向きにした状態から井圏(ちんちゆえん)を作り、麻雀と同じ手段によっ起家(ちいちや、所謂親)を決め、各字13個ずつ、親のみ14個を取り、親は最初に1個を打片する。以後順番に自模を行い・・・手持ちの片1?6による造語によつて、チー、ポンは行われる。即ち、上家が「さ」の片1を捨てたとき、面前で「く」「ら」の片1,1を手持ちしていたとき、「くら」だけでも「蔵」、「倉」、「鞍」等の語になっているが、これを「桜」としたければ上記「さ」をチーする。又、誰かか「は」の片1を捨てたとき、面前で手持ち「は」があれば、これをポンして「はは」(母)とする。」(第4頁11行?第5頁9行)

(1-カ)
「得点は2字語、3字語、4字語?10字語・・・に対し、それぞれ2字語は3点、3字語は6点、4字語は10点・・・など、予め定めておく。以上の説明よって明らかなように、造語により手持ちの内容をいかようにも、無限に変えることができるこのゲームは語彙が豊富であることと、例えば5字語と5字語に手持の2字プラス和了(ほわら)時の1字による3字語の組合せに較べ13字語あるいは7字語と6字語の組合せなどいずれが高得点となるかを瞬間に判断できる計算力を持っていることが勝利に通じるため、従来の麻雀にはない抜群の興味が得られる。」(第5頁19行?第6頁10行)
以上の記載事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「清音仮名文字45種及び濁音符などをそれぞれ表面に記入又は刻設しカード状又は麻雀牌状とした所定数1組のゲーム用片を4組と、その他の文字などを記入又は刻設したゲーム用片を加えた所定数を1セットとして構成され、ゲーム用片を用いて造語の組合わせを作り出すゲーム用片セット。」

同じく原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-284551号公報(以下、「引用文献2」という。)、特開平8-318021号公報(以下、「引用文献3」という。)、特開平9-103535号公報(以下、「引用文献4」という。)、特開2002-95785号公報(以下、「引用文献5」という。)及び特開2003-33463号公報(以下、「引用文献6」という。)並びに当審で新たに引用する実願昭51-173197号(実開昭53-89883号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献7」という。)には、それぞれ以下の記載が図面とともにある。

引用文献2の段落【0008】には「上記の要素で構成した闘歌句兼装飾用ボードで、標準的には三名がゲームのルールを決めてそれぞれの列に文字駒を置き、全て置き終えた時点で一列(一辺又は一弧)の文字を歌句に変換し優劣を競うものである。」と、同段落【0009】には「文字駒の数は文字枠配列の数に応じて、45個(同文字、同音文字の無い時)ないし48個(異文字)あるいは49ないし51個の文字駒とする事が可能である。」と記載されている。

引用文献3の段落【0006】には「文字枠17個(必要に応じて16ないし19個)を有する大略円弧形に配置した文字枠列を3弧、其の端部の枠が各々重複合致し、かつ其の中間部分で他の円弧上の文字枠と相互に交差重畳させて文字枠配列基盤を構成し、該基盤上で文字枠列の交差重畳枠を含む中央部で1面を、其の外側部は順次下降または傾斜させて立体的構成に3面を形成し、各円弧の中心軸中心側で、鼎座目視位置に於ける特定の視野範囲内において、傾斜させた3面における円弧上の文字枠(文字駒を置いた状態では文字駒)が、端部重複枠を除き見えないように構成して、互いに異なる五十音索引表仮名文字51個または其の内異なる仮名文字45ないし51個の各文字駒を構成要素とする文字駒群を、一つずつ配置して、其の一部を秘匿しつつ作句等を競えるようにして、闘歌句盤を提供できる。」と記載されている。

引用文献4の段落【0006】には「中央枠列に対して外側枠列を一様な傾斜または局部的に立体的な凹凸を有する基盤(1)とし、文字駒(3)を留取可能な形態にした文字枠(2)を配列し、該文字駒を該文字枠内に各個排置し得るようにしたり、あるいは対座目視位置に於ける特定の視野範囲内において、傾斜させた他外側面における外側枠列の文字枠(文字駒を置いた状態では文字駒)が、見えないように構成して、互いに異なる五十音索引表仮名文字51個または其の内異なる仮名支字45ないし51個の各文字駒を構成要素とする文字駒群を、一つずつ配置して、其の一部を秘匿しつつ作歌等を競えるようにして、闘歌句盤を提供できる。」と記載されている。

引用文献5の段落【0010】には「上記の要素で構成した闘歌句盤で、標準的には多角形に応じて4?6人(または2,3人)が各多角形辺枠を前にして対座し、各人の割り振り文字枠列に、あるいはゲームのルールを決めて各々の列に、一般的には交互に文字駒を置き、全て置き終えた時点で自列(左右翼枠列+多角形辺枠列)の仮名文字を歌句に変換し優劣を競うもので、歌句への変換は濁点,半濁点を付与したり、よう音化あるいは促音化、旧仮名使い等を使用することで人意情景表現を即妙かつ高尚ならしめることも可能である。」と、同段落【0011】には「文字駒数は文字枠配列の数に応じて、五十音索引表の仮名文字51?49個、48個(異文字)?46個(現在使用している異文字)の文字駒とする事が可能である。字余り等に対する表現にゆとりを持たせる計らいも可能である。」と記載されている。

引用文献6の段落【0005】には「平坦な基盤(1)上で文字枠(2)を、n角形の辺と角部に等文字枠数となるよう構成した固定文字枠列n個と、文字枠数が6または7(短歌の場合は12または13または14)個の、中心部と角部とを結ぶ線上に配置されたn角形の中心部を旋回心軸にして各々の角枠線上に旋回可能な旋回文字枠列1個とで構成し、かつ、五十音索引表の51個の仮名文字を表記した文字駒(3)群の内から、異なる発音(お≒を)の45文字、現今使用の46文字、其の46文字に重複する(い≒ゐ)(う)(え≒ゑ)の発音の何れか一文字を加えた47文字、文字形の異なる48文字、其の48文字に(い)(う)(え)の何れか一文字を加えた49文字、あるいは何れか二文字を加えた50文字、全ての51文字、から選択した使用文字駒数(N個)とnの関係が俳句の場合≒(N-6または7)/n=正の整数(=一辺の全文字枠数-1)短歌の場合≒(N-12又は13又は14)/n=正の整数となるよう固定文字枠数を決定配置し、各角部を基準にして俳句の5,7,5(短歌の5,7,5,7,7)を形成するべく、前記使用文字駒を随意に各個布置し得るように付帯もしくは付属した形体または意匠にして、俳句(短歌)形式の闘歌句盤または闘歌句用柔軟棋布体を構成する。」と記載されている。

引用文献7の第2頁16行?第3頁10行には「駒(1)の表面にはア.カ.サ.タ.ナ.・・・又はイ.ロ.ハ.ニ.ホ.・・・のような一定の規則正しい順序に配列された仮名文字(2)が付されるとともに、この仮名文字に対応するローマ字(3)が付されている。本願考案の実施例では、駒の配列、及び駒数を次のようにしてある。ア.カ.サ.タ.ナ.ハ.マ.ヤ.ラ.等のア行の各駒4個を一単位(4)と、ウ.ク.ス.ツ.ヌ.フ.ム.ユ.ル.等のウ行の各駒4個を一単位(5)と、オ.コ.ソ.ト.ノ.ホ.モ.ヨ.ロ.等のオ行の各駒4個を一単位(6)と、イ.キ.シ.チ.ニ.ヒ.ミ.リ.等のイ行の駒各1個を一単位(7)と、エ.ケ.セ.テ.ネ.ヘ.メ.レ.等のエ行の駒各1個を一単位(8)と、ワ.ンの駒各1個を一単位(9)とする合計125個の仮名文字が表記された駒を形成してある。」と、第3頁20行?第4頁9行には「マージヤン式に第2図のように駒を四側に井桁状に配置せしめ、対局者各々が順次に、自己に不要な駒を捨て、井桁内(12)から1枚の駒を拾う動作をくり返すことにより第3図に示したような予め設定された駒の配列によって得点を争うことが出来るようにすることも出来る。また、駒の配列が予め定められた和歌、俳句又は自己の名前等の意味の通ずる文字の配列及び各配列毎に所定の得点が得られるようにすることも出来る。」と記載されている。

第4 本願発明と引用発明の一致点及び相違点の認定
本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「カード状」とした「ゲーム用片」は、本願発明の「札(カード)」に相当し、以下同様に
「麻雀牌状」とした「ゲーム用片」は「牌」に、「1セット」は「一群」に、「それぞれ表面に記入又は刻設し」は「各々個別に表記し」に、それぞれ相当する。
また、本願発明における「慣行麻雀手順(方法)を準用(転用準行)して、裁量自由(裁成的)な混交変換で以って」なる事項は、「複合式闘歌句具」を用いた遊技の方法あるいは遊技の進め方であって、物の発明である「複合式闘歌句具」を特定するためには何ら意味を有さないものの、仮に上記事項により、そのような遊技の方法あるいは遊技の進め方を可能とする「複合式闘歌句具」であると解釈したとしても、引用文献1の(1-ウ)に「各片の用法、即ち遊び方は麻雀やトランプ、花札における遊び方とほとんど全部が適用可能」と、また、同(1-カ)に「造語により手持ちの内容をいかようにも、無限に変えることができる」と記載されていることから、上記事項は両者の相違点を構成するものではない。
さらに、引用文献1全体の記載などからみて、以下のことが言える。
a.引用発明における「麻雀牌状」とした「ゲーム用片」が「大略長方体」であることは、引用文献1の第3図又は技術常識より明らかである。

b.引用文献1の(1-エ)より、引用発明における「清音仮名文字45種」は、五十音索引表(字母表)の全仮名文字(51枚)の内、重複する(う,え,い)の文字を省いた異なる仮名文字のみ(48枚)の内、現代仮名遣いのみ(46枚)の内、更に「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音(45枚)の文字種に該当する。

c.引用発明は上記「清音仮名文字45種」を含む「所定数1組のゲーム用片」を4組含む「ゲーム用片セット」であるから、所定数の「ゲーム用片」(札又は牌)を1組として「其の同種を複数組含む札又は牌の一群で構成され」た「複合式娯楽具」であるといえる。また、引用文献1の(1-カ)より、「造語」には「5字語」あるいは「7字語」も含まれることから、引用発明においても、単なる語だけでなく俳句や短歌を構成する段落である句を作り出せることは自明であり、更に同(1-イ)及び(1-カ)より、「造語」の組合わせ次第で得点が高低変化するのであるから、引用発明と本願発明とは「語句の組合わせ創作を競う複合式娯楽具」である点で共通する。

したがって、本願発明と引用発明は、
「五十音索引表(字母表)の全仮名文字のうち、(ゐ≒い,ゑ≒え,お≒を)として「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音の文字種を各々個別に表記した45枚を含む札(カード)又は大略長方体(や立方体)の牌(パイ)を所定数一組として、其の同種又は異種を複数組含む当該札又は当該牌の一群で構成され、慣行麻雀手順(方法)を準用(転用準行)して、裁量自由(裁成的)な混交変換で以って、語句の組合わせ創作を競う複合式娯楽具」である点で一致し、以下の各点で相違する。

<相違点1>
複合式娯楽具の一群を構成する札又は牌の文字種として、本願発明では、「五十音索引表(字母表)の全仮名文字を各々個別に表記した51枚」、「其の内の重複する(う,え,い)の文字を省いた異なる仮名文字のみの48枚」、「現代仮名遣いのみ使用の46枚」、「(ゐ≒い,ゑ≒え,お≒を)として「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音の45枚」をそれぞれ一組としているのに対し、引用発明では「五十音索引表(字母表)の全仮名文字のうち、(ゐ≒い,ゑ≒え,お≒を)として「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音の45枚」を含む所定数を一組とする点。

<相違点2>
一組の札又は牌の複数組で一群を構成する組数が、本願発明は「三組」であるのに対し、引用発明は「4組」である点。

<相違点3>
本願発明は、語句の組合わせ創作を競うのが「詩歌句」であって、娯楽具が「闘歌句具」であるのに対し、引用発明はそのような限定がない点。

第5 本願発明の進歩性の判断
<相違点1>及び<相違点3>について
所定数の札又は牌を一組として、俳句や短歌などの詩歌句創作を競う闘歌句具自体は、引用文献2(特に段落【0006】)、引用文献3(特に段落【0006】)、引用文献4(特に段落【0006】)、引用文献5(特に段落【0010】-段落【0011】)及び引用文献6(特に段落【0005】)の他、引用文献7(特に第2頁16行?第3頁10行、第3頁20行?第4頁9行)に示すとおり、本願出願前に周知である(以下、「周知技術」という)。
また、上記引用文献2(特に段落【0009】)、引用文献3(特に段落【0006】)、引用文献4(特に段落【0006】)、引用文献5(特に段落【0011】)及び引用文献6(特に段落【0005】)には、闘歌句具の一群を構成する札又は牌として、「五十音索引表(字母表)の全仮名文字を各々個別に表記した51枚」、「其の内の重複する(う,え,い)の文字を省いた異なる仮名文字のみの48枚」、「現代仮名遣いのみ使用の46枚」及び「五十音索引表(字母表)の全仮名文字のうち、(ゐ≒い,ゑ≒え,お≒を)として「お」または「を」の何れか一つを含み異なる発音の45枚」の文字種を、それぞれ一組存する点が記載されている。
そして、引用発明、引用文献2乃至引用文献7記載の技術は、いずれも札又は牌状の娯楽具という同じ技術分野に属し、所定数の片を利用して多様な語句の組合わせ創作を競うという点でも共通したものである。
したがって、引用発明のゲーム用片セットの一群を構成する札又は牌として引用文献2乃至引用文献6記載の文字種を採用するとともに、創作を競う語句の組合わせとして上記周知技術である詩歌句創作を採用することにより、相違点1及び相違点3に係る本願発明の構成とすることは、札又は駒状の娯楽具の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)にとって想到容易である。

<相違点2>について
引用発明における「所定数1組のゲーム用片」も、4組で一群を構成しており、引用文献1の(1-オ)に示されるとおり、語句の組合わせを作るにあたって重畳語あるいは仮名文字の重複使用が可能である。そして、該「所定数1組のゲーム用片」の複数組で一群を構成する際、これを何組とするかは、重畳語あるいは重複使用をどの程度可能とするか、既存の娯楽具との共用性、あるいは、競技者の数などを考慮し、当業者が適宜決め得る事項であり、これを本願発明の如く「三組」とすることは設計的事項である。

また、本願発明の効果は、引用発明、引用文献2乃至引用文献6記載の技術事項及び上記周知技術から当業者が容易に予測できる範囲のものである。

したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2乃至引用文献6記載の技術事項及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明が特許を受けることができないから、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-11-20 
結審通知日 2008-12-02 
審決日 2008-12-24 
出願番号 特願2003-436422(P2003-436422)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 酒井 保  
特許庁審判長 三原 裕三
特許庁審判官 河本 明彦
森 雅之
発明の名称 複合式闘歌句具  

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